JP4214329B2 - 光記録方法、光記録装置、光読み取り方法、光読み取り装置 - Google Patents

光記録方法、光記録装置、光読み取り方法、光読み取り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ情報をホログラムとして光記録媒体に記録し、光記録媒体から読み出す方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のコンピュータファイルメモリとして、3次元的記録領域に由来する大容量性と2次元一括記録再生方式に由来する高速性とを兼ね備えたホログラムメモリが注目されている。ホログラムメモリでは、同一体積内に多重させて複数のデータページを記録することができ、かつ各ページごとにデータを一括して読み出すことができる。アナログ画像ではなく、二値のデジタルデータ「0,1」を「明、暗」としてデジタル画像化し、ホログラムとして記録再生することによって、デジタルデータの記録再生も可能となる。最近では、このデジタルホログラムメモリシステムの具体的な光学系や、体積多重記録方式に基づくS/Nやビット誤り率の評価、または2次元符号化についての提案がなされ、光学系の収差の影響など、より光学的な観点からの研究も進展している。
【0003】
図10(A)に、SCIENCE,VOL.265,p749(1994)に記載されている、デジタルホログラムメモリの記録再生方法ないし光学系を示す。
【0004】
この方法では、ホログラム記録媒体35にLiNbO3を用い、光源6からのレーザ光を、ビームスプリッタ12によって2つの光波に分け、ビームスプリッタ12を透過したレーザ光を、レンズ10a,10bによって口径の広い平行光にして、空間光変調器4に入射させる。
【0005】
空間光変調器4はコンピュータ40によって制御し、空間光変調器4を通過した光として、2次元強度分布を有する信号光1を得る。この信号光1は、レンズ7によってフーリエ変換して、ホログラム記録媒体35上に集光させる。
【0006】
一方、ビームスプリッタ12で反射したレーザ光を、ミラー13,14で反射させて参照光2を得、この参照光2をホログラム記録媒体35に入射させる。このように信号光1と参照光2を同時にホログラム記録媒体35に照射することによって、ホログラム記録媒体35中にホログラムを記録する。
【0007】
ホログラム読み出し時には、上記のようにして得られる参照光のみを、読み出し光2としてホログラム記録媒体35に照射する。これによって、読み出し光2は、あたかも信号光1がホログラム記録媒体35を通過したかのように信号光1の光路上に回折される。その回折光3を、レンズ8によってカメラ50上に結像させる。
【0008】
この方法では、データ入力には空間光変調器4を用い、ビットデータの表示には微分コード法を用いている。微分コード法では、図10(B)に示すように、2画素をペアとして用い、例えば、データ“0”を「暗明」で、データ“1”を「明暗」で表す。
【0009】
このような微分コード法によれば、明暗の数は常に同じであるので、空間光変調器4を通過した信号光1の光量も一定となる。そのため、各ページごとに参照光2の強度を調整する必要がない。また、ホログラムの再生では光量むらが発生しやすく、白黒レベルの区切りを一様につけるのは難しいが、微分コード法によれば、エッジを読むだけでよく、ノイズにも強い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の方法には、以下に示すような問題がある。
【0011】
上述した従来の方法では、図10(B)に示した微分コード法によってデータのエッジを読み取る。しかし、微分コード法は、2画素によって1ビットのデータを表示するため、画素の利用効率が0.5と低い。そのため、1ページに記録できるデータ密度が低下するという問題がある。
【0012】
また、微分コード法では、ホログラム再生像をCCDなどの2次元受光素子で取り込んで、シリアルな電気信号に変換した後、電気的にエッジを読み取ってビットデータに変換するため、処理に時間がかかり、転送速度が低下するという問題がある。すなわち、ホログラムからは複数のビット情報を並列に読み取れても、電気的なデータ処理はシリアルに行うため、結果的に速い転送速度を達成することができない。
【0013】
さらに、一般に、デジタルホログラムメモリでは、レンズによってデータ画像(信号光)のフランフォーファ回折像(フーリエ変換像)を記録するが、デジタルデータを高密度に記録するには、データ画像の一画素の面積を小さくして、1ページ内に、より多くのビットデータを詰め込むことが望まれる。
【0014】
しかし、一画素の面積を小さくすると、記録媒体上で、データ画像(信号光)のフーリエ変換像の広がりζが、
ζ=kλfωx …(1)
に従って大きくなってしまう。kは比例定数、λは信号光の波長、fはフーリエ変換用のレンズの焦点距離、ωxは信号光の空間周波数である。これは、信号光のデータ画像が細かくなると、空間周波数ωxが大きくなることによる。
【0015】
これを回避する方法としては、信号光の波長λを小さくする方法、または焦点距離fの短いレンズによって信号光のフーリエ変換像を形成する方法などが考えられる。しかしながら、光源の波長λを短くし、またはレンズの焦点距離fを短くすることによって、フーリエ変換像を小さくしても、原理的にフーリエ変換像は、その焦点面で無限の広がりを有するため、記録領域が広がってしまい、高密度記録を達成することができないという問題がある。
【0016】
以上の点から、この発明は、デジタルデータのデータ情報をホログラムとして記録し、読み出す方法において、データの欠落を生じることなく、データ情報を保持する画像エッジ部分を高密度に記録することができるとともに、再生時には高速転送が可能となるようにしたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の光記録方法
隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光を生成する工程と、
その信号光をフーリエ変換してフーリエ変換像を得る工程と、
そのフーリエ変換像と参照光とを、当該フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体の当該光透過部を透過させて光記録媒体に同時に照射して、前記信号光の画像エッジ部分をホログラムとして前記光記録媒体中に記録する工程と、
を備えるものである
【0018】
この発明の光読み取り方法
隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光のフーリエ変換像と参照光とが、当該フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体の、当該光透過部を透過して照射されることによって、前記信号光の画像エッジ部分がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記参照光と同じ波面を有する読み出し光によって前記ホログラムを読み出して、前記信号光の画像エッジ部分を有する回折光を得る工程と、
その回折光を逆フーリエ変換する工程と、
その逆フーリエ変換後の回折光の波面を検出して前記データ情報を読み取る工程と、
を備えるものである。
【0019】
【作用】
信号光を、例えば、図1のような画像とする。デジタルホログラムメモリでは、記録密度を向上させるために、またはホログラムにシフトインバリアントな特性を持たせるために、上述したように、レンズによってデータ画像のフランフォーファ回折像(フーリエ変換像)を記録する。これは、図1に示したようなデータ画像の振幅分布のフーリエ変換に比例することから、フーリエ変換ホログラムと呼ばれる。図2に、データ画像のフーリエ変換像を示す。これは、上記の式(1)から求めることができる。
【0020】
図2に示したフーリエ変換像のx軸方向の広がりは、図1に示したようなデータ画像のx軸方向の空間周波数ωxに対応し、x軸方向についてみると、フーリエ変換像は、0次光(ωx=0)を中心にプラス方向およびマイナス方向に対称に広がっている。y軸方向についても、同様である。このように空間周波数はプラスとマイナスの値を有するが、信号光のデータ画像を記録再生するには、いずれか一方の符号成分があればよい。
【0021】
さらに、信号光の画像エッジ部分のみを記録再生する場合には、空間周波数の直流成分、すなわち0次光(ωx=0)も遮断することができる。したがって、0次成分を含まない、例えばプラス成分(∞>ωx>0)のみを取り出して記録することによって、信号光の画像エッジ部分を記録再生することができる。
【0022】
さらに、記録する画像(信号光)は、アナログ画像ではなく、二値のデジタルデータ画像であるので、空間周波数ωxが無限大の成分まで取り出して記録する必要はなく、デジタルデータ画像の一画素程度を周期とする空間周波数の成分が記録されれば十分である。
【0023】
したがって、一部に光透過部を形成した遮光体によって、0次成分を遮光するとともに、この必要な空間周波数成分のみを取り出して記録すれば、信号光の画像エッジ部分を記録再生することができるとともに、記録領域を微小化して高密度記録を実現することができる。
【0024】
データ画像の空間周波数ωxが始めから適当に正規化された値をとれば、図2に示したフランフォーファ回折像は信号光のフーリエ変換そのものとなるので、式(1)のkは1となって、回折像の広がりζは、
ζ=λfωx …(2)
で表される。
【0025】
具体的な数値例を代入して回折像の広がりζを試算すると、例えば、波長λが500nm、焦点距離fが10cm、空間周波数ωxが100本/mm(10μm×10μmの画素に対応)の場合、回折像の広がりζは、5mmとなり、プラス成分とマイナス成分を合わせると、10mmとなる。したがって、0次光を含まない5mmの位置までの回折像を記録すれば、データの欠落を生じることなく、信号光の画像エッジ部分を記録再生することができる。
【0026】
以上の考えを2次元に拡張して、この発明では、上述したように、隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光のフーリエ変換像の0次成分は遮光し、一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体を、光記録媒体の前方に配置し、フーリエ変換像と参照光とを、その遮光体の光透過部を透過させて、光記録媒体に同時に照射して、信号光の画像エッジ部分をホログラムとして光記録媒体中に記録するものである。したがって、この発明の光記録方法によれば、データの欠落を生じることなく、データ情報を保持する画像エッジ部分を高密度に記録することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔光記録方法および光記録装置の実施形態〕
図3(A)(B)は、それぞれ、この発明で用いる遮光体の一例を示す。同図(A)は、遮光体20の光透過部21を、長辺の長さがaのx軸方向に延長する一つの長方形部分として形成し、信号光のフーリエ変換像の0次成分は遮光し、x軸プラス方向の1次から所定次までの成分を透過させるものとした場合である。
【0028】
同図(B)は、光透過部21を、それぞれ長辺の長さがaのx軸方向およびy軸方向に延長する2つの長方形部分として形成し、信号光のフーリエ変換像の0次成分は遮光し、それぞれx軸プラス方向およびy軸プラス方向の1次から所定次までの成分を透過させるものとした場合である。
【0029】
図4は、この発明の光記録方法および光記録装置の一実施形態を示す。上述した遮光体20は、光記録媒体5の前方に配置する。光源6からのコヒーレント光を、ビームスプリッタ12で2つの光に分け、記録時にはシャッタ15を開けて、ビームスプリッタ12を透過した光を、レンズ10a,10bによって口径の広い平行光にして、空間光変調器4に入射させる。
【0030】
図では省略したコンピュータによって、空間光変調器4には、図1に示したような二値画像を表示する。これによって、空間光変調器4を通過した光は、二値画像の各画素の値に応じて強度変調されて、図1に示したような画像の情報を有する信号光1となる。
【0031】
この信号光1を、フーリエ変換レンズ7によってフーリエ変換し、遮光体20の上述した光透過部を透過させて、光記録媒体5に照射する。同時に、ビームスプリッタ12で反射した光を、参照光2として、ミラー13および14で反射させ、遮光体20の光透過部を透過させて、光記録媒体5のフーリエ変換後の信号光1が照射される領域に照射する。
【0032】
これによって、光記録媒体5中でフーリエ変換後の信号光1と参照光2とが干渉して、光記録媒体5中に信号光1の画像エッジ部分がホログラムとして記録される。
【0033】
〔光読み取り方法および光読み取り装置の実施形態〕
図5は、この発明の光読み取り方法および光読み取り装置の一実施形態を示す。この実施形態の光読み取り装置は、図4の光記録装置に、フーリエ変換レンズ8、およびCCDやフォトディテクタアレイなどの2次元の光検出器9を付加したものである。光記録媒体5には、上述した方法によってデータ情報が記録されている。
【0034】
読み出し時には、シャッタ15を閉じて信号光を遮断し、記録時の参照光と同じ光を読み出し光2として、遮光体20の光透過部を透過させて、光記録媒体5のホログラムが記録された領域に照射する。照射された読み出し光2は、ホログラムによって回折される。
【0035】
光記録媒体5中の信号光はフーリエ変換レンズ7によってフーリエ変換されているので、回折光3をフーリエ変換レンズ8により逆フーリエ変換することによって、フーリエ変換レンズ8の焦点面で、信号光の画像エッジ部分が強調された再生像を観察することができる。この再生像を、光検出器9によって検出して、信号光の画像エッジ部分が有するデータ情報を読み取る。
【0036】
図6(A)(B)は、それぞれ、遮光体20として図3(A)(B)に示したものを用いてホログラムを記録した場合の、再生時のホログラムからの回折光を示す。図6(A)の回折像には、図1に示した信号光の画像の水平方向の画像エッジ部分が再生されており、図6(B)の回折像には、図1に示した信号光の画像の水平垂直方向の画像エッジ部分が再生されている。これは、図3(A)の遮光体を用いた場合には、x軸方向のフーリエ変換像のみがホログラム記録され、図3(B)の遮光体を用いた場合には、x軸方向とy軸方向の2方向のフーリエ変換像がホログラム記録されることによる。
【0037】
〔コード法の実施形態〕
以上のように、この発明によれば、特殊な遮光体を用いることによって、光記録媒体の微小領域に、データの欠落を生じることなく、信号光の画像エッジ部分を記録することができる。さらに、二値のデジタルデータを取り扱う場合には、以下に示すコード法によって、記録されたデータを高速かつ高SN比で読み出すことができる。
【0038】
「10011011」というデータ内容の8bitのデータ列を、例に示す。記録時、このデータ列は、空間光変調器4によって、図7(A)に示すように、水平方向に「暗明明明暗明明暗明」の順に強度変調された信号光1に変換される。ここで、隣接する画素が「暗明」または「明暗」であれば、データ“1”を表し、「暗暗」または「明明」であれば、データ“0”を表すように設定したものである。図7には、複数行のデータ列のうちの、一行分のみを示している。
【0039】
この信号光1を上述した光記録装置で光記録媒体5中に記録し、その再生像を上述した光読み取り装置で読み出すと、図7(B)に示すように、信号光1の画像エッジ部分の情報のみを有する回折光3が得られる。この再生像のエッジ部分が、ちょうどデータ“1”に対応するので、回折光3から再生像のエッジ位置を読み取るだけで、「10011011」というデータ列を読み取ることができる。
【0040】
したがって、このコード法によれば、図10(B)に示して上述した微分コード法のように、再生像をシリアルな電気信号に変換してから、電気的にエッジを読み取るという処理を必要としない。そのため、高速転送が可能となる。さらに、再生像のエッジ部分によりデータを読み取るので、回折光3の強度斑などによるSN比の劣化を大幅に防止することができる。
【0041】
さらに、微分コード法では、2画素によって1ビットのデータを表示するので、記録密度が低下するが、上記のコード法では、1画素を1ビットのデータに対応させるので、上述した遮光体による記録領域の微小化を考えなくても、微分コード法に比べて記録密度を2倍にすることができる。
【0042】
〔実施例〕
上述した光記録方法および光読み取り方法とコード法とによって、実際に記録再生を試みた。
【0043】
光記録媒体5としては、ホログラムを記録できるものであれば、どのようなものでもよいが、ここでは、図8に示す化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いた。この材料は、特願平10−32834号に詳細に記載されているように、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性(光誘起複屈折性、光誘起2色性)によって、ホログラムの記録、再生および消去が可能である。
【0044】
データ画像の記録には、図4に示した光記録装置を用いた。光源6には、光記録媒体5としての、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルに感度のあるアルゴンイオンレーザの発振線515nmを使用した。空間光変調器4には、一画素の大きさが42μm×42μmで640×480画素のプロジェクタ用液晶パネル1.3型を用いた。
【0045】
一画素を1ビットとして、図1に示した二値画像をコンピュータで作成して、空間光変調器4に入力した。したがって、信号光1の画像は、42μmピッチの空間周波数成分を多く含むことになる。
【0046】
フーリエ変換レンズ7として、焦点距離55mmのものを用い、これによって信号光1を集光して光記録媒体5に照射した。遮光体20としては、図3(A)(B)に示したものを用いた。光透過部21の長辺の長さaは1mmとし、一つの光透過部21の大きさは1mm×0.2mmとした。
【0047】
これらの遮光体を用いて、それぞれ、光記録媒体5中にホログラムを記録した。このとき、信号光1のフーリエ変換像と遮光体20とは、図9(A)、または(B)に示すように、フーリエ変換像の0次成分は遮光され、x軸プラス方向、またはx軸プラス方向およびy軸プラス方向の1次から3次までの成分が光透過部21を透過する位置関係とした。図2および図3とは逆に、フーリエ変換像の各成分を白塗りで示し、光透過部21を黒塗りで示す。
【0048】
図5に示した光読み取り装置によって、上記のように記録したホログラムからデータを読み出すことを試みた。光源6には、記録時と同じアルゴンイオンレーザの発振線515nmを用いた。シャッタ15を閉じて信号光を遮断し、記録時の参照光と同じ光を読み出し光2として光記録媒体5に照射した。
【0049】
その結果、図3(A)の遮光体20を用いて記録したホログラムからの回折光は、図6(A)のように再生され、図3(B)の遮光体20を用いて記録したホログラムからの回折光は、図6(B)のように再生された。この結果から、上述した遮光体20を用いることによって、信号光の画像エッジ部分を記録再生することができるとともに、記録領域を非常に微小化でき、高密度記録を実現できることがわかる。
【0050】
〔他の実施形態〕
遮光体の光透過部は、図3に示したような長尺状のものに限らず、信号光のフーリエ変換像の0次成分を遮光し、全方向または所定方向の1次から所定次までの成分を透過させる、例えば、環状または所定角度に渡る扇形のものでもよい。ただし、記録領域を微小化する点からは、図3(A)に示したような一つの、または図3(B)に示したような2つの、長尺状のものとすることが望ましい。
【0051】
【発明の効果】
上述したように、この発明の光記録方法および光記録装置によれば、データの欠落を生じることなく、データ情報を保持する画像エッジ部分を高密度に記録することができる。
【0052】
また、この発明の光読み取り方法および光読み取り装置によれば、特別な処理を必要としないで、データ情報を保持する画像エッジ部分を再生することができるとともに、記録されたデータを高速かつ高SN比で読み出すことができる。
【0053】
さらに、この発明の光記録方法および光読み取り方法は、角度多重記録、波長多重記録、位相コード多重記録、シフト多重記録などのホログラム多重記録方式と組み合わせることができ、これによって大容量のデジタルホログラムメモリシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で記録する信号光の一例を示す図である。
【図2】信号光のフーリエ変換像を示す図である。
【図3】この発明で用いる遮光体の光透過部の一例を示す図である。
【図4】この発明の光記録方法および光記録装置の一実施形態を示す図である。
【図5】この発明の光読み取り方法および光読み取り装置の一実施形態を示す図である。
【図6】この発明で得られるホログラム回折光の一例を示す図である。
【図7】信号光と回折光の関係の一例を示す図である。
【図8】この発明で用いる光記録媒体の材料の一例の化学式を示す図である。
【図9】実施例におけるフーリエ変換像と光透過部との位置関係を示す図である。
【図10】従来のホログラム記録再生方法とコード法を示す図である。
【符号の説明】
1…信号光
2…参照光(読み出し光)
3…回折光
4…空間光変調器
5…光記録媒体
6…光源
7,8…フーリエ変換レンズ
9…光検出器
12…ビームスプリッタ
15…シャッタ
20…遮光体
21…光透過部

Claims (6)

  1. 隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光を生成する工程と、
    その信号光をフーリエ変換してフーリエ変換像を得る工程と、
    そのフーリエ変換像と参照光とを、当該フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体の当該光透過部を透過させて光記録媒体に同時に照射して、前記信号光の画像エッジ部分をホログラムとして前記光記録媒体中に記録する工程と、
    を備える光記録方法。
  2. 請求項1の光記録方法において、
    前記光透過部を、一つの、または互いに直交する2つの、長尺状のものとすることを特徴とする光記録方法。
  3. コヒーレント光を発する光源と、
    デジタルデータのデータ情報に応じて前記光源からの光を変調して、隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分に前記データ情報を保持する信号光を得る空間光変調器と、
    前記信号光をフーリエ変換してフーリエ変換像を得る結像光学系と、
    前記光源からの光から参照光を得る参照光光学系と、
    光記録媒体の前方に配置された遮光体とを備え、
    前記遮光体は、前記フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に前記フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された、当該光透過部を透過させて前記フーリエ変換像および前記参照光を前記光記録媒体に照射させるものである光記録装置。
  4. 請求項3の光記録装置において、
    前記光透過部が、一つの、または互いに直交する2つの、長尺状のものであることを特徴とする光記録装置。
  5. 隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光のフーリエ変換像と参照光とが、当該フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体の、当該光透過部を透過して照射されることによって、前記信号光の画像エッジ部分がホログラムとして記録された光記録媒体から、前記参照光と同じ波面を有する読み出し光によって前記ホログラムを読み出して、前記信号光の画像エッジ部分を有する回折光を得る工程と、
    その回折光を逆フーリエ変換する工程と、
    その逆フーリエ変換後の回折光の波面を検出して前記データ情報を読み取る工程と、
    を備える光読み取り方法。
  6. 隣接する2つの画素の境界部分である画像エッジ部分にデジタルデータのデータ情報を保持する信号光のフーリエ変換像と参照光とが、当該フーリエ変換像の0次成分は遮光し、かつ一部に当該フーリエ変換像の少なくとも一方向の空間周波数成分を透過させる光透過部が形成された遮光体の、当該光透過部を透過して照射されることによって、前記信号光の画像エッジ部分がホログラムとして記録された光記録媒体に、前記参照光と同じ波面を有する読み出し光を照射して、前記ホログラムから回折光を得る読み出し光光学系と、
    その回折光を逆フーリエ変換する光学手段と、
    その逆フーリエ変換後の回折光の波面を検出して前記データ情報を読み取る光検出器と、
    を備える光読み取り装置。
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