JP2014070298A - 繊維シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の繊維シート1は、熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層1dを有し、エンボス部2が形成されている。エンボス部2は、平面視して、2本の棒状体20a,20bが交差した形状であり、一対の長延出部22と、一対の短延出部23とからなる。繊維シート1は、4個のエンボス部2における一対の短延出部23が互いに向き合うように配されて囲まれた最も高さの高い複数の高凸部31を有している。また繊維シート1は、高凸部31どうしの間に配され4個のエンボス部2で囲まれた、高凸部31より高さの低い複数の低凸部32を有している。
【選択図】図3
Description
本明細書において、「肌当接面」とは、生理用ナプキン10を構成する表面シート(繊維シート1)などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌当接面」とは、表面シート(繊維シート1)などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
棒状体20a,20bは、繊維シート1に現れる凹凸がより緻密となり、着用者に好ましい印象を与えると共に、肌との接触圧力が分散される観点から、その長さが、10mm以下、更に7mm以下であることがより好ましく、繊維シート1における非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dを確実に接着する観点から、1mm以上、更に3mm以上であることが好ましい。より具体的には、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上7mm以下であることが更に好ましい。
長延出部22は、隣接する長延出部22との間隔を狭め、前記2つの長延出部に挟まれた部分の熱収縮繊維層1dの収縮を抑制することで、高凸部に対して十分に低い低凸部を形成する観点から、交差点21からの長さが、1mm以上、好ましくは2mm以上、そして、7mm以下、好ましくは5mm以下、より具体的には、1mm以上7mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることが更に好ましい。
短延出部23は、隣接する短延出部23との間隔を広げ、前記2つの短延出部に挟まれた部分の熱収縮繊維層1uの収縮を促進することで、低凸部に対して十分に高い高凸部を形成する観点から、交差点21からの長さが、5mm以下、好ましくは3mm以下、そして、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、より具体的には、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
各エンボス部2は、繊維シート1における非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dを確実に接着する観点から、1個のエンボス部2の面積が、1.75mm2以上、好ましくは3.25mm2以上、そして、繊維シート1に現れる凹凸がより緻密となり、着用者に好ましい印象を与えると共に、肌との接触圧力が分散される観点から、35mm2以下、好ましくは25mm2以下、より具体的には、1.75mm2以上35mm2以下であることが好ましく、 3.25mm2以上25mm2以下であることが更に好ましい。
第1低凸部321の頂点(高さhbの基準点)における繊維密度dbに対する、第2低凸部322の頂点(高さhcの基準点)における繊維密度dcの比率(dc/db)は、第2低凸部322で吸収することが出来なかった液を、より高さの低い第1低凸部で受け止め、第2低凸部322よりも第1低凸部321の繊維密度を下げることで、素早く第1低凸部で吸収する観点から、1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上、そして、4.0倍以下、好ましくは3.0倍以下、より具体的には、1.2倍以上4.0倍以下であることが好ましく、1.5倍以上3.0倍以下であることが更に好ましい。
(1)繊維シート1の坪量が略均一(一様)である場合(あるいは略均一と判断できる場合)には、繊維シート1の切断面の高さ(厚み)を計測する。
(2)繊維シート1の坪量が不均一である場合(あるいは不均一と判断できる場合)には、繊維シート1の切断面における繊維間の平均距離を計測する。
繊維シート1から、Y方向3cmX方向3cmのサイズのカットサンプルを10個以上の取り出し、各々の坪量を計測した際に、標準偏差σの3倍値(3σ)が平均μの10%以内であり、外観上繊維ムラが見られなければ、略均一と判断する。ただし、微小領域で組成が異なっている等、様々な要因を考慮し、総合的に判断することが好ましい。
平面視における繊維シート1から、4個のエンボス部2で囲まれた高凸部31の重心(頂点)と2個のエンボス部2とを通る直線で切断して高凸部31測定用サンプルを作成する。同様に、4個のエンボス部2で囲まれた第1低凸部321の重心(頂点)と2個のエンボス部2とを通る直線で切断して第1低凸部321測定用サンプルを作成する。同様に、4個のエンボス部2で囲まれた第2低凸部322の重心(頂点)と2個のエンボス部2とを通る直線で切断して第2低凸部322測定用サンプルを作成する。この際、切断により各測定用サンプルの高さの減少等をなるべく起こさないように留意する。
(1)の方法においては、高凸部31測定用サンプルの中央部の高さha(厚み)を、第1低凸部321測定用サンプルの中央部の高さhb(厚み)で除して密度の比率(da/db)とする。また、第2低凸部322測定用サンプルの中央部の高さhc(厚み)を、第1低凸部321測定用サンプルの中央部の高さhb(厚み)で除して密度の比率(dc/db)とする。
(1)の方法と同様に断面を計測するが、(1)の方法で行う測定に加えて、各測定用サンプルの断面を拡大倍率500〜1000倍で撮影する。拡大撮影画像各々の対象測定部位(各測定用サンプルの中央部)で且つ幅方向(平面方向)に繊維本数が3〜7本の領域において、画像解析装置(NEXUS製NEWQUBE ver.4.20)を使用して、繊維の最近接重心間距離を求める。
上記計測においては、高さ(厚み)方向に略全体的に計測し、且つ最近接重心間距離の重複が生じないようにする。また、断面については、少なくとも3箇所、好ましくは5箇所、より好ましくは10箇所計測し、その平均値を用いる。
(2)の方法においては、高凸部31測定用サンプルの中央部の最近接重心間距離を、第1低凸部321測定用サンプルの中央部の最近接重心間距離で除して密度の比率(da/dbとする。また、第2凸部322定用サンプルの中央部の最近接重心間距離を、第1低凸部321測定用サンプルの中央部の最近接重心間距離で除して密度の比率(dc/db)とする。
先ず、表面シートに用いた繊維シート1の形成材料について説明する。
非熱収縮性繊維からなる非熱収縮繊維層1uとしては、例えば、カード法によって形成されたウェブや嵩高な不織布が好ましく用いられる。嵩高な不織布としては、繊維シート1に所望の密度勾配を持たせることが可能であること、また繊維シート1に良好な風合いをもたらすことが可能であるとの観点から、エアスルー不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布が好ましく用いられる。カード法によって形成されたウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。つまり、不織布を製造する際に用いられるカードウエブに加えられる後処理、例えばエアスルー法やカレンダー法による加熱融着処理が施されていない状態にある、繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体のことである。カード法によって形成されたウェブを非熱収縮繊維層1uとして用いる場合には、非熱収縮繊維層1uと熱収縮繊維層1dとを接合させると同時に又は接合させた後、非熱収縮繊維層1u中の繊維同士を熱融着させる。
非熱収縮繊維層1uの構成繊維である非熱収縮性繊維としては、実質的に熱収縮性を有しないものであれば、通常、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものを、特に制限なく用いることができる。
非熱収縮繊維層1uの坪量は、充分な密度勾配を形成する観点及び表面シート1の肌触りを良好にする観点から、10g/m2以上、好ましくは15g/m2以上、そして、50g/m2以下、好ましくは40g/m2以下、より具体的には、10g/m2以上50g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以上40g/m2以下であることが更に好ましい。
熱収縮繊維層1dの構成繊維の熱収縮性繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有するものが好適に用いられる。そのような繊維の例としては、潜在捲縮性繊維が挙げられる。潜在捲縮性繊維は、加熱される前においては、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度で加熱することによって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。熱収縮繊維層1d中の熱収縮性繊維の含有割合は40質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
繊維シート1は、図3に示すように、4個のエンボス部2で囲まれた最も高さの高い複数の高凸部31と、高凸部どうし31,31の間に配され4個のエンボス部2で囲まれた、高凸部31より高さの低い複数の低凸部32とを有している。その為、生理用ナプキン10の着用時において、高凸部31は肌と当接するが、高凸部31の間に配された低凸部32は肌と当接し難い。よって、繊維シート1を表面シートに用いると、着用者の肌との接触面積をさらに低減することができ、べたつき感をさらに低減することができる。また、第1実施形態の繊維シート1は、着用者の肌との接触面積をさらに低減することができ、肌へのダメージを減らすことができる。
例えば、上述の繊維シート1は、非熱収縮繊維層1uを肌当接面側に配し、熱収縮繊維層1dを非肌当接面側に配して形成された2層構造であるが、熱収縮繊維層1dのみからなる1層構造であってもよい。また、熱収縮繊維層1dの両面に非熱収縮繊維層1uを積層して3層構造としてもよい。
また、本発明の繊維シートは、吸収性物品の表面シートとして用いられる以外に、清掃用シート、清拭シート等に用いることもできる。例えば、本発明の繊維シートが清掃用シートに用いられた場合には、4個のエンボス部2で囲まれた最も高さの高い複数の高凸部31と、高凸部どうし31,31の間に配され4個のエンボス部2で囲まれた、高凸部31より高さの低い複数の低凸部32とを有しているので、凹凸の大きな表面に対して接触面積を高めることができ清掃の効率を高めるとの効果を奏する。
〔1〕 熱収縮した熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層を有し、複数のエンボス部が形成された繊維シートであって、前記複数のエンボス部それぞれは、平面視して、2本の棒状体が交差した形状であり、交差点からの長さが相対的に長い一対の長延出部と、該交差点からの長さが相対的に短い一対の短延出部とからなり、4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の短延出部が互いに向き合うように配されて囲まれた最も高さの高い複数の高凸部と、前記高凸部どうしの間に配され4個の前記エンボス部で囲まれた、該高凸部より高さの低い複数の低凸部とを有している繊維シート。
〔2〕 前記低凸部は、4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の長延出部が互いに向き合うように配されて囲まれた最も高さの低い第1低凸部を有し、前記第1低凸部と前記高凸部とが第1方向に交互に配された第1の凸部列が、該第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて複数配されている〔1〕に記載の繊維シート。
〔3〕 前記低凸部は、4個の前記エンボス部における前記長延出部どうしが互いに向き合うように配され且つ前記短延出部どうしが互いに向き合うように配されて囲まれた、前記第1低凸部より高さの高い第2低凸部と、前記第1低凸部とからなり、前記第2低凸部が前記第1方向に間隔を空けて複数配された第2の凸部列と、前記第1の凸部列とが、前記第2方向に交互に配されており、各前記第2低凸部が、2個の前記高凸部と2個の前記第1低凸部とで囲まれている〔2〕に記載の繊維シート。
〔4〕 前記エンボス部の密度は1個/cm2以上32個/cm2以下であり、前記高凸部を囲む4個の前記エンボス部における前記短延出部どうしの間隔は0.5mm以上5mm以下である〔1〕〜〔3〕の何れか1に記載の繊維シート。
〔5〕 前記熱収縮繊維層に積層された非熱収縮性繊維からなる非熱収縮繊維層を有し、
該熱収縮繊維層と該非熱収縮繊維層とが、前記複数のエンボス部により、間欠的に接合されている〔1〕〜〔4〕の何れか1に記載の繊維シート。
〔6〕 前記第1低凸部を囲む4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の長延出部は、互いに向き合う該長延出部どうしが接して連続している〔2〕〜〔5〕のいずれか1に記載の繊維シート。
〔7〕 前記長延出部と短延出部との交差角が90°である〔1〕〜〔6〕いずれか1に
記載の繊維シート。
〔8〕前記長延出部と端延出部との交差角が45°以上90°未満である〔1〕〜〔6〕いずれか1に記載の繊維シート。
〔9〕 前記高凸部の高さが0.7mm以上5.0mm以下である〔1〕〜〔8〕いずれか1に記載の繊維シート。
〔10〕 前記第1低凸部の高さが0.1mm以上3.0mm以下である〔2〕〜〔9〕いずれか1に記載の繊維シート。
〔11〕 前記第2低凸部の高さが0.3mm以上4.0mm以下である〔4〕〜〔10〕いずれか1に記載の繊維シート。
〔12〕 前記各凸部の底面積は9mm2以上144mm2以下である〔4〕〜〔11〕いずれか1に記載の繊維シート。
〔13〕 〔1〕〜〔12〕の何れか1に記載の繊維シートからなる、吸収性物品の表面シート。
〔14〕 前記非熱収縮繊維層を肌当接面側に配し、前記熱収縮繊維層を非肌当接面側に配した〔13〕に記載の吸収性物品の表面シート。
〔15〕 〔13〕又は〔14〕に記載の表面シートを備える吸収性物品。
2 エンボス部
3 凸部
31 高凸部
32 低凸部
321 第1低凸部
322 第2低凸部
10 生理用ナプキン
11 吸収性本体
12 裏面シート
13 吸収体
14 サイドシート
15 ウイング部
16 固定部
Claims (9)
- 熱収縮した熱収縮性繊維を含む熱収縮繊維層を有し、複数のエンボス部が形成された繊維シートであって、
前記複数のエンボス部それぞれは、平面視して、2本の棒状体が交差した形状であり、交差点からの長さが相対的に長い一対の長延出部と、該交差点からの長さが相対的に短い一対の短延出部とからなり、
4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の短延出部が互いに向き合うように配されて囲まれた最も高さの高い複数の高凸部と、
前記高凸部どうしの間に配され4個の前記エンボス部で囲まれた、該高凸部より高さの低い複数の低凸部とを有している繊維シート。 - 前記低凸部は、4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の長延出部が互いに向き合うように配されて囲まれた最も高さの低い第1低凸部を有し、
前記第1低凸部と前記高凸部とが第1方向に交互に配された第1の凸部列が、該第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて複数配されている請求項1に記載の繊維シート。 - 前記低凸部は、4個の前記エンボス部における前記長延出部どうしが互いに向き合うように配され且つ前記短延出部どうしが互いに向き合うように配されて囲まれた、前記第1低凸部より高さの高い第2低凸部と、前記第1低凸部とからなり、
前記第2低凸部が前記第1方向に間隔を空けて複数配された第2の凸部列と、前記第1の凸部列とが、前記第2方向に交互に配されており、各前記第2低凸部が、2個の前記高凸部と2個の前記第1低凸部とで囲まれている請求項2記載の繊維シート。 - 前記エンボス部の密度は1個/cm2以上32個/cm2以下であり、前記高凸部を囲む4個の前記エンボス部における前記短延出部どうしの間隔は0.5mm以上5mm以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維シート。
- 前記熱収縮繊維層に積層された非熱収縮性繊維からなる非熱収縮繊維層を有し、該熱収縮繊維層と該非熱収縮繊維層とが、前記複数のエンボス部により、間欠的に接合されている請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維シート。
- 前記第1低凸部を囲む4個の前記エンボス部それぞれにおける前記一対の長延出部は、互いに向き合う該長延出部どうしが接して連続している請求項2〜5の何れか1項に記載の繊維シート。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の繊維シートからなる、吸収性物品の表面シート。
- 前記非熱収縮繊維層を肌当接面側に配し、前記熱収縮繊維層を非肌当接面側に配した請求項7に記載の吸収性物品の表面シート。
- 請求項7又は8に記載の表面シートを備える吸収性物品。
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