JP2014069988A - 圧電磁器およびそれを用いた圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛を含まず、圧電特性の温度依存性が小さく、広い温度範囲にわたって高く安定した圧電特性を有する圧電磁器を提供する。
【解決手段】組成式(1−x){(K1−aNa1−bLi(Nb1−d−eTaSb)O+xBiα(A11−βA2β)Oで表される成分100質量部に対して、MnをMnO換算で0.01〜0.50質量部含み、x、a、b、c、d、e、α、βが、それぞれ、0.0010≦x≦0.0050、0.50≦a≦0.54、0.02≦b≦0.06、1.000≦c≦1.005、0.04≦d≦0.10、0≦e≦0.10、2/3≦α≦1、1/3≦β≦2/3、の範囲、A1が、Mg、CuおよびZnからなる元素群のうち少なくともいずれか1種、A2が、Nb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種である圧電磁器を用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電磁器に関し、例えば、位置決め、光学装置の光路長制御、流量制御用バルブ、ポンプ、超音波モータ、エンジンの燃料噴射装置、自動車等のブレーキ装置、インクジェットプリンタのインク吐出ヘッド等に使用されるアクチュエータなどに好適に用いられる圧電磁器および圧電素子に関するものである。
圧電磁器を利用した製品としては、例えば、フィルタ、位置決め、光学装置の光路長制御、流量制御用バルブ、超音波モータなどがある。特に圧電アクチュエータは、サブミクロンのオーダーで変位を精密に制御することができることに加えて、電気−機械の変換効率が高いために、応答速度が速く、小さい消費電力でも大きな発生力が得られる、という利点も有することから、インクジェットプリンタのヘッドやディーゼルエンジンのインジェクタ等にも利用されている。
従来、アクチュエータとしては、圧電性の高いPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系材料やPT(チタン酸鉛)系材料が使用されていた。しかしながら、PZT系材料やPT系材料は、鉛を約60質量%の割合で含有しているため、酸性雨により鉛の溶出が起こり、環境汚染を招く危険性が指摘されている。そこで、鉛を主成分としない圧電材料に高い期待が寄せられている。特に、ペロブスカイト構造(一般式ABO)のAサイトにアルカリ金属を配し、Bサイトにニオブを配した、鉛を含まないニオブ酸アルカリ系の圧電材料については、研究・開発が盛んに行われている。
しかし、ニオブ酸アルカリだけを用いた圧電磁器では圧電定数が低いため、例えば、特許文献1では、{Li(K1−yNa1−x}(Nb1−z−wTaSb)O、ただし、0≦x≦0.2、0≦y≦1、0≦z≦0.4、0≦w≦0.2、x+z+w>0、で表される一般式1molに対して、周期律表における2〜15族に属する金属元素、半金属元素、遷移金属元素、貴金属元素、及びアルカリ土類金属元素から選ばれるいずれか一種以上の添加元素を0.0001〜0.15mol含有する多結晶体のセラミックスであって、該多結晶体を構成する各結晶粒の特定の結晶面が配向していることを特徴とする結晶配向セラミックスが提案されている。
このような組成とすることにより、いずれも強誘電相である斜方晶と正方晶との相転移点が、室温近傍となり、室温近傍における圧電定数が高くなり、また、結晶粒の特定の結晶面を配向させることで、さらに圧電定数が大きくなる。
特開2006−028001号公報
しかしながら、特許文献1に記載された結晶配向セラミックスでは、相転移点がある室温近傍において、圧電定数が急激に高くなるとともに、圧電特性の温度依存性も大きくなるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、鉛を含まないニオブ酸カリウム・ナトリウム系の圧電材料を用いて、圧電定数が高くても圧電特性の温度依存性が小さく
、広い温度範囲にわたって高く安定した圧電特性を有する圧電磁器を提供することを目的とする。
本発明の圧電磁器は、組成式(1−x){(K1−aNa1−bLi(Nb1−d−eTaSb)O+xBiα(A11−βA2β)Oで表される成分と、Mnとを含み、前記Mnの含有量が、前記組成式の成分100質量部に対してMnO換算で0.01〜0.50質量部であるとともに、前記組成式におけるx、a、b、c、d、e、α、βが、それぞれ、
0.0010≦x≦0.0050、
0.50≦a≦0.54、
0.02≦b≦0.06、
1.000≦c≦1.005、
0.04≦d≦0.10、
0≦e≦0.10、
2/3≦α≦1、
1/3≦β≦2/3、
の範囲であり、A1が、Mg、CuおよびZnからなる元素群のうち少なくともいずれか1種、A2が、Nb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であることを特徴とする。
本発明の圧電素子は、上記の圧電磁器が対向面を有し、該対向面に、互いに対向するように配置された一対の電極を備えることを特徴とする。
本発明によれば、鉛を含まないニオブ酸カリウム・ナトリウム系の圧電材料を用いて、圧電定数が高くても圧電特性の温度依存性が小さく、広い温度範囲にわたって高く安定した圧電特性を有する圧電磁器および圧電素子を提供することができる。
(a)は、本発明の圧電素子の実施形態の一例である圧力センサ素子の概略斜視図であり、(b)は、本発明の圧電素子の実施形態の一例であるアクチュエータの概略縦断面図である。 試料No.4のX線回折(XRD)パターンを示す図である。 試料No.1および試料No.4の誘電率の温度特性を示す図である。
本発明の圧電磁器は、鉛を含まないニオブ酸カリウム・ナトリウムを主成分とし、式1で表される成分100質量部に対して、MnをMnO換算で0.01〜0.50質量部含有する。
Figure 2014069988
ここで、x、a、b、c、d、e、α、βは、それぞれ、
0.0010≦x≦0.0050、
0.50≦a≦0.54、
0.02≦b≦0.06、
1.000≦c≦1.005、
0.04≦d≦0.10、
0≦e≦0.10、
2/3≦α≦1、
1/3≦β≦2/3、
の範囲であり、A1が、Mg、CuおよびZnからなる元素群のうち少なくともいずれか1種、A2が、Nb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であることにより、圧電定数が大きくても圧電特性の温度依存性が小さく、広い温度範囲にわたって高く安定した圧電特性を得ることができる。
式1において、下記の式2で表される組成を有するニオブ酸カリウム・ナトリウムは、圧電磁器の主成分であり、ペロブスカイト構造を有している。
Figure 2014069988
式2において、a、b、c、d、eの範囲を
0.50≦a≦0.54、
0.02≦b≦0.06、
1.000≦c≦1.005、
0.04≦d≦0.10、
0≦e≦0.10、
とすることで、圧電磁器の圧電定数が高くなる。これは、組成によって結晶構造が変化する境界を含む領域、いわゆるMPB(Morphotoropic Phase Boundary)領域となる組成範囲である。
すなわち、式2において、aを0.50≦a≦0.54の範囲とし、Kの一部をNaで置換することにより、圧電定数を高くすることができる。
また、bを0.02以上とし、LiをAサイトに導入することにより、圧電磁器の焼結性を高めることができ、bを0.02≦b≦0.06の範囲とすることにより、圧電定数を高くすることができる。
dを0.04≦d≦0.10の範囲としたのは、Nbの一部をTaで置換することにより圧電定数を高くすることができるためである。なお、dが0.10を超えると圧電定数が低下し、さらにキュリー温度が低下する懸念がある。
eを0≦e≦0.10の範囲としたのは、必要に応じてNbの一部をSbで置換することにより焼結性を向上することができるためである。なお、eが0.10を超えると焼結性が低下するおそれがある。
cは、1.000≦c≦1.005の範囲とする。これは、ペロブスカイト構造のAサイト原子がBサイト原子に対して1.005を超えて過剰に含まれると、圧電特性が低下する懸念があるからである。
ただし、上述のニオブ酸カリウム・ナトリウムは、MPB領域となる組成ではあるが、
このような組成を有する圧電磁器においては、高い圧電特性を発現するものの、圧電特性の温度依存性が大きかった。また、この組成を有する緻密な圧電磁器を得るためには、高い温度で焼成する必要があるとともに、高い圧電特性を発現する圧電磁器を得られる焼成温度の範囲が狭く、再現よく高い圧電特性を有する圧電磁器を得ることが困難だった。
本発明者らは、このようなニオブ酸カリウム・ナトリウムに、下記の式3で表されるBi複合酸化物、およびMnを導入することにより、広い温度範囲に渡って高い圧電定数を有する圧電磁器を再現よく得ることができ、さらに圧電特性の温度依存性を小さくすることができることを見出した。
Figure 2014069988
式3で表されるBi複合酸化物は、複合ペロブスカイト構造を有しており、Biは6s2孤立電子対を持つため、結晶構造に大きな歪を有する。このBi複合酸化物を式2で表されるニオブ酸カリウム・ナトリウムに所定量導入することにより、ニオブ酸カリウム・ナトリウムの結晶構造に歪みが導入されて分極が大きくなり、圧電特性が向上する。また、同時に、圧電特性の温度依存性を小さくすることが可能となる。
なお、Biを含有する化合物は比較的低温で液相を生成するため、Bi複合酸化物を導入することにより、圧電磁器の焼成温度が低下するという効果も得られる。
ここで、αは、2/3≦α≦1の範囲である。αをこのような範囲とすることにより、ニオブ酸カリウム・ナトリウムにBi複合酸化物を過不足なく取り込むことができる。なお、αが2/3よりも小さくなると、圧電特性が低下するおそれがあり、αが1よりも大きくなると、過剰なBiが粒界に残存し、圧電磁器の絶縁性が劣化するおそれがある。
A1はMg、CuおよびZnからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であり、A2は、Nb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種である。これらは、酸素との6配位状態において、Nbと同程度のイオン半径を有している。
βは1/3≦β≦2/3の範囲である。βをこのような範囲とすることにより、A1とA2の比率を化学量論比の範囲内とすることができる。なお、A1とA2の比率が化学量論比から著しくずれると、酸素空孔が形成され、圧電特性が低下するおそれがある。
なお、A2が5価のイオンとなる元素、すなわちNb、TaおよびSbのうち少なくともいずれか1種の元素である場合は、α+βを4/3とすることにより、A1とA2を化学量論比の範囲内とすることができ、好ましい。また、A2が4価のイオンとなる元素、すなわちTi、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeのうち少なくともいずれか1種である場合は、βを1/2とすることにより、A1とA2を化学量論比の範囲内とすることができ、好ましい。
このように、式2で表されるニオブ酸カリウム・ナトリウムのペロブスカイト構造に、式3で表されるBi複合酸化物の歪みの大きい複合ペロブスカイト構造を導入することで、圧電定数を高めるとともに圧電特性の温度依存性を小さくすることができる。
ニオブ酸カリウム・ナトリウムに対するBi複合酸化物の割合は、式1におけるxで表
され、xは0.0010≦x≦0.0050である。xをこのような範囲とすることで、ニオブ酸カリウム・ナトリウムのペロブスカイト構造に適度な歪みが導入され、圧電定数を高めることができる。なお、xが0.0010より小さいと所望の効果が得られず、xが0.0050より大きいと導入された歪が大きくなりすぎて圧電特性が低下する。
さらに、本発明の圧電磁器は、式1の成分100質量部に対して、MnO換算で0.01〜0.50質量部のMnを含有している。これにより圧電磁器をより緻密なものとすることができ、さらに圧電定数を高めることができる。
本発明の圧電磁器においては、その組成の99質量%以上が式1の成分およびMn成分によって占められ、それ以外の不純物元素は酸化物換算した合計で0.5質量%未満、より好ましくは0.2質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満である。不純物元素としては、たとえば圧電磁器の製造工程に起因するもの、たとえばFe、Ni、Co、Cr、Alなどがあるが、酸化物換算した合計で0.5質量%未満の微量であれば特性上問題ない。なお、圧電磁器の組成や不純物元素の含有量は、蛍光X線分析やICP発光分光分析などの元素分析により確認できる。
本発明の圧電磁器の製法の一例について説明する。本発明の圧電磁器を作製するには、原料として、NaCO、KCO、LiCOおよびMgCOなどの炭酸塩や、Nb、Ta、Sb、Bi、ZnO、CuO、TiO、SnO、ZrO、HfO,Ce、GeOおよびMnOなどの酸化物を用いればよい。なお、原料はこれらに限定されるものではなく、焼成により酸化物を生成する、たとえば硝酸塩等の金属塩を用いても良い。
前述の式1において、A1をMg、CuおよびZnのうちの少なくともいずれか1種、A2をNb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeのうちの少なくともいずれか1種から選択し、上記の原料を用いて、式1におけるx、a、b、c、d、e、α、βがそれぞれ、
0.0010≦x≦0.0050、
0.50≦a≦0.54、
0.02≦b≦0.06、
1.000≦c≦1.005、
0.04≦d≦0.10、
0≦e≦0.10、
2/3≦α≦1、
1/3≦β≦2/3、
の範囲となるとともに、式1の成分100質量部に対して、MnをMnO換算で0.01〜0.5質量部となるように秤量する。秤量した原料を混合して混合物とし、粒度分布における平均粒径(D50)が0.3〜1.0μmの範囲となるように混合物を粉砕する。この混合物を850〜1000℃で仮焼・合成し合成物を得る。得られた合成物を粉砕し、粒度分布における平均粒径(D50)を0.3〜1μmの範囲に調整する。その後、所定のバインダを加えて湿式混合し、造粒粉末を得る。
得られた造粒粉末を、プレス成形、テープ成形等、周知の成形方法により所定形状に成形し、大気中等の酸化性雰囲気において、1000〜1150℃の温度範囲で2〜5時間焼成することにより、本発明の圧電磁器が得られる。
なお、本発明の圧電磁器は、単一相からなるものであってもよいし、本発明の範囲内にある異なる組成を有する2種以上の粒子が複合化した複合体であってもよい。複合体は、たとえば組成の異なる2種以上の合成物を合成し、これら2種以上の合成物を粉砕・混合
して圧電磁器を作製すればよい。また、圧電磁器が単一相からなるか、複合体であるかについては、たとえば、圧電磁器を構成する各結晶粒子の組成を分析したり、圧電磁器のX線回折パターンを解析することにより判断できる。
このような圧電磁器を、対向面を有する形状に必要に応じて加工し、その対向面に、互いに対向するように一対の電極を配置することにより、本発明の圧電素子が得られる。
図1(a)に、本発明の圧電素子の実施形態の一例である圧力センサ素子の概略斜視図を示す。この圧力センサは、上述の組成の圧電磁器からなる圧電基体1の対向する一対の主面に、互いに対向するように配置された一対の電極2、3を備えている。また、分極は主面に垂直な方向に施してある。このような圧力センサでは、主面間に加わる圧力により、各主面に電荷が生じるため、この電荷を測定することにより、主面間に加わっている圧力を測定することができる。
図1(b)に、本発明の圧電素子の実施形態の一例であるアクチュエータの概略縦断面図を示す。このアクチュエータは、上述の組成の圧電磁器からなる圧電基体11の一方の主面に電極12を、他方の主面に電極13を配し、振動板14上に設置したものである。分極方向は圧電基体1の厚み方向である。
このようなアクチュエータは、上述のように作製した圧電磁器の厚み方向に分極を施して圧電基体11を作製し、電極12、13を配して振動板14に接着する、または、圧電磁器に電極12、13を配して振動板14に接着したのち、圧電磁器の厚み方向に分極することにより作製できる。このようなアクチュエータは、電極12と電極13との間に電圧を加えることにより、圧電基体11がその厚みに垂直な平面方向に縮み、振動板を屈曲させることでアクチュエータとして働く。
以下、本発明の圧電磁器について、実施例に基づき詳細に説明する。まず、出発原料として、純度99.9%のNaCO粉末、KCO粉末、LiCO粉末、Nb粉末、Ta粉末、Sb粉末、Bi粉末、MgCO粉末、ZnO粉末、CuO粉末、TiO粉末、SnO粉末、ZrO粉末、HfO粉末,Ce粉末、GeO粉末およびMnO粉末を準備した。
これらの粉末を、式1におけるx、a、b、c、d、e、α、βが表1および表2に示す量となるように秤量し、さらに、式1の成分100質量部に対して、MnをMnO換算で表1に示す割合になるように秤量した。
秤量した原料粉末を、純度99.9%のZrOボールおよびイソプロピルアルコール(IPA)と共にポリポットに投入し、回転ミルで16時間混合した。この混合物をポリポットから取り出して乾燥した後、大気中にて900〜1000℃の温度で3時間の仮焼・合成を行い、得られた合成物を、上述と同様な方法で再度粉砕して合成粉末を得た。その後、合成粉末にバインダとしてポリビニルアルコール(PVA)を混合し、造粒粉末を作製した。
次に、得られた造粒粉末を200MPaの圧力で、直径16mm、厚さ1.5mmの円板状に成形した。この成形体を、大気中において1000〜1150℃で3時間焼成することにより、圧電磁器を得た。
得られた圧電磁器の組成は、ICP発光分光分析にて定量分析を行い、原料の調合組成と同じであることを確認した。
また、得られた磁器のX線回折(XRD)測定を行い、回折パターンを同定した結果、いずれの試料もペロブスカイト型結晶を主体とするものであった。一例として、試料No.4のX線回折(XRD)パターンを図2に示す。
得られた圧電磁器の圧電特性は、以下のようにして評価した。研磨加工により圧電磁器の厚さを1mmとした後、圧電磁器の両主面(円板の上下面)にAg電極を形成して、円板状の圧電磁器の厚さ方向に分極処理を80℃で行い、圧電素子を作製した。
作製した圧電素子について、d33メーターを用いて圧電定数d33を測定した。また、恒温槽の中で圧電素子の温度を変化させながら、インピーダンスアナライザを用いて圧電素子の静電容量の温度特性を測定し、その測定値を誘電率に換算した。なお、これらの圧電特性の測定は、日本電子材料工業会標準規格EMASに準じて行った。表2に、各試料の圧電定数d33および誘電率の変化率Δε/εrを示す。また、試料No.1および4について、25℃における誘電率εの値を基準とした誘電率の温度特性を図3に示す。
なお、誘電率の変化率Δε/εは、−20℃から+150℃の温度範囲における誘電率の最大値εmaxと最小値εminとの差であるΔεと、25℃における誘電率εの値とをもとに算出した。
Figure 2014069988
Figure 2014069988
試料No.2〜40は、圧電定数d33が200より大きく、−20℃〜+150℃における誘電率の変化率Δε/εが50%未満であり、優れた圧電特性を示すものであった。一方、本発明の範囲外である試料No.1は、圧電定数d33が190と小さく、Δε/εが81%と大きいものであり、性能に劣るものであった。
1、11:圧電基体(圧電磁器)
2、3、12、13:電極
14 :振動体
P :分極の向き

Claims (4)

  1. 組成式(1−x){(K1−aNa1−bLi(Nb1−d−eTaSb)O+xBiα(A11−βA2β)Oで表される成分と、Mnとを含み、
    該Mnの含有量が、前記組成式の成分100質量部に対してMnO換算で0.01〜0.50質量部であるとともに、
    前記組成式におけるx、a、b、c、d、e、α、βが、それぞれ、
    0.0010≦x≦0.0050、
    0.50≦a≦0.54、
    0.02≦b≦0.06、
    1.000≦c≦1.005、
    0.04≦d≦0.10、
    0≦e≦0.10、
    2/3≦α≦1、
    1/3≦β≦2/3、
    の範囲であり、
    A1が、Mg、CuおよびZnからなる元素群のうち少なくともいずれか1種、
    A2が、Nb、Ta、Sb、Ti、Zr、Hf、Ge、SnおよびCeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であることを特徴とする圧電磁器。
  2. 前記A2がNb、TaおよびSbからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であるとともに、α+βが4/3であることを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器。
  3. 前記A2がSn、Ti、Zr、Hf、CeおよびGeからなる元素群のうち少なくともいずれか1種であるとともに、前記βが1/2であることを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電磁器が対向面を有し、該対向面に、互いに対向するように配置された一対の電極を備えることを特徴とする圧電素子。
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