JP5100729B2 - ホログラム記録再生システムのノイズ測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホログラムを利用して画像情報の記録再生を行うホログラム記録再生システムにおいて、復元された画像情報に重畳されたノイズを測定する方法に関し、特に、その測定結果をホログラム記録再生システムの設計に活用するのに好適なホログラム記録再生システムのノイズ測定方法に関する。
近年、情報記録において光ディスクなどの光情報記録媒体が普及しつつある。また、より高速・大容量を目指した次世代光情報記録媒体の研究・開発が活発に行われている。
光ディスクの記録容量を高める技術としては、記録再生光の短波長化、記録再生光学系における対物レンズの高NA化(高開口数化)、記録マークの多値化、あるいは体積ホログラム記録などが挙げられる。中でも体積ホログラム記録は、従来の面内記録だけではなく、媒体の厚み方向へも記録することが可能であり、他の技術に比べて高速化と飛躍的な容量の増大が期待できるため注目を集めつつある。
体積ホログラムを用いた情報記録再生方式として、ページデータと称される、白、黒2値の画素を2次元配列したデジタル画像情報を一度の光アクセスで記録または再生するようにしたものが知られている。このようなホログラム記録方式のメリットは、大容量であることのほか、大量の情報(二次元配列された情報)を高速で記録再生し得る点にあり、その高転送レート化故に、大きな期待がかけられている。
このような方式のホログラム記録再生システムでは、一般に、レーザ光源から出射された光ビームを信号搬送用光と参照光とに分離し、この信号搬送用光を空間光変調素子が生成したページデータで光変調して信号光を生成し、これら信号光および参照光をホログラム記録媒体に照射することによりホログラム記録媒体にページデータが記録される。一方、ページデータが記録されたホログラム記録媒体に参照光を照射することにより形成される再生像を撮像素子により撮像し、この撮像素子からの出力信号に基づきページデータが復元されるようになっている。
また、ホログラム記録媒体としてはフォトポリマー媒体が一般的に用いられる。ホログラム記録媒体を参照光軸と信号光軸がなす面内で回転させながら相異なるページデータをホログラム記録媒体中の同一領域へ多重記録する方式(角度多重記録方式)の採用により、高密度な情報格納が可能となる。
近年、このようなホログラム記録再生システムにおいて復元されたページデータ(再生ページデータ)の信号品質評価(ノイズ評価)を行い、その評価結果をシステム設計に活用しようとする試みがなされているが、従来、この信号品質評価は、一般にSNR(Signal to Noise Ratio:SN比:信号対雑音比)という指標を用いて行われていた(下記特許文献1、2参照)。
このSNRは、再生ページデータの各画素の輝度についてのヒストグラムに基づき、一般に下式(1)を用いて算定される。ページデータは白、黒2値の各信号成分からなり、再生ページデータでは、この各信号成分にノイズが加えられているため、一般にそのヒストグラムでは、輝度値(ピクセル値)の低い黒信号に重畳されたノイズの分布(以下「黒信号ノイズ分布」と称する)と、輝度値の高い白信号に重畳されたノイズの分布(以下「白信号ノイズ分布」と称する)との2つの山状の分布が形成される。
Figure 0005100729
ここで、μ1およびμ0はそれぞれ白信号ノイズ分布および黒信号ノイズ分布の各平均値を表し、σ1 2およびσ0 2はそれぞれ白信号ノイズ分布および黒信号ノイズ分布の各分散を表しており、いずれも白信号ノイズ分布および黒信号ノイズ分布がガウス分布であるとしたときの値である。
特開2007−164862号公報 特開2008−204511号公報
J. F. Heanue, M. C. Bashaw, and L. Hesselink: Journal of the OpticalSociety of America A, Vol. 12, No.11, pp2432-2439 (1995)
しかしながら、実際の再生ページデータのヒストグラムは、仲上−ライス分布であることが知られている(上記非特許文献1参照)。この仲上−ライス分布は、信号振幅が大きいもの、すなわち白信号ノイズ分布はガウス分布に近似できるが、信号振幅が小さいもの、すなわち黒信号ノイズ分布についてはレイリー分布に近似できるとしたものである。これによれば、従来用いられているSNRの定義では実情に合わないこととなる。
また、再生ページデータの信号品質評価を、ヒストグラムに基づき求められたSNRという指標のみで行った場合、システム内のどこにノイズ発生箇所があり、それがどの程度のノイズ量であるかを把握することができないため、その評価結果を、細部に渡るシステム設計に活用することが困難であった。
また、近年では数値解析によるホログラム記録再生のシミュレーション技術も研究されているが、実システムにおけるノイズ要因とノイズ量をシミュレーションにおいて加味していないため、実システムと一致するシミュレーション結果を得ることが難しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、実システム内における発生要因別のノイズ量を高精度に算定し得るホログラム記録再生システムのノイズ測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るホログラム記録再生システムのノイズ測定方法は、レーザ光源から出射された光ビームを信号搬送用光と参照光とに分離し、該信号搬送用光を空間光変調素子が生成した白、黒2値の画像情報からなるページデータで光変調して信号光を生成し、該信号光および該参照光をホログラム記録媒体に照射することにより該ホログラム記録媒体に前記ページデータを記録するとともに、該ホログラム記録媒体に該参照光を照射することにより形成される再生像を撮像素子により撮像し、該撮像素子からの出力信号に基づき前記ページデータを復元するホログラム記録再生システムにおいて、復元されたページデータに重畳されるノイズを測定解析するホログラム記録再生システムのノイズ測定方法であって、
前記ホログラム記録再生システムにおいて通常の記録再生環境の下で復元されたページデータに重畳される通常環境下ノイズを、該復元されたページデータの画素毎の輝度値のヒストグラムに基づき算定する通常環境下ノイズ算定ステップと、
前記通常環境下ノイズを互いに異なる複数の要因別ノイズの和からなるものとして、該要因別ノイズをそれぞれ未知数とする方程式を設定する方程式設定ステップと、
前記ホログラム記録再生システムにおいて、前記複数の要因別ノイズのうち一部の要因別ノイズのみが発生するような互いに異なる複数の特殊記録再生環境をそれぞれ設定し、設定された各特殊記録再生環境の下で前記撮像素子による撮像をそれぞれ行い、撮像された各画像に重畳される特殊環境下ノイズを各画像の画素毎の輝度値のヒストグラムに基づきそれぞれ算定する特殊環境下ノイズ算定ステップと、
前記通常環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた前記通常環境下ノイズの算定値と、前記特殊環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた前記特殊環境下ノイズの各算定値と、前記方程式設定ステップにおいて設定された前記方程式とに基づき、前記複数の要因別ノイズの各々の値を算定する要因別ノイズ算定ステップと、を手順として含んでなることを特徴とする。
本発明において、前記特殊記録再生環境は、前記レーザ光源から前記撮像素子に至るまでの経路、前記空間光変調素子が生成するページデータの状態、および前記ホログラム記録媒体に記録してから再生するまでの時間のうち少なくとも1つが、前記通常の記録再生環境とは異なっているものとすることができる。
また、前記ヒストグラムに黒信号ノイズ分布と白信号ノイズ分布とが共に含まれる場合、該黒信号ノイズ分布はレイリー分布、該白信号ノイズ分布はガウス分布であるとして統計的にノイズ量を算定することが好ましい。
本発明に係るホログラム記録再生システムのノイズ測定方法は、上述の特徴を備えていることにより、以下のような作用効果を奏する。
すなわち、従来のSNRに基づく信号品質評価では求めることができなかった、実システムにおいて発生する要因別ノイズを、ヒストグラムおよび方程式に基づく演算処理により高精度に算定することが可能となる。また、その算定した要因別ノイズに基づき、システム設計を細部に渡り精細に行うことが可能となる。さらに、測定された要因別ノイズをシステム設計の数値シミュレーションに加味することによって、計算機上でのシステム設計を現実のシステムに即した形で実行することが可能となる。
したがって、本発明によれば、ホログラムを利用した情報記録再生技術の研究・開発において、光学系・媒体材料・信号処理まで含めたトータルの計算機システム設計を通じ、より高性能なホログラム記録再生システムの早期実現に寄与することが可能となる。
ホログラム記録再生システムの構成を示す概略図である。 ページデータの一例を示す図である。 復元されたページデータの画素輝度値に係るヒストグラムを示す図である。 各特殊記録再生環境を示す図である。 固定ノイズとショットノイズを分離するための測定結果を示す図である。
以下、本発明に係るホログラム記録再生システムのノイズ測定方法の一実施形態(以下「本実施形態方法」と称することがある)について、上記図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態方法では、一般的なホログラム記録再生システムを実際に構築し(図1参照)、このシステムに対して本発明を適用した。そこで、まず、このホログラム記録再生システムの仕組み(記録再生操作の流れ)について、図1を参照しながら簡単に説明する。なお、このシステムで使用したレーザ波長は532nm、ホログラム媒体はフォトポリマー媒体であり膜厚0.3mmである。
レーザ光源1から出射された光ビームは、シャッタ2を開くことでミラー3を介して光学系に導かれ、スペイシャルフィルタ4にて空間的なノイズが除去されるとともにビーム径が拡大される。
信号記録時において、スペイシャルフィルタ4からのビームは半波長板5(HWP1)により所望の偏光比に調整され、この後、偏光ビームスプリッタ6(PBS1)により分離された偏光のうち、縦偏光成分(S偏光成分)は参照光として、横偏光成分(P偏光成分)は信号搬送用光として各々利用される。
信号搬送用光は、レンズ7とレンズ8によりページデータの大きさ程度までビーム径が拡大された後、偏光ビームスプリッタ9(PBS2)を透過して、反射型画像表示素子からなる空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)10に照射される。このとき、空間光変調器10にはページデータが表示されており、これにより信号搬送用光が空間的に変調されて信号光となる。そして、その縦偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ9によってフーリエ変換レンズ(FTL:Fourier Transform Lens)11方向へ反射される。フーリエ変換レンズ11を通過後、光学的フーリエ変換面には矩形開口12が配置されており、0次の回折光のみが矩形開口12を通過してホログラム記録媒体(以下、単に「記録媒体」とも称する)13上に照射される。
一方、参照光は、縦偏光状態のまま半波長板14(HWP2)を通過し、偏光ビームスプリッタ15(PBS3)において記録時参照光として直角に反射され、ミラー16,17を介して記録媒体13上に照射される。
記録時参照光と信号光が交差した部分で光の干渉縞、すなわち光の明暗が生じ、この位置に記録媒体13が配されていることにより該記録媒体13の記録面において、光の強い場所は重合反応が進み、その一方、弱い場所は重合反応があまり進まず、結果として記録媒体13の記録面に屈折率分布が形成され、1つのホログラムの記録操作が完了する。
一方、信号再生時においては、スペイシャルフィルタ4からの光ビームが半波長板5により完全に縦偏光(S偏光)とされ、偏光ビームスプリッタ6により直角に反射される。この後、半波長板14により完全に横偏光(P偏光)にされることで、偏光ビームスプリッタ15を再生時参照光として透過し、ミラー18,19を介して裏面側より記録媒体13へ照射される。これは、位相共役再生と称される周知の再生手法であり、この場合には再生光は記録媒体13からフーリエ変換レンズ11側へ出射され、フーリエ変換レンズ11を通過する。再生光は横偏光であるから、この後偏光ビームスプリッタ9を透過して撮像素子20(CCD)上に結像される。
この撮像素子20で撮像された再生ページデータ像に対して、データ領域特定と線形補間、2:4復調などの所定の信号処理を施すことでページデータを復元することができる。
なお、記録媒体13は、図示されない回転ステージ上に取り付けられ、図1中のθm方向へ所定の角度だけ回転させることができる。角度θmを少しずつ変化させることにより、記録媒体13の同一領域にホログラムを記録する角度多重記録が可能となっている。また、記録したときと同じ設定角度を再現して再生時参照光を照射すると、記録された1つのホログラムだけを分離して再生することが可能である。
次に、上述のホログラム記録再生システムに適用した本実施形態方法の手順について説明する。
〈1〉まず、上記ホログラム記録再生システムにおいて、上述した記録再生操作の流れに沿った、通常の記録再生環境の下で復元されたページデータに重畳される通常環境下ノイズを、復元されたページデータの画素毎の輝度値のヒストグラムに基づき算定する(通常環境下ノイズ算定ステップ)。
本実施形態方法では、上記通常環境下ノイズを算定するためのページデータとして、図2に示すような2:4変調されたものを用いた。また、復元されたページデータの画素毎の輝度値のヒストグラムとして、図3に示す分布のものが得られた。この図3に示す分布では、輝度値(ピクセル値)の低い黒信号に重畳されたノイズの分布(黒信号ノイズ分布)と、輝度値の高い白信号に重畳されたノイズの分布(白信号ノイズ分布)との2つの山状の分布が形成されており、本実施形態方法では、これらの分布が仲上-ライス分布であるとして、以下のように上記通常環境下ノイズを算定した。
すなわち、仲上-ライス分布では、白信号の振幅が大きい場合、白信号ノイズ分布は平均値μ、分散σG 2のガウス分布に近似されるため、白信号ノイズ分布を表す確率密度関数は下式(2)で与えられる。
Figure 0005100729
一方、黒信号ノイズ分布はレイリー分布に近似され、その確率密度関数は下式(3)で与えられる。
Figure 0005100729
ただし、σR 2はレイリー分布の分散、aは撮像素子20の設定済み黒レベルから得られるオフセット値(本実施形態ではa=1)である。
また、得られたヒストグラムから次の式(4)〜(6)を用いてμ、σG 2、σR 2を算定する。
Figure 0005100729
なお、撮像時の露光時間や光量の影響を除去するため、μ2で規格化した分散の値を特にσ´2=(σ22)として(下付きの文字は省略)表すこととする。
本実施形態方法では、図3のヒストグラムに基づく演算処理の結果、通常の記録再生環境下において復元されたページデータに重畳される通常環境下ノイズは、白信号に重畳されるノイズσ1 ´2(白信号ノイズ分布となる)と、黒信号に重畳されるノイズσ0 ´2(黒信号ノイズ分布となる)とに分けられ、それらは、上式(4)〜(6)を用いることにより、σ1 ´2=0.2653、σ0 ´2=0.0058であると算定された。
〈2〉次に、上記通常環境下ノイズを互いに異なる複数の要因別ノイズの和からなるものとして、該要因別ノイズをそれぞれ未知数とする方程式を設定する(方程式設定ステップ)。
本実施形態方法では、上記要因別ノイズとして、次の7つを設定している。これらのうち、σ´ g 2とσ´ r 2およびC1とC0は、それぞれ互いに同類とすることができ、その場合、上記要因別ノイズは5つに分類されることとなる。
〔1〕σ´ L 2:レーザノイズ、レーザ光のビームプロファイルに起因するノイズ、撮像素子のショットノイズ、撮像素子の固定パターンノイズ、および信号光生成系での光学部品間の多重干渉に起因するノイズ。
〔2〕σ´ W 2:参照光のビームプロファイルに起因するノイズ、媒体表面の非平坦性、記録時と再生時の参照光の波面誤差に起因するノイズ、および信号光生成系以外の光学系での光学部品間の多重干渉に起因するノイズ。
〔3-1〕σ´ g 2:変調パターン伝送時における光学系の光学伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)、復元時のリサンプリングに起因するノイズのうち白信号に重畳されるもの。
〔3-2〕σ´ r 2:変調パターン伝送時における光学系の光学伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)、復元時のリサンプリングに起因するノイズのうち黒信号に重畳されるもの。
〔4〕σ´ e 2:撮像素子のダークショットノイズ・読み出しノイズなどの電気的ノイズ。
〔5-1〕C1:記録媒体の位置ずれや体積収縮に起因するノイズ、多重記録による散乱ノイズなどのノイズのうち白信号に重畳されるもの。
〔5-2〕C0:記録媒体の位置ずれや体積収縮に起因するノイズ、多重記録による散乱ノイズなどのノイズのうち黒信号に重畳されるもの。
本実施形態方法では、上述の通常環境下ノイズσ1 ´2とσ0 ´2を、上記7つの要因別ノイズの以下の組合せの和とみなし、下式(7)、(8)で表される2つの方程式を設定した。
Figure 0005100729
〈3〉次いで、ホログラム記録再生システムにおいて、上記複数の要因別ノイズのうち一部の要因別ノイズのみが発生するような互いに異なる複数の特殊記録再生環境をそれぞれ設定し、設定された各特殊記録再生環境の下で上記撮像素子20による撮像をそれぞれ行い、撮像された各画像に重畳される特殊環境下ノイズを各画像の画素毎の輝度値のヒストグラムに基づきそれぞれ算定する(特殊環境下ノイズ算定ステップ)。
本実施形態方法では、図4(a)〜(d)にそれぞれ[環境1]〜[環境4]として示した4つの特殊記録再生環境をそれぞれ設定している。なお、その設定に際しては、レーザ光源1から撮像素子20に至るまでの経路、空間光変調素子10が生成するページデータの状態、およびホログラム記録媒体13に記録してから再生するまでの時間のうち少なくとも1つが、上述の通常の記録再生環境とは異なっているように配慮した。
図4(a)に示す特殊記録再生環境(環境1)は、レーザ光源1をオフ状態とし、かつ撮像素子20の手前に遮光板21を置いて暗状態とし、撮像素子20で撮影を行う環境である。撮像素子20に光が入射しないこの環境下では、撮像素子20のダークショットノイズや読み出しノイズ、すなわち上記要因別ノイズσ´ e 2のみが出力として現れると予想される。したがって、この環境1の下で、撮像素子20により撮像される画像に重畳される特殊環境下ノイズ(以下「第1特殊環境下ノイズ」と称する)は、上記要因別ノイズσ´ e 2のみからなるとした。これは黒信号ノイズ分布に分類されるものであるが、光照射によるノイズではなく電気的なノイズであるためガウス分布に近似することができる。撮像された画像のヒストグラム(図示略)から、本実施形態方法では、上式(4),(5)を用いることよって、σ´ e 2=1.2×10-5であると算定された。この数値は、後述の他の要因別ノイズの値に比して十分小さいものである。
図4(b)に示す特殊記録再生環境(環境2)は、レーザ光源1をオン状態とし、かつ図1の面H(破線で示す)の位置に半波長板22(HWP3)を配置し、偏光ビームスプリッタ9へ入射するビームを縦偏光(S偏光)とすることで撮像素子20に導光して撮像を行う環境である。この環境2の下で、撮像素子20により撮像される画像は、画像全体が白信号のみで構成されていることから、該画像には上記要因別ノイズσ´ L 2のみが含まれていると予想される。したがって、この環境2の下で、撮像素子20により撮像される画像に重畳される特殊環境下ノイズ(以下「第2特殊環境下ノイズ」と称する)は、上記要因別ノイズσ´ L 2のみからなるとした。撮像された画像のヒストグラム(図示略)から、本実施形態方法では、上式(4),(5)を用いることよって、σ´ L 2=0.0597であると算定された。
なお、撮像素子20の露光時間を変化させながらσL 2を測定することにより、σL 2を固定ノイズとショットノイズに分離することができる。図5はこの測定を実施した結果であり、横軸は撮像素子20の露光時間を変化させることによる平均輝度値μの値を示し、縦軸はσL 2の値を示している。固定ノイズはビームプロファイルや光学部品間多重干渉、さらに撮像素子20の画素間のバラツキなどにより生じる。例えば、特開2002-112108号公報に開示されているように、固定ノイズパワーは光量パワーであるμ2に比例し、ショットノイズパワーは光量パワーの平方根であるμに比例することが知られている。各々の係数をα、βとして、固定ノイズパワーをσF 2=αμ2、ショットノイズパワーをσS 2=βμとしたときの下式(9)の関係により、σ´ L 2を下式(10)で表すことができる。
Figure 0005100729
なお、図5に示した測定値から最小二乗法により係数α、βを求めたところ、α=0.058、β=0.072を得た。
図4(c)に示す特殊記録再生環境(環境3)は、図1の面Hの位置に配置された半波長板22を除去した上で、空間光変調器10に全面白信号のページデータを表示し、これを信号光軸と垂直な角度(θm=0°)のホログラム記録媒体13に記録し、さらに媒体収縮の影響を受けないように記録直後にページデータを再生し、撮像素子20による撮像を行う環境である。この環境3の下で、撮像素子20により撮像される画像には、上記要因別ノイズ量のσ´ L 2とσ´ W 2のみが含まれていると予想される。したがって、この環境3の下で、撮像素子20により撮像される画像に重畳される特殊環境下ノイズ(以下「第3特殊環境下ノイズ」と称する)は、上記要因別ノイズσ´ L 2とσ´ W 2のみからなるとした。本実施形態方法では、撮像された画像のヒストグラム(図示略)から、上式(4),(5)を用いることよって、σ´ L 2+σ´ W 2=0.1203であると算定された。
図4(d)に示す特殊記録再生環境(環境4)は、図2に示すような2:4変調された通常ページデータを空間光変調器10に表示し、これをホログラム記録媒体13に記録し、さらに媒体収縮の影響を受けないように記録直後にページデータを再生し、撮像素子20による撮像を行う環境である。撮像したページデータは、リサンプリング、2:4復調などの通常の信号処理を行って復元した。この環境4の下で、撮像素子20により撮像された画像(復元されたページデータ)に重畳される特殊環境下ノイズ(以下「第4特殊環境下ノイズ」と称する)は、白信号に重畳される要因別ノイズσ´ L 2,σ´ W 2,σ' 2と、黒信号に重畳される要因別ノイズσ´ 2であるとした。本実施形態方法では、復元されたページデータのヒストグラム(図示略)の白信号ノイズ分布から、上式(4),(5)を用いることよって、σ´ L 2+σ´ W 2+σ´ 2=0.2118であり、また、黒信号ノイズ分布から、上式(6)を用いることよって、σ´ 2=0.0046であると算定された。
〈4〉次に、上記通常環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた上記通常環境下ノイズの算定値(σ1 ´2=0.2653、σ0 ´2=0.0058)と、上記特殊環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた上記第1乃至第4特殊環境下ノイズの各算定値(σ´ e 2=1.2×10-5,σ´ L 2=0.0597,σ´ L 2+σ´ W 2=0.1203,σ´ L 2+σ´ W 2+σ´ 2=0.2118,σ´ 2=0.0046)と、上記方程式設定ステップにおいて設定された2つの方程式(上式(7),(8)参照)とに基づき、上述の7つの要因別ノイズの各々の値を算定する(要因別ノイズ算定ステップ)。その結果を、以下に示す。
σ´ L 2=0.0597
σ´ W 2=0.0606
σ´ 2=0.0915
σ´ 2=0.0046
σ´ e 2=1.2×10-5
C1=0.0535
C0=0.0012
上述の測定結果から、本実施形態方法を適用したホログラム記録再生システムでは、黒信号に重畳されるノイズよりも白信号に重畳されるノイズの方が顕著であることが分かる。よって、このシステムにおいては白信号に重畳されるノイズを低減することが優先されるべきであり、かつ効果的であることがわかる。
また、一般にホログラム記録再生システムでは、記録媒体系のノイズよりもシステム系のノイズを十分小さくする必要がある。上記測定結果により、記録媒体系のノイズ(C1、C0)とシステム系のノイズ(σ´ L 2,σ´ W 2,σ´ 2,σ´ 2,σ´ e 2)とのバランスを把握し、それに応じて、過去に開示されている多くのノイズ低減手法を適用し得るか否か、あるいは全く新規のノイズ低減手法を生み出す必要があるかなど、システム設計における検討が可能となる。
また、実際のシステムにおいてノイズ要因別に測定された各ノイズパワーを数値シミュレーションに適用することで、計算機上でのシステム設計を実際のシステムに即した形で実行することができるようになる。特に、ノイズパワーに対する情報ビット誤り率の関係をシミュレーション上で明らかにすることが可能となるなど、光学系・媒体材料・信号処理まで含めたトータルの計算機システム設計を通じ、より高性能なホログラム記録システムの早期実現に寄与することが可能となる。
なお、本発明は、上述の実施形態において具体的に示した、レーザ波長、空間光変調器および撮像素子の種類、光学配置、変調方式および媒体材料を備えたホログラム記録再生システムに適用の対象が限定されるものではなく、種々の態様のシステムに広く適用可能なものである。
1 レーザ光源
2 シャッタ
3,16,17,18,19 ミラー
4 スペイシャルフィルタ
5,14,22 半波長板
6,9,15 偏光ビームスプリッタ
7,8,11 レンズ
10 空間光変調器
12 矩形開口
13 ホログラム記録媒体
20 撮像素子
21 遮光板

Claims (3)

  1. レーザ光源から出射された光ビームを信号搬送用光と参照光とに分離し、該信号搬送用光を空間光変調素子が生成した白、黒2値の画像情報からなるページデータで光変調して信号光を生成し、該信号光および該参照光をホログラム記録媒体に照射することにより該ホログラム記録媒体に前記ページデータを記録するとともに、該ホログラム記録媒体に該参照光を照射することにより形成される再生像を撮像素子により撮像し、該撮像素子からの出力信号に基づき前記ページデータを復元するホログラム記録再生システムにおいて、復元されたページデータに重畳されるノイズを測定解析するホログラム記録再生システムのノイズ測定方法であって、
    前記ホログラム記録再生システムにおいて通常の記録再生環境の下で復元されたページデータに重畳される通常環境下ノイズを、該復元されたページデータの画素毎の輝度値のヒストグラムに基づき算定する通常環境下ノイズ算定ステップと、
    前記通常環境下ノイズを互いに異なる複数の要因別ノイズの和からなるものとして、該要因別ノイズをそれぞれ未知数とする方程式を設定する方程式設定ステップと、
    前記ホログラム記録再生システムにおいて、前記複数の要因別ノイズのうち一部の要因別ノイズのみが発生するような互いに異なる複数の特殊記録再生環境をそれぞれ設定し、設定された各特殊記録再生環境の下で前記撮像素子による撮像をそれぞれ行い、撮像された各画像に重畳される特殊環境下ノイズを各画像の画素毎の輝度値のヒストグラムに基づきそれぞれ算定する特殊環境下ノイズ算定ステップと、
    前記通常環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた前記通常環境下ノイズの算定値と、前記特殊環境下ノイズ算定ステップにおいて得られた前記特殊環境下ノイズの各算定値と、前記方程式設定ステップにおいて設定された前記方程式とに基づき、前記複数の要因別ノイズの各々の値を算定する要因別ノイズ算定ステップと、を手順として含んでなることを特徴とするホログラム記録再生システムのノイズ測定方法。
  2. 前記特殊記録再生環境は、前記レーザ光源から前記撮像素子に至るまでの経路、前記空間光変調素子が生成するページデータの状態、および前記ホログラム記録媒体に記録してから再生するまでの時間のうち少なくとも1つが、前記通常の記録再生環境とは異なっていることを特徴とする請求項1記載ホログラム記録再生システムのノイズ測定方法。
  3. 前記ヒストグラムに黒信号ノイズ分布と白信号ノイズ分布とが共に含まれる場合、該黒信号ノイズ分布はレイリー分布、該白信号ノイズ分布はガウス分布であるとして統計的にノイズ量を算定することを特徴とする請求項1または2記載ホログラム記録再生システムのノイズ測定方法。
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