JP2019198961A - 往復動工具 - Google Patents
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Abstract
Description
当該ノコギリは、モーターアウトプットシャフトの端の歯に噛み合う水平な円盤状のギヤ部材を有しており、当該ギヤ部材は、回転中心から偏心したクランクピンと、そのクランクピンの外周に設けられたローラーを有している。そして、プランジャーは、クランクピンとローラーを受け入れる、プランジャーの長手方向(前後方向)に直交した直線スロットを備えており、ギヤ部材の回転により移動するクランクピンとローラーは、直線スロット内を往復しつつ直線スロットの内壁を前後方向に押すことで、プランジャーを往復動させる。
又、上記ノコギリは、上記ギヤ部材に載置される水平な円盤状のディスクを有している。当該ディスクは、下面の周縁に、上記ギヤ部材のピンにねじ込まれる締め具を有していると共に、上面の周縁であって当該締め具とは径方向で反対の位置に、クランクピンとローラーを有している。このクランクピンとローラーは、カウンタウェイトに設けられたスロットに入れられている。カウンタウェイトは、ギヤ部材の回転に伴い回転するディスクの回転により、ディスクのローラーや釣り合い重り部材のスロットを介して、プランジャーと逆位相で往復動される。
そこで、本発明は、往復動する出力部を有しながら、振動を抑制することが可能であり、出力部やカウンタウェイトの配置がより自由である往復動工具を提供することを主な目的とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明にあって、前記カウンタウェイトが、前記ロッドの中心軸を挟むように複数設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明にあって、前記第2偏心軸は、前記カウンタウェイトが下死点から上死点に移動する場合、前記クランクの回転中心からみて前記ロッドの中心軸又はその延長線が有る側へ前記カウンタウェイトの重心が移動するように回転移動されることを特徴とするものである。
当該形態は、往復動工具の一例としての電動工具に係るものであり、より具体的には切断電具であるレシプロソーに係るものである。
尚、本発明は、当該形態や変更例に限定されない。
尚、図2の右や図3の右がレシプロソー1の前であり、図2の上や図4の上がレシプロソー1の上であり、図3の上や図4の右がレシプロソー1の左である。各方向は、説明の便宜上定めたものであり、実際には被加工材や作業者の向き等により変化することがある。
グリップハウジング21は、ループ状に形成されており、ループの後部は、上下方向に延びるハンドル部26とされている。ハンドル部26の前側には、トリガ形式のスイッチ28が配置されている。グリップハウジング21は、左右で分離されており、左右方向のネジ21a,21a・・により組み合わせられている。
前ハウジング22は、左右で分離されており、前左ハウジング22aと前右ハウジング22bを備えている。前右ハウジング22bは、前左ハウジング22aに対し、左右方向の複数のネジ30,30・・により固定されている。前左ハウジング22aには、ネジ30,30・・に対応するネジボス部31a,31a・・が設けられており、前右ハウジング22bには、ネジ30,30・・に対応するネジ孔部31b,31b・・が設けられている。又、前左ハウジング22aにおける一部のネジボス部31aに隣接して、短円柱状のボス部31c,31cが突設されており、各ボス部31cに対応するように、前左ハウジング22bにおいてボス受け孔(図示せず)が形成されている。
前左ハウジング22aの後端部は、上下左右に広がっており前右ハウジング22bの後端部内面まで達するように右方に延びる後面部22xとなっている。後面部22xの中央には、前左ハウジング後孔22yが形成されている。
モータハウジング20は、その前端部を前左ハウジング22aの後面部22xの後面外縁に合わせた状態で、前後方向のネジ24,24・・を通すことにより、前左ハウジング22aに対して固定されている。
ステータ33は、モータハウジング20に内包されており、円筒状の基部の内面から内方に突出する複数(6個)の内歯を有する固定子鉄心33aと、当該内歯にそれぞれ巻かれた駆動コイル33b,33b・・と、複数(3個)の磁気センサを有しており固定子鉄心33aの後側に設けられるセンサ基板33cと、駆動コイル33b,33b・・を所定の組合せで電気的に接続するものでありセンサ基板33cの後側に設けられる短絡部材33dとを有している。
ロータ34は、回転軸としてのモータ軸37と、その中央部の周りに固定された回転子鉄心38と、回転子鉄心38の外側に配置されており、それぞれ筒の一部の形状であり周方向に極性を交互に変えて配置された永久磁石39,39・・と、これらの後側(センサ基板33c側)において放射状に配置された図示しないセンサ用永久磁石を有している。回転子鉄心38と、永久磁石39,39・・と、センサ用永久磁石は、ロータアッセンブリを構成する。
モータ軸37の前端部の周囲には、歯が形成されている。モータ軸37の前部は、前左ハウジング後孔22y内を通っている。
モータ32は、バッテリ16,16及びスイッチ28と電気的に接続されており、スイッチ28がオンに切換えられる(トリガが引かれる)ことで、バッテリ16,16から給電され、ロータ34が回転する。尚、グリップハウジング21内であって、バッテリ装着部14の上側には、モータ32を制御する図示しない制御回路基板が設けられている。当該制御回路基板は、ステータ33並びにバッテリ16,16及びスイッチ28と電気的に接続されている。
モータ軸37の前端部後側の周囲には、モータ前軸受40が配置されている。モータ前軸受40は、モータ軸37を回転可能に支えるものであり、モータハウジング20(前左ハウジング後孔22yの後側)に固定されている。
モータ軸37の後端部の周囲には、モータ後軸受41が配置されている。モータ後軸受41は、モータ軸37を回転可能に支えるものであり、モータハウジング20に固定されている。
モータ前軸受40の後側であって、モータ軸37の周囲には、ファン44が固定されている。モータハウジング20であって、ファン44の左方及び右方(放射方向外方)に位置する部分には、ファン44の排気を通す排気口45,45・・が配置されている。
他方、グリップハウジング21における、バッテリ装着部14の上側右の部分と、モータハウジング20の後側の部分には、吸気口46,46・・が配置されている。
左クランク50の径(歯数)は、モータ32のモータ軸37の径(歯数)より大きいので、モータ軸37の回転は左クランク50により減速される。尚、モータ軸37は、左クランク50を図6(a)における矢印Wの方向に回転させる方向に回転する。
右クランク52は、モータ軸37の先端部の右前方に配置されており、最も内側(左側)の円板状のベース部52aと、ベース部52aの外側の面(右面)から偏心して突出した第2偏心軸としての偏心部52bと、偏心部52bから外方(右方)へ突出した軸部52cを有する。ベース部52aは、ベース部50aと異なり、傘歯を備えず、比較的に肉厚が薄い。偏心部52bや軸部52cは、左クランク50の偏心部50bや軸部50cと同様である。偏心部50b,52bの偏心位置は、揃えられている。
左クランクベアリング54は、左クランク50の軸部50cを回転可能に支持する。左クランクベアリング54の内輪の外側(左側)にはワッシャ60が配置されており、ワッシャ60ないし左クランク50の軸部50cには、ネジ61が通されている。ネジ61は、ワッシャ60を介して、左クランクベアリング54の内輪を軸部50cとつなぐ。
左クランクベアリング54は、前左ハウジング22aの後部左外面に形成された凹部22cに外方(左方)から入れられている。凹部22cは左クランクベアリングの外形に対応するように円筒状に窪んでおり、その底面の中央には孔22dが開けられていて、凹部の両脇にはネジ孔部22e,22eが開けられている。凹部22cに入った左クランクベアリング54に対し、外側の面(左面)の周縁(外輪)を押さえるリング状のベアリングリテーナ62が設けられている。ベアリングリテーナ62の左右にはネジ孔部62a,62aが設けられており、ベアリングリテーナ62は、対応するネジ孔部62a,62a及びネジ孔部22e,22eに入れられるネジ63,63により、前左ハウジング22aに取り付けられている。
右クランクベアリング55は、右クランク52の軸部52cを回転可能に支持する。右クランクベアリング55は、左クランクベアリング54と同様に設置される。即ち、右クランクベアリング55の内輪は、ワッシャ64及びネジ65により、右クランク52の軸部52cに固定される。又、右クランクベアリング55は、ベアリングリテーナ66及びネジ67,67により、前右ハウジング22bの凹部22fに取り付けられる。ネジ67,67は、ベアリングリテーナ66のネジ孔部66a,66aと凹部22f両脇のネジ孔部22g,22gを通る。
左クランク50のベース部50aにおける、偏心部50bと異なる偏心位置には、ピン孔50dが開けられており、右クランク52のベース部52aにおける同様の偏心位置には、ピン孔52dが開けられている。
そして、ピン孔50d,52dには、第1偏心軸としての円柱状のコネクティングロッド連結ピン71における左右の端部が入れられている。コネクティングロッド連結ピン71は、左クランク50や右クランク52の構成要素と捉えることができるが、コネクティングロッド56と捉えることも可能であり、後者の場合、ピン孔50d,52d(の中心軸)が第1偏心軸となる。
ニードルベアリング70の内輪は、コネクティングロッド連結ピン71を受け入れている。
ローラ57は、コネクティングロッド56の先端部に固定された左右方向の軸部57aと、軸部57aの左右の先端部において回転可能に設けられたローラ部57b,57bを有する。ローラ部57b,57bは、ローラガイド58内を転動可能である。
ローラガイド58は、筒状に折り曲げた板状の部材であり、上部に複数(2個)のネジ孔部58a,58aを有する。前左ハウジング22aの内面には、ネジ孔部58a,58aに対応するネジボス部22h,22hが内方(右方)へ突設されており、ローラガイド58は、ネジ孔部58a,58aを通るネジ59,59により固定されている。
ローラ57の軸部57aであって、ローラ部57b,57bとコネクティングロッド56との間の部分には、ロッド6の後端部に設けられた連結孔6aが配置されている。軸部57aが連結孔6aを通ることにより、ローラ57(コネクティングロッド56)とロッド6aが相対的に回転可能に連結される。
ローラガイド58は、左クランク50や右クランク52の回転中心Xより上方に配置されており、ロッド6の前後方向の中心軸(ロッド中心軸R)は、左クランク50や右クランク52の回転中心Xの中間を通る前後方向の直線(モータ軸37の中心軸であるモータ中心軸Mと一致する)より上方に有る。尚、説明を容易にするため、ロッド中心軸Rは、ロッド6内における中心線に加えてロッド6外の延長線を含むものとし、モータ中心軸Mについても同様である。又、左クランク50及び右クランク52を1つのクランクと捉えた場合、クランクの回転中心Xを左クランク50及び右クランク52の回転中心Xの中間と捉えることができる。
左クランク50が回転して、偏心したコネクティングロッド連結ピン71が回転すると、コネクティングロッド連結ピン71に係る主に前後方向の変位成分がコネクティングロッド56に伝達し、ローラ57がローラガイド58内を前後に往復して、ロッド6が前後に往復動する。尚、コネクティングロッド連結ピン71に係る主に上下方向の変位成分は、ローラ57の移動がローラガイド58により規制されていることもあり、ニードルベアリング70を介したコネクティングロッド連結ピン71に対するコネクティングロッド56の回転によって、ロッド6に対し伝達されずに処理される。
又、左クランク50の回転は、コネクティングロッド連結ピン71により、ピン孔52dを介して右クランク52にそのまま伝わり、右クランク52は左クランク50と共に回転する。
尚、ローラ57は、動力伝達部4の構成要素ではなく、出力部(ロッド6)の構成要素として扱うことができ、ローラガイド58は、動力伝達部4の構成要素ではなく、出力部(ロッド6)あるいは前ハウジング22の構成要素として扱うことができる。
ロッド基部6b外側には、ロッドガイド73が配置されている。ロッドガイド73は、ロッド基部6bを受け入れる、ロッド基部6bと同径の前後方向の孔72aを有している。
ロッドガイド73は、前左ハウジング22aと前右ハウジング22bに対して固定されている。
ロッドガイド73の前部内には、輪状のシールリング74a及びフラットワッシャ74bが入れられている。シールリング74a及びフラットワッシャ74bは、内部に粉塵が入り込まないようにするためのシール部材であって、弾性体であり、輪の孔において、ロッド基部6bに対しその前後動を許容する状態で接触している。フラットワッシャ74bは、前左ハウジング22aや前右ハウジング22bと、シールリング74aの間に配置されており、シールリング74aは、フラットワッシャ74bと、前左ハウジング22aや前右ハウジング22bないしロッドガイド73の間に配置されている。
ロッド6は、ロッドガイド73(並びにシールリング74a及びフラットワッシャ74b)に案内され、前後方向で移動可能である。
ブレードは、ガイドシュー12を通る。ガイドシュー12は、加工物に接触可能なシュープレート77と、シュープレート77と前左ハウジング22aや前右ハウジング22bの間に配置されるシューサポータ78を有する。シューサポータ78は、前左ハウジング22aの前端部と前右ハウジング22bの前端部に挟持される小ブロック78aに螺入されるネジ78bにより、前ハウジング22前端部下側において固定される。シュープレート77は、シューサポータ78の前端部に対し、左右方向の軸79,79を介して取り付けられており、軸79,79の周りで回転可能である。
左カウンタウェイト80は、前後上下に広がる金属製の板状の部材であり、上下に長い楕円状の孔80aと、前部の上下に対して前方に突出する突出部80bを有する。孔80aには、左クランク50の偏心部50bが入っており、偏心部50bの曲面のうち前後の部分には孔80aの前後の内面に接触している。突出部80bは、左カウンタウェイト80が最前方(上死点)に移動しても、ローラガイド58やローラ57に干渉しない位置に配置されている。又、左カウンタウェイト80は、突出部80bを含め、上下方向の中央を通る前後方向の水平線に対して、上下対称となるように配置されている。当該水平線は、モータ中心軸Mと一致する。
又、右カウンタウェイト82は、左カウンタウェイト80と同様に成り、偏心部52bを受け入れる孔82aと、突出部82bを有している。
左カウンタウェイト80は、左クランク50が回転すると、偏心部50bから孔80aに対し力の作用を受け、前後に往復動する。尚、偏心部50bが上下方向において孔80a内を往復移動し、孔80aの上下の内面を押さないので、偏心部50bの回転に係る上下方向の成分は、左カウンタウェイト80には作用しない。
又、右カウンタウェイト82は、右クランク52の回転により、左カウンタウェイト80と同様に前後動する。右クランク52は左クランク50と同様に回転し、偏心部52bは偏心部50bと同位相であるため、右カウンタウェイト82の回転は左カウンタウェイト80の回転と同位相である。
又、右カウンタウェイトガイド86は、左カウンタウェイトガイド84と同様に成り、ガイド基部86aと、ガイドサポート部86b,86b・・と、孔部86cと、ネジ孔部86d,86dを備えている。右カウンタウェイトガイド86は、ネジ88,88・・を介して前右ハウジング22bの凹部22fの周りのネジボス部(図示せず)に固定されている。
左カウンタウェイトガイド84は、左カウンタウェイト80を前後方向に案内してその移動を前後方向に規制し、右カウンタウェイトガイド86は、右カウンタウェイト82を前後方向に案内してその移動を前後方向に規制する。
図6のローラ57(ロッド6)上死点において、ロッド中心軸Rとモータ中心軸Mの関係により、コネクティングロッド56は僅かに前上がりとなる。尚、上死点は、レシプロソー1では前後の移動範囲中で最も前方の点となり、下死点は最も後方の点となる。
従って、ローラ57上死点において、左クランク50の回転中心Xとコネクティングロッド連結ピン71の中心であるコネクティングロッド偏心軸中心Y1を結ぶ線P1は、モータ中心軸Mに対して角度を有している。レシプロソー1において、当該角度は約15°である。尚、線P1は、コネクティングロッド56の中心線と一致する。
そして、偏心部50b(及び偏心部52b)の中心であるカウンタウェイト偏心軸中心Z1と左クランク50の回転中心Xを結ぶ線Q1が、線P1から回転の方向(矢印W)でみて180°以上195°以下の角度をなすようにされている。即ち、偏心部50bは、カウンタウェイト偏心軸中心Z1がコネクティングロッド偏心軸中心Y1から回転方向でみて180°以上195°以下で位相が先行するようにされている。レシプロソー1において、当該角度は187°である。尚、レシプロソー1において、線Q1がモータ中心軸Mに対してなす角度は、8°である。
レシプロソー1では、ロッド中心軸Rとモータ中心軸Mの関係により、カウンタウェイト偏心軸中心Z1がコネクティングロッド偏心軸中心Y1から回転方向でみて180°であっても、ローラ57が上死点に達した場合に左カウンタウェイト84や右カウンタウェイト86は未だ下死点に達しない。又、180°を超えても、195°(180°+ローラ57上死点時のモータ中心軸Mと線P1の角度)以下であれば、ローラ57が上死点に達した場合に左カウンタウェイト84や右カウンタウェイト86は未だ下死点に達しないか、同時に下死点に達することとなる。
図7の場合における左クランク50の回転中心Xとコネクティングロッド偏心軸中心Y2を結ぶ線P2は、モータ中心軸Mに対して角度を有している。レシプロソー1において、当該角度は7°である。尚、上述の195°の場合、当該角度は0°である。
又、カウンタウェイト偏心軸中心Z2と左クランク50の回転中心Xを結ぶ線Q2が、モータ中心軸Mと一致する。
つまり、左カウンタウェイト84や右カウンタウェイト86が下死点となる位相は、ローラ57上死点時の位相から、0°以上15°以下の範囲内の何れかの角度で遅れる。レシプロソー1においては、約8°遅れる。
又、カウンタウェイト偏心軸中心Z3と左クランク50の回転中心Xを結ぶ線Q3が、モータ中心軸Mと角度をなす。レシプロソー1において、当該角度は16°である。
この場合における左クランク50の回転中心Xとコネクティングロッド偏心軸中心Y4を結ぶ線P4は、モータ中心軸Mに対して角度を有している。レシプロソー1において、当該角度は約7°である。
又、カウンタウェイト偏心軸中心Z4と左クランク50の回転中心Xを結ぶ線Q4が、モータ中心軸Mと一致する。
つまり、左カウンタウェイト84や右カウンタウェイト86が上死点となる位相は、ローラ57下死点時の位相から、ローラ57等の配置に応じおよそ8°以上23°以下の範囲内(0°以上15°以下の範囲に8°をプラスしたもの)の何れかの角度で遅れる。レシプロソー1においては、約16°遅れる。
この状態から約半周して、図6の状態に戻り、適宜回転を繰り返す。
作業者は、停止状態のロッド6にブレードを鋸歯が下となるようにセットし、被加工材にガイドシュー12のシュープレート77前部を当てる。そして、蓄電されたバッテリ16,16(少なくとも一方)を取り付けた状態で、ハンドル部26を把持し、スイッチ28をオンにすると、モータ32への給電がなされてモータ軸37が回転し、左クランク50が回転する。左クランク50の回転は、コネクティングロッド連結ピン71を通じて右クランク52に伝わり、右クランク52は左クランク50と同様に回転する。
左クランク50の回転によるコネクティングロッド連結ピン71の移動により、コネクティングロッド56やローラ57を介してロッド6が前後動する。
カウンタウェイト機構8は、左カウンタウェイト80及び右カウンタウェイト82の、ロッド6と対称的な往復動を行う。左カウンタウェイト80,右カウンタウェイト82は、前後動の際、左カウンタウェイトガイド84,右カウンタウェイトガイド86に接触し、それぞれ前後方向に案内される。
左カウンタウェイト80及び右カウンタウェイト82は、互いに同等な重量を有しており、又左右方向においてロッド6(コネクティングロッド56,ローラ57)を中心として対称的に配置されている。従って、1個のカウンタウェイトを設ける場合に比べて、カウンタウェイト全体としての重量ないし防振性を維持しながら、左カウンタウェイト80や右カウンタウェイト82の重量を小さくすることができ、左カウンタウェイト80や右カウンタウェイト82ないしこれらに連結される部材の耐久性を向上することができる。又、左右方向の重量バランスもとることができ、鉛直軸周りの左右の振れ(ヨー)の発生を防止して、レシプロソー1による切削を容易にする。そして、ロッド6やブレード等と略反対方向に前後動することで、バランスを確保して防振性を向上することができる。
更に、左カウンタウェイト80は、ローラガイド58やローラ57に干渉しない状態で上下対称な重量配分とされた突出部80bを有しており、右カウンタウェイト82も同様に突出部82bを有しているので、レシプロソー1の動作を妨げることなく、又余分なスペースの確保を要せずにカウンタウェイトの重量を増加させることができ、振動を更に十分に抑制して円滑な動作を確保しながらレシプロソー1をよりコンパクトにすることができる。
従って、ロッド6が上死点に到達して僅かに後方に移動した時に、カウンタウェイトが下死点となり、ブレードが後方に引かれ始めた段階でカウンタウェイトが最後方となる。かようにロッド6の上死点到達に僅かに遅れてカウンタウェイトが下死点となると、ロッド6やブレードの振動を防止しながら、ブレードに下向き(被加工材への向き)の力が適切にかかり、被加工材にブレードの鋸歯が食い込んで、より切削し易くなる。又、ロッド6の上死点到達と同時にカウンタウェイトが下死点となっても、即ちコネクティングロッド連結ピン71がロッド6を上死点に到達させた時に偏心部50b,52bがカウンタウェイトを下死点に丁度到達させても、振動が防止される。ロッド6の上死点到達より先にカウンタウェイトが下死点となると、後方に移動し始めたブレードに上向きの力がかかり、被加工材の切削が比較的に行い難くなる。他方、カウンタウェイトが下死点となる位相をロッド上死点の位相から遅らせる程、ブレードの鋸歯の食い込みが良くなり、切削抵抗がより大きい被加工材でも切削し易くなるが、遅らせすぎると、ロッド6と対抗的に移動して重量バランスを整えるカウンタウェイトとは言えなくなり、無負荷時等の振動が大きくなる。
又、カウンタウェイトが上死点となる位相は、ローラ57下死点時の位相から16°遅れる。即ち、コネクティングロッド連結ピン71がロッド6を下死点に到達させた時、偏心部50b,52bはカウンタウェイトを上死点に到達させず、上死点の手前の点に到達させる。
従って、上述の場合と同様に、振動を低減しながら、ブレードの鋸歯の被加工材に対する食い込みをより良好にして、加工を行い易くすることができる。
即ち、ローラ57上死点(図6)からローラ57下死点(図8)にかけて、ロッド6やブレードは後方へ引かれるところ、その大半がオーバーラップするカウンタウェイト下死点(図7)からカウンタウェイト上死点(図9)にかけて、左クランク50や右クランク52(クランク)の偏心部50b,52bは、クランクの上半部を弧状に移動する。かような偏心部50b,52bの移動により、ブレードが引かれる際にクランクの重心が上方に移動し、その反作用でレシプロソー1(クランク以外の部分)が下方に力を受けて、ブレードを被加工材に食い込ませることができる。
ブレードは、鋸歯を下向きにして装着され、即ちクランクの回転中心X(あるいはモータ中心軸M)からみてロッド中心軸Rの有る側(上下方向における上側)と反対側に鋸歯が向くように装着される。クランクの偏心部50b,52bは、カウンタウェイト下死点(図7)からカウンタウェイト上死点(図9)にかけて、クランクの回転中心Xからみてロッド中心軸Rが有る側(上側)へクランクの重心が移動するように回転移動される。
又、ローラ57下死点(図8)からローラ57上死点(図6)にかけて、ロッド6やブレードは前方へ押されるところ、その大半がオーバーラップするカウンタウェイト上死点(図9)からカウンタウェイト下死点(図7)にかけて、クランクの偏心部50b,52bは、クランクの下半部を弧状に移動する。よって、ブレードが押される際に、ブレードに対して被加工材から離れる方向の比較的に小さい力を作用させることができ、ブレードを被加工材へスムーズに通すことができる。
更に、クランクの偏心部50b,52bの移動も、ローラ57上死点(図6)に僅かに遅れてクランクの上半部を移動し始め(図7)、ローラ57下死点(図8)に僅かに遅れて上半部を移動し終える(図9)ことから、カウンタウェイトと同様にしてブレードの被加工材に対する食い込みに寄与することができる。
そして、上述のカウンタウェイトによる振動抑止ないしブレード食い込みの観点や、クランク(バランサ)による振動抑止ないしブレード食い込みの観点から、好適には、カウンタウェイト偏心軸中心Z1〜Z4をコネクティングロッド偏心軸中心Y1〜Y4に対して180°以上195°以下の範囲内の角度を持つ位置にする。
作業者がスイッチ28をオフにすると、モータ32のモータ軸37が停止して、各種の前後動が停止する。
又、左カウンタウェイト80及び右カウンタウェイト82が、ロッド中心軸Rを挟むように複数設けられている。よって、カウンタウェイトの重量バランスを一層良好にすることができ、カウンタウェイトやその周辺部材の耐久性を向上することができるし、レシプロソー1の振動を更に効果的に抑制することができる。
更に、偏心部50b,52bは、左カウンタウェイト80及び右カウンタウェイト82が下死点から上死点に移動する場合、左クランク50及び右クランク52の回転中心Xからみてロッド中心軸Rがある側(上下方向における上側)へ、左カウンタウェイト80及び右カウンタウェイト82の重心が移動するように(カウンタウェイトの上半部を移動するように)回転移動される。よって、カウンタウェイトの前後動を行いながら、振動バランスを更に整えてより操作し易いレシプロソー1とすることができる。
右クランクに歯を形成して左クランクと接続しても良いし、双方のクランクに歯を形成しても良いし、双方のクランクに噛み合う歯車や歯車群によって双方のクランクを接続しても良い。
ハンドル部を左右方向としても良い。
往復動変換部において、ギヤの形式を変更しても良いし、ギヤの数を変更しても良い。
カウンタウェイト機構において、カウンタウェイトを1個あるいは2個以上として良い。
カウンタウェイトの形状を全体的にブロック状とし、カウンタウェイトガイドのガイド面形状をその外面に対応するものとする等、各種部材の形状を変更することができる。又、1個のカウンタウェイトに対して2個のカウンタウェイトガイドを設けたり、モータハウジングを左右の半割にしたり、前ハウジングを一体にしたりする等、各種部材の個数や配置等を変更することもできる。更に、ネジ止めによる固定に代えて、爪部と係止部による固定とする等、各種の部材について同機能を有する別の構成の部材に変更することもできる。
ブレードにつき、鋸歯以外の刃を有するものとして良い。又、ブレード以外の先端工具を採用することができる。
バッテリによる給電に代えて、電源コードによる給電として良い。
本発明は、レシプロソー以外の往復動切断工具あるいは往復動工具に適用することができるし、電動工具に適用することもできる。
そこで、本発明は、往復動する出力部を有しながら、振動を抑制することが可能であり、被加工材を容易に加工することができる往復動工具を提供することを主な目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、モータと、前後方向及び上下方向に広がる円盤状であり、前記モータにより左右方向の軸周りで回転され、それぞれ左右方向に突出する第1偏心部及び第2偏心部を有するクランクと、前記クランクの前記第1偏心部に接続されるコネクティングロッドと、前記コネクティングロッドに連結され、前後方向に延びるロッドと、被加工材に作用する作用部を有しており前記ロッドに装着される先端工具と、前記クランクの前記第2偏心部に接続され、前記クランクの回転により、前後方向に移動するカウンタウェイトと、を備えており、前記第1偏心部は、前記クランクの回転により、前記コネクティングロッドを介して前記ロッドを前後方向に移動させ、前記第1偏心部及び前記第2偏心部は、前記第1偏心部が前記ロッドを上死点に到達させる位置において、前記第2偏心部が下死点又は下死点の手前の点に到達する位置となり、且つ、前記第1偏心部が前記ロッドを下死点に到達させる位置において、前記第2偏心部が上死点の手前の点に到達する位置となるように配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明にあって、前記第1偏心部は、円柱状の連結ピンであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明にあって、前記第2偏心部は、円盤状に突出していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記発明にあって、前記ロッドの中心線の延長線外に、前記クランクの回転中心が配置されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、上記発明にあって、前記先端工具は、作用部が下方に向くように装着されることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、上記発明にあって、前記カウンタウェイトが、前記ロッドの中心軸を挟むように複数設けられていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、上記発明にあって、前記第2偏心部は、前記カウンタウェイトが下死点から上死点に移動する場合、前記クランクの回転中心からみて前記ロッドの中心軸又はその延長線が有る側へ前記カウンタウェイトの重心が移動するように回転移動されることを特徴とするものである。
Claims (3)
- モータと、
前記モータにより回転されるクランクと、
前記クランクの第1偏心軸に接続されるコネクティングロッドと、
前記コネクティングロッドに接続されるロッドと、
被加工材に作用する作用部を有しており前記ロッドに装着される先端工具と、
前記クランクの第2偏心軸に接続されるカウンタウェイトと、
を備えており、
前記ロッドの中心軸の延長線外に前記クランクの回転中心が配置されており、
前記先端工具は、前記クランクの回転中心からみて前記ロッドの中心軸又はその延長線が有る側と反対側に前記作用部が位置するように装着されるものであり、
前記第1偏心軸及び前記第2偏心軸は、
前記第1偏心軸が前記ロッドを上死点に到達させる位置において、前記第2偏心軸が前記カウンタウェイトを下死点又は下死点の手前の点に到達させる位置となり、
且つ、前記第1偏心軸が前記ロッドを下死点に到達させる位置において、前記第2偏心軸が前記カウンタウェイトを上死点の手前の点に到達させる位置となる
ように配置されている
ことを特徴とする往復動工具。 - 前記カウンタウェイトが、前記ロッドの中心軸を挟むように複数設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の往復動工具。 - 前記第2偏心軸は、前記カウンタウェイトが下死点から上死点に移動する場合、前記クランクの回転中心からみて前記ロッドの中心軸又はその延長線が有る側へ前記カウンタウェイトの重心が移動するように回転移動される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の往復動工具。
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