JP2014070942A - 可溶型clec−2に基づく血小板活性化測定方法 - Google Patents

可溶型clec−2に基づく血小板活性化測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血小板活性化を安定して評価できるマーカー及びその利用方法を得ること。
【解決手段】血小板から遊離した可溶型CLEC-2の量を測定する工程を含む、血小板活性化の測定方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、可溶型CLEC-2に基づく血小板活性化測定方法および止血疾患の検査方法に関する。
血小板には、血小板細胞質内に顆粒、血小板表面に多くの膜糖蛋白が存在し、血小板活性化に伴って顆粒の放出や膜糖蛋白の構造変化が起こり、その中の一部は血小板活性化マーカーとして利用されている。
血小板第4因子(PF4)およびβ-トロンボグロブリン(βTG)は、血小板のα顆粒中に含まれ
、血小板の活性化に伴って放出されるため、従来より、血小板活性化マーカーとして利用されており、現在国内では、血小板活性化マーカーとしては、これらのみが保険収載されている。しかしながら、採血などの軽微な刺激でも顆粒中の物質が放出されるため、血小板活性化抑制剤カクテルの入った専用採血管と20G以上の太い採血針を用いて駆血帯をせ
ずに採血し、すぐに氷冷する、という煩雑な過程を踏まなければならないなど、採血手技や検体処理に制約が多く、それに加え、データの信頼性の面から臨床ではあまり利用されていない。
また、近年、血小板の活性化に伴いプロテアーゼによって切断された膜糖蛋白が血小板活性化マーカーとしての利用価値が高まっている。具体的には、vonWillebrand因子(vWF)受容体GPIbaやコラーゲン受容体GPVIが代表的な分子として挙げられるが、いずれも臨床的
な意義に関する知見が乏しく、また、ある種のリガンド依存的な放出反応であるため、血小板の活性化状態を正確に反映しているか不明な点が多い。
CLEC-2(C-type lectin-like receptor 2)は、2006年に本発明者らによって同定されたC-type lectin familyに属する血小板活性化受容体である(特許文献1,2)。
また、近年の研究成果により、CLEC-2は血小板活性化に伴い膜表面から遊離し、可溶型となって放出されることが報告されている(非特許文献1)。しかし、可溶型CLEC-2が実際に血漿中に存在し、それが生体での血小板活性化を反映したマーカーになりうるかは不明であり、また、血小板活性化異常症などの止血疾患を可溶型CLEC-2の量により判定できるかも不明であった。
特許第4961595号明細書 特開2007-070359号公報
臨床病理58: 12, p1193-1202, 2010
本発明の課題は、血小板活性化を安定して評価できるマーカーを開発し、止血疾患の検査などに利用することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、作製したモノクローナル抗体によるELISAによって可溶型CLEC-2がヒト血漿中に存在し、それが生体での血小板活性化を反映したマーカーとなりうることを発見した。さらに、CLEC-2は血小板活性化に伴いプロテアーゼによって膜表面から切断され、25kDaの可溶型となって放出されることが明らかとなった。可溶型CLEC-2として、マイクロパーティクル型の32kDa,40kDaの可溶型CLEC-2だけでなく、膜貫通ドメインが切断されたと思われる25kDaの可溶型CLEC-2があることは新しい知見である。これらの可溶型CLEC-2は止血疾患の検査にも使用できることを見出した。以上の知見により、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下を提供する。
[1]血小板から遊離した可溶型CLEC-2の量を測定する工程を含む、血小板活性化の測定方法。
[2]前記可溶型CLEC-2が下記1)〜3)の性質を有する、[1]に記載の方法。
1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
[3]血漿を測定試料として用いる、[1]または[2]に記載の方法。
[4]測定を免疫学的手法によって行う、[1]〜[3]の何れかに記載の方法。
[5]血漿中の可溶型CLEC-2の量を測定する工程を含む、止血疾患の検査方法。
[6]止血疾患が血栓症、心筋梗塞または狭心症である、[5]に記載の方法。
[7]前記可溶型CLEC-2が下記1)〜3)の性質を有する、[5]または[6]に記載の方法。
1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
[8]下記1)〜3)の性質を有する、可溶型CLEC-2。
1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
[9][8]に記載の可溶型CLEC-2に結合する抗体若しくは該抗体の断片。
[10]少なくとも一つの[8]に記載の可溶型CLEC-2に結合する抗体若しくは該抗体の断片を含む、血漿中に含まれる可溶型CLEC-2を測定するための測定用キット。
[11]血小板活性化の評価用または止血疾患の検査用である、[10]に記載のキット。
可溶型CLEC-2は、血小板の活性化に伴い血中に放出される。既存の血小板活性化マーカー、例えば、PF4,bTGは、採血による物理的な圧力により顆粒が刺激され、非特異的な放出を起こすことが問題とされているが、可溶型CLEC-2は、血小板活性化を惹起するシグナル伝達依存的な放出機序であり、生体内の血小板の活性化をより正確に反映するマーカーになりうると考えられる。また、CLEC-2 はヒトでは血小板・巨核球系に発現がほぼ限られるため、偽陽性が少ない特異的なマーカーになる。
類似の機序で放出される可溶型GPVIは、GPVI受容体特異的なアゴニスト刺激においては強力に産生されるが、その他既知の血小板活性化アゴニスト刺激では、その産生が非常に弱い。つまり、刺激の種類により産生量が変わると、マーカーとしての解釈が非常に難しくなる。しかしながら、可溶型CLEC-2は、特異的なアゴニスト刺激は勿論のこと、既知のアゴニスト刺激においても同様のレベルで産生されるため、血小板活性化の定量的なマーカーとして最適な分子である。
この可溶型CLEC-2は、採血操作の制約を受けないことも利点の一つとして挙げられる。すなわち、可溶型CLEC-2は、採血などの軽微な刺激で放出されるPF4,bTGと違って、強い血
小板活性化によって遊離するため、特殊な採血操作を必要としない。
さらに、急性冠症候群患者血漿中の可溶型CLEC-2は、健常人の数値より有意に上昇しているデータも得られ、発症・予後の予測や治療効果の判定を行うためのモニターとしての利
用価値も高く、従来の活性化マーカーと比し、飛躍的に優れたマーカーと考えられる。
精製抗体(1:クローン1-1G11および2:クローン1-11D5をF(ab')2化したもの)のSDS-PAGEの結果を示す図(写真)。Lane 1は分子量サイズマーカー、Lane 2は非還元条件、Lane 3は還元条件を示す。 ヒト可溶型CLEC-2 ELISAの標準曲線を示す図。 ヒト血小板のCLEC-2ウェスタン解析結果を示す図(写真)。B : Buffer処理、Rh : ロドサイチン処理、Thr : thrombin処理、VI : Poly PHG処理、vWF : von Willebrand因子処理、N : N-Ethylmaleimide処理、W : Whole Platelet Lysate。 ヒト可溶型CLEC-2量のELISA解析結果を示す図。B1 : Buffer処理(反応前)、B2 : Buffer処理(反応後)、Rh : ロドサイチン処理、Thr : thrombin処理、VI : Poly PHG処理、vWF : von Willebrand因子処理、N : N-Ethylmaleimide処理、W : Whole Platelet Lysate。 PP2の血小板活性化抑制効果の結果を示す図。1)はウェスタン解析(写真)、2)はELISA。 採血管の種類による測定結果の比較を示す図。1)bTG、2)PF4、3)可溶型CLEC-2。 ヒト健常人血漿における可溶型CLEC-2量の測定結果を示す図。 急性冠症候群患者血漿における可溶型CLEC-2量の測定結果を示す図。
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。
なお、本明細書において、タンパク質の精製及び解析、並びに抗体の作製等の手法は、特に明記しない限り、新生化学実験講座(日本生化学会編;東京化学同人)、Antibodies − A Laboratory Manual(E.Harlow, et al., Cold Spring Harbor Laboratory(1988))等の一般的実験書に記載の方法またはそれに準じて行うことができる。
CLEC-2とは、C-type lectin familyに属する血小板活性化受容体であり、通常、血小板の膜に存在するが、血小板の活性化に伴って、血漿中に放出される。可溶型CLEC-2は、このような血小板から遊離し、血漿中(バッファー中でインキュベートする場合はバッファー中)に検出されるCLEC-2のことをいう。
可溶型CLEC-2には、還元条件下SDS−PAGEにおける分子量約40kDaのタンパク質、分子量約32kDaのタンパク質、分子量約25kDaのタンパク質などが含まれる。
分子量約40kDaのタンパク質、分子量約32kDaのタンパク質は血小板膜表面に存在し、血小板活性化に伴って産生されるマイクロパーティクルに含まれた状態で放出されると推定される。これらには糖鎖が付加されていると考えられる。
一方、分子量約25kDaのタンパク質は血小板の活性化に伴ってプロテアーゼによって切断を受けて血小板から遊離すると考えられる。
本発明で利用可能なCLEC-2は、ヒトをはじめ、ウシ、ブタ、モルモット、ラット、マウス等の幅広い動物種において確認されているが、特にヒトCLEC-2が好ましい。ヒトCLEC-2のアミノ酸配列を配列番号2に示す。該アミノ酸配列においてアミノ酸番号34〜54で示される部分は膜貫通領域であり、アミノ酸番号54〜71で示される部分はNeck領域であり、アミノ酸番号102〜218で示される部分はC-type lectin-like領域である。アミノ酸番号120とアミノ酸番号134のアスパラギンが糖鎖負荷部位と推定される。なお、アミノ酸配列には人種などにより1〜数個の置換等がある可能性があり、検出対象となるCLEC-2は、1〜数個(例えば、5個、好ましくは2個)の置換等が存在しても良く、配列番号2には限定されない。
なお、分子量約25kDaのCLEC-2は血小板活性化剤によって生成するが、Src family kinase inhibitorであるPP2によってその生成が阻害されることから、プロテアーゼADAM-10によってプロセシングを受けると考えられる。プロセシング部位は配列番号2ではアミノ酸番号59〜60のRN、アミノ酸番号61〜62のYL、アミノ酸番号68〜69のNR、アミノ酸番号75〜76のQL、アミノ酸番号86〜87のKQのいずれかと推定される。
本発明においては、上記のような可溶型CLEC-2の量を測定する。なお、測定には、定性的な測定も定量的な測定も含まれる。
可溶型CLEC-2は分子量約40kDaのタンパク質、分子量約32kDaのタンパク質および分子量約25kDaのタンパク質をまとめて検出してもよいし、分子量約25kDaのタンパク質のみを検出してもよい。
まとめて検出する場合、血漿サンプルをそのまま測定に用いればよい。血漿サンプルは例えば、通常の採血管を用いて採血した血液を約3000rpmで遠心分離し、その上清として得ることができる。
一方、分子量約25kDaのタンパク質のみを検出する場合、血漿サンプルを超遠心し、得られた上清画分を測定に用いればよい。通常、10万G、3時間の遠心分離により、遊離・切断された膜蛋白は上清に、血小板マイクロパーティクルはペレットに分画される。これにより、分子量約25kDaのタンパク質は上清画分に、分子量約40kDaのタンパク質、分子量約32kDaのタンパク質は沈殿画分に分配される。ただし、分子量約25kDaのタンパク質のみを認識する抗体を用いる場合は特に分画の必要はない。
また、単離した血小板を用いてインビトロで血小板活性化を調べる場合は、血小板を含む液体試料を用いて血小板活性化刺激を与えるなどし、その後、血小板を除いて得られた液体を測定に用いればよい。この場合も、分子量約25kDaのタンパク質のみを検出するためには液体サンプルを超遠心し、得られた上清画分を測定に用いることになる。ただし、分子量約25kDaのタンパク質のみを認識する抗体を用いる場合は特に分画の必要はない。
測定に用いる試料はヒト由来であることが好ましいが、実験動物の病態把握等のために、ヒト以外の動物由来の試料を用いてもよい。実験動物としては特に制限されないが、例えば、モルモット、ラット、マウス、チンチラ等が挙げられる。
本発明の可溶型CLEC-2の測定方法は、血小板活性化の評価に好適に使用される。例えば、血小板活性化刺激を与えるなどしたのちに、可溶型CLEC-2を測定することにより血小板の活性化が正常かどうかを調べることができる。
血小板活性化刺激剤としては、ADP、コラーゲン、エピネフリン、リストセチン、コンバルキシン、セロトニン、バソプレシン、血液凝固因子(第8因子、第9因子)、トロンビン、アラキドン酸、PAF(血小板活性化因子)、PAR(プロテアーゼ活性化受容体)-1
活性化ペプチド、トロンボキサンA2アナログ、vWF、NEM(N-ethylmaleimide) などを挙げることができる。
また、上記等の血小板を活性化する物質や以下に挙げる抗血小板薬の薬効評価や薬剤候補物質のスクリーニングにも使用できる。
例えば、血小板が活性化されている病態モデルにおいて、抗血小板剤やその薬剤候補物質の存在下及び非存在下での、可溶型CLEC-2を測定することにより、該物質の存在下で血小板の活性化が抑制されると示される場合は、該物質の効果があり、血小板の活性化が抑制されないあるいは抑制が低いと示される場合は、該物質の効果が無いと判定することができる。
抗血小板薬としては、アスピリン、シロスタゾール、ジピリダモール、塩酸チクロピジン、イコサペント酸エチル、スルフィンピラゾン、クロピドグレル、ベラプロスト、トロンボモジュリン、プロスタグランジンE、抗セロトニン系薬剤、クマリン系抗凝固薬や活性プロテインC等が挙げられる。
本発明の可溶型CLEC-2の測定方法は、止血疾患の検査にも好適に使用される。本明細書で述べる「止血」とは、血小板および凝固因子が共役して流血あるいは出血を効果的に適切に止めることを意味する。本明細書で使用する「止血疾患」には、過度の出血や異常な血液凝固を含む状態や疾患が含まれるが、これらに限定されることはない。異常な血液凝固は深刻な冠不全症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性の狭心症、血栓溶解療後の冠動脈内血栓性閉塞、冠動脈血管形成術後の冠動脈内血栓性閉塞、血栓による脳血管疾患、脳梗塞、塞栓性脳卒中、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、凝固障害、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓血管炎、ヘパリン起因性血小板減少症に伴う血栓症、体外循環による血栓合併症、心臓または他の血管内カテーテル、大動脈内バルーンポンプ、動脈ステントあるいは心臓弁などの器具による血栓合併症、および人工器官の取り付けを要する状態を含む疾患に関連するものであるが、これらに限定されるものではない。
例えば、可溶型CLEC-2の量が健常人あるいは非止血疾患群と比較して多い場合は止血疾患に罹患している可能性あるいは罹患するリスクが高いといえる。
具体的な例を挙げると、心筋梗塞や脳梗塞の患者において可溶型CLEC-2 測定を行い、高
値になれば生体内の血小板活性化が生じていると判断でき、抗血小板薬の投与、増量、あるいは異なる種類の抗血小板薬の追加投与などの対策を講じることができる。
また、糖尿病患者など、心筋梗塞や脳梗塞のハイリスク患者において可溶型CLEC-2 測定
を行い、高値の患者にはアスピリンなどの抗血小板薬を一次予防として投与する、といった使用法も可能と考えられる。
さらに、アスピリン、クロビドグレルなどの抗血小板薬を服用している患者において可溶型CLEC-2 測定を施行し、高値であれば抗血小板薬の増量、異なる種類の抗血小板薬への
変更あるいは追加投与などを検討することも可能である。
また、慢性関節リウマチでは血小板マイクロパーティクルが増悪因子となっているという報告があり、CLEC-2はマイクロパーティクル上にも発現しているため、慢性関節リウマチ患者においても可溶型CLEC-2が上昇している可能性があり、慢性関節リウマチの検査にも有用である。
さらに、発明者はCLEC-2が生体内ではポドプラニンという、ある種の腫瘍細胞に発現する膜蛋白と結合し、その転移を促進することを見出しており、ポドプラニン発現腫瘍の患者において、血中の腫瘍が血小板を活性化して、血中可溶型CLEC-2が上昇する可能性がある。よって、可溶型CLEC-2は癌転移マーカーとして使用できる可能性がある。
可溶型CLEC-2の存在を検出するための方法は、特に制限されないが、可溶型CLEC-2を認識する抗体(以下、これを「抗CLEC-2抗体」と称することがある)を用いた免疫学的方法が好ましい。免疫学的に蛋白質の検出を行う方法としては、例えば、酵素免疫測定法(ELISA法)、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫クロマトグラフィー等の標識抗体を用いた免疫測定法、あるいは、非変性条件でのウェスタンブロッティング法、ラテックス凝集法、免疫比濁法等のそれ自体公知の通常用いられる方法であればいかなる方法でも用い得るが、この中でも、操作の簡便性や測定精度の点から、標識抗体を用いた免疫測定法が好ましく用いられる。術中診断のためには、迅速に結果が得られることが望まれているため、酵素免疫測定法(ELISA法)や免疫クロマトグラフィー等が特に好ましく用いられる。
可溶型CLEC-2に反応する抗体は、配列番号2(好ましくはアミノ酸番号55〜229で表される細胞外領域)のポリペプチドに含まれる抗原決定基(以下、これを「エピトープ」
と称することがある)を認識し、可溶型CLEC-2に反応することを特徴とする。
このような抗体は分子量約40kDaのタンパク質、分子量約32kDaのタンパク質、分子量約25kDaのタンパク質を共通して認識するものでよいが、ハイブリドーマが産生する抗体の中から分子量約25kDaのタンパク質のみを認識する抗体を選択して用いてもよい。
抗CLEC-2抗体は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列の一部または全部を含むポリペプチド(以下、これを「抗原ポリペプチド」と称することがある)を免疫原として作製することができる。抗原ポリペプチドは、公知の方法に従って化学的に合成された合成ポリペプチドでも、遺伝子組み換え等により産生されたものでもよい。
抗体の作製は、それ自体公知の通常用いられる方法を用いて行うことができる。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。例えば、ポリクローナル抗体を作製する場合には、KLH(キーホール・リンペット・ヘモシアニン)、BSA(牛血清アルブミン)、豚甲状腺グロブリン等の担体蛋白に、カルボジイミド、マレイミド等の適当な縮合剤を用いて前記抗原ポリペプチドを結合させ、免疫用の抗原(免疫原)を作製してもよい。ここで、担体蛋白への抗原ポリペプチドの結合は、それ自体公知の通常用いられる方法により行えばよいが、例えばKLHを担体蛋白として用いて、マレイミド化により抗原ポリペプチドを結合させる方法の場合には、KLHに、好ましくはSulfo−SMCC(Sulfosuccimidyl 4−(N−maleimidomethyl)cyclohexane−1−carboxylate)等の二官能性の縮合剤を反応させてマレイミド化し、これにN末端またはC末端のうち結合を生じさせたい方の末端にシステインを付加した抗原ポリペプチドを反応させれば、チオールを介して容易に結合して免疫原を調製することができる。選択した抗原ポリペプチドのアミノ酸配列中にシステインが含まれる場合には、これを利用して結合させることもできる。また、カルボジイミド化されたKLHを用いた場合には、抗原ポリペプチドとの脱水縮合によりペプチド結合を形成させて結合させることができる。
このように調製した免疫原を含む溶液を、必要に応じてアジュバントと混合し、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等、通常抗体の製造に用いられる動物の皮下または腹腔に2〜3週間毎に繰り返し免疫する。免疫後、適宜試験的に採血を行って、ELISA法、ウェスタンブロッティング法等の免疫学的方法により力価(抗体価)が十分に上昇していることを確認することが好ましい。十分な力価の上昇が確認された動物から採血を行い、血清を分離することによって抗血清が得られる。ニワトリの場合には、鶏卵から採取した卵黄から水溶性の画分を分取して卵黄抽出液を調製し、これも抗血清同様に用いることができる。
得られた抗血清等を精製することなくそのまま用いることもできるが、精製して用いることが好ましい。例えば、Protein Aを用いた精製法、硫酸アンモニウムを用いた塩析による方法、イオン交換クロマトグラフィー等によって、イムノグロブリン画分を精製する方法、あるいは、特定のポリペプチドを固定化したカラムを用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって精製する方法等が挙げられる。
また、モノクローナル抗体を作製する場合には、上記と同様にして免疫した動物の脾臓から抗体産生細胞を採取し、常法によって、同系動物等由来のミエローマ細胞等の培養細胞と融合させてハイブリドーマを作製(Milstein et al., Nature, 256, 495(1975))する。培養を行って、適宜ELISA法等により抗体価を確認して、目的のエピトープを認識するモノクローナル抗体を産生し、かつ、抗体産生能の高いハイブリドーマを選択すればよい。かくして選択されるハイブリドーマの培養上清から、目的のモノクローナル抗体を得ることができる。
かくして得られる抗体は、可溶型CLEC-2を特異的に認識する抗体である。このことは、血漿等の試料を適当な動物種から採取し、試料中の可溶型CLEC-2との反応性を解析すること等によって確認できる。
なお、本明細書で抗体と言う場合、全長の抗体だけではなく抗体の断片も包含する。抗体の断片とは、抗体の抗原結合領域またはその可変領域を含む機能性の断片であることが好ましく、例えば、F(ab')2、Fab'、Fabなどが挙げられる。F(ab')2、F
ab'とは、イムノグロブリンを、蛋白分解酵素(例えば、ペプシンまたはパパイン等)
で処理することにより製造されるもので、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の前後で消化されて生成される抗体断片である。
例えば、IgG1をパパインで処理すると、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の上流で切断されてVL(L鎖可変領域)とCL(L鎖定常領域)からなるL鎖、及びVH(H鎖可変領域)とCHγ1(H鎖定常領域中のγ1領域)とからなるH鎖フラグメントがC末端領域でジスルフィド結合により結合した相同な2つの抗体フラグメントを製造することができる。これら2つの相同な抗体フラグメントを各々Fab'と
いう。またIgGをペプシンで処理すると、ヒンジ領域中の2本のH鎖間に存在するジスルフィド結合の下流で切断されて前記2つのFab'がヒンジ領域でつながったものより
やや大きい抗体フラグメントを製造することができる。この抗体フラグメントをF(ab')2という。
また、本発明に用いる抗体は、固相担体などの不溶性担体上に担持された固定化抗体として使用したり、標識物質で標識した標識抗体として使用したりすることができる。
固定化抗体とは、不溶性担体に物理的吸着あるいは化学的結合等によって坦持された状態にある抗体を言う。これらの固定化抗体は、試料中に含まれる可溶型CLEC-2を検出または定量するために用いることができる。抗体を担持させるのに使用できる不溶性担体としては、例えば、(1)ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂あるいはナイロン樹脂等からなるプラスチックや、ガラス、ラテックス、金属化合物、磁性体等に代表されるような水に不溶性の物質からなるプレート、試験管若しくはチューブ等の内容積を有するもの、ビーズ、ボール、フィルター、あるいはメンブレン等、並びに(2)セルロース系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体あるいは多孔性シリカ系担体等のようなアフィニティークロマトグラフィーに用いられる不溶性担体を挙げることができる。
標識抗体とは、標識物質で標識された抗体を意味し、これらの標識抗体は、試料中に含まれる可溶型CLEC-2を検出または定量するために用いることができる。標識物質は、抗体に物理的結合または化学的結合等により結合させることによりそれらの存在を検出可能にするものであれば特に限定されない。標識物質の具体例としては、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンあるいは放射性同位体等が挙げられ、より具体的には、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、3H、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、または化学発光物質が挙げられる。
標識物質と抗体との結合法は、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフ
ィド法または過ヨウ素酸法等の公知の方法を用いることができる。
ここで、放射性同位体及び蛍光物質は単独で検出可能なシグナルをもたらすことができるが、酵素、化学発光物質、ビオチン及びアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルを生じる。例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法、蛍光法、生物発光法あるいは化学発光法等)に依存して種々の基質が用いられる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的である。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。
本発明の測定方法を、酵素免疫測定法(ELISA法)、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、または放射免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫測定法により実施する場合には、サンドイッチ法または競合法により行うこともできる。
サンドイッチ法で用いる固相担体としては、抗体を担持させるのに使用できる不溶性担体であればよく、例えば、(1)ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂あるいはナイロン樹脂等からなるプラスチックや、ガラス、ラテックス、金属化合物、磁性体等に代表されるような水に不溶性の物質からなるプレート、試験管若しくはチューブ等の内容積を有するもの、ビーズ、ボール、フィルター、あるいはメンブレン等、並びに(2)セルロース系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体あるいは多孔性シリカ系担体等のようなアフィニティークロマトグラフィーに用いられる不溶性担体を挙げることができる。
測定の操作法は公知の方法(例えば、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年,石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学書院,1987年,北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊No.31 酵素免疫測定法」,共立出版,1987年)に準じて行うことができる。
例えば、固相化抗体と試料を反応させ、同時に標識抗体を反応させるか、または洗浄の後に標識抗体を反応させて、固相化抗体−抗原−標識抗体の複合体を形成させる。そして未結合の標識抗体を洗浄分離して、結合標識抗体の量より試料中の抗原量を測定することができる。具体的には、酵素免疫測定法(ELISA法)の場合は標識酵素にその至適条件下で基質を反応させ、その反応生成物の量を光学的方法等により測定する。蛍光免疫測定法の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を、放射免疫測定法の場合には放射性物質標識による放射線量を測定する。化学発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を測定する。
本発明の測定方法を、ラテックス凝集反応、または免疫比濁法等の場合のように免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、目視的に測る測定法により実施する場合には、溶媒としてリン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液またはグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
抗体を固相担体に担持させて用いる場合には、固相担体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル類ポリマー、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、金属、セラミックスまたは磁性体等の材質よりなる粒子を使用することができ
る。
この担持の方法としては、物理的吸着法、化学的結合法またはこれらの方法の併用等の公知の方法を使うことができる。測定の操作法は公知の方法により行うことができるが、例えば、光学的方法により測定する場合には、試料と抗体、または試料と固相担体に担持させた抗体を反応させ、エンドポイント法またはレート法により、透過光や散乱光を測定する。
また、目視的に測定する場合には、プレートやマイクロタイタープレート等の容器中で、試料と固相担体に担持させた抗体を反応させ、凝集の状態を目視的に判定する。なお、目視的に測定する代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて測定を行ってもよい。
上記した方法を用いて患者の血漿を試料とした解析を行い、該試料中に可溶型CLEC-2の存在が健常人より多く検出された場合に、該患者が血小板活性化異常症などの疾患に罹患している可能性があると判定することができる。
また、可溶型CLEC-2に対する抗体を含む測定キットを、血小板活性化の評価用または止血疾患の診断用のキットとすることができる。該試薬キットを用いれば、血小板活性化異常症や血栓症などの疾患の検出を必要時に簡便・迅速に行うことができ、その結果を、他の疾患との鑑別や、治療方針の決定等に役立てることができる。
キットに含まれる試薬の形態は特に限定されず、固体でも液体(溶液、懸濁液など)でもよい。液体の場合には適当な溶媒(抗体を安定に保存できる緩衝液など)に上記抗体を溶解または懸濁することによって試薬を調製することができる。
本発明のキットは、本発明の検出方法を行うことのできるものであればいかなる構成であってもよい。例えば、標識抗体を用いた免疫測定法を用いて可溶型CLEC-2の検出を行う試薬キットの場合には、少なくとも担体固相化抗体及び/又は標識化抗体として、可溶型CLEC-2と反応する抗体を含む。可溶型CLEC-2と反応する抗体は分子量約25kDaのCLEC-2のみを認識するものでもよいし、分子量約25kDa、約32kDaおよび約40kDaのCLEC-2のみを認識するものでもよい。その他に、任意のキット構成要素として、酵素基質、希釈液や洗浄液等の緩衝液、陽性コントロール等を含めることができる。このように、本発明の試薬キットは、少なくとも試料中の可溶型CLEC-2と反応する抗体を含み、それ自体公知の通常用いられる試薬等を組み合わせて作製することができる。
更に、血小板活性化の程度や各種疾患と可溶型CLEC-2との相関を示す標準データ、取扱説明書等を含むこともできる。
本発明のキットに含まれる前記標準データは、血漿中の可溶型CLEC-2の量と血小板活性化の程度や各種疾患との相関を示すものである限り、特に限定されるものではないが、例えば、判定用閾値、あるいは、判定用閾値を算出するためのオリジナルデータ又は統計処理データなどを挙げることができる。該標準データは、前記取扱説明書中に記載されても良いし、別にデータシートとして添付しても良い。また、添付される文書の形態は、紙、CD−ROM等の電子媒体、ホームページ等からのダウンロードも含まれる。
また、本発明のキットに含まれる前記取扱説明書は、少なくとも、血漿中の可溶型CLEC-2の量と血小板活性化の程度や各種疾患との関係に言及するものであれば、特に限定するものではなく、前記言及に加え、例えば、本発明のキットを使用する免疫学的測定の実施手順に関する説明、得られた測定値に基づいて血漿中の可溶型CLEC-2の量と血小板活性化の程度や各種疾患を検出する手順に関する説明、キット自体の保存・取り扱いなどに関する注意事項などを含むことができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の態様に限定されない。
ヒトCLEC-2-ヒトFc融合蛋白質(hCLEC-2-hFc2)発現プラスミドの構築
まず、公知であるヒトCLEC-2遺伝子(AF124841)の情報を基に、Open Biosystems社より購
入したhuman cDNA libraryを鋳型にして目的とする遺伝子配列をPCRにて増幅した。遺伝
子産物の増幅に使用したプライマーは以下の通りでる。
Forward : 5'- CCGATTACACAGCGCAATTACCT-3'(配列番号3)
Reverse : 5'- GAAGATCTAGGTAGTTGGTCCAC-3' (配列番号4)
増幅した遺伝子産物は、アガロースゲル電気泳動の後、目的遺伝子サイズのバンドを切り出し、QIAquick gel extraction kit(Qiagen社)を使用して抽出・精製を行った。さらに
、精製した遺伝子は、EcoRV/BglIIの制限酵素で処理し、QIAelute PCR purification kit(Qiagen社)を使用して再び目的遺伝子を精製した後、pFUSE-hFc2プラスミドベクター(invivogen)のマルチクローニングサイトに挿入した。得られたpFUSE-hCLEC-2-hFc2は、コンピテントセルDH5αを使用して形質転換後、ダイレクトコロニーPCRおよび遺伝子シークエンスにより、hCLEC-2-hFc2融合蛋白質を発現可能なプラスミドを構築した。
hCLEC-2-hFc融合蛋白質の発現および精製
Cos-7細胞は、10%牛胎児血清入りのダルベッコMEM培地(Invitrogen社)で継代した。
Opti-MEM(Invitrogen社)に培養液を交換後、エレクトロポレーション法にて実施例1で得られたpFUSE-hCLEC-2-hFc2を遺伝子導入した。得られた培養液は、遠心操作により余分な細胞を遠沈後、それらの上清をプロテインAカラム(GE Healthcare社)に添加し、PBS(-)で洗浄後、溶出バッファー(0.1M グリシン, pH2.3)にてhCLEC-2-hFc2を溶出した。また、溶出後、すぐに2N トリス溶液にて中和した。精製された抗原は、PBS(-)に透析し、その後
の抗原として使用した。
hFc蛋白質およびhCLEC-2蛋白質の調製
実施例2で精製したhCLEC-2-hFc2融合蛋白質は、Pierce Fab Preparation kit(Pierce)を用いて、添付の手順書に従ってhCLEC-2蛋白質とhFc蛋白質を分離し、調製した。すなわち、hCLEC-2-hFcをパパインにて消化し、消化産物をProteinAミニカラムに添加後、素通り画分にはhCLEC-2が精製、さらに、溶出溶液(0.1M グリシン/塩酸溶液(pH2.3))にてFabを溶出・精製した。精製後は、PBS(-)に透析し、その後の実験に使用した。
抗ヒトCLEC-2モノクローナル抗体の作製
実施例3で精製したhCLEC-2-hFc 50μgをフロインド完全アジュバント(DIFCO)と混合し
、投与抗原とした。BALB/cマウス(メス、4週令、SLC)に2週間間隔で3回投与し、4回
目の投与は半量の25μgを静注した。1週間後、脾臓よりリンパ球を分離し、ミエローマ細胞P3x63-Ag.8と混合した後、ポリエチレングリコール(PEG4000、Merck)を用いて細胞融合を実施した。なお、細胞融合法は、安藤民衛・岩崎辰夫/著「単クローン抗体/ハイブリドーマとELISA」(講談社)に従って実施した。HAT選択培地によりハイブリドーマを選
択し、1週間後目的の抗体を産生しているハイブリドーマをhCLEC-2-hFcまたはhFc蛋白質に対する結合活性を指標にスクリーニングした。すなわち、0.05M炭酸緩衝液(pH9.5)で精製hCLEC-2-hFcまたはhFcをそれぞれ0.2μg/mLに希釈し、イムノプレート(Maxisorp、NUNC)に50μL/ウェル添加した。4℃、Over Nightで反応後、0.05% Tween-20を含むBBSで3回洗浄し、1.0%BSAを含むPBSを各ウェルに100μL添加しブロッキングを行った。次に、培養上清各ウェルに50μL添加し、37℃で1時間反応させた後、0.05% Tween-20を含むBBSで3回洗浄した。ペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体(DAKO)を、0.05% Tween-20を含むPBS(-)で1000倍に希釈し、各ウェルに50μL添加した。37℃、1時間反応後、同様に5回洗浄しTMB溶液(Sigma)を各ウェル50μL添加した。室温で5~10分間反応後、2N硫酸溶液で反応を停止した。プレート分光光度計(BIO-TEK INSTRUMENTS社/EL312e)で450nmの吸光度を測定した。hCLEC-2-hFcと反応し、hFcとは反応しない抗体を産生している細胞を選択し、限界希釈法によりクローニングを行った。10日後、スクリーニングを行い、hCLEC-2の細胞外ドメインと反応する抗体を産生するハイブリドーマを20クローン取得した(表1)。
ハイブリドーマが産生する抗体の調製
マウスハイブリドーマ培養液を回収し、3,000 x rpm、10分間遠心し、上清を回収した
。その後、フィルター操作として、0.22μmの孔径をするミリパック200(ミリポア)を
用いて、室温にて清澄化し培養上清を得た。この培養上清を予めPBS(-)(ニッスイ)にて平衡化したプロテインA(rProtein A Sepharose Fast Flow、GE Healthcare)に吸着させ、非吸着蛋白質をPBS(-)にて洗浄した。その後、プロテインAに結合している抗体を、0.1M
グリシン-塩酸バッファー(pH2.3)にて溶出した。溶出後、直ちに2M トリス溶液を添加し
、pHを中性に戻し精製抗体溶液とした。この精製抗体溶液は、遠心式フィルターであるVIVASPIN6(分子量カット30,000)を用いて限外濾過・濃縮した後、PBS(-)に対して透析し、最終的な精製抗体溶液とした。得られた抗体は、NuPAGE 4-12% Bis-Tris ゲル(Life technology)を用いてSDS-PAGEで解析した(図1−1)。なお、以下の実施例では、すべて同様の方法で精製した抗体を使用した。
また、ELISA系に使用する抗体はF(ab')2化して使用した。すなわち、抗体溶液に対し、等量の0.2M クエン酸ナトリウム溶液で混和し、さらに、1/130質量のペプシン(Sigma Aldrich社)を添加し溶解した。37℃で2時間反応させた後、上記と同様の方法でSDS-PAGE解析を行った(図1−2)。なお、抗体へのBiotin標識はEZ-Link NHS-Biotin reagent(PIERCE社)を使用し、添付標準プロトコールに従って実施した。
ヒト可溶型CLEC-2のELISA法による測定の構築
マウス抗ヒトCLEC-2抗体を用いてサンドイッチELISA系を構築した。すなわち、0.05M炭酸緩衝液(pH9.5)で精製した1-11D5抗体(F(ab)'2)を10μg/mLに希釈し、イムノプレート(Maxisorp, NUNC)に100μL/ウェル添加した。4℃でOver Nightで反応後、0.05% Tween-20を含むBBSで3回洗浄し、1%BSAを含むPBSを各ウェルに200μL添加しブロッキングした。次にサンプル及びスタンダードとして用いる実施例3で作成したhCLEC-2蛋白質を10%SuperBlock、0.1%オクタン酸ナトリウム、0.14M 塩化ナトリウム/PBSを用いて希釈した。また測定サンプルとして血漿を用いる場合は5倍以上で希釈し、それぞれ100μL/ウェルで添加し、37℃で1時間半振盪させながら反応させた後、同様に3回洗浄した。実施例5で調製したBiotin標識した3-11E6抗体(F(ab)'2-Biotin)を10%SuperBlock、0.1%オクタン酸ナトリウム、0.14M 塩化ナトリウム/PBSにて1.0μg/mLに希釈し、各ウェルに100μL添加した。37℃で1時間、振盪させながら反応させた後、同様の方法で3回洗浄した。次いで、AMDEX streptavidin-conjugated horseradish peroxidase(GE Healthcare)を10%SuperBlock、0.1%オクタン酸ナトリウム、0.14M 塩化ナトリウム/PBSにて希釈し、各ウェルに100μL添加した。37℃で1時間振盪しながら反応させた後、同様の方法で5回洗浄し、TMB溶液を各ウェル100μL添加した。室温で約20分間反応後、2N硫酸溶液で反応を停止した。プレート分光光度計(BIO-TEK INSTRUMENTS社/EL312e)で450nm(-620nm)の吸光度を測定した。図2にhCLEC-2蛋白質を標準品として用いて作成した標準曲線を示す。標準品は、1.0, 0.5, 0.25, 0.1, 0.05, 0.025, 0.01, blank(0) (ng/mL) に調製して測定された。本系の検出感度は、ブランク値±2SD法により、少なくとも0.01ng/mL以下であった。
ヒトPRPの調製およびロドサイチン、トロンビン、Poly PHG(Novel synthetic collagen fibers)、vWF/ristocetin、NEM(N-ethylmaleimide)による刺激
正常ヒトから採血したクエン酸加血20mLを170×g、25℃、12分間遠心分離することにより多血小板血漿(Platelet Rich Plasma; PRP)を得た。引き続き、PRPにプロスタグランジンI2(PGI2)とACD(Acid-Citrate-Dextrose)を添加し、830×g、25℃で10分遠心分離することにより血小板を回収した。回収した血小板にACDを添加したHEPES Buffer(134mM NaCl, 2.9mM KCl, 0.34mM Na2HPO4・12H2O, 20mM HEPES, 1.0mM MgCl2, 1.0%(w/v)BSA)を添加して、よく懸濁し、洗浄した。洗浄後、HEPES Buf
ferを添加し、血小板を200万個/μLの濃度になるように懸濁し、洗浄血小板とした。その後、状態の安定した洗浄血小板100μLに300nMロドサイチン(蛇毒より精製)、1U/ml Thrombin(HMT)、1μg/ml Poly PHG(JNC株式会社)、10μg/ml/1mg/ml vWF/ristocetin(
血漿成分より調製/Sigma)、1mM NEM(Sigma)を添加し、30℃で2時間反応させ血小板を
刺激した。10mM EDTAを100μL添加して反応を終了した後、18,000×g、25℃で1分間遠心分離し、上清および血小板画分を回収した。さらに、回収した上清を100,000×g、
25℃で3時間超遠心し、上清およびマイクロパーティクル画分に分離・回収した。
ヒト血小板CLEC-2量のウェスタンブロッティングによる測定
実施例7に示した方法で、洗浄血小板をロドサイチン、Thrombin、Poly PHG、vWF/ristocetin、NEMで刺激した後、上清画分および血小板画分を回収し、上清画分に含まれる可溶型CLEC-2および血小板画分に含まれるCLEC-2をWestern blotting法にて検出した。結果は図3に示す。すなわち、活性化上清を超遠心し、得られた上清とペレットをウェスタンブロットで解析すると、超遠心後の上清中には25kDaの可溶型 CLEC-2が、ペレットには40kDaと32kDaの可溶型CLEC-2が分画された。通常、10万G、3時間の遠心分離は、分解・切断された膜蛋白は上清に、血小板マイクロパーティクルはペレットに分画される。つまり、これらはそれぞれ分解・切断されたCLEC-2とマイクロパーティクル上のintactなCLEC-2であると示唆される。
また、NEMで刺激した上清中において、顕著な可溶型CLEC-2の上昇が認められた。すなわ
ち、ShedaseのADAM10およびADAM17を活性化するNEMで洗浄血小板を処理した際に上清中に可溶型CLEC-2が存在することから、25kDaの可溶型 CLEC-2はADAMにより切断されたCLEC-2であると示唆される。
ヒト可溶型CLEC-2量のELISAによる測定
実施例7に示した方法で、洗浄血小板をロドサイチン、Thrombin、Poly PHG、vWF/ristocetin、NEMで刺激した後、超遠心後の上清を回収した。さらに実施例6の方法により、上清中の25kDaの可溶型CLEC-2量を測定した。結果は図4に示す。すなわち、ロドサイチン、Thrombin、Poly PHG、vWF/ristocetinで刺激した上清中において、25kDaの可溶型CLEC-2の上昇が認められた。また、NEMで刺激した上清中において、顕著な25kDaの可溶型CLEC-2の上昇が認められた。NEMは、shedaseのADAM10および17を活性化する刺激剤であり、NEMで刺激した上清中の25kDaの可溶型CLEC-2が最も上昇することから、25kDaの可溶型CLEC-2はADAMにより切断され遊離すると示唆される。
ヒトPRPの調製およびSrc family kinase inhibitor: PP2の血小板活性化抑制効果
実施例7に示した方法で、洗浄血小板を用意し、Poly PHGとkinase inhibitorであるPP2(Calbiochem社)を同時に添加し、30℃で2時間反応させた。その後、遠心操作により上
清および血小板画分に分離し、実施例6および実施例8の方法に従って、可溶型CLEC-2量の測定を行った。結果は図5に示す。すなわち、Src family kinase inhibitorであるPP2は、可溶型CLEC-2の放出を完全に抑制した。PP3はPP2の陰性コントロールとして比較のために使用した。従って、可溶型CLEC-2は血小板の活性化に伴って生成されることが確認された。
可溶型CLEC-2の検体中における安定性の検討
可溶型CLEC-2の安定性を検討するため、既存血小板活性化マーカーである血小板第4因子(PF4)およびβ−トロンボグロブリン(bTG)を対照に検討を実施した。すなわち、PF4およ
びbTG測定用血漿は専用採血管(CTADカクテル;BD社)が使用され、規定の採血方法により実施された。クエン酸加血漿、EDTA加血漿および血清は、従来の採血・分離方法に従い実施した。PF4は、血小板第4因子測定キット「アセラクロム PF4 TMB」(ロシュ・ダイアグノスティックス社)、bTGは、ベータトロンボグロブリン測定キット「アセラクロム bTG
TMB」(ロシュ・ダイアグノスティックス社)によって測定した。また、可溶型CLEC-2の測定は、実施例6で示した方法で測定を行った。結果は図6に示す。すなわち、PF4およ
びbTG量は、専用採血管と比較しクエン酸加血漿およびEDTA加血漿では高度な上昇が見ら
れ、Games-Howel多重比較解析により統計学上、有意な差が認められた(P<0.05)。しかし
ながら、可溶型CLEC-2量は、いずれの採血管においても大きな変動は見られなかった。血清検体は、陽性コントロールである。
以下、それぞれの中央値を示す。なお、CTADカクテルで採血した血漿をCTAD、血清をSERUM、EDTA加血漿をEDTA、クエン酸加血漿をCitrateと示す。
bTG量 : CTAD;17.0、SERUM;626.0、EDTA;636.5、Citrate;544.5(ng/mL)
PF4量 : CTAD;6.5、SERUM;174.5、EDTA;137.5、Citrate;84.5(ng/mL)
sCLEC2量 : CTAD;0.043、SERUM;0.501、EDTA;0.068、Citrate;0.045(ng/mL)
ヒト健常人血漿の可溶型CLEC-2量の測定
正常ヒトから採血したEDTA加血2mLを2500 x g、10分間遠心し上清250μLを回
収して血漿サンプルとした。実施例6の方法に従って、ヒト血漿中の可溶型CLEC-2量を測定した。結果は図7に示す。健常人41名中、21名は測定感度以下となった。測定可能血漿のみの平均値は0.063±0.08ng/mLであった。
なお、ポジティブコントロールとして、洗浄血小板を血小板アゴニストPoly PHGで刺激した検体の値を表示する。5ng/mL以上となり、100倍以上の上昇が認められた。
急性冠症候群患者血漿の可溶型CLEC-2量の測定
血漿中の可溶型CLEC-2量は、実施例6に示した方法で測定した。急性冠症候群患者(狭窄群)20名及び陰性対照群(非狭窄群)10名から採血したEDTA加血2mLを2500 x
g、10分間遠心し上清250μLを回収して血漿サンプルとした。結果を図8に示す。す
なわち、急性冠症候群患者血漿は、非狭窄群と比較して可溶型CLEC-2量が高値であり、Games-Howel多重比較解析により統計学上、有意な差が認められた(P<0.05)。それぞれの中央値は、急性冠症候群(n=20)で160.05pg/mL、非狭窄群(n=10)で61.05pg/mLである。
なお、陰性対照群(非狭窄群)とは、画像所見上、冠状動脈に狭窄が認められないヒトを示す。

Claims (11)

  1. 血小板から遊離した可溶型CLEC-2の量を測定する工程を含む、血小板活性化の測定方法。
  2. 前記可溶型CLEC-2が下記1)〜3)の性質を有する、請求項1に記載の方法。
    1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
    2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
    3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
  3. 血漿を測定試料として用いる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 測定を免疫学的手法によって行う、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. 血漿中の可溶型CLEC-2の量を測定する工程を含む、止血疾患の検査方法。
  6. 止血疾患が脳梗塞、心筋梗塞または狭心症である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記可溶型CLEC-2が下記1)〜3)の性質を有する、請求項5または6に記載の方法。
    1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
    2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
    3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
  8. 下記1)〜3)の性質を有する、可溶型CLEC-2。
    1)還元条件下SDS-PAGEで分子量約25kDaを示す、
    2)10万Gでの超遠心後の上清に存在する、及び
    3)血小板活性化剤によって生成し、PP2によってその生成が阻害される。
  9. 請求項8に記載の可溶型CLEC-2に結合する抗体若しくは該抗体の断片。
  10. 少なくとも一つの請求項8に記載の可溶型CLEC-2に結合する抗体若しくは該抗体の断片を含む、血漿中に含まれる可溶型CLEC-2を測定するための測定用キット。
  11. 血小板活性化の評価用または止血疾患の検査用である、請求項10に記載のキット。
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