JP2014071820A - 突発事象検知装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

突発事象検知装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】突発事象が発生した道路区間を特定することができると共に、その道路区間のどの位置で突発事象が発生したのかを特定する。
【解決手段】突発事象検知装置1は、道路を走行する車両4が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路リンクを特定する第一特定部21と、複数のブロックに区分されている道路リンクに含まれる当該複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する第二特定部22とを備えている。第二特定部22は、第一特定部21によって特定された道路リンクに関して、プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数を取得し、このブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、道路における突発事象の発生を検知する突発事象検知装置及びこの装置のためのコンピュータプログラムに関する。
道路上で交通事故、災害、物品の落下等の突発事象が発生した場合、後続の車両の安全を確保するために、この突発事象の発生を迅速に把握し、その発生を後続の車両に知らせたり、後続の車両を誘導したり、その突発事象を除去したりする必要がある。
このような突発事象の発生を検知可能な装置として、例えば、特許文献1に記載されている装置があり、この装置では、道路上での車両の存在台数に着目している。
すなわち、特許文献1に記載の装置では、車両感知器により車両の存在台数が計測され、そして、この存在台数の時間変動が算出され、この時間変動の一定期間にわたる分散が閾値以上となった場合に、突発事象が発生したと検知することが可能となる。
さらに、道路の区間(例えば、道路リンク)毎に車両感知器が設置され、各車両感知器からの情報に基づいて車両の存在台数を監視することにより、突発事象が発生した道路区間(道路リンク)を特定することが可能となると考えられる。
特開2002−83394号公報
従来の技術によれば、車両感知器を道路区間(道路リンク)毎に設置することにより、道路において突発事象が発生した場合に、その突発事象が、どの道路区間で発生したかを特定することが可能となるが、突発事象が実際に発生した場合に、後続の車両の安全を確保するためには、その突発事象が発生した道路区間を特定するのみでは足りず、突発事象の発生位置が、その道路区間の上流側のエリアであるのか、下流側のエリアであるのか等、より詳しい情報が必要となる。特に道路区間が長く設定されている場合、より詳しい発生位置を特定することが望ましい。
そこで、本発明は、突発事象が発生した道路区間を特定することができると共に、その道路区間のどの位置で突発事象が発生したのかを特定することを目的とする。
(1)本発明は、道路における突発事象の発生を検知する突発事象検知装置であって、前記道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報又は当該車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定する第一特定部と、複数のブロックに区分されている前記道路区間に含まれる当該複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する第二特定部とを備え、前記第二特定部は、前記第一特定部によって特定された道路区間に関して、前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得し、このブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定することを特徴とする。
本発明によれば、第一特定部は、検知情報又はプローブ情報に基づいて、例えば、ある道路区間での交通流の状態を把握することが可能となり、この交通流の状態に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定することができる。
そして、突発事象が発生していると特定された道路区間において、あるブロックで突発事象が発生している場合、そのブロックでは車両の通過が不可能又は困難となっていると考えられる。そこで、本発明の第二特定部は、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生したと特定された道路区間のどのブロック(どの位置)で、その突発事象が発生したのかを特定することが可能となる。
(2)また、前記第一特定部は、車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定し、前記第二特定部は、車両が生成するプローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得するのが好ましい。
この場合、ブロック毎に車両を感知するセンサを設置しなくても、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数を取得することが可能となる。
(3)また、前記第二特定部は、単一の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定するのが好ましい。
ある道路区間において、突発事象が発生しておらず、車両が円滑に走行している状態では、この道路区間に含まれる各ブロックの車両通過数は、他のブロックの車両通過数と同等になるが、あるブロックにおいて突発事象が発生すると、そのブロックにおける車両通過数は、他のブロックの車両通過数と比較して、少なくなる場合がある。そこで、突発事象が発生した時刻を含む単一の時間帯又はその後(その次)の単一の時間帯におけるブロック毎の車両通過数を見比べることにより、突発事象が発生しているブロックを特定することが可能となる。
(4)または、前記第二特定部は、第一の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数と、この第一の時間帯よりも後の第二の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数とを比較することにより、突発事象が発生しているブロックを特定するのが好ましい。
あるブロックで突発事象が発生した場合、そのブロックにおける車両通過数は、突発事象の発生前後で大きく変化すると考えられる。そこで、突発事象の発生前の第一の時間帯におけるブロック毎の車両通過数と、突発事象の発生後の第二の時間帯におけるブロック毎の車両通過数とを比較することにより、突発事象が発生しているブロックを特定することが可能となる。
(5)また、前記第一特定部は、前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、各道路区間における突発事象の発生の可能性を推定する推定部と、前記推定部によって対象道路区間に突発事象が発生している可能性があると推定されると、この対象道路区間の車両走行方向下流側の参照道路区間において突発事象が発生しているか否かを確認する参照部と、前記参照部による確認の結果、前記参照道路区間に突発事象が発生している場合、前記対象道路区間ではなく当該参照道路区間において突発事象が発生していると判定する判定部とを備えているのが好ましい。
この場合、対象道路区間に突発事象が発生している可能性があると推定されても、参照部は、この対象道路区間の下流側の参照道路区間において突発事象が発生しているか否かを確認し、この参照道路区間に突発事象が発生している場合、判定部は、対象道路区間ではなく、参照道路区間において突発事象が発生していると判定する。
したがって、対象道路区間よりも車両走行方向下流側の参照道路区間で発生した突発事象の影響を受けて、対象道路区間で車両が混雑し、これにより、対象道路区間に突発事象が発生している可能性があると推定されるような場合であっても、参照部及び判定部によれば、下流側の参照道路区間において突発事象が発生していると判定され、対象道路区間において突発事象が発生していると誤って検知されるのを防ぐことが可能となる。
(6)また、本発明は、道路における突発事象の発生を検知する処理を、コンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、前記道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報又は当該車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定する第一特定部、及び、複数のブロックに区分されている前記道路区間に含まれる当該複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する第二特定部として機能させ、前記第二特定部は、前記第一特定部によって特定された道路区間に関して、前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得し、このブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定することを特徴とする。
本発明によれば、前記(1)に記載の突発事象検知装置と同様の作用効果を奏することができる。
本発明によれば、突発事象が発生している道路区間が特定され、さらに、この特定された道路区間のどのブロックで、その突発事象が発生したのかを、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数に基づいて特定することが可能となる。
本発明の突発事象検知装置を備えている交通情報システムの全体構成図である。 突発事象検知装置の構成を示すブロック図である。 道路リンクの説明、及び、第一特定部の機能を説明する説明図である。 第一特定部の機能を説明する説明図である。 突発事象検知装置によって生成される情報を蓄積するデータベースの説明図である。 道路リンクの説明図である。 突発事象が発生している道路リンクを含む道路の説明図である。 複数のブロックに区分された道路リンクの説明図である。 単位時間当たりのブロック毎の車両通過数を示している説明図である。 (A)は、第三ブロックで突発事象が発生したことを示す説明図であり、(B)は、単位時間当たりのブロック毎の車両通過数の説明図である。 (A)は、車両が円滑に走行している状態での、各ブロックにおける車両通過数を示し、(B)は、突発事象が発生した際の、各ブロックにおける車両通過数を示している説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔1. 全体構成〕
図1は、本発明の突発事象検知装置1を備えている交通情報システムの全体構成図である。この交通情報システムには、中央装置2、車載装置3、車載装置3を搭載した車両(プローブ車両)4、及び、車載装置3と無線通信する通信装置5等が含まれる。
中央装置2は、管理エリア内の交通管制を行う機能を有し、例えば、管理エリア内の道路の各所に設置されている道路交通情報の掲示板(図示せず)の表示内容を制御したり、道路交通情報を無線により車両4に送信するための制御を行ったり、管理エリア内に設置されている交通信号機(図示せず)の灯色(信号パラメータ)を制御したりする機能を有している。
中央装置2が管理するエリア内の道路は、複数の道路区間に区分されており、本実施形態では、図3に示すように、交差点間の道路区間を一つの道路リンクとして設定している。なお、図3において、交差点をJm(m=1,2,3・・・)としており、道路リンクをLn(n=1,2,3・・・)としている。図3の直線矢印は、車両の走行方向を示している。
また、各道路リンクは、図8に示すように、複数のブロックに区分されており、本実施形態では、各道路リンクは、車両走行方向に沿って20m毎にブロック化されている。なお、図8において、ブロックをBe(e=1,2,3・・・)としている。
図1に戻って、本実施形態では、中央装置2が、その機能の一部として突発事象検知装置1(以下、検知装置1ともいう)を有しており、この検知装置1は、管理エリア内の道路上で突発事象が発生すると、その発生を検知する。検知装置1の構成及び機能については後に説明する。なお、突発事象としては、道路上で発生する交通事故、災害、物品の落下等が含まれる。
車載装置3は、プローブ情報を生成するコンピュータとしての機能及び通信機能を備えている。車載装置3は、車両4の走行に関する情報としてプローブ情報を生成し、生成したプローブ情報を無線送信する。なお、プローブ情報は数秒毎(例えば毎秒毎)に生成される。生成したプローブ情報の送信は、情報の生成毎であってもよいが、生成した複数のプローブ情報を、例えば数分毎にまとめて送信してもよい。また、車載装置3は、この車載装置3と接続した携帯電話機を介して(携帯電話網を用いて)プローブ情報を送信してもよい。
プローブ情報は、車両4の位置(座標)、この位置の通過時刻及び車両4の識別情報(車両ID)等を含む情報である。なお、車両4の識別情報に代えて、この車両4に搭載されている車載装置3の識別情報(車載装置ID)であってもよい。車載装置3はGPS機能を有しており、車両4の位置は、車載装置3が有するGPS受信機によって受信したGPS信号に基づいて算出される。また、車載装置3は時計機能を有しており、各位置の通過時刻を示す時刻情報を取得可能である。
このように、プローブ情報には、車両ID、座標及び時刻の情報が含まれていることから、検知装置1は、収集したプローブ情報に基づいて、各車両4の走行軌跡を追跡することが可能となる。なお、プローブ情報は、プローブカーデータ、又は、フローティングカーデータともいう。
通信装置5は、車載装置3との間で無線通信によって情報の送受信を行う機能を有しており、また、中央装置2と通信回線を通じて接続されている。通信装置5は、車載装置3が送信したプローブ情報を受信し、中央装置2へ転送する。また、通信装置5は、中央装置2から車両4への提供用の道路交通情報を取得し、その道路交通情報を車載装置3に送信する。提供する道路交通情報として、中央装置2が有している道路状況や突発事象の発生を示す情報、道路リンクの旅行時間情報、及び、目的地までの推奨経路の情報等がある。なお、車載装置3が携帯電話回線を使用して無線通信を行う場合、通信装置5は携帯電話機の基地局装置となる。
〔2. 突発事象検知装置1について〕
検知装置1(中央装置2)は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータからなり、CPUを有する処理部10と、通信インターフェースからなる通信部11と、ハードディスク等からなる記憶部12とを備えている。コンピュータに、検知装置1として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされることにより、このコンピュータが検知装置1として機能することができる。
本実施形態の検知装置1は、道路リンクを走行する車両4の車載装置3から送信されるプローブ情報を収集可能であり、管理エリア内の道路上で突発事象が発生すると、突発事象発生地点を含む道路リンク等を走行する車両4のプローブ情報に基づいて、その発生を検知する機能を有している。なお、この検知装置1が有する後述の各機能(第一特定部21及び第二特定部22の各機能)は、コンピュータプログラムが処理部10(CPU)によって実行されることで発揮される。なお、このコンピュータプログラムは、DVD−ROM等の記録媒体に格納して販売、譲渡することができる。なお、以下に説明する検知装置1の各機能は、特に断らない限り、コンピュータプログラムによって実現される。
図2は、突発事象検知装置1の構成を示すブロック図である。
処理部10が有する機能のうちの一つである第一特定部21は、車両4(車載装置3)によって生成され送信されたプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路リンクを特定する。このために、第一特定部21は、複数の機能を有しており、その機能部として、推定部31、参照部32、判定部33及び生成部34を有している。
処理部10が更に有する機能である第二特定部22は、第一特定部21が特定した道路リンク(図8参照)に含まれる複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを、車両4(車載装置3)によって生成され送信されたプローブ情報に基づいて特定する。
これら第一特定部21及び第二特定部22が有する各機能について、以下説明する。
〔3. 突発事象の検知について〕
〔3.1 第一特定部21の推定部31による推定処理について(前編)〕
前記のとおり、プローブ情報には、各車両4の位置及びその位置の通過時刻の情報が含まれていることから、このプローブ情報を収集した推定部31は、記憶部12に記憶されている地図データの道路情報とマッチングを行うことにより、各車両4がどの道路リンクを走行したのかを示す情報、つまり、各車両4の走行軌跡の情報を取得することが可能となる。
また、推定部31は、単位時間毎の(例えば5分毎の)プローブ情報を集約することにより、道路リンク単位での車両通過数(車両数)を示す情報を取得することが可能となる。例えば、図3に示すように、道路リンクL2に関して、図3の右方向に向かって走行する車両通過数は5分間(単位時間)で120台であり、図3の左方向に向かって走行する車両通過数は5分間(単位時間)で35台であることを示す情報を取得する。
また、推定部31は、道路リンク毎に着目し、単位時間毎の(例えば5分毎の)プローブ情報を集約することにより、各道路リンクに流入した車両の数(流入交通量Qin)と、流出した車両の数(流出交通量Qout)とを示す情報を取得することが可能となる。例えば、図4に示すように、道路リンクL6に関して、5分間(単位時間)の流入交通量Qinは150台であり、流出交通量Qoutは148台であることを示す情報を取得する。また、推定部31は、集約したプローブ情報に基づいて、各道路リンクにおける車両の速度(V)を求めることができる。なお、この速度(V)は、単位時間毎の代表値であり、例えば、各車両4の走行速度の平均値である。
さらに、推定部31は、道路リンク毎の単位時間当たりの交通密度(K)を求めることができる。交通密度(K)は「流入交通量(Qin)÷道路リンクの距離」により求められ、流入交通量(Qin)は、プローブ情報に基づいて算出した値であり、道路リンクの距離の情報は、記憶部12に予め設定されている情報である。
また、推定部31は、流出交通量(Qout)と交通密度(K)との比率(K/Qout)を求める。交通密度(K)は前記のとおり算出した値であり、流出交通量(Qout)は、プローブ情報に基づいて算出した値である。
このように、推定部31は、道路リンクLn(n=1,2,3・・・)それぞれの単位時間当たりの流入交通量(Qin)、流出交通量(Qout)、交通密度(K)及び比率(K/Qout)を求めることができ、これら交通密度(K)及び比率(K/Qout)等の交通流を示す情報に基づいて、推定部31は、下記の推定方法(その1)又は推定方法(その2)のいずれか一方の方法によって、各道路リンクにおける突発事象の発生の可能性を推定する。
〔3.1.1 推定方法(その1)〕
推定部31は、以下の条件を判定することにより、道路リンクの突発事象の発生の可能性を推定する。
<条件1−1>比率(K/Qout)が閾値(α)を超えている。
この<条件1−1>を満たす道路リンクは、突発事象が発生している可能性があると、推定部31により推定される。閾値(α)は、固定値、95パーセンタイル値、又は、その道路リンクの比率(K/Qout)の平均値+2σ(σは分散)とすることができる。
なお、比率(K/Qout)は、突発事象が発生することにより渋滞が発生した際の特徴である「交通密度(K)は高いが、交通量(流出交通量(Qout))は少ない」という観点に基づく指標である。つまり、道路リンクに車両は流入するが、突発事象により通行が阻害され流出交通量が少なくなるという観点に基づく指標である。また、交通密度(K)の単位が[台/距離]であり、流出交通量(Qout)の単位が[台/時間]であることから、比率(K/Qout)の単位は[時間/距離]となり、比率(K/Qout)は速度の逆数となり、遅さの指標であると言える。
〔3.1.2 推定方法(その2)〕
推定部31は、以下の条件を判定することにより、道路リンクの突発事象の発生の可能性を推定する。
<条件2−1>交通密度(K)が閾値(β)を超えている。
<条件2−1>速度(V)が閾値(γ)を下まわっている。
これら<条件2−1>及び<条件2−1>の双方を満たす道路リンクは、突発事象が発生している可能性があると、推定部31により推定される。閾値(β)は、固定値、95パーセンタイル値、又は、平均値+2σ(σは分散)とすることができる。閾値(γ)は、固定値、5パーセンタイル値、又は、平均値−2σ(σは分散)とすることができる。
〔3.2 推定部31による推定処理について(後編)〕
推定部31は、前記推定方法(その1又はその2)を用いた推定の処理を、道路リンク毎に行うと共に、所定時間間隔(t、t+1、t+2・・・)で繰り返し行う。そして、推定結果を、記憶部12のデータベース13に蓄積させる。図5は、データベース13の説明図であり、ある道路リンクLnにおける突発事象発生の状態及びその状態遷移を示している。
推定部31による推定結果は、図5に示すデータベース13の中央に設定されている「自リンクの状態」の項目に蓄積される。「自リンク」とは、推定部31による突発事象発生の推定(及び判定部33による判定)の対象とする道路リンク(対象道路区間)である。
図5において「自リンクの状態」には、「通常」「突発事象発生(自)」の他に「突発事象発生疑い」「突発事象解消傾向」の情報が蓄積される。「通常」は、突発事象が発生しておらず、車両4が円滑に走行している状態であることを示す。「突発事象発生(自)」は、突発事象が発生している状態であることを示す。
推定部31は、各道路リンクにおける突発事象の発生の可能性を推定するが、つまり、「突発事象発生(自)」と「通常」とを区別する推定を行うが、「通常」から「突発事象発生(自)」へと遷移する途中の状態として、「突発事象発生疑い」の推定も行うことができ、また、「突発事象発生(自)」から「通常」へと遷移する途中の状態として、「突発事象解消傾向」の推定も行うことができる。「突発事象発生疑い」は、突発事象が発生している疑いがある状態を示す。「突発事象解消傾向」は、発生していた突発事象が解消されつつある状態を示す。
図5において、「自リンクの状態」が「通常」の状態で、前記<条件1−1>(又は前記<条件2−1>及び<条件2−1>、並びに、次の<条件2−3>のすべて)が満たされた場合、推定部31による推定結果は「通常」から「突発事象発生疑い」へと遷移する。
<条件2−3>交通密度(K)の変化量が閾値を超えている。
なお、この交通密度(K)は、所定の時間間隔毎(たとえbあ5分ごと)に繰り返し求められており、交通密度(K)の変化量は、前回の時間間隔で取得された交通密度(K)と、今回の時間間隔で取得された交通密度(K)との間の変化量であり、また、この変化量の閾値は、例えば、前回の交通密度(K)の150%である。
また、「自リンクの状態」が「突発事象発生疑い」又は「突発事象発生(自)」の状態で、前記<条件1−1>(又は前記<条件2−1>及び<条件2−1>の双方)が満たされた場合、推定部31による突発事象の発生の可能性に関する推定結果は「突発事象発生(自)」へと遷移する。
また、「自リンクの状態」が「突発事象発生(自)」の状態で、前記<条件1−1>(又は前記<条件2−1>及び<条件2−1>の双方)が満たされていない場合、推定部31による突発事象の発生の可能性に関する推定結果は「突発事象解消傾向」へと遷移する。
そして、「自リンクの状態」が「突発事象解消傾向」又は「通常」の状態で、前記<条件1−1>(又は前記<条件2−1>及び<条件2−1>の双方)が満たされていない場合、推定部31による突発事象の発生の可能性に関する推定結果は「通常」へと遷移する。
以上のように、推定部31は、道路を走行する車両4が生成するプローブ情報に基づいて得た交通密度(K)等の交通流に関する情報に基づいて、各道路リンクにおける突発事象の発生の可能性を推定することができる。
なお、ある道路リンクにおいて突発事象が発生した場合、この突発事象による交通流への影響は、その上流側の道路リンクへと波及することから、推定部31は、所定時間毎に(t、t+1、t+2・・・)、車両走行方向下流側の道路リンクから順番に、突発事象の発生の可能性を推定し、この推定結果の情報を、データベース13の中央の項目に蓄積し、更新している。
〔3.3 参照部32による参照処理について〕
図5に記載の「自リンク」は、推定・判定の対象とする道路リンク(対象道路区間)であり、図6の道路リンクL22であるとする。そして、この道路リンクL22の車両走行方向上流側に連続する道路リンクをL21とし、道路リンクL22の車両走行方向下流側に連続する道路リンクをL23とする。
そして、前記<条件1−1>等に基づいて、図5の例えば時刻(t+3)において、推定部31によって道路リンクL22(自リンク)に突発事象が発生している可能性があると推定されると、参照部32はデータベース13を参照し、この道路リンクL22の車両走行方向下流側の「参照道路リンク(参照道路区間)」、つまり道路リンクL23において突発事象が発生しているか否かを確認する。
この確認のために、図5のデータベース13の右側の項目には、参照道路リンクL23における突発事象の発生を示す参照情報が蓄積されており、参照部32はこの参照情報を参照する。この参照情報は、後に説明する生成部34によって生成された情報である。
本実施形態では「参照道路リンク」は、道路リンクL22の下流側に連続する一つ隣の道路リンクL23であり(図6参照)、参照部32は、この道路リンクL23の時刻(t+3)の突発事象の発生を確認する。図5のデータベース13の右側の項目によれば、道路リンクL23の時刻(t+3)では、道路リンクL23において突発事象が発生していることが確認される。
〔3.4 判定部33による判定処理について〕
前記のとおり、推定部31が、対象とする道路リンクL22の突発事象の発生の可能性を推定し、参照部32が、他の道路リンクL23の突発事象の発生を確認すると、判定部33は、この確認の結果を踏まえて、その道路リンクL22における突発事象の発生を判定する。
〔3.4.1 判定(その1)〕
例えば、図5の時刻t+3では、参照部32による確認の結果、参照道路リンクL23に突発事象が発生していることから、この場合、判定の対象となる道路リンク(対象道路区間)ではなく、参照道路リンクL23において突発事象が発生していると、判定部33は判定する。
このように、参照部32による確認の結果、参照道路リンクL23の参照情報(図5の右側の項目)が「突発事象発生(自)」となっている場合、参照道路リンクL23において突発事象が発生しているので、判定部33は、参照道路リンクL23において突発事象が発生していると判定する。
これに対して、図示しないが、参照道路リンクL23の参照情報(図5の右側の項目)が「突発事象発生(下流)」となっている場合、参照道路リンクL23よりも更に下流側の他の道路リンク(例えば図6の道路リンクL24)において突発事象が発生していると判定する。なお、「突発事象発生(下流)」とは、自身の道路リンク(図5と図6との場合、道路リンクL23)よりも下流側の道路リンクで突発事象が発生している状態を意味する。
そして、推定部31によって、対象となる道路リンクL22における突発事象の発生の可能性が推定されると、その推定結果、及び、参照部32による確認結果に基づいて、生成部34は、この道路リンクL22における突発事象の発生を示す参照情報を生成する。そして、この生成された参照情報は、図5の左側の項目に蓄積される。
すなわち、前記のとおり、時刻t+3の場合、推定部31によって、道路リンクL22における突発事象の発生の可能性が推定されており、参照部32による確認結果、つまり、参照道路リンクL23の参照情報(図5の右側の項目)が「突発事象発生(自)」となっていることから、判定部33は、参照道路リンクL23において突発事象が発生していると判定し、この結果、生成部34は、参照情報として「突発事象発生(下流)」を生成し、これを図5の左側の項目に蓄積する。
このように生成され、図5の左側の項目に蓄積した参照情報は、判定の対象としていた道路リンクL22の車両走行方向上流側に連続する道路リンクL21(図6参照)での突発事象発生を、判定部33に判定させるために、参照部32に参照させる情報となる。
なお、道路リンクL22における突発事象の発生を判定するために参照した、図5の右側の項目に蓄積されている参照情報は、道路リンクL23における突発事象の発生が判定部33によって判定され、そして、生成部34によって生成されていた情報である。
〔3.4.2 判定(その2)〕
前記の判定(その1)とは異なり、例えば、図5の時刻t+20のように、推定部31によって、判定の対象となる道路リンクL22に突発事象が発生している可能性があると推定されているが、参照部32による確認の結果、参照道路リンクL23に突発事象が発生していない場合、判定部33は、対象となる道路リンクL22において突発事象が発生していると判定する。
このように、時刻t+20では、推定部31によって、道路リンクL22における突発事象の発生の可能性が推定されており、参照部32による確認結果、つまり、参照道路リンクL23の参照情報(図5の右側の項目)が「通常」となっていることから、判定部33は、参照道路リンクL23において突発事象が発生しておらず、道路リンクL22において突発事象が発生していると判定する。そして、生成部34は、参照情報として「突発事象発生(自)」を生成し、これを参照情報として図5の左側の項目に蓄積する。
〔4. 第一特定部21による機能について〕
図7に示すように、道路リンクL23で実際に突発事象(交通事故)が発生しており、道路リンクL23で渋滞が発生し、さらに、この道路リンクL23の渋滞の影響が、上流側の道路リンクL22,L21にも及んでいるとする。この場合、道路リンクL23,L22,L21に存在している車両4からのプローブ情報に基づくと、例えば前記<条件1−1>により、推定部31は、これら道路リンクL23,L22,L21それぞれにおいて突発事象が発生している可能性があると推定されてしまう。
しかし、第一特定部21によれば、突発事象の発生の判定の対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性があると推定されても、参照部32は、この道路リンクL22の下流側の参照道路リンクL23において突発事象が発生しているか否かを確認する。そして、この参照道路リンクL23に突発事象が発生している場合、判定部33は、対象とする道路リンクL22ではなく、参照道路リンクL23において突発事象が発生していると判定する。
このように、図7に示すように、対象とする道路リンクL22よりも下流側の参照道路リンクL23で発生した突発事象の影響を受けて、道路リンクL22で車両4が混雑し、これにより、道路リンクL22に突発事象が発生している可能性があると推定されるような場合であっても、参照部32及び判定部33によれば、道路リンクL23において突発事象が発生していると判定され、道路リンクL22において突発事象が発生していると誤って検知されるのを防ぐことが可能となる。
これに対して、図示しないが、参照部32による確認の結果、仮に、参照道路リンクL23に突発事象が発生していない場合、判定の対象とする道路リンクL23の車両4の混雑は、下流側の参照道路リンクL23の影響ではなく、対象とする道路リンクL23で突発事象が発生していることによる影響であると考えられることから、突発事象が発生している道路リンクは、対象とする道路リンクL22であると判定される。
また、本実施形態では、推定部31は、対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性がないと推定した状態、つまり「通常」と推定した状態から(図5の時刻t+1や時刻t+15)、その後、突発事象が発生している可能性があると推定すると(図5の時刻t+2や時刻t+16)、その推定の結果を確定させずに、推定の結果を、突発事象が発生している疑いがあるとし、図5に示すデータベース13の中央の項目に「突発事象発生疑い」の情報を蓄積させる。そして、再度(図5の時刻t+3や時刻t+17)、突発事象が発生している可能性があると推定部31によって推定されると、「突発事象発生(自)」とすることができる。このように、本実施形態では、「通常」から「突発事象発生(自)」へと遷移させるために、「突発事象発生疑い」を介在させている。
このように、推定部31によって、対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性がないと推定された状態から、その後、偶然的に(誤りによって)、突発事象が発生している可能性があると推定された場合であっても、「突発事象発生(自)」をデータベース13に蓄積する前に、「突発事象発生疑い」を蓄積させる。これにより、誤った推定結果となるのを防ぐことが可能となる。
なお、この「突発事象発生疑い」は、「突発事象発生(自)」と推定するための緩衝状態であり、本実施形態では、1回の時間ステップ(t)のみ「突発事象発生疑い」を介在させているが、複数回(s回)の時間ステップにわたって「突発事象発生疑い」を介在させてもよい。例えば、時刻tと時刻t+1との時間差を5分とした場合、1回の時間ステップである5分間について「突発事象発生疑い」としてもよいが、s回の時間ステップである(5×s)分間にわたって「突発事象発生疑い」としてもよい。また、s=0として、「突発事象発生疑い」を介在させなくすることも可能である。
さらに、本実施形態では、推定部31は、対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性があると推定した状態、つまり、「突発事象発生(自)」と推定した状態から(図5のステップt+4や時刻t+21)、その後、突発事象が発生している可能性がないと推定すると(図5の時刻t+5や時刻t+22)、その推定の結果を確定させずに、推定の結果を、突発事象が解消傾向にあるとし、図5に示すデータベース13の中央の項目に「突発事象解消傾向」の情報を蓄積させる。そして、再度(図5の時刻t+6や時刻t+23)、突発事象が発生している可能性がないと推定されると「通常」とすることができる。このように、本実施形態では、「突発事象発生(自)」から「通常」へと遷移させるために、「突発事象解消傾向」を介在させている。
このように、推定部31によって、対象とする道路リンクL22において突発事象が発生している可能性があると推定された状態から、その後、偶然的に(誤りによって)、突発事象が発生している可能性がないと推定された場合であっても、「通常」をデータベース13に蓄積する前に、「突発事象解消傾向」を蓄積させる。これにより、誤った推定結果となるのを防ぐことが可能となる。
なお、この「突発事象解消傾向」は、「通常」と推定するための緩衝状態であり、本実施形態では、1回の時間ステップ(t)のみ「突発事象解消傾向」を介在させているが、複数回(s回)の時間ステップにわたって「突発事象解消傾向」を介在させてもよい。例えば、時刻tと時刻t+1との時間差を5分とした場合、1回の時間ステップである5分間について「突発事象解消傾向」としてもよいが、s回の時間ステップである(5×s)分間にわたって「突発事象解消傾向」としてもよい。また、s=0として、「突発事象解消傾向」を介在させなくすることも可能である。
また、図5に示すデータベース13において、時刻t+16、t+17では、対象とする道路リンクL22では、推定部31による推定の結果が「突発事象発生疑い」「突発事象発生(自)」であり、その下流側の道路リンクL23では、「突発事象発生(自)」「突発事象解消傾向」である。この場合、判定部33は、対象とする道路リンクL22で突発事象が発生しているのではなく、下流側の道路リンクL23で突発事象が発生していると判定し、生成部34は、下流側の道路リンクL23で突発事象が発生していることを示す「突発事象発生(下流)」を、参照情報として生成する(図5の左側の項目参照)。
この時刻t+16、t+17では、下流側の道路リンクL23で発生した突発事象の影響が、上流側の道路リンクL22に及んでいると考えられる。
しかし、その後の時刻t+18以降では、対象とする道路リンクL22では、推定部31による推定の結果が、変化せず「突発事象発生(自)」であるが、その下流側の道路リンクL23では「通常」となっている。
この場合、下流側の道路リンクL23で発生した突発事象の影響が、上流側の道路リンクL22に及んでいるのではなく、下流側の道路リンクL23で時刻t+13で発生していた突発事象の他に、道路リンクL22においても別の突発事象が発生していると考えられる。
そこで、推定部31によって、対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性があると推定され、かつ、判定部33によって、下流側の参照道路リンクL23において突発事象が発生している(又は解消傾向にある)と判定されている状態から、再び、推定部31によって、対象とする道路リンクL22に突発事象が発生している可能性がある(疑いがある)と推定され、かつ、参照部32による確認の結果、参照道路リンクL23に突発事象が発生していないと確認され確認の結果が変化している場合には、判定部33は、対象とする道路リンクL22において別の突発事象が発生していると判定する。
これにより、下流側の道路リンクL23で発生した突発事象の他、対象とする道路リンクL22で発生した突発事象を検知することが可能となる。
このように、第一特定部21は、下流側の参照道路リンクL23において突発事象が発生していると判定している間も、対象とする道路リンクL22における突発事象の発生を判定することができる。
〔5. 第二特定部22による機能について〕
前記のとおり、各道路リンクは複数のブロックに区分されており(図8参照)、本実施形態では、各道路リンクは、車両走行方向に沿って20m毎に区画されブロック化されている。また、道路リンクに複数(図8の場合二つ)の車線が設けられている場合、車線毎にブロック化されている。図8の直線矢印は、車両の走行方向を示しており、二つの車線X1、X2の車両走行方向は同じである。なお、ブロック長(本実施形態では20m)は、各車両が所定の速度(例えば時速60km)で走行する状態で、単一のブロックに1台の車両が存在することができる程度の長さに設定されている。
第二特定部22(図2参照)は、各道路リンクの各ブロックにおける車両の通過台数を、プローブ情報に基づいてカウントすることにより、単位時間毎の道路リンクの利用状況、つまり、単位時間毎の車両の通過台数の情報を取得する。
そして、交通事故等の突発事象が、ある道路リンクで発生すると、その後、その道路リンクでは、後続の車両が通過することのできない又は通過が困難となる位置(ブロック)が出現する。そこで、第二特定部22は、以下の特定方法(その1又はその2)により、この位置(ブロック)を突発事象発生位置として特定する。
〔5.1 突発事象発生位置の特定方法(その1)〕
図9は、ある道路リンクLnに関して、単位時間当たりのブロック毎の車両通過数を示している。この図の各ブロックに記載されている値(台/5分)は、そのブロックにおける単位時間当たりの車両通過数を示しており、前記単位時間は5分である。また、この車両通過数は、ある時間帯(ΔT1:例えば15分間)において、この道路リンクLnを走行した車両4からプローブ情報が収集されることで、求められた値であり、平均値等とすることができる。
図9によれば、ある時間帯(ΔT1)において、左側の車線X1では、5分間に各ブロックを70〜80台の車両が通過していることが、第二特定部22によって求められ、右側の車線X2では、5分間に各ブロックを45〜55台の車両が通過していることが、第二特定部22によって求められている。なお、この図9に示す道路リンクLnは、その後、突発事象が発生する道路リンクである。
第二特定部22は、所定の時間帯毎に(本実施形態では15分毎に)、各道路リンクに含まれる複数のブロックそれぞれの単位時間当たりの車両通過数の情報を求めており、この情報を、検知装置1の記憶部12(図2参照)に記憶させる。なお、新しい状態が得られると、古い情報は記憶部12から削除されるようにするのが好ましい。
そして、時間帯(ΔT1)の次の(後の)時間帯(ΔT2)で、図10(A)に示すように、道路リンクLnの左側車線X1の第三ブロックB3及びその前後の領域にわたって、突発事象が発生したとする。すると、前記のとおり、第一特定部21によって、突発事象が発生したこの道路リンクLnが特定される。
過去の時間帯(ΔT1)におけるこの道路リンクLnに含まれる各ブロックの車両通過数の情報は、前記のとおり、記憶部12に蓄積されている。そこで、第二特定部22は、この道路リンクLnに関して、突発事象が発生した時刻を含む時間帯の次の時間帯(ΔT2)における、単位時間当たりのブロック毎の車両通過数を取得する。この車両通過数は、時間帯(ΔT2)に道路リンクLnに存在している車両のプローブ情報に基づいて取得される。
第二特定部22によって取得される、時間帯(ΔT2)の道路リンクLnにおける単位時間当たりのブロック毎の車両通過数は、図10(B)のようになる。すなわち、この道路リンクLnを走行する車両のプローブ情報を収集して処理した結果、左側の車線X1において、単位時間当たりにおける第三ブロックB3の車両通過数が0台/5分として求められ、また、第二ブロックB2の車両通過数を0台/5等と求められている。このように車両通過数が減少する理由は、突発事象が発生したブロックB3及びその前後の領域では、後続の車両にとって通行が不可能又は困難となるためである。
そして、第二特定部22は、第一の時間帯(ΔT1)での、単位時間におけるブロック毎の車両通過数(図9参照)と、第二の時間帯(ΔT2)での、単位時間におけるブロック毎の車両通過数(図10(B)参照)とを比較し、その結果、車両通過数が急激に減少したブロックが第三ブロックB3であると判定することができ、この第三ブロックB3を、突発事象が発生したブロックであると特定する。なお、この判定は、ブロック毎に車両通過数の変化率を求め、この変化率が予め設定されている閾値を超えている場合、その閾値を超えているブロックにおいて、突発事象が発生していると特定される。
このように、第一特定部21によって突発事象が発生している道路リンクが特定されると、第二特定部22は、この特定された道路リンクに着目して、プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数を取得し、そして、このブロック毎の車両通過数に基づいて、この特定された道路リンクに含まれる複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する。
なお、時間帯によっては、ある道路リンク又はある(複数の)ブロックを、車両が全く通過しないことも考えられ、単に道路リンクを通過する車両が少ないために車両通過数が少ない状態となってしまい、誤って突発事象が発生したブロックを特定してしまうことが考えられる。
しかし、この特定方法(その1)は、あるブロックで突発事象が発生した場合、そのブロックにおける車両通過数は、突発事象の発生前後で大きく変化するという現象に基づいてブロックを特定する方法であり、第二特定部22は、図9に示す第一の時間帯(ΔT1)での単位時間におけるブロック毎の車両通過数と、この第一の時間帯よりも後の時間帯(ΔT2)での単位時間(図10(B)参照)におけるブロック毎の車両通過数とを比較することにより、突発事象が発生しているブロックを特定している。
したがって、この方法(その1)によれば、単に道路リンクを通過する車両が少ないために車両通過数が少ない状態となってしまい、誤って突発事象が発生したブロックを特定してしまうことがなく、過去(前回)からの車両通過数の変化率に基づいて突発事象が発生しているブロックを特定していることから、突発事象が発生しているために車両通過数が少ない状態となっていることに基づいて、突発事象が発生したブロックを特定することが可能となる。
〔5.2 突発事象発生位置の特定方法(その2)〕
また、第一特定部21によって、突発事象が発生した道路リンクが特定されると、この特定された道路リンクに着目して、その突発事象発生後の単一の時間帯(例えば15分間)での、単位時間におけるブロック毎の車両通過数に基づいて、第二特定部22は、突発事象が発生しているブロックを特定してもよい。
つまり、前記特定方法(その1)では、図9に示す第一の時間帯(ΔT1)におけるブロック毎の車両通過数と、図10(B)に示す第二の時間帯(ΔT2)におけるブロック毎の車両通過数とを比較することで、突発事象が発生したブロックを特定したが、この特定方法(その2)では、突発事象発生後の単一の時間帯に道路リンクを走行した車両のプローブ情報に基づいて、その道路リンクに含まれる各ブロックの単位時間当たりの車両通過数を取得し、この単一の時間帯における、車両通過数にのみ着目して、突発事象が発生したブロックを特定する。
これは、ある道路リンクにおいて、突発事象が発生しておらず、車両が円滑に走行している状態(図11(A)参照)では、この道路リンクの各車線X1(X2)に含まれる各ブロックの車両通過数は、その車線X1(X2)に含まれる他のブロックの車両通過数と同等になるが、例えば、あるブロックB103において突発事象が発生すると(図11(B)参照)、そのブロックB13における車両通過数は、他のブロック(例えば、突発事象が発生したブロックB103よりも車両走行方向上流側のブロック104〜106)の車両通過数と比較して、少なくなることに基づく特定方法である。
つまり、第二特定部22は、突発事象の発生した時刻を含む単一の時間帯又は発生後(その次)の単一の時間帯における、単位時間当たりのブロック毎の車両通過数を見比べることにより、突発事象が発生しているブロックを特定することが可能となる。
図11の場合、ブロック102とブロック103において、車両通過数が、他のブロックと比較して、予め設定されている閾値よりも少なくなっていることから、これらブロック102とブロック103とのうちの一方又は双方において、突発事象が発生したと特定される。
〔6. 突発事象検知装置1について〕
以上の前記各実施形態による突発事象検知装置1によれば、第一特定部21は、プローブ情報に基づいて、各道路リンクでの交通流の状態を把握することが可能となり、この交通流の状態に基づいて、突発事象が発生している道路リンクを特定することができる。
そして、突発事象が発生していると特定された道路リンクにおいて、あるブロックで突発事象が発生している場合、そのブロックでは車両の通過が不可能又は困難となっていると考えられる。そこで、第二特定部22は、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生したと特定された道路リンクのどのブロック(どの位置)で、その突発事象が発生したのかを特定することが可能となる。
そして、突発事象が発生した道路リンク及びそのブロックが特定されると、検知装置1は、この突発事象が発生した旨及びその位置を、例えば、この突発事象の発生位置の上流側道路に設置されている道路交通情報の掲示板に、表示させる制御を行ったり、この突発事象が発生した旨及びその位置を、情報として送信し、この突発事象の発生位置の上流側道路を走行している車両にこの情報を受信させたりすることができる。これにより、突発事象が発生した地点に向かって走行する車両のドライバに、突発事象発生を報知することが可能となり、安全運転に役立てることが可能となる。
また、前記実施形態では、第一特定部21による突発事象が発生した道路リンクの特定は、車両が生成するプローブ情報に基づいて行われており、また、第二特定部22による突発事象が発生したブロックの特定は、車両が生成するプローブ情報に基づいて行われている。
このため、ブロック毎に車両を感知するセンサを設置しなくても、単位時間当たりにおけるブロック毎の車両通過数を取得することが可能となり、これにより、突発事象が発生した道路リンク、ブロックの特定が可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、前記実施形態では、道路に複数含まれる道路区間を道路リンクL(図2参照)として設定しており、この道路リンクを、交差点単位で区切った道路の区間と定義したが、道路区間の定義はこれ以外であってもよく、例えば、交差点単位で区切った区間を複数まとめた区間を、一つの道路区間としてもよい。
前記実施形態では、第一特定部21は、プローブ情報に基づいて、各道路リンクにおける交通状態を推定し、突発事象が発生している道路リンクを特定する場合について説明したが、プローブ情報以外に、複数の道路リンク(道路区間)に区分されている道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報に基づいて、各道路リンクにおける交通状態を推定し、突発事象が発生している道路区間を特定してもよい。
また、第二特定部22は、プローブ情報に基づいて、複数のブロックに区分されている道路リンク(道路区間)に含まれる、これら複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する場合について説明したが、プローブ情報以外に、複数の道路リンク(道路区間)に区分されている道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定してもよい。
なお、このように第一特定部21及び第二特定部22が、検知情報に基づいて処理を行う場合、道路には車両を感知(検知)するための装置が設置されている。例えば、道路リンクのブロック毎にループコイルを設置し、車両の通過をループコイルによって検知してもよい。
1:突発事象検知装置 4:車両 10:処理部 13:データベース 21:第一特定部 22:第二特定部 31:推定部 32:参照部 33:判定部 34:生成部

Claims (6)

  1. 道路における突発事象の発生を検知する突発事象検知装置であって、
    前記道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報又は当該車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定する第一特定部と、
    複数のブロックに区分されている前記道路区間に含まれる当該複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する第二特定部と、
    を備え、
    前記第二特定部は、前記第一特定部によって特定された道路区間に関して、前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得し、このブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定することを特徴とする突発事象検知装置。
  2. 前記第一特定部は、車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定し、
    前記第二特定部は、車両が生成するプローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得する請求項1に記載の突発事象検知装置。
  3. 前記第二特定部は、単一の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定する請求項1又は2に記載の突発事象検知装置。
  4. 前記第二特定部は、第一の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数と、この第一の時間帯よりも後の第二の時間帯における前記ブロック毎の車両通過数とを比較することにより、突発事象が発生しているブロックを特定する請求項1又は2に記載の突発事象検知装置。
  5. 前記第一特定部は、
    前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、各道路区間における突発事象の発生の可能性を推定する推定部と、
    前記推定部によって対象道路区間に突発事象が発生している可能性があると推定されると、この対象道路区間の車両走行方向下流側の参照道路区間において突発事象が発生しているか否かを確認する参照部と、
    前記参照部による確認の結果、前記参照道路区間に突発事象が発生している場合、前記対象道路区間ではなく当該参照道路区間において突発事象が発生していると判定する判定部と、
    を備えている請求項1〜4のいずれか一項に記載の突発事象検知装置。
  6. 道路における突発事象の発生を検知する処理を、コンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記道路を走行する車両を検知することにより得られる検知情報又は当該車両が生成するプローブ情報に基づいて、突発事象が発生している道路区間を特定する第一特定部、
    及び、
    複数のブロックに区分されている前記道路区間に含まれる当該複数のブロックのうち、突発事象が発生しているブロックを特定する第二特定部
    として機能させ、
    前記第二特定部は、前記第一特定部によって特定された道路区間に関して、前記検知情報又は前記プローブ情報に基づいて、単位時間当たりにおける前記ブロック毎の車両通過数を取得し、このブロック毎の車両通過数に基づいて、突発事象が発生しているブロックを特定することを特徴とするコンピュータプログラム。
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