JP2014067468A - ノイズ除去方法およびノイズ除去装置、記録再生方法および記録再生装置、ならびに、画像計測方法および画像計測装置 - Google Patents

ノイズ除去方法およびノイズ除去装置、記録再生方法および記録再生装置、ならびに、画像計測方法および画像計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも記録、再生または計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づける。
【解決手段】空間位相変調処理を行って生成した位相変調光A’を記録媒体13に照射し、記録媒体13から出射される出射光の複素振幅、または、記録媒体13から出射される出射光、に対して上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行う。
【選択図】図1

Description

ノイズ除去方法およびノイズ除去装置、記録再生方法および記録再生装置、ならびに、画像計測方法および画像計測装置に関する。
ホログラフィは、光の強度情報のみを記録する写真技術とは異なり、光の強度情報と位相情報とを記録することができることから、三次元ディスプレイ分野や光ストレージ分野、光情報処理分野などへの応用が期待されている。ホログラフィが強度情報と位相情報との両方を記録できるのは、ホログラムが光の干渉によって形成される干渉縞を記録しているからである。この干渉縞は、被記録情報を含む物体光と、該物体光に対してコヒーレントな参照光とを干渉させることによって形成される。
こうして形成された干渉縞を光の透過率分布や屈折率分布として記録したものがホログラムである。ホログラフィでは、このホログラムに記録時に用いた参照光を照射することで、記録した物体光が回折光として現れる原理に基づいて再生が行われる。これまでに、フレネルホログラム、フラウンホーファホログラム、フーリエ変換ホログラム、イメージホログラムなど、多くのホログラムが提案されており、光学的なホログラムの実現方法は数多くある。しかしながら、これらのホログラム方式の相違は物体光の伝搬方式の相違であり、物体光と参照光との2種類の光波を必要とする点では違いはない。
ホログラム記録光学系の縮小化が強く求められる応用として、Blu−ray(登録商標)を凌ぐ記録容量のテラバイト光ストレージ技術であるホログラフィックメモリがある(非特許文献2)。
このホログラフィックメモリでは、ビット情報を二次元に配列したデータページを記録媒質の同一箇所にホログラムとして多重記録することで、高記録密度を達成している。複数のページを多重記録し、所望のページを選択的に読み出すためには、データページ毎に参照光の波面(位相)や入射角度を変えるか、もしくは、記録媒質自体を変位させる必要がある。また、非再生ホログラムからの回折を避けるために最低限必要な変位量のことは、「角度選択性」または「シフト選択性」などと呼ばれている。
例えば、光メモリとの互換性が高いコリニアシフト多重記録方式の場合、仮に波長407nmのレーザ光源、および開口数0.65の対物レンズを用いた場合、0.4μm程度の記録媒質の面内方向のシフト選択性を誇っている(非特許文献1)。
国際公開第2012/053198号(2012年4月26日国際公開)
L. Hesselink, S. S. Orlov, and M.C. Bashaw, "Holographic Data Storage Systems", Proc. IEEE, Vol. 92, no. 8, pp.1231-1280 (2004). Kenji Tanaka, Masaaki Hara, Kazutatsu Tokuyama, Koji Ishioka, Atsushi Fukumoto, and Kenjiro Watanabe, "Improved performance in coaxial holographic data recording," Opt. Express, Vol. 15, 16196-16209 (2007). Osamu Matoba, Yusuke Yonetani, and Kouichi Nitta, "Improvement of Storage Capacity Using Confocal Scheme in Reflection-Type Holographic Memory System with Speckle Shift Multiplexing," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 50, 09ME08 (1-5) (2011). Nobuhiro Kinoshita, Tetsuhiko Muroi, Norihiko Ishii, Koji Kamijo, Hiroshi Kikuchi, Naoki Shimidzu, and Osamu Matoba, "Half-data-page insertion method for increasing recording density in angular multiplexing holographic memory," Appl. Opt., Vol. 50, 2361-2369 (2011). Masaaki Hara, Kenji Tanaka, Kazutatsu Tokuyama, Mitsuru Toishi, Kazuyuki Hirooka, Atsushi Fukumoto, and Kenjiro Watanabe, "Linear Reproduction of a Holographic Storage Channel using Coherent Addition of Optical DC Components," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 47, 5885-5890 (2011). Masanori Takabayashi, Atsushi Okamoto, Akihisa Tomita, and Masatoshi Bunsen, "Symbol Error Characteristics of Hybrid-Modulated Holographic Data Storage by Intensity and Multi Phase Modulation," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 50, 09ME05(1-5) (2011). Erdem Ulusoy, Levent Onural, and Haldum M. Ozaktas, "Full-complex amplitude modulation with binary spatial light modulators," J. Opt. Soc. Am. A, Vol. 28, 2310-2321 (2011). Lakshmi D. Ramamoorthy and B. V. K. Vijaya Kumar, "Two-Dimensional Equalization and Error Correction Using Low Density Parity Check Codes for Holographic Data Storage," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 45, 1305-1310 (2006). Junya Tanaka, Atsushi Okamoto, and Motoki Kitano, "Development of Image -Based Simulation for Holographic Data Storage System by Fast Fourier Transform Beam-Propagation Method," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 48, 03A028 (1-5) (2009). Lyle G. Shirley and Nicholas George, "Wide-angle diffuser transmission functions and far-zone speckle," J. Opt. Soc. Am. A, Vol. 4, 734-745 (1987). S. Yun, G. Tearney, Johannes de Boer, N. Iftimia, and B. Bouma High-speed optical frequency-domain imagingOptics Express, Vol. 11, Issue 22, pp. 2953-2963 (2003)http://dx.doi.org/10.1364/OE.11.002953 春名正光「光コヒーレンストモグラフィ」,Medical Photonics, No.1, pp.1-5(冊子版pp.29-33),2010年
しかしながら、上記の非特許文献1に記載のホログラフィックメモリシステムでは、面内方向への媒質シフトピッチはシフト選択性のおよそ25倍に相当する10μm程度に設定されており、多重方式が持つ本来の多重性能が発揮されていないという問題点がある。
例えば、シフト選択性程度の記録密度で記録した場合と比較して、記憶容量は1/(25×25)=1/625になってしまう。このように、媒質シフトピッチをシフト選択性よりも大きくしているのは、シフト選択性に近いピッチでホログラムを敷き詰めると、非再生ホログラムからのクロストーク(以降、「ページ間クロストーク」と呼ぶ)が著しく再生信号の品質を劣化させ、ページ多重数を大きく制限してしまうためである。
実際、理論的な3次元記録密度限界がおよそ1PB/disc(1PB=1000TB)であるのに対して、これまでに報告されている記録密度は500GB/disc程度に過ぎず、明らかにホログラフィックメモリの潜在能力が活かされていない。以上より、実記録密度を潜在的記録密度に近づけるためには、ページ間クロストークを大幅に低減できる新技術を導入する必要があることが分かる。
ここで、ページ間クロストークの低減に関する技術として、再生光学系にピンホール(空間フィルタ)を設置することで、高い空間周波数成分を持つページ間クロストークを取り除き、ホログラフィックメモリの記録密度向上を目指す研究が最近報告されている(非特許文献3)。
しかしながら、空間周波数領域にピンホールを設置することで高周波ノイズを分離する技術は、光学の分野で既に一般的に普及しているものである。また、ホログラフィックメモリの分野においても、非特許文献4や非特許文献5に開示されている再生光学系ではピンホールが設置されており、これを用いてようやく500GB/disc程度の記録密度を報告しているに過ぎない。このことから、ピンホールなどの空間フィルタによるページ間クロストーク低減だけでは明らかに不十分であることが分かる。
また、ホログラフィックメモリの記録密度を改善するために、これまで多種多様な多重方式や多値記録技術が提案または検討されてきた。多重方式に関しては、コリニアシフト多重方式や角度多重方式を中心に実用化を視野に入れた研究開発が進められてきた。いずれの多重方式においても、多重性能の指標となるシフト選択性や角度選択性から判断される潜在的記録密度は数百TB/discを誇る。
しかしながら、これらのいずれの多重方式においても、実際報告されている記録密度は500GB/disc程度に過ぎないのが現状である。これは、多重数の増加に伴い急激に影響力を強めるページ間クロストークを考慮し、隣接ホログラムの間隔がシフト選択性の20〜30倍に設定されているためである。つまり、現状のホログラフィックメモリでは、潜在的多重能力が抑制されてしまっていることが分かる。一方、ホログラフィックメモリは、多値記録技術に関しても、最も単純かつ効果的に記録密度を伸ばす手段として有力視されている(非特許文献6)。理想的には、m値の多値変調信号を用いた場合、従来の2値変調と比較して、1データページあたりの情報量がlog(m)倍になる。
しかしながら、例えば、m値位相変調の場合、各信号点は0と2πの間で2π/m×N(N=0,1,2,・・・,m−1)に従って振り分けられているに過ぎない。
つまり、多値変調信号は、単純に各信号点間隔をより密にすることで実現されており、ノイズに対してより脆弱である。それ故、1ページで表現できる情報量が増加する一方で、記録媒質中に記録できるページ数は減少してしまう。結局のところ、ページ間クロストークと信号多値数とのトレードオフの関係を最適化することが重要になる。
以上を踏まえると、ページ間クロストークを抑制できる技術を開発することが、記録密度を飛躍的に伸ばす最も有効な手段であり、それが多重方式や多値記録技術が持つ本来の性能を開花させることに繋がると言える。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、従来よりも記録、再生または計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることが可能なノイズ除去方法などを提供することにある。なお、本明細書では、対象物に単位情報を記録できる単位体積当たりの情報量、対象物から単位情報を再生できる単位面積当たりの情報量、光を照射した対象物の透過光に含まれる画像計測により単位情報を計測可能な単位体積当たりの情報量を情報量密度と称する。
本発明のノイズ除去方法は、上記の課題を解決するために、少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射ステップと、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のノイズ除去装置は、上記の課題を解決するために、少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射手段と、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅、または、所定の参照光が照射された対象物から出射される出射光(位相変調光の位相共役光を含む)による再生(または再現)成分を「再生成分」と称する。一方、複素振幅または出射光に含まれる情報の再生に必要のない成分(当然ながら再生成分に含まれる単位情報間のクロストーク成分もこの成分に含まれる)を「ノイズ成分」と呼ぶ。
上記の方法または構成によれば、位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅または所定の参照光が照射された対象物から出射される出射光に対して、信号光に対して行われた空間位相変調処理と同一の位相変調処理が行われる。
ここで、再生成分はこの位相変調処理により、信号光に対して行われた空間位相変調成分が相殺され逆拡散(収束)するが、ノイズ成分は空間位相変調成分と位相相関が全くないため広範囲に拡散して再生成分から分離される。
このため、再生成分の単位情報間のクロストーク成分も広範囲に拡散して再生成分から分離されるため、対象物に単位情報を記録できる情報量密度、対象物から単位情報を再生できる情報量密度、対象物の透過光に含まれる画像計測により単位情報を計測可能な情報量密度を圧倒的に向上させることができる。
よって、従来よりも記録、再生または計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる。
また、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成ステップを含んでいても良い。
また、本発明のノイズ除去装置は、上記の構成に加えて、さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成手段を備えていても良い。
上記の方法または構成によれば、従来よりも潜在的情報量密度に近い情報量密度で2次元情報を生成することができる。
また、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記2次元情報は、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光、または、上記ノイズ成分を除去した光を、レンズ系を用いて結像することにより生成されても良い。
これにより、レンズ系などの光学系のみをもちいて上記の各処理を行うことが可能になる。
また、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記光照射ステップで、上記信号光をランダム位相板に透過させることで上記位相変調光を生成されても良い。
これにより、ランダム位相板などの光学系のみをもちいて上記の各処理(主として記録処理)を行うことが可能になる。
また、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記ノイズ除去ステップで、上記位相変調光の位相共役光を含む出射光をランダム位相板に透過させることで、上記出射光からノイズ成分を除去しても良い。
これにより、ランダム位相板などの光学系のみをもちいて上記の各処理(主として読み出し・再生処理)を行うことが可能になる。
また、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記位相変調光が異なる位相変調パターンを付加された複数の信号を含んでいる場合に、上記ランダム位相板の配置位置を異ならせることよって上記異なる位相変調パターンを生成しても良い。
上記の方法によれば、各位相変調パターンの空間相互相関が十分に小さくなるように対応するランダム位相板の配置位置を調整することで、各位相変調パターン間の相互相関を低下させることができ、単位情報間のクロストーク成分を抑制することができる。
しかしながら、このように、上記の各処理をレンズ系などの光学系のみをもちいて行う場合、以下で説明する副次的課題が生じる。
すなわち、上記の各処理を全光学的に行うためには、例えば、記録光学系に後述するランダム拡散板などの空間位相変調手段(または素子)を新たに付加する必要がある。また、例えば、読出し・再生光学系には、ホログラフィックメモリの位相共役読出しが必要になるため、系全体が複雑化し、かつ、位相共役忠実度が十分でない位相共役読出し光によって単位情報(例えば、「再生ページ」)の品質低下を招いてしまう可能性がある。
そこで、上記の副次的課題を解決するために、本発明のノイズ除去装置は、上記の構成に加えて、光照射手段は、上記信号光に対して予め上記空間位相変調処理を行った上記位相変調光を直接出射するようにしても良い。
これにより、ランダム拡散板などの空間位相変調手段(または素子)を新たに付加する必要がなくなる。すなわち、記録光学系を簡単化することができる。このため、系全体の構成を簡単化することができる。
また、上記の副次的課題を解決するために、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、上記2次元情報は、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の2次元的な強度分布もしくは位相分布に対して、または、上記ノイズ成分を除去した光の2次元的な強度分布もしくは位相分布に対して、所定の関数変換を作用させることにより生成されても良い。
これにより、例えば、所定の関数変換機能(例えば、フーリエ変換機能)または逆関数変換機能(例えば、逆フーリエ変換機能)をレンズ系などの光学系にて実現する必要がなくなる。このため、系全体の構成を簡単化することができる。
また、上記の副次的課題を解決するために、本発明のノイズ除去方法は、上記の構成に加えて、さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅を検出する複素振幅検出ステップを含んでおり、上記ノイズ除去ステップで、上記複素振幅検出ステップで検出した上記複素振幅に対して上記空間位相変調処理に相当する位相変調演算を行うことで上記ノイズ成分を除去しても良い。
また、上記の副次的課題を解決するために、本発明のノイズ除去装置は、上記の構成に加えて、さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅を検出する複素振幅検出手段を備えており、上記ノイズ除去手段は、上記複素振幅検出手段が検出した上記複素振幅に対して上記空間位相変調処理に相当する位相変調演算を行うことで上記ノイズ成分を除去しても良い。
上記の方法または構成によれば、ノイズ成分を除去する際に、対象物に再生用の参照光を照射したり、対象物からの回折光をランダム拡散板などの空間位相変調手段(または素子)に通したりする必要がなくなる。すなわち、光学的な位相共役読出し・再生が不要になる。このため、系全体の構成を簡単化することができる。
以上のように光学的処理過程と電子的処理過程を効果的に共存させることで、従来の光学系に対して新たな光学素子を追加することなく単位情報間のクロストークを大幅に低減できる。
また、本発明の記録再生装置は、上記の構成に加えて、上記のいずれかのノイズ除去装置を備えた記録再生装置であって、上記光照射手段は、記録用の参照光とともに上記位相変調光を上記対象物としてのホログラム記録媒体に照射して情報を記録し、上記ノイズ除去手段は、上記ホログラム記録媒体に上記所定の参照光としての再生用の参照光を照射することにより生じた上記位相共役光を含む出射光としての回折光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記回折光からノイズ成分を除去し、さらに、上記ノイズ除去手段によって上記回折光からノイズ成分が除去された光を上記ホログラム記録媒体に記録された情報の再生光として出力する再生手段を備えていても良い。
上記構成によれば、従来よりも記録または再生時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる記録再生装置を実現できる。また、多重化された非再生ホログラムからのクロストークを大幅に低減し、ホログラフィック記録媒体の記録密度を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の記録再生方法は、上記の構成に加えて、上記のいずれかのノイズ除去装置を用いた記録再生方法であって、上記光照射手段により記録用の参照光とともに上記位相変調光を上記対象物としてのホログラム記録媒体に照射して情報を記録する記録工程と、上記ノイズ除去手段により上記ホログラム記録媒体に上記所定の参照光としての再生用の参照光を照射することにより生じた上記位相共役光を含む出射光としての回折光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記回折光からノイズ成分を除去するノイズ除去工程と、上記ノイズ成分が除去された光を上記ホログラム記録媒体に記録された情報の再生光として出力する再生工程と、を含んでいても良い。
上記方法によれば、従来よりも記録または再生時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる記録再生方法を実現できる。また、多重化された非再生ホログラムからのクロストークを大幅に低減し、ホログラフィック記録媒体の記録密度を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の画像計測装置は、上記の構成に加えて、上記のいずれかのノイズ除去装置を備えた画像計測装置であって、上記光照射手段は、上記位相変調光を上記対象物としての観測試料に照射し、上記ノイズ除去手段は、上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記観測試料から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去し、さらに、上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成手段を備えていても良い。
上記構成によれば、従来よりも計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる画像計測装置を実現できる。
また、本発明の画像計測方法は、上記の構成に加えて、上記のいずれかのノイズ除去装置を用いた画像計測方法であって、上記光照射手段により上記位相変調光を上記対象物としての観測試料に照射する光照射工程と、上記ノイズ除去手段により上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記観測試料から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去工程と、上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成工程と、を含んでいても良い。
上記構成によれば、従来よりも計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる画像計測方法を実現できる。
本発明のノイズ除去方法は、以上のように、少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射ステップと、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去ステップと、を含む方法である。
また、本発明のノイズ除去装置は、以上のように、少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射手段と、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去手段と、を備える構成である。
それゆえ、従来よりも記録、再生または計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる。
本発明の実施の一形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、空間光変調器とランダム拡散板との組合せで空間位相変調を行う形態を示し、(b)は、(a)の変形例として空間光変調器のみで空間位相変調を行う形態を示す。 本発明を二光束光学系に適用した場合の実施の一形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、記録過程が行われる際の形態を示し、(b)は、読出し・再生過程が行われる際の形態を示す。 図1に示す記録再生装置で計測した複素振幅を用いて計算機内で行われる各処理と等価な光学モデルを示す図であり、(a)は、デジタル変調信号生成過程に対応する光学モデルを示し、(b)は、記録過程に対応する光学モデルを示し、(c)は、読出し過程に対応する光学モデルを示し、(d)は、デジタル位相共役再生過程に対応する光学モデルを示す。 本発明の他の形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、記録過程においてランダム拡散板をシフト動作させる形態を示し、(b)は、光学的位相共役読出し・再生過程においてランダム拡散板をシフト動作させる形態を示す。 ランダム拡散板の前後の2枚のレンズで光学系を構成した形態を示す図であり、(a)は、ランダム拡散板の前後の2枚のレンズで所定の大きさの光学系を構成した形態を示し、(b)は、(a)に示す光学系を縮小した縮小光学系を構成した形態を示す。 本発明をコリニア光学系に適用した場合の実施の一形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、記録過程における形態を示し、(b)は、読出し・再生過程における形態を示す。 本発明のさらに他の形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、レンズ開口径の外側に参照光を配置しランダム拡散板を透過しないように工夫した形態を示し、(b)は、信号光がランダム拡散板を透過した後に別光路から参照光を用意する形態を示す。 本発明のさらに他の形態に係る記録再生装置の要部構成を示す図であり、(a)は、デジタル変調信号生成過程に対応する光学モデルを示し、(b)は、記録過程が行われる際の形態を示し、(c)は、読出し過程が行われる際の形態を示し、(d)は、デジタル位相共役再生過程に対応する光学モデルを示す。 計算機による数値計算で用いる解析モデルを示す図であり、(a)は、デジタル変調信号光生成過程に対応する解析モデルの一例を示し、(b)は、二光束光学系における記録および読出し過程対応する解析モデルの一例を示し、(c)は、コリニア光学系における記録および読出し過程に対応する解析モデルの一例を示し、(d)は、デジタル位相共役再生過程に対応する解析モデルの一例を示し、(e)は、SLM面における座標およびメッシュの定義を示し、(f)は、記録媒質内部の座標およびメッシュの定義を示し、(g)は、2値位相マスク面における座標およびメッシュの定義を示す。 強度変調型のデータページの一例を示す図である。 ランダム拡散板通過直後の変調信号光の伝搬の様子を示し、(a)は、拡散角θdif=0.0°の場合を示し、(b)は、拡散角θdif=10.0°の場合を示す。 ランダム拡散板の透過関数を示す図である。 SLM面の強度分布の一例を示す図である。 位相検出面における回折光の強度分布の一例を示す図である。 再生光に含まれる成分を示す図であり、(a)は、再生データページ成分の一例を示し、(b)は、ページ間クロストーク成分の一例を示す。 再生データページの一例を示す図である。 多重記録用のページ配置の例を示す図であり、(a)は、コリニアシフト多重方式におけるページ配置の一例を示し、(b)は、スペックルシフト多重方式におけるページ配置の一例を示す。 シフト選択性の例を示す図であり、(a)は、コリニアシフト多重方式におけるシフト選択性の一例を示し、(b)は、スペックルシフト多重方式におけるシフト選択性の一例を示す。 本発明をスペックルシフト多重方式に適用した場合の有効性を実証するための図であり、(a)は、本発明の実施例1の光学系および通常のスペックルシフト多重方式を比較したときの多重数に対するノイズ成分の推移を示し、(b)は、多重数に対するSNRの推移を示す。 本発明をコリニアシフト多重方式に適用した場合の有効性を実証するための図であり、(a)は、本発明の実施例2の光学系および通常のスペックルシフト多重方式を比較したときの多重数に対するノイズ成分の推移を示し、(b)は、多重数に対するSNRの推移を示す。 ランダム拡散板のシフト動作を行った場合の性能改善の有効性を実証するための図であり、(a)は、ランダム拡散板のシフト動作が有るときと無いときの多重数に対するノイズ成分の推移を示し、(b)は、多重数に対するSNRの推移を示す。 通常の鏡と位相共役鏡との機能の違いを説明するための図であり、(a)は、通常の鏡による光の反射を示し、(b)は、位相共役鏡による光の反射を示す。 信号光と参照光とによるホログラムの形成方法を説明するための図である。 ホログラムに参照光を入射させた場合のそれぞれの回折光について説明するための図である。 図3(c)の読出し過程に2ch−HDIを適用した場合の構成例を示す図である。 図9に示す解析モデルにおける解析パラメータを示す図であり、(a)は、コリニアシフト多重方式の解析パラメータを示し、(b)は、スペックルシフト多重方式の解析パラメータを示す。 本発明の他の実施形態に係る画像計測装置の概要構成を説明するための概念図であり、(a)は、位相変調過程における構成の概要を示し、(b)は、デジタル位相復調過程における構成の概要を示す。 2ch−HDIによる位相計測における種々のノイズを説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る生体画像計測装置の概要構成を説明するための概念図であり、(a)は、生体試料の測定過程における構成の概要を示し、(b)は、物体光のデジタル抽出過程における構成の概要を示す。
本発明の一実施形態について図1〜図29に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔従来の問題点の概要〕
上記のように、現状のホログラフィックメモリでは、0.4μm程度のシフト選択性がありながら、非再生ホログラムからのページ間クロストークノイズの問題があるため、実際のシフトピッチは10μm程度に設定されており、これだけで、最大記憶容量が1/(10/0.4)^2=1/625に減殺されてしまっているという問題点がある。以下では、上記のページ間クロストークノイズを効果的に除去し、ホログララフィックメモリの記憶容量を飛躍的に増大させる本発明の実施の一形態について説明する。
〔ノイズの除去方法〕
以下、コリニアホログラムの場合を仮定して、本実施形態の基本的な処理(ノイズの除去方法)について説明する。
(ホログラム記録過程)・・・図1(a)
本実施形態のホログラム記録過程に使用される構成は、図1(a)に示す空間位相変調光学系11、レンズ12、および記録媒質(ホログラム記録媒体,対象物)13である。
(空間位相変調光学系11)
同図に示すように空間位相変調光学系11は、参照光Eとともに、信号光Aに対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光A’を記録媒質13に照射するものであり、本実施形態では、さらに、空間光変調器(光照射手段)11aおよびランダム拡散板11bを備えている。
(空間光変調器11a)
本実施形態の空間光変調器11aは、レーザ光源およびレーザ光径を拡大する拡大光学系としてのビームエキスパンダ(BE:Beam Expander)を備えており、データページP1〜Pmのデータページ部分に対応する信号光A、参照光用リングに対応する参照光Eを出力(または表示)する。
空間光変調器11aによる信号変調方法は、強度変調型、位相変調型、空間直交振幅変調型、およびそれらの多値変調型などいずれでも構わない。
例えば、位相変調型の場合、信号光Aは、位相分布を有する光位相信号とする。より具体的には、空間光変調器11aによって生成される信号光Aは、例えば、0およびφの二値の位相がデータピクセル毎に2次元配置(マトリクス状に配置)された位相分布を有する信号(2次元情報)を挙示することができる。空間光変調器11aは位相のみを0〜2πの範囲で変調できることが望ましい。
また、強度変調型の場合、信号光Aは、強度分布を有する光強度信号とする。すなわち、空間光変調器11aによって生成される信号光Aは、例えば、光強度が高いHigh部分と光強度が低いLow部分とがデータピクセル毎に2次元配置された強度分布を有する信号(2次元情報)を挙示することができる。
ここで、空間光変調器11aとしては、空間位相変調器または空間強度変調器のいずれも用いることができる。いずれか一台の空間光変調器によって、光の複素振幅(位相と強度の両方)を生成することができる。
(ランダム拡散板11b)
空間位相変調素子の一例であるランダム拡散板11bは、表面にランダムな凹凸分布が形成された光学素子であり、光波を拡散させる効果があるため、信号光Aは、このランダム拡散板11bに透過させると、空間位相変調処理が行われ、位相変調光A’が出力される。なお、ランダム拡散板11bの表面に形成された凹凸分布の詳細については後述する。
また、ランダム拡散板11bの配置場所に関して特に制約はないが、図1に示す形態では、ランダム拡散板11bを信号光Aのフレネル領域に配置している。
(レンズ12、記録媒質13)
レンズ12は、コンデンサレンズ(対物レンズ)であり、参照光Eおよび位相変調光A’を集光し、記録媒質13中で干渉(結像)させて干渉縞を形成し、この干渉縞をホログラムとして記録する。なお、レンズ12の構成材料は、透光性を有するガラス材料または樹脂材料であれば良く、特に限定されない。例えば、記録媒質13としては、フォトポリマーを用いることができる。ホログラムの記録では、BEによって拡大されたビームを、レンズ12によって記録媒質13中に集光する。
(記録過程の詳細)
本実施形態の記録過程は、下記の(イ)〜(ハ)の各過程を少なくとも含む。
(イ)空間光変調器11aによって、信号光Aおよび参考光Eを生成する。なお、この手順は従来通りであるのでその説明は省略する。
(ロ)この信号光Aにランダム拡散板11bを介して空間位相変調exp{jΦ}を加え、位相変調光A’=Aexp{jΦ}を得る。空間位相変調素子としては光波を拡散させる効果のあるものが望ましく、本実施形態では、ランダム拡散板11bを用いているが、これに限定されない。例えば、ランダム拡散板11bと同様の空間位相変調効果を実現する空間光変調器を用いても良い。図1(a)に示す形態では、空間位相変調処理のためのランダム拡散板11bを設置しているが、後述するように、信号生成の段階でこの空間位相変調効果を含めた信号光A’を生成することにより、図示されているランダム拡散板11bなどの付加的な光学系を除外することができる。
(ハ)信号光Aおよび位相変調光A’を、レンズ12を用いて記録媒質13に集光し、記録媒質13中で干渉させて干渉縞を形成し、この干渉縞をホログラムとして記録する。この手順は従来通りである。
なお、実際には、必ずしもランダム拡散板11bを設置する必要はなく、信号光Aを生成する時に、ランダム拡散板11bと前後の光波伝搬効果とを含めた位相変調光A’の位相分布または強度分布を計算によって求め、この分布を、空間光変調器11aを用いて直接生成して出射するようにしても良い。
すなわち、ランダム拡散板11bなどの空間位相変調素子と前後の光波伝搬効果を含めた位相変調光A’を計算によって求め、この分布を空間光変調器11aによって直接生成する場合には、exp{jΦ}は計算上与える既知の位相分布または強度分布であるから、あらかじめ計測する必要は生じない。
また、これにより、ランダム拡散板11aなどの位相変調手段(または素子)を新たに付加する必要がなくなる。すなわち、記録光学系を簡単化することができる。このため、系全体の構成を簡単化することができる。
(ホログラム読出し過程)・・・図1(b)
本実施形態のホログラム読出し過程に使用される構成は、空間光変調器11a、レンズ12、記録媒質13、レンズ14および撮像素子(複素振幅検出手段)15である。
(空間光変調器11a)
ホログラム読出し過程では、空間光変調器11aは、参照光用リングに対応する参照光Eのみを出力(または表示)する。
(レンズ12、記録媒質13、レンズ14)
レンズ12および記録媒質13については上記のとおりである。レンズ14は、コリメータレンズであり、記録媒質13を透過した透過光(回折光D)をコリメートして、撮像素子15に入射させるものである。
(撮像素子15)
撮像素子15は、記録媒質13を透過する透過光の複素振幅の分布(2次元情報)を位相検出法によって計測(検出する)ものである。
例えば、CCD(charge coupled device)およびCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)などを用いることができる。この検出においては、元の信号(データページP1〜Pm)が強度のみの情報を有する場合でも、位相と強度を含む複素振幅を計測する必要がある。位相検出手段としては、例えば、特許文献1に開示された方法を用いることができる。
次に、本実施形態では、撮像素子15により計測された複素振幅を用いて以下では、図示しない計算機内の処理によってデジタル位相共役再生過程が行われるようにしている。
より具体的には、デジタル位相共役再生では、検出された複素振幅(以下、「複素振幅A’’」という)を用いて以下の計算を行う。
検出された複素振幅A’’の位相共役(A’’)を計算し、これを撮像素子15の位置に表示したものと仮定して同図の左側に光波伝搬した場合の複素振幅を計算する。この計算を行うと、対応する光学モデルでは、ランダム拡散板11bの直前において、再生された光波の複素振幅は、再生信号(A’)とノイズ成分を加えたものになっている。
ここで、(A’)=Aexp{−jΦ}であるから、これが、ランダム拡散板11bを再透過すると、位相exp{Φ}が加えられ、透過後の信号成分Aexp{−jΦ}exp{jΦ}=Aとなり信号Aが復調される。
これに対して、ノイズ成分は、ランダム拡散板11bにおいて位相exp{jΦ}が加えられることによって、ランダムに拡散し、その多くが信号領域の外部に分離されることによってノイズの低減が実現できる。
このように、通常のホログラム再生手順で再生された信号光の複素振幅を検出することにより、図1(a)に示すランダム拡散板11bによる処理はデジタル的(コンピュータ内の処理)に行うことができ、付加的な光学系は不要となる。
また、ランダム拡散板11bなどの空間位相変調素子を実際に設置して記録する場合には、上記の計算を行うために、ランダム拡散板11bの透過特性exp{jΦ}をあらかじめ計測しておく必要がある。しかしながら、空間位相変調素子として空間光変調器など電気的に特性(位相値)を制御できる素子を用いる場合には、空間位相変調素子の特性は既知であるから、事前計測の必要はない。また、上述したように、ランダム拡散板11bと前後の光波伝搬効果を含めた位相変調光A’の強度分布または位相分布を計算によって求め、この分布を空間光変調器11aによって生成する場合には、exp{jΦ}は計算上与える既知の強度分布または位相分布であるから、あらかじめ計測する必要は生じない。
以上によれば、記録時および/または再生時にランダム拡散板11bなどの新たな光学素子を付加することなく、デジタル位相共役再生技術によって簡素な光学系を保ちながらも、データページ間(単位情報間)のクロストーク(以下、ページ間クロストークという)を大幅に低減することが可能となる。
また、上記のように、ノイズ成分としてのページ間クロストーク成分も広範囲に拡散して再生成分から分離されるため、記録媒質13にデータページを記録できる情報量密度、記録媒質13からデータページを再生できる情報量密度、対象物の透過光に含まれる画像計測により単位情報を計測可能な情報量密度を圧倒的に向上させることができる。
よって、従来よりも記録、再生または計測時における実情報量密度を潜在的情報量密度に近づけることができる。ここに、対象物に単位情報を記録できる単位体積当たりの情報量、対象物から単位情報を再生できる単位面積当たりの情報量、光を照射した対象物の透過光に含まれる画像計測により単位情報を計測可能な単位体積当たりの情報量を情報量密度と称する。
(本実施形態のまとめ)
なお、以上の形態におけるポイントは、空間位相変調によるビーム拡散効果を利用することでページ間クロストークを大幅に低減し、多重記録や多値記録が持つ潜在的能力を開花させ、かつ、それを新たな光学素子を追加することなく従来と全く同じ簡素な光学系で実現することにある。
本実施形態では、記録時に、ランダム拡散板11bと等価な効果を持つ空間位相変調素子を用いて、信号光Aに予め空間位相変調を付加する。
また、再生時に、ホログラムから読み出された位相共役な回折光に対して再度同様の空間位相変調を付加する。
回折光に再生データページ成分とページ間クロストーク成分とが含まれている場合、再生データページ成分は、記録時に受けた位相変調が相殺され復調・再生されるが、一方のページ間クロストーク成分は、ランダム拡散板11bの位相分布とは全く位相相関が無いため、広範囲にランダムに拡散される。以上がページ間クロストーク成分を再生データページ成分から分離する基本概念である。ただし、これらの動作を全光学的に行うためには、記録光学系に空間位相変調素子を新たに付加する必要がある。また、読出し・再生光学系には、ホログラムの位相共役読出しが必要になるため、系全体が複雑化し、かつ、位相共役忠実度が十分でない位相共役読出し光によって再生ページの品質低下を招いてしまう可能性がある。本実施形態では、信号生成の段階で位相変調効果を含めた位相変調光A’を空間光変調器11aによって直接表現することで、ランダム拡散板11b等の付加的な素子を不要にし、記録光学系を簡単化する。また、通常のホログラム読出し手順で得られた回折光の複素振幅を検出し、その後の処理をデジタル的(計算機内の処理)に行うことで、光学的な位相共役読出し・再生を不要にする。以上のように、本実施形態は、光学的処理過程と電子的処理過程とを効果的に共存させることで、従来の光学系に対して新たな光学素子を追加することなくページ間クロストークを大幅に低減できるため、極めて実用性の高い形態であると言える。
(本発明の適用範囲について)
なお、以上の説明では、ホログラム記録媒体の再生時におけるノイズ成分の除去に関する形態について説明したが、本発明を具現化した形態はこのような形態に限定されない。
例えば、本発明は、後述するように画像計測装置などに適用することも可能である。
この画像計測装置では、上記の空間位相変調光学系11(または空間光変調器11a)を備え、位相変調光A’を観測試料(対象物)に照射するように構成する。
また、この画像計測装置では、上記の空間位相変調光学系11(または空間光変調器11a)を備え、位相変調光A’が照射された観測試料から出射される出射光の複素振幅に対して、または、上記の参照光Eが照射された観測試料から出射される位相変調光A’の位相共役光を含む出射光に対して、ランダム拡散板11bと同一の位相変調処理を行うことで、出射光からノイズ成分を除去するように構成しても良い。
さらに、この画像計測装置では、位相変調光A’が照射された観測試料から出射される出射光を用いて、または、上記のノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報(位相分布または強度分布)を生成する処理を行うように構成しても良い。
〔2光束光学系〕・・・図2
本発明の適用範囲は、特定の光学系に限定されないが、以下では、図2に基づき、本発明によるページ間クロストーク低減の基本概念を二光束光学系に適用した形態について説明する。
空間光変調器11aにおける信号変調方法については、図1に示す形態にて説明したとおりである。
次に、ランダム拡散板11bの配置場所については、図1(a)に示すような信号光Aのフレネル領域(フレネル回折領域)に配置することも可能であるが、本実施形態では、図2(a)に示すように、最も効率的にページ間クロストーク成分を拡散させることができるフーリエ面へ配置している。なお、「フーリエ面」とは、レンズ12aの焦点とレンズ12bの焦点との一致点を含む平面のことである。
また、空間位相変調素子としては、ビーム拡散が可能なものであれば特に制限はないが、以下では、ランダム拡散板11bを用いることを想定して説明を進める。
(ホログラム記録過程)・・・図2(a)
ここでは、図2(a)に基づき、記録過程の動作を説明する。まず、空間光変調器11aに平面波を照射することで、データページP1〜Pmが変調された信号光Aを生成する。このときの信号光振幅をa(r)とする。添え字j(j=1,2,3・・・,m・・・)は、データページP1〜Pmのそれぞれのページ番号を示す。
次に、レンズ12aによってフーリエ変換された信号光Aがランダム拡散板11bを透過することで、信号光Aに空間位相変調が加わり、より広範囲に拡散される。
このとき、位相変調光A’の振幅、g(r)は、次式(1)で与えられる。
ここで、添え字j(j=1,2,3・・・,m・・・)は、データページP1〜Pmのそれぞれのページ番号を示す。
また、A(r)はフーリエ変換後の信号光振幅を表す。
次に、ランダム拡散板11bの位相分布φ(r)は、次式(2)で与えられる。
ここで、nはランダム拡散板11bの屈折率、λはレーザ光源の波長、h(r)はランダム拡散板11bのランダム凹凸分布である。
その後、変調信号光A’をレンズ12bとレンズ12cによる4f光学系を介して、記録媒質13に再度集光し、別光路から用意された参照光Eと干渉させることでホログラムを記録する。多重記録を行う場合は、参照光Eの入射条件(入射角度、波面位相等)をデータページ毎に逐次変位させながら、上記の記録過程を同様の手順で繰り返せば良い。
(ホログラム読出し・再生過程)・・・図2(b)
次に、図2(b)に基づき、光学的位相共役読出し・再生過程の動作を説明する。まず、位相共役鏡16により射出された参照光Eの位相共役光Eを記録媒質13中のホログラムに照射する。なお、位相共役鏡16および位相共役光Eの基本的性質に関しては後述する補足説明の項目にて説明する。
記録媒質13中にホログラムが多重記録されている場合、回折光には、位相共役な再生データページ成分以外にページ間クロストーク成分も混ざっている。記録媒質13から読み出された回折光は、その後、レンズ12cとレンズ12bを介してランダム拡散板11bの表面(以下、「拡散板面」という)に到達する。
拡散板面における回折光は次式(3)によって与えられる。
ここで、添え字kは再生データページの番号、第1項は位相共役な再生データページ成分、第2項はページ間クロストーク成分を表し、α(r)はランダムな強度分布、β(r)はランダムな位相分布とする。
次に、この回折光がランダム拡散板11bを再透過することで記録時と同様の位相変調が次式(4)のように付加される。
このとき、再生データページ成分の位相変調は相殺されるが、ランダムなページ間クロストーク成分はさらに広範囲に拡散される(次式(5)参照)。
(r)はレンズ3を介して撮像素子面に到達し、最終的な再生データページa (r)が検出される。
一方、第2項のページ間クロストーク成分は、記録時よりもさらに広範囲に拡散するため、その大部分がレンズ12aの外に逸れる。以上がページ間クロストーク低減の基本概念である。
(計算機内における各処理と光学モデル)・・・図3
しかしながら、上記の基本原理を図2(a)および(b)に示す通り、全光学的に実現するためには、ランダム拡散板11bやそれに付随する複数のレンズ12a〜12c、位相共役鏡16を新たに光学系に付加する必要がある。
さらには、位相共役鏡16から射出される不完全な位相共役光Eによって、再生データページP1’〜Pm’の品質低下を招くことも懸念される。
本発明者は、信号生成の段階で位相変調効果を含めた位相変調光A’を空間光変調器11aによって表現する(出射させる)ことで、ランダム拡散板11b等の付加的な素子を不要にし、記録光学系を簡素化することができることを新たに見出した。
また、通常のホログラム読出し過程で得られた回折光の複素振幅を検出し、上記の再生過程をデジタル的(計算機内の処理)に行うことで、光学的な位相共役読出しおよび再生を不要にすることができることが判明した。
以上で説明した各処理に対応する光学モデルや構成例などを図示したものを図3(a)〜(d)にそれぞれ示す。
図3(a)は、計算機内で処理されるデジタル変調信号生成過程の光学モデルを示す。ここでは、信号光Aに対して仮想的なランダム拡散板11bによって位相変調を付加し、変調信号光A’を生成する。本過程における計算量は、高速フーリエ変換(関数変換)と逆高速フーリエ変換(逆関数変換)、信号光Aと空間位相変調素子の透過関数との乗算のみであり、
2NlogN+Nによって表される。
ここで、Nは、面内方向の解析サンプル数とする。
次に、図3(b)に示す記録過程では、まず空間光変調器11aによって、通常の記録用のデータページではなく、図3(a)において計算機内で生成された変調信号の複素振幅を表現する。
空間光変調器11aによる複素振幅表現の形態としては非特許文献7に開示された方法を利用できるが、これに限定されない。例えば、この他、空間光変調器11aの1次回折光を用いる方法を利用できる。その後、生成された変調信号光A’を、レンズ12を介して記録媒質13に照射し、ホログラムを記録する。
結局、この記録光学系については、位相変調光A’(変調信号)を空間光変調器11aによって表現する点以外は、一般的なホログラフィックメモリの記録光学系と全く同一構造とすることが可能であることがわかる。
また、図3(c)に示す読出し過程では、実際に光学的な位相共役読出しは行わず、通常の手順に従ってホログラムから回折光を得て、その複素振幅を位相検出法によって計測する。位相検出法は、使う光学系に応じて適切に選択すれば良く、具体例として、特許文献1に開示された位相検出方法をこの読出し過程に適用した場合の計測手順、および全体の構成図を後述する補足説明の項目に示す。但し、信号の変調方式として位相変調または直交振幅変調を用いる場合は、本発明の適用の有無に関わらず、結局、位相検出器は必要になる。
本実施形態によれば、一度、ある光波の複素振幅を計測すれば、計算機内でその光波に対して様々な操作や伝搬計算を高速かつ高精度に行うことが可能になる。
また、本実施形態では、回折光の複素振幅を記録媒質13の後背に配置された位相検出器(撮像素子15)で計測し、その後の処理を計算機内に任せることで、再生光学系を完全に不要にする。
次に、図3(d)にデジタル位相共役再生過程の光学モデルを示す。まず初めに計測した回折光の位相共役波を計算する。
次に、フーリエ変換を施し、再度、空間位相変調素子による位相変調exp{−iφ(r)}を付加する(位相変調演算)。
以上の一連の処理は、位相共役波を計算することなく計測した回折光自身をフーリエ変換し、符号を反転させた空間位相変調exp{iφ(r)}を掛け合わせることと等価であり、基本的にはどちらの方法でも同様のページ間クロストーク低減効果が期待できる。
しかしながら、位相共役波を用いて計算することで、記録・読出し光学系に位相ひずみがあった場合にそれらを補償できる可能性がある。例えば、レンズ12などの対物レンズに収差があり、かつ、その設計仕様が既知の場合には、計算機上で位相共役波を使って収差を補正できる。
また、空間位相変調が再度付加された後は、逆フーリエ変換(逆関数変換)を行い、位相共役な再生データページを得る。
このデジタル位相共役再生過程における計算量は、基本的にはデジタル変調信号生成過程と同様、2NlogN+Nによって表せられる。
上記の形態によれば、ノイズ成分を除去する際に、対象物に再生用の参照光Eまたは位相共役光Eを照射したり、対象物からの回折光をランダム拡散板11bなどの空間位相変調手段(または素子)に通したりする必要がなくなる。すなわち、光学的な位相共役読出し・再生が不要になる。このため、系全体の構成を簡単化することができる。
〔ノイズ除去方法の変形例〕
以下では、上述したノイズ除去方法の変形例として、ランダム拡散板11bのシフト動作の追加による性能向上、レンズ開口径の大型化に対する解決策、本発明をコリニア光学系に適用した形態の問題点とそれに対する解決策について説明する。
(ランダム拡散板11bのシフト動作)・・・図4
以下で説明するようにランダム拡散板11bにシフト動作を加えることで上述した形態のさらなる性能改善が可能になる。
(ホログラム記録過程)・・・図4(a)
まず、図4(a)に示す記録過程において、記録用のデータページP1〜Pm毎にランダム拡散板11bの位置を逐次変位させ、異なる位相変調パターンφ(r)を与える。
このとき、各位相変調パターンの空間相互相関が十分に小さくなるまでランダム拡散板11bの配置位置を異ならせる(変位させる)。これによって、各ホログラム間の相互相関を低下させることができ、ページ間クロストーク成分を抑制できる。
但し、この形態は、記録媒質13から射出されるページ間クロストーク成分自体を低減することが目的であることに注意する。
(ホログラム読出し・再生過程)・・・図4(b)
一方、図4(b)に示す光学的位相共役読出し・再生過程では、仮にk番目のデータページを読み出す場合、ランダム拡散板11bをk番目の位置に戻し、位相共役な回折光に対し、再度、位相変調パターンφ(r)を掛ければ良い。
この改善案を光学的に実現する場合は、ランダム拡散板11bをミクロンオーダーで精密に制御するための大型な機械的駆動部が必要になる。
しかしながら、上述したようにデジタル変調信号生成とデジタル位相共役再生を用いる(光学的処理過程と電子的処理過程とを効果的に共存させる)ことで、ランダム拡散板11bのシフト動作を高速かつ容易に電子処理することが可能になるため、上記した物理的な問題を容易に克服できる。すなわち、実際にランダム拡散板11bのような光学素子は設置せず、その機能をコンピュータ内に仮想的に設置されたランダム拡散板11bを操作する光学モデルを想定して計算機内による処理で表現する。
上記の形態によれば、各位相変調パターンの空間相互相関が十分に小さくなるように対応する仮想的なランダム拡散板11bの配置位置を調整することで、各位相変調パターン間の相互相関を低下させることができ、単位情報間のクロストーク成分を抑制することができる。
以上のように光学的処理過程と電子的処理過程を効果的に共存させることで、従来の光学系に対して新たな光学素子を追加することなく単位情報間のクロストークを大幅に低減できる。
(ランダム拡散板前後のレンズについて)・・・図5
次に、図5(a)に示すように、ランダム拡散板11b等の空間位相変調素子を通過後の光波はより広角に伝搬するため、開口径がより大きいレンズを用意しなければならず、光学系全体の大型化に繋がる。
この問題に対しては、例えば、図5(b)に示すようにランダム拡散板11bの前後の2枚のレンズ12a,12bで縮小光学系を組むことで、信号光Aのビーム径の拡大を防ぐことができる。また、実際には、上記のように位相変調光A’を空間光変調器11aで表現することで、縮小光学系を省略することもできる。
(コリニア光学系)・・・図6
次に、本発明をコリニア光学系に適用した場合について図6を用いて説明する。二光束光学系とは異なり、コリニア光学系を用いる場合、図6(a)に示すように、信号光Aと(変調)参照光Eとが同軸上に配置されているため、両光波共にランダム拡散板11bを通過する。その後、空間位相変調が付加された位相変調光A’と参照光Eとによってホログラムを記録する。
次に、図6(b)に示す光学的位相共役読出し・再生過程では、参照光Eの位相共役光C(上述した位相共役光Eに相当)を記録媒質13のホログラムに照射し、回折光Dを得る。その後、参照光Eと回折光Dは、ランダム拡散板11bを再透過することで、再度、空間位相変調が付加される。このとき、再生データページ成分と参照光Eは復調・再生されるが、ページ間クロストーク成分はさらに広範囲に拡散する。その結果、信号光Aの外側に配置された参照光Eとのページ間クロストークはレンズ12aの外に分離される。
但し、実際の所は、参照光Eは多数のホログラムが書き込まれた記録媒質13中を透過する際に位相擾乱を受けるため、参照光がランダム拡散板11bを再通過するとき、記録時に受けた空間位相変調が完全に相殺されず、再生データページ領域に参照光の成分が残留してしまい、結果的に品質劣化が生じる。
(信号光と参照光との分離)・・・図7
以上の問題点を解決する形態としては、例えば、参照光Eのランダム拡散板11bの透過を回避させる形態が考えられる。
以下、参照光Eのランダム拡散板11bの透過を回避できる二つの光学系について、図7を用いて説明する。
図7(a)に示す光学系はレンズ開口径の外側に参照光Eを配置しランダム拡散板11bを透過しないように工夫した光学系である。
一方、図7(b)に示す光学系は、信号光Aがランダム拡散板11bを透過した後に、別光路から参照光Eを用意する光学系である。なお、参照光データページRは、記録用のデータページP1〜Pmの「データページ」の部分を除いた参照光リングのみを含むデータページである。
しかしながら、図7(a)に示す光学系は、例えば、ランダム拡散板11bの手前のレンズ12aを支える柱の部分を参照光Eが透過することができないという別の問題点が生じる。
一方、図7(b)に示す光学系も、参照光E用に別光路が必要なため、系全体の簡素さや振動に強い等といったコリニア光学系の長所を失うという別の問題が生じる。すなわち、参照光Eのランダム拡散板11bの透過を光学的に回避することは難しいことが分かる。
(参照光のランダム拡散板の透過効果をデジタル処理により実現)・・・図8
但し、以上のような問題も、上述したように、予めランダム拡散板11bの効果を含めた変調信号光A’とその周囲を囲む非変調参照光を空間光変調器11aで表現することで解決できる。
より具体的には、図8(a)に示す光学モデルに基づいて計算機内で処理される信号生成過程では、ランダム拡散板11bによって空間位相変調が付加された位相変調光A’を空間光変調器11aにて直接生成する。すなわち、図8(b)に示す記録過程では、変調信号光A’とその周囲を囲む(非変調)参照光Eを空間光変調器11aで表現する。
一方、図8(c)に示す読出し過程では。参照光Eを用いて記録媒質13から回折光Dを取り出し、撮像素子15(位相検出器)によって回折光Dの複素振幅を計測する。参照光Eに関しては、同図に示すように光学的に空間フィルタリングを行うか、もしくは、複素振幅を検出した後、計算機内で仮想的にフィルタリングを掛けてもどちらでも構わない。図8(d)に示すデジタル位相共役再生過程では、これまでと同様の手順を踏む。
ホログラフィックメモリでは、データページP1〜Pmをホログラムとして記録媒質13に多重記録することで、高記録密度を達成している。その一方で、多数のホログラムを重ね書きする故にページ間クロストークが非常に大きな影響力を持ち、多重方式の潜在的能力が大きく制限されてしまっている。以上の背景において、本実施形態によれば、従来の簡素な構造の光学系を完全に維持しながらも、ページ間クロストークを大幅に低減することができる。このため、各多重方式が有する選択性と等価な極小の間隔で多重記録が可能になり、10倍以上の飛躍的な記録密度の向上が期待できる。
現在、記録媒質13や信号処理技術の性能改善を図ることで地道に記録密度の向上を目指す研究が多い中(非特許文献8参照)、本実施形態は飛躍的な記録密度の向上が可能であり、ブレークスルーとなり得る。例えば、上述した形態によって、10〜100TB/disc程度の超高記録密度を持つ光メモリデバイスを構築できることから、スーパーハイビジョン映像やデジタルアーカイブ、データセンター等の多種多様な領域において活躍が期待できる。また、光メモリの長期信頼性・省電力性を活かし、グリーンITにも大きく貢献できる。具体的には、近年消費電力が大きな問題となっているデータセンターにおいて、HDD(Hard Disk Drive)を光メモリに置換することができれば、4分の1程度の省電力化が可能である。
〔基本動作の確認と有効性の実証〕・・・図9、図26
以下では、上述した基本動作の確認と有効性の実証を行う。さらに、ランダム拡散板11bのシフト動作を追加することで性能をさらに改善できることを実証する。
ここで、これらの評価は全て数値計算により行なわれ、不均一媒質内における光波の伝搬計算には、高速フーリエ変換ビーム伝搬法を用いた(非特許文献9)。
また、記録媒質13はフォトポリマーを仮定し、信号光Aと参照光Eとの干渉縞が次式(6)に従って屈折率分布(ホログラム)へ変換されるものとした。
ここで、Δnmaxは、屈折率変調量の最大振幅、ΔnN−1(x,y,z)は、(N−1)回目の記録時における屈折率分布、I(x,y,z)は、N回目の記録における干渉縞の強度(W/cm)、Tは露光時間(s)、Esatは飽和エネルギー流束密度(J/cm)である。
さらに、空間位相変調素子としては、ガウシアン型の自己相関を有するランダム拡散板を想定した(非特許文献10)。加えて、以下の数値計算で用いる解析モデルと解析パラメータを図9および図26にそれぞれ示す。本解析では、記録・再生光学系にそれぞれピンホールを設置しており、その開口サイズはナイキスト開口の2倍に設定している。
(基本動作の確認)・・・図8、図10〜図16
以下では、図8に示すコリニア光学系に従いながら上述した形態の基本動作を確認していく。
まず、図8(a)に示すデジタル変調信号生成過程(実際も計算機内で処理される)において、図10に示すデータページを変調した信号光Aを生成する。
次に、信号光Aがランダム拡散板11bを透過した直後の光波伝搬の様子を図11に示す。
拡散角θdif=0.0°(図11(a))の場合と比較して、θdif=10.0°(図11(b))の場合は、信号光Aが広範囲に拡散していることが観察できる。ここで用いたランダム拡散板11bの透過関数を図12に示す。また、本来であれば、位相変調光A’の領域と参照光Eの領域に重なりが無いように縮小光学系を組む必要があるが、本解析では簡単化のためにこれを省略し、代わりにランダム拡散板11bの透過前の信号光サイズを予め小さく設定している。
次に、図8(b)に示す記録過程において、図13のように位相変調光A’に通常のリング型の参照光Eを付加する。この分布が、実際の空間光変調器11aによって表現されることになる。信号光領域を見ると、元のデータページP1〜Pmの構造を全く判別できない状態に変化していることが分かる。その後、この位相変調光A’と参照光Eとはレンズ12によって集光され、その干渉縞がホログラムとして記録媒質13中に記録される。このとき、ページ間クロストークを発生させる目的で、図10に示すデータページ以外にも3枚の異なるデータページを同様の手順で多重記録しておいた。
次に、図8(c)に示す読出し過程では、まず、空間光変調器11aによって図13に示す通常の読出し参照光を生成する。その後、レンズ12を通してこの参照光Eを記録媒質13中のホログラムに照射することで、図14に示す回折光Dが得られる。この回折光Dには、再生データページ成分と非再生ページ成分であるページ間クロストーク成分が含まれている。再生データページ成分は、全くノイズ成分が含まれていない純粋な成分として扱っている。最後に、この回折光Dの複素振幅を撮像素子15(位相検出器)によって測定する。但し、今回は数値計算で行うため、特に位相検出法による複素振幅計測は行っていない。
次に、図8(d)に示すデジタル位相共役再生過程では、まず、取得した回折光Dの位相共役波を計算する。次に、その位相共役波をフーリエ変換し、拡散板面の複素振幅を計算する。その後、その複素振幅とランダム拡散板11bの透過関数とを掛け合わせる。このとき、再生ページ成分とページ間クロストーク成分とがそれぞれランダム拡散板11bを再透過した直後の光波伝搬を図15に示す。
図15(a)では、再生ページ成分は、信号生成過程において受けた空間位相変調が補償され、逆拡散している様子が観察できる。一方、図15(b)では、ページ間クロストーク成分は、ランダム拡散板11bと全く位相相関がないために広範囲に拡散しているのが観察できる。最後に、出力面OSにおける再生データページの強度分布を図16に示す。同図によれば、非常に高い品質でデータページが再生されていることが分かる。
〔有効性の実証〕・・・図17〜図21
次に、以下では、上述した形態よってページ間クロストークを大幅に低減できることを実証する。
なお、本発明は、あらゆる多重方式に応用可能であるが、以下では、スペックルシフト多重方式とコリニアシフト多重方式における実証例をそれぞれ示す。
また、多重記録時に用いるページ配置を図17(a)および(b)に示す。各ページ配置のシフト間隔は、図18に示すシフト選択性の3倍程度に設定している。
これは、選択性の20〜30倍程度に設定されている実際のシフト間隔と比較すると十分に小さい値である。
(スペックルシフト多重方式)
ここで、本発明をスペックルシフト多重方式に適用した場合(実施例1)の有効性を実証する。
スペックルシフト多重方式とは、ランダム位相マスクによって生成されたスペックル状の参照光を用いて、媒質位置を面内方向へ僅かに変位させながらデータページを多重記録する形態である。
図19(a)および(b)は、多重数Mの増加に伴う再生データページのノイズ成分と信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)の推移を示す。ここで、SNRは以下の定義式(7)に従う。
ここで、μonはonピクセルの平均強度、μoffはoffピクセルの平均強度、σonはonピクセルの分散、σoffはoffピクセルの分散とする。
また、ノイズ成分の強さは、
で表す。
図19(a)によれば、本発明を適用した実施例1の方が、通常のスペックルシフト多重方式の場合と比較して、明らかにノイズ成分が低減されている。この結果は、本発明によってピンホールでは取り除くことのできないページ間クロストークが劇的に抑制されたことを示している。
一方、図19(b)によれば、従来方式の場合はページ間クロストークの影響でSNRが急激に劣化しているが、本発明を適用した実施例1の場合はページ間クロストークが大幅に抑制されるため、高いSNRが維持されている。
以上に加えて、本発明を適用した実施例1の場合の多重数M=64のときのSNRと、従来方式の場合の多重数M=11のときのSNRが一致している。このことは、およそ6倍の記録密度向上の可能性があることを示している。
しかしながら、本解析で設定したよりも大きな拡散角を持つランダム拡散板11bを用いることで、さらに記録密度を向上できる余地は残されている。
(コリニアシフト多重方式)
次に、本発明をコリニアシフト多重方式に適用した実施例2の有効性を実証する。
コリニアシフト多重方式とは、コリニア光学系を用いて、媒質位置を面内方向へ僅かに変位させながらデータページP1〜Pmを多重記録する形態のことを指す。
図20(a)および(b)では、多重数Mに伴い再生データページP1’〜Pm’のノイズ成分とSNRがどのように推移するかを示している。図20(a)および(b)によれば、上述した実施例1と同様の傾向が見て取れるため、コリニアシフト多重方式に対しても本発明が有用であることが示されている。
(ランダム拡散板11bのシフト動作による更なるページ間クロストーク低減)
次に、ランダム拡散板11bのシフト動作を追加することで更なるページ間クロストークの低減が可能であることを、スペックルシフト多重方式を用いて実証する。
但し、本解析では、簡単化のため。ランダム拡散板11bを実際にシフト動作させるのではなく、ページ毎にランダムな拡散板プロファイルを逐次生成した。
図21(a)および(b)では、多重数Mの増加に伴う再生データページのノイズ成分とSNRの推移を拡散板シフト機能の有無によって比較している。
図21(a)によれば、ランダム拡散板11bのシフト機能を加えることでページ間クロストークを抑制できていることが見て取れる。また、図21(b)によれば、ページ間クロストークの抑制によって再生データページのSNRも当然ながら改善されていることが見てとれる。加えて、ランダム拡散板11bのシフト機能を加えた場合の多重数M=64のときのSNRは、ランダム拡散板11bのシフト機能が無い場合の多重数M=34のときのSNRと一致している。このことは、ランダム拡散板11bのシフト動作を追加することでさらに2倍近い記録密度の向上が可能であることを示している。
以上のように、上述した形態による記憶容量の改善効果は12倍(今後のシステム最適化により100倍程度まで拡張可能性がある)。
また、上述した形態は、角度多重型ホログラムメモリ、コリニア型ホログラムメモリを含む、既存のあらゆるホログラムメモリにおける記憶容量の改善に幅広く適用可能である。
また、上述した形態は、強度変調型、位相変調型、空間直交振幅変調型、および、それらの多値変調型などのあらゆる変調方式に対応可能である。
さらに、上述した形態は、光メモリだけではなく、デジタルカメラ・3D撮像などの画像処理装置におけるノイズ低減にも応用可能である。
〔補足説明〕・・・図22〜25
(通常の鏡と位相共役鏡との機能の違い)・・・図22
位相共役光とは、ある光波に対して、空間に依存する項が互いに複素共役であり、同一の波面を有し逆方向に伝搬する光波のことである。
z軸方向に沿って伝搬する電磁波の電場を、
と書く。
ここで、ωは角周波数、kは波数ベクトルであり、振幅Aと位相φは位置(x,y,z)の実関数である。
この任意の電磁波に対して、その位相共役波は、
である。
ここで、EとEは共役な関係にある。
この2つの光波は空間の任意の点で全く同じ波面を持つ。しかしながら、これら2つの波面の動きは逆の方向である。
事実、Eにおいてtの符号を反転させるとEを得る。
よって、位相共役波はしばしば「時間反転波」と呼ばれる。
ここで、通常の鏡により反射した光と位相共役光の性質の違いを図22に示す。同図は、平面波が拡散板等の位相歪み物体を透過後、通常の鏡あるいは位相共役鏡に入射する場合を表している。
図22(a)は、通常の鏡により入射光が反射する場合を示す。この場合、位相歪み物体を透過して波面の一部の位相が遅れた入射光に対して、反射光は鏡面により折り返した波面となる。従って、反射光が再び位相歪み物体を透過すると、位相遅れは2倍になる。
一方、図22(b)は、位相共役鏡により入射光の位相共役光を発生する場合を示す。この場合、位相共役鏡への入射光と同じ波面が逆方向に伝搬するため、再び位相歪み物体を透過した場合、波面の位相遅れは相殺される。このように、位相共役光は、入射波面の歪みに対する補正作用を有している。
(信号光および参照光によるホログラムの形成方法)・・・図23、24
次に、空間光変調器11aの1次光を用いることにより、任意の信号光の複素振幅分布を生成することができることを示す。
以下では、その原理について説明する。図23に示すように、信号光Aおよび参照光Aがそれぞれ、記録媒質13に、角度0°とθで入射した場合を考える。Aは信号光の複素振幅を、Aは参照光の複素振幅を示す。
これらは、以下の式によって表現されるものとする。
ここで、a(x,y)およびa(x,y)とはそれぞれ信号光および参照光の振幅分布であり、φ(x,y)は、信号光が持つ空間位相分布である。
ここで、記録媒質はz=0の位置にあるとすると、AおよびAは、それぞれ以下のように書き直せる。
これら2光波の干渉により記録媒質中には、以下に示すホログラムが記録される。
その後、このホログラムに参照光Aを照射すると、次の式で表される回折光が得られる。
このとき、図24に示すように、0次光方向には|Aと|A、+1次光方向にはA|A、−1次光方向にはA がそれぞれ回折される。信号光の複素振幅Aは+1次光方向へ回折されるため、式(B−6)の右辺第1項と第2項は不要な情報であり、第3項と第4項のみ必要な情報であることが分かる。
以上より、空間光変調器によって第3項と第4項のホログラム分布を表示させ、参照光Aである平面波を角度θで照射すると、+1次光方向に信号光Aの複素振幅Aが得られる。ここで、空間光変調器としては、空間位相変調器または空間強度変調器のいずれも用いることができる。いずれか一台の空間光変調器によって、光の複素振幅(位相と強度の両方)を生成することができる。
式(B−5)の第3項と第4項を変形すると、
となる。
ここで、参照光Eの振幅a(x,y)は平面波であると考えると、
式(B−7)は、
と書ける。よって、空間光変調器11aには、式(B−8)に示す信号光の振幅a(x,y)に、cos{kxsinθ+φ(x、y)}という波を掛け合わせた画像を与えれば良いことになる。空間光変調器として、空間強度変調器を用いる場合には、表示される値が負値にならないように、式(B−8)のホログラム分布に一定の値を加えたものを表示する。
〔読出し過程に2ch−HDIを適用した場合の構成例〕・・・図25
次に、2チャンネルホログラフィックダイバーシティ干渉法(2ch−HDI)によって回折光の複素振幅計測を行う場合の手順を説明する。
図3(c)の読出し過程に、2ch−HDIを適用した場合の構成図を図25に示す。
まず、回折光Dと干渉光はそれぞれ1/2波長板WB1および1/4波長板WB2を透過することで、45度直線偏光と円偏光になる。
次に、BS(BS:Beam Splitter)によって回折光Dと干渉光の2つの光波を結合させる。
その後、偏光BSによってπ/2の空間位相差を有する2つの干渉縞が撮像素子(複素振幅検出手段)15aと撮像素子(複素振幅検出手段)15b上に生成される。
撮像素子15aと撮像素子15bとで計測される光強度分布を、それぞれV,Vπ/2とし、あらかじめ測定された参照光の光強度分布をRとすると、次式(C−1)によって複素振幅を求めることができる。
ここで、Iは、
である。これより、位相分布および強度分布のそれぞれは、次式(C−3)によって求められる。
〔画像(生体試料等)計測への応用〕
本発明は画像計測分野にも適用することができる。例えば、本発明を適用した画像計測装置によって、物体光が撮像素子15(光検出器)に到達する間に混入する種々のノイズ成分を大幅に低減することができる。図27にその概念図を示す。
(位相変調過程)
図27(a)に示す位相変調過程では、まず、平面波を測定対象となる物体18に照射する。次に、得られた物体光Oはビーム拡散の効果を有するランダム拡散板11bを透過することで空間位相変調が付加される。
ランダム拡散板11bと撮像素子15(複素振幅の測定機能を有する)との間に、各光学素子の反射光や背景光などのノイズ成分が存在する場合、ノイズ成分が混入した変調物体光O’が撮像素子15によって計測される。
本実施形態では、図27(b)に示す位相復調過程の光学的なプロセスを、計測した複素振幅の分布を用いてコンピュータ内でこれと等価な計算を行うことによって物体光Oに含まれるノイズ成分を除去することができる。
具体的には、まず、検出された光波分布(複素振幅の分布)の位相共役波を計算する。次に、その位相共役波の光波伝搬計算を行い、ランダム拡散板11bの拡散板面における複素振幅の分布を求める。そして、この分布と予め測定しておいたランダム拡散板11bの位相分布とを掛け合わせる。このとき、物体光Oの位相変調が相殺される一方、ノイズ成分はランダム拡散板11bの位相分布と相関が無いため広範囲に拡散する。その結果、ノイズ成分が大幅に分離された物体光Oの複素振幅の分布が得られる。本実施形態では、計測する画像の位相と強度の一方あるいは両方のノイズ成分を低減して検出することができる。
〔2ch−HDIを用いた画像計測への応用〕
次に、本発明を上述した2ch−HDIを用いた画像計測に応用した場合の種々のノイズ成分を図28に示す。
例えば、レンズ12bの反射光が図示するようにノイズ源となる。レンズ12bは、反射防止膜がコーティングされている場合でも1%弱の反射率を有しており、位相検出エラーを招く反射光を生じさせる。同様に、BSや偏光BSの反射光もノイズ源になる。さらに、これら光学素子の反射光以外にも、背景光が撮像素子15に入る場合も想定される。本実施形態の2ch−HDIを用いた画像計測では、これらのノイズ源の大部分を大幅に低減でき、位相検出精度を高めることができる。
〔光トモグラフィ(光CT、光断層映像法、光断層イメージング)への応用〕
次に、生体内の断層映像(3次元映像)を取得することは、医療分野において幅広く必要とされている。
高空間分解能(10μm程度)を有する断層イメージング技術として、光コヒーレンストモグラフィが実用化されている。これは、低コヒーレンス光干渉を利用して、光軸に沿う反射点の位置をコヒーレンス長の分解能で識別できるという事実に基づいた計測法である。
通常、利用されているOCT技術は、横と深さ方向への走査を交互に行い、点検出器で光干渉信号を検出する方式であるため、断層画像化の速度は数フレーム/秒(fps)である。高速化のため機械的な光遅延操作を必要としない方式として、検出光を分光器で周波数領域に変換するFD−OCT(Fourier domain OCT)や、波長可変レーザの発振周波数を直線的に変化させ、生体の深さ方向の反射光強度を得るSS−OCT(Swept Source OCT)などが開発されている。いずれの技術も広帯域レーザ光源または波長可変レーザ光源が必要とされる。
なお、実用化されているOCT装置は、非特許文献11に示すように、光ファイバを用いた干渉計を用いているため、計測試料の横方向に対しては機械的な走査が必要になる(非特許文献12)。
以下では、生体画像計測、特に、医療上重要な応用である光断層イメージング(光CT)への本発明の適用を考える。断層イメージングで重要となるポイントは、計測物体の多数の断層面から生ずる散乱光(ノイズ成分)の中から、必要となる断層面からの散乱光(信号成分)のみを抽出する技術である。これは、光メモリ内に蓄積された多数の画像の中から、特定の画像のみを選択的に抽出する操作との類似性が高い。すなわち、本実施形態によれば、特定の断層面からの画像の抽出おいて、OCT(optical CT)で必要とされるコヒーレンス性の制御技術などが不要である。また、本発明を生体画像計測に応用することで、現在のOCT等の光CT技術と比較して、大幅に低価格な光断層イメージング装置が開発可能であり、また、より高精度かつ高速に生体の断層画像を計測することが可能になる。さらに、従来の光断層イメージングでは、画像の強度情報だけが計測されたが、本実施形態の方法では、画像の強度情報だけではなく画像の位相情報をも取得することが可能になり、医療の進歩に大きく貢献できる。
本発明を生体画像計測に応用する場合の概略を、図29に従いながら順を追って説明する。
まず、図29(a)に示す生体試料19の測定過程において、レーザ光源から射出された平面波Pをフーリエ面に配置されたランダム拡散板11bに透過させる。これによって、平面波Pに空間位相変調φが付加され、位相変調光Pexp{−iφ}=P’が生成される。
次に、位相変調光P’はレンズ12bおよびレンズ12cを介して生体試料19に到達する。生体試料19内におけるフーリエ面と一致する層(対象層)が振幅反射率分布S(x,y)を有していると仮定すると、位相変調光Pexp{−iφ}に対象層の振幅反射率分布S(x,y)が付加された以下の変調物体光が生成される。このS(x,y)が検出したい信号成分となる。
このとき、同図に示すように、非対象層からの多重散乱光(ノイズ成分)も変調物体光に混入する。加えて、レンズ12a〜レンズ12c、撮像素子15(位相検出器)内における光学素子などの反射光も混入すると仮定すると、これら光波は以下の式(D−2)によって表現される。
ここで、Bはランダムな散乱ノイズ、添え字jは層番号、kは対象層の番号(検出対象の信号を有する深さ方向の位置)、Mは層数、Cは各光学素子の反射ノイズとする。また、「層」とは生体試料19内に仮想的にモデル化された深さ方向の構造のことで、生体試料19が、多数の層から構成されていると仮定している。実際の生体試料19ではこのような層が存在するわけではなく、本検出系の深さ方向の分解能が層の厚さに相当する量になる。
最後に、レンズ12cを介した後、撮像素子15によってノイズ成分と変調を受けた信号光(位相変調光P’)が混ざった光の複素振幅を計測する。計測される分布は、レンズ12cの作用によって上式(D−2)を空間フーリエ変換した分布になる。
なお、測定する対象層を変えたい場合は、測定装置全体または生体試料19自体を光軸方向移動させるか、もしくは、レンズ12cを空間光変調器または可変焦点レンズに置き換え、焦点位置を光軸方向に操作すれば良い。空間光変調器を用いて焦点操作を行う場合には、深さ方向、横方向ともに可動部が全く不要になる。
従来のOCTでは、生体試料19の反射率分布を点走査によって求めているが、本実施形態では、反射率分布を横方向面単位で一括して求めることが可能である。
このため、上述したように本実施形態の生体計測では、従来のOCTと比較して、計測時間の大幅な短縮が可能である。また、従来のOCTでは、数10μm程度のコヒーレンス長を持つ特殊なレーザ光源が必要であるが、本実施形態の生体計測では、通常の安価なレーザ光源を用意すれば良い。加えて、反射防止膜がコーティングされていない低品質なレンズ等の光学素子を用いることができるため、本実施形態の生体計測によれば、装置全体のコストを大幅に抑えることができる。
次に、物体光のデジタル抽出過程について説明する。その光学モデルを図29(b)に示す。以下では、光学モデルに沿って説明するが、以下の各処理はコンピュータ内でデジタル的に処理することができため、実際には物理的に光学系(素子)は不要である。まず、検出した光波の位相共役波を計算し、次に、この位相共役波をフーリエ変換し、ランダム拡散板11bの拡散板面における複素振幅を求める。
この後、ランダム拡散板11bを透過することで、ランダム拡散板11bの空間位相変調が以下のように再度付加される。
その結果、変調物体光の位相変調は相殺される。一方、散乱ノイズや各素子の反射光は付加された空間位相の効果によって広範囲に拡散する。
非対象層からの散乱ノイズ等から抽出された物体光は、レンズ12bとレンズ12cを介して、最終的に出力面で観測される。上式(D−5)における第2項、第3項のノイズ成分は、信号光の外側に拡散するため容易に分離することができる。
このとき、Pは平面波(一様な振幅分布)であるため、対象層の振幅反射率S(x,y)が得られる。
〔本発明の別の表現〕
本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の一態様に係るノイズ除去方法は、位相変調光を対象物に照射するステップと、上記対象物から得られる透過光または反射光または散乱光からノイズ成分を除去するステップと、上記対象物の2次元情報を構成するステップとを含んでいても良い。
「位相変調光」とは、平面光をランダム位相板に通した光のことである。「対象物」とは、ホログラムメモリにおいては、ホログラムの記録メディア、画像計測装置においては、観察する試料のことである。また、「2次元情報の構成」とは、光学素子による場合は、レンズ系を利用した結像系であり、計算処理により行う場合は、強度・位相分布からフーリエ変換などにより再構成する処理のことである。
また、従来のOCTでは、光のコヒーレンス性を用いて被計測物体の深さ方向を識別するのに対して、本発明の一態様に係るノイズ除去方法は、空間位相変調とデジタル位相共役再生を用いて検出対象の特定の深さからの信号(散乱光)のみを抽出しても良い。
動作原理の相違から、本発明の一態様に係る画像計測方法によれば、従来のOCTで必要とされる光ファイバ干渉計とそれに付随する機械的な走査系が不要となる。これは、本発明の一態様に係る画像計測方法が光CT装置の低コスト化に大きく貢献できることと、本発明の一態様に係る画像計測方法が潜在的に高速性、高空間分解能特性を有していることの1つの根拠になり得る。
また、従来の光ファイバ干渉計では一度に一点の計測しかできない。上述したように、時間領域のOCTを改良したものとして、周波数空間を用いて媒質の深さ方向zを同時に計測するFD−OCTや、周波数を変更しながら計測するSS−OCTがある。
これに対して、本発明の一態様に係る画像計測方法では、画像計測を基本にするため2次元(x,y)同時計測が可能である。
本発明の一態様に係る画像計測方法における深さ方法zの制御は、拡散性のある位相変調光の焦点位置を制御することで行う。一般的には測定系の微動またはレンズ制御によって焦点位置を制御する。しかし、レンズの代わりに、空間光変調器を用いて焦点位置を制御することも可能であり、この場合は、可動部がまったく不要な測定系を実現できる。
また、本発明の一態様に係る画像計測方法によれば、1つの固定した焦点位置の情報から、複数の深さ方向の情報を同時に計測する3次元(x,y,z)同時計測も可能である。
図中の層kの位置に焦点位置を設定した時(この層における空間位相変調φ)、kとは異なる層k’における空間位相変調φ’を計算または実測しておき、逆伝搬計算式として上式(D−3)〜(D−5)を行うときに空間位相変調φ’を用いることで、kの層に焦点位置のある時の実測データから、k’の断層面の情報を復調できる。
本発明の一態様に係る画像計測方法における横方向空間分解能(x,y)は、位相検出技術の空間分解能に依存するが、位相検出技術の空間分解能は、撮像素子(CCD/CMOSなど)の分解能と基本的には同一であるため、OCTと比較して高速・高分解能計測が期待できる。
本発明の一態様に係る画像計測方法における深さ方向分解能(z)は、用いるレンズの焦点深度によって定まり、開口数NA=0.6程度のレンズでも5μm程度の選択性があるので、OCT(10μm程度)と比べて優位性がある。高NA(numerical Aperture)レンズを用いれば、層厚1μm以下の断層撮影も理論上は可能である。なお、この計算値は、多層化メモリでの選択性を基準にしているため若干修正される可能性がある。
次に、従来の光断層イメージングでは、画像の強度情報だけが計測されたが、本発明の一態様に係る画像計測方法では、画像の強度情報だけではなく画像の位相情報をも取得することが可能である。
また、光源に関しては、OCTでは、広帯域光源や波長可変光源など高価で特殊な光源が必要になるが、本発明の一態様に係る画像計測方法では、一般的な安価なレーザ光源で十分であり、光CT技術の低コスト化に大きく貢献することができる。
また、本発明の一態様に係る画像計測方法によれば、位相計測技術を基に、一般的な画像計測光学系(観測対象にレーザを照射し、それを撮像する光学系)が与えられれば、それ以外の特殊な光源、精密な干渉計、機械的な走査系、多くの計算量など要せずに、生体などの断層イメージングを可能になる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、大容量光メモリ、画像処理および3D撮像などの技術に適用することができる。例えば、本発明は、角度多重型ホログラムメモリ、コリニア型ホログラムメモリを含む、既存のあらゆるホログラムメモリにおける記憶容量の改善に幅広く適用可能である。また、本発明は、強度変調型、位相変調型、空間直交振幅変調型、および、それらの多値変調型などのあらゆる変調方式に適用可能である。
また、本発明は、光メモリだけではなく、デジタルカメラ・3D撮像などの画像処理装置におけるノイズ低減にも適用可能である。
11 空間位相変調光学系
11a 空間光変調器(光照射手段)
11b ランダム拡散板
12 レンズ
12a〜12c レンズ
13 記録媒質(ホログラム記録媒体,対象物)
14 レンズ
14a,14b レンズ
15 撮像素子(複素振幅検出手段)
15a,15b 撮像素子(複素振幅検出手段)
16 位相共役鏡
18 物体
19生体試料
A 信号光
A’ 位相変調光
A’’ 複素振幅
C 位相共役光
D 回折光
E 参照光
O 物体光
O’ 位相変調光
P 平面波
P’ 位相変調光
IS 入力面
OS 出力面
P1〜Pm データページ
P1’〜Pm’ 再生データページ
R 参照光データページ

Claims (16)

  1. 少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射ステップと、
    上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、
    所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、
    上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去ステップと、を含むことを特徴とするノイズ除去方法。
  2. 上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光を用いて、または、
    上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のノイズ除去方法。
  3. 上記2次元情報は、
    上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光、または、
    上記ノイズ成分を除去した光を、レンズ系を用いて結像することにより生成されることを特徴とする請求項2に記載のノイズ除去方法。
  4. 上記2次元情報は、
    上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の2次元的な強度分布もしくは位相分布に対して、または、
    上記ノイズ成分を除去した光の2次元的な強度分布もしくは位相分布に対して、
    所定の関数変換を作用させることにより生成されることを特徴とする請求項2に記載のノイズ除去方法。
  5. 上記光照射ステップで、
    上記信号光をランダム位相板に透過させることで上記位相変調光を生成することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のノイズ除去方法。
  6. 上記ノイズ除去ステップで、
    上記位相変調光の位相共役光を含む出射光をランダム位相板に透過させることで、上記出射光からノイズ成分を除去することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のノイズ除去方法。
  7. さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅を検出する複素振幅検出ステップを含んでおり、
    上記ノイズ除去ステップで、
    上記複素振幅検出ステップで検出した上記複素振幅に対して上記空間位相変調処理に相当する位相変調演算を行うことで上記ノイズ成分を除去することを特徴とする請求項2に記載のノイズ除去方法。
  8. 上記位相変調光が異なる位相変調パターンを付加された複数の信号を含んでいる場合に、上記ランダム位相板の配置位置を異ならせることよって上記異なる位相変調パターンを生成することを特徴とする請求項5または6に記載のノイズ除去方法。
  9. 少なくとも所定の信号光に対して空間位相変調処理を行って生成した位相変調光を対象物に照射する光照射手段と、
    上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅に対して、または、
    所定の参照光が照射された上記対象物から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、
    上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去手段と、を備えることを特徴とするノイズ除去装置。
  10. 上記光照射手段は、上記信号光に対して予め上記空間位相変調処理を行った上記位相変調光を直接出射することを特徴とする請求項9に記載のノイズ除去装置。
  11. さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成手段を備えることを特徴とする請求項9または10に記載のノイズ除去装置。
  12. さらに、上記位相変調光が照射された対象物から出射される出射光の複素振幅を検出する複素振幅検出手段を備えており、
    上記ノイズ除去手段は、
    上記複素振幅検出手段が検出した上記複素振幅に対して上記空間位相変調処理に相当する位相変調演算を行うことで上記ノイズ成分を除去することを特徴とする請求項9から11までのいずれか1項に記載のノイズ除去装置。
  13. 請求項9から12までのいずれか1項に記載のノイズ除去装置を備えた記録再生装置であって、
    上記光照射手段は、
    記録用の参照光とともに上記位相変調光を上記対象物としてのホログラム記録媒体に照射して情報を記録し、
    上記ノイズ除去手段は、
    上記ホログラム記録媒体に上記所定の参照光としての再生用の参照光を照射することにより生じた上記位相共役光を含む出射光としての回折光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記回折光からノイズ成分を除去し、
    さらに、上記ノイズ除去手段によって上記回折光からノイズ成分が除去された光を上記ホログラム記録媒体に記録された情報の再生光として出力する再生手段を備えることを特徴とする記録再生装置。
  14. 請求項9から12までのいずれか1項に記載のノイズ除去装置を備えた画像計測装置であって、
    上記光照射手段は、上記位相変調光を上記対象物としての観測試料に照射し、
    上記ノイズ除去手段は、
    上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光の複素振幅に対して、または、
    所定の参照光が照射された上記観測試料から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、
    上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去し、
    さらに、上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光を用いて、または、
    上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成手段を備えることを特徴とする画像計測装置。
  15. 請求項9から12までのいずれか1項に記載のノイズ除去装置を用いた記録再生方法であって、
    上記光照射手段により記録用の参照光とともに上記位相変調光を上記対象物としてのホログラム記録媒体に照射して情報を記録する記録工程と、
    上記ノイズ除去手段により上記ホログラム記録媒体に上記所定の参照光としての再生用の参照光を照射することにより生じた上記位相共役光を含む出射光としての回折光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記回折光からノイズ成分を除去するノイズ除去工程と、
    上記ノイズ成分が除去された光を上記ホログラム記録媒体に記録された情報の再生光として出力する再生工程と、を含むことを特徴とする記録再生方法。
  16. 請求項9から12までのいずれか1項に記載のノイズ除去装置を用いた画像計測方法であって、
    上記光照射手段により上記位相変調光を上記対象物としての観測試料に照射する光照射工程と、
    上記ノイズ除去手段により上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光の複素振幅に対して、または、所定の参照光が照射された上記観測試料から出射される上記位相変調光の位相共役光を含む出射光に対して、上記空間位相変調処理と同一の位相変調処理を行うことで、上記出射光からノイズ成分を除去する処理を行うノイズ除去工程と、
    上記位相変調光が照射された上記観測試料から出射される出射光を用いて、または、上記ノイズ成分を除去した光を用いて2次元情報を生成する処理を行う情報生成工程と、を含むことを特徴とする画像計測方法。
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