JP2003281787A - 光記録媒体用原盤の製造方法及び光記録媒体用原盤 - Google Patents

光記録媒体用原盤の製造方法及び光記録媒体用原盤

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JP2003281787A
JP2003281787A JP2002086708A JP2002086708A JP2003281787A JP 2003281787 A JP2003281787 A JP 2003281787A JP 2002086708 A JP2002086708 A JP 2002086708A JP 2002086708 A JP2002086708 A JP 2002086708A JP 2003281787 A JP2003281787 A JP 2003281787A
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Tetsuhiro Sakamoto
哲洋 坂本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な信号対雑音比を確保することができ、
良質な信号を得ることができる光記録媒体の製造を可能
とする光記録媒体用原盤の製造方法及び光記録媒体用原
盤を提供する。 【解決手段】 基板10上の感光性材料層11を露光現
像して、これら基板10と感光性材料層11による第1
の凹凸パターンを形成する工程と、基板10上の第1の
凹凸パターンが形成された感光性材料層11に紫外線を
照射する工程と、感光性材料層11をマスクとして基板
10に対して異方性エッチングを行って第1の凹凸パタ
ーンに対応する第2の凹凸パターン10Bを形成する工
程と、基板10上に残った感光性材料層11を除去する
工程とを有して光記録媒体用原盤を製造する。また、こ
れにより製造した光記録媒体用原盤を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体用原盤
の製造方法、並びにこの製造方法により製造された光記
録媒体用原盤に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、情報のデジタル化により、大量の
デジタルデータを記録できる大容量(情報容量)を有す
る記録媒体、しかも安価な記録媒体が市場から強く要求
されている。
【0003】この大容量化のための光記録媒体の構成と
して、例えば光磁気記録媒体の1つである磁気超解像
(Magnetically induced by Super Resolution;MS
R)媒体や、磁壁移動検出(Domain Wall Displacement
Detection;DWDD)媒体、磁区拡大再生(Magnetic
Amplifying Magneto-Optical System;MAMMOS)
媒体等がある。これらの光記録媒体は、原理的に、光学
系の波長や対物レンズの開口数(NA)に制限されるこ
となく、線記録密度を非常に大きくできる利点を有す
る。
【0004】また、上述した光記録媒体側の技術の向上
に加えて、さらに記録・再生で使用する光学系の技術の
向上、特に半導体レーザ等の光源を短波長化することに
よって、光記録媒体の記録トラック密度も向上すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、短波長
光源を用いると、解像度が向上することから、光記録媒
体の情報の再生や記録時において、記録媒体表面のより
微小な構造に対しても応答しやすくなるため、例えば信
号記録面の微細な表面荒れや、信号記録面のグルーブや
ピット等の凹凸構造によって構成される鋭利な稜線部に
おける記録層や光反射層の成膜歪みにより反射光の散乱
等が生じてしまう。このため、光源波長の短波長化に伴
い、媒体ノイズの影響が顕著に現れ、所望のS/N比
(Signal to Noise Ratio ;信号対雑音比)を確保する
ことが難しくなる。
【0006】また、光記録媒体において、高記録密度化
のためにトラックピッチを狭くするにつれて、光記録媒
体用の原盤を作製し、この原盤を使用して作製したスタ
ンパー等を経て、光記録媒体を構成する基板を作製する
製造工程、即ちいわゆるマスタリングプロセスの性能限
界に近づいていく。これにより、例えば光記録媒体用の
原盤に、フォトリソグラフィにより狭いトラックピッチ
に対応する微細なパターンを形成しようとしても、性能
限界に近づくことにより、所望のパターンを表面性良く
形成することが難しくなる。このため、原盤を使用して
基板を作製した光記録媒体において、平滑で精密な形状
のグルーブやランドを得ることが困難になる。
【0007】特に、光磁気記録媒体は、他の光記録媒体
と比較して信号成分の出力が小さいため、ノイズを抑制
することが非常に重要であり、そのために表面が平滑で
グルーブが精細に形成されている基板が好ましいが、そ
のような基板を作製することは非常に困難であった。
【0008】また、光磁気記録媒体の1つである上述の
DWDD媒体は、グルーブ部とランド部との境界の壁面
部の表面が平滑であるときに、特にランド部における磁
壁の移動度が向上することが知られている。しかしなが
ら、現行のマスタリングプロセスを用いると、現像後の
フォトレジスト表面の状態から、原盤に形成される凹凸
パターンの表面粗度が大きくなる。このため、作製され
たDWDD媒体のランド部及び壁面部も、現像後のフォ
トレジスト表面の状態を反映して表面粗度が大きくな
り、その結果DWDD媒体の信号品質を向上する妨げと
なっていた。
【0009】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、充分な信号対雑音比を確保することができ、良
質な信号を得ることができる光記録媒体の製造を可能と
する光記録媒体用原盤の製造方法及び光記録媒体用原盤
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録媒体用原
盤の製造方法は、基板上の感光性材料層を露光現像し
て、これら基板と感光性材料層による第1の凹凸パター
ンを形成する工程と、基板上の第1の凹凸パターンが形
成された感光性材料層に紫外線を照射する工程と、感光
性材料層をマスクとして基板に対して異方性エッチング
を行って第1の凹凸パターンに対応する第2の凹凸パタ
ーンを形成する工程と、基板上に残った感光性材料層を
除去する工程とを有するものである。
【0011】本発明の光記録媒体用原盤は、基板上の感
光性材料層を露光現像して、これら基板と感光性材料層
による第1の凹凸パターンを形成する工程と、基板上の
第1の凹凸パターンが形成された感光性材料層に紫外線
を照射する工程と、感光性材料層をマスクとして基板に
対して異方性エッチングを行って第1の凹凸パターンに
対応する第2の凹凸パターンを形成する工程と、基板上
に残った感光性材料層を除去する工程とを有して製造さ
れたものである。
【0012】上述の本発明の光記録媒体用原盤の製造方
法及び本発明の光記録媒体用原盤によれば、第1の凹凸
パターンが形成された感光性材料層に紫外線を照射する
ことにより、感光性材料層による第1の凹凸パターンの
表面が円滑化され、曲面化される。これにより、感光性
材料層の表面及び端部の微細な形状乱れが抑制又は除去
される。そして、このように凹凸パターンが曲面化され
た感光性材料層をマスクとして基板に対して異方性エッ
チングを行って第2の凹凸パターンを形成することによ
り、基板に形成された第2の凹凸パターンの表面粗度を
低減することができる。例えばエッチング後の基板の第
2の凹凸パターンの平均基準面粗さを、エッチング前の
平均基準面粗さ(感光性材料層を形成する前の基板の平
均基準面粗さとほぼ同じ)と略同一とすることが可能に
なる。その後感光性材料層を除去することにより、表面
粗度が低減された凹凸パターンを有する原盤が得られ、
この原盤を利用してスタンパーを作製し、さらにスタン
パーを利用して光記録媒体を作製すれば、グルーブ又は
ピットによる凹凸構造の表面粗度が小さく、媒体ノイズ
が低減された光記録媒体を製造することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、基板上の感光性材料層
を露光現像して、これら基板と感光性材料層による第1
の凹凸パターンを形成する工程と、基板上の第1の凹凸
パターンが形成された感光性材料層に紫外線を照射する
工程と、感光性材料層をマスクとして基板に対して異方
性エッチングを行って第1の凹凸パターンに対応する第
2の凹凸パターンを形成する工程と、基板上に残った感
光性材料層を除去する工程とを有する光記録媒体用原盤
の製造方法である。
【0014】また本発明は、上記光記録媒体用原盤の製
造方法において、紫外線の波長を150nm以上400
nm以下の範囲内とする。
【0015】また本発明は、上記光記録媒体用原盤の製
造方法において、異方性エッチング後の基板の平均基準
面粗さを1.5nm以下とする。
【0016】また本発明は、上記光記録媒体用原盤の製
造方法において、基板の材料に石英を用いる。
【0017】本発明は、光記録媒体を製造するための光
記録媒体用原盤であって、この光記録媒体用原盤が、基
板上の感光性材料層を露光現像して、これら基板と感光
性材料層による第1の凹凸パターンを形成する工程と、
基板上の第1の凹凸パターンが形成された感光性材料層
に紫外線を照射する工程と、感光性材料層をマスクとし
て基板に対して異方性エッチングを行って第1の凹凸パ
ターンに対応する第2の凹凸パターンを形成する工程
と、基板上に残った感光性材料層を除去する工程とによ
り製造された光記録媒体用原盤である。
【0018】また本発明は、上記光記録媒体用原盤にお
いて、紫外線の波長を150nm以上400nm以下の
範囲内とする。
【0019】また本発明は、上記光記録媒体用原盤にお
いて、異方性エッチング後の基板の平均基準面粗さを
1.5nm以下とする。
【0020】また本発明は、上記光記録媒体用原盤にお
いて、基板の材料に石英を用いる。
【0021】本発明の一実施の形態として、光記録媒体
用原盤の製造方法及びこの光記録媒体用原盤を用いた光
記録媒体の製造方法を、図1〜図5を参照して説明す
る。本実施の形態は、本発明を、光記録媒体用原盤とし
て光ディスクの原盤を作製する場合に適用しているもの
である。
【0022】まず、図1に示すように、基板10をター
ンテーブル21上に載置し、ターンテーブル21によっ
て基板10を所定の回転数で回転させる。そして、図2
Aに示すように、この回転する基板10上に、フォトレ
ジスト11、例えば感光することによりアルカリ可溶性
となる感光性材料層いわゆるポジ型のフォトレジスト
を、例えばスピンコート法により均一な厚さに塗布す
る。
【0023】基板10としては、例えば表面が平坦に研
磨及び洗浄されたガラス基板や石英基板等を用いること
ができる。フォトレジスト11は、ネガ型でもよく、例
えばノボラック系レジスト、化学増幅型レジスト等種類
は問わない。
【0024】次に、フォトレジスト11が塗布された基
板10をターンテーブル21により所定の回転数で回転
させ、図1に示すように記録信号に合わせて強度変調を
受けたレーザビーム23を対物レンズ22でフォトレジ
スト11上に集光して、露光する。このとき、基板10
と対物レンズ22の位置を相対的に基板10の半径方向
に所定の速度で平行移動させることにより、スパイラル
状の後述する凹凸パターンの潜像を形成する。例えば図
1に示すように、基板10を所定の回転数で回転させな
がら対物レンズ22を基板10の半径方向に所定の速度
で平行移動させて潜像を形成する。或いは、対物レンズ
22は移動させずに、基板10を所定の回転数で回転さ
せながら半径方向にも所定の速度で移動させて潜像を形
成する。
【0025】この露光されたフォトレジスト11を例え
ばアルカリ性現像液で現像することにより、感光した領
域を溶解すると、図2Bに示すように、光記録媒体に記
録されるグルーブ又はピットから構成される凹凸構造に
対応した凹凸パターン12が形成される。この凹凸パタ
ーン12は、基板10上のフォトレジスト11が溶解さ
れて表出した面である基板平坦面部10Aと、フォトレ
ジスト11上の感光しなかったために溶解しきれずに残
った面であるフォトレジスト平坦面部11Aと、フォト
レジスト11が感光したために溶解されて形成された傾
斜面から成るフォトレジスト傾斜面部11Cとにより構
成されている。また、フォトレジスト平坦面部11Aと
フォトレジスト傾斜面部11Cとの境界に稜線部11B
が形成され、フォトレジスト傾斜面部11Cと基板平坦
面部10Aとの境界に稜線部11Dが形成される。
【0026】続いて、このように基板10上の凹凸パタ
ーン12が形成されたフォトレジスト11の表面に、以
下のようにして紫外線照射を行う。基板10の凹凸パタ
ーン12が形成された面と反対側の面をターンテーブル
に取り付けて、例えば一定速度で回転させる。この回転
する基板10上の凹凸パターン12が形成されたフォト
レジスト11の表面に、酸素や空気の存在下で、図2C
に示すように平行に並べられた複数本の紫外線ランプ1
3により紫外線を照射する。これらの紫外線ランプ13
は、基板10上の凹凸パターン12が形成されたフォト
レジスト11の表面からの高さが一様に(例えば約10
0mm)となるように配置されている。このように基板
10をターンテーブル上で一定の速度で回転させて、紫
外線ランプ13の基板10からの高さを一様にすること
により、基板10の凹凸パターン12が形成された面の
有効サイズ内では照射強度がほぼ一定となり、照射強度
面密度もほぼ一定となる。尚、紫外線ランプ13として
は、例えば波長が174nmのエキシマランプや、低圧
水銀ランプ等が用いられる。また、ターンテーブルを用
いて基板10を回転させる代わりに紫外線ランプ13を
一定の速度で回転させるようにしてもよい。
【0027】この基板10上の凹凸パターン12が形成
されたフォトレジスト11の表面への、酸素や空気の存
在下での紫外線ランプ13からの紫外線照射において
は、まず、酸素(O2 )に紫外線が照射されてオゾン
(O3 )が生成する。このオゾン(O3 )は不安定であ
るため、酸素(O2 )と非常に酸化力の強い励起酸素
(O * )とに分解する。この励起酸素(O* )が有機物
であるフォトレジスト11の表面を酸化して改質させる
ことにより、図2Dに示すように、凹凸パターン12の
稜線部11Bは面取りされ、曲面化される。これによ
り、フォトレジスト11の外形状が曲面化される。
【0028】このとき照射する紫外線の波長は、150
nm以上400nm以下の範囲内とすることが望まし
い。
【0029】尚、基板10上のフォトレジスト11への
紫外線の照射には、上述の紫外線ランプ13に限らず、
例えば紫外線照射装置を用いてもよい。
【0030】次に、このように凹凸パターン12の稜線
部11Bが丸められ、外形状が曲面化されたフォトレジ
スト11及びそのフォトレジスト11の下の基板10に
対して、図3Eに示すように、例えば反応性イオンエッ
チング(RIE)により異方性エッチングを施す。この
異方性エッチングにより、図3Fに示すように、フォト
レジスト11と、現像によってフォトレジスト11が除
去されて露出した基板10(基板平坦面部10A)が掘
り下げられる。このとき、フォトレジスト11下の基板
10までも掘り下げられることを防止するために、フォ
トレジスト11の塗布する膜厚を厚くしたり、エッチン
グレートが大きくなるようにエッチングガスの種類やチ
ャンバー内の圧力等を設定したりする。
【0031】次に、エッチング後に、基板10の表面に
残ったフォトレジスト11を、有機溶剤で洗浄したり、
深紫外光を照射したりすること等により除去する。これ
により、図3Gに示すように、フォトレジスト11が除
去された基板10上に、グルーブ又はピットから構成さ
れる凹凸構造に対応した凹凸パターン10Bが形成され
る。このようにして、表面に凹凸パターン10Bが形成
された基板から成る原盤(例えばガラス原盤)10が得
られる。
【0032】このとき、好ましくは異方性エッチング後
の基板10の凹凸パターン10Bの表面粗度(平均基準
面粗さRa)が1.5nm以下となるようにする。そし
て、異方性エッチング後の基板10の凹凸パターン10
Bの表面粗度(平均基準面粗さRa)が異方性エッチン
グ前の表面粗度(平均基準面粗さRa)と略同一となる
ように、即ちフォトレジスト11を形成する前の基板1
0の表面粗度と略同一となるようにする。
【0033】次に、図3Hに示すように、原盤10の凹
凸パターン10Bが形成された面に、例えば無電解メッ
キ法により導電化膜例えばニッケル膜(図示せず)を形
成した後、電気メッキ法により例えばニッケルメッキを
施してスタンパー14を形成する。このスタンパー14
を原盤10から剥がし取ることにより、原盤10の凹凸
パターン10Bが転写され、凹凸パターンが形成された
スタンパー(例えばニッケルスタンパー)14を得るこ
とができる。
【0034】そして、このスタンパー14を金型にし
て、例えば2P(フォトポリマゼーション)法を用いる
ことにより、図4Iに示すように、平坦な基板(例えば
ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂基板、ガラス基板
等)15上に形成された紫外線硬化樹脂層16に、スタ
ンパー14の凹凸パターンを転写する。これにより、図
4Jに示すように、紫外線硬化樹脂層16にグルーブ又
はピットから構成される凹凸構造が形成され、即ち基板
15上に凹凸構造を有する紫外線硬化樹脂層16が形成
されて成るディスク基板17が形成される。
【0035】そして、図4Kに示すように、表面に凹凸
構造が形成されたディスク基板17上に、記録層18、
保護層19を順次成膜する。例えば記録可能な相変化或
いは光磁気型等の光ディスクであれば、記録層18が相
変化膜或いは磁性膜等を含んで構成される。
【0036】具体的には、例えばSiN等から成る誘電
体膜と、TeFeCo合金等から成る垂直磁気記録膜
と、SiN等から成る誘電体膜と、Al等から成る光反
射膜とをスパッタ法により積層形成し、記録層18を形
成する。その後、この記録層18の上に、紫外線硬化樹
脂をスピンコート法により塗布し、この紫外線硬化樹脂
に対して紫外線を照射して硬化させることにより、保護
層19を形成する。このようにして、光記録媒体である
光ディスクを得ることができる。
【0037】尚、この光記録媒体としては、光磁気ディ
スク、相変化型光ディスクに限られず、例えば、再生専
用の光ディスクであっても、光カード等であってもよ
い。再生専用の光ディスクの場合には、例えばAl等か
ら成る光反射層と、この光反射層の上に例えば紫外線硬
化樹脂等から成る保護層とを形成すればよい。
【0038】尚、2P法を用いる代わりに、スタンパー
14を用いて直接に圧縮成形や射出成形してディスク基
板を形成してもよい。その場合を以下に示す。図2A〜
図3Hの各工程は、前述した2P法を用いる場合と同様
であるので、重複説明を省略する。
【0039】まず、図2A〜図3Hまでの各工程を行っ
て、例えばニッケル製のスタンパー14を作製する。次
に、図5Aに示すように、スタンパー14を金型として
用いて、直接に圧縮成形又は射出成形することにより、
例えばポリカーボネート樹脂等の樹脂から成り表面にグ
ルーブ又はピットから成る凹凸構造がスタンパー14に
より形成されたディスク基板20を作製する。その後、
図5Bに示すように、スタンパー14からディスク基板
20を剥がし取る。そして、図5Cに示すように、凹凸
構造が形成されたディスク基板20上に、記録層18、
保護層19を順次成膜する。例えば記録可能な相変化或
いは光磁気型等の光ディスクであれば、記録層18が相
変化膜或いは磁性膜等を含んで構成される。
【0040】上述の本実施の形態によれば、基板10上
の凹凸パターン12が形成されたフォトレジスト11の
表面に、紫外線を一様な強度で照射することにより、凹
凸パターン12を構成するフォトレジスト平坦面部11
A及びフォトレジスト傾斜面部11Cの表面が平滑化さ
れ、かつ凹凸パターン12の稜線部11B,11Dが曲
面化される。これにより、フォトレジスト11の凹凸パ
ターン12の端部即ち稜線部11Dの微細な形状乱れが
抑制又は除去される。
【0041】そして、この凹凸パターン12の稜線部1
1B,11Dが曲面化されたフォトレジスト11をマス
クとして基板10を異方性エッチングしていることによ
り、基板10の表面に直接グルーブやピット等の微細な
凹凸パターン10Bが形成された原盤10を構成するこ
とができると共に、凹凸パターン10Bの段差における
壁面部の表面粗度を低減することが可能になる。これに
より、例えば基板10の凹凸パターン10Bの壁面部や
底面部の表面粗度(平均基準面粗さRa)をエッチング
前の基板10の表面粗度(平均基準面粗さRa)と略同
一とすることが可能になる。
【0042】さらに、このように微細な凹凸パターン1
0Bの段差における壁面部の表面粗度が低減された原盤
10を利用して、スタンパー14やディスク基板17,
20を作製することにより、ディスク基板17,20の
表面のグルーブやピットによる凹凸構造において、微細
な凹凸構造を形成することができると共に、凹凸構造の
表面粗度を低減することができる。従って、ディスク基
板17,20の表面の微細な凹凸に起因する媒体ノイズ
を抑制することができる。
【0043】また、平滑な表面を有するディスク基板1
7,20が得られるため、例えば前述したDWDD媒体
に用いて好適なディスク基板17,20を作製すること
ができる。
【0044】次に、実際に光記録媒体用原盤を作製し、
原盤の表面状態の観察、並びにこの原盤を用いて作製し
た光記録媒体の特性の評価を行った。
【0045】(光記録媒体原盤用レジスト基板の作製)
まず、基板10として、合成石英製の板厚6mm、直径
220mmの円盤から成る合成石英製基板を用意した。
この基板10の表面は、光学研磨処理が施されており、
表面のRa(平均基準面粗さ)は0.30nm程度であ
った。次に、基板10とフォトレジストとの密着性をよ
くするために、基板10の表面へシラン系のカップリン
グ剤を均一に蒸着した。そして、基板10の上に、有機
溶剤で希釈されたノボラック系のフォトレジスト11を
スピンコート法で塗布延展し、所望の厚さ(充分に有機
溶剤を揮発して乾燥させた後の厚さ)に均一に形成し
た。
【0046】その後、図1に示したように、基板10を
エアスピンドルで回転するターンテーブル21上へ固定
し、その後回転させながら波長413nmのKrガスレ
ーザから出たレーザビーム23を途中でビーム成形した
後に最終的に開口数NA=0.90の対物レンズ22を
通して基板10上のフォトレジスト11の表面へ集光さ
せながら、基板10の回転中心から半径30mmの位置
から半径55mmの位置まで移動(走査)させて、フォ
トレジスト11の露光を行った。このレーザビーム23
の走査において、レーザビーム23とフォトレジスト1
1の表面との相対回転速度が一定になるように、いわゆ
る定線速度制御を行った。また、基板10が1回転した
ときにレーザビーム23が動く半径方向の距離(グルー
ブのピッチに相当する)も一定値となるように制御し
た。また、レーザビーム23の露光パワーは最適値を一
定に出力制御した。
【0047】フォトレジスト11の露光が終了した後、
無機アルカリ溶液で現像処理を行った。このとき、露光
部が未露光部とほぼ同程度の幅となり、かつ未露光部及
びフォトレジスト11の端部の表面粗度が増大しないよ
うに現像時間を調整した。現像処理の後に、超純水で洗
浄し、さらにその後充分に乾燥させた。このようにし
て、基板10上のフォトレジスト11に露光・現像によ
り凹凸パターン12が形成された状態、即ち図2Bに示
す状態の基板を得た。以下この基板をレジスト基板と呼
ぶ。
【0048】(比較例1)フォトレジスト11の厚さを
110nmとして、上述のようにしてレジスト基板を作
製し、これを比較例1の光記録媒体用原盤とした。この
光記録媒体用原盤のグルーブピッチは0.70μmであ
った。このとき(後述する実施例の紫外線照射前にも相
当する)のレジスト基板の表面をSEM(走査型電子顕
微鏡)で観察した写真を図6Aに示し、フォトレジスト
11の表面状態の模式図を図7Aに示す。
【0049】(比較例2)フォトレジスト11の厚さを
190nmとして、上述のようにしてレジスト基板を作
製した。このレジスト基板のグルーブピッチは0.70
μmであった。
【0050】(実施例1)フォトレジスト11の厚さを
190nmとして、上述のようにしてレジスト基板を作
製した。このレジスト基板のグルーブピッチは0.70
μmであった。このレジスト基板に対して、さらに窒素
ガス過飽和雰囲気中で波長が250〜260nmの範囲
内の紫外線を照射した。このとき、紫外線の照射エネル
ギーは6.2J/cm2 であった。紫外線照射後は、フ
ォトレジスト11の表面が曲面化され、またフォトレジ
スト11の厚さが160nmに変化した。この紫外線照
射後のレジスト基板の表面をSEMで観察した写真を図
6Bに示し、フォトレジスト11の表面状態の模式図を
図7Bに示す。
【0051】次に、比較例2及び実施例1のそれぞれで
得られたレジスト基板に対して、平行平板電極RIE
(反応性イオンエッチング)装置を使用して反応性プラ
ズマエッチング加工を施した。このとき、エッチングガ
スにはCF4 、CH3 、及びArの混合ガス(流量比
3:5:2)を用い、ガス圧を3.5Paとして、放電
時の投入電力を100Wとした。このエッチング条件に
おけるエッチングレートは、基板10の石英が約7nm
/分、フォトレジスト11が約3nm/分であった。ま
た、加工時間を制御して、エッチングの深さが110n
mとなるようにした。
【0052】エッチングの終了後、フォトレジスト11
を酸素プラズマで灰化処理した後に、濃硫酸と過酸化水
素水の混合溶液で酸化・除去した。その後、基板10を
超純水で洗浄した。このようにして、それぞれのレジス
ト基板から比較例1の光記録媒体用原盤及び実施例1の
光記録媒体用原盤を作製した。
【0053】続いて、比較例1、比較例2、実施例1の
各光記録媒体用原盤に対して、表面にニッケルを成膜し
た後に、ニッケルを300μmの厚さで電解鍍金した。
この鍍金の後に裏面研磨を施して、ニッケルスタンパー
14を得た。そして、ニッケルスタンパー14を光記録
媒体用原盤から剥離して、比較例1、比較例2、実施例
1のニッケルスタンパー14を作製した。
【0054】次に、比較例1、比較例2、実施例1の各
ニッケルスタンパー14から、2P法により、それぞれ
ガラス基板から成る基板15上に凹凸パターンを有する
紫外線硬化樹脂16が形成されて成るガラス2P基板
(ディスク基板17)を作製した。
【0055】続いて、それぞれのガラス2P基板を、A
FM(原子間力顕微鏡;Atomic Force Microscope )で
観察し、ランド部、グルーブ部、壁面部の平均基準面粗
さRaを測定した。この測定結果を図8に示す。
【0056】図8より、最も壁面部のRaが小さくなっ
ているものは、実施例1に対応するガラス2P基板であ
る。一方、比較例2の基板は壁面部のRaが大きく、比
較例1の基板は壁面部とランド部のRaが非常に大きか
った。これにより、実施例1のようにレジスト基板に紫
外線を照射してフォトレジスト11の表面を曲面化して
おいて基板をエッチングすれば、壁面部のRaを非常に
小さく抑制することが可能となることがわかり、その値
は1.5nm以下であった。
【0057】次に、それぞれのガラス2P基板(ディス
ク基板)上へ、DWDD媒体を構成する各層を形成し
た。即ち図9に概略構成図を示すように、凹凸構造31
Aが表面に形成された基板31上に、窒化珪素(Si
N)膜32を介して、基板31に近いほうから順にGd
FeCoAl層(移動層)33、TbFeCo層(制御
層)34、TbFeCoAl層(切断層)35、TbF
eCo層(記録層)36を積層して成る光磁気記録層3
7が形成され、その上に窒化珪素(SiN)膜38を介
してAl合金膜39が形成されて成るDWDD媒体30
を作製した。
【0058】具体的には、次のようにDWDD媒体30
を作製した。まず、DWDD媒体30の基板31となる
ガラス2P基板を、スパッタ装置のチャンバー槽の中に
入れて、1×10-4Pa以下まで排気した後、アルゴン
と窒素をガス流量比4:1でチャンバー槽内へ流しなが
ら、シリコンを反応性スパッタリングして基板31上に
膜厚約35nmの窒化珪素(SiN)膜32を形成し
た。次に、アルゴンガスを流しながら、光磁気記録層3
7の積層膜を構成する各層33,34,35,36を順
次成膜した。光磁気記録層37の積層膜の総膜厚は11
0nmとした。さらに、光磁気記録層37の上に、窒化
珪素(SiN)膜38を膜厚約35nmで成膜し、最後
にAl合金膜39を膜厚約30nmで成膜した。尚、各
層の材料組成や膜厚は、DWDD媒体(磁壁移動検出媒
体)として機能するように設定した。
【0059】上述のようにして、比較例1、比較例2、
実施例1の各DWDD媒体30を作製した。
【0060】(特性の評価)続いて、作製した各DWD
D媒体の特性の評価として、DWDD媒体の光磁気記録
・再生実験を行った。波長405nmの半導体レーザと
開口数NAが0.60の対物レンズを有する光学系を用
いて、記録時にはパルスデューティー約35%のパルス
ストローブ磁界変調で、(1,7)RLLでコーディン
グしたランダム信号を記録した。また、再生時にはジッ
タ(data to clock )を評価指標とした。そして、基板
31を、トラックピッチ0.38μmのランド・グルー
ブ記録基板として用いて、ランド部とグルーブ部のそれ
ぞれで記録・再生実験を行った。
【0061】まず、比較例1のDWDD媒体は、ランド
部でDWDD媒体として必要な信号特性が得られなかっ
た。またグルーブ部の信号のSNR(信号対雑音比)も
悪かった。即ち、比較例1の従来製法により作製したレ
ジスト基板は、DWDD媒体には不適当であることが確
認された。
【0062】次に、比較例2のDWDD媒体、実施例1
のDWDD媒体について、それぞれのランド部、グルー
ブ部におけるジッタの線記録密度依存性を測定した。そ
の測定結果を図11に示す。図11において、黒い印は
比較例2のDWDD媒体、白抜きの印は実施例1のDW
DD媒体の結果を示す。
【0063】図11より、実施例1のDWDD媒体は、
比較例2のDWDD媒体よりも線記録密度特性に優れて
おり、ジッタのボトム値も小さかった。これにより、実
施例1の本発明によって得られた壁面部のRaの小さい
光記録媒体用原盤から作製されたディスク基板から成る
DWDD媒体の方が、信号特性に優れ、記録容量の増大
に有効であることがわかった。
【0064】次に、現像工程までは前述したと同様の条
件でレジスト基板を作製し、このレジスト基板から作製
した原盤を利用して他の構成の光記録媒体を作製して、
光記録媒体の特性の評価を行った。
【0065】(比較例3)フォトレジスト11の厚さを
43nmとして、前述したようにレジスト基板を作製
し、これを比較例3の光記録媒体用原盤とした。次にニ
ッケル成膜及びニッケル電解鍍金を施してニッケルスタ
ンパーを作製し、このニッケルスタンパーを光記録媒体
用原盤から剥がして、比較例3のニッケルスタンパーを
得た。
【0066】(実施例2)実施例1と同様にして、フォ
トレジスト11への紫外線照射により凹凸パターン12
の表面が曲面化されたレジスト基板を得た。そして、こ
のレジスト基板に対して、比較例2や実施例1と同様の
条件で反応性プラズマエッチング加工を施した。ただ
し、加工時間を制御してエッチング深さが43nmとな
るようにした。即ち実施例2では、実施例1と比較して
凹凸パターンの段差が小さくなっている。このようにし
て、実施例2の光記録媒体用原盤を作製した。
【0067】そして、実施例1と同様に、その後の洗浄
工程やスタンパー作製工程を行って、光記録媒体用原盤
から実施例2のニッケルスタンパーを得た。
【0068】比較例3及び実施例2の各ニッケルスタン
パー14から、射出成形法により、それぞれ樹脂成形基
板から成るディスク基板20を作製した。続いて、それ
ぞれの樹脂成形基板(ディスク基板)上へ、いわゆる反
射膜タイプの4層構造の光磁気記録媒体(以下MO媒体
とする)を形成した。即ち図10に概略構成図を示すよ
うに、凹凸構造41Aが表面に形成された基板41上
に、窒化珪素(SiN)膜42を介して、TbFeCo
層の単層から成る光磁気記録層43が形成され、その上
に窒化珪素(SiN)膜44を介してAl合金膜45が
形成されて成るMO媒体40を作製した。
【0069】具体的には、次のようにMO媒体40を作
製した。まず、MO媒体40の基板41となる樹脂成形
基板を、スパッタ装置のチャンバー槽の中に入れて1×
10-4Pa以下まで排気した後、アルゴンと窒素をガス
流量比4:1でチャンバー槽内へ流しながらシリコンを
反応性スパッタリングして基板41上に膜厚約35nm
の窒化珪素(SiN)膜42を形成した。次に、アルゴ
ンガスを流しながら、TbFeCo層単層から成る光磁
気記録層43を膜厚約25nmで成膜した。さらに、光
磁気記録層43の上に、窒化珪素(SiN)膜44を膜
厚約15nmで成膜し、最後にAl合金膜45を膜厚約
60nmで成膜した。
【0070】上述のようにして、比較例3、実施例2の
各MO媒体40を作製した。
【0071】(特性の評価)続いて、作製した各MO媒
体の特性の評価として、MO媒体の媒体ノイズスペクト
ラムの測定を行った。尚、各MO媒体のグルーブピッチ
は0.60μmであった。そして、光学系としては、波
長405nmの半導体レーザと開口数NAが0.85の
対物レンズを有する光学系を用いた。測定に先立ち、各
MO媒体に強い磁界を加え、一様に磁化した。
【0072】続いて、以下のように各種ノイズの測定を
行って、媒体ノイズを求めた。まず、線速度3.3m/
sでMO媒体を回転させて、ランド部及びグルーブ部へ
フォーカス及びトラッキングをかけながら、0〜20M
Hzの帯域の第1のノイズスペクトラムを測定した。こ
のとき、フォトディテクタへの戻り光量が、基板やラン
ド・グルーブに関わらず一定値となるように、レーザパ
ワーを設定した。こうして得られた第1のノイズスペク
トラムは、トータルノイズ(Ntot)である。次に、
MO媒体の回転を非常に遅くした状態で、フォーカス及
びトラッキングをかけながら、同様に0〜20MHzの
帯域の第2のノイズスペクトラム(Nref)を測定し
た。最後に、MO媒体の回転、フォーカス及びトラッキ
ングサーボ、レーザ発光をいずれも停止して、駆動回路
は通電した状態での0〜20MHzの帯域の第3のノイ
ズスペクトラムを測定した。こうして得られた第3のノ
イズスペクトラムはアンプノイズ(Namp)である。
【0073】上述のようにして測定した第1、第2、第
3のノイズスペクトラムは、下記の式(1)及び式
(2)のようにして、それぞれ媒体ノイズ(Nmedi
a)、レーザノイズ+ショットノイズ(Nshot)、
アンプノイズ(Namp)に分離することができる。 尚、これら式(1)及び式(2)の演算は、対数ではな
く小数で行っている。
【0074】そして、比較例3及び実施例2の各MO媒
体について、それぞれノイズスペクトラムの測定値と、
測定値を用いて式(1)及び式(2)の演算を行った結
果得られたノイズスペクトラムの演算値を、図12に示
す。ショットノイズNshot及びアンプノイズNam
pは両MO媒体とも同じである。
【0075】図12より、実施例2に対応するMO媒体
は、比較例3に対応するMO媒体と比較して、低周波数
域で最大10dB程度の媒体ノイズ(Nmedia)の
低減効果があり、また高周波数域の媒体ノイズを非常に
小さくすることができた。
【0076】さらに、MO媒体に線記録密度0.15μ
m/ビットのランダムパターン信号の記録・再生実験を
行ったところ、比較例3のMO媒体はSNRが悪く信号
が全く得られなかったのに対して、実施例2のMO媒体
は非常に良好な信号が得られ、ジッタ値も10%程度以
下であった。
【0077】これにより、実施例2の本発明によって得
られた壁面部のRaの小さい光記録媒体用原盤から作製
されたディスク基板から成るMO媒体は、非常に媒体ノ
イズが小さく、SNR(信号対雑音比)を大きくするこ
とができ、記録容量の増大に有効であることがわかっ
た。
【0078】上述の実施の形態及び実施例では、本発明
に係る光記録媒体用原盤から光磁気記録媒体を作製する
場合に適用して説明しているが、その他の構成の光記録
媒体、例えば再生専用の光記録媒体や追記型の光記録媒
体、相変化型光記録媒体等にも同様に本発明を適用する
ことができる。
【0079】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0080】
【発明の効果】上述の本発明によれば、光記録媒体用原
盤上に直接グルーブやピットに対応する微細な凹凸パタ
ーンを形成して、かつ原盤の凹凸パターンの段差による
壁面部の表面粗度を低減することが可能になる。そし
て、この原盤を利用して光記録媒体を製造することによ
り、光記録媒体のグルーブやピットによる凹凸構造が形
成された基板の表面粗度も小さくすることができる。従
って、光記録媒体の基板の微細な凹凸に起因する媒体ノ
イズを抑制することができ、これにより、微細な凹凸構
造が形成され高記録密度を有すると共に充分な信号対雑
音比を確保し良質な信号を得ることができる光記録媒体
の製造を可能とする。
【0081】また、平滑な表面を有する凹凸パターンが
形成された原盤が得られるため、この原盤を利用して例
えばDWDD媒体(磁壁移動検出媒体)に好適な基板を
作製することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光記録媒体用原盤の製
造方法を説明する図である。
【図2】A〜D 本発明の一実施の形態の光記録媒体用
原盤の製造方法を説明する工程図である。
【図3】E〜H 本発明の一実施の形態の光記録媒体用
原盤の製造方法を説明する工程図である。
【図4】I〜K 本発明の一実施の形態の光記録媒体用
原盤の製造方法を説明する工程図である。
【図5】A〜C 図3Hのスタンパーから光記録媒体を
作製する他の作製方法を示す工程図である。
【図6】A 比較例1(紫外線照射前)のレジスト基板
の表面をSEMで観察した写真である。B 実施例1
(紫外線照射後)のレジスト基板の表面をSEMで観察
した写真である。
【図7】A 比較例1(紫外線照射前)のフォトレジス
トの表面状態を示す模式図である。B 実施例1(紫外
線照射後)のフォトレジストの表面状態を示す模式図で
ある。
【図8】比較例1、比較例2、実施例1の各ガラス2P
基板のランド部、グルーブ部、壁面部の平均基準面粗さ
の測定結果を示す図である。
【図9】DWDD媒体の概略構成図である。
【図10】MO媒体の概略構成図である。
【図11】比較例2及び実施例1の各DWDD媒体にお
いて、ランド部、グルーブ部におけるジッタの線記録密
度依存性を測定した結果を示す図である。
【図12】比較例3及び実施例2の各MO媒体におい
て、ノイズスペクトラムの測定値及び演算値を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 基板、10B,12 凹凸パターン、11 フォ
トレジスト、13 紫外線ランプ、14 スタンパー、
17,20 ディスク基板、18 記録層、21ターン
テーブル、22 レーザビーム、23 対物レンズ、3
0 DWDD媒体、37,43 光磁気記録層、40
MO媒体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の感光性材料層を露光現像して、
    該基板と該感光性材料層による第1の凹凸パターンを形
    成する工程と、 上記基板上の上記第1の凹凸パターンが形成された上記
    感光性材料層に紫外線を照射する工程と、 上記感光性材料層をマスクとして、上記基板に対して異
    方性エッチングを行って上記第1の凹凸パターンに対応
    する第2の凹凸パターンを形成する工程と、 上記基板上に残った上記感光性材料層を除去する工程と
    を有することを特徴とする光記録媒体用原盤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記紫外線の波長が、150nm以上4
    00nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1
    に記載の光記録媒体用原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記異方性エッチング後の上記基板の平
    均基準面粗さが1.5nm以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の光記録媒体用原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記基板の材料に石英を用いることを特
    徴とする請求項1に記載の光記録媒体用原盤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 光記録媒体を製造するための光記録媒体
    用原盤であって、 上記光記録媒体用原盤は、基板上の感光性材料層を露光
    現像して、該基板と該感光性材料層による第1の凹凸パ
    ターンを形成する工程と、 上記基板上の上記第1の凹凸パターンが形成された上記
    感光性材料層に紫外線を照射する工程と、 上記感光性材料層をマスクとして、上記基板に対して異
    方性エッチングを行って上記第1の凹凸パターンに対応
    する第2の凹凸パターンを形成する工程と、 上記基板上に残った上記感光性材料層を除去する工程と
    により製造されたことを特徴とする光記録媒体用原盤。
  6. 【請求項6】 上記紫外線の波長が、150nm以上4
    00nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項5
    に記載の光記録媒体用原盤。
  7. 【請求項7】 上記異方性エッチング後の上記基板の平
    均基準面粗さが1.5nm以下であることを特徴とする
    請求項5に記載の光記録媒体用原盤。
  8. 【請求項8】 上記基板の材料に石英を用いることを特
    徴とする請求項5に記載の光記録媒体用原盤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005004839A (ja) * 2003-06-10 2005-01-06 Hitachi Maxell Ltd 基板成形用スタンパ、基板成形用ガラス原盤、光記録媒体用樹脂基板、光記録媒体及び基板成形用スタンパの製造方法。
JP2011070720A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> ホログラム記録再生システムのノイズ測定方法

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