JP2014066835A - エレクトロウェッティング表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】疎水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時の応答性に優れたエレクトロウェッティング表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の基板12の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層14を形成する工程と、第1の基板上の親水性液体層14の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、親水性液体層と接するオイル層16を形成する工程と、オイル層16上に、オイル層16と接触させて疎水性絶縁膜20を配置する工程と、疎水性絶縁膜20上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板11を、導電性の前記表面を疎水性絶縁膜20に対向させて配置する工程とを有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、エレクトロウェッティング表示装置の製造方法に関する。
従来より、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えばオイルと親水性液体の2液)を含むセルを備え、電圧の印加により動作(駆動)する光学素子に関する検討が行なわれている。このような光学素子としては、例えば、光シャッターや可変焦点レンズ、画像表示装置などが知られており、近年では、特にエレクトロウェッティング現象を利用した技術が注目されている。
エレクトロウェッティング現象を利用した技術の例として、互いに対向配置された第一基板及び第二基板と、複数の画素ユニットを定義する複数の突起と、隣り合う2つの突起の間の画素ユニットに封入された非導電性な第一流体と、第一流体と互いに混和しない導電性又は極性液体である第二流体とを備えたエレクトロウェッティングディスプレイが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
エレクトロウェッティングディスプレイの製造は、一般に、表示部(セル)の構成上、例えば以下の2通りの方法が考えられる。
(1)TFT基板等の上にあらかじめ設けられた例えば撥液性のある疎水性絶縁膜の膜面にインクを付与し、インク上に例えば電解質を含む親水性液体を付与した後、ITO基板で封入する方法
(2)ITO基板上に例えば電解質を含む親水性液体を付与し、この親水性液体上にインクを付与した後、例えば撥液性の疎水性絶縁膜で封入する方法
上記した製造法のうち、従来は、エレクトロウェッティングディスプレイを製造する際には、TFT等があらかじめ形成された基板が一般に用いられ、この基板に疎水性絶縁膜を付設し、TFTの配設位置に合わせて膜上にさらにシリコーンゴム等のリブ(壁)を設けて複数の表示部(セル)を形成するプロセスを経ることが通例とされている。したがって、上記方法(1)のように、セルには、疎水性絶縁膜にオイルを接触させるため、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入する方法が採られている
エレクトロウェッティングディスプレイの製造に関連する技術として、例えば、親水的なリブに対してはじめに非極性溶液を満たしその上に極性溶液を設ける技術や、パネル様の基板を傾けてその疎水領域にオイルを付する技術などが開示されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
特開2009−86668号公報 米国特許第2010/0108232号明細書 米国特許第2012/0127555号明細書
しかしながら、従来の製造方法のうち、上記の方法(1)では、以下のような課題がある。
(イ)インクを付与した際、疎水性絶縁膜の膜面にインクのハジキが生じやすく、インクが膜面に拡がらない。これは、疎水性絶縁膜が撥液性(撥油性)を有する場合や、オイルの組成が疎水性絶縁膜となじみ難い場合に顕著に現れる。
(ロ)疎水性絶縁膜上のインクの上に親水性液体を付与する際、密度差で比重の小さいインクが親水性液体上に浮いてしまい、インクが本来接するべき疎水性絶縁膜の膜面から剥がれてしまう。
(ハ)セル面積の狭広により疎水性絶縁膜上でのインクの拡がりが異なり、再現性が低い。すなわち、インク注入時にインクが疎水性絶縁膜上のいずれの部分に付与されるかによって、疎水性絶縁膜上でインクにハジキが生じる場合と壁と接した際の毛細管現象で弾かずに拡がる場合とがある。
(ニ)セル面積の狭広に関わらず、セル内にインクが充満せずあるいはインク膜厚が不均一になる場合があり、ディスプレイの表示性能に悪影響を及ぼす。
(ホ)電圧印加時の動作感度(応答性)の高いインクの場合、上記の(ロ)、(ハ)が顕著に現れ(界面張力の関係と推測)、動作感度(応答性)とセル作製の容易化とは相反する関係にある。
そして、上記した従来の製造技術は、いずれもTFT基板上に付設された疎水性絶縁膜の上に、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入する等の技術に基づくものとなっている。そのため、上記方法(1)のような種々の課題を有している。
一方、エレクトロウェッティングディスプレイでの画像表示には、電圧印加した際のオイルの動作感度(応答性)に優れることが重要である。応答性は、画像表示機能を担うオイルとオイルに接触させて設けられる疎水性絶縁膜との間の親和性の程度の影響を受けやすい傾向がある。したがって、疎水性絶縁膜は、その膜面で接するオイルがはじかない程度の低い撥液作用をそなえていることが望まれる。すなわち、製造時を含めた非電圧印加時には、オイルは疎水性絶縁膜上に濡れ広がりやすく均一なオイル層を形成しやすい性質を有する一方、電圧印加時には、むしろ疎水性絶縁膜の表面を移動しやすく、オイル層が大きく変形し得る状態で設けられていることが望ましい。
また、エレクトロウェッティングディスプレイで表示される画像の色濃度を高めるには、画像形成を担うオイルの濃度、つまりオイルに含有される色材濃度を高めることが必要である。しかし、オイル中の染料濃度を高めると、電圧印加した際のオイルの動作感度(応答性)は低下しやすい。画像の表示特性と応答性とをともに成り立たせるには、オイルの疎水性絶縁膜の膜面における濡れやすさの程度を適切に制御することが重要である。
更に、エレクトロウェッティングディスプレイは、その構造上の点からも、セル(表示部)を構成するオイル自体が数ミクロンオーダーの薄膜に形成されているため、上記のようなハジキが発生しやすい。殊に、疎水性絶縁膜が含フッ素化合物等の撥液性を与えるような成分を用いて形成されている場合や、オイルに含フッ素系の色材を含有している場合に顕著に現れる。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、オイルの組成及び該オイルと接する疎水性絶縁膜の組成に関わらず、疎水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時の応答性に優れたエレクトロウェッティング表示装置の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、エレクトロウェッティングディスプレイの構造において、疎水性絶縁膜とオイルとの間の親和性に比べ、ITO等の電極と親水性液体との間の親和性の方が安定して高く、しかもインクは親水性液体に比べて比重が小さく、親水性液体の上に安定的に存在しやすいため、オイル層を薄膜に形成するのにより適しているとの知見、及びこれは優れた動作感度(応答性)が得られるオイルを用いる場合により顕著に現れるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
上記の課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する工程と、第1の基板上の親水性液体層の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、親水性液体層と接するオイル層を形成する工程と、オイル層上に、オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程と、疎水性絶縁膜上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板を、導電性の前記表面を疎水性絶縁膜に対向させて配置する工程と、を有するエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<2> 前記「オイル層上に、オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程」は、前記第1の基板の鉛直方向に対する角度を10°以上90°未満として前記疎水性絶縁膜と前記第1の基板とで前記オイル層を挟む前記<1>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<3> 疎水性絶縁膜は、分子内にフッ素原子を有する含フッ素化合物を用いて形成された撥液性膜である前記<1>又は前記<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<4> 第1の基板は、第2の基板の導電性の表面と対向する側に導電性層を有する前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<5> 前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方に、基板面を複数のセル領域に区画する隔壁を有する前記<1>〜前記<4>のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<6> 第1の基板は、親水性液体層が形成される側に、該基板の表面を複数のセル領域に区画する隔壁を有する前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<7> 疎水性絶縁膜を配置する工程及び第2の基板を配置する工程として、
少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性であって導電性の表面を有する側に疎水性絶縁膜を有する第2の基板を、疎水性絶縁膜をオイル層に接触させて配置する工程を有する前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<8> 染料のオイル中における含有量が、オイル全量に対して20質量%以上80質量%以下である前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<9> 染料は、炭素数6〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<10> 染料が、分子内にフッ素原子を有する前記<1>〜前記<9>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
本発明によれば、オイルの組成及び該オイルと接する疎水性絶縁膜の組成に関わらず、疎水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時の応答性に優れたエレクトロウェッティング表示装置の製造方法が提供される。
エレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態における工程の一部を示す概略断面図である。 エレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態における工程の一部を示す概略断面図である。 エレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態における工程の一部を示す概略断面図である。 エレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態における工程の一部を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オフ時の状態を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オン時の状態を示す概略断面図である。 本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の具体的な実施形態の一部を示す概略断面図である。 第2の基板を第1の基板に対して角度θからθに近づけて配置するところを説明する概略説明図である。 図7の第2の基板を第1の基板に対して所定の角度θで配置する方法の一例を示す概略図である。 本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の他の具体的な実施形態の一部を示す概略断面図である。 図10の第2の基板を第1の基板に対して所定の角度θで配置する方法の一例を示す概略図である。 従来のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法における工程の一部を示す概略断面図である。 従来のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法における工程の一部を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、エレクトロウェッティング表示装置の製造方法について、実施形態を示して説明すると共に、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態についても詳述する。但し、本発明においては、以下に図面で示す実施形態に制限されるものではない。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する工程(以下、「親水性液体層形成工程」と称する。)と、第1の基板上の親水性液体層の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、親水性液体層と接するオイル層を形成する工程(以下、「オイル層形成工程」と称する。)と、オイル層上に、該オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程(以下、「疎水性膜配置工程」と称する。)と、疎水性絶縁膜上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板を、導電性の前記表面を疎水性絶縁膜に対向させて配置する工程(以下、「基板配置工程」と称する。)と、少なくとも設けて構成されている。
また、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、必要に応じて、更に、基板を準備する工程や、基板の疎水性絶縁膜形成面を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程、一対の基板間のセルを封止する封止工程、隔壁形成工程の後であって基板配置工程の前にセルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程などの他の構成が設けられてもよい。
オイルと親水性液体とを互いに接触させて重層配置し、電圧印加によりオイルと親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置は、従来から種々の製造技術が提案されているものの、製造にあたってはTFT等の駆動素子があらかじめ付設された基板が使用されている。そのため、この基板に対し、疎水性絶縁膜を形成し、この疎水性絶縁膜上にTFTの配設位置に合わせて形成された複数の表示部(セル)に、疎水性絶縁膜と接するオイル層を形成するため、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入することが行なわれている。
しかしながら、オイル組成によっては、疎水性絶縁膜との親和性が不充分でオイルが拡がりにくく、ひいてはハジキを生じる等により、均一性のある厚みのオイル層を形成できない。また、オイル層上に親水性液体を付与した際に、両者の密度差で比重の小さいオイルが浮上する現象も生じやすい。特に、電圧印加時の動作感度(応答性)に優れたインクほど均一性の高いオイル層が得られにくく、動作感度(応答性)とセル製造適性とをともに成り立たせるのが困難な傾向にあった。このような状況の下、本発明では、
親水性液体はオイル層に比べて基板上に濡れ拡がりやすく、オイル層は親水性液体に比べ比重が小さいために疎水性絶縁膜上より安定的に存在させやすいことから、親水性液体層を形成後、この親水性液体層上にオイル層を形成することで、厚みが数ミクロン程度の薄厚のオイル層を均一化して形成しやすく、所望の厚みのオイル層が容易に形成される。
これにより、互いに相反する傾向のある動作感度(応答性)と製造適性(セル作製の容易化)とをともに成り立たせることができる。
このエレクトロウェッティング表示装置は、親水性液体と第2の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、オイルと親水性液体との界面の形状を変化させることにより画像を表示する表示媒体である。具体的には、
本発明の製造方法により製造されるエレクトロウェッティング表示装置は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板と、第2の基板の導電性の表面に対向させて配置された第1の基板と、第2の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、疎水性絶縁膜と第1の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルと、疎水性絶縁膜と第1の基板との間に、オイルと接するように設けられた導電性の親水性液体とを有する表示部を設けて構成されたものである。
以下、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法を構成する各工程について、図1〜図13を参照しながら説明する。図1〜図4は、それぞれ本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態の一部を示す工程図であり、図7〜図11は、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の一部を具体的に示す概略図である。なお、図5〜図6は、エレクトロウェッティング表示装置の構成例を示している。エレクトロウェッティング表示装置の実施形態については、後述する。
−親水性液体層形成工程−
本発明における親水性液体層形成工程では、第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する。本発明では、後述のオイル層の形成前に、オイルが付与される親水性液体層が形成される。
本工程では、例えば図1に示すように、隔壁(リブ)として隔壁22aと隔壁22bとを設け、例えば格子状に区画されて複数の領域(表示セル)が形成された基板12を使用し、隔壁22aと隔壁22bとで区画された各表示セルに、図2に示すように親水性液体を注入し、親水性液体層14を形成する。
この表示セルは、エレクトロウェッティング表示装置の表示部を構成する一画素として機能し、この表示セルを複数個2次元方向に配列することによって、画像表示が可能になる。
基板12は、基材12aと、基板12aに設けられ、導電性を有する導電膜12bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。本実施形態では、基板12は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材12aは、装置の表示形態に応じて、透明性材料又は不透明材料のいずれを用いて形成されたものでもよい。画像を表示する観点からは、基材12aは、光透過性を有していることが好ましい。具体的には、基板12aが、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。
基材12aに用いる材料の例としては、ガラス基板(例えば、無アルカリガラス基板、ソーダガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板等)、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、シリコン基板等の半導体基板等を用いることができる。中でも、光透過性の観点から、ガラス基板又はプラスチック基板が好ましい。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
導電膜12bは、装置の表示形態に応じて、透明性の膜又は不透明膜のいずれであってもよい。導電膜は、導電性を有する膜のことであり、導電性とは、電圧を印加できる程度の電気伝導性を有していればよく、表面抵抗が500Ω/□以下(好ましくは70Ω/□以下、より好ましくは60Ω/以下、更に好ましくは50Ω/□以下)の性質を有していることをいう。
導電膜は、銅膜などの不透明な金属膜、又は透明膜のいずれでもよいが、光透過性を与えて画像表示を行なう観点からは、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。透明導電膜の例としては、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及び酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む膜が挙げられる。中でも、透明導電膜としては、光透過性及び導電性の点で、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜が好ましい。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
導電膜の比抵抗としては、特に制限はなく、例えば、1.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。
好ましい形態として、基板12の導電膜12bに表示画素をなす複数の表示セルに対して共通の電位を付与する一方、後述する基板11の導電膜11bには表示画素(表示セル)毎に独立した電位を付与することで、各表示セル(画素)に独立した電圧を印加する形態が挙げられる。この形態については、公知の液晶表示装置の形態を参照することができる。
隔壁22a、22bは、基板12の表面を仕切って複数の表示セルを形成するために設けられ、これにより表面を例えば格子状に区画する。本実施形態では、隔壁22a、22bとして、シリコーンゴム壁が設けられている。
隔壁形成用の材料としては、シリコーンゴム、アクリレート、メタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリスチレンなどのアルケン重合体、フッ素系ポリマー、エポキシ樹脂、ガラス、ポリアクリレート、フェノール樹脂などを用いることができる。隔壁形成用の材料中には、好ましい光学特性、硬度、柔軟性、耐久性等を得るために、各種添加剤を含有させることも好ましい。
隔壁形成材料としては、特開2012−137660号公報、特開2012−108499号公報、特開2012−093559号公報、特開2011−242664号公報、特開2011−225414号公報、WO12/057058号明細書、WO11/155412号明細書、WO09/125806号明細書、WO08/096782号明細書等に記載のものも好ましく用いることができる。
隔壁を形成する方法としては、所望の形状が形成できればいずれの方法でもよく、例えば、基板上に光重合性組成物を塗布又はインクジェットにより塗設し、光照射によって光重合性組成物を重合させてパターンを形成する方法、また、レーザー加工や打ち抜き機などで穿孔してパターンを形成したフィルム状のシリコーンゴムや樹脂を張り合わせる方法、所望の隔壁を形成したフィルムから基板に転写する方法などがある。
本実施形態では、基板12は、導電性を有する基板として配設されているが、基板12は導電膜を設けずに導電性を有しない態様でもよく、例えば導電膜11bと親水性液体層14との間で電圧印加するようにしてもよい。この場合、基板12の構成に特に制限はなく、例えば上記の基材12aに用いられる例として挙げた材料を用いることができる。
表示セル内に付与される親水性液体層14は、導電性の親水性液体である。導電性とは、比抵抗10Ω・cm以下(好ましくは10Ω・cm以下)の性質をいう。
親水性液体は、水性溶媒で構成され、電解質を含んでもよい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これら溶媒を単独で用いても良いし、混合物で用いてもよい。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
親水性液体層の厚みは、10μm〜300μmが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。
−オイル層形成工程−
本発明におけるオイル層形成工程では、第1の基板上の親水性液体層の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、親水性液体層と接するオイル層を形成する。本発明では、オイルを疎水性絶縁膜の膜面に付与するのではなく、表示セル内にあらかじめ配設された親水性液体層の表面にオイルを付与することで、オイル層を数ミクロン程度の均一性の高い薄膜として形成することができる。
本工程では、例えば図3に示すように、表示セル内の親水性液体層14の表面に必要量のオイルを付与し、オイル層16を形成する。
オイル層16は、少なくとも非極性溶媒及び染料を含有する非導電性の液体である。オイルは、染料を含むことで着色されている。オイル中の染料濃度としては、表示画像の色濃度や画像コントラスト等の観点から、20質量%以上であることが好ましい。このような濃度で染料を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、所望とする薄厚のオイル層を均一化して設けられるので、染料濃度を高めつつ応答性(動作感度)を良好に保つことができる。これにより、色濃度の高い画像を、応答性良く表示することができる。
非導電性とは、比抵抗が10Ω・cm以上(好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
オイルは、比誘電率が小さいことが好ましい。オイルの比誘電率は、10.0以下の範囲が好ましく、2.0〜10.0の範囲がより好ましい。比誘電率がこの範囲内であると、比誘電率が10.0を超える場合と比較して、応答速度が速く、より低い電圧で駆動(動作)させ得る点で好ましい。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
オイルの粘度としては、20℃での動的粘度で10mPa・s以下であることが好ましい。中でも、粘度は、0.01mPa・s以上が好ましく、更には0.01mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。オイルの粘度が10mPa・s以下であることで、粘度が10mPa・sを超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動させ得る点で好ましい。なお、動的粘度は、粘度計(500型、東機産業(株)製)を用いて20℃に調整して測定される値である。
オイルは、実質的に後述する親水性液体と混ざり合わないことが好ましい。具体的には、オイルの親水性液体に対する溶解度(25℃)が、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。
オイルと疎水性絶縁膜の接触角は大きいことが好ましい。具体的な接触角の値としては30°以上が好ましく、35°以上が特に好ましい。この値が小さいとセル内でインクが広がりやすく、電荷を印加しても駆動しにくくなる。なお、接触角は協和界面科学社製DM−701を用いて測定される値である。
オイルと親水性液体間の界面張力は小さいほうが好ましい。具体的な界面張力の値としては20mN/m以下が好ましく、15mN/m以下がより好ましい。なお、オイルと親水性液体間の界面張力は協和界面科学社製DM−701を用い、ペンダント・ドロップ法によって測定した値である。
オイル層の厚みは、0.1μm〜20μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。本発明の製造方法では、このような厚みのオイル層を有するセルを均一に作成することができる。
〜非極性溶媒〜
オイル層16は、非極性溶媒の少なくとも一種を用いて構成されている。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
非極性溶媒の溶存酸素は、10ppm以下の範囲であることが好ましい。溶存酸素量が10ppmを超えると、劣化しやすく、応答性が低下しやすい。溶存酸素量は、少ないほど好ましく、8ppm以下であることがより好ましい。
非極性溶媒のオイル中に占める含有量は、オイル全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。非極性溶媒の含有量が30質量%以上であることで、より優れた光シャッター特性が発現される。また、オイルに含有される染料の溶解性がより良好に保たれる。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
〜染料〜
オイル層16は、有色画像を表示する観点から、色材として染料の少なくとも1種を含有する。染料としては、非極性溶媒に対して溶解性を有するものが好適に選択される。
染料としては、非極性溶媒に対して溶解性を有している染料であれば、特に制限されるものではなく、公知の任意な化合物を選択して用いることができる。染料は、オイル相の電圧印加時の応答性の点で、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上であり、非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れたものが好ましい。溶解度が1質量%以上であることで、エレクトロウェッティング表示装置に適する。溶解度としては、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常は80質量%以下程度である。
染料の分子量として好ましい範囲は、50〜2,000の範囲であり、特に好ましくは300〜2000の範囲であり、さらに好ましくは500〜1,500の範囲である。
オイルには、染料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
染料のオイル中に含有される比率としては、オイル全量に対して、5質量%以上が好ましい。中でも、染料の含有量としては、表示画像の濃度及び鮮明性等を高め、応答性の向上効果がより奏される観点から、オイル全量に対して、10質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは40質量%以上である。オイル中に含有される染料量が多くなると、電圧印加時のオイルの応答性が低下しやすく、電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化しやすくなるため、画像表示性は低下する傾向が現れる。そのため、染料の含有比率が10質量%以上(好ましくは20質量%以上)であるオイル組成において、特に本発明の効果がより奏される。染料の含有量は、応答速度を高める観点から、オイル全量に対して、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
染料としては、炭素数6〜30の長鎖アルキル基を有する構造を含む染料が好ましく、特に好ましくは炭素数6〜20の長鎖アルキル基を有する構造を含む染料である。染料の構造中に炭素数6〜30の長鎖アルキル基を有することで、非極性溶媒への溶解性が向上し、応答性がより高められる。
以下、好ましい染料について、略説する。
好ましい染料としては、アゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料、フタロシアニン染料、ピロメテン染料、アントラキノン染料が挙げられる。
1.アゾ染料
好ましいアゾ染料として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
一般式(1)において、Aは、芳香族基又は複素環基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、ハロゲン原子、芳香族基、又は複素環基を表す。X及びXは、各々独立に−C(R)=又は窒素原子を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表し、RとRとは互いに結合して環構造を形成してもよい。
中でも、オイル中の非極性溶媒への溶解性が高く(25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上)染料濃度の高いオイル組成とすることができる観点から、R、X〜X、及びAの少なくとも1つが炭素数6〜30のアルキル基を有しており、R、X〜X、及びAがいずれも解離性基及びハロゲン原子を有しない場合が好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ染料のうち、非極性溶媒に対する溶解性により優れる点で、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)及び(3)において、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表す。
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。中でも、Rは、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、芳香族基を表す。中でも、R及びRは、その少なくとも一方がアルキル基を表す場合が好ましく、炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合がより好ましい。更には、R及びRの両方が炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合が好ましい。
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、芳香族基を表す。中でも、Rは、水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基が好ましい。
一般式(2)及び(3)において、非極性溶媒に対してより良好な溶解性を示す観点から、一般式(2)及び(3)の構造のうち、Rがアルキル基又はアリール基であり、Rがアルキル基又はシアノ基であり、R(一般式(2)の場合;以下同様)が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基であり、R、Rが水素原子又はアルキル基であり、R(一般式(3)の場合;以下同様)が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基である場合が好ましい。更には、一般式(2)及び(3)の構造のうち、Rが炭素数6〜20のアルキル基であり、Rがシアノ基であり、Rが水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基であり、R、Rが炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基であり、Rが水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基である場合が好ましい。
また、アゾ染料は、色素の非極性溶媒への溶解性が更に向上し粘度をより低減できる点で、光学活性な炭素原子を有する化合物であってもよい。中でも、1分子中に光学活性な部位(光学活性点)が複数存在することが好ましく、光学活性な部位(光学活性点)が分子内に3個以上有することが、非極性溶媒への溶解性向上にさらに効果が高い。また、色素における光学活性点を有する置換基としては、光学活性点を有する炭素数6〜30の分岐アルキル基、光学活性点を有する炭素数6〜30の脂環アルキル基が挙げられる。
分子中に光学活性点を有することは、分子の化学構造を解析し、化学構造において、同一の炭素原子が有する4つの置換基が全て異なる基であるかを調べることからわかる。立体異性体の混合物であることは、対象となる光学活性点を有する色素化合物の溶液を調製して、該溶液の旋光度を測定したときに旋光度を示さない(すなわち旋光度が0°)ことから、容易に判断することができる。
以下、アゾ染料の具体例を示す。但し、本発明においては、これらの具体例に制限されるものではない。なお、Meはメチルを、Etはエチルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
また、好ましいアゾ染料として、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
一般式(2)において、Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NHの残基を表す。B及びBは、各々独立に、−CR=、−CR=、又は窒素原子を表し、B及びBが同時に窒素原子を表すことはい。R及びRは、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。G、R、及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換された置換アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表す。RとR、及び/又は、RとRは互いに結合して5員又は6員環を形成してもよい。
一般式(2)で表されるアゾ染料については、特開2006−126649号公報の段落番号0033〜0071の記載を参照することができる。
アゾ系色素の合成は、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年、Bulletin of the Chemical Society of Japan, 第76巻、第607−612頁、2003年、Bulletin of the Chemical Society of Japan,第72巻、第127−132頁、1999年、に記載されている方法により行なうことができる。
2.アゾメチン染料
好ましいアゾメチン染料として、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
一般式(3)において、Hetは、解離性基を有しない環を表し、Arは、解離性基を有しない芳香環又は飽和複素環を表す。中でも、アゾメチン染料は、オイル中の非極性溶媒への溶解性が高く(25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上)染料濃度の高いオイル組成とすることができる観点から、染料分子中に炭素数が6〜30である比較的炭素数の多い直鎖又は分岐のアルキル基(好ましくは直鎖アルキル基)を少なくとも1つ有している場合が好ましい。
アゾメチン染料の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。なお、Meはメチルを、Etはエチルを、Prはプロピルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
前記EST1は、下記の構造を表す。
本発明におけるアゾメチン色素の合成は、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.),1957年、79巻、583頁、特開平9−100417号公報、特開2011−116898号公報、特開2011−12231号公報、 特開2010−260941号公報、特開2007−262165号公報に記載の方法に準じて行なうことができる。
3.メチン染料
好ましいメチン染料として、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
一般式(4)において、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、−COOR11、又は−CONR1112を表し、Arは芳香環を表す。R、Rは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R11、R12は、互いに結合して5員環、6員環、又は7員環を形成してもよい。nは、0〜2の整数を表す。R、R、R、及びArは、解離性基を有しない。Xは、酸素原子もしくはN−R13であり、R13は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
アゾメチン染料の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限される物ではない。なお、Meはメチル基を、Etはエチルを、Prはプロピルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
前記ET1は、下記の構造を表す。
これらの化合物は、特許第2707371号、並びに特開平5−45789号、特開2009−263517号、及び特開平3−72340号の各公報などに示す公知の方法で製造することができる。
4.フタロシアニン染料
フタロシアニン染料としては、炭素数6以上のアルキル基を有するものが好ましい。
具体例としては、例えば、Applied Physics Express、第4巻、第21604頁、2011年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第183巻、第411頁、1990年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第260巻、第255頁、1995年に記載されているものや、特開2006−133508号公報に記載の一般式(C1)で表される色素などが適宜用いられる。
5.アントラキノン染料
好ましいアントラキノン染料として、下記一般式(5)で表されるものが挙げられる。
一般式(5)において、R,R,R,Rは、各々独立に、水素原子、NR1112、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシ、アリールオキシ基を表し、R,R,R,Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基を表す。R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R11とR12とが同時に水素原子を表すことはない。一般式(5)では、炭素数4以上のアルキル基を有する形態が好ましい。具体例としては、WO2008/142086号記載のものが挙げられる。
アントラキノン系色素の合成は、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年に記載されている方法により行なうことができる。
〜各種添加剤〜
オイル層16は、必要に応じて、他の成分として界面活性剤や、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含む場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度である。
オイルは、一種単独の染料を用いて黒色等のインクとして調製されたものでもよく、複数の染料を混合して黒色等のインクとして調製されたものでもよい。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
ここで、「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
−疎水性膜配置工程−
本発明における疎水性膜配置工程では、オイル層上に、該オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する。オイル層は、電圧印加されたときにこの疎水性絶縁膜上を移動し、このとき画像表示する機能が発現する。
本工程では、図4に示すように、オイル層16の表面と接するように、含フッ素ポリマーを含有して表面に撥オイル性が与えられた疎水性絶縁膜20を配置する。この場合、あらかじめ成膜した疎水性絶縁膜を用意し、これを疎水性絶縁膜20としてオイル上に配置してもよいし、後述するように、基板11(第2の基板)上に塗布や転写等の方法で疎水性絶縁膜を形成し、疎水性絶縁膜20が設けられた基板11を、その疎水性絶縁膜がオイル層と接触するように配置することで、疎水性絶縁膜と基板とが同時にオイル層上に配置されてもよい。すなわち、後者では、例えば図7〜図11に示されるように、疎水性膜配置工程と後述の基板配置工程とを兼ねた工程を設けることができる。
この場合、例えば、後述する基板配置工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、あらかじめ含フッ素ポリマー等の撥液性材料を付与して疎水性絶縁膜を形成してもよい。また、例えば、後述する基板配置工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて該硬化性層を硬化させる硬化工程とを設けた構成であってもよい。この方法では、架橋構造を有する疎水性絶縁膜を形成することができる。
疎水性絶縁膜は、オイルに対して撥液性を付与できれば、撥液性を発現させ得る任意の化合物をオイルの組成等に応じて選択することができる。このような化合物としては、ポリシクロオレフィンポリマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂などのポリマーが挙げられる。特に本発明においては、含フッ素ポリマーが好ましい。
含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を分子内に有するフッ素系ポリマーが使用に好適であり、例えば、特開2011−157292及び既述の特許文献に記載のフッ素ポリマー、特開2010−121137及び既述の特許文献に記載のフッ素ポリマー等を挙げることができる。また、上市されている市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、旭硝子社製のサイトップ(商品名;型番CTL−809M)、デュポン社製のテフロン(登録商標)(商品名;型番AF1600 AF2400)などを使用してもよい。
基板11上に硬化性層である疎水性絶縁膜20を形成する場合、公知の塗布法又は転写法により行なうことができる。
塗布法による場合、後述する基板11上に硬化性組成物を塗布し(好ましくは乾燥させて)硬化性層を形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ硬化性組成物を用いて形成された硬化性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の硬化性層を基板11上に転写することにより、基板11上に硬化性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
硬化性層の硬化(多官能性化合物の重合)は、例えば、活性エネルギー線の照射(以下、露光ともいう)及び加熱の少なくとも一方を施すことにより行なえる。露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm〜2000mJ/cmとすることができ、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた疎水性絶縁膜を得ることも可能である。
また、加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は、適宜設定すればよく、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定すればよく、例えば2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
疎水性とは、水を接触させたときの接触角が60°以上である性質をいい、好ましくは接触角が70°以上(より好ましくは80°以上)である性質をいう。接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
絶縁膜の「絶縁」とは、比抵抗が10Ω・cm以上である性質をいい、好ましくは比抵抗が10Ω・cm以上(より好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
疎水性絶縁膜は、オイル層16との間で親和性を示し、親水性液体層14との親和性が低い絶縁膜を用いることができるが、電圧印加を繰り返すことでオイルを移動させることにより生じる膜劣化を抑制する観点から、多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜が好ましい。中でも、疎水性絶縁膜は、重合性基を2つ以上有する多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜がより好ましい。架橋構造は、多官能性化合物の少なくとも1種を(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより好適に形成される。
本実施形態では、疎水性絶縁膜は、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を2つ以上有する化合物である。重合性基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、縮合重合性基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、アリル基、アルコキシシリル基、α−フルオロアクリロイル基、エポキシ基、−C(O)OCH=CH等が好ましい。また、多官能性化合物に含まれる2つ以上の重合性基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物としては、公知の多官能の重合性化合物(ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、縮合重合性化合物等)を用いることができる。多官能性化合物としては、例えば、多官能アクリレートとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
多官能性化合物としては、上記以外にも、例えば、特開2008−181067号公報の段落0031〜0035、特開2008−139378号公報の段落0149〜0155、特開2010−134137号公報の段落0142〜0146等に記載の公知の重合性化合物の中から、多官能の重合性化合物を適宜選択して用いることができる。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を3つ以上(好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上)有することが好ましい。これにより、膜中における架橋構造の密度を更に増加させることができるので、電圧印加を繰り返したときの疎水性絶縁膜の劣化がさらに抑制される。
多官能性化合物としては、含フッ素化合物が好ましく、フッ素含有率が分子量の35質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上)である多官能性化合物がより好ましい。多官能性化合物がフッ素原子を(特にフッ素含有率が分子量の35質量%以上)含むことにより、疎水性絶縁膜の疎水性がより向上する。多官能性化合物におけるフッ素含有率の上限には特に制限はないが、上限は、例えば分子量の60質量%(好ましくは55質量%、より好ましくは50質量%)とすることができる。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
多官能性化合物の重合方法は、好ましくは塊状重合又は溶液重合である。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
疎水性絶縁膜は、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を用いて好適に作製される。硬化性組成物に含まれる多官能性化合物は、1種又は2種以上のいずれでもよく、硬化性組成物は、さらに単官能性化合物を含んでもよい。単官能性化合物としては、公知の単官能モノマーを用いることができる。
硬化性組成物中における多官能性化合物の含有量(2種以上である場合には総含有量;以下同じ)は特に制限はないが、硬化性の観点からは、硬化性組成物の全固形分に対し、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。全固形分とは、溶剤を除いた全成分をいう。
硬化性組成物は、さらに溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどが挙げられる。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
硬化性組成物は、さらに重合開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。重合開始剤としては、熱及び光の少なくとも一方の作用によりラジカルを発生する重合開始剤が好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
光の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、ヒドロキシアルキルフェノン類、アミノアルキルフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類などがある。
ヒドロキシアルキルフェノン類の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン類の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
重合開始剤の含有量は特に制限されないが、硬化性組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
硬化性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤等が挙げられる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
疎水性絶縁膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜1μmである。疎水性絶縁膜の膜厚が上記範囲であると、絶縁性と駆動電圧とのバランスの点で好ましい。
−基板配置工程−
本発明における基板配置工程では、疎水性絶縁膜上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板を配置する。この基板配置工程は、既述のように、既述した疎水性膜配置工程を兼ねた工程であってもよい。
本工程では、例えば図4に示すように、疎水性絶縁膜20のオイル層16と接触する側とは反対側に基板11が貼り合わされる。このようにして、表示セルが作製される。
基板11は、基材11aと、基材11aに設けられ、導電性を有する導電膜11bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。また、基板11は、親水性液体層14及びオイル層16を介して、基板12と対向する位置に配設されている。本実施形態では、基板11は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材11a及び導電膜11b、並びに基材11の詳細については、既述の基材12a及び導電膜12b、並びに基材12と同様であり、好ましい態様についても同様である。
−他の工程−
本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、上記の工程のほか、更に、表示装置を構成する2枚の基板間を封止する封止工程等の他の工程が設けられてもよい。
封止工程について、例えば図4に示す基板11と基板12とを表示セルの周囲で接着することでセルを封止する封止工程を設けることができる。封止工程で行なう基板11と基板12との接着は、液晶表示装置の作製に通常用いられるシール材を用いて行なうことができる。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の具体的な実施形態を図7〜図11を参照して更に説明する。
図7は、親水性液体の塗布とオイルの塗布とをそれぞれ異なるロールにおいて行なう態様である。この態様では、搬送ロール110、112、116により張架された基板12を矢印方向に搬送しながら、まず搬送ロール110上において塗布装置120により、基板12上に親水性液体を塗布して親水性液体層14を形成した後、次の搬送ロール112上において塗布装置122により、親水性液体層14上にオイルを塗布しオイル層16を形成する。親水性液体層14及びオイル層16が重層された基板12は、他の方向から搬送された基板11と共に、搬送ロール112及びこれに圧接するロール114で構成された圧接ロール対の間に送られる。このとき、基板11、12は、基板12のオイル層14の表面と、基板11の、該基板表面を複数のセル領域に区画する隔壁(リブ)を有する側の表面とを接触させた状態で圧着(ラミネート)され、エレクトロウェッティング表示装置を構成する表示セル(表示部)が作製される。
本発明においては、図8に示すように、親水性液体層及びオイル層が設けられる第1の基板12を、鉛直方向(重力方向)に対して10°以上90°未満の角度(角度θ)で配置し、この第1の基板12に対して、第2の基板11を角度θで傾けて配置し、この位置から角度θがθとなる方向に近づけることで貼り合わせることがより好ましい。このように貼り合わせると、セル内に巻き込まれる気泡が少なくなり、セルの再現性が高められる。
また、図7に示すようにロール・ツウ・ロール(roll-to-roll)で貼り合わせる場合、図9に示すように鉛直方向(重力方向)に対し、2つのロールの当接部を通る接線(各ロールの軸心と軸心とを結ぶ直線に垂直に交わる直線)が角度θをなすように、ロール112,114を配置し、親水性液体層14及びオイル層16が設けられた第1の基板12のオイル層16に対して、第2の基板(疎水性絶縁膜20を有する)11を角度θ(°)傾けてロール間に侵入させて互いに貼り合わせるようにしてもよい。このようにして貼り合わせることで、形成されるセル内に巻き込まれる気泡が少なく抑えられ、作製されるセルの再現性を高めることができる。
また、図10は、親水性液体の塗布とオイルの塗布とを同一ロール上において行なう態様である。この態様では、搬送ロール112に対向する位置に2つの塗布装置が配置されており、各塗布装置から親水性液体、オイルが供給されるようになっている。搬送ロール112、116により張架された基板12は、まず矢印方向に塗布装置120の塗布位置まで搬送され、塗布装置120により基板12上に親水性液体を塗布し、親水性液体層14を形成する。続いて、塗布装置122により親水性液体層14上にオイルを塗布し、親水性液体層上にオイル層16を形成する。親水性液体層14及びオイル層16が重層された基板12は、他の方向から搬送された基板11と共に、搬送ロール112及びこれに圧接するロール114で構成された圧接ロール対の間に送られる。このとき、基板11、12は、基板12のオイル層14の表面と、基板11の、該基板表面を複数のセル領域に区画する隔壁(リブ)を有する側の表面とを接触させた状態で圧着(ラミネート)され、エレクトロウェッティング表示装置を構成する表示セル(表示部)が作製される。
図10に示すようなロール・ツウ・ロール(roll-to-roll)で貼り合わせる場合も同様に、図11に示すように鉛直方向(重力方向)に対し、2つのロールの当接部を通る接線(各ロールの軸心と軸心とを結ぶ直線に垂直に交わる直線)が角度θをなすように、ロール112,114を配置し、親水性液体層14及びオイル層16が設けられた第1の基板12のオイル層16に対して、第2の基板(疎水性絶縁膜20を有する)11を角度θ(°)傾けてロール間に侵入させて互いに貼り合わせるようにしてもよい。このようにして貼り合わせることで、形成されるセル内に巻き込まれる気泡が少なく抑えられ、作製されるセルの再現性を高めることができる。
塗布装置120、122としては、既存のグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、またはスプレー塗布装置、インクジェット装置等を用いることができる。オイル層16の塗布は、親水性液体層14上にオイルを均一に広げるため、塗布装置122が、塗布装置120と同じ高さであるか、より鉛直上側に配置されていることが好ましい。さらに、基板12が水平となる時点で行なうことが好ましい。また、基板12あるいは搬送ロール112の側部には、塗布した液体が流れ出ることを防ぐ為に、隔壁の高さに応じた高さをもつガードを設けることも好ましい。
本発明において、親水性液体層及びオイル層が設けられる第1の基板である基板12の配置角度は、塗布されるインク等の液ダレを防ぐため、図9あるいは図11に記載の角度θに相当する鉛直方向(重力方向)に対する基板12の角度が10°〜90°未満となるようにする態様が好ましく、更には30°〜80°とする態様がより好ましい。基板12の配置角度を上記の範囲に調節して基板11を張り合わせることによって、塗布されたインクの液ダレの発生や、セル内への気泡の混入を防止することができる。これにより、均一性の高いセルを再現性よく作製することができる。
また、本発明において、セル製造工程(導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成し、この親水性液体層の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、前記親水性液体層と接するオイル層を形成する工程し、このオイル層上に、前記オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程と、この疎水性絶縁膜上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板を、導電性の前記表面を疎水性絶縁膜に対向させて配置する工程)の環境も重要である。
すなわち、セル製造環境において湿度が高い場合は親水性液体に環境中の水分が溶けこみ、インク駆動特性が変わってしまうことや、セルに水分が混入することによる信頼性低下が予想されることから、これを避けるために環境相対湿度は0〜60%が好ましく、0〜50%がより好ましい。
次に、図5〜図6を参照して、上記した各工程を経て製造された本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100を説明する。本実施形態は、導電性を有する第2の基板としてITO付ガラス基板を用い、オイルを構成する非極性溶媒としてデカンを、親水性液体として電解質水溶液を用いた構成となっている。
図5に示すように、本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、導電性を有する基板(第2の基板)11と、基板11に対向させて配置された導電性を有する基板(第1の基板)12と、基板11上に配設された疎水性絶縁膜20と、疎水性絶縁膜20及び基板12間の隔壁22aと隔壁22bとにより区画された領域に充填された親水性液体層14及びオイル層16とを備えている。疎水性絶縁膜20と基板12との間が隔壁22aと隔壁22bとで区画された領域は、オイル層16の移動により画像表示を行なう表示部(表示セル)として構成されている。
疎水性絶縁膜20は、表示部の全体及び基板11の導電膜11bの全面にわたって設けられており、少なくともオイル層16と接している。この疎水性絶縁膜は、電圧が印加されていないときは(画像非表示時)、オイルが疎水性絶縁膜に濡れ拡がり、主としてオイル層と接触した状態となる。逆に電圧が印加されたときは(画像表示時)、オイルがその表面を移動し、オイルが存在しなくなった領域は親水性液体と接触している状態となる。
導電膜11bは、一画素(表示セル)毎に独立してパターニングされた膜であってもよいし(例えばアクティブマトリクス型の画像表示装置の場合など)、複数の画素(表示セル)に跨るストライプ状にパターニングされた膜であってもよい(例えばパッシブマトリクス型の画像表示装置の場合など)。
本実施形態における疎水性絶縁膜20と基板12との間には、親水性液体層14とオイル層16とが設けられている。
親水性液体層14とオイル層16とは、互いに混じり合わない液体であり、図5〜図6に示すように、界面17A又は界面17Bを境に互いに分離して存在している。図5〜図6において、界面17Aは、電圧オフ状態での親水性液体層14とオイル層16との界面を表し、界面17Bは、電圧オン状態における親水性液体層14とオイル層16との界面を表す。
エレクトロウェッティング表示装置100には、導電膜11bと親水性液体14を介して導電膜12bとの間に電圧を印加するための電源25(電圧印加手段)及びこの電圧をオン/オフするためのスイッチ26が電気的に接続されている。
本実施形態では、基板12に設けられている導電膜12bに電圧印加することで、親水性液体14への電圧(電位)の印加が行なえるようになっている。このように、本実施形態では、基板12の親水性液体14に接する側の表面が導電性を有する構成(基材12aの親水性液体14に接する側に導電膜としてITO膜が存在する構成)となっているが、この形態に限られるものではない。例えば、基板12に導電膜12bを設けずに親水性液体14中に電極を差し込んで、差し込まれた電極によって親水性液体14に電圧(電位)を印加するようにしてもよい。
エレクトロウェッティング表示装置100は、基材11a及び基材12aとして、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)等の光透過性を有する基板を用い、かつ導電膜11b、12b及び疎水性絶縁膜20として光透過性を有する膜を用いることにより、透過型の表示装置とすることができる。この透過型の表示装置の画素において、表示セルの外部に反射板を設けることで、反射型の表示装置とすることもできる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
次に、エレクトロウェッティング表示装置100の動作(電圧オフ状態及び電圧オン状態)について説明する。
図5に示すように、電圧オフ状態では、疎水性絶縁膜20とオイル16との親和性が高いことから、疎水性絶縁膜20の全面にオイル16が接した状態となっている。エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオンして電圧が印加されると、親水性液体14とオイル16との界面は、図1の界面17Aから図6に示す界面17Bに変形する。このとき、疎水性絶縁膜20とオイル16との接触面積が減少し、図2に示すようにオイル16がセルの端に移動する。この現象は、電圧印加により疎水性絶縁膜20の表面に電荷が発生し、この電荷によって、親水性液体14が、疎水性絶縁膜20に接していたオイル16を押しのけて疎水性絶縁膜20に接触するために生じる現象である。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図5の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図5及び図6に示す動作が繰り返し行なわれる。
上記では、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態について、図5及び図6を参照して説明したが、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、図5及び図6では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
また、実施形態において、オイル16に染料を含めて所望の色(例えば黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー等)に着色することにより、エレクトロウェッティング表示装置の画像表示を担う画素として機能させることができる。この場合、オイル16が、例えば、画素のオン状態及びオフ状態を切り替える光シャッターとして機能する。この場合、エレクトロウェッティング表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれの方式に構成されてもよい。
また、本実施形態におけるエレクトロウェッティング表示装置は、第2の基板及び第1の基板の少なくとも一方の外側(オイルに対向する面の反対側)に、紫外線カット層を有していてもよい。これにより、表示装置の耐光性を更に向上させることができる。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第2の基板及び第1の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100を構成する表示セルや画像表示装置のその他の構成は、例えば、特開2009−86668号公報、特開平10−39800、特表2005−517993、特開2004−252444、特開2004−287008、特表2005−506778、特表2007−531917号公報、特開2009−86668号公報等に記載の公知の構成とすることができる。また、公知のアクティブマトリクス型又はパッシブマトリクス型の液晶表示装置の構成も参照することができる。
エレクトロウェッティング表示装置は、表示セル(表示画素)に加え、必要に応じてバックライト、セルギャップ調整用のスペーサ、封止用のシール材等、公知の液晶表示装置と同様の部材を用いて構成することができる。このとき、オイル及び親水性液体は、例えば、基板11上の隔壁によって区画された領域にインクジェット法により付与することで設けられてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−1.染料インク(オイル)の調製−
下記の構造を有する染料F−5(一般式(4)で表されるメチン染料)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、オイルとして、染料濃度が溶液全量に対して10質量%のノルマルデカン溶液(染料インク)を調製した。
−テストセルの作製−
まず図1に示すように、透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜12bが付いたガラス基板(10mm×10mm)12aのITO膜12bの表面に、隔壁(リブ)として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁(隔壁)を置いて表示部(セル)を形成した。続いて、このガラス基板を鉛直方向に対して90°(水平)に配置し、このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、図2のように、EG層(親水性液体層)14を形成した。次いで、図3に示すように、EG層上に上記の染料インクを厚み4μmとなるように注入し、インク層(オイル層)16を形成した。さらに、図4に示すように、ITO付ガラス基板11のITO膜(透明電極)11bの膜面に、撥液性の疎水性絶縁膜としてフッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)をスピンコート塗布(膜厚800nm)してフッ素樹脂膜20を形成した基板を、そのフッ素樹脂膜20がインク層16と接触するようにして配置した。このようにして、図5に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
上記のようにして作製したテストセルの2つの透明電極11b、12b間に、信号発生器にて100Vの直流電圧を印加(フッ素樹脂膜側の透明電極11bがマイナス)し、セルを基板11側から観察した。その結果、図6に示すように、インク層16が縮んだ状態が確認された。
このときのインク面積の縮小率を以下に示すような面積縮小率で計算したところ、25%であった。
面積縮小率[%]=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100
(比較例1)
−テストセルの作製−
まず図12に示すように、透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜11bが付いたガラス基板(10mm×10mm)11のITO膜11bの表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)を厚み800nmとなるようにスピンコート塗布し、疎水性絶縁膜であるフッ素樹脂層20を形成した。続いて、このフッ素樹脂層20上に、隔壁(リブ)として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁22a、22bを置いて表示部を形成した。続いて、このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、図13に示すように実施例1で調製した染料インクを厚み4μmとなるように注入した。
このとき、染料インクには、図13に示されるようにハジキが発生し、非連続のインク層116しか得られなかった。したがって、フッ素樹脂層(疎水性絶縁膜)上に均一なオイル層を形成できず、エレクトロウェッティングテストセルを作製することができなかった。
(実施例2)
−テストセルの作製−
実施例1において、ITO膜12bが付いた第1の基板12を、この基板の鉛直方向に対して90°の角度(図8の角度θ)で固定し、そのITO膜12bの表面に実施例1と同じように隔壁を形成した。次いで、この隔壁で取り囲まれた中に実施例1と同様にしてEG層を形成し、さらにインク層を形成した。次に、実施例1で用いたものと同じフッ素樹脂膜20が形成されたITO付ガラス基板(第2の基板)11を、図8に示すように角度θが75°となるようにして配置し、角度θが90°になるように張り合わせることで、実施例1と同様に、図5に示す構造のエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
作製したテストセルについて、実施例1と同様の方法で面積縮小率を計算したところ、25%であった。また、テストセルは、実施例1に比べ、セル内に気泡が入り難く、作製されるセルの再現性が良好であった。
(実施例3)
−テストセルの作製−
実施例1において、ITO膜12bが付いた第1の基板12を、この基板の鉛直方向に対して80°の角度(図8の角度θ)で固定し、そのITO膜12bの表面に実施例1と同じように隔壁を形成した。次いで、この隔壁で取り囲まれた中に実施例1と同様にしてEG層を形成し、さらにインク層を形成した。次に、実施例1で用いたものと同じフッ素樹脂膜20が形成されたITO付ガラス基板(第2の基板)11を、図8に示すように角度θが70°となるようにして配置し、角度θが80°になるように張り合わせることで、実施例1と同様に、図5に示す構造のエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
作製したテストセルについて、実施例1と同様の方法で面積縮小率を計算したところ、25%であった。また、テストセルは、実施例2に比べ、セル内に気泡がより入り難く、作製されるセルの再現性により優れていた。
(実施例4)
実施例1において、ノルマルデカン溶液(染料インク)中の溶液全量に対する染料濃度を、10質量%から40質量%に変更したこと以外、実施例1と同様にして、染料インクを調製し、エレクトロウェッティングテストセルを作製した。
その結果、実施例1と同様に表示セルが形成されていることが確認され、また電圧印加時には、図6に示すようにインク層16が縮んだ状態を確認することができた。また、面積縮小率は35%であった。
(比較例2)
比較例1において、ノルマルデカン溶液(染料インク)中の溶液全量に対する染料濃度を、10質量%から40質量%に変更したこと以外、比較例1と同様にして、染料インクを調製し、エレクトロウェッティングテストセルを作製した。
その結果、比較例1と同様に染料インクにハジキが発生し、非連続のインク層116しか得られず、フッ素樹脂層(疎水性絶縁膜)上に均一なオイル層が形成されなかった。そのため、エレクトロウェッティングテストセルを作製することはできなかった。
(実施例5)
実施例1において、ノルマルデカンをオクタメチルトリシロキサンに代えたこと以外、実施例1と同様にして、染料インクを調製し、エレクトロウェッティングテストセルを作製した。
その結果、実施例1と同様に、表示セルが形成されていることが確認され、また電圧印加時には、図6に示すようにインク層16が縮んだ状態を確認することができた。また、面積縮小率は30%であった。
(実施例6)
実施例1において、染料F−5を、下記構造の染料D−2に代えたこと以外、実施例1と同様にして、染料インクを調製し、エレクトロウェッティングテストセルを作製した。
その結果、実施例1と同様に表示セルが形成されていることが確認され、また電圧印加時には、図6に示すようにインク層16が縮んだ状態を確認することができた。また、面積縮小率は35%であった。
(実施例7)
実施例1において、有機溶媒をノルマルデカンに変えて、以下に示す化合物K−1で表される界面活性剤を1質量%混合したノルマルデカンを用いたこと以外、実施例1と同様にして、染料インクを調製し、エレクトロウェッティングテストセルを作製した。
・化合物K−1: n−C1633O(CHCHO)
その結果、実施例1と同様に表示セルが形成されていることが確認され、また電圧印加時には、図6に示すようにインク層16が縮んだ状態を確認することができた。また、インク面積の縮小率を実施例1と同様に算出したところ20%であり、撥水膜上にインクが広がりやすくセル作製の再現性は高かった。
11・・・第2の基板
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第1の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル(インク)
17A、17B・・・親水性液体とオイルとの界面
20・・・疎水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置
120,122・・・塗布装置

Claims (10)

  1. 第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する工程と、
    前記第1の基板上の前記親水性液体層の上に、非極性溶媒及び染料を含有する非導電性のオイルを付与し、前記親水性液体層と接するオイル層を形成する工程と、
    前記オイル層上に、前記オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程と、
    前記疎水性絶縁膜上に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第2の基板を、導電性の前記表面を疎水性絶縁膜に対向させて配置する工程と、
    を有するエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  2. 前記オイル層と接触させて疎水性絶縁膜を配置する工程は、前記第1の基板の鉛直方向に対する角度を10°以上90°未満として前記疎水性絶縁膜と前記第1の基板とで前記オイル層を挟む請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  3. 前記疎水性絶縁膜は、分子内にフッ素原子を有する含フッ素化合物を用いて形成された撥液性膜である請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  4. 前記第1の基板は、前記第2の基板の導電性の表面と対向する側に導電性層を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  5. 前記第1の基板及び前記第2の基板の少なくとも一方に、基板面を複数のセル領域に区画する隔壁を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  6. 前記第1の基板は、前記親水性液体層が形成される側に、該基板の表面を複数のセル領域に区画する隔壁を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  7. 前記疎水性絶縁膜を配置する工程及び前記第2の基板を配置する工程として、
    少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性であって前記導電性の表面を有する側に疎水性絶縁膜を有する第2の基板を、前記疎水性絶縁膜を前記オイル層に接触させて配置する工程を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  8. 前記染料のオイル中における含有量が、オイル全量に対して5質量%以上80質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  9. 前記染料は、炭素数6〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
  10. 前記染料が、分子内にフッ素原子を有する請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
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