JP5808722B2 - 光学素子及び画像表示装置 - Google Patents

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本発明は、光学素子及び画像表示装置に関する。
従来より、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えば、オイル及び親水性液体)を含むセルを備え、電圧の印加により動作(駆動)する光学素子に関する検討が行われている。このような光学素子としては、例えば、光シャッター、可変焦点レンズ、光ピックアップレンズ、画像表示装置(3D画像表示装置を含む)、サイネージ、光変調装置、ポンプシステム等が挙げられる。
近年では、上記光学素子として、特に、エレクトロウェッティング現象を利用した光学素子が注目されている。
エレクトロウェッティング現象を利用した光学素子として、例えば、互いに対向配置された第一基板及び第二基板と、前記第二基板の対向面側に格子構造で配置されて、複数の画素ユニットを定義する複数の突起と、隣り合う2つの突起の間の画素ユニットに封入された非導電性な第一流体と、前記第一流体と前記第一基板の間に封入され、且つ前記第一流体と互いに混和しない導電性又は極性液体である第二流体と、を備え、前記画素ユニットが、所定の配置で設けられた共通信号ライン、積蓄容量、及び薄膜トランジスタを含む構成のエレクトロウェッティングディスプレイ(画像表示装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、マスクを通過する光量の変化により表示の切り替えを行う表示素子であって、第1と第2の支持体と、前記第1と第2の支持体間に形成された空間内に密閉され互いに混合することのない第1の液体及び導電性または有極性の第2の液体とを有し、該第2の液体への電圧の印加により前記第1の液体と前記第2の液体との界面形状を変化させ、マスクを通過する光量の調節を行う表示素子が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、表示装置最下層を構成する第一基材、該第一基材の上に設けられた第一電極、該第一電極の上に設けられた絶縁層、該絶縁層の上に設けられた第二電極、該第二電極を間隔を置いて取り囲むキャビティ仕切り、該キャビティ仕切りの上に設けられた最上層を構成する第二基材と、該キャビティ仕切り内に封入された着色液滴とからなる表示装置において、該着色液滴の球状復帰を促進するための第三電極を設けた表示装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、エレクトロウェッティング現象を利用した光学素子としては、導電性の第1の液体が充填されたチャンバと、該チャンバの絶縁壁の第1の表面の接触域上に配置されており、前記第1の液体と混和せず、かつ該第1の液体と異なる屈折率及び実質的に同じ密度を有している絶縁性の第2の液体の液滴と、前記第1の液体と前記絶縁壁の第2の表面上に配置された電極との間に電圧を印加するように構成された電圧源と電圧が印加される間に前記液滴の縁部の心合わせを維持しかつその形状を制御するための心合わせ手段と、を備えた可変焦点レンズも知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2009−86668号公報 特開2000−356750号公報 特開2004−252444号公報 特表2001−519539号公報
ところで、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えばオイル及び親水性液体)を含むセルを備えた光学素子では、セル内面にオイルと接触する疎水性絶縁膜が設けられており、この疎水性絶縁膜を挟んで親水性液体とセル内面との間に電圧が印加される。これにより、疎水性絶縁膜表面に電荷が発生し、この電荷によってオイルと親水性液体との界面の形状が変化して光学素子が駆動する。この際、オイルが疎水性絶縁膜上に均一に存在していることが、セルの生産性および、光学素子の駆動に際して重要な要素である。
これまで、光学素子の疎水性絶縁膜としては線状のフルオロポリマーが用いられていることが記載されている(例えば特許文献1〜4)。
しかし、一般にフルオロポリマーは撥水性に優れると同時に撥油性にも優れる傾向があり、このため、疎水性絶縁膜上のオイルの濡れ広がり性が不十分となり、ひいては均一にオイルが濡れ広がらず、オイルの膜厚に差が生じることにより光学素子の駆動性が不安定となる場合があった。また、疎水性絶縁膜上に濡れ広がらない部分が生じることにより、セルの生産性を落とす懸念があった。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、疎水性絶縁膜が撥水性を確保し親水性液体をはじく特性を維持したまま、オイルが疎水性絶縁膜上に均一に濡れ広がり、安定に駆動する光学素子及び画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者は、疎水性絶縁膜中にフッ素原子に加えてケイ素原子も含ませることにより上記課題を解決できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成させた。
即ち、前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1基板と、前記第1基板の導電性の表面に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板の導電性の表面と前記第2基板との間に設けられた、非導電性のオイル及び導電性の親水性液体と、前記第1基板の導電性の表面側の少なくとも一部に設けられ、前記オイルと接触し、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有する疎水性絶縁膜と、を有するセルを備え、前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物が、後述する一般式(A)で表される化合物であり、前記親水性液体と前記第1基板の導電性の表面との間に印加された電圧に応じ、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状が変化する光学素子である。
<2> 前記電圧に応じ、前記オイルと前記疎水性絶縁膜との接触面積が変化する<1>に記載の光学素子である。
<3> 前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有するコーティング組成物を用いて作製された<1>または<2>に記載の光学素子である。
<4> 前記疎水性絶縁膜が、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマー、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマーとケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光学素子である。
<5> 前記混合物において、混合質量比〔前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物/(前記フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマー+前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物)〕が、10〜80質量%である<4>に記載の光学素子である。
<6> 前記疎水性絶縁膜が、前記フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物を含有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光学素子である。
> <1>〜<>のいずれか1つに記載の光学素子を有する画素を備え、前記オイルが色材を含有する画像表示装置である。
本発明によれば、疎水性絶縁膜が撥水性を確保し親水性液体をはじく特性を維持したまま、オイルが疎水性絶縁膜上に均一に濡れ広がり、安定に駆動する光学素子及び画像表示装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態(電圧オフ状態)を概念的に示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態(電圧オン状態)を概念的に示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態(電圧オフ状態及び電圧オン状態)を概念的に示す概略断面図である。 本実施例に用いたテストセルを概念的に示す概略断面図である。
以下、本発明の光学素子及び画像表示装置について詳細に説明する。
≪光学素子≫
本発明の光学素子は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1基板と、前記第1基板の導電性の表面に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板の導電性の表面と前記第2基板との間に設けられた、非導電性のオイル及び導電性の親水性液体と、前記第1基板の導電性の表面側の少なくとも一部に設けられ、前記オイルと接触し、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有する疎水性絶縁膜と、を有するセルを備え、前記親水性液体と前記第1基板の導電性の表面との間に印加された電圧に応じ、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状が変化する。
本発明の光学素子では、導電性の親水性液体と前記第1基板の導電性の表面との間に(即ち、疎水性絶縁膜を介して)電圧が印加される。印加された電圧が所定のしきい値を超えると、疎水性絶縁膜の表面に電荷が生じる。この電荷によって、導電性の親水性液体が疎水性絶縁膜に接近し(更に好ましくは、導電性の親水性液体が、疎水性絶縁膜に接していたオイルを押しのけて疎水性絶縁膜に接触し)、これによりオイルと親水性液体との界面の形状が変化し、光学素子が動作(駆動)する。
従来の光学素子でも、上記と同様にして駆動する光学素子があった。
しかしながら、従来の光学素子では、撥水性絶縁膜に用いられるフルオロポリマーは撥水性に優れると同時に撥油性にも優れる傾向があることから、この撥油性に起因して疎水性絶縁膜上のオイルの濡れ広がり性が不十分となり、ひいては均一にオイルが濡れ広がらず、オイルの膜厚に差が生じることにより光学素子の駆動性が不安定となったりする場合があることが判明した。
この点に関し本発明の光学素子では、疎水性絶縁膜が、フッ素原子に加えてケイ素原子も含む構成(詳しくは、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有する構成)とされているため、疎水性絶縁膜の親油性が高い。即ち、フッ素原子を有する疎水性絶縁膜に更にケイ素原子を含有させることにより、疎水性絶縁膜の親油性が高くなる。このため、撥水性絶縁膜上のオイルの濡れ広がり性が良化する。
従って本発明によれば、疎水性絶縁膜が撥水性を確保し親水性液体をはじく特性を維持したまま、オイルが絶縁性撥水膜上で均一の厚さで濡れ広がり、その結果、電圧印加時のオイル界面の形状変化に起因する光学素子の駆動安定性が向上する。
本発明において、前記界面形状(及び、好ましくは前記オイルと前記疎水性絶縁膜との接触面積)を変化させるために、親水性液体と第1基板の導電性の表面との間に印加される電圧(駆動電圧)には特に限定はないが、例えば、1V〜25V(好ましくは1V〜20V)の間で任意に設定できる。
また、前記駆動電圧は、直流電圧であってもよいし、交流電圧であってもよい。
本発明の光学素子は上記構成を備えるかぎり、その用途には特に制限はない。
例えば、本発明の光学素子は、特開2000−356792号公報などに記載の光シャッター、特開2001−013306号公報、特表2001−519539号公報、特開2008−96953号公報などに記載の可変焦点レンズ、特表2007−530997号公報に記載の光ピックアップレンズ、特開2009−86668号公報、特開平10−39800号公報、特表2005−517993号公報、特表2007−531917号公報、特開2004−252444号公報、特開2004−287008号公報などに記載のディスプレイやサイネージ、特表2005−506778号公報などに記載の3Dディスプレイ、特開2010−79297号公報などに記載の光変調装置、米国特許第2011/0083964号明細書などに記載のポンプシステムなどに好ましく適用できる。
本発明の光学素子は、エレクトロウェッティング現象によって動作するエレクトロウェッティング素子であることが好ましい。エレクトロウェッティング現象については公知であり、その詳細は、上記の各公報にされているとおりである。
以下、本発明の光学素子の実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1及び図2は、本発明の光学素子の第1の実施形態を概念的に示す概略断面図である。この第1の実施形態は、本発明の光学素子を画像表示装置の画素として用いる場合に好適な実施形態である。
図1は、光学素子100の電圧オフ状態(電圧無印加状態。以下同じ。)を示しており、図2は、同じ光学素子100の電圧オン状態(電圧印加状態。以下同じ。)を示している。
図1及び図2に示すように、光学素子100は、基板11(第1基板)に設けられた疎水性絶縁膜20と基板12(第2基板)との間であって、側面22a及び側面22bによって区画された領域内に、親水性液体14及びオイル16が設けられたセル30を有する構成となっている。
ここで、側面22a及び側面22bのそれぞれは、例えば隔壁の側面として構成される。図1及び図2では、疎水性絶縁膜20、基板12、側面22a、及び側面22bによって閉じた空間が形成されているが、本発明はこの形態には限定されない。例えば、側面22a及び側面22bの一部(好ましくは基板12側の一部)が開放されていてもよい(後述の図3中の側面122a及び側面122bについても同様である)。
基板11は、基板11aと基板11aに設けられた導電膜11bとからなるものであるこの導電膜11bは、導電膜11bと親水性液体14との間に電圧を印加するための一方の電極として機能する。
光学素子100では、この導電膜11bに接するようにして疎水性絶縁膜20が設けられている。この疎水性絶縁膜20は、フッ素原子およびケイ素原子を含むコーティング組成物で形成された膜を有する。
親水性液体14及びオイル16は互いに混じり合わない液体であり、界面17A又は界面17Bを境に互いに分離している。
図1及び図2では、電圧オフ状態における親水性液体14とオイル16との界面を界面17A(図1)とし、電圧オン状態における親水性液体14とオイル16との界面を界面17B(図2)としている。
更に、この光学素子100には、導電膜11bと親水性液体14との間に電圧を印加するための電源25(電圧印加手段)及びこの電圧をオン/オフするためのスイッチ26が設けられている。
この実施形態では、親水性液体14への電圧(電位)の印加は、親水性液体14中に差し込まれた電極によって行われる。但し本発明はこの形態には限定されず、基板12の親水性液体14に接する側の表面が導電性を有する構成(例えば、基板12の親水性液体14に接する側に導電膜が存在する構成)となっており、この導電性の表面(例えば導電膜)に電圧(電位)を印加することにより、親水性液体14への電圧(電位)の印加を行ってもよい。
次に、光学素子100の動作(電圧オフ状態及び電圧オン状態)について説明する。
図1に示すように、電圧オフ状態では、疎水性絶縁膜20とオイル16との親和性が高いことから、疎水性絶縁膜20の全面にオイル16が接した状態となっている。
光学素子100に対し電圧が印加されると、親水性液体14とオイル16との界面が、界面17A(図1)から界面17B(図2)のように変形し、疎水性絶縁膜20とオイル16との接触面積が減少し、オイル16がセルの端に移動する。この現象は前述のとおり、電圧印加により疎水性絶縁膜20の表面に電荷が発生し、この電荷によって、親水性液体14が、疎水性絶縁膜20に接していたオイル16を押しのけて疎水性絶縁膜20に接触するために生じる現象である。
光学素子100は、図2における電圧をオフ状態とすると、再び図1の状態に戻る。
本発明の光学素子の第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1及び図2では、導電膜11bが基板11表面の全体に渡って設けられているが、導電膜が基板表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
また、前述のとおり、基板11に導電膜11bが存在することに加え、基板12の親水性液体14に接する側にも導電膜が存在していてもよい。
上記実施形態において、オイル16に色材の少なくとも1種を含有させて該オイル16を所望の色(例えば、黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー等)に着色することにより、光学素子100を、エレクトロウェッティング画像表示装置(以下、単に「画像表示装置」ともいう)の一画素として用いることができる。この場合、オイル16が、例えば、画素のオン状態及びオフ状態を切り替える光シャッターとして機能する。詳細な機能については、例えば、既述の各公報に記載されているとおりである。この場合の画像表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれの方式の画像表示装置であってもよい。
光学素子100を画像表示装置の一画素とする場合、基板表面を隔壁によって例えば格子状に区画し、区画された一領域を一画素とすることができる。このとき、導電膜11bは、一画素ごとに独立してパターニングされた膜であってもよいし(例えば、アクティブマトリクス型の画像表示装置の場合など)、複数画素にまたがるストライプ状にパターニングされた膜であってもよい(例えば、パッシブマトリクス型の画像表示装置の場合など)。
また、光学素子100を画像表示装置の一画素とする場合、側面22a及び22bの基板12側の一部が開放され、疎水性絶縁膜20と基板12(第2基板)との間の空間が、複数画素に渡って連通されていてもよい。
また、光学素子100を画像表示装置の一画素とする場合、基板11a及び基板12として、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)等の光透過性を有する基板を用い、かつ、導電膜11b及び疎水性絶縁膜20としても光透過性を有する膜を用いることにより、透過型の画像表示装置の画素とすることができる。この透過型の画像表示装置の画素において、セル外部に反射板を設けることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
また、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えば、Al膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基板11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えば、Al基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
本実施形態における光学素子100を画像表示装置の一画素として用いる場合、セルや画像表示装置のその他の構成は、例えば特開2009−86668号公報、特開平10−39800、特表2005−517993、特開2004−252444、特開2004−287008、特表2005−506778、特表2007−531917号公報、特開2009−86668号公報等に記載の公知の構成とすることができる。また、公知のアクティブマトリクス型又はパッシブマトリクス型の液晶表示装置の構成も参照することができる。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の光学素子の第2の実施形態を概念的に示す概略断面図である。
この第2の実施形態は、本発明の光学素子を可変焦点レンズとして用いる場合に好適な実施形態である。
図3に示すように、光学素子200は、上記光学素子100と同様に、基板111(第1基板)に設けられた疎水性絶縁膜120と基板112(第2基板)との間であって、側面122a及び側面122bによって区画された領域内に、親水性液体114及びオイル116が設けられたセル130を有する構成となっている。図3では図示を省略しているが、光学素子200には、光学素子100と同様に、電源及びスイッチが接続されている。
光学素子200の構成は、以下の点を除き、光学素子100の構成と同様である。
即ち、疎水性絶縁膜120の表面は、中央部(好ましくは円形状の領域)を除いた外周部120aに親水性処理が施されている。これにより、オイル116が疎水性絶縁膜120の表面の前記中央部(好ましくは円形状の領域)のみに接触することで、電圧オフ状態において、オイル116と親水性液体114との界面117Aが曲面状となっている。
更に、基板111(第1の基板)は、基板111aと該基板111aの表面の中央部(好ましくは円形状の領域)が露出するようにパターニングされた導電膜111bとから構成されている。ここで、導電膜111bは、基板111aの表面に対して垂直な方向からみたときに、電圧オフ状態におけるオイル116と疎水性絶縁膜120との接触領域内にパターンエッジが位置するようにパターニングされている。
光学素子200において、基板111、疎水性絶縁膜120、オイル116、親水性液体114、及び基板112は、光透過性を有している。
これにより、オイル116がレンズとして機能する。
図3では、電圧オフ状態におけるオイル116と親水性液体114との界面を界面117Aとし、電圧オン状態におけるオイル116と親水性液体114との界面を界面117Bとしている。
図3に示すように、電圧オフ状態においてオイル116と親水性液体114との界面は既に所定の曲率を有しているが(界面117A)、電圧オン状態となると、界面の曲率が更に大きくなる(界面117B)。この理由は、第1の実施形態と同様に、電圧が印加されると、疎水性絶縁膜120表面(オイル116との接触面)に電荷が発生するためである。
このようにして、電圧印加により、オイル116と親水性液体114との界面の曲率を変化させることができ、オイル116からなるレンズの焦点距離を変化させることができる。
光学素子200においても、電圧オン及び電圧オフが繰り返されることにより、疎水性絶縁膜120表面における電荷の発生及び消滅が繰り返される。
前記光学素子200は、オイル116を可変焦点レンズとして用いる場合の一例に過ぎず、その構成については種々の変更が可能である。例えば、外周部120aに親水性処理を施さず、疎水性絶縁膜120の表面全体にオイル116を接触させ、かつ、側面122a及び122bにも導電膜及び疎水性絶縁膜を設けた形態に変更すれば、疎水性絶縁膜120とオイル116との接触面積を変えずに、親水性液体114とオイル116との界面の形(レンズの焦点距離)のみを変化させることができる。
光学素子を可変焦点レンズとして用いる場合の具体的な構成については、例えば、特許第4154858号公報、特開2001−013306号公報、特表2001−519539号公報、特開2008−96953号公報等に記載の公知の構成を参照することができる。
次に、本発明の光学素子に用いられる各部材や材料について説明する。
<疎水性絶縁膜>
本発明における疎水性絶縁膜は、第1基板の導電性の表面側の少なくとも一部に設けられる膜であり、オイルと接触する膜である。
本発明における「疎水性」には特に限定はないが、例えば水接触角が60°以上(好ましくは70°以上、より好ましくは80°以上)である性質を指す。
前記水接触角は、具体的にはJIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。
より具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察し、25℃における接触角θを求める。
また、本発明における「絶縁」には特に限定はないが、例えば、比抵抗が10Ω・cm以上(好ましくは10Ω・cm以上、より好ましくは10Ω・cm以上)である性質を指す。
前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物(以下、単に「フッ素原子を含む化合物」ともいう)とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物(以下、単に「ケイ素原子を含む化合物」ともいう)との混合物の少なくとも一方を含有する。即ち、前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子に加えてケイ素原子も含有する。
これにより、疎水性絶縁膜が、フッ素原子のみ含有する場合、またはケイ素原子のみ含有する場合と比較して、オイルが疎水性撥水膜上に均一に広がることにより、オイルが安定に駆動するようになる。
ここで、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、フッ素原子を含む化合物、ケイ素原子を含む化合物は、それぞれ、高分子化合物であっても低分子化合物であってもよい。即ち、これらの化合物の分子量には特に制限はない。
このうち、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含む化合物は、ポリマーであることが好ましい。
前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有するコーティング組成物を用いて好適に作製することができる。
以下、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物(ポリマー、モノマー)を、単に、フッ素原子を含む化合物(ポリマー、モノマー)ともいう。
また、ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物(ポリマー、モノマー)を、単に、ケイ素原子を含む化合物(ポリマー、モノマー)ともいう。
前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマー、並びに、フッ素原子を含むポリマーとケイ素原子を含む化合物との混合物の少なくとも一方を含むことが好ましい。
フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むモノマーおよびケイ素原子を含むモノマーを(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることによって好適に形成される。
また、フッ素原子を含むポリマーとケイ素原子を含む化合物との混合物は、フッ素原子を含むモノマーの少なくとも1種を(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させたポリマーと、ケイ素原子を含む化合物と、をブレンドすることによって好適に形成される。
(フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマー)
本発明における疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーを少なくとも1種含むことが好ましい。
前記フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーは、例えば、フッ素原子を含むモノマーおよびケイ素原子を含むモノマーを(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより合成される。
即ち、前記フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むモノマーに由来する構成成分と、ケイ素原子を含むモノマーに由来する構成成分と、(必要に応じ他のモノマーに由来する構成成分と)を含有することが好ましい。
前記ポリマー中における、フッ素原子を含むモノマーに由来する構成成分の含有量は、ポリマー全量に対し、10質量%〜97質量%が好ましく、15質量%〜95質量%がより好ましい。
前記ポリマー中における、ケイ素原子を含むモノマーに由来する構成成分の含有量は、ポリマー全量に対し、3質量%〜80質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
前記ポリマーの数平均分子量は、10〜10が好ましく、5×10〜5×10がより好ましく、10〜10が特に好ましい。
−フッ素原子を含むモノマー−
以下、前記フッ素原子を含むモノマーについて説明する。
前記フッ素を含むモノマーとしては、下記一般式M1または一般式M2で表されるモノマー(以下、それぞれ、モノマーM1)が挙げられる。
これらそれぞれの一般式で表されるモノマーは、それぞれ1種類で構成されていても、複数の単量体によって構成されていてもよい。
一般式M1中、R は炭素数1〜30の含フッ素アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜15の含フッ素アルキル基である。
この含フッ素アルキル基は、直鎖の基{例えば−CFCF、−CH(CFH、−CH(CFCF、−CHCH(CFH等}であっても、分岐構造を有する基{例えば−CH(CF、−CHCF(CF、−CH(CH)CFCF、−CH(CH)(CFCFH等}であってもよく、また脂環式構造を有する基(好ましくは5員環又は6員環、例えばペルフルオロシクロへキシル基、ペルフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)であってもよく、エーテル結合を有する基(例えば−CHOCHCFCF、−CHCHOCHH、−CHCHOCHCH17、−CHCHFOCFCFOCFCFH等)であってもよい。
は、ペルフルオロアルキル基であってもよい。
の好ましい形態としては、合成適性、及び基材への密着性の観点から下記一般式(4)で表される構造が好ましく、特に下記一般式(5)で表される構造が好ましい。
一般式(4): −CH−(CHq5−(O)r1−R
一般式(4)において、R は炭素数1〜20の含フッ素アルキル基(好ましくは炭素数1〜15の含フッ素アルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜10の含フッ素アルキル基であり、さらに好ましくはフッ素含率60質量%以上のアルキル基であり、特に好ましくはフッ素含率70質量%以上のアルキル基である)を表し、直鎖の基(例えばR の例として上記した基が挙げられる)であっても、分岐構造を有する基(例えばR の例として上記した基が挙げられる)であっても、又は脂環式構造を有する基(例えばR の例として上記した基が挙げられる)であってもよく、エーテル結合を有する基(例えばR の例として上記した基が挙げられる)であってもよい。
q5は0〜5の整数を表し、より好ましくは0〜3の整数であり、特に好ましくは0又は1である。
r1は0又は1を表す。
の基はペルフルオロ基であってもよい。
一般式(5): −CH(CHq6OCHR13
一般式(5)においてR は、前記R と同義である。
13は、水素原子、または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し(例えばCH、CHCH、CHCF等)、好ましくは、水素原子、または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。
13とR は互いに結合して環構造(好ましくは5員又は6員環、例えばペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロテトラヒドロフリル基等)を形成していてもよい。
q6は0〜4の整数を表し、好ましくは0〜3の整数であり、特に好ましくは0又は1である。
以下に、モノマーM1の具体例(例示化合物M1−(1)〜M1−(42))を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記モノマーM1は、例えば、“Macromolecules”,32巻(21)、p.7122(1999年)、特開平2−721号公報等に記載のごとく、ビニロキシアルキルスルフォネート、ビニロキシアルキルクロリド等の離脱基置換アルキルビニルエーテル類に対して、塩基触媒存在下含フッ素アルコールを作用させる方法;国際公開第92/05135号パンフレットに記載のごとく、含フッ素アルコールとブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類をパラジウム等の触媒存在下混合してビニル基の交換を行う方法;米国特許第3420793号明細書記載のごとく、含フッ素ケトンとジブロモエタンをフッ化カリウム触媒存在化で反応させた後、アルカリ触媒により脱HBr反応を行う方法等により合成することができる。
前記モノマーM2において、R は炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基を表す。
重合反応性の観点からはペルフルオロメチル基又はペルフルオロエチル基が好ましく、入手性の観点からペルフルオロメチル基であること(即ち、モノマーM2がヘキサフルオロプロピレンであること)が特に好ましい。
−ケイ素原子を含むモノマー−
ケイ素原子を含むモノマーとしては、下記一般式(6)で表される構造(ポリシロキサン構造)を含むモノマーが好ましい。
更に、下記一般式(6)で表される構造を含む構成成分(以下、「構成成分Z」ともいう)を形成し得るモノマーがより好ましい。
ここで、構成成分Z中に含まれる、一般式(6)で表される構造の含有量は、0質量%超90質量%以下が好ましい。
即ち、下記一般式(6)で表される構造を含むモノマー中における、一般式(6)で表されるポリシロキサン構造の含有量は、0質量%超90質量%以下が好ましい。
一般式(6)中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(6)中、p1は10〜1000の整数を表す。
一般式(6)で表される構造は、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマー中に、どのように導入されていてもよい。すなわち、前記ポリマー中の主鎖に導入されていてもよいし側鎖に導入されていてもよい。また、上記ポリシロキサン構造の他に任意の構造を有してもよい。
主鎖に一般式(6)で表される構造を含む前記ポリマーは、下記一般式(7)で表される構成成分を含むことが好ましい。
即ち、前記ケイ素原子を含むモノマーとしては、下記一般式(7)で表される構成成分を形成し得るモノマーが好ましい。
上記一般式(7)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基又はシアノ基を表し、R〜R12はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基又はフェニル基を表す。
q1、q2はそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。
q3、q4はそれぞれ独立して0〜10の整数を表す。
p2は10〜1000の整数を表す。
なお、こうした一般式(7)で表される構成成分を形成するためのモノマーは、例えば特公平6−104711号公報、特開平6−93100号公報等に記載のごとくに合成できる。
以下、主鎖に一般式(6)で表される構造を含む前記ポリマーに含まれる、該一般式(6)で表される構造を含む構成成分(例えば、一般式(7)で表される構成成分)の具体例(具体例S−(1)〜S−(35))を示すが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
次に、側鎖に一般式(6)で表される構造を含む前記ポリマーに含まれる、一般式(6)で表されるポリシロキサン構造を含む構成成分について説明する。
この構成成分を形成するためのケイ素原子含有モノマーは、一般式(6)で表される構造に加えて重合性基を有していることが好ましい。
以下、側鎖に一般式(6)で表される構造を含む前記ポリマーに含まれる、一般式(6)で表される構造を含む構成成分の具体例(具体例S’−(1)〜S’−(35))について説明する。
(フッ素原子を含むポリマーとケイ素原子を含む化合物との混合物)
本発明における疎水性絶縁膜は、フッ素原子を含むポリマーとケイ素原子を含む化合物との混合物を少なくとも1種含むことも好ましい。
ここで、前述したとおり、「フッ素原子を含むポリマー」は、フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマーであり、「ケイ素原子を含む化合物」は、ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物である。
−フッ素原子を含むポリマー−
前記フッ素原子を含むポリマーは、例えば、フッ素原子を含むモノマーを(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより合成される。
フッ素原子を含むポリマーの合成に用いられるフッ素原子を含むモノマーとしては、前述したフッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーの合成に用いられるフッ素原子を含むモノマーと同様のモノマーを用いることができ、好ましい範囲も同様である。
即ち、前記フッ素原子を含むポリマーは、フッ素原子を含むモノマーに由来する構成成分(および必要に応じ他のモノマーに由来する構成成分)を含有することが好ましい。
前記フッ素原子を含むポリマー中における、フッ素原子を含むモノマーに由来する構成成分の含有量は、ポリマー全量に対し、50質量%〜100質量%が好ましく、60質量%〜100質量%がより好ましい。
前記ポリマーの数平均分子量は、10〜10が好ましく、5×10〜5×10がより好ましく、10〜10が特に好ましい。
−ケイ素原子を含む化合物−
ケイ素原子を含む化合物としては、前記一般式(6)で表される構造を含むことが好ましい。
ケイ素原子を含む化合物の数平均分子量は、10〜10であることが好ましく、より好ましくは5×10〜5×10であり、特に好ましくは10〜10である。
また、上記ケイ素原子を含有する化合物を効果的にアンカリングするために、上記ケイ素原子を含有する化合物は、反応性有機官能基を含むことが好ましい。
上記ケイ素原子を含有する化合物として、より好ましくは、反応性有機官能基を有するシロキサン化合物であり、更に好ましくは、下記一般式(A)で表される化合物である。
一般式(A)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の有機基を表す。但し、R、R、及びRのうち少なくとも1つは、反応性有機官能基である。R〜Rが複数存在する場合には、複数存在するR〜Rは同一であっても異なっていてもよい。xは1≦x≦4を満たす整数を表し、yは10≦y≦500を満たす整数を表し、zは0≦z≦500を満たす整数を表す。一般式(A)中、y個の−OSi(R−とz個の−OSi(R−とからなる部位は、ランダム共重合により形成された部位であってもブロック共重合により形成された部位であってもよい。
前記反応性有機官能基としては、不飽和二重結合を有する基、エポキシ構造を有する基、オキセタン構造を有する基、等が挙げられる。
不飽和二重結合を有する基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する基、アリル基を有する基等が挙げられる。
ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
前記不飽和二重結合を有する基として、より好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基または(メタ)アクリロイルアミノアルキル基である。
一般式(A)において、R2は、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の置換又は無置換の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)又は炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基又はフェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
一般式(A)において、R、R、及びRは、それぞれ独立に、反応性有機官能基であってもよい炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の置換又は無置換の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)、炭素数1〜10の反応性有機官能基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、フェニル基、炭素数1〜10の反応性有機官能基であり、特に好ましくはメチル基、反応性有機官能基である。
但し、R、R、及びRの少なくとも1つは、反応性有機官能基である。
xは1≦x≦4を満たす整数を表す。
yは10≦y≦500を満たす整数を表し、好ましくは50≦y≦400を満たす整数であり、特に好ましくは100≦y≦300を満たす整数である。
zは0≦z≦500を満たす整数を表し、好ましくは0≦z≦yを満たす整数であり、特に好ましくは0≦z≦0.5yを満たす整数である。
一般式(A)中、y個のシロキサン単位(即ち、−OSi(R−)とz個のシロキサン単位(即ち、−OSi(R−)とからなる部位は、これらの単位を形成するためのモノマーのランダム共重合により形成された部位であってもよいし、これらの単位を形成するためのモノマーのブロック共重合により形成された部位であってもよい。また、当該部位は、y個のシロキサン単位(即ち、−OSi(R−)を形成するモノマーの単独重合によって形成された部位であってもよい(zが0の場合)。
一般式(A)で表される化合物の重量平均分子量(Mw)は、10〜10であることが好ましく、より好ましくは5×10〜5×10であり、特に好ましくは10〜10である。
上記ケイ素原子を含む化合物(例えば一般式(A)で表される化合物)は、市販されているもの、例えば“KF−100T”、“X−22−169AS”、“KF−102”、“X−22−3701IE”、“X−22−164B”、“X−22−5002”、“X−22−173B”、“X−22−174D”、“X−22−167B”、“X−22−161AS”{(商品名)、以上信越化学工業(株)製};“AK−5”、“AK−30”、“AK−32”{(商品名)、以上東亜合成(株)製};“サイラプレーンFM0275”、“サイラプレーンFM0721”{(商品名)、以上JNC(株)製};“TEGO Rad2010”、“TEGO Rad2011”、“TEGO Rad2100”、“TEGO Rad2200N”、“TEGO Rad2250”、“TEGO Rad2300”、“TEGO Rad2500”、“TEGO Rad2600”、“TEGO Rad2700”{(商品名)、以上エボニックデグサジャパン(株)製}等を用いることもでき、また市販の水酸基、アミノ基、メルカプト基等の反応性基を有するポリシロキサン化合物に対して官能基を導入する等の手法によって合成することもできる。
以下に、本発明に有用なケイ素原子を含む化合物の好ましい例(具体例SM−1〜SM−32)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−混合質量比の好ましい範囲−
上述した、フッ素原子を含むポリマーとケイ素原子を含む化合物との混合物において、混合質量比〔ケイ素原子を含む化合物/(フッ素原子を含むポリマー+ケイ素原子を含む化合物)〕には特に制限はないが、1〜90質量%が好ましく、1〜85質量%がより好ましく、2〜80質量%が特に好ましい。
(コーティング組成物)
本発明における疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有するコーティング組成物を用いて好適に作製される。
皮膜の長期耐久性の観点から、疎水性膜塗布後に硬化反応を行うことが望ましい。そのため、前記コーティング組成物には、適宜硬化触媒、あるいは硬化剤等が配合されても良く公知のものを使用することができる。
これらは、前記コーティング組成部に含まれる素材の、架橋反応性部位の硬化反応性に応じて選択される。
例えばコーテンク組成物に含まれる素材が、加水分解性シリル基を硬化反応性部位として含有する場合には、ゾルゲル反応の触媒として公知の酸あるいは塩基触媒を配合することができ、例えば塩酸、硫酸、硝酸などの無機ブレンステッド酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機ブレンステッド酸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等のルイス酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミンなどの有機塩基類などを挙げることができるが、特に酸触媒が好ましく、中でもパラトルエンスルホン酸等の有機ブレンステッド酸類またはジブチル錫ジラウレート等のルイス酸類が好ましい。
また、光の作用によって酸あるいは塩基等の硬化促進剤発生する化合物を使用しても良い。
これらの化合物を使用する場合には、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が可能になる。
光の作用により酸を発生する化合物としては、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号等に種々の例が記載されておりこれら公知の化合物を使用することができる。
具体的には、RSO (Rはアルキル基、アリール基を表す)、AsF6 、SbF6 、PF6 、BF 等をカウンターイオンとするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。
光の作用で塩基を発生する化合物も公知のものを使用することができ、具体的にはニトロベンジルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類等を挙げることができる。
一方硬化反応性部位が水酸基等の活性水素を有する基である場合には硬化剤を配合することが好ましく、かかる硬化剤としては、例えばポリイソシアネート系、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物などを挙げることができる。
ポリイソシアネート系としては、m−キシリレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、メチルシリルトリイソシアネートなどのシリルイソシアネート化合物、およびこれらイソシアネート化合物の部分縮合物、多量体や、多価アルコール、低分子量ポリエステル皮膜などとの付加物、イソシアネート基をフェノールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
アミノプラストとしては、メラミン皮膜、グアナミン皮膜、尿素皮膜などが採用される。
中でもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールの1種または2種以上により少なくとも部分的にエーテル化されたメチロールメラミン(例えばヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテル化メチロールメラミン、ブチルエーテル化メチロールメラミン等)、あるいはこれらの縮合物などが挙げられる。
本発明において、各成分の配合量は適宜選定することが可能であるが、上記含フッ素共重合体100質量部当り、硬化剤が0.5〜300質量部程度の量が好ましく、含フッ素共重合体100質量部当り、硬化剤を5.0〜100質量部程度とすることがより好ましい。
前記コーティング組成物は、通常構成素材を適当な溶剤に溶解して作製される。
この際ポリマーの濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1〜20質量%程度である。
上記溶剤としては、コーティング組成物に含まれる素材が沈殿を生じることなく、均一に溶解または分散されるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併用することもできる。
好ましい例としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
本発明における疎水性絶縁膜の膜厚には特に限定はないが、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜1μmである。前記疎水性絶縁膜の膜厚が上記範囲であると、絶縁性と駆動電圧とのバランスの点で好ましい。
(疎水性絶縁膜の作製方法)
本発明における疎水性絶縁膜は、第1基板の導電性の表面側(例えば、第1基板が導電膜を有する場合には少なくとも導電膜上)に前記フッ素原子を含むポリマー、およびケイ素原子を含むコーティング組成物を用いて疎水性絶縁層を形成する絶縁膜形成工程と、を有する方法により好適に作製できる。
前記第1基板上への硬化性層の形成は、公知の塗布法又は転写法により行うことができる。
塗布法の場合、第1基板上に前記コーティング組成物を塗布して(更に、好ましくは乾燥させて)疎水性絶縁膜を形成する。前記塗布の方法には特に制限はなく、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法の場合、予め、前記コーティング組成物を用いて形成された絶縁性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の絶縁性層を第1基板上に転写することにより、第1基板上に絶縁性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や、特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
皮膜の長期耐久性の観点から、疎水性膜塗布後に硬化反応を行うためには、例えば、活性エネルギー線の照射(以下、「露光」ともいう)及び加熱の少なくとも一方によって行うことができる。
前記露光に用いられる活性エネルギー線としては特に限定はなく、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。前記露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行ってもよい。
前記露光における露光量は適宜設定できるが、例えば、10mJ/cm〜2000mJ/cmとすることができ、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
前記加熱は、例えばホットプレートや炉を用いた公知の方法により行うことができる。
加熱温度は適宜設定できるが、例えば、100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定できるが、例えば、2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
<第1基板、第2基板>
本発明における第1基板は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性を有する基板である。
本発明における第2基板は、前記第1基板の導電性の表面に対向するように配置される基板である。
本発明における光学素子を画像表示装置や可変焦点レンズに用いる観点からは、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方は、光透過性を有していることが好ましく、具体的には、380nm〜770nmの波長領域全域に渡り透過率が80%以上(より好ましくは90%以上)であることが好ましい。
(第1基板)
前記第1基板は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性を有していれば特に限定はない。この導電性の表面が、光学素子における電極として機能する。
ここで「導電性」としては電圧を印加できる程度の性質であれば特に制限はないが、例えば、表面抵抗500Ω/□以下(好ましくは70Ω/□以下、より好ましくは60Ω/以下、更に好ましくは50Ω/□以下)の性質が好適である。
前記第1基板は、単一構成の導電性基板(金属基板等)であってもよいし、支持基板と支持基板上に設けられた導電膜(パターニングされた導電膜であってもパターニングされていない導電膜であってもよい)とを有する構成の基板であってもよい。
中でも、本発明における光学素子を画像表示装置や可変焦点レンズに用いる観点からは、第1基板の構成は、支持基板と支持基板上に設けられた導電膜とを有する構成であることが好ましい。この形態では、第1基板における導電性の表面は、導電膜の表面に相当する。
前記支持基板としては、ガラス基板(例えば、無アルカリガラス基板、ソーダガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板等)、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、ケイ素基板等の半導体基板等を用いることができる。中でも、光透過性の観点から、ガラス基板又はプラスチック基板が好ましい。
また、前記支持基板としては、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合には、前記導電膜がTFTに接続された形態(即ち、前記導電膜が、TFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
前記TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
前記導電膜の比抵抗には特に制限はないが、例えば、1.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。
前記導電膜としては、金属膜を用いることもできるが、光透過性の観点からは、透明導電膜が好ましい。
前記透明導電膜は、380nm〜770nmの波長領域全域に渡り透過率が80%以上(より好ましくは90%以上)であることが好ましい。
前記透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(ITO(Indium Tin Oxide)とも呼ばれている)、酸化インジウム亜鉛(IZO(Indium Zinc Oxide)とも呼ばれている)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及び酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む膜が挙げられる。
中でも、前記透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜であることが、光透過性及び導電性の観点から好ましい。
酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜における酸化スズの添加量は、5〜15質量%の範囲が、抵抗値を小さくするためには好ましく、8〜12質量%がさらに好ましい。
(第2基板)
前記第2基板としては特に限定はなく、例えば、上記支持基板として例示した基板を用いることができる。
また、前記第2基板としては、前記第1基板と同様に、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性を有する基板を用いることもでき、この場合の第2基板の好ましい形態は前記第1基板の好ましい形態と同様である。
前記第2基板が導電膜を有する形態では、該導電膜が、例えば、親水性液体に電位を付与するための電極として機能する。
本発明の光学素子を画像表示装置の画素として用いる場合の特に好ましい形態として、第2基板の導電膜に複数画素に渡る共通の電位を付与する一方、第1基板の導電膜表面には画素ごとに独立した電位を付与することで、各画素に独立した電圧を印加する形態である。この形態については、公知の液晶表示装置の形態を参照することができる。
<オイル>
本発明におけるオイルは、非導電性のオイルである。
前記オイルは、単一成分のオイルであってもよいし、二種以上の成分を含むオイル(オイル組成物)であってもよい。
また、「非導電性」については特に限定はないが、例えば比抵抗10Ω・cm以上(好ましくは10Ω・cm以上)の性質を指す。
また、前記オイルは、比誘電率が小さいことが好ましい。
具体的には、前記オイルの比誘電率は10.0以下の範囲が好ましく、2.0〜10.0の範囲であることがより好ましい。この範囲内であると、比誘電率が10.0を超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動(動作)させ得る点で好ましい。
ここで、比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
また、前記オイルの粘度としては、20℃での動的粘度で10mPa・s以下であることが好ましい。中でも、該粘度は、0.01mPa・s以上が好ましく、更には0.01mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。前記オイルの粘度が10mPa・s以下であることで、粘度が10mPa・sを超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動させ得る点で好ましい。
なお、前記動的粘度は、粘度計(500型、東機産業(株)製)を用いて20℃に調整して測定される値である。
前記オイルは、実質的に、後述の親水性液体と混ざり合わないことが好ましい。
具体的には、オイルの親水性液体に対する溶解度(25℃)は、0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。
前記オイルは、溶媒として、非極性溶媒の少なくとも一種を含有することが好ましい。ここで、非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。
前記非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒);前記脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等);シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等);等が挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
前記非極性溶媒の含有量は、オイルに含まれる溶媒の全量に対して、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。非極性溶媒の含有量が70質量%以上であることで、より優れた光シャッター特性を発現させることができる。また、オイルが色材を含有する場合には、オイルへの色材の溶解性がより良好に保たれる。
(色材)
例えば、本発明の光学素子を画像表示装置の画素として用いる場合には、前記オイルは色材の少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記色材としては特に制限はなく、前記非極性溶媒に対して溶解性、分散性を有する色素の中から、本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択することができる。
前記色材としては、前記非極性溶媒に対し溶解性を示す染料又は顔料が好ましく、染料がより好ましい。
前記色材としては特に限定はないが、例えば、画像表示装置用カラーフィルタ(例えば、液晶表示装置用カラーフィルタや固体撮像素子用カラーフィルタ等)の分野で公知の色素のうち、非極性溶媒に溶解するものを適宜選択して用いることができる。
前記色素としては、例えば、メチン系色素(例えば、ピラゾロンメチン系色素、ピリドンメチン系色素、イソオキサゾロンメチン系色素、イソオキサゾリンメチン系色素、等)、アゾメチン系色素(例えば、ピラゾロン系アゾメチン色素、ピリドン系アゾメチン色素、イソオキサゾロン系アゾメチン色素、ピロロトリアゾール系アゾメチン色素、ピラゾロントリアゾール系アゾメチン色素、ナフトール系アゾメチン色素、等)、アゾ系色素(例えば、モノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、ベンゾチアゾリルモノアゾ系色素、ピラゾールアゾ系色素、アニリノアゾ系色素、ピラゾロトリアゾールアゾ系色素、ピリドンアゾ系色素)、ジピロメテン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、アンスラピリドン系色素、ベンジリデン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、フェノチアジン系色素、キサンテン系色素、フタロシアニン系色素、ベンゾピラン系色素、インジゴ系色素、等の各種の色素を挙げることができる。
前記色素として、より具体的には、Oil Blue N(アルキルアミン置換アントラキノン)、Solvent Green、Sudan Red、Sudan Blackなどが挙げられる。
また、前記色材としては、国際公開第2011/111710号パンフレット、国際公開第2008/142086号パンフレット、特開2009−138189号公報に記載の色材も好ましく用いることができる。
前記色素は公知の方法に準じて合成することができる。
例えば、前記アゾメチン系色素の合成は、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.),1957年、79巻、583頁、特開平9−100417号公報、特開2011−116898号公報、特開2011−12231号公報、特開2010−260941号公報、特開2007−262165号公報などに記載の方法に準じて行なうことができる。
また、ピラゾロンメチン系色素の合成は、例えば、特開2008−248123号公報、特開平2−3450号公報、特開昭49―114420号公報、特許第2707371号、特開平5−45789号、特開2009−263517号、特開平3−72340号などに記載の方法に準じて行なうことができる。
また、イソオキサゾロンメチン系色素の合成は、例えば、特許第2707371号、特開平5−45789号、特開2009−263517号、および特開平3−72340号、など記載の方法に準じて行なうことができる。
また、モノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、及びアントラキノン色素の合成は、例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年、Bulletin of
the Chemical Society of Japan, 第76巻、第607−612頁、2003年、Bulletin of the Chemical Society of Japan, 第72巻、第127−132頁、1999年、など記載の方法に準じて行なうことができる。
また、ジピロメテン系色素の合成は、例えば、特開2008−292970号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
また、アゾ系色素の合成は、特許第4408380号、特許第4642403号、特許第4357383号、特許第4359541号、特開2006−91190号、特開2007−31616号、特開2007−39478号、特許第4597806号、特開2002−371079号、及び特許第4666873号の各公報などに示す公知の方法で製造することができる。
前記色材は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
オイルが色材を含有する場合、色材の含有量は特に制限されるものではなく、その目的に応じて任意の濃度で調製することができる。
前記色材の含有量は、オイル全質量に対して、例えば0.2質量%以上とすることができ、必要とされるεC値(εはオイルの吸光係数)に応じて溶媒(例えば非極性溶媒)により希釈して用いられる。
色相や色濃度の観点から、前記色材の含有量は、オイル全質量に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、50質量%以上が特に好ましい。
前記オイルは、必要に応じ、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤の含有量に特に制限はないが、通常、オイルの全質量に対して20質量%以下程度で用いられる。
<親水性液体>
本発明における親水性液体は、導電性の親水性液体である。
ここで「導電性」については特に限定はないが、例えば比抵抗10Ω・cm以下(好ましくは10Ω・cm以下)の性質を指す。
前記親水性液体は、例えば、電解質及び水性溶媒を含んで構成される。
前記電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。
親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
また、前記親水性液体は、水性溶媒として、水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。水以外の水性溶媒としては、エタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
<その他の部材>
本発明の光学素子は、第1基板上に、セルの領域を確定する隔壁を有することが好ましい。この隔壁は、既述のとおり、第2基板に接していてもよいし、第2基板に接していなくてもよい。
前記隔壁は樹脂を含むことが好ましく、例えば、液晶表示装置等の画像表示装置に用いられる公知の隔壁と同様の構成とすることができる。
前記隔壁は、例えば、感光性レジストや感光性フィルムを用いた公知のフォトリソグラフィー法によって形成することができる。
本発明の光学素子は、更に必要に応じ、親水性液体と第1基板の導電性の表面との間に電圧を印加するための電圧印加手段(例えば電源)、セルギャップ(第1基板に設けられた疎水性絶縁膜表面と第2基板との距離)を確保するためのスペーサー等のその他の部材を有していてもよい。本発明の光学素子に用いられることがあるその他の部材としては、例えば、液晶表示装置等の画像表示装置に用いられる公知の部材を用いることができる。
なお、本発明におけるセルのセルギャップ(第1基板に設けられた疎水性絶縁膜表面と第2基板との距離)には特に制限はないが、例えば、3μm〜100μmの範囲で適宜設定することができる。
また、本発明におけるセルのセル面積は、100μm〜100cmの範囲が好ましく、より好ましくは500μm〜10cmの範囲であり、特に好ましくは1000μm〜1cmの範囲である。
また、本発明におけるセル内は、オイルと親水性液体とで満たされていることが好ましい。オイルと親水性液体との体積比率(オイル:親水性液体)は、好ましくは1:1000〜1:0.1、より好ましくは1:100〜1:1、特に好ましくは1:50〜1:2である。
≪画像表示装置≫
本発明の画像表示装置は、既述の本発明の光学素子を有する画素を備え、前記オイルが色材を含有する。
本発明の画像表示装置は、既述の本発明の光学素子を有する画素を備えているので、電圧オン及び電圧オフを繰り返したときの疎水性絶縁膜の劣化が抑制され、繰り返し駆動時の耐久性に優れる。
本発明の画像表示装置の好ましい形態については前述のとおりである。
より具体的には、本発明の画像表示装置は、公知の液晶表示装置の構成における液晶を、オイル及び親水性液体に置き換えた構成とすることができる。これにより、従来の液晶表示装置と同様に駆動させることができる。
即ち、本発明の画像表示装置は、本発明の光学素子を有する画素に加え、必要に応じ、バックライト、セルギャップ調整用のスペーサー、封止用のシール材等、公知の液晶表示装置と同様の部材を備えて構成することができる。
このとき、オイル及び親水性液体は、例えば、第1基板上の隔壁によって区画された領域に、インクジェット法により付与して設けることができる。
本発明の画像表示装置は、例えば、前記第1基板を準備する第1基板準備工程と、前記第1基板の導電性表面側に前記疎水性絶縁膜を形成する工程と、前記第1基板の前記疎水性絶縁膜形成面上を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁により区画された領域に、(例えばインクジェット法により)前記オイル及び前記親水性液体をこの順に付与する付与工程と、前記付与工程後の前記第1基板のオイル及び親水性液体が付与された側に前記第2基板を重ねてセルを形成するセル形成工程と、(更に必要に応じ、第1基板と第2基板とを前記セルの周囲で接着することにより、前記セルを封止する封止工程と、)を有する方法が挙げられる。
第1基板と第2基板との接着は、液晶表示装置の作製に通常用いられるシール材を用いて行うことができる。
また、隔壁形成工程の後であってセル形成工程の前に、セルギャップ調整用のスペーサーを形成するスペーサー形成工程が設けられていてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[合成例]
<フッ素原子およびケイ素原子を含有するポリマーの合成>
フッ素原子およびケイ素原子を含有するポリマーである、表1に示すポリマーP−1〜P−28を合成した。
同様に、比較ポリマーとして、フッ素原子を含有しケイ素原子を含有しないポリマーである、表1に示すポリマーPr−1およびPr−2を合成した。
ポリマーP−1〜P−28、Pr−1およびPr−2は、特開2007−51203号の段落0185〜0187に記載の合成方法に従い、表1に示す各成分を共重合させることにより合成した。

(表1の説明)
・表1に示す各成分の数値は質量比である。
・表1は重合単位の組み合わせとして表記する。
・フッ素含有モノマー成分の量およびその他の成分の量は、ケイ素含有モノマーを含む構成単位を除いた成分の中の質量分率(質量%)を示す。
・また、ケイ素含有モノマーについては、ケイ素含有モノマーを含む構成単位を含めた質量分率(質量%)を示す。
・「HFP」はヘキサフルオロプロピレンであり、「HEVE」は2−ヒドロキシエチルビニルエーテルであり、「EVE」はエチルビニルエーテルである。
・フッ素含有モノマー成分欄の「M1−(1)」等や、ケイ素含有モノマー構成単位欄の「S−(1)」等は、前述した具体例である。
〔実施例1〜28〕
<硬化性組成物A1〜A28の調製>
上記で合成されたポリマーP−1〜P−28のそれぞれをメチルエチルケトンに溶解させて固形分6%溶液を調製した後、さらに「サイメル303」(商品名、三井サイテック(株)製のメチロールメラミン)をポリマー固形分に対して20%、およびp−トルエンスルホン酸(和光純薬(株)製)をポリマー固形分に対して0.5%となるように加えた。得られた溶液を0.1μmのテトラフロロエチレン製フィルターでろ過し、硬化性組成物A1〜A28をそれぞれ調製した。
組成物とポリマーとの対応は下記表2に示すとおりである。
<オイルの調製>
下記組成中の成分を混合し、オイルを得た。
得られたオイルは黒色であり、その動的粘度(20℃)を粘度計で測定したところ、7.9mPa・sであった。
以下、オイルを「黒インク」とも称することがある。
−オイル(黒インク)の組成−
下記色素Y1 … 260mg
下記色素M1 … 200mg
下記色素M2 … 160mg
下記色素C1 … 300mg
下記色素C2 … 100mg
n−デカン … 4080mg
<テストセルの作製>
以下のようにして、図4に示す構造の光学素子(テストセル300)を作製した。
図4は、本実施例に用いたテストセルの概略断面図である。
まず、第1基板211として、膜厚100nmの酸化インジウムスズ膜(ITO膜;透明電極)211bが形成されたガラス基板(1cm角)211aを準備した。
このガラス基板211aのITO膜211b上に、上記で得られた硬化性組成物A1〜A28のいずれか1つを塗布して塗布層を形成し、引き続き、VCD(真空乾燥装置、東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベーク処理して硬化性組成物層を得た。得られた硬化性組成物層に対し、窒素雰囲気下、超高圧水銀灯を用いて露光量300mJ/cmで露光することで、硬化性組成物層に含まれる多官能性化合物を重合させて硬化性組成物層を硬化させた。更に、露光後の硬化性組成物層に対し、240℃で50分間加熱処理を施した。
以上により、ITO膜211b上に、多官能性化合物に由来する架橋構造を有する疎水性絶縁膜220(架橋膜;膜厚100nm)を形成した。
形成された疎水性絶縁膜220上に、厚み20μmのフォトレジストフィルム(日立化成社製、商品名フォトキャスト)を重ねた後、格子状パターンを有するフォトマスク(格子の大きさ200μm角、格子の線幅20μm)を介して上記フォトレジストフィルムを露光し、アルカリ現像処理を行うことで隔壁(高さ20μm、幅20μm)223を作製した。
隔壁形成後のガラス基板の縁に、シール材232として、厚み40μm、幅1mmのシリコンゴム(扶桑ゴム社製、商品名シリウス)を置いた。
次に、隔壁に223よって区画された領域に、オイル216として、上記で得られたオイル(黒インク)を、厚み4μmとなるようにインクジェット法により注入し、その上に、親水性液体214としての電解液(NaClの濃度が1mol/LのNaCl水溶液)を厚み36μmとなるよう注入した。
その上に、ITO膜212bが設けられたガラス基板212a(第2基板212)を、ITO膜212bが親水性液体214(電解液)側となるように置き、疎水性絶縁膜220が設けられた第1基板211と第2基板212とを、シリコンゴム(シール材232)によって固定した。
以上のようにして、図4に示すテストセル300を作製した。
<疎水性撥水膜上におけるオイルの濡れ広がり状態の評価>
電圧を印加しない状態(電圧オフ状態)の、疎水性絶縁膜220上における黒インク(オイル216)の広がり方を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
評価結果を下記表2に示す。
−評価基準−
A : 隔壁内全体に均一に黒インクが広がっていた(例えば図4の状態)。
B : 隔壁内の半分程度に黒インクが広がっていた。
C : 隔壁内に局所的に黒インクが集まっていた。
<駆動性の評価>
得られたテストセル300の上下の透明電極(ITO膜212b及びITO膜211b)をそれぞれ信号発生器に接続して、直流電圧15Vを印加(電圧オン状態)、黒インク(オイル216)が縮んで透明な状態となることが確認された(不図示)。
次に、直流電圧の印加を止めると(電圧オフ状態とすると)、再び黒インク(オイル216)が疎水性絶縁膜220上に広がり、黒色の状態となった。
以上の電圧オン及び電圧オフのサイクル(直流電圧の印加時間30秒、インターバル(電圧無印加の時間)30秒)を500回繰返し行った。
そして、このサイクルを500回繰返し行った後に、電圧オン状態として黒インク(オイル216)を縮ませ、この状態を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
評価結果を下記表2に示す。
−駆動性の評価基準−
A : 電圧印加により、黒インクの収縮が見られ、上記サイクルを繰り返した後も、繰り返し前と比較し、収縮挙動に変化は見られなかった。
B : 電圧印加により、黒インクの収縮は見られたものの、上記サイクルを繰り返した後は、繰り返し前と比較し、収縮スピードがやや遅くなった。
C : 上記サイクルを500回繰返し行った後は黒インクがほとんど縮まず、上記サイクルを500回繰返したことにより、電圧印加に対する応答性が大幅に劣化した
〔比較例1および2〕
実施例1の硬化性組成物A1の調製において、ポリマーP−1を、ポリマーPr−1またはPr−2に変更したこと以外は同様にして、比較組成物Pr−1およびPr−2をそれぞれ調製した。
更に、実施例1において、硬化性組成物A1を比較組成物Pr−1またはPr−2に変更したこと以外は実施例1と同様にしてテストセルを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を下記表2に示す。
〔比較例3〕
実施例1のテストセルの作製において、硬化性組成物A1を用いて作製された疎水性絶縁膜を、デュポン社製のテフロン(登録商標)AF−1600を用いて作製された疎水性絶縁膜に変更したこと以外は実施例1と同様にしてテストセルを作製し、実施例1と同様の評価を行った。ここで、AF−1600は、架橋構造を有しないアモルファスフルオロポリマーである。
評価結果を下記表2に示す。
〔比較例4〕
実施例1のテストセルの作製において、硬化性組成物A1を用いて作製された疎水性絶縁膜220を、旭硝子(株)製のサイトップ「CTL−809M」を用いて作製された疎水性絶縁膜に変更したこと以外は実施例1と同様にしてテストセルを作製し、実施例1と同様の評価を行った。ここで、サイトップは、架橋構造を有しないアモルファスフルオロポリマーである。評価結果を下記表2に示す。
表2に示すように、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーを含有する疎水性絶縁膜を用いた実施例1〜28のテストセルは、フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマーを含有する疎水性絶縁膜を用いた比較例1及び2のテストセルと比較して、疎水性絶縁膜上におけるインクの濡れ広がり性に優れるとともに、EWD駆動性に優れていた。
〔実施例29〜36〕
実施例1において、疎水性絶縁膜を形成する硬化性組成物A1中のポリマーP−1を、下記表3に示す成分に変更したこと以外は実施例1と同様にしてテストセルを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を下記表3に示す。
(表3の説明)
・表3に示す各成分の数値は質量比である。
・P−2、P−14、およびPr−1は、前述のポリマーである。
・S−1は、KF−100T(信越化学工業(株)製)である
・S−2は、「TEGO Rad2010」(エボニックデグサジャパン(株)製)である。
表3に示すように、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマーまたはフッ素原子を含むポリマーと、ケイ素原子を含む化合物と、を含有する疎水性絶縁膜を用いた実施例29〜36のテストセルは、表2に示した比較例1及び2のテストセルと比較して、疎水性絶縁膜上におけるインクの濡れ広がり性に優れるとともに、EWD駆動性に優れていた。
11、111、211 … 第1基板
12、112、212 … 第2基板
14、114、214 … 親水性液体
16、116、216 … オイル
17A、17B、117A、117B … 親水性液体とオイルとの界面
20、120、220 … 疎水性絶縁膜
22a、22b、122a、122b … 側面
30、130 … セル
100、200 … 光学素子
223 … 隔壁
232 … シール材
300 … テストセル

Claims (7)

  1. 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1基板と、
    前記第1基板の導電性の表面に対向するように配置された第2基板と、
    前記第1基板の導電性の表面と前記第2基板との間に設けられた、非導電性のオイル及び導電性の親水性液体と、
    前記第1基板の導電性の表面側の少なくとも一部に設けられ、前記オイルと接触し、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物とケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有する疎水性絶縁膜と、
    を有するセルを備え、
    前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物が、下記一般式(A)で表される化合物であり、
    前記親水性液体と前記第1基板の導電性の表面との間に印加された電圧に応じ、前記オイルと前記親水性液体との界面の形状が変化する光学素子。

    〔一般式(A)中、R 〜R は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の有機基を表す。但し、R 、R 、及びR のうち少なくとも1つは、反応性有機官能基である。R 〜R が複数存在する場合には、複数存在するR 〜R は同一であっても異なっていてもよい。xは1≦x≦4を満たす整数を表し、yは10≦y≦500を満たす整数を表し、zは0≦z≦500を満たす整数を表す。一般式(A)中、y個の−OSi(R −とz個の−OSi(R −とからなる部位は、ランダム共重合により形成された部位であってもブロック共重合により形成された部位であってもよい。〕
  2. 前記電圧に応じ、前記オイルと前記疎水性絶縁膜との接触面積が変化する請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記疎水性絶縁膜は、フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まない化合物と前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含有するコーティング組成物を用いて作製された請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記疎水性絶縁膜が、フッ素原子およびケイ素原子を含むポリマー、並びに、フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマーと前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物との混合物の少なくとも一方を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記混合物において、混合質量比〔前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物/(前記フッ素原子を含みケイ素原子を含まないポリマー+前記ケイ素原子を含みフッ素原子を含まない化合物)〕が、10〜80質量%である請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記疎水性絶縁膜が、前記フッ素原子およびケイ素原子を含む化合物を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光学素子を有する画素を備え、前記オイルが色材を含有する画像表示装置。
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