JP2014066918A - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持ち、均一な色味の画像を撮像できる撮像レンズ、そのようなレンズを備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像レンズ20は、近赤外線吸収特性を有する材料を含み、かつ式:0.8≦P/P≦1.2を満足する。
:撮像レンズ20を、光軸を面内に含み、かつ撮像レンズ20の中心を通る面で切断したときの断面において、撮像素子30の撮像面30aの中心に集光する光のうち、撮像レンズ20の中心を通る1光のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光のレンズ内光路長をBおよびCとしたとき、P=(A+B+C)/3で求められる値
:上記断面において、撮像素子30の撮像面30aの中心を除く任意の位置に集光する光のうち、撮像レンズ20の中心を通る1光の光路長をA、最も外側を通る2光の光路長をBおよびCとしたとき、P=(A+B+C)/3で求められる値
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像レンズ、およびこれを用いた撮像装置に関する。
CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等の固体撮像素子を用いた撮像装置においては、色調を良好に再現し、かつ鮮明な画像を得るために、各種の光学的機能を持ったフィルタ(光学フィルタ)を、撮像レンズと固体撮像素子の間等に配置している。その代表的な例が、固体撮像素子の分光感度を人の視感度に補正するために、近赤外波長領域の光を遮蔽するフィルタ(近赤外線カットフィルタ)であり、通常、均一な厚みに形成されている。
しかしながら、近赤外線カットフィルタを配置することによって、撮像装置の小型化・薄型化が阻害されるとともに、部品数の増加によって、製品価格も高くなるという問題があった。
そこで、近時、レンズ材料として近赤外領域の波長の光を選択的に吸収する特性を有するガラス材料を用いることにより、レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持つ撮像レンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような撮像レンズにおいては、従来の近赤外線カットフィルタのように均一な厚みの平板状に形成されることがなく、場所により厚みが異なるため、透過する光の光路により光の透過率に差が生じ、その結果、撮像面の場所によって色味の異なる撮像画像が得られるおそれがあった。
特開2002−139605号公報
本発明は、レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持ち、かつ均一な色味を持った画像を撮像できる撮像レンズ、また、そのような撮像レンズを備えた撮像装置の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る撮像レンズは、撮像素子の撮像面に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、近赤外線吸収特性を有する材料を含み、該撮像レンズが次式(1)を満足していることを特徴としている。
0.8≦P/P≦1.2 …(1)
ここで、PおよびPは以下の方法で求められる値である。
:該撮像レンズを、光軸を面内に含み、かつ撮像レンズの中心を通る面で切断したときの断面において、前記撮像素子の撮像面の中心に集光する光のうち、前記撮像レンズの中心を通る1光のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光のレンズ内光路長をBおよびCとしたとき、
=(A+B+C)/3
により求められる値
:前記撮像レンズの断面において、前記撮像素子の撮像面の中心を除く任意の位置に集光する光のうち、前記撮像レンズの中心を通る1光の光路長をA、最も外側を通る2光の光路長をBおよびCとしたとき、
=(A+B+C)/3
により求められる値
本発明の他の態様に係る撮像装置は、撮像面を有する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面に被写体の像を結像させる撮像レンズとを備えた撮像装置であって、前記撮像レンズが、上記撮像レンズからなることを特徴としている。
本発明によれば、レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持ち、かつ均一な色味を持った撮像画像を得ることができる撮像レンズが提供される。また、本発明によれば、そのような撮像レンズを備えた撮像装置が提供される。
第1の実施形態の撮像レンズを備えた撮像装置の要部構成を概略的に示す断面図である。 第1の実施形態の撮像レンズの構成を説明する断面図である。 第1の実施形態の撮像レンズの構成を説明する断面図である。 第2の実施形態の撮像レンズを示す断面図である。 第2の実施形態の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に何ら限定されない。また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、厚みの比率等は実際のものとは異なることに留意されたい。さらに、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能および構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る撮像レンズを備えた撮像装置の要部構成を概略的に示す断面図である。本実施形態の撮像レンズは、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報機器に組み込まれる小型カメラ等の撮像装置の、固体撮像素子に結像させるレンズ系の全部または一部を構成するレンズである。
図1に示すように、この撮像装置10は、本実施形態の撮像レンズ20と、固体撮像素子30と、これらを固定する枠体40とを備えている。撮像レンズ20と固体撮像素子30は光軸xに沿って、撮像レンズ20が光の入射側、すなわち被写体側に位置するように配置されている。
撮像レンズ20は、両面がいずれも凸面からなる凸レンズである。そして、近赤外線吸収粒子、近赤外線吸収粒子およびその他の必要に応じて配合される成分、または近赤外線吸収色素により形成されている。したがって、撮像レンズ20は、被写体の像を固体撮像素子30の撮像面30aに結像させるレンズとしての機能と、近赤外線を吸収し可視光線を固体撮像素子に透過させる近赤外線カットフィルタとしての機能を併せ持っている。本明細書では、「近赤外線吸収粒子」は粒子状の顔料から色素までを総称して指す場合がある。
なお、レンズの形状は特に図面の例に限定されるものではなく、例えば、両面がいずれも凹面からなる凹レンズであってもよく、一方の面が平面で、他方の面が凸面または凹面の、いわゆる平凸レンズまたは平凹レンズであってもよく、一方の面が凹面で、他方の面が凸面の凸メニスカスレンズまたは凹メニスカスレンズであってもよい。また、このような凸レンズ、凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズまたは凹メニスカスレンズの外周部に平板部を有するものであってもよい。さらに、これらの撮像レンズ20の一方の面または両面に、反射防止膜を設けるようにしてもよい。
また、凸レンズ、凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズまたは凹メニスカスレンズの少なくとも1種類のレンズより構成される複数枚のレンズを一つの群として構成されたレンズであってもよい。この場合、複数枚のレンズのうち少なくとも一つのレンズが、近赤外線吸収粒子、または近赤外線吸収粒子およびその他の必要に応じて配合される成分により形成されている。
本実施形態においては、さらに、撮像レンズ20は、次式(1)を満足するように構成されている。
0.8≦P/P≦1.2 …(1)
式(1)において、PおよびPは以下の方法で求められる値である。
すなわち、Pは、撮像レンズ20を、光軸xを面内に含み、かつ撮像レンズ20の中心を通る面で切断したときの断面において、固体撮像素子30の撮像面30aの中心に集光する光のうち、撮像レンズ20の中心を通る1光(L1)のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光(L2、L3)のレンズ内光路長をBおよびCとしたとき、
=(A+B+C)/3
により求められる値であり(図2)、
は、上記撮像レンズ20断面において、固体撮像素子30の撮像面30aの中心を除く任意の位置に集光する光のうち、撮像レンズ20の中心を通る1光(L4)のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光(L5、L6)のレンズ内光路長をBおよびCとしたとき、
=(A+B+C)/3
により求められる値である(図3)。
撮像レンズが複数枚のレンズより構成され、近赤外線吸収粒子、または近赤外線吸収粒子およびその他の必要に応じて配合される成分により形成されているレンズが1枚の場合は、該レンズが上記要件を満たすように構成されていればよい。また、近赤外線吸収粒子、または近赤外線吸収粒子およびその他の必要に応じて配合される成分により形成されているレンズが2枚以上の場合は、上記A、B、C、A、BおよびCは、それらのレンズにおける各光路長の和となる。
このように構成された本実施形態の撮像レンズ20においては、得られる画像の色味が、従来のような、例えば中心部と周辺部で大きく異なるようなことはなく、良質の撮像画像を得ることができる。
すなわち、近赤外線吸収特性を有する材料により形成された、レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持った従来の撮像レンズにおいては、レンズの肉厚差に起因して透過分光特性にバラツキが生じ、その結果、色味の不均一な画像、すなわち、固体撮像素子30の撮像面30aの、例えば中心部と周辺部で色味の異なる画像が得られた。しかしながら、本実施形態の撮像レンズ20においては、上記式(1)を満足するように構成されており、このような撮像レンズ20は、レンズの肉厚差に起因する透過分光特性のバラツキが低減される。このため、色味の均一性に優れる良質の撮像画像を得ることができる。
撮像レンズ20は、上記P/Pが0.9〜1.1となるように構成されていること、すなわち、次式(2):
0.9≦P/P≦1.1 …(2)
を満足するように構成されていることが好ましく、上記P/Pの値が略1となるように構成されていることがより好ましい。
上記要件を満足する撮像レンズは、例えば、近赤外線吸収粒子の濃度をレンズの場所によって変えたり、レンズの半径方向の肉厚分布を制御することや、複数の肉厚偏差、濃度のレンズを接合し一体化することよって製造できる。
本実施形態の撮像レンズ20は、固定成形型と固定成形型に対して移動可能な可動成形型からなり、これらの間に形成すべきレンズ形状のキャビティを備えた射出成型用の成形型を用いて、例えば、次のように製造できる。
まず、近赤外線吸収粒子、および必要に応じて配合される他の成分を混合する。成形型には、このような混合物を前記キャビティに供給するためのゲート部が設けられており、これらのゲート部より前記混合物を前記キャビティに供給し、冷却固化させる。その後、可動成形型を移動させ、成形物を固定成形型より剥離し、外部に取り出す。
なお、撮像レンズ20は、このような射出成形に限らず、トランスファー成形や注型成形等によっても成形することが可能である。また、成形型として、多数個取りの成形型を用いることも可能である。この場合、成形後、必要に応じて反射防止膜を形成した後、ダイシング装置により個々のレンズに切断する。これにより、図1に示したような個々の撮像レンズ20が得られる。
また、撮像レンズ20の形成に使用される近赤外線吸収粒子としては、例えば、下式で表わされる化合物(例えば、LiCuPO、Mg1/2CuPO等)の結晶子からなり、かつ数平均凝集粒子径が5〜200nmのものが挙げられるが、特にこのような粒子に限定されるものではない。
1/nCuPO
(式中、Aは、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)およびNHからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nは、Aがアルカリ金属またはNHの場合は1であり、Aがアルカリ土類金属の場合は2である。)
なお、「結晶子」とは単結晶とみなせる単位結晶を意味し、「粒子」は複数の結晶子によって構成される。
上記近赤外線吸収粒子は、例えば下記の工程(a)〜(c)を有する方法により製造できる。
(a)Cu2+を含む塩と、PO 3−を含む塩または有機物とを、Cu2+に対するPO 3−のモル比(PO 3−/Cu2+)が10〜20となるような割合で、かつAn+の存在下に混合する工程
(b)工程(a)で得られた生成物を560〜760℃で焼成する工程
(c)工程(b)で得られた焼成物を、数平均凝集粒子径が5〜200nmとなるように解砕する工程
[工程(a)]
Cu2+を含む塩としては、硫酸銅(II)五水和物、塩化銅(II)二水和物、酢酸銅(II)一水和物、臭化銅(II)、硝酸銅(II)三水和物等が挙げられる。
PO 3−を含む塩または有機物としては、アルカリ金属のリン酸塩、リン酸のアンモニウム塩、アルカリ土類金属のリン酸塩、リン酸等が挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩としては、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウム十二水和物、リン酸リチウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素マグネシウム三水和物、リン酸マグネシウム八水和物等が挙げられる。また、リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム四水和物、リン酸アンモニウム三水和物等が挙げられる。
n+を存在させる方法としては、PO 3−を含む塩としてアルカリ金属のリン酸塩、リン酸のアンモニウム塩、アルカリ土類金属のリン酸塩等を用いる方法;Cu2+を含む塩とPO 3−を含む塩または有機物とを混合する際に、An+を含む塩を添加する方法等が挙げられる。
n+を含む塩としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、アルカリ金属の臭化物、アルカリ土類金属の臭化物、アルカリ金属の硝酸塩、アルカリ土類金属の硝酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩等が挙げられる。
Cu2+を含む塩とPO 3−を含む塩または有機物との混合は、Cu2+を含む塩、PO 3−を含む塩、必要に応じてAn+を含む塩を溶解し得る溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、水が好ましい。
Cu2+を含む塩とPO 3−を含む塩または有機物との割合は、Cu2+に対するPO 3−のモル比(PO 3−/Cu2+)が10〜20、好ましくは12〜18となるような割合とする。PO 3−/Cu2+が10以上であれば、A1/nCu(POが副生しない、または副生したとしてもその量が、結晶子がA1/nCuPOの結晶構造を十分に維持できる程度であるため、波長630〜700nmの間における透過率の変化が十分に急峻となる近赤外線吸収粒子が得られる。PO 3−/Cu2+が20以下であれば、A1/nCuPO以外の不純物が副生しない、または副生したとしてもその量が、結晶子がA1/nCuPOの結晶構造を十分に維持できる程度であるため、波長630〜700nmの間における透過率の変化が十分に急峻となる近赤外線吸収粒子が得られる。
Cu2+を含む塩とPO 3−を含む塩または有機物とを混合する際の温度は、10〜95℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。温度が高すぎると、溶媒の蒸発による溶質の濃縮が生じ、目的とする生成物以外の不純物が混入するおそれがある。温度が低すぎると、反応速度が遅くなり、反応時間が長くなるため、工程上好ましくない。
生成物は、濾過等によって分離された後、必要に応じて、洗浄、乾燥、乾式粉砕される。工程(b)における焼成の際に、水を介した粒子の固着を抑え、粒子の成長を抑える点から、有機溶媒で生成物を洗浄し、生成物に含まれる水分を除去することが好ましい。
[工程(b)]
焼成温度は、560〜760℃が好ましく、580〜750℃がより好ましい。焼成温度が560℃以上であれば、構造相転移により結晶構造が変化し、構造相転移後の結晶構造は室温に冷却した後も維持される。焼成温度が760℃以下であれば、加熱分解が抑えられる。なお、焼成温度が低すぎると、前記温度範囲で焼成した場合と結晶構造が異なってしまい、十分な分光特性が得られないおそれがある。
焼成の際には、粒子の成長を抑える点から、被焼成物(工程(a)で得られた生成物)を流動させることが好ましい。被焼成物を流動させながら焼成できる装置としては、ロータリーキルン炉等が挙げられる。
[工程(c)]
解砕方法としては、公知の乾式粉砕法または湿式粉砕法が挙げられ、数平均凝集粒子径を200nm以下としやすい点から、湿式粉砕法が好ましい。乾式粉砕法としては、ボールミル、ジェットミル、ミル型粉砕機、ミキサー型粉砕機等を用いる方法等が挙げられる。湿式粉砕法としては、湿式ミル(ボールミル、遊星ミル等)、クラッシャー、乳鉢、衝撃粉砕装置(ナノマイザー等)、湿式微粒子化装置等を用いる方法等が挙げられ、湿式微粒子化装置を用いる方法が好ましい。
湿式粉砕法の場合、工程(b)で得られた焼成物を分散媒に分散させて解砕用分散液とする必要がある。分散媒としては、水、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、アルデヒド等が挙げられる。分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。分散媒としては、作業環境の点から、水またはアルコールが好ましく、解砕用分散液に高圧力をかける場合は、水が特に好ましい。分散媒の量は、焼成物の分散性を維持する点から、解砕用分散液(100質量%)のうち、50〜95質量%が好ましい。水としては、なかでも蒸留水が好ましく、特に、電気伝導率が1.0×10−4S/m以下のものが好ましい。また、アルコールとしては、特に、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
解砕物は、必要に応じて、遠心分離等によって分散液から分離された後、洗浄、乾燥、乾式粉砕される。乾燥方法としては、加熱乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、真空乾燥法等が挙げられる。
以上のようにして得られた近赤外線吸収粒子は、耐候性、耐酸性、耐水性等の向上や表面改質によるバインダ樹脂との相溶性の向上を目的に、公知の方法で表面処理されてもよい。
表面処理の方法としては、近赤外線吸収粒子を含む分散液中に、表面処理剤または溶媒で希釈した表面処理剤を添加し、撹拌して処理した後、溶媒を除去し乾燥させる方法(湿式法);近赤外線吸収粒子を撹拌しながら、表面処理剤または溶媒で希釈した表面処理剤を、乾燥空気または窒素ガスで噴射させて処理した後、乾燥させる方法(乾式法)が挙げられる。表面処理剤としては、界面活性剤、カップリング剤等が挙げられる。
撮像レンズ20における上記近赤外線吸収粒子の含有量は、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。近赤外線吸収粒子の含有量が1質量%以上であれば、十分な近赤外線吸収特性が得られる。また、近赤外線吸収粒子の含有量が60質量%以下であれば、可視波長領域の光の透過率を高く維持できる。
撮像レンズ20を形成するため、必要に応じて配合される成分としては、上記近赤外線吸収粒子以外の近赤外線乃至赤外線吸収材、透明樹脂、色調補正色素、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等が挙げられる。
上記近赤外線吸収粒子以外の近赤外線乃至赤外線吸収剤としては、少なくともCuおよび/またはPを含む酸化物の結晶子のない近赤外線吸収剤、例えば、ITO(In‐TiO系)、ATO(ZnO‐TiO系)、ホウ化ランタン等の無機微粒子、有機系色素等が挙げられる。
ITO粒子の数平均凝集粒子径は、散乱を抑制し、透明性を維持する点から、5〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、5〜60nmであることがより一層好ましい。なお、本明細書において、数平均凝集粒子径とは、検体微粒子を水、アルコール等の分散媒に分散させた粒子径測定用分散液について、動的光散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値をいう。また、有機系色素としては、例えば、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物等が使用できる。
紫外線吸収材としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、マイカ、カオリン、セリサイト等の粒子が挙げられる。他の光吸収材の数平均凝集粒子径は、透明性の点から、5〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、5〜60nmであることがより一層好ましい。
透明樹脂としては、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、ノルボルネン樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、シルセスキオキサン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。透明性の点から、なかでも、アクリル樹脂またはポリエステル系樹脂が好ましい。この透明樹脂の含有量は、40〜80質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。透明樹脂の含有量が40質量%以上であれば、使用による効果が十分に得られ、また、80質量%以下であれば、十分な近赤外線吸収特性を維持できる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る撮像レンズを示す断面図である。本実施形態の撮像レンズも、第1の実施形態の撮像レンズと同様、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA等の情報機器に組み込まれる小型カメラ等の撮像装置の、固体撮像素子に結像させるレンズ系の全部または一部を構成するレンズである。なお、本実施の形態においては、重複する説明を避けるため、第1の実施の形態と共通する点については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図4に示すように、この撮像レンズ20は、一方の面21aが凹面を有し、他方の面21bが凸面を有し、さらに、外周部に平板部24を有するレンズである。このようなレンズは、凸レンズの機能を有するものは凸メニスカスレンズ、凹レンズの機能を有するものは凹メニスカスレンズと一般に呼ばれている。なお、レンズの形状は、上記以外にも平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ等各種あり、第1の実施形態の場合と同様、特に図面の例に限定されるものではない。また、撮像レンズ20の一方の面または両面に、反射防止膜が設けられていてもよい。図面の例では、一方の面21bに反射防止膜23が設けられている。
撮像レンズ20は、近赤外線吸収色素と、透明樹脂と、必要に応じて配合される他の成分により形成されており、例えば、固定成形型と固定成形型に対して移動可能な可動成形型からなり、これらの間に形成すべきレンズ形状のキャビティを備えた射出成型用の成形型を用いて、次のように製造できる。
まず、近赤外線吸収色素、透明樹脂、および必要に応じて配合される他の成分を混合する。成形型には、このような混合物を前記キャビティに供給するためのゲート部が設けられており、これらのゲート部より前記混合物を前記キャビティに供給し、必要に応じて加熱した後、冷却固化させる。その後、可動成形型を移動させ、成形物を固定成形型より剥離し、外部に取り出す。
なお、本実施形態の撮像レンズ20も、このような射出成形に限らず、トランスファー成形や注型成形等によっても成形でき、また、成形型として、多数個取りの成形型を用いることも可能である。この場合、成形後、必要に応じて反射防止膜を形成した後、ダイシング装置により個々のレンズに切断する。これにより、図4に示したような個々の撮像レンズ20が得られる。
撮像レンズ20の形成に使用される近赤外線吸収色素としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物,スクアリリウム系化合物、インドアニリン系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、クロコニウム系化合物、テトラデヒドロコリン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、アミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物等が挙げられる。これらの中でも、650〜800nmの波長域に吸収ピークを示すものが好ましい。
市販品を例示すると、例えば、シアニン系化合物としては、ADEKA社製のTZ−109D、日本化薬社製のCYP−4646(F)、CY−40MC(F)、住友精化社製のSD50−E04N、SD50−E05N、富士写真フィルム社製のOM−57(以上、いずれも商品名)等が挙げられる
スクアリリウム系化合物としては、下記一般式(F1)で示される化合物(以下、化合物(F1)と略称する)が挙げられる。
化合物(F1)は、スクアリリウム骨格の左右にベンゼン環が結合し、さらにベンゼン環の4位に窒素原子が結合するとともに、該窒素原子を含む飽和複素環が形成された構造を有する化合物である。
Figure 2014066918
式(F1)中の記号は以下のとおりである。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−NR(RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または−C(=O)−R(Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜11のアリール基もしくはアルアリール基))を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。RおよびRは、いずれか一方が水素原子で、他方が−NRである組合せが好ましい。
とR、RとR、およびRとRは、それぞれ独立して、互いに連結して窒素原子と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成していてもよい。但し、式(F1)は、複素環A、複素環B、および複素環Cから選ばれる少なくとも1以上の環構造を有する。
複素環Aが形成される場合のRとRは、これらが結合した2価の基−Q−として、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示す。
複素環Bが形成される場合のRとR、および複素環Cが形成される場合のRとRは、これらが結合したそれぞれ2価の基−X−Y−および−X−Y−(窒素に結合する側がXおよびX)として、XおよびXがそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、YおよびYがそれぞれ下記式(1y)〜(5y)から選ばれるいずれかで示される基である。XおよびXが、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、YおよびYはそれぞれ単結合であってもよい。
Figure 2014066918
式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−NR2829(R28およびR29は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す)を示す。R21〜R26は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を、R27は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。
、R、R、R、R、R21〜R27、複素環を形成していない場合のR〜R、およびRは、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよい。R21とR26、R21とR27は直接結合してもよい。
複素環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、炭素数6〜11のアリール基またはアルアリール基を示す。複素環を形成していない場合の、RおよびR、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
なお、化合物(F1)は、上記一般式(F1)で示される構造の共鳴構造を有する式(F1−1)で示される化合物(F1−1)も含む。
Figure 2014066918
式(F1−1)中の記号は、式(F1)における定義と同じである。
化合物(F1)が、環A〜環Cのうち、環Aのみ、環Bと環Cのみ、環A〜環Cをそれぞれ有する場合、−NRは、RとRのいずれに導入されてもよい。化合物(F1)が、環Bのみ、環Aと環Bのみをそれぞれ有する場合、−NRは、Rに導入されるのが好ましい。同様に、環Cのみ、環Aと環Cのみをそれぞれ有する場合、−NRは、Rに導入されるのが好ましい。
−NRとしては、−NH−C(=O)−Rが好ましい。Rとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基が好ましい。置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフロロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシルオキシ基等が挙げられる。これらのうちでも、フッ素原子で置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基、および炭素数1〜6のフロロアルキル基および/または炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基から選ばれる基が好ましい。
化合物(F1)において、RとR、RとR、およびRとRが、それぞれ互いに連結して形成される員数5または6の環A、環B、および環Cは、少なくともこれらのいずれか1個が形成されていればよく、2個または3個が形成されていてもよい。
環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、炭素数6〜11のアリール基またはアルアリール基を示す。置換基としては、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、アシルオキシ基が挙げられる。環を形成していない場合のRおよびR、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。これらのなかでも、R、R、R、Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、化合物(F1)において、スクアリリウム骨格の左右に結合するベンゼン環が有する基R〜Rは、左右で異なってもよいが、左右で同一であることが好ましい。
化合物(F1)として、より具体的には、環Bのみを環構造として有する下記一般式(F11)で示される化合物、環Aのみを環構造として有する下記一般式(F12)で示される化合物、環Bおよび環Cの2個を環構造として有する下記一般式(F13)で示される化合物が挙げられる(以下、それぞれ化合物(F12)、化合物(F13)、化合物(F14)と略称する)。なお、化合物(F11)は、化合物(F1)において環Cのみを環構造として有し、Rが−NRである化合物と同じ化合物である。また、化合物(F11)および化合物(F13)は、米国特許第5,543,086号明細書に記載された化合物である。
Figure 2014066918
式(F11)〜(F13)中の記号は、前述した式(F1)における定義と同じであり、好ましい態様も同様である。
化合物(F11)において、Xとしては、前述した式(2x)で示される、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基で置換されてもよいエチレン基が好ましい。この場合、置換基としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Xとして、具体的には、−(CH−、−CH−C(CH−、−CH(CH)−C(CH−、−C(CH−C(CH−等が挙げられる。化合物(F11)における−NRとしては、−NH−C(=O)−CH、−NH−C(=O)−C13、−NH−C(=O)−C等が好ましい。化合物(F11)として、例えば、下記式(F11−1)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2014066918
化合物(F12)において、Qは、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基に置換されてもよい炭素数4または5のアルキレン基、炭素数3または4のアルキレンオキシ基である。アルキレンオキシ基の場合の酸素の位置はNの隣以外が好ましい。なお、Qとしては、炭素数1〜3のアルキル基、特にはメチル基に置換されてもよいブチレン基が好ましい。
化合物(F12)において、−NRは、−NH−C(=O)−(CH−CH(mは、0〜19)、−NH−C(=O)−Ph−R10(R10は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜3のパーフロロアルキル基を示す。)等が好ましい。
ここで、化合物(F12)は、そのλmaxが700〜720nmの間にあり、これを含有する近赤外線吸収層における透過率の変化量Dを−0.86以下とできる、NIR吸収色素(B1)として好ましい化合物である。λmaxを上記範囲とすることで、可視波長帯の透過領域を広げることが可能となる。
化合物(F12)として、例えば、下記式(F12−1)で示される化合物、下記式(F12−2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2014066918
化合物(F13)において、XおよびXとしては、独立して上記(2x)で示される水素原子が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基で置換されてもよいエチレン基が好ましい。この場合、置換基としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。XおよびXとして、具体的には、−(CH−、−CH−C(CH−、−CH(CH)−C(CH−、−C(CH−C(CH−等が挙げられる。YおよびYとしては、独立して−CH−、−C(CH−、−CH(C)−、−CH((CHCH)−(mは0〜5)等が挙げられる。化合物(F13)において、−NRは、−NH−C(=O)−C2m+1(mは1〜20であり、C2m+1は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。)、−NH−C(=O)−Ph−R10(R10は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、または炭素数1〜3のパーフロロアルキル基を示す。)等が好ましい。
化合物(F13)として、例えば、下記式(F13−1)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2014066918
化合物(F11−1)、化合物(F12−1)、化合物(F12−2)および化合物(F13−1)の吸光特性を表1に示す。
Figure 2014066918
なお、化合物(F11)、化合物(F12)、化合物(F13)等の化合物(F1)は、従来公知の方法で製造できる。
例えば、化合物(F11−1)等の化合物(F11)は、例えば、米国特許第5,543,086号明細書に記載された方法で製造できる。化合物(F12)は、例えば、J.Org.Chem.2005,70(13),5164−5173に記載の方法で製造できる。
化合物(F12−1)、化合物(F12−2)等は、例えば、以下の反応式(F3)に示す合成経路にしたがって製造できる。
反応式(F3)によれば、1−メチル−2−ヨード−4−アミノベンゼンのアミノ基に所望の置換基Rを有するカルボン酸塩化物を反応させてアミドを形成する。次いで、ピロリジンを反応させ、さらに3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(以下、スクアリン酸という。)と反応させることで、化合物(F12−1)、化合物(F12−2)等が得られる。
Figure 2014066918
反応式(F3)中、Rは−Phまたは−(CH−CHを示す。−Phはフェニル基、Etはエチル基、THFはテトラヒドロフランをそれぞれ示す。
化合物(F13−1)等は、例えば、以下の反応式(F4)に示す合成経路にしたがって製造できる。
反応式(F4)では、まず、8−ヒドロキシジュロリジンにトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)を反応させ、8−トリフルオロメタンスルホン酸ジュロリジンとし、次いで、これにベンジルアミンを反応させ8−ベンジルアミノジュロリジンを得、さらにこれを還元して8−アミノジュロリジンを製造する。次いで、8−アミノジュロリジンのアミノ基に所望の置換基R(化合物(F13−1)の場合、−C15)を有するカルボン酸塩化物を反応させてジュロリジンの8位に−NH−C(=O)Rを有する化合物を得る。次いで、この化合物の2モルをスクアリン酸1モルと反応させることで、化合物(F13−1)等が得られる。
Figure 2014066918
反応式(F4)中、Meはメチル基、TEAはトリエチルアミン、Acはアセチル基、BINAPは(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)、NaOtBuはナトリウムt−ブトキシドをそれぞれ示す。
撮像レンズ20における近赤外線吸収色素の含有量は、透明樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましく、0.1〜5質量部の範囲がより好ましい。近赤外線吸収色素の含有量が透明樹脂100質量部に対して0.01質量部以上であれば、十分な近赤外線吸収特性を維持できる。10質量部以下であれば、可視領域の透過率を損なうことなく、十分な近赤外吸収特性を維持できる。
透明樹脂としては、屈折率が1.54以上のものが好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、ノルボルネン樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シルセスキオキサン樹脂等の熱硬化性樹脂において、屈折率が1.54以上の透明樹脂が好ましく用いられる。これらのなかでも、透明性の点から、屈折率が1.54以上のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
必要に応じて配合される他の成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲で配合される、上記近赤外線吸収色素以外の近赤外線乃至赤外線吸収剤、色調補正色素、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、熱もしくは光重合開始剤、重合触媒等が挙げられる。これらの任意成分は、透明樹脂100質量部に対して、それぞれ10質量部以下の量で配合することが好ましい。
上記近赤外線吸収色素以外の近赤外線乃至赤外線吸収剤のうち、無機微粒子としては、ITO(Indium Tin Oxides)、ATO(Antimony-doped Tin Oxides)、ホウ化ランタン等が挙げられる。
ITO微粒子の数平均凝集粒子径は、散乱を抑制し、透明性を維持する点から、5〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、5〜70nmであることがより一層好ましい。
上記近赤外線吸収色素以外の近赤外線乃至赤外線吸収剤は、近赤外線吸収層に求められる他の物性を確保しながら、近赤外線乃至赤外線吸収剤がその機能を発揮できる量の範囲として、透明樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部の割合で配合できる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、マイカ、カオリン、セリサイト等の粒子が挙げられる。無機系紫外線吸収剤の数平均凝集粒子径は、透明性の点から、5〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、5〜70nmであることがより一層好ましい。
紫外線吸収剤は、近赤外線吸収層に求められる他の物性を確保しながら、紫外線吸収剤がその機能を発揮できる量の範囲として、透明樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部の割合で配合できる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン類;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。光安定剤の含有量は、透明樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲が好ましく、0.5〜5質量部の範囲がより好ましい。
本実施形態の撮像レンズ20は、図示されていないが、一方の面または両面に選択波長遮蔽層をさらに具備できる。
選択波長遮蔽層としては、420〜695nmの可視光を透過し、710〜1100nmの波長領域の光を遮蔽する光学特性を有することが好ましい。光を遮蔽する波長領域は、710〜1200nmがより好ましい。このような選択波長遮蔽層を形成することにより、近赤外線領域の光を高性能に遮蔽できる。選択波長遮蔽層はさらに、400nm以下の紫外線波長領域の光を遮蔽する光学特性を有することが好ましく、410nm以下の光の遮蔽性を有することがより好ましい。
選択波長遮蔽層は一層で上記所定の波長領域の光を遮蔽するようにしてもよく、複数層を組み合わせて所定の波長領域の光を遮蔽するようにしてもよい。
ここで、撮像レンズ20において、撮像レンズのみで完全に近赤外線遮蔽を達成する必要はなく、その一方の面または両面に設ける選択波長遮蔽層を、撮像装置の固体撮像素子の前面に撮像レンズ20とともに配置される他の光学部材の主面や固体撮像素子の表面、すなわち前側の主面に設けることで対応することもできる。
撮像レンズ20と選択波長遮蔽層の具体的な組合せとしては、固体撮像素子から遠い側から順に、420〜695nmの可視光は透過し以下の反射波長領域を有する第1の誘電体多層膜、撮像レンズ20、420〜695nmの可視光は透過し以下の反射波長領域を有する第2の誘電体多層膜が配置される組合せが挙げられる。
第1の誘電体多層膜が有する反射波長領域は、例えば、その短波長側の端の波長が、710nm以上、撮像レンズ20による吸収波長域の長波長側の端の波長以下であり、その長波長側の端の波長が好ましくは820〜950nm付近の波長の領域を含むものである。該反射波長領域は、さらに必要に応じて他の領域を含んでもよい。
第2の誘電体多層膜が有する反射波長領域は、例えば、その短波長側の端の波長が、710nmを超え上記第1の誘電体多層膜の反射波長領域の長波長側の端の波長以下であり、その長波長側の端の波長が、好ましくは1100nm以上、より好ましくは1200nm以上の波長の領域を含むものである。該反射波長領域は、400nm以下、より好ましくは410nm以下の紫外線波長領域を含むことが好ましい。
撮像装置において固体撮像素子の前面に配設される撮像レンズの向きに応じて、撮像レンズ20における上記第1の誘電体多層膜、および、第2の誘電体多層膜の配設位置が決定する。
撮像レンズ20は、また、複数のレンズを接着剤で接合した構造であってもよい。図5は、そのような撮像レンズの一例を示したものである。この撮像レンズ20は、2つのレンズ21A、21Bで構成され、レンズ21A、21Bは外周部に平板部24を有し、レンズ21A、21Bの接合面とは反対側の面に反射防止膜23を設けている。
図示されていないが、このような撮像レンズ20においても、その一方の面または両面に前述したような選択波長遮蔽層をさらに具備できる。
反射防止膜23の有無等は、用途や、組み合わせて使用するレンズの種類、配置場所等を考慮して適宜定められる。
なお、本実施形態においても、撮像レンズ20は、前述した式(1)を満足するように構成されている。このように構成されていることで、本実施形態の撮像レンズ20においては、第1の実施形態における撮像レンズと同様、得られる画像の色味が、従来のような、例えば中心部と周辺部で大きく異なるようなことはなく、良質の撮像画像を得ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態およびそれらの変形例を説明したが、本発明は、以上説明した実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の各種物性値等は下記に示す方法で測定した。
[X線回折]
粉末状態の近赤外線吸収粒子について、X線回折装置(RIGAKU社製、RINT−TTR−III)を用いてX線回折の測定を行い、結晶構造の同定を行った。また、結晶子の大きさを、2θ=14°の反射についてシェラーの方法により計算によって求めた。
[数平均凝集粒子径]
近赤外線吸収粒子を水に分散させた粒子径測定用分散液(固形分濃度:5質量%)について、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、マイクロトラック超微粒子粒度分析計UPA−150)を用いて数平均凝集粒子径を測定した。
[近赤外線吸収粒子の製造]
(製造例1)
52質量%リン酸水素二カリウム(純正化学製)水溶液500gに、撹拌下、5質量%硫酸銅・五水和物(純正化学製)水溶液500gを加え、5時間以上室温にて撹拌し、水色溶液(PO 3−/Cu2+(モル比)=15)を得た。
得られた水色溶液から生成物を吸引濾過によって分離し、水およびアセトンで洗浄し、水色の生成物を得た。生成物をるつぼに移し、100℃で4時間真空乾燥した後、ワンダーブレンダー(大阪ケミカル社製、以下同じ)を用いて、30秒間の乾式粉砕を2回行った。
粉末状態の生成物をるつぼに移し、大気下、600℃で8時間焼成し、黄緑色の焼成物を得た。焼成物について、ワンダーブレンダーを用いて、30秒間の乾式粉砕を2回行った。得られた黄緑色の焼成物は15.4gであり、硫酸銅・五水和物のモル数を基準とした場合の収率は78%であった。
焼成物についてX線回折を測定した。X線回折の結果から、KCuPOの結晶構造を確認でき、焼成物は、実質的にKCuPOの結晶子からなる粒子であることが同定された。
上記焼成物を水に分散させ、固形分濃度10質量%の分散液とし、超音波ホモジナイザで処理した後、湿式微粒子化装置(スギノマシン社製、スターバーストミニ)を用いて湿式粉砕を行った。分散液がオリフィス径を通過する回数を湿式粉砕処理回数とする。本例においては、湿式粉砕処理回数を20回とした。
湿式粉砕後の分散液から解砕物を遠心分離し、るつぼに移して150℃で乾燥し、黄緑色の解砕物を得た。解砕物について、ワンダーブレンダーを用いて、30秒間の乾式粉砕を2回行った。
解砕物についてX線回折を測定した。X線回折の結果から、KCuPOの結晶構造を確認でき、解砕物は、実質的にKCuPOの結晶子からなる近赤外線吸収粒子であることが同定された。結晶子の大きさは27nmであった。また、近赤外線吸収粒子の粒子径測定用分散液を調製し、数平均凝集粒子径を測定したところ、89nmであった。
(製造例2)
52質量%リン酸水素二カリウム(純正化学製)水溶液500gに、撹拌下、5質量%硫酸銅・五水和物(純正化学製)水溶液500gを加え、5時間以上室温にて撹拌し、水色溶液(PO 3−/Cu2+(モル比)=15)を得た。
得られた水色溶液を卓上遠心分離機を用いて固液分離し、水色沈降物を得た。この水色沈降物をアセトンに分散させ、超音波処理を行った後、卓上遠心分離機を用いて固液分離した。得られた沈降物を150℃で2時間乾燥した後、エタノールに分散させて、原料スラリーを得た。
特開2005−170760号公報に記載された装置を用い、上記原料スラリーをプラズマトーチ内の熱プラズマに導入した。得られた生成物をチャンバー内で冷却して暗緑色の粒子を得た。
得られた粒子を平皿に移し、大気中、500℃で5分間熱処理し、薄青緑色の粒子を得た。熱処理には赤外線イメージ炉を用いた。
得られた薄青緑色の粒子についてX線回折を測定した。X線回折の結果から、KCuPOの結晶構造を確認でき、粒子は、実質的にKCuPOの結晶子からなる近赤外線吸収粒子であることが同定された。結晶子の大きさは23nmであった。また、近赤外線吸収粒子の粒子径測定用分散液を調製し、数平均凝集粒子径を測定したところ、92nmであった。
(製造例3)
エタノール1Lに、リン酸水素二カリウム(純正化学製)136.09gおよび酸化銅(II)(関東化学製)79.555gを分散させ、超音波処理を行った。さらに、0.2mmφのアルミナビーズ200gを投入し、24時間ボールミル処理を行った。ボールミル処理後、アルミナビーズを分離し、原料スラリーを得た。
特開2005−170760号公報に記載された装置を用い、上記原料スラリーをプラズマトーチ内の熱プラズマに導入した。得られた生成物をチャンバー内で冷却して暗緑色の粒子を得た。
得られた粒子を平皿に移し、大気中、500℃で5分間熱処理し、薄青緑色の粒子を得た。熱処理には赤外線イメージ炉を用いた。
得られた薄青緑色の粒子についてX線回折を測定した。X線回折の結果から、KCuPOの結晶構造を確認でき、粒子は、実質的にKCuPOの結晶子からなる近赤外線吸収粒子であることが同定された。結晶子の大きさは23nmであった。また、近赤外線吸収粒子の粒子径測定用分散液を調製し、数平均凝集粒子径を測定したところ、92nmであった。
(実施例1)
製造例1で得られた近赤外線吸収粒子に、100℃で8時間予備乾燥を行ったポリエステル樹脂を、近赤外線吸収粒子30質量%およびポリエステル樹脂70質量%となるように添加した後、Vブレンダーにより3時間混合した。この混合物を2軸混練押出機(栗本鐵工所製、型名 KEX25)により、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数30rpmの条件で、混練押出して、射出成型用マスターバッチを得た。得られた射出成型用マスターバッチを射出成型機に供給し、平凸レンズの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例2)
製造例2で得られた近赤外線吸収粒子を用いた以外は実施例1と同様にして射出成型用マスターバッチを得、さらに、この射出成型用マスターバッチを用いて平凸レンズの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例3)
製造例3で得られた近赤外線吸収粒子を用いた以外は実施例1と同様にして射出成型用マスターバッチを得、さらに、この射出成型用マスターバッチを用いて平凸レンズの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例4)
J.Org.Chem.2005,70(13),5164−5173に記載の方法にしたがって合成した近赤外線吸収色素(F12−1)に、100℃で8時間予備乾燥を行ったポリエステル樹脂を、近赤外線吸収色素(F12−1)1質量%およびポリエステル樹脂99質量%となるように添加した後、Vブレンダーにより混合した。この混合物を2軸混練押出機により混練押出して、射出成型用マスターバッチを得た。得られた射出成型用マスターバッチを射出成型機に供給し、平凸レンズの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例5)
製造例1で得られた近赤外線吸収粒子に、100℃で8時間予備乾燥を行ったシクロオレフィン樹脂(日本ゼオン社製、商品名 ゼオネックスE48R)を、近赤外線吸収粒子30質量%およびシクロオレフィン樹脂70質量%となるように添加した後、Vブレンダーにより3時間混合した。この混合物を2軸混練押出機(栗本鐵工所製、型名 KEX25)により、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数30rpmの条件で、混練押出して、射出成型用マスターバッチを得た。得られた射出成型用マスターバッチを射出成型機に供給し、凸メニスカスの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例6)
製造例2で得られた近赤外線吸収粒子を用いた以外は実施例5と同様にして射出成型用マスターバッチを得、さらに、この射出成型用マスターバッチを用いて凸メニスカスの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例7)
製造例3で得られた近赤外線吸収粒子を用いた以外は実施例516と同様にして射出成型用マスターバッチを得、さらに、この射出成型用マスターバッチを用いて凸メニスカスの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
(実施例8)
J.Org.Chem.2005,70(13),5164−5173に記載の方法にしたがって合成した近赤外線吸収色素(F12−1)に、100℃で8時間予備乾燥を行ったシクロオレフィン樹脂(日本ゼオン社製、商品名 ゼオネックスE48R)を、近赤外線吸収色素(F12−1)1質量%およびシクロオレフィン樹脂99質量%となるように添加した後、Vブレンダーにより混合した。この混合物を2軸混練押出機により混練押出して、射出成型用マスターバッチを得た。得られた射出成型用マスターバッチを射出成型機に供給し、凸メニスカスの形状のレンズを成型した。得られた撮像レンズは、前述した式(1)を満足するものであった。
本発明の撮像レンズは、レンズ機能と近赤外線カットフィルタ機能を併せ持ち、かつ均一な色味を持った画像を撮像することができる、したがって、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA等の情報機器に組み込まれる小型カメラ等の、固体撮像素子を用いた撮像装置に好適に使用できる。
10…撮像装置、20…撮像レンズ、21…レンズ本体、22…近赤外線吸収層、30…固体撮像素子、30a…撮像面、L1〜L6…光。

Claims (5)

  1. 撮像素子の撮像面に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、
    近赤外線吸収特性を有する材料を含み、かつ該撮像レンズが次式(1)を満足している、撮像レンズ。
    0.8≦P/P≦1.2 …(1)
    ここで、PおよびPは以下の方法で求められる値である。
    :該撮像レンズを、光軸を面内に含み、かつ撮像レンズの中心を通る面で切断したときの断面において、前記撮像素子の撮像面の中心Cに集光する光のうち、前記撮像レンズの中心を通る1光のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光のレンズ内光路長をBおよびCとしたとき、
    =(A+B+C)/3
    により求められる値
    :前記撮像レンズの断面において、前記撮像素子の撮像面の中心を除く任意の位置に集光する光のうち、前記撮像レンズの中心を通る1光のレンズ内光路長をA、最も外側を通る2光の光路長をBおよびCとしたとき、
    =(A+B+C)/3
    により求められる値
  2. 該撮像レンズが次式(2)を満足している、請求項1に記載の撮像レンズ。
    0.9≦P/P≦1.1 …(2)
  3. 前記近赤外線吸収特性を有する材料が、下式で表わされる化合物(例えば、LiCuPO、Mg1/2CuPO等)の結晶子を含む、請求項1または2に記載の撮像レンズ。
    1/nCuPO
    (式中、Aは、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)およびNHからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、nは、Aがアルカリ金属またはNHの場合は1であり、Aがアルカリ土類金属の場合は2である。)
  4. 前記近赤外線吸収特性を有する材料が、下記一般式(F1)で表されるスクアリリウム化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    Figure 2014066918
    (ここで、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−NR(但し、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または−C(=O)−R(但し、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜11のアリール基もしくはアルアリール基))を示し;
    とR、RとR、およびRとRは、それぞれ独立して、互いに連結して窒素原子と共に員数が5または6のそれぞれ複素環A、複素環B、および複素環Cを形成していてもよく(但し、式(F1)は、複素環A、複素環B、および複素環Cから選ばれる少なくとも1以上の環構造を有する);
    複素環Aが形成される場合のRとRは、これらが結合した2価の基−Q−として、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基で置換されてもよいアルキレン基、またはアルキレンオキシ基を示し;
    複素環Bが形成される場合のRとR、および複素環Cが形成される場合のRとRは、これらが結合したそれぞれ2価の基−X−Y−および−X−Y−(窒素に結合する側がXおよびX)として、XおよびXがそれぞれ下記式(1x)または(2x)で示される基であり、YおよびYがそれぞれ下記式(1y)〜(5y)から選ばれるいずれかで示される基であり、XおよびXが、それぞれ下記式(2x)で示される基の場合、YおよびYはそれぞれ単結合であってよく、
    Figure 2014066918
    (式(1x)中、4個のZは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、または−NR2829(但し、R28およびR29は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示す)を示し、R21〜R26は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を、R27は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。);
    、R、R、R、R、R21〜R27、複素環を形成していない場合のR〜R、およびRは、これらのうちの他のいずれかと互いに結合して5員環または6員環を形成してもよく、R21とR26、R21とR27は直接結合してもよく;
    複素環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、炭素数6〜11のアリール基またはアルアリール基を示し、複素環を形成していない場合の、RおよびR、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。)
  5. 撮像面を有する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面に被写体の像を結像させる撮像レンズとを備えた撮像装置であって、前記撮像レンズが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像レンズからなる、撮像装置。
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