JP5624082B2 - エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物 - Google Patents
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Description
画像化に寄与するオイル相に含有される色材は、オイル相を形成する非極性溶媒への溶解性が高いことが応答性等の表示特性を高める上で有利である。色素の例として、メチン基を分子内に有するメチン系染料があるが、特に2つの色素母核がメチン不飽和鎖で連結された構造を有していると、溶解性が向上し、ひいてはオイル相に含め、更にその色素濃度を高めたときに、応答性の改善効果がみられ、電圧印加状態で保持したときにはバックフロー現象も改善される。
バックフローとは、電圧印加した状態で保持されたときに収縮して減少したオイルの面積が経時で広がる現象である。
<1> 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒、及びメチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素を含有する非導電性のオイルと、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に、オイルと接して設けられた導電性の親水性液体と、を有する表示部を備え、親水性液体と第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、オイルと親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置である。
<3> 前記メチン系色素は、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンに対する溶解度が1質量%以上である前記<1>又は前記<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
<5> 前記メチン系色素は、分子量が200以上3000未満である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
<6> オイル中に含有される色材の総量が、オイル全量に対して20質量%以上であり、オイル中の前記メチン系色素の含有比率が、オイル全量に対して5質量%以上である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
<7> 非極性溶媒と、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む前記一般式(2)で表されるメチン系色素とを含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<8> 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 4 、R 5 及びR 6 の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する前記<7>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<9> 組成物中に含有される色材の総量が、組成物全量に対して20質量%以上であり、組成物中の前記メチン系色素の含有比率が、組成物全量に対して5質量%以上である前記<7>又は前記<8>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
特にエレクトロウェッティング技術のオイル相の着色に使用する色素成分として、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素を選択的に用いることで、染料溶解性を確保しつつ、画像表示時の応答性、及び電圧印加状態としたときのバックフローが特異的に改善されるというものである。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
本実施形態では、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン類の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン類の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
疎水性絶縁膜は、下記の方法により好適に作製できる。すなわち、
基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11bの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて該硬化性層を硬化させる硬化工程とを有する方法である。このような方法により、架橋構造を有する疎水性絶縁膜が形成される。
塗布法による場合、基板11上に硬化性組成物を塗布し(好ましくは乾燥させて)硬化性層を形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ硬化性組成物を用いて形成された硬化性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の硬化性層を基板11上に転写することにより、基板11上に硬化性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm2〜2000mJ/cm2とすることができ、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2が好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた疎水性絶縁膜を得ることも可能である。
また、加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は適宜設定できるが、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定できるが、例えば、2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
オイルは、色素を含むことで着色されており、該色素の含有比率を10質量%以上(好ましくは20質量%以上)の範囲とすると、コントラスト比がより高く、識別性や鮮明さにより優れた画像が得られる。このような濃度で染料を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素を色材として含有することで、オイルの応答性を向上し、電圧印加時のバックフローを抑制して、画像表示性に優れたエレクトロウェッティング表示装置が得られる。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
オイル16は、非極性溶媒の少なくとも一種を用いて構成されている。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
オイル16は、有色画像を表示する観点から、色材として、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素(以下、「本発明におけるメチン色素」ということがある。)の少なくとも1種を含有する。この色素は、非極性溶媒に対して溶解性を有するものが好適に選択される。
なお、以下において、「25℃、0.1MPaにおけるn−デカンに対する溶解度」を単に「溶解度」ともいう。
本発明のメチン系色素を、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置を製造するための表示用部材であるオイルに適用する場合、溶解度は、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常その上限値は80質量%程度である。
本発明におけるメチン色素のモル吸光係数については、特に制限はないが、30,000以上である場合が好ましく、特に好ましくは50,000以上である。モル吸光係数が30,000以上であると、高い表示性能と応答性を両立することが容易となる点で好ましい。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置のOD(画像濃度)値は、高いほど画像の識別性や鮮明さがより向上する。そのため、本発明におけるメチン色素の極大吸収波長におけるOD値は、オイル層の厚み当たり0.5/μm以上が好ましく、より好ましくは0.65/μm以上であり、更に好ましくは1.0/μm以上である。
本発明におけるメチン色素は、金属原子を分子内に含まない化合物であることが好ましい。この場合、本発明におけるメチン色素には、錯体を形成する金属原子及び金属化合物を含む色素化合物は包含されない。本発明においては、色素が金属原子を分子内に含まないことが、色材の溶解性の観点、並びに表示装置の透明性を得る観点から好ましい。このような構造を持つメチン系色素は、非極性溶媒への溶解性が高く、またガラス等の基材への吸着が少なく、オイル中の色素に起因する残色が生じにくい利点がある。
具体的には、本発明におけるメチン色素には、例えば後述する一般式(1)〜(4)で表される色素が金属又はその化合物に配位した錯体を含まないことが好ましい。
本発明におけるメチン色素が分子中に前記直鎖又は分岐のアルキル基を有している場合、該アルキル基は、前記同様の理由から、炭素数6〜16の直鎖又は分岐のアルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基の色素分子中における合計炭素数は、10〜200が好ましく、30〜100がより好ましい。
A、Bとしては、上記の中でも、ピロール環、アゼピン環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾロトリアゾール環、ピロロトリアゾール環、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜48のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜24の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜48のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、炭素数1〜32のヘテロ環基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基であり、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基等が挙げられる。
R1、R2、及びR3は、吸光係数を高く維持できる点で、いずれも水素原子を表す場合が好ましい。
中でも、非極性溶媒への溶解性を向上させる観点から、R4、R5、及びR6の少なくとも1つが、炭素数4〜30(好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
また、nは、色素の極大吸収波長を可視域となる点から、0、1、又は2を表す。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、
アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基等)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基等)、
ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、
アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基等)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等)、
シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基等)、
アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基等)、
スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基等)、
アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基等)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基等)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基等)、
アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基等)、
ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基等)、
カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基等)、
イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基等)、
スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基等)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基等)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基等)、
アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基等)、
アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基等)、
スルホ基、
ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基等)、
ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基等)、等を表す。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記1価の置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
中でも、R1、R2、及びR3は、吸光係数を高く維持できる点で、いずれも水素原子を表す場合が好ましい。
また、R5及びR8としては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
また、R6及びR7としては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
R6及びR7がアリール基を表す場合、好ましいアリール基は、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基であり、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
R6及びR7がヘテロ環基を表す場合、好ましいヘテロ環基は、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基であり、より好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基である。
更に好ましくは、前記同様の理由から、R6、R7が炭素数1〜30(更には炭素数3〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であって、R5、R8が炭素数4〜24のアルコキシカルボニル基、又は炭素数4〜24のカルバモイル基であって、R4、R9が炭素数4〜24のカルバモイル基である場合である。
一般式(4)のR1、並びにR4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、一般式(3)におけるR1、並びにR4、R5、R6、R7、R8、及びR9とそれぞれ同義であり、各々の好ましい態様も同様である。
更に好ましくは、前記同様の理由から、R6、R7が炭素数6〜30(更には炭素数6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であって、R5、R8が炭素数4〜24のアルコキシカルボニル基、又は炭素数4〜24のカルバモイル基であって、R4、R9が炭素数4〜24のカルバモイル基である場合である。
オイルは、必要に応じて、他の成分として、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含有する場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度で用いられる。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
水性溶媒は、界面活性剤を含まない方が応答性の観点から好ましい。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図1の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図1及び図2に示す動作が繰り返し行なわれる。
例えば、図1及び図2では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
また、隔壁形成工程の後であってセル形成工程の前に、セルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程が設けられていてもよい。
−1.着色溶液の調製−
メチン色素(下記表1に示す既述の例示化合物5,15,23を用意)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、メチン色素で着色された3種の0.001質量%ノルマルデカン溶液(着色組成物)を調製した。
(1)色相
各着色溶液(着色組成物)を目視により観察し、その色相を判定した。
着色溶液(着色組成物)について、可視光吸光度計(UV−1800PC、(株)島津製作所製)にて吸収極大波長(λmax)、吸光度を測定すると共に、ランベルト・ベールの法則に基づいて、吸光係数(ε)を算出した。
非極性溶媒であるノルマルヘキサン(n-Hexane)に対する各メチン色素の溶解度を以下のようにして測定した。
50℃に加熱したノルマルヘキサンに各色素を溶解して飽和溶液を調製した後、得られた飽和溶液を25℃、0.1MPa環境下に1時間放置した。析出した色素を濾過し、析出量を測定することにより、25℃、0.1MPaにおける各色素のノルマルヘキサンに対する溶解度(質量%)を算出した。
−染料インクの調製−
アルゴンガスをノルマルデカン(n-decane)中にバブリングして溶存酸素を10ppm以下としたノルマルデカン溶液に、下記表2〜表3に示すように染料濃度が40質量%、10質量%となるように添加した。このようにして、オイルとして用いる染料インクを調製した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)を厚み600nmとなるように塗布し、フッ素ポリマー層を形成して疎水性絶縁膜とした。続いて、このフッ素ポリマー層上に、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み50μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いて表示部を形成した。このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、上記のようにして調製した染料インクを厚み4μmとなるように注入した。注入された染料インクの上に、エチレングリコールを厚み46μmとなるように注入した。その上部からさらにITO膜付ガラス基板を、ITO膜が染料インクや電解質水溶液と向き合うようにして置き、固定化した。このようにして、図1に示す構造を有するエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
2枚のITO膜付ガラス基板の各ITO膜(透明電極)に、信号発生器にて100V直流電圧を印加(フッ素ポリマー層(疎水性絶縁膜)が形成されている側のITO電極にマイナス電圧を印加)し、表示セル(図2中の表示セル30)を観察したところ、染料インクがフッ素ポリマー層の表面を一方向に移動し、フッ素ポリマー層上を覆う面積が縮小していることを確認した。このときの染料インクの応答性、及び電圧を印加したままの状態で保持したときのバックフロー現象の程度を評価した。
a)応答時間[msec]=電圧未印加状態から電圧印加を開始し、印加時点から最も縮んだ状態に達するまでに要した時間
b)面積収縮率[%]=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100 ・・・(1)
c)バックフロー比率[%]=(電圧印加状態で5秒経過した後の染料インクの面積)/(最も縮んだ時の染料インクの面積)×100 ・・・(2)
また、OD(画像濃度)は、TOPCOM社製の分光放射計SR−3を用いて、染料の極大吸収波長におけるOD値を測定し、評価した。OD値は、オイル層の厚み1μmあたりの値である。
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第2の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル
17A、17B・・・親水性液体とオイルとの界面
20・・・疎水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置
Claims (9)
- 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、
前記第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、
前記第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、
前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒、及びメチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素を含有する非導電性のオイルと、
前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に、前記オイルと接して設けられた導電性の親水性液体と、
を有する表示部を備え、
前記親水性液体と前記第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置。
〔式中、R 1 、R 2 、及びR 3 は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R 4 、R 5 、及びR 6 は、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X 4 、X 5 、及びX 6 は、各々独立に炭素原子又は窒素原子を表す。但し、X 4 、X 5 、又はX 6 が窒素原子を表す場合、窒素原子を表すX 4 、X 5 、又はX 6 に繋がるR 4 、R 5 、又はR 6 は存在しない。nは、0、1、又は2を表す。Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。〕 - 前記メチン系色素は、錯体を形成する金属原子及び金属化合物を含まない請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記メチン系色素は、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンに対する溶解度が1質量%以上である請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 4 、R 5 及びR 6 の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記メチン系色素は、分子量が200以上3000未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 前記オイル中に含有される色材の総量が、オイル全量に対して20質量%以上であり、前記オイル中の前記メチン系色素の含有比率が、オイル全量に対して5質量%以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
- 非極性溶媒と、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素とを含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
〔式中、R 1 、R 2 、及びR 3 は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R 4 、R 5 、及びR 6 は、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X 4 、X 5 、及びX 6 は、各々独立に炭素原子又は窒素原子を表す。但し、X 4 、X 5 、又はX 6 が窒素原子を表す場合、窒素原子を表すX 4 、X 5 、又はX 6 に繋がるR 4 、R 5 、又はR 6 は存在しない。nは、0、1、又は2を表す。Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。〕 - 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 4 、R 5 及びR 6 の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項7に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
- 組成物中に含有される色材の総量が、組成物全量に対して20質量%以上であり、組成物中の前記メチン系色素の含有比率が、組成物全量に対して5質量%以上である請求項7又は請求項8に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
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