<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000の構成を示す。
図1に示されるように、無線通信端末1000は、無線通信部110と、アンテナ111と、不揮発メモリ120と、RAM(Random Access Memory)130と、ROM(Read Only Memory)140と、電池部150と、タイマ部160と、通信データ量計測部170と、CPU(Central Processing Unit)180とを備えている。図1に示されるように、CPU180は、バス500を介して、各構成と接続されている。
無線通信端末1000は、通常モードと、省電力モードとを切り替えて動作する。なお、この切り替え動作は、後述の電源供給制御部181により行われる。
ここで、通常モードとは、少なくとも無線通信部110が他の無線通信端末(不図示)とデータ通信できる電力量の電源供給を行うモードである。
省電力モードとは、通常モードで電源供給される電力量よりも小さい電力量の電源供給を行うモードである。
無線通信部110は、アンテナ111を介して、他の無線通信端末とデータ通信をする。
アンテナ111は、無線通信部110に接続されている。アンテナ111は、無線通信部110に対応して、他の無線通信端末との間で無線信号を用いてデータ通信を行う。
不揮発メモリ120は、無線通信端末1000の各種データを記憶する。この不揮発メモリ120は、電源部150からの電源供給を行わなくても記憶を保持することができる。より具体的には、不揮発メモリ120は、後述の省電力状態移行時間を記憶している。このとき、不揮発メモリ120は、少なくとも通常時の省電力状態移行時間と、短時間用の省電力状態移行時間と、を記憶している。なお、通常時の省電力状態移行時間を初期移行時間と呼び、短時間用の省電力状態移行時間を短移行時間と呼ぶことがある。
RAM130は、無線通信端末1000の各種データを記憶する。このRAM130は、随時、格納されたデータに任意にアクセスする。RAM130は、CPU180がプログラムを実行する上で一時的に必要とするデータを格納する。RAM130を作業用メモリと呼ぶこともある。
ROM140は、無線通信端末1000の各種データを記憶する。このROM140は、CPU180が実行する制御用プログラムの各種を格納する。なお、このROM140は、記録されている情報を読み出すことのみを行える。
電池部150は、無線通信端末1000内の各構成に対して、バス500を介して、電源供給を行う。また、電池部150による電源供給は、後述の電源供給制御部181により制御される。
タイマ部160は、計時回路であって、例えば、無線通信部110が他の無線通信端末とデータ通信を終了した時からの時間などを計測する。
通信データ量計測部170は、無線通信部110が他の無線通信端末とデータ通信を行った際のデータ量を計測する。なお、無線通信部110が他の無線通信端末とデータ通信を行った際のデータ量は、RAM140に記憶される。
CPU180は、無線通信端末1000内の各構成を、バス500を介して制御する。
CPU180は、電源供給制御部181と、移行時間決定部182とを備えている。
電源供給制御部181は、前述した通常モードと、省電力モードとを切り替え制御する。
移行時間決定部182は、省電力状態移行時間を決定する。より具体的には、移行時間決定部181は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。ここで、省電力状態移行時間とは、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間である。
次に、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000の動作について説明する。
図2は、無線通信端末1000の動作フローを示す。
まず、無線通信端末1000の利用者が当該無線通信端末1000を使用してWeb閲覧などを行った際、CPU180は通信データ量を累積して、これをROM140に記億する(ステップ(以下、Sと称する)201)。より具体的には、通信データ量計測部170が、無線通信部110が他の無線通信端末とデータ通信を行った際の通信データ量を計測する。そして、CPU180が、通信データ量計測部170により計測された通信データ量をRAM140に記憶する。なお、通信データ量の計測値は、累計値であって、過去の一定時間内の送受信データ量のみがRAM140に保持されるように設定されている。
次に、CPU180は、他の無線通信端末(不図示)から送受するデータがないか否かを判断する(S202)。なお、このS202の処理は、CPU180が常時行っている。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S202、Yes)、CPU180は、RAM140から通信データ量を取得する(S203)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S202、No)、再びS201の処理を実行する。
S203の処理後、移行時間決定部182は、RAM140に記憶されている通信データ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
ここでは、移行時間決定部182は、RAM140に記憶されている通信データ量が規定値以上であるか否かを判断する(S204)。なお、この規定値は、過去の蓄積データなどに基づいて予め設定されている。
RAM140に記憶されている通信データ量が規定値以上であると、移行時間決定部182により判断された場合(S204、Yes)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶された通常時の省電力状態移行時間を設定する(S205)。また、この通常時の省電力状態移行時間は、短時間の省電力状態移行時間よりも長い。
一方、RAM140に記憶されている通信データ量が規定値以上でないと、移行時間決定部182により判断された場合(S204、No)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶されている短時間用の省電力状態移行時間を設定する(S206)。
なお、S205およびS206の各処理に関して、通常時の省電力状態移行時間は、短時間の省電力状態移行時間よりも長くなるように、設定されている。
次に、再度、CPU180は、他の無線通信端末から送受するデータがないか否かを判断する(S207)。なお、このS207の処理は、S202と同様である。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S207、Yes)、タイマ部160がS205またはS206で設定された省電力状態移行時間が経過したか否かを判断する(S208)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S207、No)、再びS201の処理を実行する。
S208の処理後、電源供給制御部181は、通常モードから省電力モードに切り替えて、無線通信端末1000を省電力状態へ移行させて(S209)、処理を終了する。
次に、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000の効果について、関連技術と対比して説明する。
図3は、本発明の無線通信端末1000が通常モードから省電力モードへ切り替わる際の電力の時間的な変化を、関連技術と対比して説明するための図である。図3(a)は、関連技術が通常モードから省電力モードへ切り替わる際の電力の時間的な変化の一例を示す図である。図3(b)は、本発明の無線通信端末1000が通常モードから省電力モードへ切り替わる際の電力の時間的な変化の一例を示す図である。
なお、前述した通り、省電力状態移行時間とは、無線通信端末(本発明では無線通信部110)が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間である。
図3(a)に示されるように、関連技術では、無線通信端末が大量のデータ通信(例えばWeb閲覧など)を行った後であっても、無線通信端末が少量のデータ通信(例えばIPアドレス更新など)を行った後であっても、省電力状態移行時間301は同じであった。
このように、関連技術では、いかなる場合であっても、省電力状態移行時間301は一定であった。
図3(b)に示されるように、本発明では、無線通信端末1000が大量のデータ通信(例えばWeb閲覧など)を行った後には、通常時の省電力状態移行時間303が適用される。無線通信端末1000が少量のデータ通信(例えばIPアドレス更新など)を行った後には、短時間の省電力状態移行時間303が適用される。なお、短時間の省電力状態移行時間304は、通常時の省電力状態移行時間303よりも短い。
このように、本発明では、省電力状態移行時間は、関連技術と異なり、大量のデータ通信を行ったかまたは少量のデータ通信を行ったかで異なる。そして、短時間の省電力状態移行時間304は通常時の省電力状態移行時間303よりも短い。このため、本発明の無線通信端末1000では、短時間の省電力状態移行時間304が多く適用される程に、関連技術と比較して、無線通信端末1000の消費電力(電流)を少なくすることができる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000は、無線通信部110と、電源供給制御部181と、移行時間決定部182とを備えている。
無線通信部110は、他の無線通信端末とデータ通信する。電源供給制御部は、通常モードと、省電力モードとを切り替え制御する。ここで、通常モードとは、少なくとも無線通信部110が他の無線通信端末とデータ通信できる電力量の電源供給を行うモードをいう。省電力モードとは、通常モードで電源供給される電力量よりも小さい電力量の電源供給を行うモードをいう。移行時間決定部182は、省電力状態移行時間を決定する。ここで、省電力状態移行時間とは、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間である。
そして、電源供給制御部181は、移行時間決定部182により決定された省電力状態移行時間に基づいて、通常モードから省電力モードへ切り替える。また、移行時間決定部182は、当該無線通信端末1000の使用状況または使用環境に関する情報に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
このように、無線通信部110は、他の無線通信端末とデータ通信する。電源供給制御部181は、通常モードと、省電力モードとを切り替え制御する。このため、無線通信端末1000は省電力モード中に消費電力(電流)を低減することができる。また、省電力状態移行時間は、移行時間決定部182により、当該無線通信端末1000の使用状況または使用環境に関する情報に基づいて、決定される。そして、電源供給制御部181は、移行時間決定部182により決定された省電力状態移行時間に基づいて、通常モードから省電力モードへ切り替える。したがって、本発明の無線通信端末1000では、当該無線通信端末1000の使用状況または使用環境に関する情報に応じて、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間(省電力状態移行時間)を動的に変化させることができる。これにより、使用状況や使用環境に応じた適正な移行時間で通常モードから省電力モードへ移行することができ、無線通信端末の利用者にとって利便性を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000は、通信データ量計測部170を備える。この通信データ量計測部170は、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を行った際のデータ量を計測する。そして、移行時間決定部182は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。これにより、上述した効果と同様の効果を奏する。
また、省電力状態移行時間は、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を行った際のデータ量に基づいて決定されるので、更に次のような効果を奏する。すなわち、例えば、無線通信部110によりWeb閲覧などで大量のデータ通信が行われた直後では、省電力状態移行時間を十分に確保してから、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000の利用者は、例えばWeb閲覧中に僅かな時間の別作業をしても、すぐに通常モードでWeb閲覧を再開することができる。一方、例えば、無線通信部110によりIPアドレス更新などで少量のデータ通信が行われた直後では、省電力状態移行時間を短時間とし、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000の利用者が無線通信端末1000を利用していない深夜などに、効率よく短時間で無線通信端末1000を省電力状態にすることができ、消費電力(電流)を効率よく低減できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における無線通信端末1000Aについて、図に基づいて説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における無線通信端末1000Aの構成を示す。
図4に示されるように、無線通信端末1000Aは、無線通信部110と、アンテナ111と、不揮発メモリ120と、RAM130と、ROM140と、電池部150と、タイマ部160と、CPU180と、時計部190とを備えている。図4に示されるように、CPU180は、バス500を介して、各構成と接続されている。
ここで、図1と図4を対比する。図1では、通信データ量計測部170が設けられているのに対して、図4では、時計部190が設けられている点で、両者は相違する。
以下の説明では、図1と重複する構成については説明を省略する。
時計部190は、現在の時刻を計時する。
なお、移行時間決定部181は、時間部190により計時された現在の時刻に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。この点において、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、移行時間決定部181は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定していた。
次に、本発明の第2の実施の形態における無線通信端末1000Aの動作について説明する。
図5は、無線通信端末1000Aの動作フローを示す。
ここで、図2と図5を対比する。図2のS202およびS205〜S209は、図5のS502およびS505〜S509のそれぞれに対応する。一方、図5のS503とS504の処理は、図2のS201、S203およびS204の処理と異なる。
まず、CPU180は、他の無線通信端末(不図示)から送受するデータがないか否かを判断する(S502)。なお、このS502の処理は、CPU180が常時行っている。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S502、Yes)、CPU180は時計部190により計時された現在の時刻を取得する(S503)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S502、No)、再びS502の処理を実行する。
S503の処理後、移行時間決定部182は、CPU180により取得された現在の時刻に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
ここでは、移行時間決定部182は、現在の時刻が不揮発メモリ120に予め記憶されている設定時間内であるか否かを判断する(S504)。例えば、深夜の時間帯(23時〜5時)、深夜以外の時間帯(5時〜13時)に分け、深夜時間帯を設定時間とした場合、移動時間決定部182は、現在の時刻が深夜時間帯内か否かを判断する。
現在の時刻が設定時間内であると、移行時間決定部182により判断された場合(S504、Yes)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶された短時間の省電力状態移行時間を設定する(S506)。
一方、現在の時刻が設定時間内でないと、移行時間決定部182により判断された場合(S504、No)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶されている通常時の省電力状態移行時間を設定する(S505)。
次に、再度、CPU180は、他の無線通信端末から送受するデータがないか否かを判断する(S507)。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S507、Yes)、タイマ部160がS505またはS506で設定された省電力状態移行時間が経過したか否かを判断する(S508)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S507、No)、再びS502の処理を実行する。
S508の処理後、電源供給制御部181は、通常モードから省電力モードに切り替えて、無線通信端末1000Aを省電力状態へ移行させて(S509)、処理を終了する。
以上のように、本発明の第2の実施の形態における無線通信端末1000Aは、時計部190を備えている。この時計部190は、現在の時刻を計時する。そして、移行時間決定部182は、時間部190により計時された現在の時刻に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
この場合であっても、本発明の無線通信端末1000Aでは、当該無線通信端末1000Aの使用状況または使用環境に関する情報に応じて、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間(省電力状態移行時間)を動的に変化させることができる。これにより、使用状況や使用環境に応じた適正な移行時間で通常モードから省電力モードへ移行することができ、無線通信端末の利用者にとって利便性を高めることができる。
また、本発明の第2の実施の形態における無線通信端末1000Aでは、省電力状態移行時間は、時間部190により計時された現在の時刻に基づいて決定されるので、更に次のような効果を奏する。すなわち、例えば、深夜の時間帯では、省電力状態移行時間を短時間とし、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000Aの利用者が無線通信端末1000Aを利用していない間に、効率よく短時間で無線通信端末1000Aを省電力状態にすることができ、消費電力(電流)を効率よく低減できる。一方、深夜以外の時間帯では、省電力状態移行時間を十分に確保してから、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000Aの利用者は、例えばWeb閲覧中に僅かな時間の作業をしても、すぐに通常モードでWeb閲覧を再開することができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における無線通信端末1000Bについて、図に基づいて説明する。
図6は、本発明の第3の実施の形態における無線通信端末1000Bの構成を示す。
図6に示されるように、無線通信端末1000Bは、無線通信部110と、アンテナ111と、不揮発メモリ120と、RAM130と、ROM140と、電池部150と、電池残量計測部151と、タイマ部160と、CPU180とを備えている。図6に示されるように、CPU180は、バス500を介して、各構成と接続されている。
ここで、図1と図6を対比する。図1では、通信データ量計測部170が設けられているのに対して、図6では、電池残量計測部151が設けられている点で、両者は相違する。
以下の説明では、図1と重複する構成については説明を省略する。
電池残量計測部151は、電池部150の残量を計測する。
なお、移行時間決定部181は、電池残量計測部151により計測された電池残量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。この点において、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、移行時間決定部181は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定していた。
次に、本発明の第3の実施の形態における無線通信端末1000Bの動作について説明する。
図7は、無線通信端末1000Bの動作フローを示す。
ここで、図2と図7を対比する。図2のS202およびS205〜S209は、図7のS702およびS705〜S709のそれぞれに対応する。一方、図7のS703とS704の処理は、図2のS201、S203およびS204の処理と異なる。
まず、CPU180は、他の無線通信端末(不図示)から送受するデータがないか否かを判断する(S702)。なお、このS702の処理は、CPU180が常時行っている。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S702、Yes)、CPU180は、電池残量計測部151により計測された電池残量を取得する(S703)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S702、No)、再びS702の処理を実行する。
S703の処理後、移行時間決定部182は、電池残量計測部151により計測された電池残量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
ここでは、移行時間決定部182は、電池残量が不揮発メモリ120に予め記憶されている規定値以下であるか否かを判断する(S704)。
電池残量が規定値以下であると、移行時間決定部182により判断された場合(S704、Yes)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶された短時間の省電力状態移行時間を設定する(S706)。
一方、電池残量が規定値以下でないと、移行時間決定部182により判断された場合(S704、No)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶されている通常時の省電力状態移行時間を設定する(S705)。
次に、再度、CPU180は、他の無線通信端末から送受するデータがないか否かを判断する(S707)。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S707、Yes)、タイマ部160がS705またはS706で設定された省電力状態移行時間が経過したか否かを判断する(S708)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S707、No)、再びS702の処理を実行する。
S708の処理後、電源供給制御部181は、通常モードから省電力モードに切り替えて、無線通信端末1000Bを省電力状態へ移行させて(S709)、処理を終了する。
以上のように、本発明の第3の実施の形態における無線通信端末1000Bは、電池残量計測部151を備えている。この電池残量計測部151は、電源供給のために設けられた電池部150の残量を計測する。そして、移行時間決定部182は、電池残量計測部151により計測された電池残量に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
この場合であっても、本発明の無線通信端末1000Bでは、当該無線通信端末1000Bの使用状況または使用環境に関する情報に応じて、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間(省電力状態移行時間)を動的に変化させることができる。これにより、使用状況や使用環境に応じた適正な移行時間で通常モードから省電力モードへ移行することができ、無線通信端末の利用者にとって利便性を高めることができる。
また、本発明の第3の実施の形態における無線通信端末1000Bでは、省電力状態移行時間は、電池残量計測部151により計測された電池残量に基づいて決定されるので、更に次のような効果を奏する。
すなわち、例えば、電池残量が少なく余裕がない時には、省電力状態移行時間を短時間とし、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、電池残量が少ない時に効果的に消費電力(電流)を低減することでき、無線通信端末1000の利用時間を引き延ばすことができる。一方、電池残量が多く余裕がある時には、省電力状態移行時間を十分に確保してから、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000の利用者は、例えばWeb閲覧中に僅かな時間の別作業をしても、すぐに通常モードでWeb閲覧を再開することができる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態における無線通信端末1000Cについて、図に基づいて説明する。
図8は、本発明の第4の実施の形態における無線通信端末1000Cの構成を示す。
図8に示されるように、無線通信端末1000Cは、無線通信部110と、アンテナ111と、不揮発メモリ120と、RAM130と、ROM140と、電池部150と、タイマ部160と、CPU180と、通信プロトコル取得部200と、通信プロトコル調査部210とを備えている。図8に示されるように、CPU180は、バス500を介して、各構成と接続されている。
ここで、図1と図8を対比する。図1では、通信データ量計測部170が設けられているのに対して、図8では、通信プロトコル取得部200と、通信プロトコル調査部210とが設けられている点で、両者は相違する。
以下の説明では、図1と重複する構成については説明を省略する。
通信プロトコル取得部200は、使用する通信プロトコルを取得する。
通信プロトコル調査部210は、通信プロトコル取得部200により取得された通信プロトコルが、インターネット上の情報を閲覧するウェブ閲覧で使用するプロトコルであるか否かを判断する。
なお、移行時間決定部181は、通信プロトコル調査部210の判断結果に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。この点において、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、移行時間決定部181は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定していた。
次に、本発明の第4の実施の形態における無線通信端末1000Cの動作について説明する。
図9は、無線通信端末1000Cの動作フローを示す。
ここで、図2と図9を対比する。図2のS202およびS205〜S209は、図9のS902およびS905〜S909のそれぞれに対応する。一方、図9のS903とS904の処理は、図2のS201、S203およびS204の処理と異なる。
まず、CPU180は、他の無線通信端末(不図示)から送受するデータがないか否かを判断する(S902)。なお、このS902の処理は、CPU180が常時行っている。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S902、Yes)、通信プロトコル取得部200は、使用する通信プロトコルを取得する(S903)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S902、No)、再びS902の処理を実行する。
S903の処理後、通信プロトコル調査部210は、通信プロトコル取得部200により取得された通信プロトコルが、インターネット上の情報を閲覧するウェブ閲覧で使用するプロトコルでないかを判断する(S904)。そして、移行時間決定部182は、通信プロトコル調査部210の判断結果に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
通信プロトコル取得部200により取得された通信プロトコルが、インターネット上の情報を閲覧するウェブ閲覧で使用するプロトコルでないと、通信プロトコル調査部210により判断された場合(S904、Yes)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶された短時間の省電力状態移行時間を設定する(S906)。
一方、通信プロトコル取得部200により取得された通信プロトコルが、インターネット上の情報を閲覧するウェブ閲覧で使用するプロトコルであると、通信プロトコル調査部210により判断された場合(S904、No)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶されている通常時の省電力状態移行時間を設定する(S905)。
次に、再度、CPU180は、他の無線通信端末から送受するデータがないか否かを判断する(S907)。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S907、Yes)、タイマ部160がS905またはS906で設定された省電力状態移行時間が経過したか否かを判断する(S908)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S907、No)、再びS902の処理を実行する。
S908の処理後、電源供給制御部181は、通常モードから省電力モードに切り替えて、無線通信端末1000Cを省電力状態へ移行させて(S909)、処理を終了する。
以上のように、本発明の第4の実施の形態における無線通信端末1000Cは、通信プロトコル取得部200と、通信プロトコル調査部210とを備えている。通信プロトコル取得部200は、使用する通信プロトコルを取得する。通信プロトコル調査部210は、通信プロトコル取得部200により取得された通信プロトコルが、インターネット上の情報を閲覧するウェブ閲覧で使用するプロトコルであるか否かを判断する。移行時間決定部181は、通信プロトコル調査部210の判断結果に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
この場合であっても、本発明の無線通信端末1000Cでは、当該無線通信端末1000Cの使用状況または使用環境に関する情報に応じて、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間(省電力状態移行時間)を動的に変化させることができる。これにより、使用状況や使用環境に応じた適正な移行時間で通常モードから省電力モードへ移行することができ、無線通信端末の利用者にとって利便性を高めることができる。
また、本発明の第4の実施の形態における無線通信端末1000Cでは、省電力状態移行時間は、通信プロトコル調査部210の判断結果に基づいて決定されるので、更に次のような効果を奏する。
すなわち、例えば、通信プロトコルがウェブ閲覧で使用するプロトコルである場合には、省電力状態移行時間を十分に確保してから、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000の利用者は、Web閲覧中に僅かな時間の別作業をしても、すぐに通常モードでWeb閲覧を再開することができる。一方、通信プロトコルがウェブ閲覧で使用するプロトコルでない場合には、省電力状態移行時間を短時間とし、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、Web閲覧をしていない間に効果的に消費電力(電流)を低減することできる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態における無線通信端末1000Dについて、図に基づいて説明する。
図10は、本発明の第5の実施の形態における無線通信端末1000Dの構成を示す。
図10に示されるように、無線通信端末1000Dは、無線通信部110と、アンテナ111と、不揮発メモリ120と、RAM130と、ROM140と、電池部150と、タイマ部160と、CPU180と、温度センサ部220とを備えている。図10に示されるように、CPU180は、バス500を介して、各構成と接続されている。
ここで、図1と図10を対比する。図1では、通信データ量計測部170が設けられているのに対して、図10では、温度センサ部220が設けられている点で、両者は相違する。
以下の説明では、図1と重複する構成については説明を省略する。
温度センサ部220は、無線通信端末1000Dの温度を測定する。
なお、移行時間決定部181は、温度センサ部220により測定された温度に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。この点において、第1の実施の形態と異なる。すなわち、第1の実施の形態では、移行時間決定部181は、通信データ量計測部170により計測されたデータ量に基づいて、省電力状態移行時間を決定していた。
次に、本発明の第5の実施の形態における無線通信端末1000Dの動作について説明する。
図11は、無線通信端末1000Dの動作フローを示す。
ここで、図2と図11を対比する。図2のS202およびS205〜S209は、図11のS1102およびS1105〜S1109のそれぞれに対応する。一方、図11のS1103とS1104の処理は、図2のS201、S203およびS204の処理と異なる。
まず、CPU180は、他の無線通信端末(不図示)から送受するデータがないか否かを判断する(S1102)。なお、このS1102の処理は、CPU180が常時行っている。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S1102、Yes)、CPU180は、温度センサ部220により測定された温度を取得する(S1103)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S1102、No)、再びS1102の処理を実行する。
S1103の処理後、移行時間決定部182は、温度センサ部220により測定された温度に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
ここでは、移行時間決定部182は、温度が不揮発メモリ120に予め記憶されている規定値以上であるか否かを判断する(S1104)。
温度が規定値以上であると、移行時間決定部182により判断された場合(S1104、Yes)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶された短時間の省電力状態移行時間を設定する(S1106)。
一方、温度が規定値以上でないと、移行時間決定部182により判断された場合(S1104、No)、移行時間決定部182は、予め不揮発メモリ120に記憶されている通常時の省電力状態移行時間を設定する(S1105)。
次に、再度、CPU180は、他の無線通信端末から送受するデータがないか否かを判断する(S1107)。
CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがないと判断した場合(S1107、Yes)、タイマ部160がS1105またはS1106で設定された省電力状態移行時間が経過したか否かを判断する(S1108)。
一方、CPU180が他の無線通信端末から送受するデータがあると判断した場合(S1107、No)、再びS1102の処理を実行する。
S1108の処理後、電源供給制御部181は、通常モードから省電力モードに切り替えて、無線通信端末1000Dを省電力状態へ移行させて(S1109)、処理を終了する。
以上のように、本発明の第5の実施の形態における無線通信端末1000Dは、温度センサ部220を備えている。温度センサ部220は、無線通信端末1000Dの温度を測定する。そして、移行時間決定部181は、温度センサ部220により測定された温度に基づいて、省電力状態移行時間を決定する。
この場合であっても、本発明の無線通信端末1000Dでは、当該無線通信端末1000Dの使用状況または使用環境に関する情報に応じて、無線通信部110が通常モードで他の無線通信端末とデータ通信を終了した時から、省電力モードへ切り替えるまでの時間(省電力状態移行時間)を動的に変化させることができる。これにより、使用状況や使用環境に応じた適正な移行時間で通常モードから省電力モードへ移行することができ、無線通信端末の利用者にとって利便性を高めることができる。
また、本発明の第5の実施の形態における無線通信端末1000Dでは、省電力状態移行時間は、温度センサ部220により測定された温度に基づいて決定されるので、更に次のような効果を奏する。
すなわち、例えば、無線通信端末1000Dの温度が高い時には、省電力状態移行時間を短時間とし、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000Dの温度が高い時に効果的に消費電力(電流)を低減することでき、無線通信端末1000Dが熱で暴走することを抑制できる。一方、無線通信端末1000Dの温度が低い時には、省電力状態移行時間を十分に確保してから、通常モードから省電力モードへ移行する。このため、無線通信端末1000の利用者は、例えばWeb閲覧中に僅かな時間の別作業をしても、すぐに通常モードでWeb閲覧を再開することができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。