JP2014067759A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のリアクトルに比べて、リアクトルの少なくとも一部の高さを低くできるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、一対のコイル素子2a、2bを有するコイル2と磁性コア3との組合体を備える。コイル素子2a、2bはそれぞれ、被覆平角線からなる巻線をエッジワイズ巻きしてなるターン形成部2tと、平角線の端部で端子金具4の接続箇所となる接続端部2cとを備える。接続端部2cは、ターン形成部2tの一端側から外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に平角線の幅方向がコイル素子2a,2bの横並び方向と平行となるように平角線をフラットワイズ曲げして引き出される。接続端部2cに端子金具4を接続した際、接続端部2c、端子金具4、及び接続端部2cと端子金具4とが接続されてなる端子接続部が、ターン形成部2tの上面2uよりも下側に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、リアクトルを備えるコンバータ、コンバータを備える電力変換装置に関するものである。特に、高さの低いリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。そのリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。特許文献1のリアクトルは、一対のコイル素子を有するコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを有する組合体を備える。この磁性コアは、各コイル素子内にそれぞれ配置される一対の内側コア部と、これら内側コア部を連結する一対の外側コア部とを有する。ここでは、外側コア部の上面の位置が内側コア部の上面の位置よりも高く、外側コア部の幅がコイルの幅と同等である(特許文献1の図3〜5)。そして、コイルの端子が接続される接続端部を、コイルのターン形成部からリアクトルの上方に引き出している。
特開2011−119664号公報
リアクトルの周囲、特に設置側との反対側(通常は上方)には、他の機器や部品が配置されることが多く、それらの配置用のスペースを確保する必要がある。しかし、コイルの接続端部がリアクトルの上部側に引き出されるため、リアクトルの高さが高くなることで配置用スペースの確保が難しくなる場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、従来のリアクトルに比べて、リアクトルの少なくとも一部の高さを低くできるリアクトルを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記リアクトルを備えるコンバータ、このコンバータを備える電力変換装置を提供することにある。
本発明のリアクトルは、巻線を巻回した一対のコイル素子を接続してなるコイルと磁性コアとの組合体を備える。磁性コアは、コイル素子内に配置される内側コア部と、内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部とを有する。この組合体を設置対象に設置した際、組合体及び組合体の各構成部材の設置対象側を設置側、その反対側を対向側とする。外側コア部の上記対向側の面が、内側コア部の上記対向側の面と面一である。コイル素子はそれぞれ、平角線からなる巻線をエッジワイズ巻きしてなるターン形成部と、平角線の端部で端子金具の接続箇所となる接続端部とを備える。接続端部は、ターン形成部の一端側から外側コア部の上記対向側の面と前記ターン形成部の上記対向側の面との間に平角線の幅方向がコイル素子の横並び方向と平行となるように平角線をフラットワイズ曲げして引き出される。そして、接続端部に端子金具を接続した際、接続端部、端子金具、及び接続端部と端子金具とが接続されてなる端子接続部が、前記ターン形成部の上記対向側の面よりも上記設置側に位置する。ここで、内側コア部がコイル素子内に配置されているとは、内側コア部の一部がコイル素子から露出されている場合も含む。
本発明のリアクトルは、少なくとも端子金具側の高さを低くできる。ターン形成部をエッジワイズ巻きし、接続端部を上記のようにフラットワイズ曲げすることで、外側コア部の上記対向側の面と、内側コア部の上記対向側の面とが面一であっても、接続端部を外側コア部の上記対向側の面とターン形成部の上記対向側の面との間に配置できる。加えて、これらの面同士の間に、端子金具の配置スペースをも確保し易い。そのため、接続端部に端子金具を接続しても、端子金具、及び接続端部と端子金具とが接続されてなる端子接続部も外側コア部の上記対向側の面とターン形成部の上記対向側の面との間に配置できるからである。従来のように、ターン形成部よりも対向側にコイルの接続端部を突出させる必要がなくなるからである。
本発明のリアクトルの一形態として、コイル素子は独立した2つの巻線をそれぞれ巻回してなることが挙げられる。この場合、コイル素子は、ターン形成部の他端側から外側コア部の上記対向側の面と前記ターン形成部の上記対向側の面との間に前記平角線の端部を引き出してコイル素子同士の連結箇所とする連結端部を備える。更に、一対のコイル素子とは独立した部材で構成され、連結端部同士を連結するコイル連結部材を備える。そして、コイル連結部材及び連結端部は、ターン形成部の上記対向側の面よりも上記設置側に位置する。
上記の構成によれば、コイル連結部材及び連結端部をターン形成部の前記対向側面よりも前記設置側に位置させるため、リアクトルの端子金具側だけでなくその反対側もリアクトルの高さを低くできる。
本発明のリアクトルの一形態として、更に、外側コア部を上記設置側に押さえることで組合体を設置対象に固定する固定部材を備えることが挙げられる。その場合、固定部材のうち、外側コア部の上記対向側の面を押さえる押付部が、ターン形成部の上記対向側の面よりも上記設置側に位置することが好ましい。
上記の構成によれば、固定部材を備えることで、リアクトルを設置対象に固定できる。そして、上記押付部がターン形成部の上記対向側の面よりも上記設置側に位置することで、ターン形成部の上記対向側の面よりも突出しないため、リアクトルの高さを低くできる。
本発明のリアクトルの一形態として、更に、組合体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、機械的な保護や外部環境からの保護(耐食性の向上)に加えて、放熱性の向上、騒音の更なる低減、振動の更なる低減などを図ることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、更に、組合体を収納するコンバータケースを備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、コンバータケースに組合体を収納することで、その組合体を組合体以外の部材、例えば、半導体素子を備える回路基板などと一纏めにすることができ、扱い易く組み立て作業性に優れる。
本発明のリアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、上記本発明のリアクトルを備える。
本発明のコンバータは、高さの低い本発明のリアクトルを備えることで、小型化を図ることができる。
本発明のコンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、上記本発明のコンバータを備える。
本発明のコンバータを備える本発明の電力変換装置も小型化を図ることができる。
本発明のリアクトルは、従来のリアクトルに比べて高さが低い。
本発明のコンバータ、及び本発明の電力変換装置は、従来のそれらに比べて小型化を図ることができる。
実施形態1のリアクトルを示す概略斜視図である。 図1に示すリアクトルの(II)−(II)断面図である。 実施形態1のリアクトルの概略を示す分解斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを備える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔リアクトル〕
図1〜3を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。ここでは、リアクトル1の設置対象側を設置側(下側)、その反対側を対向側(上側)とする。リアクトル1は、一対のコイル素子2a、2bを有するコイル2と磁性コア3との組合体10を備える。コイル素子2a、2bは、ターン形成部2tと接続端部2cと連結端部2jとで構成する。このリアクトル1の主たる特徴とするところは、ターン形成部2tを平角線からなる巻線2wをエッジワイズ巻きして構成する点と、接続端部2cを特定の向きとなるようにフラットワイズ曲げしてターン形成部2tから外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に引き出す点とにある。本例では、組合体10を設置対象に設置した際、磁性コア3を構成する内側コア部31及び外側コア部32のそれぞれの上面31u,32uが面一である。以下、リアクトル1の特徴部分及び関連する部分の構成、並びに主要な効果を順に説明し、その後、各構成を詳細に説明する。その説明にあたり、リアクトル1の上下方向を高さ、コイル素子2a、2bの横並び方向を幅として説明する。
[特徴部分及び関連する部分の構成]
(コイル)
コイル2は、独立した2つの巻線2wをそれぞれ螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子2a、2bと、両コイル素子2a、2bとは独立した部材で、両コイル2a、2b同士を連結するコイル連結部材2rとを備える。ここでは、各コイル素子2a、2bは、互いに同一の巻数の中空の筒状体であり、各軸方向が平行するように並列(横並び)されている。各コイル素子2a、2bの端面形状(図3)は、長方形の角部を丸めた形状であるが、円形状など適宜変更できる。なお、接合部の無い1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子と、両コイル素子を連結するコイル連結部とを備え、コイル連結部がコイルの一端側において巻線の一部がU字状に屈曲されて構成されるコイルとすることもできる。この場合もU字状の屈曲箇所はターン形成部の上面から上方に突出しないようにすることが好ましい。
各コイル素子2a、2bのターン形成部2tは、被覆平角線からなる巻線2wをエッジワイズ巻きして構成される。接続端部2cは、ターン形成部2tの一端側から引き出されて端子金具4が接続され、連結端部2jは、ターン形成部2tの他端側から引き出されてコイル連結部材2rが連結される。
接続端部2cの引き出す位置は、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間とする。この間において、接続端部2cの最上面をターン形成部2tの上面2uと面一としてもよいし、接続端部2cの最上面をターン形成部2tの上面2uよりも低くしてもよい。前者の場合、従来のようにターン形成部の上方に接続端部を引き出す場合に比べて、リアクトル1の高さを低くできる。特に、後者の場合は、端子金具4をもターン形成部2tの上面2uよりも低くし易いため、接続端部2c側のリアクトル1の高さをより一層低くできる。
一方、連結端部2jの引き出す位置は、接続端部2cと同様、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間とすることが好ましい。この間において、接続端部2cと同様に連結端部2jの最上面をターン形成部2tの上面2uと面一としてもよいし、連結端部2jの最上面をターン形成部2tの上面2uよりも低くしてもよい。特に、後者の場合、コイル連結部材2rをターン形成部2tの上面2uよりも低くし易いため、接続端部2c側だけでなく、連結端部2j側の高さも低くできて好ましい。
接続端部2cの引き出し方は、上述したように被覆平角線の幅方向がコイル素子2a,2bの横並び方向に平行となるように被覆平角線をフラットワイズ曲げする仕方である。そうすれば、上述のように外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一でも、接続端部2cを外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に配置できる。その上、これら面同士の間に、端子金具4の配置スペースをも確保し易いため、端子金具4の位置をもターン形成部2tの上面2uよりも低くし易い。
一方、連結端部2jの引き出し方は、組合体10の上面側でコイル2の軸方向に沿うと共に、被覆平角線の幅方向がリアクトル1の高さ方向に沿うように被覆平角線をフラットワイズ曲げする仕方でもよいし、接続端部2cの引き出し方と同様に、組合体10の上面側でコイル2の軸方向に沿うと共に、被覆平角線の幅方向がコイル素子2a,2bの横並び方向に平行となるように被覆平角線をフラットワイズ曲げによる仕方としてもよい。特に、後者の場合は、上述のように外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一でも、コイル連結部材2rの配置スペースを確保し易く、コイル連結部材2rの位置をもターン形成部2tの上面2uよりも低くし易い。
被覆平角線は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える。平角線は、占積率が高い、端子金具4との接触面積を広く確保し易い、といった利点がある。被覆平角線を、銅導体にエナメル(代表的にはポリアミドイミド)被覆して構成している。なお、平角線とは、横断面形状が厳密な長方形の他、長方形の角部をカットした多角形状や長方形の角部が丸めた形状(例えば、楕円形状)も含む。
平角線のサイズは、適宜選択できる。例えば、平角線の厚さに対する幅の比(幅/厚さ)は、大きいほど好ましい。接続端部2c及び連結端部2jを上述のようにフラットワイズ曲げして引き出すため、この比(幅/厚さ)が大きいほど、接続端部2c及び連結端部2jの上面の位置をターン形成部2tの上面2uよりも低くし易い上に、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に端子金具4やコイル連結部材2rの配置スペースを確保し易くなるからである。具体的な上記比(幅/厚さ)は、1.5以上とすることが好ましい。但し、上記比(幅/厚さ)が大きすぎるとターン形成部2tをエッジワイズ巻きにより構成することが困難になるため、上記比(幅/厚さ)の上限は6とすることが好ましい。平角線の幅は、具体的には、3mm以上5mm以下とすることが好ましい。
コイル連結部材2rは、ここでは平角棒材で構成している。コイル連結部材2rの厚さは、巻線2wの厚さと同等以下とすることが好ましい。そうすれば、コイル連結部材2rを外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に配置し易く、コイル連結部材2rの上面をターン形成部2tの上面2uの位置よりも低くできる。ここでは、この平角棒材の厚さ及び幅を巻線2wと略同様の厚さ及び幅としている。平角棒材の両端部は、両コイル素子2a、2bの連結端部2j同士と接続される接続箇所であり、連結端部2jの外周の略全周を覆うようにU字状に屈曲して形成されている(図3)。
このコイル連結部材2rの最上面の位置は、ターン形成部2tの上面2uと面一とすることが好ましく、ターン形成部2tの上面2uよりも低くすることが特に好ましい。そうすれば、コイル連結部材2rの最上面がターン形成部2tの上面2uよりも突出しないので、コイル連結部2r側のリアクトル1の高さを低くできる。ここでは、コイル連結部材2rの最上面の位置(連結端部2jとの接続箇所)は、上面2uよりも低くしている(図2)。外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一でも、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間にコイル連結部材2rの配置スペースを確保できる。ターン形成部2tをエッジワイズ巻きして構成することに加えて、連結端部2jを上述のようにフラットワイズ曲げして引き出しているためである。
コイル連結部材2rの材質は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体や、これら導体にメッキ処理(例えば、Snメッキ)したメッキ導体などを利用できる。
各コイル素子2a,2bの連結端部2jとコイル連結部材2rとの接続には、ヒュージング(熱カシメ)、TIG溶接などの溶接、はんだ付け、ろう付け、カシメなど種々の手段が利用できる。特に、ヒュージングは、溶接やはんだ付けに比べて巻線2wに対する熱影響を少なくできる。
(端子金具)
リアクトル1は、コイル2の各接続端部2cに接続され、電源などの外部装置からコイル2への電力供給を行う端子金具4を備える。
ここでは、端子金具4は、平板状の金属片を屈曲して構成した金具で、その一端側にコイル側接続片41、他端側にリード側接続片を備える。コイル側接続片41は、コイル素子2a、2bの接続端部2cと接続される。リード側接続片には、貫通孔42hが設けられている。貫通孔42hは、電源などの外部装置につながるリード線を端子金具4に接続するためのボルトといった連結部材が嵌め込まれる。端子金具4の形状は、具体的には、図2に示すように、縦断面形状が階段状であり、接続片41からリード側接続片に向かって、平板を途中からリアクトル1の下面側に向かうように屈曲させ、更にリード側接続片側でリアクトル1の下面と平行となるように屈曲してなる。
端子金具4の厚さは、巻線2wの厚さと同等以下とすることが好ましい。そうすれば、端子金具4を外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に配置し易く、端子金具4の上面をターン形成部2tの上面2uの位置よりも低くし易い。ここでは、端子金具4の厚さは、巻線2wと略同様の厚さとしている。
端子金具4の最上面の位置は、ターン形成部2tの上面2uと面一とすることが好ましく、ターン形成部2tの上面2uよりも低くすることが特に好ましい。そうすれば、リアクトル1の高さを低くできる。ここでは、ターン形成部2tの上面2uの位置よりも低くしている(図2)。外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一でも、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に端子金具4の配置スペースを確保でき、端子金具4と接続端部2cとの接続箇所である端子接続部もこれら両面32u,2uの間に配置できる。ターン形成部2tをエッジワイズ巻きして構成することに加えて、接続端部2cを上述のようにフラットワイズ曲げにより引き出したためである
接続片41の形状は、上述した接続端部2cとの接続方法により接続できる形状であれば適宜選択できる。ここでは、接続片41の形状は、U字状である。このU字状の空間に接続端部2cを介在させた状態で、例えば、上述した各コイル素子2a、2bとコイル連結部材2rとの接続と同様の手段を利用して接続片41と接続端部2cとを接続できる。
端子金具4の構成材料は、外部装置からコイル2に電力を供給できるように導電性材料が挙げられる。例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。
なお、端子金具4の形状は、例示であり、端子金具4の全体がターン形成部2tの上面2uの位置よりも低くなる形状であれば適宜変更することができる。
(磁性コア)
外側コア部32の幅、つまり、外側コア部32におけるコイル素子2a、2bが並列する方向の距離は、コイル2の幅と同等とすることができる。本発明では、ターン形成部2tをエッジワイズ巻きして構成することに加えて接続端部2c及び連結端部2jを上述のようにフラットワイズ曲げして引き出している。それにより、このように外側コア部32の幅とコイル2の幅とが同等であっても、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間でコイル2の接続端部2c及び連結端部2jを配置する(引き出す)スペースを確保できる。そのため、リアクトル1の幅が大きくなることなくリアクトル1の高さを低くできるからである。上述したように従来のリアクトルであれば、外側コア部の幅をコイルの幅と同等とする場合にコイルの接続端部を引き出そうとすれば、ターン形成部の上方から引き出すか、組合体を平面視した際の組合体の輪郭の外側(組合体の幅方向外側)に引き出す必要がある。しかし、前者の場合、接続端部をターン形成部の上面よりも上方に引き出しているため、リアクトルの高さが高くなる。一方、後者の場合、リアクトルの幅が大きくなる。
〔リアクトルの特徴部分における作用効果〕
上記の構成を備えるリアクトル1によれば、外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一でも、外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に、コイル2の接続端部2cや連結端部2j、及びこれらに接続される端子金具4やコイル連結部材2rの配置スペースを確保できる。ターン形成部2tをエッジワイズ巻きして構成することに加えて接続端部2c及び連結端部2jを上述のようにフラットワイズ曲げして引き出しているためである。そのため、接続端部2c、連結端部2j、端子金具4、及びコイル連結部材2rのいずれをも外側コア部32の上面32uとターン形成部2tの上面2uとの間に配置できる。従って、従来のようにターン形成部2tの上面2uよりも上方にコイル2の接続端部2cや連結端部2jを突出させる必要がなくなるため、リアクトル1の高さを低くできる。また、外側コア部32の上面32uと内側コア部31の上面31uとが面一なので、従来に比べて外側コア部32と内側コア部31との接合箇所における磁路面積を減少することなく十分に確保できる。
[各構成の説明]
(磁性コア)
磁性コア3は、各コイル素子2a、2b内にそれぞれ配置される一対の内側コア部31を挟むように両外側コア部32が配置され、各内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
内側コア部31(コア片31m・ギャップ材31g)の形状、外側コア部32の形状は適宜選択することができる。外側コア部32の形状として、例えば、上面32u・下面32dがドーム状(内端面32eから外方に向かって断面積が小さくなる変形台形状)の柱状体や、内端面32eから外方に向かって断面積が一定である角柱状体とすること挙げられる。ここでは、各内側コア部31はそれぞれ、各コイル素子2a,2bの内周形状に沿った外形を有する柱状体(ここでは、直方体の角部を丸めた形状)であり、各外側コア部32はそれぞれ、角柱状体である。例えば、自動車に搭載されるリアクトルにおいて、内側コア部31の高さは、20mm〜40mmである。しかし、リアクトルの用途や必要とされる性能に応じて、20mmよりも小さくする場合や40mmよりも大きくする場合もある。
内側コア部31の軸方向の長さは、コイル素子2a、2bの軸方向の長さよりも長くてもよい。即ち、内側コア部31の端面及びその近傍がコイル素子2a、2bの端面から突出して露出されていてもよい。
外側コア部32の下面32dは、コイル2の下面2dと面一になるように、外側コア部32の大きさを調整している(図2)。そのため、磁性コア3を環状に形成した場合、外側コア部32の下面32dは内側コア部31の下面31dよりも突出している。また、組合体10の下面は、主として、二つの外側コア部32の下面32dと、コイル2の下面2dとで構成される。
磁性コア3のうち内側コア部31は、軟磁性材料からなる複数のコア片31mと、コア片31mよりも比透磁率が小さい材料からなるギャップ材31gとが交互に積層配置された積層体であり、外側コア部32は、磁性材料からなるコア片である。コア片31mとギャップ材31gとの一体化には、特に接着剤を利用すると扱い易い上に、コア片31mが磁歪によって振動する材質で構成され、ギャップ材31gがアルミナのような剛性の高い材質で構成された場合でも、コア片31mとギャップ材31gとの接触・非接触に伴う騒音を低減できると期待される。その他、コア片31mとギャップ材31gとの一体化に接着テープなどを利用することもできる。ここでは、コア片31mとギャップ材31gとを接着剤によって一体化している。
内側コア部31や外側コア部32を構成するコア片は、鉄などの鉄族金属やその合金、鉄を含む酸化物などに代表される軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、ケイ素鋼板に代表される電磁鋼板)を複数積層した積層体が挙げられる。上記成形体は、圧粉成形体、焼結体、軟磁性粉末と樹脂とを含む混合体を射出成形や注型成形などした複合材料などが挙げられる。ここでは、各コア片はいずれも同一の複合材料としている。複合材料は、磁性粉末の含有量:40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度:0.6T以上、比透磁率:5以上50以下、好ましくは10以上30以下、更に好ましくは20以上30以下、とすることが挙げられる。この場合、比透磁率が比較的低いため、ギャップ材31gを省略することもできる。磁性コア全体の比透磁率(ギャップ材を含む場合はギャップ材も含めた全体の比透磁率)は5以上50以下とすることが好ましい。このように、磁性コア3を構成する全てのコア片が同一の複合材料で構成されているが、各コア片はいずれも、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性金属粉末の圧粉成形体とすることもできる。
ギャップ材31gの具体的な材料は、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などの非磁性材料と磁性材料(磁性材料の例は、鉄粉などの軟磁性粉末)とを含む混合物などが挙げられる。ギャップ材31gを上記混合物で構成する場合は、ギャップ材31gの比透磁率を1.05以上2以下とすることが好ましい。ここでは、ギャップ材31gは、PPS樹脂と鉄粉とを含む混合物(比透磁率:1.15程度)から構成されるものとしている。
また、内側コア部31と外側コア部32とで磁気特性を異ならせることができる。例えば、(1)全てのコア片が複合材料から構成され、内側コア部31のコア片31mと外側コア部32とで磁性粉末の材質や割合が異なる形態、(2)全てのコア片が圧粉成形体であり、内側コア部31のコア片31mと外側コア部32とで材質が異なる形態、(3)内側コア部31のコア片31mを複合材料、外側コア部32を圧粉成形体や積層板体とする形態、などの形態とすることにより内側コア部31と外側コア部32とで磁気特性を異ならせることができる。内側コア部31のコア片31mの飽和磁束密度>外側コア部の飽和磁束密度とすると、内側コア部31における磁束を通過させる箇所の面積を小さくし易く、リアクトルの小型化を図ることができる。内側コア部31のコア片31mの比透磁率<外側コア部32の比透磁率とすると、外側コア部32の比透磁率が相対的に高いことで、外側コア部32での漏れ磁束を低減し易い。
上記(1)の形態では、内側コア部31のコア片31m及び外側コア部32を構成する複合材料はいずれも、磁性体粉末の含有量:40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度:0.6T以上、比透磁率:5以上50以下、好ましくは10以上30以下、更に好ましくは20以上30以下、磁性コア全体の比透磁率(ギャップ材を含む場合はギャップ材も含めた全体の比透磁率):5以上50以下を満たすものが挙げられる。磁性体粉末の材質や含有量を調整することで、例えば、(a)内側コア部の飽和磁束密度が高く、外側コア部の比透磁率が低い形態、(b)内側コア部の比透磁率が低く、外側コア部の比透磁率が高い形態、(c)内側コア部と外側コア部との双方の飽和磁束密度や比透磁率が同じ形態などとすることができる。上記(a)の形態は、上述のようにリアクトルの小型化を図れ、上記(b)の形態は、外側コア部32での漏れ磁束を低減し易い。上記(c)の形態は、原料を準備し易く、コア片の製造性に優れる。
(インシュレータ)
リアクトル1は、更に、コイル2と磁性コア3との間に、両者の絶縁性と位置決めの確実性を高めるためのインシュレータ5を備えることが好ましい。
ここでは、インシュレータ5は、各コイル素子2a、2bのそれぞれに、各コイル素子2a、2bの軸方向に分割可能な一対の分割片50a、50bを組み合わせてなる(図3)。各分割片50a、50bは、内側コア部31を収納する周壁部51と、コイル素子2a(2b)の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される枠板部52とを備える。そして、ここでは、枠板部52と周壁部51とが一体に連結されて構成されている。
周壁部51は、コイル素子2a(2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間に介在され、コイル素子2a(2b)と内側コア部31との間を絶縁する。周壁部51は、内側コア部31の角部及びその周辺が露出するように、内側コア部31の各面に沿って配置される複数(ここでは4つ)の板状体で構成している。そうすれば、例えば、後述する外側樹脂部7を備える形態では、内側コア部31と外側樹脂部7との接触面積を増大できる上に、外側樹脂部7の充填時に脱気し易く、製造性に優れる。この板状体の外周面はコイル2の内周面に沿って形成されている。
この板状体のコイル2の軸方向に沿った長さは、分割片50a、50bをコイル2に組み合わせた際、コイル2と内側コア部31との間の絶縁が確保できればよく、適宜選択できる。ここでは、分割片50a、50bをコイル素子2a(2b)に組み合わせた際に、内側コア部31の軸方向の略全長に亘る長さであることが挙げられ、各分割片50a、50bの各板状体の長さは、内側コア部31の軸方向の略半分の長さである。
なお、周壁部51は、内側コア部31の各角部に配置される複数の板状体で構成してもよいし、内側コア部31の外周面の周方向全周を覆う筒状体で構成してもよい。後者の場合、この筒状体の外周面はコイル2の内周面に沿って形成し、筒状体の内周面は内側コア部31の外周面に凡そ沿って形成する。
各枠板部52は、コイル素子2a(2b)の端面、及び内側コア部31の端面31eと外側コア部32の内端面32eとの間に介在され、コイル素子2a(2b)と外側コア部32との間を絶縁すると共に、内側コア部31と外側コア部32との間でギャップとして機能する。枠板部52はそれぞれ、矩形状の平板で構成される。
インシュレータ5の構成樹脂は、PPS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。ここでは、PPS樹脂を用いている。
(固定部材)
リアクトル1は、更に、外側コア部32を設置側に押さえることで組合体10を設置対象に固定する固定部材6を備えることが好ましい。
ここでは、固定部材6は、細板を適宜屈曲して形成される部材である。この固定部材6は、設置対象に固定される固定部6fを有する一対の脚部6lと、両脚部6lの間を連結し、外側コア部32の上面32uに載置されて、外側コア部32を設置対象側に押さえ付ける押付部6vとを備える。
固定部6fは、各脚部6lを外側に折り曲げた先端に構成され、固定部材6を設置対象に固定するためのボルト6bが挿通される挿通孔6hを備える。この挿通孔6hにボルト6bを挿通して設置対象にねじ止めして組合体10を設置対象に固定する。
押付部6vの配置箇所は、外側コア部32の上面32uにおいて、接続端部2c(連結端部2j)の真下の位置としてもよいし、接続端部2c(連結端部2j)の真下からコイル2の軸方向にずれた位置としてもよい。特に、後者の場合、接続端部2c(連結端部2j)と外側コア部32との間に押付部6vを配置するスペースを確保しなくてもよいため、接続端部2c(連結端部2j)を外側コア部32の上面32u側に近接させ易く、端子金具4やコイル連結部材2rの配置スペースを確保し易い。
更に、固定部材6は、組合体10を設置対象に押し付けるだけでなく、コイル2の軸方向の動き(振動)を制限するための突起6pを備えることが好ましい。ここでは、突起6pは、押付部6vと脚部6lに、外側コア部32の外端面32oに沿うように複数設けられている。
固定部材6の材質は、例えば、SUS304が挙げられる。
(外側樹脂部)
リアクトル1は、更に、組合体10の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部7を備えることが好ましい。外側樹脂部7は、振動の緩和、組合体10の機械的な保護や外部環境からの保護(耐食性の向上)に加えて、放熱性の向上、騒音の更なる低減、振動の更なる低減などを図ることができる。その上、固定部材6を組合体10と一体に固定できる。
外側樹脂部7の被覆領域は、適宜選択できるが、例えば、組合体10の下面(コイル2の下面2dと外側コア部32の下面32d)が露出するように、この下面を除いた領域としてもよいし、組合体10の全周としてもよい。前者の場合、外側樹脂部7から露出した組合体10の下面を、例えば熱伝導性に優れるシートなどに接触させたりすることで放熱性を高められる。後者の場合、磁性コア3の磁歪に伴う振動を緩和し易く、騒音を低減し易い。ここでは、端子金具4の貫通孔42h及び固定部材6の固定部6fを除いて組合体10の全周を外側樹脂部7で覆う。
外側樹脂部7の構成樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。更に、絶縁性や放熱性に優れるフィラーを含有すると、放熱性(熱伝導性)や絶縁性を高められる。外側樹脂部7を備える場合、材質や厚さを調整することでも(例えば、磁歪による振動などを吸収可能な弾性を有するものを利用したり、磁歪による振動などを吸収可能な厚さにしたり)、騒音を効果的に低減できると期待される。
(ケース)
リアクトル1は、更に、組合体10と固定部材6と外側樹脂部7との組物100を収納するコンバータケース8を備えることが好ましい。この場合、コンバータケース8が組合体10の設置対象である。コンバータケース8は、組合体10の他、半導体素子を備える回路基板(図示せず)などが収納される。
コンバータケース8の形状は、有底の箱形状である。このコンバータケース8の底面に、雌ねじ加工が施された4つの突起81を備える。この突起81は、固定部材6のボルト6bをねじ止めして組物100をコンバータケース8に固定するためのものである。
コンバータケース8の材質には、放熱性に優れる材料や磁気シールド特性に優れる材料が好適に利用できる。代表的な材質としては、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などの金属が挙げられる。特に、アルミニウムやマグネシウム、これらの合金は、軽量である上に、シールド機能を期待できる。また、アルミニウムやその合金は放熱性にも優れる。
(防振部材)
リアクトル1は、更に、組物100とコンバータケース8との間にリアクトル1の振動を緩和・吸収するための防振部材9を備えることが好ましい(図1、2)。
防振部材9の形状(面積)は、少なくとも組合体10の下面、即ち、一対の外側コア部32の下面32dとコイル2の下面2dとがつくる輪郭形状に沿った形状(大きさ)であることが好ましい。そうすれば、リアクトル1の振動を効果的に緩和・吸収できる。ここでは、防振部材9の形状は、外側樹脂部7の下面の輪郭形状に沿った形状としている(図1)。
防振部材9の厚さは、厚いほど振動吸収性に優れ、薄いほどコンバータケース8を介した放熱性を高められる傾向にある。具体的な厚さは、構成材料にもよるが、例えば、0.5mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。
防振部材9の構成材料は、振動吸収性に優れる材料、例えば、ゴムなどが挙げられる。防振部材9の構成材料は、振動吸収性に加えて放熱性に優れる材料であればより好ましい。その構成材料としては、例えば、シリコーンゴムが挙げられる。
(用途)
リアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。
上述のリアクトル1によれば、更に、以下の効果を奏する。
(1)インシュレータ5の周壁部51を内側コア部31の各面に沿って配置するように構成して内側コア部31の角部及びその周辺を露出させているため、内側コア部31と外側樹脂部7との接触面積を大きくでき、磁性コア3の磁歪に伴う振動や騒音を低減できる。
(2)外側コア部32を押さえる固定部材6は、外側樹脂部7により組合体10と一体化されると共に、ボルト締めによりコンバータケース8に強固に固定されているため、外部からの衝撃や振動により組物100がコンバータケース8から外れ難くできる。
(3)組物100とコンバータケース8との固定にボルト6bを利用しているため、組物100のコンバータケース8への固定が容易である。従って、組み立て作業性に優れる。
(4)組物100とコンバータケース8との間に防振部材9を介在させることで、リアクトル1の振動を緩和・吸収できることに加えて、外部からの振動をリアクトル1に伝達し難くできる。
〔リアクトルの製造方法〕
リアクトル1は、コイル2と端子金具4の一体化→組合体10の組み立て→外側樹脂部7(組物100)の作製→コンバータケース8への収納、という工程を経て製造できる。
まず、コイル素子2a,2b、コイル連結部材2r及び端子金具4を用意し、コイル素子2a,2bとコイル連結部材2r及び端子金具4とを一体に接続する。コイル素子2a、2bの連結端部2jにコイル連結部材2rを嵌め合わせて、上述の接続手段、例えば、ヒュージングによりコイル連結部材2rとコイル素子2a、2bとを一体に連結し、コイル2を作製する。続いて、U字状に屈曲された接続片41を有する端子金具4を用意し、その接続片41と接続端部2cとを嵌め合わせ、上述の接続と同様にヒュージングにより接続片41と接続端部2cとを一体に接続する。なお、連結端部2jとコイル連結部材2rとの接続と、接続端部2cと端子金具4との接続のどちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
次に、コイル2と磁性コア3とを組み合わせて組合体10を作製する。内側コア部31の一端側にインシュレータ5を嵌め合わせてコイル2内に挿通する。その際、内側コア部31は各コイル素子2a,2bの連結端部2j側から各コイル素子2a,2b内に挿入する。そして、内側コア部31の他端側にもう一方のインシュレータ5を嵌め合わせ、内側コア部31を一対の外側コア部32で挟む。
次に、組合体10の外周に外側樹脂部7を形成する。外側コア部32の上面32uに固定部材6を載置して成形用金型に配置し、外側樹脂部7の構成樹脂を金型内に充填・硬化して組物100を作製する。その際、固定部材6の固定部6fを外側樹脂部7から露出するように外側樹脂部7を形成する。ここでは、真空射出成形により樹脂を充填することが好ましい。そうすれば、ボイドの少ない外側樹脂部7を形成できる。
次に、組物100をコンバータケース8に収納する。コンバータケース8に防振部材9を配置し、その防振部材9上に組物100を載置する。そして、外側樹脂部7から露出する固定部材6の固定部6fをコンバータケース8に設けられた突起81にボルト6bで固定する。
上述のリアクトルの製造方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)組合体10を覆う外側樹脂部7の形成をコンバータケース8内ではなく成形用金型内で行うため、コンバータケース8に外側樹脂部7の構成樹脂を注型しないので、樹脂を注型するための堰が不要となり、コンバータケース8を小型化できる。加えて、外側樹脂部7の形成時の熱がコンバータケース8に加わらないため、コンバータケース8の熱による変形などを防止できる。
(2)外側樹脂部7を真空射出成形により形成することで、ボイドの少ない外側樹脂部7を形成できる。そのため、磁性コア3に錆が発生し難いことに加えて、磁性コア3の磁歪など伴う振動や騒音の少ないリアクトル1を製造できる。
《実施形態2》
実施形態1のリアクトル1は、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図4に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図4では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図5に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、実施形態1に記載のリアクトルを用いる。高さの低いリアクトルを用いることで、電力変換装置1100(コンバータ1110を含む)の小型化を図ることができる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態のリアクトルと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用できる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1のリアクトルを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用できる。
1 リアクトル 10 組合体 100 組物
2 コイル
2t ターン形成部 2u 上面 2d 下面
2c 接続端部 2j 連結端部
2a、2b コイル素子 2r コイル連結部材 2w 巻線
3 磁性コア
31 内側コア部 31m コア片 31g ギャップ材
31e 端面 31u 上面 31d 下面
32 外側コア部 32e 内端面 32o 外端面
32u 上面 32d 下面
4 端子金具
41 接続片 42h 貫通孔
5 インシュレータ
50a、50b 分割片 51 周壁部 52 枠板部
6 固定部材
6l 脚部 6f 固定部 6h 挿通孔
6v 押付部 6p 突起 6b ボルト
7 外側樹脂部
8 コンバータケース 81 突起
9 防振部材
1100 電力変換装置 1110 コンバータ
1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ
1230 サブバッテリ 1240 補機類 1250 車輪

Claims (7)

  1. 巻線を巻回した一対のコイル素子を接続してなるコイルと磁性コアとの組合体を備えるリアクトルであって、
    前記磁性コアは、前記コイル素子内に配置される内側コア部と、前記内側コア部を連結して閉磁路を形成する外側コア部とを有し、
    前記組合体を設置対象に設置した際、組合体及び組合体の各構成部材の設置対象側を設置側、その反対側を対向側とするとき、
    前記外側コア部の対向側の面と前記内側コア部の対向側の面とが面一であり、
    前記コイル素子はそれぞれ、
    平角線からなる前記巻線をエッジワイズ巻きしてなるターン形成部と、
    前記平角線の端部で端子金具の接続箇所となる接続端部とを備え、
    前記接続端部は、前記ターン形成部の一端側から前記外側コア部の対向側の面と前記ターン形成部の対向側の面との間に前記平角線の幅方向が前記コイル素子の横並び方向と平行となるように当該平角線をフラットワイズ曲げして引き出され、
    前記接続端部に端子金具を接続した際、前記接続端部、前記端子金具、及び当該接続端部と端子金具とが接続されてなる端子接続部が、前記ターン形成部の対向側の面よりも設置側に位置するリアクトル。
  2. 前記コイル素子は、
    独立した2つの巻線をそれぞれ巻回して構成され、
    前記ターン形成部の他端側から前記外側コア部の対向側の面と前記ターン形成部の対向側の面との間に前記平角線の端部を引き出して当該コイル素子同士の連結箇所とする連結端部と、
    前記一対のコイル素子とは独立した部材で構成され、前記連結端部同士を連結するコイル連結部材とを備え、
    前記コイル連結部材及び連結端部は、前記ターン形成部の対向側の面よりも設置側に位置する請求項1に記載のリアクトル。
  3. 更に、前記外側コア部を設置側に押さえることで前記組合体を設置対象に固定する固定部材を備え、
    前記固定部材のうち、前記外側コア部の対向側の面を押さえる押付部が、前記ターン形成部の対向側の面よりも設置側に位置する請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. 更に、前記組合体の外周の少なくとも一部を覆う外側樹脂部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 更に、前記組合体を収納するコンバータケースを備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトルを備えるコンバータ。
  7. 請求項6に記載のコンバータを備える電力変換装置。
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