JP2014067508A - 非水電解液二次電池用正極活物質、それを用いた非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い充放電容量と良好な負荷特性を両立できる非水電解液二次電池用正極活物質を提供する
【解決手段】一般式xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2
(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子が凝集してなる二次粒子と、リチウムイオン伝導性のオキソ酸リチウムとを含む正極活物質を用いる。前記オキソ酸リチウムは少なくとも前記一次粒子間の粒界に存在し、その量は、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対してオキソ酸イオンとして0.10重量%以上2.10重量%以下である。
【選択図】図1
【解決手段】一般式xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2
(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子が凝集してなる二次粒子と、リチウムイオン伝導性のオキソ酸リチウムとを含む正極活物質を用いる。前記オキソ酸リチウムは少なくとも前記一次粒子間の粒界に存在し、その量は、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対してオキソ酸イオンとして0.10重量%以上2.10重量%以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用正極活物質とそれを用いた非水電解液二次電池に関する。特に高い充放電容量と負荷特性とを両立させた非水電解液二次電池用正極活物質に関する。また、前記正極活物質の製造方法に関する。
近年、携帯電話やVTRなどの電子機器の小型化と需要の増大に伴い、これら電子機器の電源である二次電池に対する高容量化が要求されている。このような二次電池として、リチウムイオン二次電池のような非水電解液二次電池が期待されている。リチウムイオン二次電池の正極活物質には、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム等の層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物、あるいはマンガン酸リチウム等のスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物が代表的に用いられている。
層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物について、目的に応じてリチウムの遷移金属に対する比を高める(リチウム過剰にする)技術が提案されている。
特許文献1の段落0030において、リチウム比率が化学量論比よりも若干高いことで結晶構造のディスオーダーが抑えられ、リチウムイオンの拡散もスムーズになり、レート特性や出力特性が改善されると考察されている。一方、リチウム比率が高すぎると、異相の生成や電池性能の低下を招く虞があるとしている。
特許文献2には、Li[Lix(Ni1/2Mn1/2)1−x]O2において、リチウムが過剰になる(xが0より大きい)と過充電状態での活物質の熱的安定性が改善されること、その一方、xが大きすぎる(x>0.3)と活物質の電気容量が低下することが記載されている。
さらに、リチウムの比率を高めたリチウム遷移金属複合酸化物の内、所謂固溶体系と呼ばれるものが注目されている。
特許文献3の段落0005では、LiMO2(Mは金属元素)とLi2MnO3の固溶体が200mAh/gの放電容量を示し得ることが開示されている。
一方、リチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子あるいは二次粒子の表面に目的に応じて硫酸リチウム等のリチウム化合物あるいは硫酸塩化合物を被覆する技術が提案されている。
特許文献4では、長期間にわたって高出力な電力を供給するために、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物からなる粒子の表面に硫酸リチウム、リン酸リチウム等のリチウム化合物を添着する技術が提案されている。リチウム化合物は、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物を予め製造した後、化学気相蒸着法等の乾式法あるいは共沈法等の湿式法といった添着工程によってリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物の表面に添着される。
特許文献5では、充放電熱容量とサイクル耐久特性を両立させるために、ニッケルの一部(二割程度まで)をコバルトとマンガン等との少なくとも二種の元素で置換したリチウムニッケル複合酸化物の一次粒子の表面に、無機リチウム化合物の被覆層を設ける技術が提案されている。これら一次粒子は凝集して二次粒子を形成している。被覆層は、ニッケル、コバルト等の金属複合酸化物、リチウム含有化合物及び硫酸化合物を混合し、焼成することによって形成される。好ましい被覆層の形態は硫酸リチウムとされている。また、被覆層を洗浄して空隙を設けると、充放電時の活物質の膨張及び収縮を緩和するのでより好ましいとされている。
特許文献6では、低コスト化、高安全化及び高容量化を図ると共に高電圧特性を向上させるために、リチウム遷移金属系化合物を含む粉体粒子の内部に、硫黄等の添加元素1及びモリブデン等の添加元素2を、SEM−EDX法でこれら添加元素のピークが観測される程度に含有させる技術が提案されている。これは焼成して得られる活物質の結晶性が高く、その二次粒子が多孔質であることによって達成されるとされており、その製造方法は、主成分原料を同時に液体媒体中で粉砕混合し、得られるスラリーを噴霧乾燥したのちに焼成するというものである。
ところで、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法において、いわゆる共沈法と呼ばれる手法がある。
特許文献7には、リチウム遷移金属複合酸化物の原料に関して、ニッケル等の遷移金属の硝酸塩あるいは硫酸塩の水溶液を塩基性化合物で中和し、水酸化物の沈殿を得る方法が記載されている。また、硫黄分は出発原料から存在する場合が多く、熱処理によっては除去しにくいこと、硫黄分は結晶発達を阻害することが記載されている(段落0012)。
特許文献8には、リチウム遷移金属複合酸化物の原料に関して、ニッケル等の遷移金属の硫酸塩の水溶液に塩基性化合物を反応させて沈殿を生じさせる方法が記載されている。塩基性化合物には、重炭酸アンモニウム、アンモニア水、水酸化リチウム等が開示されている。
リチウム過剰なリチウム遷移金属複合酸化物は、充放電容量が高いため二次電池の体積エネルギー密度を高めることができる。しかし、リチウム過剰にするとリチウムイオン伝導性が低下し、結果負荷特性が低下する傾向にある。そのため、電気自動車のように高出力、高容量が求められる分野においては未だ特性が不十分であり、改良が求められていた。
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、高い充放電容量と良好な負荷特性を両立できる非水電解液二次電池用正極活物質を提供することにある。また、そのような正極活物質の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究し、特定の固溶体系のリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子表面に、特定のリチウム化合物を特定の状態で特定量存在させることで、充放電容量と負荷特性の両立を達成できることを見出した。
本発明の正極活物質は、一般式xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子が凝集してなる二次粒子と、リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含み、前記オキソ酸リチウムは少なくとも前記一次粒子間の粒界に存在し、その量は前記リチウム遷移金属複合酸化物に対してオキソ酸イオンとして0.10重量%以上2.10重量%以下であることを特徴とする。
前記オキソ酸リチウムは、硫酸リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウム及び炭酸リチウムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
前記正極活物質のタップ密度は1.7g/cm3以上であることが好ましい。
本発明の非水電解液二次電池は、本発明の正極活物質を用いたことを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式
xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含む非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法であって、前記オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオン並びにニッケル、コバルト、マンガン及びリチウムが目的組成に応じて含有される原料混合物を得る混合工程と、前記原料混合物を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする。
xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含む非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法であって、前記オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオン並びにニッケル、コバルト、マンガン及びリチウムが目的組成に応じて含有される原料混合物を得る混合工程と、前記原料混合物を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする。
前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸リチウムを構成する前記オキソ酸イオンの合計は、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.50重量%以上1.70重量%以下となるよう調整されることが好ましい。
前記混合工程において、前記原料混合物はニッケルコバルトマンガン複合酸化物を含むことが好ましい。
また、前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸イオンの少なくとも一部は前記複合酸化物に含有されることが好ましく、実質的に前記複合酸化物にのみ含有されることがより好ましい。
また、前記混合工程において、前記オキソ酸イオンは硫酸イオンを含むことが好ましく、実質的に硫酸イオンのみであることがより好ましい。
本発明の正極活物質は、上記の特徴を備えるので、リチウム遷移金属複合酸化物の二次粒子内におけるリチウム伝導性が向上する。そのため、本発明の正極活物質を非水電解液二次電池の正極に用いると、リチウム過剰なリチウム遷移金属複合酸化物を用いているにも拘わらず負荷特性が向上する。そのため、高い充放電容量と良好な負荷特性を両立することができる。また、リチウムイオン伝導性が向上するので、出力特性も向上する。
本発明の正極活物質の製造方法は、上記の特徴を備えているので、得られる固溶体系のリチウム遷移金属複合酸化物は、一次粒子が凝集してなる二次粒子となる。そして一次粒子間の粒界にリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを存在させることができる。
本発明の正極活物質において、その効果のメカニズムについて特定の理論にとらわれるつもりはないが、以下のように推測される。
リチウム過剰な層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物はその過剰なリチウムの存在ゆえに結晶構造に歪があり、リチウムイオンの伝導性が低い。そのため、充放電時の電流密度が高いと電池内部での電圧降下が大きく、充放電容量が低下する。ところが、特定組成のリチウム遷移金属複合酸化物を二次粒子とし、二次粒子を構成する一次粒子間の界面にリチウムイオン伝導性物質を配置し、一次粒子間のリチウムイオン伝導網を形成することで、正極活物質全体のリチウムイオン伝導性を高めることができるのである。リチウムイオン伝導性物質がオキソ酸リチウムの形態であると他の特性を犠牲にすることなくこれらの効果を得ることができる。
[正極活物質]
まず、正極活物質について説明する。本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物とリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含む。
まず、正極活物質について説明する。本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物とリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含む。
図1は本発明の実施の形態の一例を表す模式図である。正極活物質10は、リチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子11が凝集した二次粒子21と、リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム13とを含む。オキソ酸リチウムは、図1のように、一次粒子11間の界面に少なくとも存在している。なお、本明細書の図において、界面を分かりやすくするために一次粒子11間の隙間を強調している。界面に存在するオキソ酸リチウムを介して二次粒子21内部にはリチウムイオン伝導網が形成される。なお、オキソ酸リチウムは一次粒子界面以外にも存在していてよい。
図2は本発明の実施の形態の別の一例を表す模式図である。図2では、一次粒子間の界面に存在するオキソ酸リチウム23と、二次粒子22の表面に存在するオキソ酸リチウム24とが存在している。オキソ酸リチウム24が二次粒子間の界面に形成されるならば、よりマクロなレベルでリチウムイオン伝導網が形成されることになる。このように、オキソ酸リチウムが一次粒子界面以外に存在していてもよい。
[リチウム遷移金属複合酸化物]
リチウム遷移金属複合酸化物は、所謂固溶体系のものを用いる。その組成は、一般式xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表される。
リチウム遷移金属複合酸化物は、所謂固溶体系のものを用いる。その組成は、一般式xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)で表される。
xについて、小さすぎれば充放電容量が十分に得られず、大きすぎれば焼結を起こしやすい。本発明の目的を達成するには0.3≦x≦0.7である必要がある。充放電容量、焼結回避、他の特性とのバランス等を考慮すると、好ましい範囲は0.4≦x≦0.6である。
LiNiaCo1−a−bMnbO2におけるコバルト、ニッケル及びマンガンについて、ニッケルとマンガンは必須であり、三者の内どれか一つの元素の比率が突出して多くならないようにし、充放電容量、サイクル特性、製造のし易さについてバランスをとる必要がある。このことを踏まえ、0<a≦0.5、0<b≦0.5とする。好ましくは、0.2≦a≦0.5、0.2≦b≦0.5である。特にa=bであると、得られるリチウム遷移金属複合酸化物組成分布が均一になり易く、また、未反応のまま残留する原料化合物を低減できるので好ましい。
リチウムイオン遷移金属複合酸化物は、一次粒子が凝集した二次粒子とする。一次粒子の単なる集合の場合、負荷特性が向上するほどのリチウムイオン伝導網が形成されない。
[リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム]
一次粒子間の粒界にリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを配置する。リチウム伝導性オキソ酸リチウムとしては、硫酸リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。オキソ酸リチウムは中性に近いと非水電解液と反応しにくく好ましい。硫酸リチウムは、中性であり、形成もしやすいので特に好ましい。
一次粒子間の粒界にリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを配置する。リチウム伝導性オキソ酸リチウムとしては、硫酸リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。オキソ酸リチウムは中性に近いと非水電解液と反応しにくく好ましい。硫酸リチウムは、中性であり、形成もしやすいので特に好ましい。
正極活物質中のリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの量は、多ければ負荷特性が向上するが、多すぎるとリチウム遷移金属複合酸化物の比率低下に伴い充放電容量が低下する。このことを考慮すると、リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの量は、リチウム遷移金属複合酸化物に対し、オキソ酸イオンとして0.10重量%以上2.10重量%以下である必要がある。好ましい範囲は0.50重量%以上1.70重量%以下である。
リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの効果は、その形成過程によって度合いが異なる。好ましい形成過程を含め、詳細は後述の正極活物質の製造方法の項にて述べる。
正極活物質のタップ密度は、1.7g/cm3以上であると体積エネルギー密度が十分高くなるので好ましい。より好ましいのは1.8g/cm3以上である。上限は正極活物質が粉体として取り得る値であれば特に存在しない。現実的には2.5g/cm3程度が上限と言える。
[正極活物質の製造方法]
次に正極活物質の製造方法について説明する。本発明の正極活物質の製造方法は、混合工程と焼成工程を含む。以下、これらの工程を中心に説明する。
次に正極活物質の製造方法について説明する。本発明の正極活物質の製造方法は、混合工程と焼成工程を含む。以下、これらの工程を中心に説明する。
[混合工程]
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム及びリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオンが目的組成に応じて含有している出発原料を用意、混合し、原料混合物を得る。
ニッケル、コバルト、マンガン、リチウム及びリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオンが目的組成に応じて含有している出発原料を用意、混合し、原料混合物を得る。
混合方法は公知の手法を用いればよい。出発原料をボールミル等の混合機で乾式混合する、出発原料のスラリーを調整し湿式混合する等特に制限はない。重要なのは、原料混合物に既に目的量のオキソ酸イオンが含有されていることである。なお、オキソ酸イオンはオルト酸に限らず、メタ酸、ポリ酸等の形態でもよい。
リチウム化合物は、金属単体、酸化物、水酸化物等高温で酸化物になる物質、あるいは炭酸塩、硫酸塩等リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムそのものを出発原料として用いる。あるいは共沈法によって得られる、他の元素との複合酸化物あるいは複合塩を用いてもよい。ただ、後述のようにリチウム化合物は単独で出発原料とする方が好ましい。もちろん複数種の出発原料を組み合わせてもよい。
ニッケル、コバルト及びマンガンの化合物は、金属単体、酸化物、水酸化物、硝酸塩、ハロゲン化物等高温で酸化物になる物質、あるいは炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸の塩を出発原料として用いる。あるいは共沈法によって得られる複合酸化物を用いてもよい。もちろん複数種の出発原料を組み合わせてもよい。
ニッケル、コバルト及びマンガンの化合物は、複合酸化物の形態であると負荷特性がより改善し、且つ体積エネルギー密度がより高くなるので好ましい。複合酸化物は、ニッケル、コバルト及びマンガン全てを含むとより好ましく、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(リチウムを含まない)であると特に好ましい。このような複合酸化物を出発原料として用いると、得られるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子表面(一次粒子間の粒界を含む)に形成されるリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの、負荷特性及び体積エネルギー密度に対する寄与がより大きくなる。リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオンの少なくとも一部はこれら複合酸化物に含有されることが好まく、全てが含有されることがより好ましい。前記複合酸化物に含有される前記オキソ酸イオンの量は、共沈法における出発物質、pH、反応温度、撹拌条件、沈殿剤等を調整して適宜調整する。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を出発原料に用いる場合、その中心粒子径は2μm〜20μmであることが好ましく、4μm〜10μmであることがより好ましく、5μm〜8μmであることがさらに好ましい。これらの範囲であると、得られるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子がリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムによって強固に接続され、二次粒子の崩壊が起こりにくい。中心粒径は、レーザー回折法によって測定する。
他に、オキソ酸アンモニウム等を出発原料に用いて原料混合物中のオキソ酸イオン量を調整してもよい。
これらを踏まえると、例えば出発原料の例として、以下のような組み合わせが考えられるもちろんこれらに限定されるものではない。
1)(イ)リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム、(ロ)その他リチウム化合物、(ハ)ニッケル化合物、(二)コバルト化合物、(ホ)マンガン化合物。
2)(イ)リチウム化合物、(ロ)ニッケルオキソ酸(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)塩、(ハ)その他ニッケル化合物、(二)コバルト化合物、(ホ)マンガン化合物。
3)(イ)リチウム化合物、(ロ)オキソ酸イオン(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)を含有するニッケルコバルトマンガン複合酸化物。
4)(イ)リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム、(ロ)オキソ酸イオン(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)を含有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物。
1)(イ)リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム、(ロ)その他リチウム化合物、(ハ)ニッケル化合物、(二)コバルト化合物、(ホ)マンガン化合物。
2)(イ)リチウム化合物、(ロ)ニッケルオキソ酸(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)塩、(ハ)その他ニッケル化合物、(二)コバルト化合物、(ホ)マンガン化合物。
3)(イ)リチウム化合物、(ロ)オキソ酸イオン(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)を含有するニッケルコバルトマンガン複合酸化物。
4)(イ)リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム、(ロ)オキソ酸イオン(リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成)を含有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物。
上記1)〜4)をより具体的に表現すると、次のような例が考えられる。もちろんこれらに限定されるものではない。
1)(イ)炭酸リチウム、(ロ)水酸化リチウム、(ハ)酸化ニッケル(II)、(二)四酸化三コバルト、(ホ)酸化マンガン(IV)(オキソ酸リチウムとして炭酸リチウムを形成)。
2)(イ)塩化リチウム、(ロ)次亜リン酸ニッケル(II)、(ハ)オキシ水酸化ニッケル(III)、(二)硝酸コバルト(II)、(ホ)硝酸マンガン(II)(オキソ酸リチウムとしてリン酸リチウムを形成)。
3)(イ)硝酸リチウム、(ロ)硫酸イオンを含有するニッケルコバルトマンガン複合酸化物(オキソ酸リチウムとして硫酸リチウムを形成)。
4)(イ)硫酸リチウム、(ロ)ケイ酸イオンを含有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(オキソ酸リチウムとして硫酸リチウムとケイ酸リチウムを形成)。
1)(イ)炭酸リチウム、(ロ)水酸化リチウム、(ハ)酸化ニッケル(II)、(二)四酸化三コバルト、(ホ)酸化マンガン(IV)(オキソ酸リチウムとして炭酸リチウムを形成)。
2)(イ)塩化リチウム、(ロ)次亜リン酸ニッケル(II)、(ハ)オキシ水酸化ニッケル(III)、(二)硝酸コバルト(II)、(ホ)硝酸マンガン(II)(オキソ酸リチウムとしてリン酸リチウムを形成)。
3)(イ)硝酸リチウム、(ロ)硫酸イオンを含有するニッケルコバルトマンガン複合酸化物(オキソ酸リチウムとして硫酸リチウムを形成)。
4)(イ)硫酸リチウム、(ロ)ケイ酸イオンを含有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(オキソ酸リチウムとして硫酸リチウムとケイ酸リチウムを形成)。
[焼成工程]
次に、原料混合物を焼成する。焼成温度は、低すぎればリチウムとの反応が不十分になる、あるいは十分な結晶子径を得られない傾向にある。また高すぎればリチウムが揮発する、あるいは焼結が起こる傾向にあるので注意が必要である。目的組成によるが概ね700℃以上1100℃以下が好ましい。より好ましくは800℃以上1000℃以下である。焼成時間は最高温度を保持する時間として10時間以上あれば十分である。焼成工程によって得られるリチウム遷移金属複合酸化物は一次粒子が凝集した二次粒子の形態となる。また、前記原料混合物中のリチウムイオン及びオキソ酸イオンが反応し、最終的に前記一次粒子の表面にリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを形成する。
次に、原料混合物を焼成する。焼成温度は、低すぎればリチウムとの反応が不十分になる、あるいは十分な結晶子径を得られない傾向にある。また高すぎればリチウムが揮発する、あるいは焼結が起こる傾向にあるので注意が必要である。目的組成によるが概ね700℃以上1100℃以下が好ましい。より好ましくは800℃以上1000℃以下である。焼成時間は最高温度を保持する時間として10時間以上あれば十分である。焼成工程によって得られるリチウム遷移金属複合酸化物は一次粒子が凝集した二次粒子の形態となる。また、前記原料混合物中のリチウムイオン及びオキソ酸イオンが反応し、最終的に前記一次粒子の表面にリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを形成する。
焼成後、必要に応じて粗砕、粉砕、乾式篩い等の処理を行い、本願発明の正極活物質を得る。
以下、実施例にてより具体的な例を説明する。
ニッケル、コバルト及びマンガンの硫酸塩水溶液を調整し、共沈法によって中心粒径6μm、硫酸イオン含有量1.14重量%のニッケルコバルトマンガン複合酸化物((Ni0.167Co0.167Mn0.667)2O3)を得る。水酸化リチウム1.50molと、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物0.50molとを混合し、大気雰囲気中900℃で10時間焼成する。焼成後分散処理して組成が0.5Li2MnO3・0.5LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2で表され、硫酸イオンを0.93重量%含有する正極活物質を得る。SEMにより、正極活物質は一次粒子が凝集した二次粒子を形成していることが確認できる。また、二次粒子断面のSEM−EDXにより、一次粒子間の粒界他一次粒子表面に硫黄元素が分布していることが確認できる。また、後述のように、この硫黄元素を含む化合物は硫酸リチウムであることが確認できる。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物の硫酸イオン含有量が1.56重量%である以外実施例1と同様にして、硫酸イオンを1.26重量%含有する正極活物質を得る。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物の硫酸イオン含有量が1.89重量%である以外実施例1と同様にして、硫酸イオンを1.53重量%含有する正極活物質を得る。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物の硫酸イオン含有量が0.51重量%である以外実施例1と同様にして、硫酸イオンを0.42重量%含有する正極活物質を得る。
実施例4と同様にして中心粒径6μm、硫酸イオン含有量0.51重量%ニッケルコバルトマンガン複合酸化物((Ni0.167Co0.167Mn0.667)2O3)を得る。水酸化リチウム1.50molと、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物0.50molと、硫酸リチウム1.17×10−2mol(リチウム遷移金属複合酸化物に対して1.05重量%の硫酸イオンに相当)とを混合し、大気雰囲気中900℃で10時間焼成する。焼成後分散処理して組成が0.5Li2MnO3・0.5LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2で表され、硫酸イオンを1.26重量%含有する正極活物質を得る。得られる正極活物質は、実施例1同様一次粒子が凝集した二次粒子を形成していること、一次粒子間の粒界他一次粒子表面に硫黄元素が分布していること、この硫黄元素を含む化合物は硫酸リチウムであることが確認できる。
硫酸リチウムの代わりに硫酸アンモニウムを1.17×10−2mol(リチウム遷移金属複合酸化物に対して1.05重量%の硫酸イオンに相当)混合する以外実施例5と同様にして、硫酸イオンを1.26重量%含有する正極活物質を得る。
[比較例1]
実施例4で得られる正極活物質を純水に分散し、常温にて一定時間撹拌後固液分離して、硫酸イオンを0.03重量%含有する正極活物質を得る。
実施例4で得られる正極活物質を純水に分散し、常温にて一定時間撹拌後固液分離して、硫酸イオンを0.03重量%含有する正極活物質を得る。
[比較例2]
実施例1で得られる正極活物質を純水に分散し、常温にて一定時間撹拌後固液分離して、硫酸イオンを0.05重量%含有する正極活物質を得る。
実施例1で得られる正極活物質を純水に分散し、常温にて一定時間撹拌後固液分離して、硫酸イオンを0.05重量%含有する正極活物質を得る。
[正極活物質の評価]
以下の要領で正極活物質の評価を行う。
以下の要領で正極活物質の評価を行う。
[タップ密度]
試料20gを受器に投入し、受器を150回タッピングした後試料の体積を測定し、タップ密度を算出する。
試料20gを受器に投入し、受器を150回タッピングした後試料の体積を測定し、タップ密度を算出する。
[元素分析]
ICP−AESによって正極活物質等の元素分析を行い、正極活物質中におけるリチウム遷移金属複合酸化物の組成及びリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの含有量(オキソ酸イオンとして)を求める。リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムは比較例1、2の要領で正極活物質から溶解除去できるので、溶解液を分析する。
ICP−AESによって正極活物質等の元素分析を行い、正極活物質中におけるリチウム遷移金属複合酸化物の組成及びリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムの含有量(オキソ酸イオンとして)を求める。リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムは比較例1、2の要領で正極活物質から溶解除去できるので、溶解液を分析する。
[二次電池の作製]
以下の要領で評価用二次電池を作製する。
以下の要領で評価用二次電池を作製する。
正極活物質の粉末90重量%と、導電剤となる炭素粉末5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のノルマルメチルピロリドン(NMP)溶液(PVDF量として5重量%)とを混練してペーストを調整し、これをアルミニウム箔からなる集電体に塗布し乾燥させて正極板とする。
負極活物質として、炭素材料を用いる。負極活物質の粉末97.5重量%と、2.5重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液とを混練してペーストを調整し、これを銅箔からなる集電体に塗布し乾燥させ、板状に成型して負極板とする。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合する。得られる混合溶媒に電解質として六フッ化リン酸(LiPF6)を溶解し、濃度1mol/Lの非水電解液を調整する。
正極板にリード電極を取り付け、正極、セパレータ、負極を順に容器に収納する。負極はステンレス製の容器底部に電気的に接続され、容器底部が負極端子となる。セパレータはテフロン(登録商標)製の容器側部によって固定される。正極のリード電極の先端は容器外部に導出され、正極端子となる。正負極の端子は、容器側部によって電気的に絶縁されている。収納後電解液を注入し、ステンレス製の容器蓋部によって封止し、密閉型の試験電池を得る。これを充放電容量の評価に用いる。
[電池特性の評価]
上記の評価用二次電池を用い、実施例1〜6及び比較例1、2について以下の要領で電池特性の評価を行う。
上記の評価用二次電池を用い、実施例1〜6及び比較例1、2について以下の要領で電池特性の評価を行う。
[初期充電容量]
満充電電圧4.6V、充電レート0.2C(1C:満充電の状態から1時間で放電を終了させる電流密度;本明細書における評価用電池では1C=約260mA/g)で定電流定電圧充電(充電終了条件は0.008C)した容量を初期充電容量Qc0とする。
満充電電圧4.6V、充電レート0.2C(1C:満充電の状態から1時間で放電を終了させる電流密度;本明細書における評価用電池では1C=約260mA/g)で定電流定電圧充電(充電終了条件は0.008C)した容量を初期充電容量Qc0とする。
[初期放電容量]
満充電電圧4.6Vまで充電した後、放電電圧2.0V、放電レート0.05Cで定電流放電した容量を初期放電容量Qd0とする。
満充電電圧4.6Vまで充電した後、放電電圧2.0V、放電レート0.05Cで定電流放電した容量を初期放電容量Qd0とする。
[負荷放電容量]
満充電電圧4.6V、充電レート0.2Cで定電流定電圧充電した後、放電電圧2.0Vで、放電レート0.2C、0.5C、1C、2Cの順に、それぞれ定電流放電を行う。放電レートが2Cのときの放電容量を負荷放電容量QLとする。負荷放電容量QLが高いことは、負荷特性が良いことを意味する。また、放電レートが2Cのときの電池電圧について、その時間平均を平均電圧Eとする。
満充電電圧4.6V、充電レート0.2Cで定電流定電圧充電した後、放電電圧2.0Vで、放電レート0.2C、0.5C、1C、2Cの順に、それぞれ定電流放電を行う。放電レートが2Cのときの放電容量を負荷放電容量QLとする。負荷放電容量QLが高いことは、負荷特性が良いことを意味する。また、放電レートが2Cのときの電池電圧について、その時間平均を平均電圧Eとする。
[体積エネルギー密度]
負荷放電容量QL、平均電圧E及びタップ密度の積を体積エネルギー密度Tとする。
負荷放電容量QL、平均電圧E及びタップ密度の積を体積エネルギー密度Tとする。
実施例1〜6及び比較例1、2について、リチウム伝導性オキソ酸リチウム(LCLO)を構成するオキソ酸イオンを含有する出発原料を表1に、充放電容量を表2に、負荷特性及び体積エネルギー密度を表3にそれぞれ示す。
表1〜3より、リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを特定量含有する実施例1〜6は、含有量が特定量の範囲外である比較例1、2と比べて初期充放電容量、負荷特性及び体積エネルギー密度が向上していることが分かる。また、表3の実施例2と実施例5、6とを比較すると、原料混合物に含有される、リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオンが全て複合酸化物に含有されていると、正極活物質中のLCLO量が同じであっても、負荷特性及び体積エネルギー密度がより向上することが分かる。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、高い充放電容量及び高い体積エネルギー密度を有し、且つ負荷特性にも優れるので、電気自動車用バッテリーのような高出力で長期的に繰り返し使う用途に好適に利用することができる。
10、20、30 正極活物質
11、21、31 リチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子
12、22、32 リチウム遷移金属複合酸化物の二次粒子
13、23、24 リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム
11、21、31 リチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子
12、22、32 リチウム遷移金属複合酸化物の二次粒子
13、23、24 リチウムイオン伝導性オキソ酸リチウム
Claims (13)
- 一般式
xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2
(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)
で表されるリチウム遷移金属複合酸化物の一次粒子が凝集してなる二次粒子と、
リチウムイオン伝導性のオキソ酸リチウムと、
を含み、
前記オキソ酸リチウムが少なくとも前記一次粒子間の粒界に存在し、その量が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対してオキソ酸イオンとして0.10重量%以上2.10重量%以下である、非水電解液二次電池用正極活物質。 - 前記オキソ酸リチウムの量が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対してオキソ酸イオンとして0.50重量%以上1.70重量%以下である、請求項1に記載の正極活物質。
- 前記オキソ酸リチウムが、硫酸リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウム及び炭酸リチウムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の正極活物質。
- タップ密度が1.7g/cm3以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の正極活物質。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の正極活物質を用いた非水電解液二次電池。
- 一般式
xLi2MnO3・(1−x)LiNiaCo1−a−bMnbO2
(但し0.3≦x≦0.7、0<a≦0.50、0<b≦0.50)
で表されるリチウム遷移金属複合酸化物とリチウムイオン伝導性オキソ酸リチウムとを含む非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法であって、
前記オキソ酸リチウムを構成するオキソ酸イオン並びにニッケル、コバルト、マンガン及びリチウムが目的組成に応じて含有される原料混合物を得る混合工程と、
前記原料混合物を焼成する焼成工程と、
を含み、
前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸リチウムを構成する前記オキソ酸イオンの合計が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.10重量%以上2.10重量%以下となるよう調整される、製造方法。 - 前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸リチウムを構成する前記オキソ酸イオンの合計が、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.50重量%以上1.70重量%以下となるよう調整される、請求項5に記載の製造方法。
- 前記混合工程において、前記原料混合物が、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を含む、請求項6又は7に記載の製造方法。
- 前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸イオンの少なくとも一部が前記複合酸化物に含有される、請求項8に記載の製造方法。
- 前記混合工程において、前記原料混合物に含有される前記オキソ酸イオンが実質的に前記複合酸化物にのみ含有される、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 前記混合工程において、前記オキソ酸イオンが硫酸イオンを含む、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記混合工程において、前記オキソ酸イオンが実質的に硫酸イオンのみである、請求項6乃至11のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記焼成工程において、焼成温度が800℃以上1000℃以下である、請求項6乃至12のいずれか一項に記載の製造方法。
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