JP2014069280A - 打撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動を効果的に低減することができる打撃工具を提供すること。
【解決手段】
ハウジング2には、電動モータ21の回転運動を往復動に変換する運動変換機構33と、振動低減機構50とが収容されている。運動変換機構33は、偏心カム51が設けられたクランクシャフト34を有している。振動低減機構50は、作動孔52aが形成され偏心カム51の動きに応じて往復動するヨーク部材52と、ヨーク部材52に接続されたウェイト53を有している。クランクシャフト34が回転すると偏心カム51の動きに連動してウェイト53が往復動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、打撃工具に関し、特に、振動低減機構を有する打撃工具に関する。
従来からシリンダ、打撃子、ピストン、ビット、振動低減機構を有する打撃工具が提案されている。振動低減機構の一例としてウェイトと、ウェイトの移動方向に配置したバネとを備える動吸振器を工具本体の側方に配置し、当該動吸振器の往復動によって工具本体に発生する振動を低減する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭52−109673号公報
上記の工具では、ウェイトが打撃子と逆位相で運動することにより、工具本体に発生する振動を低減している。しかし、打撃子の動作は、ビット側に向かって進むときとビット側から戻ってくるときとでは、速度が異なるため、ウェイトと打撃子との間に位相差が発生し、効果的に振動を低減することが困難であった。
そこで、本発明は、振動を効果的に低減することができる打撃工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に配置されたシリンダと、該ハウジング内に配置されたモータと、該モータにより回転駆動されるクランクシャフトと、該シリンダ内に設けられ、該クランクシャフトの回転により往復動される往復運動部材と、を備える運動変換部と、該クランクシャフトに一体的に設けられた偏心カムと、該偏心カムが挿入される作動孔を有し、該偏心カムの回転に応じて往復動するヨーク部材と、該シリンダ外周と該ハウジングとの間に配置され、該ヨーク部材に接続されて動くウェイトと、を有する振動低減機構と、を備えることを特徴とする打撃工具を提供している。
かかる構成によれば、打撃工具はクランクシャフトの動きに連動した振動低減機構を備えているため、運動変換部に発生する振動を効果的に低減することができる。また、偏心カムはクランクシャフトに一体的に設けられているため、新たにカムを部品として設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
ここで、該ハウジングには、該往復運動部材及び該クランクシャフトの一部を収容する運動変換部収容空間が形成され、該偏心カムは該運動変換部収容空間に収容されていることが好ましい。
かかる構成によれば、往復運動部材が収容されている運動変換部収容空間に偏心カムが収容されているため、偏心カムを収容するための空間を新たに設ける必要がない。これにより、打撃工具のサイズを大型化することなく、打撃工具に振動低減機構を設けることができる。
また、該運動変換収容部の少なくとも一部は、該クランクシャフトの少なくとも一部と該偏心カムを覆うクランクケースによって形成され、該ヨーク部材の側面は、該往復運動部材の往復運動方向に摺動可能に、該クランクケースに支持されていることが好ましい。
かかる構成によれば、ヨーク部材が往復動方向に動くので、ウェイトが往復動方向にスムーズに動作することができる。さらに、ヨーク部材の側面は、クランクケースに支持されているため、新たにヨーク部材をガイドするためのシャフト等を設ける必要がない。これにより、クランクケースの大型化及び部品点数の増加を抑えることができる。
また、該ハウジングには、該往復運動部材及び該クランクシャフトの一部を収容する運動変換部収容空間が形成され、該ウェイトは該運動変換部収容空間に収容されていることが好ましい。
かかる構成によれば、往復運動部材が収容されている運動変換部収容空間にウェイトが収容されているため、ウェイトを収容するための空間を新たに設ける必要がない。これにより、打撃工具のサイズを大型化することなく、打撃工具に振動低減機構を設けることができる。
また、該運動変換部収容空間には、グリスが充填されていることが好ましい。
かかる構成によれば、グリスが充填された運動変換部収容空間で往復運動部材及び偏心カム又はウェイトが動作するため、それらの部品を長寿命化することができる。さらに、打撃工具に発生する振動や騒音などを防止できる。
また、該ハウジンングに収容され該往復運動部材を収容する略円筒形状のシリンダをさらに備え、該モータは出力軸を備え、該偏心カムは、該出力軸の軸方向において、該モータと該シリンダとの間に設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、偏心カムは出力軸の軸方向においてモータとシリンダとの間に設けられているため、偏心カムとクランクシャフトとを一体で成形することができる。これにより、部品点数を削減することができる。
また、該ウェイトは、該出力軸の軸方向において、該シリンダの中心軸と該打撃工具の重心との間に設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、ウェイトをシリンダと重心の両方の近傍に位置させることができる。振動低減機構のウェイトを振動発生源であるシリンダの近傍に配置することにより、振動低減の効果を高めることができる。また、振動低減機構のウェイトを重心の近傍に配置することにより、振動によって重心を中心に発生する回転モーメントを効果的に低減することができる。
また、該ハウジンングに収容され該往復運動部材を収容するシリンダをさらに備え、該ウェイトは該シリンダの外周面に隣接して設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、ウェイトはシリンダに隣接して設けられているため、ウェイトがシリンダの近傍に位置することとなる。これにより、ウェイトが振動発生源であるシリンダの近傍に配置されるため振動低減の効果を高めることができる。
また、該ハウジングは作業者が把持するハンドル部をさらに備え、該ウェイトは該シリンダの軸方向から見て該ハンドル部と重なる位置に設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、シリンダの軸方向から見てハンドル部とウェイトが重なっているため、軸方向においてハンドル部とウェイトが重なっていない場合と比較すると、ウェイトの振動エネルギーによりハンドル部に発生する回転モーメントを低減することができる。
また、該シリンダ内を該往復運動部材の動きに連動して該往復動運動部材の往復動方向に往復動可能な打撃子をさらに有し、該シリンダ内には、該シリンダと該打撃子と該往復運動部材とにより画成された空気室が形成され、該シリンダには、該シリンダ内部と外部を連通させる呼吸孔が形成され、該打撃子が該呼吸孔を塞ぐことで該空気室が密閉されて該往復運動部材の往復動が該空気室を介して該打撃子に伝達されるように構成されており、該ウェイトには、該ウェイトの該往復動方向の端部まで延び、該呼吸孔に対向する位置に位置する溝部が形成されていることが好ましい。
先端工具に負荷のかかっていない状態で打撃工具を動作させるいわゆる空打ちが起こった場合、往復運動部材の動作によって打撃子は呼吸孔を開放する。そうすると、空気室が密閉状態でなくなるため、往復運動部材の往復動が打撃子に伝わらないため、空打ちを防止できる。上述した構成によれば、ウェイトの溝部が該呼吸孔と対向しているため、ウェイトが呼吸孔を塞ぐことがない。これにより、空打ちを防止することができる。
また、該往復運動部材と該クランクシャフトとを繋ぐコンロッドをさらに有し、該クランクシャフトの端部には、クランクウェイトが設けられ、該クランクウェイトは、該コンロッドが接続されるクランクピンと、該クランクシャフトの該回転中心に対して該クランクピンの反対側に位置する重量部とを有し、該クランクウェイトは、該クランクシャフトの軸方向に直交する平面上において該クランクシャフトの回転中心と該クランクピンとを結ぶ直線以外の直線に対して非対称な形状をなし、該コンロッド及び該往復運動部材が側面視において一方向に動作した際に、該重量部が側面視において該一方向とは逆の方向に移動することが好ましい。
かかる構成によると、側面視において重量部はコンロッド及び往復運動部材とは逆に移動するため、往復運動部材の往復動によって発生する振動を低減することができる。
本発明によれば、振動を効果的に低減することができる打撃工具が提供できる。
本発明のハンマドリルの中央断面図。 本発明のハンマドリルが備える振動低減機構のクランクシャフトが0度の位置のときの図1のII−IIに沿った断面図。 本発明のハンマドリルが備える振動低減機構のクランクシャフトが90度の位置のときの図1のII−IIに沿った断面図。 本発明のハンマドリルが備える振動低減機構のクランクシャフトが180度の位置のときの図1のII−IIに沿った断面図。 本発明のハンマドリルが備える振動低減機構のクランクシャフトが270度の位置のときの図1のII−IIに沿った断面図。 本発明のハンマドリルであって図2(b)の状態のときの断面図。 本発明のハンマドリルであって図2(c)の状態のときの断面図。 本発明のハンマドリルであって図2(d)の状態のときの断面図。 本発明のハンマドリルの運動変換機構を上方から見た断面図。
本発明の実施の形態による打撃工具について、図1〜図5に基づき説明する。図1は代表的な打撃工具であるハンマドリル1の断面図であり、ハンドル部10とモータハウジング20と外枠部材30とによりハウジング2が構成される。外枠部材30の反ハンドル部10側には、先端工具3を着脱可能に保持する工具保持部11が配置されている。ハンマドリル1の重心は図1の重心Gの位置にある。以下の説明において、工具保持部11が設けられた側を前側とし、ハンドル部10側を後側とし、モータハウジング20の延出方向を下側とし、逆を上側として以下説明する。更に、図1において後側から見た時のハンマドリル1の右側を右側と定義し、逆側を左側と定義する。
ハンドル部10には、電源ケーブル12が取付けられると共に、使用者により操作可能なトリガ13が設けられている。電源ケーブル12は、スイッチ機構を図示せぬ外部電源に接続し、トリガ13を操作することにより、後述の電動モータ21と外部電源との接続と断続とを切換えることができるようになっている。また、ハンドル部10は、使用者がハンマドリル1を使用するときに握る握り部14を有している。
モータハウジング20は、ハンドル部10の前側下部に設けられている。ハンドル部10とモータハウジング20は別体構造であるが、プラスチックで一体成型として作ることも可能である。外枠部材30はモータハウジング20の上側に位置している。
電動モータ21は、モータハウジング20内に収納されている。電動モータ21は、その回転駆動力を出力する出力軸22を備えている。出力軸22の先端には、ピニオンギヤ23が設けられており、外枠部材30内に位置している。
外枠部材30は、ギヤケース31と、クランクケース32とを備えている。ギヤケース31は、モータハウジング20の上部に位置し、その後端はハンドル部10と接続されている。クランクケース32は、ギヤケース31の上側に位置している。ギヤケース31には、ギヤ収容空間31aが形成され、クランクケース32には、クランク収容空間32aが形成されている。クランク収容空間32aには、グリスが充填されている。クランク収容空間32aは、本発明の運動変換部収容空間に相当する。
ギヤ収容空間31a及びクランク収容空間32aには、運動変換機構33が収容されている。運動変換機構33は、クランクシャフト34、ギヤ35、クランクウェイト36、及びコンロッド37を有している。クランクシャフト34は、出力軸22と平行に延び、ギヤケース31に回転可能に支承されている。クランクシャフト34は、上下方向に直交する断面の形状が円形の軸芯部34Aと、偏心カム51とを備えている。偏心カム51の詳細な構成は後述する。ギヤ35は、クランクシャフト34の下端部に同軸固定されていて、ピニオンギヤ23と噛合している。クランクウェイト36は、クランクシャフト34の上端面に設けられている。図6においては、簡素化のために、運動変換機構33及びシリンダ40以外の部材の図示を省略する。クランクウェイト36は、上方に延びるクランクピン36Aが設けられている。図6に示すように、クランクウェイト36Aは、クランクシャフト34に対してクランクピン36Aが設けられている側から反対側に向かうにつれて、クランクシャフト34の半径方向外方に広がる重量部36Bを備えている。図6に示す状態において、クランクウェイト36は、クランクシャフト34の軸方向に直交する平面上において、軸芯部34Aとクランクピン36Aとを結ぶ直線以外の直線に対して非対称な形状である。コンロッド37の後端には、クランクピン36Aが挿入されている。運動変換機構33は、本発明の運動変換部に相当する。
クランク収容空間32aには、出力軸22と直交する方向(前後方向)に延びるシリンダ40が設けられている。シリンダ40にはシリンダ40内とクランク収容空間32aとを連通する呼吸孔40aが形成されている。呼吸孔40aは、その開閉によって打撃動作の有無を制御する働きを有する。詳しくは、後述する。シリンダ40の中心軸と、出力軸22の回転軸は、同一平面上に位置している。また、シリンダ40内には、その内周に摺動可能にピストン41が設けられている。ピストン41は、ピストンピン41Aを有し、コンロッド37の先端には、ピストンピン41Aが挿入されている。シリンダ40内の先端側には打撃子42が、シリンダ40の内周に摺動(往復動)可能に設けられている。シリンダ40内であってピストン41と打撃子42との間には空気室43が画成されている。ピストン41及びコンロッド37が側面視において前後方向に移動するのに連動して、重量部36Bはピストン41及びコンロッド37とは側面視において反対側に移動する。つまり、重量部36Bはカウンターウェイトとして機能する。
シリンダ40の前端部には、中間子44が前後方向に移動可能に設けられている。中間子44の後端面は、打撃子42と当接可能であり、打撃子42からの打撃を先端工具3に伝達している。
クランク収容空間32aには、ハンマドリル1に発生する振動を低減するための振動低減機構50が設けられている。振動低減機構50は、上下方向において、シリンダ40と電動モータ21との間に設けられている。振動低減機構50は、偏心カム51、ヨーク部材52、及びウェイト53を有している。偏心カム51は、クランクシャフト34に一体的に設けられている。一体的とは、削り出し等によりクランクシャフト34と偏心カム51とを一体に形成することをいう。運動変換機構33及び振動低減機構50は、グリスが充填されたクランク収容空間32aに収容されているため、振動及び騒音を低減するとともに部品の長寿命化を図ることができる。
図2(a)から図2(d)に示すように、偏心カム51の上下方向に直交する断面は、一対の直線部と、各直線部を結ぶ一対の円弧部とから構成される。偏心カム51は、クランクシャフト34の軸芯部34Aに対して半径方向外方に突出している。偏心カム51は、上下方向において、ピストン41と電動モータ21との間に位置している。ここで、図1から明らかなように、偏心カム51の上下方向の厚みはクランクウェイト36及びクランクピン36Aの厚みよりも薄く形成されている。
ヨーク部材52は、本体部52Aと、本体部52Aから前方へ延びる接続部52Bとを有している。本体部52Aの左右方向の側面は、前後方向に摺動可能にクランクケース32に支持されている。接続部52Bの前端部はピン52Cによってウェイト53と接続されていて、後端部は本体部52Aに接続している。従って、ヨーク部材52が前後方向(往復動部材の往復動方向)にガイドされつつ往復動するため、接続部52Bに接続されたウェイト53も往復動方向にスムーズに往復動する。これによって、ウェイト53の周りに大きなスペースを確保せずとも、ウェイト53が往復動方向にスムーズに動作することができる。ここで、クランクケース32の内部に設けたシャフト等によって、ヨーク部材52をガイドする構成としても良い。ただし、本実施例のようにクランクケース32がヨーク部材52の側面を支持する構造では、シャフト等を新たに設ける必要がないため、クランクケースの大型化及び部品点数増加が抑えられる点で特に優れている。
本体部52Aには、上下方向に貫通する作動孔52aが形成されている。作動孔52aの上下方向に直交する断面は、一対の直線部と、各直線部を結ぶ一対の円弧部とから構成される。本実施の形態では、偏心カム51とヨーク部材52とにより、スコッチヨーク機構を構成しており、クランクシャフト34の回転運動を前後方向の往復運動に変換している。本実施例のように偏心カム51とヨーク部材52で往復運動への変換を行うことで、ウェイト53の往復運動のサイクル全体において、ウェイト53を正確に動作させることができ、かつ、その振幅などを適切に調整することが可能となる。
ウェイト53は密度が高く、かつ、摩擦に強い材質であることが望ましく、例えば鋼材をもちいることができる。ウェイト53は、シリンダ40の外周面に隣接するように設けられている。隣接とは、シリンダ40とウェイト53との間に他の部材が介在していないことをいう。ウェイト53は断面形状が略半円形をしており、シリンダ40外周面にガイドされる。このほか、ウェイト53はシリンダ40外周にガイドされる円筒形状とすることもできる。シリンダ40は鋼材で形成されており、シリンダ40とウェイト53は互いに摩耗しにくくなる点で、通常はアルミニウムなどウェイトに用いられるよりも軽量で摩耗しやすい材質で形成される外枠部材30でガイドする場合よりも耐久性が優れたものとすることができる。ウェイト53の内周面であって、シリンダ40の外周面と対向する位置には、ウェイト53の半径方向(図1における上下方向)の肉厚が薄くなった溝部53aが形成されている。溝部53aは、ウェイト53の前端部から、ウェイト53が図2(d)及び図3に示す最後位置に位置した状態において呼吸孔40aと対向する位置に至るまで形成されている。溝部53aはウェイト53が呼吸孔40aに向かい合う位置に位置した時にもシリンダ内部と外部の圧力を一定にする効果があり、溝の他、長穴などの形状をとることができる。
振動低減機構50は、後方から見て握り部14と重複している。また、振動低減機構50は、その上下方向の位置がシリンダ40の中心軸と重心Gとの間に位置している。ウェイト53は、後端部が接続部52Bに接続している。本実施の形態では、ヨーク部材52の前後方向のストロークは、打撃子42の前後方向のストロークよりも短く設定され、ウェイト53の重量は打撃子42よりも重く設定されている。これにより、クランク収容空間32aの前後方向のサイズを維持したまま、振動低減機構50をクランク収容空間32a内に収容するとともに、打撃子42が起因して発生している振動をウェイト53によって打ち消すことができる。詳細な振動発生原因等については、後述する。
次に、第1の実施の形態によるハンマドリル1の動作について説明する。ハンドル部10を手で把持した状態で、図示せぬ先端工具を図示せぬ被削材に押し当てる。これにより、打撃子42、中間子44が後方に後退し、打撃子42により呼吸孔40aが塞がれ、空気室43は密閉空間となる。次に、トリガ13を引き、電動モータ21に電力を供給し回転駆動させる。この回転駆動力は、ピニオンギヤ23及びギヤ35を介してクランクシャフト34に伝達される。クランクシャフト34の回転は、運動変換機構33(クランクシャフト34、クランクピン36A、及びコンロッド37)によって、シリンダ40内におけるピストン41の往復運動に変換される。このとき、側面視において、クランクウェイト36の重量部36Bは、ピストン41及びコンロッド37の移動方向とは反対方向に移動する。
ピストン41の往復運動により、空気室43中の空気に圧力変動が生じて、空気室43内の空気ばねの作用により、打撃子42がピストン41の往復動に追従して往復動を開始する。打撃子42が往復動することによって、打撃子42が中間子44に衝突し、先端工具3に打撃力が伝達される。これにより、被削材が破砕される。
このとき、回転駆動力により、クランクシャフト34の回転が振動低減機構50に伝達される。偏心カム51及びヨーク部材52によってクランクシャフト34の回転運動が往復運動に変換され、ウェイト53が前後方向に往復する。このとき、ウェイト53の内周面が呼吸孔40aに向かい合う位置を通過するが、溝部を通じて空気が出入りすることができる。
次に、ピストン41と、打撃子42と、ウェイト53との位置関係について図1から図5に基づいて説明する。図2(a)は図1の状態の振動低減機構50を示しており、図2(b)は図3の状態の振動低減機構50を示しており、図2(c)は図4の状態の振動低減機構50を示しており、図2(d)は図5の状態の振動低減機構50を示している。
図2(a)における偏心カム51の位置を0°とする。このとき、クランクピン36A及びピストン41は、最後部に位置している。つまり、本実施の形態では、偏心カム51とクランクピン36Aとは、位相が約90°ずれている。より詳細には、クランクピン36Aの位相は偏心カム51の位相に対して約90°遅れている。このとき、打撃子42は中間子44を打撃した後であり、その反発力によって後方に移動している。
この状態からさらにクランクシャフト34が上方から見て反時計回りに90°回転すると、図2(b)及び図3に示すように、偏心カム51の端部が作動孔52aの内周面を摺動してヨーク部材52及びウェイト53が最前位置に移動する。このとき、打撃子42は後方に移動しつつピストン41が前方に移動するため、空気室43の容積が最少となる。そうすると、空気室43内の空気の圧力が最大となり、ピストン41を後方に押圧する力も最大となるため、作業者の受ける反動が最も大きくなる。本実施の形態では、このときウェイト53が最前位置に位置して当該反動を打ち消すため、作業者の受ける反動が低減される。これにより、ハンマドリル1に発生する振動を低減することができる。また、重心Gに対して振動発生源となるピストン41、打撃子42の位置が上方及び前方にずれているため、振動が発生することにより重心Gを中心としてハンマドリル1に回転モーメントが発生する。しかし、本実施の形態では、振動が低減されるため、ハンマドリル1に発生する回転モーメントも低減することができる。
図2(b)に示す状態からクランクシャフト34がさらに90°回転すると、図2(c)及び図4に示す状態となる。このとき、ヨーク部材52は図2(a)と同じ位置まで後退し、クランクピン36A及びピストン41は最前部に位置している。打撃子42は中間子44を打撃しており、この打撃力が先端工具3に伝達され、被削材が破砕される。
図2(c)に示す状態からクランクシャフト34がさらに90°回転すると、図2(d)及び図5に示す状態となる。このとき、ヨーク部材52は最後位置まで後退し、クランクピン36A及びピストン41は図3と同じ位置にある。
作業者が先端工具3を被削材に押し付けていない状態、つまり先端工具3に負荷がかかっていない状態でトリガ13を引くと、打撃子42が中間子44を一度打撃したまま後退しないので、呼吸孔40aが開放されたままの状態となる。このとき、ウェイト53に形成された溝部53aを通って空気室43の空気は外部に逃げるため、空気室43が密閉状態ではなくなり、ピストン41の前後方向の動きが打撃子42に伝達されない。これにより、先端工具3に負荷がかかっていない状態で先端工具3が往復動する、いわゆる空打ちを防止することができる。
上記のハンマドリル1によると、クランクシャフト34の動きに連動した振動低減機構50をそなえているため、打撃子42によって発生する振動を効果的に低減することができる。また、偏心カム51はクランクシャフト34に一体的に設けられているため、新たにカムを部品として設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
また、打撃子42が収容されているクランク収容空間32aに偏心カム51が収容されているため、偏心カム51を収容するための空間を新たに設ける必要がない。これにより、ハンマドリル1のサイズを大型化することなく、ハンマドリル1に振動低減機構50を設けることができる。
また、打撃子42が収容されているクランク収容空間32aにウェイト53が収容されているため、ウェイト53を収容するための空間を新たに設ける必要がない。これにより、ハンマドリル1のサイズを大型化することなく、ハンマドリル1に振動低減機構50を設けることができる。
また、グリスが充填されたクランク収容空間32aでコンロッド37、クランクピン36A、偏心カム51及びウェイト53が動作するため、それらの部品を長寿命化することができる。また、ハンマドリル1に発生する振動や騒音などを防止できる。
また、偏心カム51は出力軸22の軸方向において電動モータ21とシリンダ40との間に設けられているため、偏心カム51とクランクシャフト34とを一体で成形することができる。これにより、部品点数を削減することができる。
また、ウェイト53をシリンダ40と重心Gの両方の近傍に位置させることができる。振動低減機構50のウェイト53を振動発生源である打撃子42の近傍に配置することにより、振動低減の効果を高めることができる。また、振動低減機構50のウェイト53を重心Gの近傍に配置することにより、振動によって重心Gを中心に発生する回転モーメントを効果的に低減することができる。
また、ウェイト53はシリンダ40に隣接して設けられているため、ウェイト53がシリンダ40の近傍に位置することとなる。これにより、振動低減の効果を高めることができる。
また、シリンダ40の軸方向から見て握り部14とウェイト53が重なっているため、軸方向において握り部14とウェイト53が重なっていない場合と比較すると、ウェイト53の振動エネルギーにより握り部14に発生する回転モーメントを低減することができる。
また、ウェイト53には溝部53aが形成されているため、先端工具3に負荷がかかっていない状態でトリガが引かれた場合、空気室43内の空気は呼吸孔40a及び溝部53aを介して外部に逃げることができる。これにより、空打ちを防止できる。
また、側面視において重量部36Bはコンロッド37及びピストン41とは逆方向に移動するため、ピストン41の往復動によって発生する振動を低減することができる。
尚、本発明の打撃工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
上述の実施の形態では、クランクピン36Aの位相は、偏心カム51の位相に対して90°遅れていたが、空気室の容積が最少となる時にウェイトの位置が打撃子と逆位相になるように構成されていればよい。打撃子42とピストン41との位置関係は、ハンマドリル1の構造や被削材などによって異なるため、上記の構成となるように両者の位相差を適宜設定する必要がある。
上述の実施の形態では、ウェイト53を前後方向に移動させるために振動低減機構50にスコッチヨーク機構を採用したが他の機構であっても良い。たとえば、スライダクランク機構であっても良い。また、偏心カム51の形状は、楕円形状であってもよく、3つの円弧を組み合わせた略三角形状であってもよい。
また、本発明の打撃工具をハンマドリルに適用したが、電気ハンマであっても良い。
1・・ハンマドリル 2・・ハウジング 3・・先端工具 10・・ハンドル部10 20・・モータハウジング 21・・電動モータ 22・・出力軸 31・・ギヤケース 32・・クランクケース 33・・運動変換機構 34・・クランクシャフト 40・・シリンダ 32a・・クランク収容空間 41・・ピストン 42・・打撃子 43・・空気室 44・・中間子 50・・振動低減機構 51・・偏心カム 52・・ヨーク部材 53・・ウェイト

Claims (11)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内に配置されたシリンダと、
    該ハウジング内に配置されたモータと、
    該モータにより回転駆動されるクランクシャフトと、該シリンダ内に設けられ、該クランクシャフトの回転により往復動される往復運動部材と、を備える運動変換部と、
    該クランクシャフトに一体的に設けられた偏心カムと、該偏心カムが挿入される作動孔を有し、該偏心カムの回転に応じて往復動するヨーク部材と、該シリンダ外周と該ハウジングとの間に配置され、該ヨーク部材に接続されて動くウェイトと、を有する振動低減機構と、を備えることを特徴とする打撃工具。
  2. 該ハウジングには、該往復運動部材及び該クランクシャフトの一部を収容する運動変換部収容空間が形成され、該偏心カムは該運動変換部収容空間に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
  3. 該運動変換収容部の少なくとも一部は、該クランクシャフトの少なくとも一部と該偏心カムを覆うクランクケースによって形成され、
    該ヨーク部材の側面は、該往復運動部材の往復運動方向に摺動可能に、該クランクケースに支持されていることを特徴とする請求項2に記載の打撃工具。
  4. 該ハウジングには、該往復運動部材及び該クランクシャフトの一部を収容する運動変換部収容空間が形成され、該ウェイトは該運動変換部収容空間に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
  5. 該運動変換部収容空間には、グリスが充填されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の打撃工具。
  6. 該モータは出力軸を備え、該偏心カムは、該出力軸の軸方向において、該モータと該シリンダとの間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の打撃工具。
  7. 該ウェイトは、該出力軸の軸方向において、該シリンダの中心軸と該打撃工具の重心との間に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の打撃工具。
  8. 該ウェイトは該シリンダの外周面に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の打撃工具。
  9. 該ハウジングは作業者が把持するハンドル部をさらに備え、該ウェイトは該シリンダの軸方向から見て該ハンドル部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の打撃工具。
  10. 該シリンダ内を該往復運動部材の動きに連動して該往復動運動部材の往復動方向に往復動可能な打撃子をさらに有し、
    該シリンダ内には、該シリンダと該打撃子と該往復運動部材とにより画成された空気室が形成され、該シリンダには、該シリンダ内部と外部を連通させる呼吸孔が形成され、
    該打撃子が該呼吸孔を塞ぐことで該空気室が密閉されて該往復運動部材の往復動が該空気室を介して該打撃子に伝達されるように構成されており、
    該ウェイトには、該ウェイトの該往復動方向の端部まで延び、該呼吸孔に対向する位置に位置する溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の打撃工具。
  11. 該往復運動部材と該クランクシャフトとを繋ぐコンロッドをさらに有し、
    該クランクシャフトの端部には、クランクウェイトが設けられ、
    該クランクウェイトは、該コンロッドが接続されるクランクピンと、該クランクシャフトの該回転中心に対して該クランクピンの反対側に位置する重量部とを有し、
    該クランクウェイトは、該クランクシャフトの軸方向に直交する平面上において該クランクシャフトの回転中心と該クランクピンとを結ぶ直線以外の直線に対して非対称な形状をなし、
    該コンロッド及び該往復運動部材が側面視において一方向に動作した際に、該重量部が側面視において該一方向とは逆の方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の打撃工具。
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JP7400591B2 (ja) 2020-03-31 2023-12-19 工機ホールディングス株式会社 作業機

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