JP5624082B2 - エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物 - Google Patents

エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5624082B2
JP5624082B2 JP2012123709A JP2012123709A JP5624082B2 JP 5624082 B2 JP5624082 B2 JP 5624082B2 JP 2012123709 A JP2012123709 A JP 2012123709A JP 2012123709 A JP2012123709 A JP 2012123709A JP 5624082 B2 JP5624082 B2 JP 5624082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
dye
oil
substrate
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012123709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013250348A (ja
Inventor
寛之 内藤
寛之 内藤
石綿 靖宏
靖宏 石綿
加藤 隆志
隆志 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012123709A priority Critical patent/JP5624082B2/ja
Priority to US13/898,477 priority patent/US9335538B2/en
Priority to TW102118141A priority patent/TW201350905A/zh
Priority to KR1020130060187A priority patent/KR20130135100A/ko
Publication of JP2013250348A publication Critical patent/JP2013250348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5624082B2 publication Critical patent/JP5624082B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/004Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on a displacement or a deformation of a fluid
    • G02B26/005Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on a displacement or a deformation of a fluid based on electrowetting

Description

本発明は、エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物に関する。
従来より、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えばオイルと親水性液体の2液)を含むセルを備え、電圧の印加により動作(駆動)する光学素子に関する検討が行なわれている。このような光学素子としては、例えば、光シャッターや可変焦点レンズ、画像表示装置などが知られており、近年では、特にエレクトロウェッティング現象を利用した技術が注目されている。
エレクトロウェッティング現象を利用した技術の例として、互いに対向配置された第一基板及び第二基板と、複数の画素ユニットを定義する複数の突起と、隣り合う2つの突起の間の画素ユニットに封入された非導電性な第一流体と、第一流体と互いに混和しない導電性又は極性液体である第二流体とを備えたエレクトロウェッティングディスプレイが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
色素としては、数多くのものが知られており、例えばメチン基を有するメチン系色素は、従来から広く利用されている(例えば、特許文献2参照)。また、メチン系色素の例として、ジピロメテン色素などが知られており(例えば、特許文献3参照)、このような色素には金属原子や金属化合物に配位した錯化合物も含まれる。
特開2009−86668号公報 国際公開第2008/142086号パンフレット 特開2011−095732号公報
上記のように、エレクトロウェッティングディスプレイは、画像表示媒体の一種として近年注目されている表示技術の1つであるが、紙媒体等に代わる表示媒体としては、画像表示する際の表示速度、表示された画像の濃度や識別性、精細さなどの諸特性をそなえていることが求められる。
諸特性の中でも、表示速度(即ち画像形成性)、表示される画像の識別性や精細さについては、求められる要求は高い。
エレクトロウェッティングディスプレイで表示される画像の濃度を充分に発現させるには、画像形成を担うオイルの濃度、つまりオイルに含有される色材濃度を高める必要がある。オイルには、一般に色材として染料が用いられるが、染料はオイル相を構成する非極性溶媒への溶解性が乏しい場合があり、表示特性を高く保ちながら、濃度を画像表示に適する程度にまで高めることは難しい。
一方、非極性溶媒に対する溶解性の高い染料を用いた場合、オイルの色濃度自体は向上するものの、染料量が多くなると、電圧印加したときのオイルの動作感度(応答性)が低下し、画像形成性が著しく損なわれる傾向がある。
そのため、ディスプレイの画像表示性をある程度維持するためには、画像品質を下げざるを得ず、これまで画像表示性(すなわち表示速度等の画像形成性)と画像品質とを両立することができる技術は、未だ確立されるに至っていなかったのが実情である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、画像表示時の応答性に優れ、バックフロー現象による画像乱れが防止されたエレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、下記の知見を得、これらの知見に基づいて達成されたものである。即ち、
画像化に寄与するオイル相に含有される色材は、オイル相を形成する非極性溶媒への溶解性が高いことが応答性等の表示特性を高める上で有利である。色素の例として、メチン基を分子内に有するメチン系染料があるが、特に2つの色素母核がメチン不飽和鎖で連結された構造を有していると、溶解性が向上し、ひいてはオイル相に含め、更にその色素濃度を高めたときに、応答性の改善効果がみられ、電圧印加状態で保持したときにはバックフロー現象も改善される。
バックフローとは、電圧印加した状態で保持されたときに収縮して減少したオイルの面積が経時で広がる現象である。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒、及びメチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素を含有する非導電性のオイルと、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に、オイルと接して設けられた導電性の親水性液体と、を有する表示部を備え、親水性液体と第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、オイルと親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置である。
<2> 前記メチン系色素は、錯体を形成する金属原子及び金属化合物を含まない前記<1>に記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
<3> 前記メチン系色素は、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンに対する溶解度が1質量%以上である前記<1>又は前記<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
前記一般式(2)において、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X、X、及びXは、各々独立に炭素原子又は窒素原子を表す。但し、X、X、又はXが窒素原子を表す場合、窒素原子を表すX、X、又はXに繋がるR、R、又はRは存在しない。nは、0、1、又は2を表す。Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。
> 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 、R 及びR の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
> 前記メチン系色素は、分子量が200以上3000未満である前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
> オイル中に含有される色材の総量が、オイル全量に対して20質量%以上であり、オイル中の前記メチン系色素の含有比率が、オイル全量に対して5質量%以上である前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置である。
> 非極性溶媒と、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む前記一般式(2)で表されるメチン系色素とを含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
> 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 、R 及びR の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する前記<>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
組成物中に含有される色材の総量が、組成物全量に対して20質量%以上であり、組成物中の前記メチン系色素の含有比率が、組成物全量に対して5質量%以上である前記<>又は前記<>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
本発明によれば、画像表示時の応答性に優れ、バックフロー現象による画像乱れが防止されたエレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物が提供される。
本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オフ時の状態を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オン時の状態を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態について詳細に説明し、該説明を通じて、エレクトロウェッティング表示用染料組成物についても詳述することとする。但し、本発明においては、下記の実施形態に制限されるものではない。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置の第1実施形態を図1〜図2を参照して説明する。本実施形態は、導電性を有する第1の基板としてITO付ガラス基板を用い、オイルを構成する非極性溶媒としてデカンを、親水性液体として電解質水溶液を用いた構成となっている。
図1に示すように、本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、導電性を有する基板(第1の基板)11と、基板11に対向させて配置された導電性を有する基板(第2の基板)12と、基板11上に配設された疎水性絶縁膜20と、疎水性絶縁膜20及び基板12間のシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとにより区画された領域に充填された親水性液体14及びオイル16とを備えている。疎水性絶縁膜20と基板12との間がシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとで区画された領域は、オイル16の移動により画像表示を行なう表示部(表示セル)として構成されている。
従来から、エレクトロウェッティング技術に関して種々の検討がなされているところ、オイル相を形成する非極性溶媒中に染料等の溶媒可溶性の色素を含有すると、画像表示する際の応答性が低下し、電圧印加状態で保った際のバックフローも悪化する傾向がある。これは、表示画像の品質を高めるため、色濃度を高めようとした場合に、より顕著に現れる。オイル相に存在させる色素成分には、種々の染料等を適用可能であるが、その中でも2つの環構造である色素母核(カプラー母核)がメチン基で連結された構造を有する色素は、応答性や電圧印加状態でのバックフロー特性が損なわれにくい。そのため、本発明においては、
特にエレクトロウェッティング技術のオイル相の着色に使用する色素成分として、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素を選択的に用いることで、染料溶解性を確保しつつ、画像表示時の応答性、及び電圧印加状態としたときのバックフローが特異的に改善されるというものである。
基板11は、基材11aと、基材11aに設けられ、導電性を有する導電膜11bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。また、基板12は、基板11と対向する位置に配設されている。基板12は、基板11と同様に、基材12aと、基板12aに設けられ、導電性を有する導電膜12bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。本実施形態では、基板11及び基板12は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材11a及び基材12aは、装置の表示形態に応じて、透明性材料又は不透明材料のいずれを用いて形成されたものでもよい。画像を表示する観点からは、基材11a及び基材12aの少なくとも一方は、光透過性を有していることが好ましい。具体的には、基材11a及び基板12の少なくとも一方が、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。
基材11a及び基材12aに用いる材料の例としては、ガラス基板(例えば、無アルカリガラス基板、ソーダガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板等)、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、シリコン基板等の半導体基板等を用いることができる。中でも、光透過性の観点から、ガラス基板又はプラスチック基板が好ましい。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
導電膜11b及び導電膜12bは、装置の表示形態に応じて、透明性の膜又は不透明膜のいずれであってもよい。導電膜は、導電性を有する膜のことであり、導電性とは、電圧を印加できる程度の電気伝導性を有していればよく、表面抵抗が500Ω/□以下(好ましくは70Ω/□以下、より好ましくは60Ω/以下、更に好ましくは50Ω/□以下)の性質を有していることをいう。
導電膜は、銅膜などの不透明な金属膜、又は透明膜のいずれでもよいが、光透過性を与えて画像表示を行なう観点からは、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。透明導電膜の例としては、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及び酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む膜が挙げられる。中でも、透明導電膜としては、光透過性及び導電性の点で、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜が好ましい。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
導電膜の比抵抗としては、特に制限はなく、例えば、1.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。
好ましい形態として、基板12の導電膜12bに表示画素をなす複数の表示セルに対して共通の電位を付与する一方、基板11の導電膜11bには表示画素(表示セル)毎に独立した電位を付与することで、各表示セル(画素)に独立した電圧を印加する形態が挙げられる。この形態については、公知の液晶表示装置の形態を参照することができる。
本実施形態では、基板12は、基板11と同様に導電性を有する基板として配設されているが、基板12は導電膜を設けずに導電性を有しない態様でもよく、導電膜11bと親水性液体14との間で電圧印加するようにしてもよい。この場合、基板12の構成に特に制限はなく、例えば上記の基材12aに用いられる例として挙げた材料を用いることができる。
疎水性絶縁膜20は、基板11の導電膜11bの全面に亘って設けられており、少なくともオイル16と接している。この疎水性絶縁膜は、電圧が印加されていないときは(画像非表示時)、主としてオイルと接触した状態にあり、電圧が印加されたときは(画像表示時)、オイルがその表面を移動し、オイルが存在しなくなった領域は親水性液体と接触している状態となる。
疎水性とは、水を接触させたときの接触角が60°以上である性質をいい、好ましくは接触角が70°以上(より好ましくは80°以上)である性質をいう。
接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
絶縁膜の「絶縁」とは、比抵抗が10Ω・cm以上である性質をいい、好ましくは比抵抗が10Ω・cm以上(より好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
疎水性絶縁膜は、オイル16との間で親和性を示し、親水性液体14との親和性が低い絶縁膜を用いることができるが、電圧印加を繰り返すことでオイルを移動させることにより生じる膜劣化を抑制する観点から、多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜が好ましい。中でも、疎水性絶縁膜は、重合性基を2つ以上有する多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜がより好ましい。架橋構造は、多官能性化合物の少なくとも1種を(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより好適に形成される。
本実施形態では、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を2つ以上有する化合物である。重合性基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、縮合重合性基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、アリル基、アルコキシシリル基、α−フルオロアクリロイル基、エポキシ基、−C(O)OCH=CH等が好ましい。また、多官能性化合物に含まれる2つ以上の重合性基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物としては、公知の多官能の重合性化合物(ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、縮合重合性化合物等)を用いることができる。多官能性化合物としては、例えば、多官能アクリレートとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
多官能性化合物としては、上記以外にも、例えば、特開2008−181067号公報の段落0031〜0035、特開2008−139378号公報の段落0149〜0155、特開2010−134137号公報の段落0142〜0146等に記載の公知の重合性化合物の中から、多官能の重合性化合物を適宜選択して用いることができる。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を3つ以上(好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上)有することが好ましい。これにより、膜中における架橋構造の密度を更に増加させることができるので、電圧印加を繰り返したときの疎水性絶縁膜の劣化がさらに抑制される。
多官能性化合物としては、含フッ素化合物が好ましく、フッ素含有率が分子量の35質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上)である多官能性化合物がより好ましい。多官能性化合物がフッ素原子を(特にフッ素含有率が分子量の35質量%以上)含むことにより、疎水性絶縁膜の疎水性がより向上する。多官能性化合物におけるフッ素含有率の上限には特に制限はないが、上限は、例えば分子量の60質量%(好ましくは55質量%、より好ましくは50質量%)とすることができる。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
多官能性化合物の重合方法は、好ましくは塊状重合又は溶液重合である。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
疎水性絶縁膜は、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を用いて好適に作製される。硬化性組成物に含まれる多官能性化合物は、1種又は2種以上のいずれでもよく、硬化性組成物は、さらに単官能性化合物を含んでもよい。単官能性化合物としては、公知の単官能モノマーを用いることができる。
硬化性組成物中における多官能性化合物の含有量(2種以上である場合には総含有量;以下同じ)は特に制限はないが、硬化性の観点からは、硬化性組成物の全固形分に対し、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。全固形分とは、溶剤を除いた全成分をいう。
硬化性組成物は、さらに溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどが挙げられる。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
硬化性組成物は、さらに重合開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。重合開始剤としては、熱及び光の少なくとも一方の作用によりラジカルを発生する重合開始剤が好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
光の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、ヒドロキシアルキルフェノン類、アミノアルキルフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類などの化合物が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン類の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン類の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
重合開始剤の含有量は特に制限されないが、硬化性組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
硬化性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤等が挙げられる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
疎水性絶縁膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜1μmである。疎水性絶縁膜の膜厚が上記範囲であると、絶縁性と駆動電圧とのバランスの点で好ましい。
〜疎水性絶縁膜の形成方法〜
疎水性絶縁膜は、下記の方法により好適に作製できる。すなわち、
基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11bの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて該硬化性層を硬化させる硬化工程とを有する方法である。このような方法により、架橋構造を有する疎水性絶縁膜が形成される。
基板11上に硬化性層である疎水性絶縁膜20を形成する場合、公知の塗布法又は転写法により行なうことができる。
塗布法による場合、基板11上に硬化性組成物を塗布し(好ましくは乾燥させて)硬化性層を形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ硬化性組成物を用いて形成された硬化性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の硬化性層を基板11上に転写することにより、基板11上に硬化性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
硬化性層の硬化(多官能性化合物の重合)は、例えば、活性エネルギー線の照射(以下、露光ともいう)及び加熱の少なくとも一方を施すことにより行なえる。
露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm〜2000mJ/cmとすることができ、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた疎水性絶縁膜を得ることも可能である。
また、加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は適宜設定できるが、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定できるが、例えば、2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
本実施形態において、疎水性絶縁膜20と基板12との間には、親水性液体14とオイル16とが注入されている。
親水性液体14とオイル16とは、互いに混じり合わない液体であり、図1〜図2に示すように、界面17A又は界面17Bを境に互いに分離して存在している。なお、図1〜図2において、界面17Aは、電圧オフ状態での親水性液体14とオイル16との界面を表し、界面17Bは、電圧オン状態における親水性液体14とオイル16との界面を表す。
オイル16は、非極性溶媒、及びメチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含むメチン系色素を少なくとも含有する非導電性の液体であり、色素の含有比率がオイル組成全体に対して10質量%以上である場合が好ましい。
オイルは、色素を含むことで着色されており、該色素の含有比率を10質量%以上(好ましくは20質量%以上)の範囲とすると、コントラスト比がより高く、識別性や鮮明さにより優れた画像が得られる。このような濃度で染料を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素を色材として含有することで、オイルの応答性を向上し、電圧印加時のバックフローを抑制して、画像表示性に優れたエレクトロウェッティング表示装置が得られる。
非導電性とは、比抵抗が10Ω・cm以上(好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
オイルは、比誘電率が小さいことが好ましい。オイルの比誘電率は、10.0以下の範囲が好ましく、2.0〜10.0の範囲がより好ましい。比誘電率がこの範囲内であると、比誘電率が10.0を超える場合と比較して、応答速度が速く、より低い電圧で駆動(動作)させ得る点で好ましい。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
オイルの粘度としては、20℃での動的粘度で10mPa・s以下であることが好ましい。中でも、粘度は、0.01mPa・s以上が好ましく、更には0.01mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。オイルの粘度が10mPa・s以下であることで、粘度が10mPa・sを超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動させ得る点で好ましい。なお、動的粘度は、粘度計(500型、東機産業(株)製)を用いて20℃に調整して測定される値である。
オイルは、実質的に後述する親水性液体と混ざり合わないことが好ましい。具体的には、オイルの親水性液体に対する溶解度(25℃)が、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。
〜非極性溶媒〜
オイル16は、非極性溶媒の少なくとも一種を用いて構成されている。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
非極性溶媒の溶存酸素は、10ppm以下の範囲であることが好ましい。溶存酸素量が10ppmを超えると、劣化しやすく、応答性が低下しやすい。溶存酸素量は、少ないほど好ましく、8ppm以下であることがより好ましい。
非極性溶媒のオイル中に占める含有量は、オイル全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。非極性溶媒の含有量が30質量%以上であることで、より優れた光シャッター特性が発現される。また、オイルに含有される染料の溶解性がより良好に保たれる。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
〜色材〜
オイル16は、有色画像を表示する観点から、色材として、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む一般式(2)で表されるメチン系色素(以下、「本発明におけるメチン色素」ということがある。)の少なくとも1種を含有する。この色素は、非極性溶媒に対して溶解性を有するものが好適に選択される。
メチン系色素としては、2つの色素母核がメチン不飽和鎖を有する連結基で連結された一般式(2)の構造を含み、非極性溶媒に対して溶解性を有している色素であれば、特に制限されるものではない。メチン系色素としては、公知のメチン系の染料を任意に選択して用いることができる。
このメチン系色素は、オイル相の電圧印加時の応答性の点で、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンに対する溶解度が1質量%以上であるものが好ましく、非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れたものが好ましい。溶解度が1質量%以上であることで、エレクトロウェッティング表示装置により適する。
なお、以下において、「25℃、0.1MPaにおけるn−デカンに対する溶解度」を単に「溶解度」ともいう。
本発明のメチン系色素を、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置を製造するための表示用部材であるオイルに適用する場合、溶解度は、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常その上限値は80質量%程度である。
メチン系色素の分子量としては、200以上3000未満が好ましく、200以上2000未満が更に好ましい。分子量が200以上であることで、非極性溶媒への溶解性が確保でき、3000未満であることで、非極性溶媒への溶解性を、画像表示時の応答性を損なわない程度に維持することができる。
オイルには、色材を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。そのため、本発明におけるオイルは、本発明におけるメチン色素を1種含有して構成されたものでもよいし、2種以上を含有して構成されたものでもよい。
オイル中に含有される本発明におけるメチン色素を含む色材の総量としては、オイル全量に対して、10質量%以上が好ましい。色材(本発明におけるメチン色素を含む)の総量は、表示画像の濃度及び鮮明性等を高める観点から、オイル全量に対して20質量%以上の範囲であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上の範囲であり、さらに好ましくは50質量%以上の範囲である。オイル中に含有される色材の含有比率が高くなると、電圧印加時のオイルの応答性が低下するとともに電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化し、画像表示性が低下する傾向にある。そのため、色材の含有比率が10質量%以上(好ましくは20質量%以上)であるオイル組成において、特に本発明の効果がより奏される。また、色材の総量は、応答速度を高める観点から、オイル全量に対して80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以下である。中でも、本発明におけるメチン色素のオイル中における含有比率が、オイル全量に対して、5質量%以上である場合がより好ましい。
オイル中の本発明におけるメチン色素の濃度(C)については、その目的に応じて任意の濃度を選択することができ、オイルは任意の濃度にて調製される。エレクトロウェッティングディスプレイ用の色素として用いる場合、色素は、通常0.2質量%以上の濃度で、必要とされるεC値(=ε×C[ε:オイルの吸光係数])に応じて、非極性溶媒に希釈して用いられる。
本発明におけるメチン色素のモル吸光係数については、特に制限はないが、30,000以上である場合が好ましく、特に好ましくは50,000以上である。モル吸光係数が30,000以上であると、高い表示性能と応答性を両立することが容易となる点で好ましい。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置のOD(画像濃度)値は、高いほど画像の識別性や鮮明さがより向上する。そのため、本発明におけるメチン色素の極大吸収波長におけるOD値は、オイル層の厚み当たり0.5/μm以上が好ましく、より好ましくは0.65/μm以上であり、更に好ましくは1.0/μm以上である。
本発明におけるメチン色素は、金属原子を分子内に含まない化合物であることが好ましい。この場合、本発明におけるメチン色素には、錯体を形成する金属原子及び金属化合物を含む色素化合物は包含されない。本発明においては、色素が金属原子を分子内に含まないことが、色材の溶解性の観点、並びに表示装置の透明性を得る観点から好ましい。このような構造を持つメチン系色素は、非極性溶媒への溶解性が高く、またガラス等の基材への吸着が少なく、オイル中の色素に起因する残色が生じにくい利点がある。
具体的には、本発明におけるメチン色素には、例えば後述する一般式(1)〜(4)で表される色素が金属又はその化合物に配位した錯体を含まないことが好ましい。
本発明におけるメチン色素としては、下記一般式(1)で表される色素が好ましい。この色素は、2つの色素母核がメチン不飽和鎖により結合された構造を有すると共に、解離性基を有していないため、非極性溶媒(特に炭化水素系溶媒)に対する溶解性が良好であり、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置に適用して画像表示させた場合の応答性、及びバックフロー特性に優れている。この色素は、非極性溶媒に20質量%以上含有させた溶液(オイル)に構成した場合にも、優れた応答性を発揮し、バックフロー率が低く抑えられる点で好ましい。エレクトロウェッティング法による場合、一般に優れた応答性とバックフロー率を示す色素濃度の限界値が高ければ高いほどよい。
前記一般式(1)で表されるメチン系色素は、分子中に−SOH、−PO、−COH、−OH等の解離性基(NH基を含まない)を有しない色素であり、非極性溶媒に対して良好な溶解性を示す。非極性溶媒への溶解性により優れる観点からは、該色素は、その分子中に炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有していることが好ましい。このような構造上の特徴により、一般式(1)で表される色素は、そのSP値(溶解性パラメーター)が非極性溶媒のSP値に近くなっており、溶剤との混合性が良化したものと推定される。
本発明におけるメチン色素が分子中に前記直鎖又は分岐のアルキル基を有している場合、該アルキル基は、前記同様の理由から、炭素数6〜16の直鎖又は分岐のアルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基の色素分子中における合計炭素数は、10〜200が好ましく、30〜100がより好ましい。
前記一般式(1)において、A及びBは、各々独立に解離性基を有しない色素母核を表す。この色素では、前記一般式(1)に示されるように、色素母核を表すAとBとが、単一の又は複数連続するメチン不飽和鎖により連結されている。
A、Bで表される色素母核は、色を呈するために必要な分子構造(発色団(母体骨格))のことである。すなわち、色素母核は、化合物中において連続する不飽和結合により構成された部分構造(共役系を形成するに必要な部分構造)であり、例えば、芳香族、>C=C<、>C=O、>C=N−、>N=N<、等が連結した構造部分である。色素母核の具体的な例としては、ピロール骨格、アゼピン骨格、イソオキサゾロン骨格、ピラゾロン骨格、ピラゾロトリアゾール骨格、ピロロトリアゾール骨格、ベンゾキノン骨格、ナフトキノン骨格、ピリドン骨格、バルビツール骨格、ピリミジン骨格、チオバルビツール骨格、アニリド骨格等が挙げられる。
AとBとは同一でも異なっていてもよいが、より良好な応答性を発現させる観点からは、AとBとが同じ骨格を有していることが好ましい。
具体的には、色素母核としては、5〜7員の炭化水素環、又は5〜7員の複素環を含む分子骨格が好適である。炭化水素環又は複素環の例としては、ベンゼン環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾロトリアゾール環、ピロロトリアゾール環、ナフタレン環、ピリドン環、バルビツール環、チオバルビツール環、ピリミジン環、ピロール環、アゼピン環などが挙げられる。
中でも、色素母核を表すA及びBの少なくとも一方は、1つ以上の窒素原子を含む複素環であることが好ましい。
A、Bとしては、上記の中でも、ピロール環、アゼピン環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾロトリアゾール環、ピロロトリアゾール環、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
A, Bで表される環は、無置換でも置換されていてもよい。A、Bが置換されている場合、その置換基は、後述する一般式(3)のR〜Rで表される「1価の置換基」と同義であり、その好ましい態様も同様である。
、R、及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R、R、及びRは、吸光係数を高く維持できる点で、いずれも水素原子を表す場合が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜48のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜24の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜48のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、炭素数1〜32のヘテロ環基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基であり、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基等が挙げられる。
nは0、1、又は2を表す。nが0〜2の範囲であることで、色素の極大吸収波長を可視域となる。
前記一般式(1)で表される色素の中でも、本発明においては、下記一般式(2)で表される色素とする
前記一般式(2)において、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R、R、Rで表されるハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基は、前記一般式(1)のR、R、Rで表されるハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
、R、及びRは、吸光係数を高く維持できる点で、いずれも水素原子を表す場合が好ましい。
、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。R、R、Rで表される1価の置換基は、後述する一般式(3)のR〜Rで表される「1価の置換基」と同義であり、その好ましい態様も同様である。
中でも、非極性溶媒への溶解性を向上させる観点から、R、R、及びRの少なくとも1つが、炭素数4〜30(好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
、X、Xは、各々独立に、炭素原子、又は窒素原子を表す。但し、Xが窒素原子を表す場合Rは存在せず、Xが窒素原子を表す場合Rは存在せず、Xが窒素原子を表す場合Rは存在しない。
また、nは、色素の極大吸収波長を可視域となる点から、0、1、又は2を表す。
Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。Bで表される色素母核は、前記一般式(1)中のBで表される色素母核と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(1)〜(2)で表されるメチン色素の中でも、下記一般式(3)で表されるメチン色素が好ましい。
、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。nは、0、1、又は2を表す。非極性溶媒への溶解性を高める観点から、前記「1価の置換基」は疎水的であればあるほどよい。具体的には、アルキル基の比率が多ければ多いほど好ましく、アルキル基は環を持たないことがさらに好ましい。
〜Rで表される1価の置換基としては、
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、
アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基等)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基等)、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基等)、
シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基等)、
ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、及びシクロアルキルオキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基など)等)、
アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基等)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等)、
シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基等)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、及びシクロアルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基など)等)、
アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基等)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基等)、
スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基等)、
アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基等)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基等)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基等)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基等)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基等)、
アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等)、
アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基等)、
ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基等)、
カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基等)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基等)、
イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基等)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基等)、
スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基等)、
スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基等)、
アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基等)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基等)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基等)、
アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基等)、
アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基等)、
アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基等)、
アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基等)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基等)、
スルホ基、
ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基等)、
ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基等)、等を表す。
前記1価の置換基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、1価の置換基が2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)において、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記1価の置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(3)において、R、R、Rで表されるハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基は、前記一般式(1)のR、R、Rで表されるハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
中でも、R、R、及びRは、吸光係数を高く維持できる点で、いずれも水素原子を表す場合が好ましい。
一般式(3)について、上記の中でも、R及びRとしては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基がより好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が更に好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基が特に好ましい。
また、R及びRとしては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
また、R及びRとしては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
一般式(3)において、R及びRがアルキル基を表す場合、好ましいアルキル基は、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ベンジル基が挙げられる。中でも、より好ましいアルキル基は、炭素数1〜12の分岐鎖又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。更に好ましいアルキル基は、炭素数1〜12の2級又は3級の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
及びRがアリール基を表す場合、好ましいアリール基は、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基であり、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
及びRがヘテロ環基を表す場合、好ましいヘテロ環基は、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基であり、より好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基である。
上記の中でも、非極性溶媒への溶解性を向上させる観点から、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つ、あるいはR、R及びRの少なくとも1つ並びにR、R及びRの少なくとも1つが、炭素数4〜30(好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることがより好ましく、更には、R及び/又はRが炭素数6〜30(更には炭素数6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
更に好ましくは、前記同様の理由から、R、Rが炭素数1〜30(更には炭素数3〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であって、R、Rが炭素数4〜24のアルコキシカルボニル基、又は炭素数4〜24のカルバモイル基であって、R、Rが炭素数4〜24のカルバモイル基である場合である。
前記一般式(1)〜(3)で表される色素の中でも、下記一般式(4)で表されるメチン系色素(ジピロメテン色素)は好適なものとして挙げられる。
前記一般式(4)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。
一般式(4)のR、並びにR、R、R、R、R、及びRは、一般式(3)におけるR、並びにR、R、R、R、R、及びRとそれぞれ同義であり、各々の好ましい態様も同様である。
一般式(4)においても、非極性溶媒への溶解性を向上させる観点から、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つ、あるいはR、R及びRの少なくとも1つ並びにR、R及びRの少なくとも1つが、炭素数4〜30(好ましくは炭素数6〜30、更に好ましくは6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、更には、R及び/又はRが炭素数1〜30(更には炭素数3〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
更に好ましくは、前記同様の理由から、R、Rが炭素数6〜30(更には炭素数6〜16)の直鎖又は分岐のアルキル基であって、R、Rが炭素数4〜24のアルコキシカルボニル基、又は炭素数4〜24のカルバモイル基であって、R、Rが炭素数4〜24のカルバモイル基である場合である。
以下、前記一般式()〜(4)で表される色素の具体例(例示化合物4,6,7,8,11〜23)、及びその他のメチン系化合物を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。なお、Meはメチルを、Etはエチルを、i−Prはイソプロピルを、Buはブチルを、Phはフェニルを、それぞれ表す。


〜各種添加剤〜
オイルは、必要に応じて、他の成分として、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含有する場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度で用いられる。
オイルは、一種単独の染料を用いて黒色等のインクとして調製されたものでもよく、複数の染料を混合して黒色等のインクとして調製されたものでもよい。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
親水性液体14は、導電性の親水性液体である。導電性とは、比抵抗10Ω・cm以下(好ましくは10Ω・cm以下)の性質をいう。
親水性液体は、例えば、電解質及び水性溶媒を含んで構成される。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
水性溶媒は、界面活性剤を含まない方が応答性の観点から好ましい。
エレクトロウェッティング表示装置100には、導電膜11bと親水性液体14を介して導電膜12bとの間に電圧を印加するための電源25(電圧印加手段)及びこの電圧をオン/オフするためのスイッチ26が電気的に接続されている。
本実施形態では、基板12に設けられている導電膜12bに電圧印加することで、親水性液体14への電圧(電位)の印加が行なえるようになっている。このように、本実施形態では、基板12の親水性液体14に接する側の表面が導電性を有する構成(基材12aの親水性液体14に接する側に導電膜としてITO膜が存在する構成)となっているが、この形態に限られるものではない。例えば、基板12に導電膜12bを設けずに親水性液体14中に電極を差し込んで、差し込まれた電極によって親水性液体14に電圧(電位)を印加するようにしてもよい。
次に、エレクトロウェッティング表示装置100の動作(電圧オフ状態及び電圧オン状態)について説明する。
図1に示すように、電圧オフ状態では、疎水性絶縁膜20とオイル16との親和性が高いことから、疎水性絶縁膜20の全面にオイル16が接した状態となっている。エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオンして電圧が印加されると、親水性液体14とオイル16との界面は、図1の界面17Aから図2に示す界面17Bに変形する。このとき、疎水性絶縁膜20とオイル16との接触面積が減少し、図2に示すようにオイル16がセルの端に移動する。この現象は、電圧印加により疎水性絶縁膜20の表面に電荷が発生し、この電荷によって、親水性液体14が、疎水性絶縁膜20に接していたオイル16を押しのけて疎水性絶縁膜20に接触するために生じる現象である。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図1の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図1及び図2に示す動作が繰り返し行なわれる。
上記では、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態について、図1及び図2を参照して説明したが、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1及び図2では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
また、実施形態において、オイル16に染料を含めて所望の色(例えば黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー等)に着色することにより、エレクトロウェッティング表示装置の画像表示を担う画素として機能させることができる。この場合、オイル16が、例えば、画素のオン状態及びオフ状態を切り替える光シャッターとして機能する。この場合、エレクトロウェッティング表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれの方式に構成されてもよい。
また、本実施形態におけるエレクトロウェッティング表示装置は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側(オイルに対向する面の反対側)に、紫外線カット層を有していてもよい。これにより、表示装置の耐光性を更に向上させることができる。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
エレクトロウェッティング表示装置では、図1に示す構造(疎水性絶縁膜20と基板12との間がシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとで例えば格子状に区画された領域(表示セル))を表示部となる一画素とし、この表示セルを複数個2次元方向に配列することによって、画像表示が可能になる。このとき、導電膜11bは、一画素(表示セル)毎に独立してパターニングされた膜であってもよいし(例えばアクティブマトリクス型の画像表示装置の場合など)、複数の画素(表示セル)に跨るストライプ状にパターニングされた膜であってもよい(例えばパッシブマトリクス型の画像表示装置の場合など)。
エレクトロウェッティング表示装置100は、基材11a及び基材12aとして、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)等の光透過性を有する基板を用い、かつ導電膜11b、12b及び疎水性絶縁膜20として光透過性を有する膜を用いることにより、透過型の表示装置とすることができる。この透過型の表示装置の画素において、表示セルの外部に反射板を設けることで、反射型の表示装置とすることもできる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100を構成する表示セルや画像表示装置のその他の構成は、例えば、特開2009−86668号公報、特開平10−39800、特表2005−517993、特開2004−252444、特開2004−287008、特表2005−506778、特表2007−531917号公報、特開2009−86668号公報等に記載の公知の構成とすることができる。また、公知のアクティブマトリクス型又はパッシブマトリクス型の液晶表示装置の構成も参照することができる。
エレクトロウェッティング表示装置は、表示セル(表示画素)に加え、必要に応じてバックライト、セルギャップ調整用のスペーサ、封止用のシール材等、公知の液晶表示装置と同様の部材を用いて構成することができる。このとき、オイル及び親水性液体は、例えば、基板11上のシリコーンゴム壁によって区画された領域にインクジェット法により付与することで設けられてもよい。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、例えば、基板11を準備する基板準備工程と、基板11の導電性表面側に疎水性絶縁膜20を形成する工程と、基板11の疎水性絶縁膜20形成面上を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁により区画された領域に(例えばインクジェット法により)オイル16及び親水性液体14を付与する付与工程と、付与工程後の基板11のオイル16及び親水性液体14が付与された側に基板12を重ねてセル(表示部)を形成するセル形成工程と、必要に応じて基板11と基板12とをセルの周囲で接着することでセルを封止する封止工程とを有する方法が挙げられる。基板11と基板12との接着は、液晶表示装置の作製に通常用いられるシール材を用いて行なうことができる。
また、隔壁形成工程の後であってセル形成工程の前に、セルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程が設けられていてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−1.着色溶液の調製−
メチン色素(下記表1に示す既述の例示化合物5,15,23を用意)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、メチン色素で着色された3種の0.001質量%ノルマルデカン溶液(着色組成物)を調製した。
調製した各着色溶液について、色相、吸収極大波長(λmax)、吸光度(abs)、及び吸光係数(ε)を以下に示す方法で測定、評価すると共に、下記の各色素のノルマルヘキサン(n-Hexane)に対する溶解度(質量%)を以下に示す方法で測定、評価した。測定、評価の結果を下記表1に示す。
−2.測定・評価−
(1)色相
各着色溶液(着色組成物)を目視により観察し、その色相を判定した。
(2)吸収極大波長、吸光度、及び吸光係数
着色溶液(着色組成物)について、可視光吸光度計(UV−1800PC、(株)島津製作所製)にて吸収極大波長(λmax)、吸光度を測定すると共に、ランベルト・ベールの法則に基づいて、吸光係数(ε)を算出した。
(3)ヘキサンに対する溶解度
非極性溶媒であるノルマルヘキサン(n-Hexane)に対する各メチン色素の溶解度を以下のようにして測定した。
50℃に加熱したノルマルヘキサンに各色素を溶解して飽和溶液を調製した後、得られた飽和溶液を25℃、0.1MPa環境下に1時間放置した。析出した色素を濾過し、析出量を測定することにより、25℃、0.1MPaにおける各色素のノルマルヘキサンに対する溶解度(質量%)を算出した。
前記表1に示すように、例示化合物5、15、23(メチン系色素)は、炭化水素系溶媒であるヘキサンに対し、高い溶解度を示し、デカンに良好に溶解した染料インクを得ることができた。したがって、例示化合物5、15、23は、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示部の作製に好適である。
(実施例2)
−染料インクの調製−
アルゴンガスをノルマルデカン(n-decane)中にバブリングして溶存酸素を10ppm以下としたノルマルデカン溶液に、下記表2〜表3に示すように染料濃度が40質量%、10質量%となるように添加した。このようにして、オイルとして用いる染料インクを調製した。
−テストセルの作製−
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)を厚み600nmとなるように塗布し、フッ素ポリマー層を形成して疎水性絶縁膜とした。続いて、このフッ素ポリマー層上に、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み50μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いて表示部を形成した。このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、上記のようにして調製した染料インクを厚み4μmとなるように注入した。注入された染料インクの上に、エチレングリコールを厚み46μmとなるように注入した。その上部からさらにITO膜付ガラス基板を、ITO膜が染料インクや電解質水溶液と向き合うようにして置き、固定化した。このようにして、図1に示す構造を有するエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
−評価−
2枚のITO膜付ガラス基板の各ITO膜(透明電極)に、信号発生器にて100V直流電圧を印加(フッ素ポリマー層(疎水性絶縁膜)が形成されている側のITO電極にマイナス電圧を印加)し、表示セル(図2中の表示セル30)を観察したところ、染料インクがフッ素ポリマー層の表面を一方向に移動し、フッ素ポリマー層上を覆う面積が縮小していることを確認した。このときの染料インクの応答性、及び電圧を印加したままの状態で保持したときのバックフロー現象の程度を評価した。
電圧印加による面積の縮小については、下記式(1)で算出される面積収縮率[%]により、バックフロー現象については、下記式(2)で算出されるバックフロー比率[%]により、それぞれ評価した。
a)応答時間[msec]=電圧未印加状態から電圧印加を開始し、印加時点から最も縮んだ状態に達するまでに要した時間
b)面積収縮率[%]=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100 ・・・(1)
c)バックフロー比率[%]=(電圧印加状態で5秒経過した後の染料インクの面積)/(最も縮んだ時の染料インクの面積)×100 ・・・(2)
また、OD(画像濃度)は、TOPCOM社製の分光放射計SR−3を用いて、染料の極大吸収波長におけるOD値を測定し、評価した。OD値は、オイル層の厚み1μmあたりの値である。
前記表2〜表3に示すように、染料濃度により発現する効果の程度に差が現れるものの、本発明の染料を用いた表示装置は、良好な応答性を示し、しかも画像表示後(電圧印加状態)のバックフロー現象が改善された。
11・・・第1の基板
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第2の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル
17A、17B・・・親水性液体とオイルとの界面
20・・・疎水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置

Claims (9)

  1. 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、
    前記第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、
    前記第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、
    前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒、及びメチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素を含有する非導電性のオイルと、
    前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に、前記オイルと接して設けられた導電性の親水性液体と、
    を有する表示部を備え、
    前記親水性液体と前記第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置。

    〔式中、R 、R 、及びR は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R 、R 、及びR は、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X 、X 、及びX は、各々独立に炭素原子又は窒素原子を表す。但し、X 、X 、又はX が窒素原子を表す場合、窒素原子を表すX 、X 、又はX に繋がるR 、R 、又はR は存在しない。nは、0、1、又は2を表す。Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。〕
  2. 前記メチン系色素は、錯体を形成する金属原子及び金属化合物を含まない請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
  3. 前記メチン系色素は、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンに対する溶解度が1質量%以上である請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
  4. 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 、R 及びR の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
  5. 前記メチン系色素は、分子量が200以上3000未満である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
  6. 前記オイル中に含有される色材の総量が、オイル全量に対して20質量%以上であり、前記オイル中の前記メチン系色素の含有比率が、オイル全量に対して5質量%以上である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
  7. 非極性溶媒と、メチン不飽和鎖を有する連結基で結合された2つの色素母核を含む下記一般式(2)で表されるメチン系色素とを含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物。

    〔式中、R 、R 、及びR は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R 、R 、及びR は、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X 、X 、及びX は、各々独立に炭素原子又は窒素原子を表す。但し、X 、X 、又はX が窒素原子を表す場合、窒素原子を表すX 、X 、又はX に繋がるR 、R 、又はR は存在しない。nは、0、1、又は2を表す。Bは、解離性基を有しない色素母核を表す。〕
  8. 前記メチン系色素は、前記一般式(2)のR 、R 及びR の少なくとも1つが炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
  9. 組成物中に含有される色材の総量が、組成物全量に対して20質量%以上であり、組成物前記メチン系色素の含有比率が、組成物全量に対して5質量%以上である請求項又は請求項に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
JP2012123709A 2012-05-30 2012-05-30 エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物 Active JP5624082B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012123709A JP5624082B2 (ja) 2012-05-30 2012-05-30 エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
US13/898,477 US9335538B2 (en) 2012-05-30 2013-05-21 Electrowetting display device and dye composition for electrowetting display
TW102118141A TW201350905A (zh) 2012-05-30 2013-05-23 電濕潤顯示裝置及電濕潤顯示用染料組成物
KR1020130060187A KR20130135100A (ko) 2012-05-30 2013-05-28 일렉트로웨팅 표시 장치 및 일렉트로웨팅 표시용 염료 조성물

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012123709A JP5624082B2 (ja) 2012-05-30 2012-05-30 エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013250348A JP2013250348A (ja) 2013-12-12
JP5624082B2 true JP5624082B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=49669934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012123709A Active JP5624082B2 (ja) 2012-05-30 2012-05-30 エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9335538B2 (ja)
JP (1) JP5624082B2 (ja)
KR (1) KR20130135100A (ja)
TW (1) TW201350905A (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5878356B2 (ja) * 2011-09-30 2016-03-08 富士フイルム株式会社 着色組成物、および画像表示構造
WO2013089008A2 (en) * 2011-12-15 2013-06-20 Fujifilm Corporation Colored composition and image display structure
JP6204654B2 (ja) * 2012-11-22 2017-09-27 富士フイルム株式会社 エレクトロウェッティング表示用染料組成物の製造方法、及び、エレクトロウェッティング表示装置の製造方法
JP2014106368A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Fujifilm Corp エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置
EP2947496B1 (en) * 2014-05-20 2018-01-17 Parrot Drones Non-aqueous conductive liquids for liquid lenses
US9494791B1 (en) * 2014-12-01 2016-11-15 Amazon Technologies, Inc. Fluids for an electrowetting device
US10295819B1 (en) * 2018-03-22 2019-05-21 Corning Incorporated Naphtyl based high index hydrophobic liquids and transmission recovery agents for liquid lens formulations

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3504423B2 (ja) * 1995-03-17 2004-03-08 日本ビクター株式会社 ポリメチン色素を含有する光応答性組成物から成る光学素子を用いることを特徴とする光制御方法
JP2007531917A (ja) * 2004-04-05 2007-11-08 リクアヴィスタ ビー. ヴィー. エレクトロウェッティング効果に基づくディスプレイデバイス
GB0709897D0 (en) * 2007-05-23 2007-07-04 Liquavista Bv Improvements in relation to electrowetting elements and optical display devices
CN101398532B (zh) * 2007-09-28 2010-09-29 群康科技(深圳)有限公司 电润湿显示器
US20100173134A1 (en) * 2008-06-26 2010-07-08 Carben Semicon Limited Film and Device Using Layer Based on Ribtan Material
KR101614747B1 (ko) * 2009-09-29 2016-04-22 후지필름 가부시키가이샤 색소 다량체, 착색 경화성 조성물, 컬러필터 및 그 제조방법, 및 컬러필터를 구비한 고체촬상소자, 화상 표시 장치, 액정 표시 장치 및 유기 el 디스플레이
JP5680359B2 (ja) 2009-09-30 2015-03-04 富士フイルム株式会社 着色硬化性組成物、カラーレジスト、カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法、並びにカラーフィルタを備えた固体撮像素子及び画像表示デバイス
JP5884732B2 (ja) * 2010-09-10 2016-03-15 三菱化学株式会社 へテロ環アゾ系色素を含むインク及び該インクに用いられる色素
JP5762357B2 (ja) * 2011-06-10 2015-08-12 富士フイルム株式会社 エレクトロウェッティング表示用着色組成物、画像表示構造、及び、エレクトロウェッティング表示装置
JP5878356B2 (ja) * 2011-09-30 2016-03-08 富士フイルム株式会社 着色組成物、および画像表示構造
WO2013089008A2 (en) * 2011-12-15 2013-06-20 Fujifilm Corporation Colored composition and image display structure
JP5823373B2 (ja) * 2011-12-26 2015-11-25 富士フイルム株式会社 着色組成物、及び画像表示構造
JP5806249B2 (ja) * 2012-03-30 2015-11-10 富士フイルム株式会社 光学素子及び画像表示装置
JP5602905B2 (ja) * 2012-05-10 2014-10-08 富士フイルム株式会社 エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
TW201350905A (zh) 2013-12-16
US20130321895A1 (en) 2013-12-05
US9335538B2 (en) 2016-05-10
JP2013250348A (ja) 2013-12-12
KR20130135100A (ko) 2013-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5823373B2 (ja) 着色組成物、及び画像表示構造
JP5624082B2 (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP5762357B2 (ja) エレクトロウェッティング表示用着色組成物、画像表示構造、及び、エレクトロウェッティング表示装置
WO2014084018A1 (ja) エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置
JP5602905B2 (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP5602806B2 (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP5587365B2 (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP5889175B2 (ja) 着色組成物及び画像表示構造
JP2013144790A (ja) 着色組成物、および画像表示構造
JP6204654B2 (ja) エレクトロウェッティング表示用染料組成物の製造方法、及び、エレクトロウェッティング表示装置の製造方法
JP2014066835A (ja) エレクトロウェッティング表示装置の製造方法
JP2014048535A (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP5819254B2 (ja) エレクトロウェッティング表示装置及びエレクトロウェッティング表示用染料組成物
JP2014051624A (ja) エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5624082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250