JP2014071044A - スペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びに紙葉類識別装置 - Google Patents

スペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びに紙葉類識別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズやプリズムを含むスペクトルセンサで光学倍率及び焦点を容易に調整する。
【解決手段】光源からの光路に沿って、偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、焦点調整可能な可動式のレンズ及びラインイメージセンサが順に配置されたスペクトルセンサの光学系で、基準光源によって所定波長の基準光を干渉計へ向けて入射して、干渉計を経てレンズによって集光された光をラインイメージセンサによって受光して、ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成して、生成された分光スペクトルデータに基づいて焦点及び光学倍率を自動的に調整する。
【選択図】図1

Description

この発明は、レンズやプリズムを含むスペクトルセンサで光学系の光学倍率及び焦点を調整するためのスペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置と、このスペクトルセンサを利用する紙葉類識別装置に関する。
従来、紙葉類等の光学的な特徴を測定するために、レンズやプリズムを含む光学系と、この光学系で得られる分光スペクトルを撮像するCCD等の撮像素子とを含むスペクトルセンサが利用されている。例えば、測定対象となる紙葉類に、光源から光を照射して、紙葉類からの反射光や透過光を光学系によって受光する。光学系で受光した光からプリズム等を利用して干渉縞が形成されると、これを撮像素子によって撮像する。撮像される干渉縞は測定対象となる紙葉類の光学特性に応じて変化するため、干渉縞から得られる特徴に基づいて紙葉類の種類や真偽を判別することができる。
例えば、特許文献1では、レンズ、偏光子、ウォラストンプリズム等から成る光学系を利用した分光装置が開示されている。このような光学系を利用して正しく測定を行うためには、撮像素子上で焦点が合った状態かつ適切な光学倍率で干渉縞を撮像する必要がある。
特許第3095167号
しかしながら、プリズムを含む光学系を有するスペクトルセンサでは、焦点や光学倍率を調整することが難しいという問題がある。例えば、光学系が、干渉縞を形成するためのプリズムを含まずミラーやレンズのみで構成される場合には、測定対象物が置かれる位置に基準チャートを設置して、光学系を経て撮像素子で取得される画像に基づいて焦点等を容易に調整することができる。ところが、スペクトルセンサのようにプリズムを利用して干渉縞を形成する光学系で、同様の方法により調整を行おうとすると、プリズム内部に基準チャート等を配置することになる。プリズム内に基準チャート等を配置することはできないので、プリズムを取り外して、干渉縞が発生する空間位置に基準チャート等を配置しようとしても、この空間位置を正確に特定することは困難である。
また、スケールやラダーパターンが描かれた基準チャートを撮像素子によって撮像して、この画像を利用して調整作業を行う場合とは異なり、干渉縞を確認しながら焦点や光学倍率を調整する作業では調整量を判断することも困難である。
スペクトルセンサを構成する光学系では、レンズやプリズムの加工精度等にバラツキがあるため、このバラツキに対応して焦点や光学倍率を正しく調整して、スペクトルセンサの光学性能を確保する必要がある。このため、複数の光学部品から構成されるスペクトルセンサで、容易かつ正確に焦点や光学倍率を調整する方法及び装置が求められていた。
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、レンズやプリズムを含むスペクトルセンサで、光学系の光学倍率及び焦点を容易かつ正確に調整することができるスペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びにこのスペクトルセンサを利用する紙葉類識別装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光源からの光路に沿って、偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、焦点調整可能な可動式レンズ及びラインイメージセンサが順に配置されたスペクトルセンサの光学系調整方法であって、基準光源によって所定波長の基準光を前記干渉計へ向けて入射する基準光入射工程と、前記干渉計を経て前記レンズによって集光された光を前記ラインイメージセンサによって受光する受光工程と、前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成工程と、前記スペクトルデータ生成工程で生成された分光スペクトルデータに基づいて前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を自動調整して焦点を合わせる焦点調整工程とを含んだことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記スペクトルデータ生成工程で求めた分光スペクトルデータに基づいて前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を自動調整して、前記ラインイメージセンサに結像される像の光学倍率を所定倍率に合わせる光学倍率調整工程をさらに含んだことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記焦点調整工程では、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて自動調整することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記光学倍率調整工程では、前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を、ピーク位置の波長が前記基準光の波長と一致するときの距離に向けて自動調整することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記ラインイメージセンサ及び前記レンズを、焦点が合うときの距離よりも近づく方向又は遠ざかる方向へ所定距離離れて設定された初期位置に配置する初期設定工程をさらに含み、前記焦点調整工程では、前記ラインイメージセンサ及び前記レンズの少なくともいずれか一方を、焦点が合う距離となる方向に移動させながら焦点調整を開始することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記光学倍率調整工程では、前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記分光スペクトルデータを所定の光学倍率で取得されたデータに補正するための補正倍率を求めることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記基準光を利用して前記ラインイメージセンサで受光した光から求めた波長と、前記基準光が発する所定波長との比率を補正倍率として、フーリエ変換後のデータで周波数軸から波長軸への周波数波長変換に利用する変換係数を定めた周波数波長変換テーブルから、各変換係数を前記補正倍率で補正した補正テーブルを作成する工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は、干渉波を形成するための偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、前記干渉計から出射した光を集光して焦点を合わせるためのレンズ、及び前記レンズにより検討された干渉縞を撮像するラインイメージセンサを有するスペクトルセンサで、光学系の調整を行うための光学系調整装置であって、所定波長の基準光を照射可能な基準光源と、前記干渉計に前記基準光源からの光を入射して前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成すると共に、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて調整する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を、ピーク位置の波長が前記基準光の波長と一致するときの距離に向けて調整することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記基準光を利用して前記ラインイメージセンサで受光した光から求めた波長と、前記基準光が発する所定波長との比率を補正倍率として、フーリエ変換後のデータで周波数軸から波長軸への周波数波長変換に利用する変換係数を、前記補正倍率で補正した補正テーブルを作成することを特徴とする。
また、本発明は、紙葉類識別装置であって、干渉波を形成するための偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、前記干渉計から出射した光を集光して焦点を合わせるためのレンズ、及び前記レンズにより検討された干渉縞を撮像するラインイメージセンサを有するスペクトルセンサと、所定波長の基準光を照射可能な基準光源と、前記干渉計に前記基準光源からの光を入射して前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成すると共に、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて自動調整する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、基準光源から照射される所定波長の光を利用して、光学系を経て取得される分光スペクトルに基づいて焦点調整を行うので、焦点の合っている度合いを数値化して、焦点を容易かつ正確に調整することができる。
また、本発明によれば、同様に、基準光源を利用して取得された分光スペクトルに基づいて光学倍率が所定倍率となるように調整を行うので、光学倍率のずれを数値化して、光学倍率を容易かつ正確に調整することができる。
また、本発明によれば、焦点調整に利用するレンズとイメージセンサの間の距離を変化させた際の分光スペクトルデータに現れるピーク強度の変化を確認して、レンズとイメージセンサの間の距離を、ピーク強度が極大値を示す距離とすることで焦点を合わせることができるので、容易かつ正確に焦点を調整することができる。
また、本発明によれば、干渉縞を形成させるための干渉計とイメージセンサの間の距離を変化させた際の分光スペクトルデータに現れるピーク波長の変化を確認して、干渉計とイメージセンサの間の距離を、ピーク波長が分光スペクトルを取得した基準光の波長と一致する距離とすることで所定の光学倍率に合わせることができるので、容易かつ正確に光学倍率を調整することができる。
また、本発明によれば、焦点調整に利用するレンズを、焦点が合うときのレンズとイメージセンサの間の距離より離れて設定された初期位置又は近付けて設定された初期位置に配置するので、焦点を調整するためにレンズを移動させるべき方向が明確となり、焦点調整を開始する際にレンズを移動させるべき方向を判定する必要がない。
また、本発明によれば、基準光源の波長とこの基準光源を利用して取得された分光スペクトルデータに現れるピーク波長との比率から補正倍率を求めて補正テーブルを作成し、この補正テーブルによって所定の光学倍率で測定した場合のデータを得ることができるので、光学倍率を調整するために干渉計とイメージセンサの間の距離を調整する必要がない。
図1は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットと光学系調整制御ユニットの構成を説明する機能ブロック図である。 図2は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットを含む紙葉類識別装置の構成例を示す機能ブロック図である。 図3は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの利用方法を説明する図である。 図4は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系調整部の機構を説明するための図である。 図5は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系調整部の機構の詳細を説明するための説明図である。 図6は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系調整方法を説明するための説明図である。 図7は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系の焦点の調整方法を説明するための説明図である。 図8は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系の光学倍率の調整方法を説明するための説明図である。 図9は、実施例1に係るスペクトルセンサユニットの光学系の焦点及び光学倍率の調整手順を示すフローチャートである。 図10は、実施例2に係るスペクトルセンサユニットと光学系調整制御ユニットの構成を説明する機能ブロック図である。 図11は、実施例に2に係るスペクトルセンサユニットの光学系の光学倍率の補正方法を説明する図である。 図12は、実施例2に係るスペクトルセンサユニットの光学系の焦点調整及び光学倍率補正の手順を示すフローチャートである。 図13は、スペクトルセンサユニットが光学系の調整に係るデータを保存する記憶部を有する場合の構成例を説明する機能ブロック図である。 図14は、調整用基準光源を有するスペクトルセンサユニットの構造の例を説明する模式図である。 図15は、調整用基準光源がスペクトルセンサユニットから独立して別途設けられた場合の調整装置の構成例を示す機能ブロック図である。 図16は、調整用基準光源を有さないスペクトルセンサユニットを紙葉類識別装置で利用する場合の構成例を示す機能ブロック図である。 図17は、調整用基準光源を有さないスペクトルセンサユニットを利用する場合の調整用基準光源の配置例を説明する模式図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るスペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びに紙葉類識別装置の好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例1及び2では、紙葉類の種類や真偽を識別する紙葉類識別装置で、紙葉類の光学特性を取得するために利用されるスペクトルセンサユニットを例に、本発明に係るスペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びに紙葉類識別装置について説明する。
まず、本実施例1に係るスペクトルセンサユニットと光学系調整制御ユニットの構成について説明する。図1は、本実施例1に係るスペクトルセンサユニット10と光学系調整制御ユニット20の装置構成を示す機能ブロック図である。スペクトルセンサユニット10は、後述する紙葉類識別装置に組み込まれるユニットである。光学系調整制御ユニット20は、スペクトルセンサユニット10の光学系の焦点及び光学倍率を自動調整するための制御ユニットである。また、表示部30は、光学系調整制御ユニット20の処理結果などを表示するための液晶ディスプレイ等の装置である。
スペクトルセンサユニット10は、調整用基準光源11、光学系部12、光学系調整部13及び撮像素子14で構成されている。調整用基準光源11は、光学系部12の焦点及び光学倍率を調整する際に、特定波長の基準光を照射する機能を有する。光学系部12は、偏光素子、複屈折プリズム及び結像レンズ等の光学部品によって構成され、入射光から干渉縞を形成して撮像素子14上に結像させる機能を有する。光学系調整部13は、光学系調整制御ユニット20からの制御によって動作し、光学系部12の焦点及び光学倍率の調整を行う機能を有する。撮像素子14は、例えばCCD等を利用したラインイメージセンサであり、光学系部12により結像された干渉縞を撮像する機能を有する。
光学系調整制御ユニット20は、記憶部21と制御部22で構成され、調整用基準光源11から照射された基準光を利用して光学系部12によって結像した干渉縞を撮像素子14で撮像し、該干渉縞から得られるデータに基づいて、焦点や光学倍率のずれを検知する。そして、光学系調整部13を制御して光学系部12の焦点及び光学倍率を自動調整する。記憶部21は、ハードディスクや不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、分光スペクトルデータ21aと、レンズ位置別ピークデータ21bと、周波数/波長変換テーブル21cと、基準光源別干渉計位置補正テーブル21dとを記憶する。分光スペクトルデータ21aは、撮像素子14で撮像したデータに対して、フーリエ変換及び周波数/波長変換処理を行うことにより得られたデータである。レンズ位置別ピークデータ21bは、光学系部12の焦点調整時に使用するデータであり、後述するレンズ12hの位置と、該レンズ位置にあるときの分光スペクトルデータ21aの強度の最大値とが、関連付けて記憶される。周波数/波長変換テーブル21cは、分光スペクトルデータ21aを生成する際に周波数を波長に変換する処理で使用するデータであり、周波数と波長とが関連付けて記憶される。基準光源別干渉計位置補正テーブル21dは、光学系部12の光学倍率調整時に使用するデータであり、基準光源別に、分光スペクトルデータ21aで得られる波長と、後述する干渉計12iと撮像素子14の間の距離との関係が記憶されている。ただし、周波数/波長変換テーブル21cについては、例えば、周波数と波長の関係が数式で容易に表されるような場合には、テーブルではなく、この数式を用いてもよい。
制御部22は、光学系調整制御ユニット20の全体を制御する制御部であり、調整用基準光源制御部22a、分光スペクトルデータ作成部22b、焦点位置検出部22c、レンズ調整位置算定部22d、干渉計調整位置算定部22e及び光学系調整機構制御部22fを有する。なお、以下の説明を含め、各部の制御を行う機能部は、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)等に読み出して実行することにより実現される。
調整用基準光源制御部22aは、調整用基準光源11の点灯及び消灯を制御する。分光スペクトルデータ作成部22bは、撮像素子14で撮像された干渉縞に対して、フーリエ変換及び周波数/波長変換処理を行うことによって得られたデータを分光スペクトルデータ21aとして保存すると共に、該分光スペクトルデータ21aのピークに関する情報をレンズ位置に関連付けてレンズ位置別ピークデータ21bとして保存する。焦点位置検出部22cは、作成されたレンズ位置別ピークデータ21bにより、焦点が合うレンズ位置の検出を行う。分光スペクトルのピーク強度は焦点が合うレンズ位置で極大になるという特性を利用して、レンズ位置別ピークデータ21bに基づいて焦点が合うレンズ位置を特定する。レンズ調整位置算定部22dは、焦点位置検出部22cによる検出結果に基づいて、焦点が合うレンズ位置へレンズ12hを移動させるための移動方向及び移動距離を算定する。干渉計調整位置算定部22eは、分光スペクトルデータ21aのピーク波長に基づいて基準光源別干渉計位置補正テーブル21dを参照して、干渉計12iと撮像素子14の間の位置関係を特定すると共に、所定の光学倍率を実現するための干渉計12iの移動方向及び移動距離を算定する。光学系調整機構制御部22fは、レンズ調整位置算定部22d及び干渉計調整位置算定部22eによって算定された移動方向及び移動距離に基づいて、スペクトルセンサユニット10の光学系調整部13を制御することにより、光学系部12のレンズ12h及び干渉計12iの位置を調整する。焦点調整及び光学倍率の調整方法の詳細については後述する。
図1に示したスペクトルセンサユニット10は、光学系調整制御ユニット20による焦点及び光学倍率の調整がなされた後、例えば、紙葉類識別装置で、紙葉類の光学特性を測定するために利用される。図2は、図1に示したスペクトルセンサユニット10を含む紙葉類識別装置40の例を示す機能ブロック図である。紙葉類識別装置40は、識別用光源41、スペクトルセンサユニット10、出力部42、記憶部43及び制御部44を有する。
識別用光源41は、紙葉類を識別する際に使用する光源である。出力部42は紙葉類の識別結果などを外部に出力する機能を有する。
記憶部43は、ハードディスクや不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、分光スペクトルデータ43aと、紙葉類判定基準データ43bと、周波数/波長変換テーブル43cとを記憶する。分光スペクトルデータ43aは、スペクトルセンサユニット10の撮像素子14から取得したデータにフーリエ変換及び周波数/波長変換処理を施して得られたデータである。紙葉類判定基準データ43bは、判定対象となる紙葉類の判定基準データである。判定基準データは、各紙葉類で取得されるべき分光スペクトルデータで、紙葉類の種類毎に予め準備されている。周波数/波長変換テーブル43cは、分光スペクトルデータ43aを作成する際に、周波数を波長に変換する処理で使用する周波数と波長の関係を規定したデータである。ただし、周波数/波長変換テーブル43cについては、周波数と波長の関係が数式で容易に表される場合には、テーブルではなく、この数式を用いてもよい。
制御部44は、紙葉類識別装置40の全体を制御する制御部であり、光源制御部44a、分光スペクトルデータ作成部44b及び真偽・正損判定部44cを有する。
光源制御部44aは、識別用光源41の点灯及び消灯を制御する。分光スペクトルデータ作成部44bは、判定対象の紙葉類に識別用光源41から光を照射した状態でスペクトルセンサユニット10の撮像素子14からデータが出力されると、このデータにフーリエ変換及び周波数/波長変換処理を施して分光スペクトルデータ43aを作成して記憶部43に保存する。真偽・正損判定部44cは、スペクトルセンサユニット10を利用して得られた分光スペクトルデータ43aと、予め記憶部43に保存された紙葉類判定基準データ43bとを比較することにより、撮像された紙葉類の種類を特定すると共に、真偽及び正損の判定を行う。得られた判定結果は、出力部42により外部へ出力される。
なお、紙葉類識別装置40で利用される周波数/波長変換テーブル43cは、図1に示すように、スペクトルセンサユニット10の光学系部12を調整した光学系調整制御ユニット20から取得されるもので、光学系調整制御ユニット20の記憶部21に保存された周波数/波長変換テーブル21cに相当する。光学系調整制御ユニット20からデータを取得する際に、基準光源別干渉計位置補正テーブル21dを合わせて取得すれば、紙葉類識別装置40内で、スペクトルセンサユニット10の光学系部12を調整することもできる。このとき、光学系調整制御ユニット20と紙葉類識別装置40の間で、図示しないネットワークや記憶媒体を利用してデータを授受する態様であってもよいし、スペクトルセンサユニット10が記憶部を有し、この記憶部を利用してデータを授受する態様であっても構わない。また、スペクトルセンサユニット10が調整用基準光源11を有する態様に限らず、別途設けた調整用基準光源11を利用する態様であってもよい。これらについては後述することとし、以下では、図1に示すように、光学系調整制御ユニット20に接続された状態で光学系部12の焦点及び光学倍率を調整する場合について説明する。
次に、図1に示したスペクトルセンサユニット10の構成要素である光学系部12及び撮像素子14について説明する。図3は、光学系部12及び撮像素子14の構造を説明するための断面模式図である。光学系部12は、ライトガイド12aと、カップリング12bと、干渉計12iと、レンズ12hを含むレンズ部12jとを有している。干渉計12iは、フィルター12cと、拡散板12dと、第1の偏光板12eと、複屈折プリズム12fと、第2の偏光板12gとを有している。撮像素子14は、基板14a上に形成されたCCDから成るラインイメージセンサであり、光学系部12によって結像される干渉縞を撮像する。複屈折プリズム12fとして、例えば、ウォラストンプリズムを利用する。
ライトガイド12aは、X軸方向に等間隔かつ1列に配置されて、Z軸に垂直な受光面を有する複数の受光部212a〜212pを有している。受光部212a〜212qにより受光された紙葉類からの反射光又は透過光は、ライトガイド12aの内部で全反射されながら出射部212qへ導かれて出射される。出射部212qからの光は、カップリング12bによって集光された後、フィルター12cによって赤外線や紫外線等の不要な励起光がフィルタリングされてから拡散板12dに入射する。そして、拡散板12dで一様な光に散乱されて出射された無偏光波を、第1の偏光板12eによって、45度の直線偏光波とする。第1の偏光板12eから出射された直線偏光波は、複屈折プリズム12fによる複屈折を利用して光路差(位相差)を有する異常光(垂直偏光波)及び常光(水平偏光波)の直交する2つの偏光成分に分離される。第2の偏光板12gでは、光路差の生じた異常光及び常光の2つの偏光成分の振動面が揃えられる。その後、レンズ12hにより2つの光成分を撮像素子14に結像して、撮像素子14により2つの光成分による干渉光の分布が干渉縞として撮像される。
干渉計12iは、フィルター12c、拡散板12d、第1の偏光板12e、複屈折プリズム12f及び第2の偏光板12gをユニット化したものであり、干渉計12i全体をX軸方向に移動することにより、スペクトルセンサユニット10の光学倍率を調整することができる。また、レンズ部12jは、レンズ12hを含むユニットであり、レンズ12hの位置をX軸方向に移動することにより、スペクトルセンサユニット10の焦点を調整することができる。
次に、図1に示したスペクトルセンサユニット10の構成要素である光学系調整部13の機構を説明する。図4は、光学系調整部13の機構を説明するための模式図である。
まず、図4(A)にて、光学系調整部13の概要を説明する。光学系部12では、構成部品の光学特性に精度誤差が含まれる場合でも、この精度誤差による焦点や光学倍率のずれを調整してスペクトルセンサユニット10の光学性能を確保することができる。焦点の調整は、レンズ12hの位置を図のX軸方向に動かして、撮像素子14とレンズ12hの間の距離を調整することによって行う。位置の調整は、例えば、図4(A)に示すレンズ部調整レバー13bを矢印201に示すように操作してレンズ部12jごとX軸方向に移動させる態様であってもよいし、レンズ部12jに設けられたフォーカスリング12kを矢印202に示すように回転させて、レンズ部12jの位置を固定した状態でレンズ12hのみを移動させる態様であってもよいし、これらの両方を行う態様であっても構わない。また、光学倍率の調整は、干渉計12iの位置を、図のX軸方向に移動することによって行う。具体的には、図4(A)に示す干渉計調整レバー13aを矢印203に示すように操作して、干渉計12iの位置をX軸方向に移動させる。
次に、図4(B)にて、光学系部12の焦点及び光学倍率を、光学系調整部13によって調整するための機構の具体例について説明する。図4(B)は、光学系部12と光学系調整部13の平面図及び正面図を示す模式図である。
図4(B)の平面図に示すように、スペクトルセンサユニット10の筐体を形成するベースプレート13pには、X軸方向に長い干渉計スライド溝13hが設けられている。この干渉計スライド溝13hに、干渉計12iの底部に設けられた凸部を差し込んだ状態でX軸方向にスライドさせることによって、干渉計12iの位置を調整する。干渉計12iをX軸方向にスライドさせる機構として干渉計調整レバー13aが利用される。干渉計調整レバー13aは、ベースプレート13pにレバー支点13d部分で回動可能に固定され、このレバー支点13dを中心とする干渉計調整用ピン13eの回動により、干渉計12iを移動させる構造となっている。機構の詳細については後述するが、干渉計調整レバー13aは、ラックとピニオン等を利用して接続された干渉計位置調整用モーター13cにより、平面図に示す矢印204のように回動する。干渉計位置調整用モーター13cの回転は光学系調整制御ユニット20の光学系調整機構制御部22fによって制御されている。
図4(B)の正面図は、レンズ部12jをベースプレート13pに固定して、レンズ部12jの内部でレンズ12hのみを移動させる場合の機構の例である。レンズ部12jのフォーカスリング12kには、このフォーカスリング12kの矢印202方向の回転を制御するレンズ位置調整用モーター13fが接続されている。レンズ位置調整用モーター13fの回転は、光学系調整制御ユニット20の光学系調整機構制御部22fによって制御される。レンズ位置調整用モーター13fが回転することによってフォーカスリング12kが回転し、レンズ部12j内のレンズ12hのX軸方向の位置が調整される。なお、上述したように、レンズ部12jについても、干渉計12iと同様の機構を有するレンズ部調整レバー13bを利用する態様であってもよい。例えば、レンズ位置の調整幅が広い場合には、レンズ部調整レバー13bによって大まかに位置調整を行って、その後にフォーカスリング12kによって微調整を行う態様であってもよい。
次に、図5にて、光学系調整部13により、干渉計12iの位置を微調整するための機構の具体例を説明する。図5(A)〜(C)では平面図の下に正面図を示し、図5(D)では平面図のみを示している。スペクトルセンサユニット10の筐体を形成するベースプレート13pには、図5(A)に示すように、レバー支点13dとなる貫通穴と、円弧状の貫通穴である作用点移動用穴13gが形成されている。干渉計調整レバー13aの回動時には、レバー支点13dを支点として、作用点となる干渉計調整用ピン13eが作用点移動用穴13gに沿って移動する。また、ベースプレート13pには、位置調整時に干渉計12iの光軸がずれないように、干渉計12iの移動方向を規制するための干渉計スライド溝13hが設けられている。
図5(B)に示すように、干渉計12iは、底面の凸部12qが干渉計スライド溝13h内をスライドするように設置される。干渉計12iには、Y軸方向に長い貫通穴である作用点移動用穴13iが形成されている。図5(C)に示すように、干渉計調整レバー13aは、ベースプレート13pの下面側に設置されて、レバー支点13dで回動可能に固定される。また、ベースプレート13pに設けられた作用点移動用穴13gと、干渉計12iに設けられた作用点移動用穴13iとが重なる位置で、これら2つの穴に、干渉計調整レバー13aの干渉計調整用ピン13eを挿入することによって、干渉計12iと干渉計調整レバー13aとが接続される。
干渉計調整レバー13aを、レバー支点13dを支点として回動すると、干渉計調整用ピン13eが、ベースプレート13pの作用点移動用穴13gに沿って移動する。このとき、干渉計調整用ピン13eはX軸方向及びY軸方向の双方に移動するが、干渉計12iは、干渉計スライド溝13hによる規制により、Y軸方向には移動せずX軸方向にのみ移動する。
上記構造により、図5(D)に示すように干渉計調整レバー13a先端のX軸方向の移動距離(La)に対して、干渉計12iの移動距離(Lb)が小さくなる。これにより、図4(B)に示すように、干渉計位置調整用モーター13cにより干渉計調整レバー13a端部の動きを制御しながら、干渉計12iの位置を微調整することができる。
次に、図1に示したスペクトルセンサユニット10の光学系部12の調整方法について説明する。図6は、スペクトルセンサユニット10の光学系調整方法を説明するための図である。
スペクトルセンサユニット10が紙葉類識別装置40で利用される場合、スペクトルセンサユニット10で取得したデータから分光スペクトルデータが作成され、この分光スペクトルデータを利用して紙葉類の種類、真偽、正損等の識別が行われる。このため、スペクトルセンサユニット10から得られる分光スペクトルデータ上に、紙葉類から入射した光の波長や強度に関する特徴が正確に現れることが求められる。分光スペクトルデータ上で、入射光の波長を正確に得るためには、スペクトルセンサユニット10の光学倍率を、所定の光学倍率(設計値)とする必要がある。また、分光スペクトルデータ上で、入射光の波長及び強度に係る特徴を正確に得るためには、スペクトルセンサユニット10の焦点を合わせる必要がある。すなわち、スペクトルセンサユニット10の光学性能を確保するためには、焦点を合わせた状態で所定の光学倍率となるように、光学系部12を調整する必要がある。
スペクトルセンサユニット10の光学倍率や焦点の調整を行うために、分光スペクトルデータ上で特定波長に特徴的なピークを示す基準光源を使用する。本実施例では、図6(A)に示すように、分光スペクトルデータ上で、530nmの波長位置にピークが現れる緑のLEDを調整用基準光源11として使用する。調整用基準光源11から光を照射して、光学系部12によって撮像素子14上に結像させた干渉縞を撮像する。このとき、撮像素子14として利用されるCCDから出力される出力データを示したものが図6(B)、この出力データのピーク部分(図中円内)を拡大したものが図6(C)である。そして、この出力データをフーリエ変換して、周波数を波長に変換したものが図6(D)の分光スペクトルデータである。図6(D)に示すピークの波長及び強度は、スペクトルセンサユニット10の光学倍率や焦点によって変動する。
具体的には、焦点の調整は、図6(A)のレンズ12hと撮像素子14の間の距離であるL1を調整することによって行われるが、焦点の調整具合によって図6(D)に示すピーク強度が変動する。ピーク強度は焦点が合っている場合に最大となることから、焦点を合わせることは、言い換えれば、図6(D)のピーク強度が最大となる距離L1を決定することに相当する。また、光学倍率は、図6(A)の複屈折プリズム12fと撮像素子14の間の距離であるL2によって決定されるが、光学倍率が変動することによって図6(D)に示すピーク波長が変動する。このため、光学倍率を調整することは、ピーク波長が基準光源の波長である530nmとなるように図6(A)のL2を決定することに相当する。
次に、図1に示したスペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点の調整方法を具体的に説明する。図7は、焦点の調整方法を説明するための図である。
図7(A)で示すように、焦点が合った状態にあるレンズ12hの位置を「レンズ位置:±0」として、この位置からX軸の負方向にα分ずれたレンズ位置を「レンズ位置:−α」、X軸の正方向にβ分ずれたレンズ位置を「レンズ位置:+β」とする。レンズ位置がそれぞれ「レンズ位置:−α」、「レンズ位置:±0」、「レンズ位置:+β」の場合に、基準光を照射して、撮像素子14であるCCDから出力されるデータ(以下「CCD出力データ」と記載する)から生成された分光スペクトルデータがそれぞれ図7(B)〜(D)である。図7(B)〜(D)に示す通り、「レンズ位置:±0」の分光スペクトルデータのピーク強度S0が最も大きく、この位置からずれた「レンズ位置:−α」や「レンズ位置:β」の分光スペクトルデータでは、ピーク強度Sα及びSβがS0より小さくなる。
レンズ12hの位置と分光スペクトルデータのピーク強度の関係を、図7(E)に示す。このように、「レンズ位置:±0」でピーク強度S0が極大値をとり、レンズ位置がX軸正方向にずれた場合も、X軸負方向にずれた場合も、ずれ量に応じてピーク強度が小さくなる。
これらのことから、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点の調整は、レンズ位置ごとに、そのレンズ位置における分光スペクトルデータのピーク強度を測定し、図7(E)に示すように、ピーク強度が極大値となるレンズ位置を特定することによって行うことができる。具体的には、図7(E)で、ピーク強度が極大値となるピーク位置の右側又は左側の初期位置から、計測されるピーク強度が大きくなる方向、すなわち焦点の合うピーク位置の方向へ向かって移動するようにレンズ12hの位置を調整してゆき、極大点を超えてピーク強度が小さくなった所で焦点の合うピーク位置を超えたと判定して、焦点の合うピーク位置を特定する。なお、レンズ12hを移動させる量は、焦点の合うピーク位置を含む所定域を特定できるように予め設定されている。なお、図7(B)〜(D)では横軸を波長としているが、これを周波数として処理することも可能である。他の図及び処理を含めて、周波数と波長との関係に基づいて、周波数を波長として処理したり波長を周波数として処理したりできることは言うまでもない。
次に、図1に示したスペクトルセンサユニット10の光学系部12の光学倍率の調整方法を具体的に説明する。図8は、光学倍率の調整方法を説明するための図である。
図8(A)で示すように、光学倍率を所定倍率としたときの干渉計12iの位置を「干渉計位置:±0」、この位置からX軸の負方向にΔM分ずれた位置を「干渉計位置:−ΔM」、X軸の正方向にΔN分ずれた位置を「干渉計位置:+ΔN」とする。干渉計位置がそれぞれ「干渉計位置:−ΔM」、「干渉計位置:±0」、「干渉計位置:+ΔN」の場合に、波長530nmの緑の基準光を照射して得られた分光スペクトルデータがそれぞれ図8(B)〜(D)である。
図8(C)に示すように、干渉計12iが「干渉計位置:±0」の位置にある場合には、分光スペクトルデータのピークの波長は基準光と同じ530nmになる。これに対して、図8(B)に示すように、干渉計12iが「干渉計位置:−ΔM」の位置にある場合には、分光スペクトルデータのピーク波長が基準光の波長530nmより小さい値(530−β)nmになる。また、図8(D)に示すように、干渉計12iが「干渉計位置:+ΔN」の位置にある場合には、分光スペクトルデータのピークの波長が基準光の波長530nmより大きい値(530+α)nmになる。
図8(E)は、干渉計12iの位置と分光スペクトルデータで得られるピーク波長との関係を表している。波長530nmの緑の基準光を利用した場合に、干渉計12iの位置と分光スペクトルデータのピーク波長との関係は、図8(E)のように線形関係を示す。この線形関係が、基準光源別干渉計位置補正テーブル21dとして記憶部21に保存されている。これにより、基準光を利用して分光スペクトルデータのピーク波長が求められれば、図8(E)に示す線形関係から、光学倍率を所定倍率に調整するための干渉計12iの移動方向及び移動距離を決定することができる。具体的には、例えば、計測されたピーク波長が(530+α)nmであった場合には、図8(E)に示す線形関係に基づいて、干渉計12iをΔMだけX軸方向へ移動させる。
次に、図7及び図8で示したスペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点と光学倍率の調整手順について説明する。図9は、焦点及び光学倍率の調整手順を示すフローチャートである。
まず、調整用基準光源制御部22aが、スペクトルセンサユニット10の調整用基準光源11を制御して、緑のLEDを点灯させる(ステップS101)。次に分光スペクトルデータ作成部22bは、基準光が照射された状態で、CCD出力データから、フーリエ変換及び周波数/波長変換によって分光スペクトルデータ21aを作成する(ステップS102)。そして、作成した分光スペクトルデータ21aの強度がピークを示す位置を特定して、特定したピーク位置の波長及び強度を、レンズ位置と関連付けてレンズ位置別ピークデータ21bに記録する(ステップS103)。次に、焦点位置検出部22cが、レンズ位置別ピークデータ21bを参照して、図7(E)に示す極大値が含まれるか否かを判定する(ステップS104)。レンズ位置別ピークデータ21bに、ピーク強度が極大になる位置が含まれている場合には(ステップS105;Yes)、レンズ位置決定処理(ステップS107)に移行する。一方、レンズ位置別ピークデータ21bに、ピーク強度が極大になる位置が含まれていない場合には(ステップS105;No)、光学系調整機構制御部22fが光学系調整部13を制御して、レンズ位置を微小移動させてから(ステップS106)、再度分光スペクトルデータの作成処理(ステップS102)に戻る。
レンズ12hを微小移動させる処理(ステップS106)には、移動方向を判定する処理も含まれている。具体的には、1回目の移動時には、図7(A)のX軸の任意の方向に、レンズ12hを微小移動する。そして、1回目の微小移動の結果得られた分光スペクトルデータ21aのピーク強度が、微小移動する前のピーク強度に比べて高くなった場合には、次に微小移動する際の移動方向を1回目と同じ方向とする。一方、1回目の微小移動の結果得られた分光スペクトルデータ21aのピーク強度が、微小移動する前のピーク強度より低くなった場合には、次に微小移動する際の移動方向を1回目とは逆の方向とする。
レンズ12hの初期位置が、図7(E)の焦点が合う位置(図中0(ゼロ))より右側(図中0より+側)にあるのか、左側(図中0より−側)にあるのかを判断できないため、このようにレンズ12hを任意の方向に移動させて、移動前後のピーク強度の変化により移動方向が、焦点を合わせる方向(図中0(ゼロ)に向けた方向)であるか否かを判定するものである。
ただし、本実施例がこれに限定されるものではない。例えば、光学系部12の組立時に、各構成部品の精度誤差を考慮した上で、図7(E)の焦点が合う位置より右側(又は左側)となるようにレンズ12hの初期位置を設定しておけば、焦点調整開始時には、図7(E)で焦点が合う位置へ向けて、ピーク強度が左(又は右)へ移動するようにレンズ12hを移動させればよい。このようにレンズ12hの初期位置を設定することにより、焦点調整開始時に、焦点を合わせるためにレンズ12hを移動させるべき方向が明確となり、移動方向が正しいか否かを判定する処理が不要となる。
レンズ位置別ピークデータ21bに、図7(E)で示したように強度が極大になる位置が含まれている場合には(図9ステップS105;Yes)、この位置が焦点の合った位置である。レンズ位置別ピークデータ121bには、極大となる位置を含めて、各レンズ位置と、各レンズ位置でのピーク強度とが記録されている。このため、レンズ調整位置算定部22dは、現在のレンズ12hの位置から、ピーク強度が極大となった位置、すなわち焦点の合う位置へ向けての移動方向及び移動距離を算定することができる。光学系調整機構制御部22fは、光学系調整部13を制御して、算定された移動方向及び移動距離に基づいて、レンズ12hを焦点の合う位置へ移動させる(ステップS107)。
こうして焦点を合わせた後、次に、光学倍率の調整を開始する。まず、分光スペクトルデータ作成部22bが、焦点が合った状態で基準光から光を照射し、CCD出力データから、再度、分光スペクトルデータ21aを作成する(ステップS108)。作成された分光スペクトルデータ21aからピーク波長を検出して(ステップS109)、このピーク波長が、基準光の波長530nmを中心とする所定範囲内に入っているか否かの判定を行う(ステップS110)。ピーク波長が所定範囲に入っている場合には(ステップS110;Yes)、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の光学倍率は、所定の光学倍率であると判定して、調整用基準光源制御部22aは調整用基準光源11を消灯して(ステップS113)、処理を終了する。
一方、焦点調整後に作成された分光スペクトルデータ21aで、ピーク波長が波長530nmを中心とする所定範囲内に入っていない場合には(ステップS110;No)、干渉計調整位置算定部22eが、図8(E)に示すデータに対応する基準光源別干渉計位置補正テーブル21dを参照して、分光スペクトルデータ21aのピーク波長に基づいて、光学倍率を所定倍率とするための干渉計12iの移動方向及び移動距離を算定する(ステップS111)。そして、光学系調整機構制御部22fが、光学系調整部13を制御して、算定された移動方向及び移動距離に基づいて、干渉計12iを光学倍率が所定倍率となる位置へ移動させる(ステップS112)。干渉計12iを移動させた場合には、再度焦点の確認を行う必要があることから、焦点調整処理の先頭(ステップS102)に戻る。
このように、先に焦点調整を行って、得られた分光スペクトルから光学倍率を確認して必要に応じて光学倍率を調整し、光学倍率を調整した際には再び焦点調整を行うことにより、焦点及び光学倍率を正確に調整することができる。また、焦点調整及び光学倍率の調整は、CCD出力から得られた数値データに基づく調整であるため、図4及び図5で説明した機構を利用して、全ての処理を自動化することができる。これにより、光学系部12を構成する光学部品に精度誤差がある場合でも、焦点及び光学倍率を容易かつ正確に調整して、スペクトルセンサユニット10の光学性能を維持することができる。
実施例1では、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点や光学倍率の調整を、レンズ12hや干渉計12iを移動することによって実現したが、本発明がこれに限定されるものではない。具体的には、光学倍率調整については、干渉計12iの位置調整を行うことなく、取得データから分光スペクトルデータを作成する過程においてデータを補正することによって実現することもできる。本実施例2では、データ補正を行う場合について詳細を説明する。
本実施例2に係るスペクトルセンサユニット10と光学系調整制御ユニット120の構成について説明する。図10は、本実施例2に係るスペクトルセンサユニット10と光学系調整制御ユニット120の装置構成図である。スペクトルセンサユニット10は、実施例1と同じく、紙葉類識別装置40等に組み込まれるユニットであるが、紙葉類識別装置40で周波数/波長変換に利用されるテーブルが後述する補正テーブルとなる点が、実施例1と異なる。光学系調整制御ユニット120は、スペクトルセンサユニット10の光学系の焦点調整と、光学倍率の補正情報を自動算出するための制御ユニットである。
なお、実施例2では、表示部30等、実施例1と同様の機能部については実施例1と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、実施例2の記憶部121に記憶されるデータ121a〜121cは、各々、実施例1で図1に示すデータ21a〜21cに対応し、実施例2の制御部が有する機能部122a〜122d及び122fは、各々、実施例1で図1に示す機能部22a〜22d及び22fに対応するものであるため詳細な説明は省略する。
光学系調整制御ユニット120は、記憶部121と制御部122で構成され、調整用基準光源11から照射された基準光を光学系部12によって結像させた干渉縞を撮像素子14で撮像し、該干渉縞のデータに基づいて、焦点のずれや光学倍率のずれを検知する。そして、光学系調整部13を制御して、光学系部12の焦点を調整すると共に光学倍率の補正情報を自動算出する。
記憶部121に記憶される周波数/波長変換補正テーブル121dは、光学系部12の光学倍率を補正するためのものである。実施例1では、干渉計12iを移動させることによって光学系部12の光学倍率調整を行ったが、実施例2では光学倍率調整のための干渉計12iの位置調整は行わずに、分光スペクトルデータ121aの生成に使用する周波数/波長変換テーブル121cを補正した周波数/波長変換補正テーブル121dを作成する。そして、この補正テーブルを利用することにより、干渉計12iの位置調整によって光学倍率を調整した場合と同様の分光スペクトルデータ121aを得ることができる。なお、スペクトルセンサユニット10の焦点及び光学倍率が調整された後、周波数/波長変換補正テーブル121dは、このスペクトルセンサユニット10を利用する紙葉類識別装置40で、周波数/波長変換テーブル43cとして記憶部43に保存されて利用されることになる。
制御部122は、光学系調整制御ユニット120の全体を制御する制御部であり、調整用基準光源制御部122a、分光スペクトルデータ作成部122b、焦点位置検出部122c、レンズ調整位置算定部122d、周波数/波長変換テーブル補正処理部122e、及び光学系調整機構制御部122fを有する。
周波数/波長変換テーブル補正処理部122eは、周波数/波長変換補正テーブル121dを作成する機能を有する。具体的には、図11(D)に示すように、調整用基準光源11により、スペクトルセンサユニット10の受光部側から光を照射して、得られるCCD出力データをフーリエ変換し、得られたデータの強度が最大となる周波数をβとする。そして、正しく光学倍率が調整されたスペクトルセンサユニット10に同じ光源を照射した場合に、同様にしてCCD出力データから得られるデータで強度が最大となる周波数をαとする。そして、補正倍率MをM=β/αとして求める。周波数/波長変換テーブル補正処理部122eは、この補正倍率Mを利用して、周波数/波長変換テーブル121cから、周波数/波長変換補正テーブル121dを作成する。この補正テーブルを利用することにより、分光スペクトルデータの波長が、本来の波長位置にマッピングされることになるが、詳細は後述する。
図10に示したスペクトルセンサユニット10の光学系調整制御ユニット120による光学系の光学倍率の補正方法について説明する。図11は、光学倍率の補正方法を説明する図である。
スペクトルセンサユニット10の光学倍率を補正するため、分光スペクトルデータ上で既知の特定波長に特徴的なピークをもつ基準光源を使用する。本実施例では、図11(A)に示すように、分光スペクトルデータ上で、波長が530nmの位置にピークが現れる緑のLEDを調整用基準光源11として使用する。調整用基準光源11から光を照射して、光学系部12によって撮像素子14上に結像された干渉縞を撮像する。撮像素子14として利用されるCCDから出力されたデータを示したものが図11(B)、この出力データのピーク部分を拡大したものが図11(C)である。そして、このCCD出力データをフーリエ変換したものが、図11(D)に実線で示したデータである。分光スペクトルデータを作成するためには、図11(D)のフーリエ変換後のデータ(実線)に対して、図11(E)に示す周波数/波長変換テーブル121cを適用して、周波数/波長変換を行う。
ところが、光学倍率の調整のされていないスペクトルセンサユニット10を使用した場合には、図11(D)のデータ(実線)に対して、図11(E)の変換テーブルを使用して変換すると、得られる分光スペクトルデータのデータ位置がずれてしまう。具体的には、波長530nmの基準光を使用しているにも拘わらず、図11(F)に示すように、本来ピークが現れるべき波長530nmにピークが現れず、ずれた位置にピークが現れる。
本実施例では、このような光学倍率のずれに起因する波長ずれに対応するときに、実施例1のように干渉計12iの位置を調整するのではなく、データ補正行う。具体的には、周波数/波長変換で得られる分光スペクトルデータの波形を、本来のデータ位置にマッピングされた波形とするため、図11(G)に示すように、周波数/波長変換テーブル(図中破線)を補正して、周波数/波長変換補正テーブル121d(図中実線)を作成する。具体的には、周波数/波長変換テーブル補正処理部122eによって求められた補正倍率M(=β/α)を、周波数/波長変換テーブル121cに乗算して、周波数/波長変換補正テーブル121dを作成する。こうして作成した周波数/波長変換補正テーブル121dを使用することによって、図11(D)に示すデータ(実線)から、図11(H)に示すように本来の波長位値にマッピングされた分光スペクトルデータを得ることができる。
補正倍率Mについては、上述した通り、図11(D)に示すように、実測値(図中実線)として得られたデータのピーク位置の周波数をβ、正しく光学倍率が調整された場合に得られる理想値(破線)であるデータのピーク位置の周波数をαとした場合に、M=β/αで求められる。Fを周波数、Wを波長として、周波数/波長変換テーブル121cをF=f(W)という関数とした場合に、周波数/波長変換補正テーブル121dを関数gとすると、F=g(W)=Mf(W)となる。すなわち、図11(G)に破線で示すf(w)が、補正倍率Mにより、実線で示すg(W)へ変換されることになる。
次に、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点調整と、光学倍率の補正テーブルを作成するための手順について説明する。図12は、光学系部12の焦点調整及び光学倍率の補正テーブル作成を行う手順を示すフローチャートである。図12で、焦点を調整するために行うステップS201〜S207の処理は、実施例1の図9に示すステップS101〜107の処理と同じであるため、説明を省略する。
実施例1と同様の手順(ステップS201〜S207)により焦点を合わせた後、光学倍率の補正テーブルを作成する処理を開始する。まず、分光スペクトルデータ作成部122bが、焦点が合った状態で基準光を照射し、CCD出力データから、再度、分光スペクトルデータ121aを作成する(ステップS208)。このとき、上述したように、分光スペクトルデータ121aの実測値から得られるピーク位置の周波数βと理想値から得られる周波数αより、補正倍率MをM=β/αで算定する(ステップS209)。そして、該補正倍率Mにより周波数/波長変換テーブル121cを補正することにより、周波数/波長変換補正テーブル121dを作成する(ステップS210)。
次に、取得したCCD出力データをフーリエ変換して得られたデータから、先に作成した周波数/波長変換補正テーブル121dを使用して分光スペクトルデータを作成する(ステップS211)。そして、該分光スペクトルデータの強度が最大となるピーク波長が、基準光源の波長530nmを中心とする所定範囲内に入っているか否かの判定を行う(ステップS212)。ピーク波長が所定範囲内に入っていない場合には(ステップS212;No)、分光スペクトルデータ作成処理(ステップS208)に戻って、補正倍率及び周波数/波長変換補正テーブル121dを修正する。一方、ピーク波長が所定範囲内に入っている場合には(ステップS212;Yes)、調整用基準光源11を消灯して(ステップS213)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2では、実施例1と同様に、レンズ位置を自動で動かしながら各レンズ位置で分光スペクトルデータを作成して、焦点の合うレンズ12hの位置を特定して、焦点が合うようにレンズ12hの位置を自動調整することができる。また、所定波長の光源を使用して、CCD出力データから作成した分光スペクトルデータのピーク波長と基準光源の波長とに基づいて周波数/波長変換補正テーブルを自動作成するよう構成したので、実施例1のように干渉計12iの位置を移動させることなく、光学倍率を所定の光学倍率とした場合の測定結果を得ることができる。これにより、光学倍率を調整するために干渉計12iの位置調整を行わずとも、実施例1と同様に、スペクトルセンサユニット10の光学系の焦点及び光学倍率を調整することができる。
なお、実施例1及び実施例2では、基準光源として緑のLEDを利用する例を示したが、基準光源がこれに限定されるものではない。例えば、赤や青のLEDを利用してもよいし、LEDではなくレーザー光を利用してもよい。また、単一の光源を利用する態様に限定されるものではなく、複数種類の光源を利用して各光源により得られたデータを利用してもよい。また、例えば、色フィルタ(干渉フィルタ)を利用してハロゲン光源から所定の光を取り出す態様であっても構わない。
また、焦点調整時には、レンズ12hと撮像素子14の間の光学距離を変更することができれば、レンズ12hのみを移動させる態様に限らず、撮像素子14のみを移動させてもよいし、レンズ12hと撮像素子14の両方を移動させてもよい。光学倍率調整時についても、同様に、干渉計12iと撮像素子14の間の光学距離を変更することができれば、いずれか一方を移動させてもよいし、両方を移動させてもよい。
また、実施例1及び実施例2では、スペクトルセンサユニット10の光学系調整に関する各種のデータが、光学系調整制御ユニット20の記憶部21や、紙葉類識別装置40の記憶部43に保存される態様を示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、図13に示すように、スペクトルセンサユニット10が内部に記憶部15を有し、この記憶部15にデータが保存される態様であっても構わない。これにより、例えば、光学系調整制御ユニット20を利用してスペクトルセンサユニット10の光学系を調整した後、周波数/波長変換テーブル21cをスペクトルセンサユニット10の有する記憶部15に保存して、スペクトルセンサユニット10を利用する紙葉類識別装置40では、これらのテーブルをスペクトルセンサユニット10の記憶部15から読み出して利用することができる。また、同様に、実施例2のように補正テーブルを利用する場合にも、周波数/波長変換補正テーブル121dをスペクトルセンサユニット10の記憶部15に保存して利用することができる。これにより、例えば、スペクトルセンサユニット10を交換した場合も、取り付けられたユニットからデータを読み出して利用することができる。
ライトガイド12aは受光部212a〜212pから出射部212qへ光を導くものであるため、図6及び図11に示したように、ライトガイド12aを外した状態で基準光を直接カップリング12bに入射して光学系部12の調整作業を行うこともできるし、実施例1及び実施例2で示したように、スペクトルセンサユニット10が調整用基準光源11を有し、ライトガイド12aの受光部212a〜212pから基準光を入射することもできる。具体的には、図14(A)に示すように、ライトガイド12aが収められたケース111及びベース112の下側に、調整用基準光源11及び識別用光源41が配された光源ユニット113が取り付けられる。屈曲した形状を有する4枚の導光板から成るライトガイド12aは、受光部212a〜212pがベース112から露出した状態でケース111内部に収められている。図14(A)に示す光源ユニット113の光源が取り付けられた面を下面側(Z軸負方向側)から見た図が、図14(B)及び(C)である。例えば、図14(B)に示すように、調整用基準光源11(11a〜11c)と、識別用光源41(41a〜41c)とが、各々1つずつ、ライトガイド12aの各受光部212a〜212p(図示は112a〜112cのみ)に対応して配されている。また、例えば、図14(C)に示すように、単一の調整用基準光源11を、ライトガイド12aの出射部212qに最も近い位置にある受光部212pの近傍に配してもよい。
これにより、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の調整を行う際には調整用基準光源11を点灯させて、紙葉類の識別を行う際には識別用光源41を点灯させて、各光源を利用することができる。また、スペクトルセンサユニット10が調整用基準光源11を有することにより、光学系部12の調整を行う際に、調整用基準光源11を別途設ける必要がない。このため、図2に示すように、スペクトルセンサユニット10を紙葉類識別装置40に組み込んだ状態で、上述した方法で光学系部12の調整を行うことができる。なお、スペクトルセンサユニット10の有する調整用基準光源11を利用する場合には、図14(A)に示すように、透明部材から成る測定窓114の下方に、基準光を反射させるための白色媒体等110を配置することが望ましい。例えば、スペクトルセンサユニット10が組み込まれた紙葉類識別装置40で、ユニット下方に白色媒体を配置したり、ユニット下方の搬送路部分を白色としたり、搬送路部分に反射板を埋め込むように配置したりすることにより、紙葉類識別装置40に組み込まれたままの状態で、スペクトルセンサユニット10の光学系部12を正確に調整することができる。
また、図1や図10等に示すように、スペクトルセンサユニット10が調整用基準光源11を有する態様に限らず、図15に示すように、スペクトルセンサユニット10が光源を有さず、別途設けられた調整用基準光源11を利用する態様であっても構わない。この場合でも、スペクトルセンサユニット10から独立して設けられた調整用基準光源11を制御して、光学系部12に基準光を入射させれば、上述した方法で同様に光学系部12の調整を行うことができる。具体的には、例えば図17(A)に示すように、ライトガイド12aの出射部212qに最も近い受光部212pの近傍に、調整用基準光源11を配置すればよい。また、図17(B)に示すように、ライトガイド12aに基準光を入射するための専用の入射部212rを設けて、この近傍に調整用基準光源11を配置してもよい。
また、この他、所定波長の基準光を照射する調整用基準光源11を有さず、励起用光源を照射することにより所定波長の光を発する基準蛍光媒体を用いて、光学系部12の調整を行う態様であっても構わない。具体的には、例えば紙葉類識別装置40において、ライトガイド12aの受光部212a〜212p下方に基準蛍光媒体を配置する。そして、この基準蛍光媒体に向けて識別用光源41から光を照射すると、基準蛍光媒体から特定波長の光が発せられる。これにより、基準蛍光媒体から発せられた光を基準光として、光学系部12の調整を行うことができる。なお、装置が搬送機構を有している場合には、該搬送機構により基準蛍光媒体を搬送して、スペクトルセンサユニット10下方を通過する際に基準光を発するように励起光を照射してもよい。この場合も同様の方法で光学系部12の調整を行うことができる。
また、紙葉類識別装置40についても、図16に示すように、識別用光源41とは別に、調整用基準光源11を設けて利用すれば、上述した方法で光学系部12の調整を行うことができる。具体的には、例えば、スペクトルセンサユニット10を紙葉類識別装置40に組み込んだ状態で、図17(A)に示すように、ライトガイド12aの受光部212p下方の搬送路130に調整用基準光源11を設置して、透明部材から成る投光用窓131を介して基準光を照射すればよい。または、図17(B)に示すように、調整用基準光源11を、ライトガイド12aに形成した専用の入射部212rに対応するように、紙葉類識別装置40の側壁に配置してもよい。
上述してきたように、スペクトルセンサユニット10の光学系部12の焦点及び光学倍率の調整を、スペクトルセンサユニット10を光学系調整制御ユニット20に接続した状態で、又は、紙葉類識別装置40に組み込んだ状態で行うことができる。また、光学系部12の調整は、光学系部12を経て取得された出力データを利用して自動的に行うことができる。
以上のように、本発明に係るスペクトルセンサの光学系調整方法及び光学系調整装置並びに紙葉類識別装置は、複屈折プリズムやレンズ等を含む光学系に光学的な誤差がある場合でも、焦点及び光学倍率を効率よく調整してこの誤差による影響を抑制し、設計上の光学性能を実現するために有用な技術である。
10 スペクトルセンサユニット
11 調整用基準光源
12 光学系部
12a ライトガイド
12b カップリング
12c フィルター
12d 拡散板
12e 第1の偏光板
12f 複屈折プリズム
12g 第2の偏光板
12h レンズ
12i 干渉計
12j レンズ部
12k フォーカスリング
13 光学系調整部
13a 干渉計調整レバー
13b レンズ部調整レバー
13c 干渉計位置調整用モーター
13d レバー支点
13e 干渉計調整用ピン
13f レンズ位置調整用モーター
13g、13i 作用点移動用穴
13h 干渉計スライド溝
13p ベースプレート
14 撮像素子
15、21、43、121 記憶部
20、120 光学系調整制御ユニット
22、44、122 制御部
22a、122a 調整用基準光源制御部
22b、122b 分光スペクトルデータ作成部
22c、122c 焦点位置検出部
22d、122d レンズ調整位置算定部
22e 干渉計調整位置算定部
22f、122f 光学系調整機構制御部
122e 周波数/波長変換テーブル補正処理部
30 表示部
40 紙葉類識別装置
41 識別用光源
42 出力部
111 ケース
112 ベース
113 光源ユニット
114 測定窓

Claims (11)

  1. 光源からの光路に沿って、偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、焦点調整可能な可動式のレンズ及びラインイメージセンサが順に配置されたスペクトルセンサの光学系調整方法であって、
    基準光源によって所定波長の基準光を前記干渉計へ向けて入射する基準光入射工程と、
    前記干渉計を経て前記レンズによって集光された光を前記ラインイメージセンサによって受光する受光工程と、
    前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成工程と、
    前記スペクトルデータ生成工程で生成された分光スペクトルデータに基づいて前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を自動調整して焦点を合わせる焦点調整工程と
    を含んだことを特徴とするスペクトルセンサの光学系調整方法。
  2. 前記スペクトルデータ生成工程で求めた分光スペクトルデータに基づいて前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を自動調整して、前記ラインイメージセンサに結像される像の光学倍率を所定倍率に合わせる光学倍率調整工程をさらに含んだことを特徴とする請求項1に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  3. 前記焦点調整工程では、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて自動調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  4. 前記光学倍率調整工程では、
    前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、
    求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を、ピーク位置の波長が前記基準光の波長と一致するときの距離に向けて自動調整する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  5. 前記ラインイメージセンサ及び前記レンズを、焦点が合うときの距離よりも近づく方向又は遠ざかる方向へ所定距離離れて設定された初期位置に配置する初期設定工程
    をさらに含み、
    前記焦点調整工程では、前記ラインイメージセンサ及び前記レンズの少なくともいずれか一方を、焦点が合う距離となる方向に移動させながら焦点調整を開始する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  6. 前記光学倍率調整工程では、
    前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、
    求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記分光スペクトルデータを所定の光学倍率で取得されたデータに補正するための補正倍率を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  7. 前記基準光を利用して前記ラインイメージセンサで受光した光から求めた波長と、前記基準光が発する所定波長との比率を補正倍率として、
    フーリエ変換後のデータで周波数軸から波長軸への周波数波長変換に利用する変換係数を定めた周波数波長変換テーブルから、各変換係数を前記補正倍率で補正した補正テーブルを作成する工程
    をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のスペクトルセンサの光学系調整方法。
  8. 干渉波を形成するための偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、前記干渉計から出射した光を集光して焦点を合わせるためのレンズ、及び前記レンズにより検討された干渉縞を撮像するラインイメージセンサを有するスペクトルセンサで、光学系の調整を行うための光学系調整装置であって、
    所定波長の基準光を照射可能な基準光源と、
    前記干渉計に前記基準光源からの光を入射して前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成すると共に、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて調整する制御部と
    を備えることを特徴とするスペクトルセンサの光学系調整装置。
  9. 前記制御部は、
    前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施した後、さらに周波数波長変換を施して分光スペクトルデータのピーク位置の波長を求めて、
    求めた波長及び前記基準光の波長に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記干渉計の間の距離を、ピーク位置の波長が前記基準光の波長と一致するときの距離に向けて自動調整する
    ことを特徴とする請求項8に記載のスペクトルセンサの光学系調整装置。
  10. 前記制御部は、
    前記基準光を利用して前記ラインイメージセンサで受光した光から求めた波長と、前記基準光が発する所定波長との比率を補正倍率として、
    フーリエ変換後のデータで周波数軸から波長軸への周波数波長変換に利用する変換係数を、前記補正倍率で補正した補正テーブルを作成する
    ことを特徴とする請求項8に記載のスペクトルセンサの光学系調整装置。
  11. 干渉波を形成するための偏光子及び複屈折素子を含む干渉計、前記干渉計から出射した光を集光して焦点を合わせるためのレンズ、及び前記レンズにより検討された干渉縞を撮像するラインイメージセンサを有するスペクトルセンサと、
    所定波長の基準光を照射可能な基準光源と、
    前記干渉計に前記基準光源からの光を入射して前記ラインイメージセンサによって受光した光にフーリエ変換を施して分光スペクトルデータを生成すると共に、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を変更したときの分光スペクトルデータのピーク強度の変化に基づいて、前記ラインイメージセンサと前記レンズの間の距離を、前記ピーク強度が極大値を示すときの距離に向けて自動調整する制御部と
    を備えることを特徴とする紙葉類識別装置。
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