JP2014069589A - 水田作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行機体13の前部に配置されて後部の左右軸芯X周りに上下に開閉自在なボンネット30と、ボンネット30の内部に配置されたエンジン14と、ボンネット30の内部においてエンジン14の横側に配置されたラジエータ38と、ボンネット30の内部においてエンジン14の横側に配置されたファンシュラウド41と、が備えられ、ラジエータ38のフィンを覆う防塵ネット42をファンシュラウド41に対して着脱自在に取り付け可能なノブボルト71が、ファンシュラウド41のうちラジエータ38の前側上方に位置する部分に設けられてある。
【選択図】図6
Description
特許文献1には特に説明されていないが、ラジエータの熱交換部には、藁くずや土埃等の異物の侵入を防止するための着脱式の防護ネットが備えられていることが好ましい。
ボンネットは、走行機体の前部に配置されて後部の左右軸芯周りに上下に開閉自在であり、エンジンの横側にラジエータおよび支持フレームが配置されている。このような構成において、支持フレームに対してラジエータの防護ネットを着脱可能にする取付部材を、支持フレームのうちラジエータの前側上方に位置する部分に設けている。このため、ボンネットを開放した際、取付部材がラジエータの前側上方に位置する部分に露出するので、ボンネットが邪魔にならずに、取付部材へ簡単に手が届くようになる。そして、前方側から取付部材の着脱操作が可能となり、取付部材の操作性をよいものにできる。このため、防護ネットの着脱が容易となり、例えば、防護ネットのメンテナンスに要する時間や手間を削減できる。
オイルクーラがラジエータと離れて配置されているので、オイルクーラとラジエータとが相互に熱の影響を及ぼし合うことが防止される。このため、オイルクーラおよびラジエータの両方で冷却効率の向上を図ることができる。これにより、エンジンやミッションのオーバーヒートを効果的に防止できる。
ミッションケースを冷却する冷却ファンの空気を、ダクトによってオイルクーラまで導くことにより、オイルクーラを自然放熱に比べて効率的に冷却できる。これにより、オイルクーラの冷却専用のファンを設ける必要がなく、簡素な構造でオイルクーラの冷却を行うことができる。
例えば粉粒体状の散布材料は、湿気により固まりやすい傾向があり、散布装置の各部に付着して固まってしまうと詰まりに発展することがある。オイルクーラの周辺部の空気は、オイルクーラの熱により暖められて比較的乾燥している。この暖かく乾燥した空気を、ブロアの吸引部に取り込んで、例えば粉粒体状の散布材料を散布装置により田面に搬送するための搬送風に利用できる。オイルクーラの周辺部の暖かく乾燥した空気を散布材料の搬送風として利用することにより、散布材料の流動性が良くなるので、散布装置における散布材料の詰まりの発生を抑えることができる。しかも、オイルクーラが運転座席の下方に備えられているため、オイルクーラからブロアまでの距離を短くでき、簡素な構成で排熱利用を実現できる。
〔基本構成〕
図1および図2に示すように、乗用型田植機10(「水田作業機」に相当)には、走行自在な左右一対の駆動前輪11および左右一対の駆動後輪12が備えられた走行機体13の前部側に、エンジン14を収容するエンジンルーム15およびミッションを収納するミッションケース16が配置されている。走行機体13の中央部には、ステアリングハンドル17、運転座席18、変速レバー19、運転ステップ20等が装備された搭乗運転部22が配置されている。走行機体13の後方には、リフトシリンダ23の操作によりリンク機構24を介して昇降操作自在とされた8条植型式の苗植付装置25が連結されている。また、走行機体13の後部には、搭乗運転部22と苗植付装置25との間に、粉粒体上の散布材料である肥料を散布する施肥装置26(「散布装置」に相当)が備えられている。ミッションケース16には、変速レバー19を操作することにより変速操作され、走行機体13を前後進切り換え自在とするHST21(静油圧式の無段変速装置)が備えられている。ミッションケース16は、前車軸ケース27を介して駆動前輪11を軸支しており、駆動前輪11および後車軸ケース28に軸支された駆動後輪12にエンジン14の駆動力を伝達する。
図3ないし図6に示すように、エンジン14の横一側箇所には、エンジン14を冷却するラジエータ38が配置されている。ラジエータ38は、上下4箇所に形成されたピン38aによってエンジンフレーム34に固定されている。ラジエータ38は、ラジエータ38のフィン39(「熱交換部」に相当)の吸込側面を横外側方向に向けた姿勢で配置されている。ラジエータ38とエンジン14の間には、エンジン空冷ファン40が配置されている。そして、エンジン空冷ファン40の外周を覆って保護するファンシュラウド41(「支持フレーム」に相当)がエンジンフレーム34に取り付け固定されている。エンジン空冷ファン40は、エンジン14の出力軸14aに連動されている。出力軸14aには、巻掛け伝動装置36を介して発電機37の入力軸が連動されている。エンジン空冷ファン40を駆動することにより、通風口33からラジエータ38を介してエンジン14へ流れる冷却風が発生される。これにより、冷却風によりラジエータ38が冷却されることによってエンジン14が冷却されるとともに、冷却風がエンジン14に直接吹き付けられることによってもエンジン14が冷却される。
図3ないし図7に示すように、ラジエータ38の横一側箇所には、フィン39に藁くずや土埃などが侵入することを防止する防塵ネット42(「防護ネット」に相当)が着脱自在に取り付けられている。防塵ネット42は、側面視で前後辺と上下辺の長さが略等しい長方形状を呈している。防塵ネット42は、例えば金属材料または樹脂材料等からなる帯板材または線材を縦横に組んで格子状に形成されたネット部43と、このネット部43の外周を全周に亘って取り囲む支持枠44とより構成されている。防塵ネット42の前方上部箇所である支持枠44の前辺上部箇所には、後方側が横内側へ折り曲げられた、金属製のL字形部材45がボルト・ナット等により固定されており、防塵ネット42とL字形部材45とが一体とされている。
図6に示すように、ラジエータ38へ防塵ネット42を取り付ける際は、取付固定部50に対して斜め前方から防塵ネット42を差し入れる。防塵ネット42を第二係合部52と第三係合部53とで下方より支持し、防塵ネット42に固定されたL字形部材45をファンシュラウド41の締付固定部54に密接させて前方からノブボルト71を挿通して、回転操作することで、防塵ネット42をファンシュラウド41の横外側箇所に固定すれば、ラジエータ38への防塵ネット42の取り付け作業が完了する。
図1、図3、図12に示すように、ミッションケース16の横側部には、変速冷却ファン75(「冷却ファン」に相当)が備えられている。より具体的には、変速冷却ファン75は、ミッションケース16の横側部に配置されたHST21の入力軸21aに装着されている。入力軸21aは、ミッションケース16の前部の横一側箇所から他方の横側に向けて延出されており、エンジン14の横他側の出力軸14aと前後に並ぶように配設されている。入力軸21aは、エンジン14の出力軸14aに巻掛け伝動装置76を介して連動されている。巻掛け伝動装置76は、出力軸14aに装着した出力プーリ76aと入力軸21aに装着した入力プーリ76bとにわたって伝動ベルト76cを巻回して構成されている。図12に示すように、HST21の入力軸21aには、入力プーリ76bの内側に、変速冷却ファン75が装着されている。変速冷却ファン75は、HST21から外側へ向かう風を発生させ、HST21の冷却を行う。
図1、図2、図12に示すように、運転座席18の下方には、オイルクーラ78が備えられている。オイルクーラ78には、ミッションケース16の作動油が供給され、供給された作動油を冷却してミッションケース16へ戻すように構成されている。ミッションケース16からオイルクーラ78へ作動油を導く不図示の取入管およびオイルクーラ78からミッションケース16へ作動油を導く不図示の排出管とは、それぞれ、運転ステップ20の下方を迂回して配置されている。このように、オイルクーラ78は、走行機体13の前部に配置されたラジエータ38から離れている運転座席18の下方に配置されているので、オイルクーラ78の排熱がラジエータ38の冷却効率を低下させることを防止できる。
変速冷却ファン75とオイルクーラ78との間には、オイルクーラ78を冷却させる冷却風を移送するためのダクト79が備えられている。ダクト79には、変速冷却ファン75の横側に近接して配置された吸引口79aと、オイルクーラ78の外側に配置された排出口79bとが備えられている。変速冷却ファン75により吸引口79aから取り込まれた空気がダクト79内を通過して、冷却風として排出口79bより排出されてオイルクーラ78に吹き付けられる。これにより、オイルクーラ78の冷却が促進され、HST21のオーバーヒートを効果的に防止できる。
図1に示すように、苗植付装置25は、リンク機構24を介して走行機体13に連結され、油圧シリンダからなるリフトシリンダ23の駆動により昇降自在に構成されている。苗植付装置25には、苗載せ台80と、植付機構81と、接地フロート82とが備えられている。苗載せ台80は、左右方向に設定ストロークで往復移動駆動される。植付機構81は、左右に植付条間隔を隔てて複数配設されてあり、苗載せ台80の移動に連動して、苗取出口と圃場との間で循環作動することにより苗載せ台80の苗を植付単位量づつ取り出して圃場に植えつける。接地フロート82は、走行に伴い圃場面を滑走することにより植付予定圃場面を整地する。
図1、図2に示すように、施肥装置26には、ホッパー83と、繰出し装置84と、作溝器85と、ホース86とが備えられている。ホッパー83には、散布材料として粉粒体状の肥料が貯留される。繰出し装置84は、苗植付装置25の植付作動に連動して、ホッパー83内の肥料を設定量づつ繰り出す。繰出し装置84の前方には、繰出し装置84から繰り出された肥料を作溝器85にホース86を介して圧送するための気流を発生させるブロワ87が備えられている。ブロワ87は、オイルクーラ78の周辺部の空気を取り込んで肥料を田面に搬送する搬送風として施肥装置26へ送風する。作溝器85は、走行に伴い圃場に施肥用の溝を形成するとともにホース86で送られてくる肥料を、形成した溝内に供給する。
(1)上記実施形態では、螺合部74を溶接等で固着されたナット等により構成し、取付部材としてノブボルト71を用いた例を示したが、単なるボルト・ナットの組み合わせでもよく、また、手動ではなく、工具を用いて防塵ネット42の着脱を可能とする構成であってもよい。
13 :走行機体
14 :エンジン
16 :ミッションケース
18 :運転座席
26 :施肥装置(「散布装置」)
30 :ボンネット
38 :ラジエータ
39 :フィン(「熱交換部」)
41 :ファンシュラウド(「支持フレーム」)
42 :防塵ネット(「防護ネット」)
71 :ノブボルト(「取付部材」)
75 :変速冷却ファン(「冷却ファン」)
78 :オイルクーラ
79 :ダクト
87 :ブロア
X :左右軸芯
Claims (4)
- 走行機体の前部に配置されて後部の左右軸芯周りに上下に開閉自在なボンネットと、
前記ボンネットの内部に配置されたエンジンと、
前記ボンネットの内部において前記エンジンの横側に配置されたラジエータと、
前記ボンネットの内部において前記エンジンの横側に配置された支持フレームと、が備えられ、
前記ラジエータの熱交換部を覆う防護ネットを前記支持フレームに対して着脱自在に取り付け可能な取付部材が、前記支持フレームのうち前記ラジエータの前側上方に位置する部分に設けられてある水田作業機。 - 前記エンジンの後方に配置された、ミッションを収納するミッションケースと、
前記ミッションケースの後方に配置された運転座席と、
前記ミッションケース内の作動油を冷却するオイルクーラと、が備えられ、
前記オイルクーラが、前記運転座席の下方に配置されてある請求項1に記載の水田作業機。 - 前記ミッションケースに備えられた冷却ファンからの空気を前記オイルクーラへ導くダクトが備えられてある請求項2に記載の水田作業機。
- 前記走行機体の後部に、散布材料を散布する散布装置が備えられ、
前記オイルクーラの周辺部の空気を取り込んで前記散布材料を田面に搬送する搬送風として前記散布装置へ送風するブロアが備えられてある請求項2または3に記載の水田作業機。
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