JP2014178646A - エレクトロウェッティング表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルの分離現象及びオイル成分の親水性液体への拡散を防ぎ、撥水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時の応答性に優れたエレクトロウェッティング表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板12の上に、導電性の親水性液体14を付与する工程と、撥水性絶縁膜20を有する第2の基板11上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒及び染料もしくは顔料を含有する非導電性のオイル16を付与する工程と、第1の基板上の親水性液体と、第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルからなる層と親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する工程と、を有している。
【選択図】図6
【解決手段】少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板12の上に、導電性の親水性液体14を付与する工程と、撥水性絶縁膜20を有する第2の基板11上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒及び染料もしくは顔料を含有する非導電性のオイル16を付与する工程と、第1の基板上の親水性液体と、第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルからなる層と親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する工程と、を有している。
【選択図】図6
Description
本発明は、エレクトロウェッティング表示装置の製造方法に関する。
従来より、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えばオイルと親水性液体の2液)を含むセルを備え、電圧の印加により動作(駆動)する光学素子に関する検討が行なわれている。このような光学素子としては、例えば、光シャッターや可変焦点レンズ、画像表示装置などが知られており、近年では、特にエレクトロウェッティング現象を利用した技術が注目されている。
エレクトロウェッティングディスプレイの製造は、一般に、表示部(セル)の構成上、例えば以下の2通りの方法が考えられる。
(1)TFT基板等の上にあらかじめ設けられた例えば撥液性のある疎水性絶縁膜の膜面にインクを付与し、インク上に例えば電解質を含む親水性液体を付与した後、ITO基板で封入する方法
(2)ITO基板上に例えば電解質を含む親水性液体を付与し、この親水性液体上にインクを付与した後、例えば撥液性の疎水性絶縁膜で封入する方法
(1)TFT基板等の上にあらかじめ設けられた例えば撥液性のある疎水性絶縁膜の膜面にインクを付与し、インク上に例えば電解質を含む親水性液体を付与した後、ITO基板で封入する方法
(2)ITO基板上に例えば電解質を含む親水性液体を付与し、この親水性液体上にインクを付与した後、例えば撥液性の疎水性絶縁膜で封入する方法
上記した製造法のうち、従来は、エレクトロウェッティングディスプレイを製造する際には、TFT等があらかじめ形成された基板が一般に用いられ、この基板に疎水性絶縁膜を付設し、TFTの配設位置に合わせて膜上にさらにシリコーンゴム等のリブ(壁)を設けて複数の画素部(ピクセル)を形成するプロセスを経ることが通例とされている。したがって、上記方法(1)のように、セルには、疎水性絶縁膜にオイルを接触させるため、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入する方法が採られている
エレクトロウェッティングディスプレイの製造に関連する技術として、例えば、親水的なリブに対してはじめに非極性溶液を満たしその上に極性溶液を付与する技術や、パネル様の基板を傾けてその疎水領域にオイルを付する技術などが開示されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
しかしながら、従来の製造方法のうち、上記の方法(1)では、以下のような課題がある。
(イ)疎水性絶縁膜上のインクの上に親水性液体を付与する際、密度差で比重の小さいインクが親水性液体上に浮いてしまい、インクが本来接するべき疎水性絶縁膜の膜面から剥がれてしまう。
(ロ)インク中の染料濃度が高くなると、インク上に付与された親水性液体に染料が拡散して、ピクセル周囲等に汚染が生じる。
(ハ)電圧印加時の動作感度(応答性)の高いインクの場合、上記の(イ)、(ロ)が顕著に現れ(界面張力の関係と推測)、動作感度(応答性)とセル作製の容易化とは相反する関係にある。
(イ)疎水性絶縁膜上のインクの上に親水性液体を付与する際、密度差で比重の小さいインクが親水性液体上に浮いてしまい、インクが本来接するべき疎水性絶縁膜の膜面から剥がれてしまう。
(ロ)インク中の染料濃度が高くなると、インク上に付与された親水性液体に染料が拡散して、ピクセル周囲等に汚染が生じる。
(ハ)電圧印加時の動作感度(応答性)の高いインクの場合、上記の(イ)、(ロ)が顕著に現れ(界面張力の関係と推測)、動作感度(応答性)とセル作製の容易化とは相反する関係にある。
そして、上記した従来の製造技術は、いずれもTFT基板上に付設された疎水性絶縁膜の上に、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入するといった上記方法(1)に基づくものとなっている。そのため、上記のような種々の課題を有している。
また、非極性溶液が付与された基板を傾斜させて極性溶液を付与する製造法によっても、同様に非極性溶液の拡散が抑えられないだけでなく、非極性溶液が疎水性絶縁膜から剥がれたり分離することで、所望厚みの非極性溶液の層が得られず、駆動性能が低下するおそれがある。
また、非極性溶液が付与された基板を傾斜させて極性溶液を付与する製造法によっても、同様に非極性溶液の拡散が抑えられないだけでなく、非極性溶液が疎水性絶縁膜から剥がれたり分離することで、所望厚みの非極性溶液の層が得られず、駆動性能が低下するおそれがある。
また、エレクトロウェッティングディスプレイで表示される画像の色濃度を高めるには、画像形成を担うオイルの濃度、つまりオイルに含有される色材濃度を高めることが必要である。しかし、オイル中の染料濃度を高めると、上記のように親水性液体への拡散画生じやすいばかりか、電圧印加した際のオイルの動作感度(応答性)が低下しやすい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、オイルの撥水性絶縁膜からの分離や剥がれ及びオイル成分の親水性液体への拡散を防ぎ、撥水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時に優れた応答性を示すエレクトロウェッティング表示装置の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、エレクトロウェッティングディスプレイの構造において、撥水性絶縁膜とオイルとの間、及びITO等の電極と親水性液体との間はそれぞれ親和性が高く、しかもインクと親水性液体との間の比重差が大きいため、オイルと親水性液体とを直接重層した後に封止する方法よりも、オイルと親水性液体とを別々の基板に形成しておき、封止する際にはじめて両者を接触させることが、オイル成分の親水性液体への拡散やオイル自体の撥水性絶縁膜からの分離や剥がれの防止効果が高く、薄膜としながらも厚み不均一の少ないオイル層の形成に適しているとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
上記の課題を達成するための具体的な手段は、以下の通りである。
上記の課題を達成するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与する親水性液体付与工程と、撥水性絶縁膜を有する第2の基板上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒と染料及び顔料の少なくとも一方とを含有する非導電性のオイルを付与するオイル付与工程と、前記第1の基板上の親水性液体と、前記第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルと親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する重層工程と、を有するエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<2> 第2の基板の撥水性絶縁膜上に、撥水性絶縁膜の表面を複数の画素領域に区画する隔壁を有し、オイル付与工程は、隔壁で区画された領域にオイルを付与する<1>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<3> 重層工程は、水平方向と平行に配置された第1の基板、及び第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板の、一方を固定して他方を重力方向と平行に移動させることにより、又は両方を相対的に重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させる<1>又は<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<4> オイル付与工程は、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程と、親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成後の膜面を疎水化処理する疎水化工程と、を有し、隔壁で区画された領域に前記オイルを付与する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<2> 第2の基板の撥水性絶縁膜上に、撥水性絶縁膜の表面を複数の画素領域に区画する隔壁を有し、オイル付与工程は、隔壁で区画された領域にオイルを付与する<1>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<3> 重層工程は、水平方向と平行に配置された第1の基板、及び第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板の、一方を固定して他方を重力方向と平行に移動させることにより、又は両方を相対的に重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させる<1>又は<2>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<4> オイル付与工程は、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程と、親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成後の膜面を疎水化処理する疎水化工程と、を有し、隔壁で区画された領域に前記オイルを付与する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<5> 隔壁は、ポリマー材料を用いて形成されている<2>〜<4>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<6> 隔壁形成工程は、感光性を有する硬化性材料を露光、現像して隔壁を形成する<4>又は<5>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<7> 第2の基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性であり、第2の基板の導電性を有する側に撥水性絶縁膜を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<8> 染料及び顔料のオイル中における総含有量が、オイル全量に対して、2質量%以上80質量%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<9> 染料は、炭素数6〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する<1>〜<8>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<6> 隔壁形成工程は、感光性を有する硬化性材料を露光、現像して隔壁を形成する<4>又は<5>に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<7> 第2の基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性であり、第2の基板の導電性を有する側に撥水性絶縁膜を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<8> 染料及び顔料のオイル中における総含有量が、オイル全量に対して、2質量%以上80質量%以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
<9> 染料は、炭素数6〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する<1>〜<8>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法である。
本発明によれば、オイルの撥水性絶縁膜からの分離や剥がれ及びオイル成分の親水性液体への拡散を防ぎ、撥水性絶縁膜とオイルと親水性液体とを重層する際に均一性の高い重層構造が得られ、画像表示時に優れた応答性を示すエレクトロウェッティング表示装置の製造方法が提供される。
以下、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法について、図面を参照して具体的に説明する。但し、本発明においては、図面に示される具体的な実施形態に制限されるものではない。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与する親水性液体付与工程と、撥水性絶縁膜を有する第2の基板上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒及び染料もしくは顔料を含有する非導電性のオイルを付与するオイル付与工程と、第1の基板上の親水性液体と、第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルからなる層と親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する重層工程と、を少なくとも設けて構成されている。
また、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、好ましくは、基板の撥水性絶縁膜形成面を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程や、隔壁形成にあたって撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程などの工程を有し、更には、必要に応じて、基板を準備する工程や、一対の基板間のセルを封止する封止工程、隔壁形成工程の後であって重層工程の前にセルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程などの他の構成が設けられてもよい。
また、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法は、好ましくは、基板の撥水性絶縁膜形成面を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程や、隔壁形成にあたって撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程などの工程を有し、更には、必要に応じて、基板を準備する工程や、一対の基板間のセルを封止する封止工程、隔壁形成工程の後であって重層工程の前にセルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程などの他の構成が設けられてもよい。
オイルと親水性液体とを互いに接触させて重層配置し、電圧印加によりオイルと親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置は、従来から種々の製造技術が提案されている。しかしながら、製造にあたっては、TFT等の駆動素子があらかじめ付設された基板が使用されてきたため、この基板に対し、撥水性絶縁膜を形成し、この撥水性絶縁膜上にTFTの配設位置に合わせて形成された複数の画素部に、撥水性絶縁膜と接するオイル層を形成するため、まずオイルを導入し、その後に親水性液体を導入することが行なわれている。
しかしながら、例えば染料濃度等が低いなどオイル組成によっては、撥水性絶縁膜との親和性が不充分でオイルが拡がりにくく、ひいてはハジキを生じる等により、均一性のある厚みのオイル層を形成できない。また、オイル中の染料等の濃度を高めると、親水性液体表面への拡散が起こり他のピクセルなど周辺を汚染してしまう恐れがある。更に、オイル層上に親水性液体を付与した際に、両者の密度差で比重の小さいオイルが浮上する現象も生じやすい。特に、電圧印加時の動作感度(応答性)に優れたインクほど均一性の高いオイル層が得られにくく、動作感度(応答性)とセル製造適性とをともに成り立たせるのが困難な傾向にあった。
一方、親水性液体上にオイルを付与する方法も考えられるが、染料濃度が高いなどオイル組成によっては、オイル成分が親水性液体表面に拡散しやすく、他のピクセルなど周辺を汚染してしまう恐れがある。
以上のような状況に鑑み、本発明においては、親水性液体よりもオイルとの親和性が高い撥水性絶縁膜を有する基板にはオイルを、この基板とは別の基板には親水性液体を、それぞれあらかじめ付与しておき、これら2枚の基板を親水性液体とオイルとを接触させつつ封止することで、オイルが所望とする位置から剥がれたり、オイルが浮上等して分離する等の現象や、オイル成分(特に染料)の親水性液体への拡散が防止される。これにより、厚みが数ミクロン程度の薄厚のオイル層を均一化して安定的に形成しやすく、歩留まりが向上する。
したがって、本発明では、互いに相反する傾向がある動作感度(応答性)と製造適性(セル作製の容易化)とをともに成り立たせることができる。
しかしながら、例えば染料濃度等が低いなどオイル組成によっては、撥水性絶縁膜との親和性が不充分でオイルが拡がりにくく、ひいてはハジキを生じる等により、均一性のある厚みのオイル層を形成できない。また、オイル中の染料等の濃度を高めると、親水性液体表面への拡散が起こり他のピクセルなど周辺を汚染してしまう恐れがある。更に、オイル層上に親水性液体を付与した際に、両者の密度差で比重の小さいオイルが浮上する現象も生じやすい。特に、電圧印加時の動作感度(応答性)に優れたインクほど均一性の高いオイル層が得られにくく、動作感度(応答性)とセル製造適性とをともに成り立たせるのが困難な傾向にあった。
一方、親水性液体上にオイルを付与する方法も考えられるが、染料濃度が高いなどオイル組成によっては、オイル成分が親水性液体表面に拡散しやすく、他のピクセルなど周辺を汚染してしまう恐れがある。
以上のような状況に鑑み、本発明においては、親水性液体よりもオイルとの親和性が高い撥水性絶縁膜を有する基板にはオイルを、この基板とは別の基板には親水性液体を、それぞれあらかじめ付与しておき、これら2枚の基板を親水性液体とオイルとを接触させつつ封止することで、オイルが所望とする位置から剥がれたり、オイルが浮上等して分離する等の現象や、オイル成分(特に染料)の親水性液体への拡散が防止される。これにより、厚みが数ミクロン程度の薄厚のオイル層を均一化して安定的に形成しやすく、歩留まりが向上する。
したがって、本発明では、互いに相反する傾向がある動作感度(応答性)と製造適性(セル作製の容易化)とをともに成り立たせることができる。
このエレクトロウェッティング表示装置は、親水性液体と第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、オイルと親水性液体との界面の形状を変化させることにより画像を表示する表示媒体である。具体的には、
本発明の製造方法により製造されるエレクトロウェッティング表示装置は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、第2の基板の少なくとも一部に配設された撥水性絶縁膜と、撥水性絶縁膜と第1の基板との間に撥水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒と染料及び/又は顔料とを少なくとも含有する非導電性のオイルと、撥水性絶縁膜と第1の基板との間に、オイルと接するように設けられた導電性の親水性液体と、を設けて構成されたものである。
本発明の製造方法により製造されるエレクトロウェッティング表示装置は、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、第2の基板の少なくとも一部に配設された撥水性絶縁膜と、撥水性絶縁膜と第1の基板との間に撥水性絶縁膜上を移動可能に設けられ、非極性溶媒と染料及び/又は顔料とを少なくとも含有する非導電性のオイルと、撥水性絶縁膜と第1の基板との間に、オイルと接するように設けられた導電性の親水性液体と、を設けて構成されたものである。
以下、本発明のエレクトロウェッティング表示装置及びその製造方法について、図1〜図10を参照して説明する。なお、図1〜図5は、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法の実施形態における工程の一部を示す概略図であり、図6〜図10は、エレクトロウェッティング表示装置である表示セルの構成例を示す概略断面図である。
−親水性液体付与工程−
本発明における親水性液体付与工程では、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する。本発明では、第2の基板への後述のオイル層の形成とは別に、第1の基板に親水性液体層が形成される。
本発明における親水性液体付与工程では、少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与して親水性液体層を形成する。本発明では、第2の基板への後述のオイル層の形成とは別に、第1の基板に親水性液体層が形成される。
本工程では、例えば図1に示すように、表面に導電性を有する第1の基板である基板12上に表示セルを構成するための外壁22a及び外壁22bを設け、外壁22aと外壁22bとで仕切られた凹部に、図2に示すように必要量の親水性液体を注入し、親水性液体層14を形成する。
この表示セルは、内部に単一の画素(ピクセル)を有し、エレクトロウェッティング表示装置の表示部を構成する一画素として機能する。この表示セルを複数個2次元方向に配列することによって、任意の画像表示が可能になる。
基板12は、基材12aと、基板12aに設けられ、導電性を有する導電膜12bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。本実施形態では、基板12は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材12aは、装置の表示形態に応じて、透明性材料又は不透明材料のいずれを用いて形成されたものでもよい。画像を表示する観点からは、基材12aは、光透過性を有していることが好ましい。具体的には、基板12aが、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。
基材12aに用いる材料の例としては、ガラス基板(例えば、無アルカリガラス基板、ソーダガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板等)、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、シリコン基板等の半導体基板等を用いることができる。中でも、光透過性の観点から、ガラス基板又はプラスチック基板が好ましい。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
導電膜12bは、装置の表示形態に応じて、透明性の膜又は不透明膜のいずれであってもよい。導電膜は、導電性を有する膜のことであり、導電性とは、電圧を印加できる程度の電気伝導性を有していればよく、表面抵抗が500Ω/□以下(好ましくは70Ω/□以下、より好ましくは60Ω/以下、更に好ましくは50Ω/□以下)の性質を有していることをいう。
導電膜は、銅膜などの不透明な金属膜、又は透明膜のいずれでもよいが、光透過性を与えて画像表示を行なう観点からは、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。透明導電膜の例としては、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及び酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む膜が挙げられる。中でも、透明導電膜としては、光透過性及び導電性の点で、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜が好ましい。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
導電膜の比抵抗としては、特に制限はなく、例えば、1.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。
好ましい形態として、基板12の導電膜12bに表示画素をなす複数の表示セルに対して共通の電位を付与する一方、後述する基板11の導電膜11bには表示画素(表示セル)毎に独立した電位を付与することで、各表示セル(画素)に独立した電圧を印加する形態が挙げられる。この形態については、公知の液晶表示装置の形態を参照することができる。
上記の外壁22a及び外壁22bを設けて基板11と基板12とを表示セルの周囲で接着することで表示セルにすることは、表示装置を構成する2枚の基板間を封止する封止工程である。封止工程で行なう基板11と基板12との接着は、液晶表示装置の作製に通常用いられるシール材を用いて行なうことができる。
外壁22a、22bは、基板12と後述する基板11との間に挟んで設けられる親水性液体及びオイルを封止するために設けられる。これにより、表示装置とされる。本実施形態では、外壁22a、22bとして、シリコーンゴム壁が設けられている。
外壁形成用の材料としては、シリコーンゴム、アクリレート、メタクリレート、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリエチレン、ポリスチレンなどのアルケン重合体、フッ素系ポリマー、エポキシ樹脂、ガラス、ポリアクリレート、フェノール樹脂などを用いることができる。該壁形成用の材料中には、好ましい光学特性、硬度、柔軟性、耐久性等を得るために、各種添加剤を含有させることも好ましい。
外壁形成材料としては、特開2012−137660号公報、特開2012−108499号公報、特開2012−093559号公報、特開2011−242664号公報、特開2011−225414号公報、WO12/057058号明細書、WO11/155412号明細書、WO09/125806号明細書、WO08/096782号明細書等に記載のものも好ましく用いることができる。
外壁形成材料としては、特開2012−137660号公報、特開2012−108499号公報、特開2012−093559号公報、特開2011−242664号公報、特開2011−225414号公報、WO12/057058号明細書、WO11/155412号明細書、WO09/125806号明細書、WO08/096782号明細書等に記載のものも好ましく用いることができる。
外壁を形成する方法としては、所望の形状が形成できればいずれの方法でもよい。外壁を形成する方法の例として、基板上に光重合性組成物を塗布又はインクジェットにより塗設し、光照射によって光重合性組成物を重合させてパターンを形成する方法、レーザー加工や打ち抜き機などで穿孔してパターンを形成したフィルム状のシリコーンゴムや樹脂を張り合わせる方法、所望の隔壁を形成したフィルムから基板に転写する方法などがある。
本実施形態では、基板12は、導電性を有する基板として配設されているが、基板12は導電膜を設けずに導電性を有しない態様でもよく、例えば導電膜11bと親水性液体層14との間で電圧印加するようにしてもよい。この場合、基板12の構成に特に制限はなく、例えば上記の基材12aに用いられる例として挙げた材料を用いることができる。
表示セル内に付与される親水性液体層14は、導電性の親水性液体である。導電性とは、比抵抗105Ω・cm以下(好ましくは104Ω・cm以下)の性質をいう。
親水性液体は、水性溶媒で構成され、電解質を含んでもよい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これら溶媒を単独で用いてもよいし、混合物で用いてもよい。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
親水性液体層の厚みは、10μm〜300μmが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これら溶媒を単独で用いてもよいし、混合物で用いてもよい。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
親水性液体層の厚みは、10μm〜300μmが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。
−オイル付与工程−
本発明におけるオイル付与工程では、撥水性絶縁膜を有する第2の基板上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒と染料及び顔料の少なくとも一方とを含有する非導電性のオイルを付与し、オイル層を形成する。本発明では、親水性液体が付与される基板に例えば親水性液体の付与に先立って付与するのではなく、親水性液体が付与される基板とは別の基板にオイルを付与してオイル層を形成する。これにより、オイル層形成後にオイル層上に親水性液体が付与されることで生じやすいオイルの撥水性絶縁膜からの分離や剥がれを防ぎ、オイル層を数ミクロン程度の均一性の高い薄膜として形成することができる。
本発明におけるオイル付与工程では、撥水性絶縁膜を有する第2の基板上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒と染料及び顔料の少なくとも一方とを含有する非導電性のオイルを付与し、オイル層を形成する。本発明では、親水性液体が付与される基板に例えば親水性液体の付与に先立って付与するのではなく、親水性液体が付与される基板とは別の基板にオイルを付与してオイル層を形成する。これにより、オイル層形成後にオイル層上に親水性液体が付与されることで生じやすいオイルの撥水性絶縁膜からの分離や剥がれを防ぎ、オイル層を数ミクロン程度の均一性の高い薄膜として形成することができる。
本工程では、例えば図3に示すように、表面に導電性を有する基板11に設けられた撥水性絶縁膜20の上に、必要量のオイルを付与してオイル層16を形成する。
オイル層16を形成するにあたっては、撥水性絶縁膜上に、撥水性絶縁膜の表面を所望の画素領域に区画する隔壁(リブ)を設け、リブで区画された領域にインクを付与し、リブ内にオイル層を形成する態様が好ましい。図3に示す実施形態では、撥水性絶縁膜20の表面を区画する隔壁(リブ)18a、18bが配設されて1つの画素領域(1ピクセル)が形成されており、隔壁18a、18bにより区画された凹状の画素領域(凹部)にインクを付与してオイル層16を形成する。
オイル層16を形成するにあたっては、撥水性絶縁膜上に、撥水性絶縁膜の表面を所望の画素領域に区画する隔壁(リブ)を設け、リブで区画された領域にインクを付与し、リブ内にオイル層を形成する態様が好ましい。図3に示す実施形態では、撥水性絶縁膜20の表面を区画する隔壁(リブ)18a、18bが配設されて1つの画素領域(1ピクセル)が形成されており、隔壁18a、18bにより区画された凹状の画素領域(凹部)にインクを付与してオイル層16を形成する。
オイル層16は、少なくとも非極性溶媒及び染料を含有する非導電性の液体である。オイルは、染料を含むことで着色されている。オイルは、染料と共に顔料を含んでもよい。オイル中の染料及び/又は顔料の含有濃度(染料と共に顔料を含む場合は、染料及び顔料の合計濃度)は、製造適性の観点から、2質量%〜80質量%の範囲とすることができる。染料等の含有量が2質量%以上の少な過ぎない範囲にあると、親水性液体と接触したときに、オイルが弾きにくく、弾いて液滴となるのを防いで均一性のあるオイル層を形成するのに有利である。また、染料等の含有量が80質量%以下の多過ぎない範囲であると、親水性液体と接触したときにオイルが広がり過ぎず、リブ外の親水性液体の汚染がより効果的に抑制される。染料及び/又は顔料の濃度を好適な範囲にすることにより、オイルと親水性液体と撥水膜表面との3者の親和性を適切なバランスに調整することができるため、表示装置の製造適性が向上する。
また、オイル中の染料及び/又は顔料の含有濃度(染料と共に顔料を含む場合は、染料及び顔料の合計濃度)は、表示画像の色濃度や画像コントラスト等の観点では、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。このような濃度で染料等を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、所望とする薄厚のオイル層を均一化して設けられるので、染料濃度を高めつつ応答性(動作感度)を良好に保つことができる。これにより、色濃度の高い画像を、応答性良く表示することができる。
また、オイル中の染料及び/又は顔料の含有濃度(染料と共に顔料を含む場合は、染料及び顔料の合計濃度)は、表示画像の色濃度や画像コントラスト等の観点では、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。このような濃度で染料等を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、所望とする薄厚のオイル層を均一化して設けられるので、染料濃度を高めつつ応答性(動作感度)を良好に保つことができる。これにより、色濃度の高い画像を、応答性良く表示することができる。
非導電性とは、比抵抗が106Ω・cm以上(好ましくは107Ω・cm以上)である性質をいう。
オイルは、比誘電率が小さいことが好ましい。オイルの比誘電率は、10.0以下の範囲が好ましく、2.0〜10.0の範囲がより好ましい。比誘電率がこの範囲内であると、比誘電率が10.0を超える場合と比較して、応答速度が速く、より低い電圧で駆動(動作)させ得る点で好ましい。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
オイルの粘度としては、20℃での動的粘度で10mPa・s以下であることが好ましい。中でも、粘度は、0.01mPa・s以上が好ましく、更には0.01mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。オイルの粘度が10mPa・s以下であることで、粘度が10mPa・sを超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動させ得る点で好ましい。なお、動的粘度は、粘度計(500型、東機産業(株)製)を用いて20℃に調整して測定される値である。
オイルは、実質的に後述する親水性液体と混ざり合わないことが好ましい。具体的には、オイルの親水性液体に対する溶解度(25℃)が、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。
オイルと撥水性絶縁膜の接触角は大きいことが好ましい。具体的な接触角の値としては30°以上が好ましく、35°以上が特に好ましい。この値が小さいとセル内でインクが広がりやすく、電荷を印加しても駆動しにくくなる。なお、接触角は協和界面科学社製DM−701を用いて測定される値である。
オイルと親水性液体間の界面張力は小さいほうが好ましい。具体的な界面張力の値としては20mN/m以下が好ましく、15mN/m以下がより好ましい。なお、オイルと親水性液体間の界面張力は協和界面科学社製DM−701を用い、ペンダント・ドロップ法によって測定した値である。
オイル層の厚みは、0.1μm〜20μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。本発明の製造方法では、このような厚みのオイル層を有するセルを均一に作成することができる。
オイルと撥水性絶縁膜の接触角は大きいことが好ましい。具体的な接触角の値としては30°以上が好ましく、35°以上が特に好ましい。この値が小さいとセル内でインクが広がりやすく、電荷を印加しても駆動しにくくなる。なお、接触角は協和界面科学社製DM−701を用いて測定される値である。
オイルと親水性液体間の界面張力は小さいほうが好ましい。具体的な界面張力の値としては20mN/m以下が好ましく、15mN/m以下がより好ましい。なお、オイルと親水性液体間の界面張力は協和界面科学社製DM−701を用い、ペンダント・ドロップ法によって測定した値である。
オイル層の厚みは、0.1μm〜20μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。本発明の製造方法では、このような厚みのオイル層を有するセルを均一に作成することができる。
〜非極性溶媒〜
オイル層16は、非極性溶媒の少なくとも一種を用いて構成されている。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
オイル層16は、非極性溶媒の少なくとも一種を用いて構成されている。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
非極性溶媒の溶存酸素は、10ppm以下の範囲であることが好ましい。溶存酸素量が10ppmを超えると、劣化しやすく、応答性が低下しやすい。溶存酸素量は、少ないほど好ましく、8ppm以下であることがより好ましい。
非極性溶媒のオイル中に占める含有量は、オイル全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。非極性溶媒の含有量が30質量%以上であることで、より優れた光シャッター特性が発現される。また、オイルに含有される染料の溶解性がより良好に保たれる。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
また、オイルには、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒のオイル中に占める比率は、オイル中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
〜染料〜
オイル層16は、有色画像を表示する観点から、色材として染料の少なくとも1種を含有することが好ましい。染料としては、非極性溶媒に対して溶解性を有するものが好適に選択される。また、顔料としては、従来公知の顔料を適宜選択して使用することができる。
オイル層16は、有色画像を表示する観点から、色材として染料の少なくとも1種を含有することが好ましい。染料としては、非極性溶媒に対して溶解性を有するものが好適に選択される。また、顔料としては、従来公知の顔料を適宜選択して使用することができる。
染料としては、非極性溶媒に対して溶解性を有している染料であれば、特に制限されるものではなく、公知の任意な化合物を選択して用いることができる。染料は、オイル相の電圧印加時の応答性の点で、25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上であり、非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れたものが好ましい。溶解度が1質量%以上であることで、エレクトロウェッティング表示装置に適する。溶解度としては、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常は80質量%以下程度である。
染料の分子量として好ましい範囲は、50〜2,000の範囲であり、特に好ましくは300〜2000の範囲であり、さらに好ましくは500〜1,500の範囲である。
オイルには、染料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
染料のオイル中に含有される比率としては、オイル全量に対して、5質量%以上が好ましい。中でも、染料の含有量としては、表示画像の濃度及び鮮明性等を高め、応答性の向上効果がより奏される観点から、オイル全量に対して、10質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは40質量%以上である。オイル中に含有される染料量が多くなると、電圧印加時のオイルの応答性が低下しやすく、電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化しやすくなるため、画像表示性は低下する傾向が現れる。そのため、染料の含有比率が10質量%以上(好ましくは20質量%以上)であるオイル組成において、特に本発明の効果がより奏される。染料の含有量は、応答速度を高める観点から、オイル全量に対して、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
染料のオイル中に含有される比率としては、オイル全量に対して、5質量%以上が好ましい。中でも、染料の含有量としては、表示画像の濃度及び鮮明性等を高め、応答性の向上効果がより奏される観点から、オイル全量に対して、10質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは40質量%以上である。オイル中に含有される染料量が多くなると、電圧印加時のオイルの応答性が低下しやすく、電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化しやすくなるため、画像表示性は低下する傾向が現れる。そのため、染料の含有比率が10質量%以上(好ましくは20質量%以上)であるオイル組成において、特に本発明の効果がより奏される。染料の含有量は、応答速度を高める観点から、オイル全量に対して、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
染料としては、炭素数6〜30の長鎖アルキル基を有する構造を含む染料が好ましく、特に好ましくは炭素数6〜20の長鎖アルキル基を有する構造を含む染料である。染料の構造中に炭素数6〜30の長鎖アルキル基を有することで、非極性溶媒への溶解性が向上し、応答性がより高められる。
以下、好ましい染料について、略説する。
好ましい染料としては、アゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料、フタロシアニン染料、ピロメテン染料、アントラキノン染料が挙げられる。
好ましい染料としては、アゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料、フタロシアニン染料、ピロメテン染料、アントラキノン染料が挙げられる。
1.アゾ染料
好ましいアゾ染料として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
好ましいアゾ染料として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
一般式(1)において、Aは、芳香族基又は複素環基を表す。R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、ハロゲン原子、芳香族基、又は複素環基を表す。X1及びX2は、各々独立に−C(R2)=又は窒素原子を表し、R2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表し、R1とR2とは互いに結合して環構造を形成してもよい。
中でも、オイル中の非極性溶媒への溶解性が高く(25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上)染料濃度の高いオイル組成とすることができる観点から、R1、X1〜X2、及びAの少なくとも1つが炭素数6〜30のアルキル基を有しており、R1、X1〜X2、及びAがいずれも解離性基及びハロゲン原子を有しない場合が好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ染料のうち、非極性溶媒に対する溶解性により優れる点で、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)及び(3)において、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、芳香族基、又は複素環基を表す。
R3は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。中でも、R3は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
R4及びR5は、各々独立に、水素原子、アルキル基、芳香族基を表す。中でも、R4及びR5は、その少なくとも一方がアルキル基を表す場合が好ましく、炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合がより好ましい。更には、R4及びR5の両方が炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合が好ましい。
R7は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、芳香族基を表す。中でも、R7は、水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基が好ましい。
R3は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。中でも、R3は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
R4及びR5は、各々独立に、水素原子、アルキル基、芳香族基を表す。中でも、R4及びR5は、その少なくとも一方がアルキル基を表す場合が好ましく、炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合がより好ましい。更には、R4及びR5の両方が炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基を表す場合が好ましい。
R7は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、芳香族基を表す。中でも、R7は、水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基が好ましい。
一般式(2)及び(3)において、非極性溶媒に対してより良好な溶解性を示す観点から、一般式(2)及び(3)の構造のうち、R1がアルキル基又はアリール基であり、R2がアルキル基又はシアノ基であり、R3(一般式(2)の場合;以下同様)が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基であり、R4、R5が水素原子又はアルキル基であり、R7(一般式(3)の場合;以下同様)が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基である場合が好ましい。更には、一般式(2)及び(3)の構造のうち、R1が炭素数6〜20のアルキル基であり、R2がシアノ基であり、R3が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基であり、R4、R5が炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜20)のアルキル基であり、R7が水素原子又は炭素数6〜20のアルキル基である場合が好ましい。
また、アゾ染料は、色素の非極性溶媒への溶解性が更に向上し粘度をより低減できる点で、光学活性な炭素原子を有する化合物であってもよい。中でも、1分子中に光学活性な部位(光学活性点)が複数存在することが好ましく、光学活性な部位(光学活性点)が分子内に3個以上有することが、非極性溶媒への溶解性向上にさらに効果が高い。また、色素における光学活性点を有する置換基としては、光学活性点を有する炭素数6〜30の分岐アルキル基、光学活性点を有する炭素数6〜30の脂環アルキル基が挙げられる。
分子中に光学活性点を有することは、分子の化学構造を解析し、化学構造において、同一の炭素原子が有する4つの置換基が全て異なる基であるかを調べることからわかる。立体異性体の混合物であることは、対象となる光学活性点を有する色素化合物の溶液を調製して、該溶液の旋光度を測定したときに旋光度を示さない(すなわち旋光度が0°)ことから、容易に判断することができる。
分子中に光学活性点を有することは、分子の化学構造を解析し、化学構造において、同一の炭素原子が有する4つの置換基が全て異なる基であるかを調べることからわかる。立体異性体の混合物であることは、対象となる光学活性点を有する色素化合物の溶液を調製して、該溶液の旋光度を測定したときに旋光度を示さない(すなわち旋光度が0°)ことから、容易に判断することができる。
以下、アゾ染料の具体例を示す。但し、本発明においては、これらの具体例に制限されるものではない。なお、Meはメチルを、Etはエチルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
また、好ましいアゾ染料として、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
一般式(2)において、Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB2は、各々独立に、−CR1=、−CR2=、又は窒素原子を表し、B1及びB2が同時に窒素原子を表すことはい。R5及びR6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。G、R1、及びR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換された置換アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表す。R1とR5、及び/又は、R5とR6は互いに結合して5員又は6員環を形成してもよい。
一般式(2)で表されるアゾ染料については、特開2006−126649号公報の段落番号0033〜0071の記載を参照することができる。
アゾ系色素の合成は、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年、Bulletin of the Chemical Society of Japan, 第76巻、第607−612頁、2003年、Bulletin of the Chemical Society of Japan,第72巻、第127−132頁、1999年、に記載されている方法により行なうことができる。
2.アゾメチン染料
好ましいアゾメチン染料として、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
好ましいアゾメチン染料として、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
一般式(3)において、Het1は、解離性基を有しない環を表し、Arは、解離性基を有しない芳香環又は飽和複素環を表す。中でも、アゾメチン染料は、オイル中の非極性溶媒への溶解性が高く(25℃、0.1MPaにおけるn−ヘキサンへの溶解度が1質量%以上)染料濃度の高いオイル組成とすることができる観点から、染料分子中に炭素数が6〜30である比較的炭素数の多い直鎖又は分岐のアルキル基(好ましくは直鎖アルキル基)を少なくとも1つ有している場合が好ましい。
アゾメチン染料の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。なお、Meはメチルを、Etはエチルを、Prはプロピルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
前記EST1は、下記の構造を表す。
本発明におけるアゾメチン色素の合成は、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.),1957年、79巻、583頁、特開平9−100417号公報、特開2011−116898号公報、特開2011−12231号公報、 特開2010−260941号公報、特開2007−262165号公報に記載の方法に準じて行なうことができる。
3.メチン染料
好ましいメチン染料として、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
好ましいメチン染料として、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
一般式(4)において、R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、−COOR11、又は−CONR11R12を表し、Arは芳香環を表す。R2、R3は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。R11、R12は、互いに結合して5員環、6員環、又は7員環を形成してもよい。nは、0〜2の整数を表す。R1、R2、R3、及びArは、解離性基を有しない。Xは、酸素原子もしくはN−R13であり、R13は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
アゾメチン染料の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限される物ではない。なお、Meはメチル基を、Etはエチルを、Prはプロピルを、Buはブチルを、Phはフェニルをそれぞれ表す。
前記ET1は、下記の構造を表す。
これらの化合物は、特許第2707371号、並びに特開平5−45789号、特開2009−263517号、及び特開平3−72340号の各公報などに示す公知の方法で製造することができる。
4.フタロシアニン染料
フタロシアニン染料としては、炭素数6以上のアルキル基を有するものが好ましい。
具体例としては、例えば、Applied Physics Express、第4巻、第21604頁、2011年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第183巻、第411頁、1990年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第260巻、第255頁、1995年に記載されているものや、特開2006−133508号公報に記載の一般式(C1)で表される色素などが適宜用いられる。
フタロシアニン染料としては、炭素数6以上のアルキル基を有するものが好ましい。
具体例としては、例えば、Applied Physics Express、第4巻、第21604頁、2011年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第183巻、第411頁、1990年、Molecular Crystal Liquid Crystal,第260巻、第255頁、1995年に記載されているものや、特開2006−133508号公報に記載の一般式(C1)で表される色素などが適宜用いられる。
5.アントラキノン染料
好ましいアントラキノン染料として、下記一般式(5)で表されるものが挙げられる。
好ましいアントラキノン染料として、下記一般式(5)で表されるものが挙げられる。
一般式(5)において、R1,R4,R5,R8は、各々独立に、水素原子、NR11R12、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシ、アリールオキシ基を表し、R2,R3,R6,R7は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基を表す。R11及びR12は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R11とR12とが同時に水素原子を表すことはない。一般式(5)では、炭素数4以上のアルキル基を有する形態が好ましい。具体例としては、WO2008/142086号記載のものが挙げられる。
アントラキノン系色素の合成は、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年に記載されている方法により行なうことができる。
アントラキノン系色素の合成は、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日技報堂発行)、A.V.Ivashchenko著、Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays、CRC Press、1994年に記載されている方法により行なうことができる。
〜各種添加剤〜
オイル層16は、必要に応じて、他の成分として界面活性剤や、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含む場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度である。
オイル層16は、必要に応じて、他の成分として界面活性剤や、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含む場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度である。
オイルは、一種単独の染料を用いて黒色等のインクとして調製されたものでもよく、複数の染料を混合して黒色等のインクとして調製されたものでもよい。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
ここで、「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
ここで、「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
−−撥水性絶縁膜の形成−−
本発明におけるオイル付与工程では、第2の基板上に撥水性絶縁膜が既設された基板を用意して、その撥水性絶縁膜上にオイルを付与してもよいし、第2の基板の上に撥水性絶縁膜を付設する工程を設けた後に、オイルを付与してもよい。
本工程で形成されるオイル層は、画像表示時の電圧印加の際にこの撥水性絶縁膜上を移動し、この移動によるオイル層の変形により画像が表示される。
本発明におけるオイル付与工程では、第2の基板上に撥水性絶縁膜が既設された基板を用意して、その撥水性絶縁膜上にオイルを付与してもよいし、第2の基板の上に撥水性絶縁膜を付設する工程を設けた後に、オイルを付与してもよい。
本工程で形成されるオイル層は、画像表示時の電圧印加の際にこの撥水性絶縁膜上を移動し、この移動によるオイル層の変形により画像が表示される。
第2の基板の上に撥水性絶縁膜を付設する工程を設ける場合、あらかじめ成膜した撥水性絶縁膜を用いてもよい。このような撥水性絶縁膜の例として、図3に示すように、含フッ素ポリマーを含有して表面に撥オイル性が与えられた撥水性絶縁膜20が配置されてもよい。
第2の基板に撥水性絶縁膜を付設する方法としては、あらかじめ成膜しておいた撥水性絶縁膜を基板上に配置して例えば熱処理や接着剤等により固定化する方法、基板上に塗布や転写等の方法で撥水性絶縁膜を形成する方法、等が挙げられる。後者の場合、例えば、後述する重層工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、あらかじめ含フッ素ポリマー等の撥液性材料を付与して撥水性絶縁膜を形成してもよい。また、例えば、後述する重層工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて硬化性層を硬化させる硬化工程とを設けて、架橋構造を有する撥水性絶縁膜を形成してもよい。
第2の基板に撥水性絶縁膜を付設する方法としては、あらかじめ成膜しておいた撥水性絶縁膜を基板上に配置して例えば熱処理や接着剤等により固定化する方法、基板上に塗布や転写等の方法で撥水性絶縁膜を形成する方法、等が挙げられる。後者の場合、例えば、後述する重層工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、あらかじめ含フッ素ポリマー等の撥液性材料を付与して撥水性絶縁膜を形成してもよい。また、例えば、後述する重層工程で使用する基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11aの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて硬化性層を硬化させる硬化工程とを設けて、架橋構造を有する撥水性絶縁膜を形成してもよい。
撥水性絶縁膜は、オイルに対して撥液性を付与できれば、撥液性を発現させ得る任意の化合物をオイルの組成等に応じて選択することができる。このような化合物としては、ポリシクロオレフィンポリマー、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂などのポリマーが挙げられる。特に本発明においては、含フッ素ポリマーが好ましい。
含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を分子内に有するフッ素系ポリマーが使用に好適であり、例えば、特開2011−157292及び既述の特許文献に記載のフッ素ポリマー、特開2010−121137及び既述の特許文献に記載のフッ素ポリマー等を挙げることができる。また、上市されている市販品を用いてもよく、市販品の例として、旭硝子社製のサイトップ(商品名;型番CTL−809M)、デュポン社製のテフロン(登録商標)(商品名;型番AF1600 AF2400)などが挙げられる。
また、第2の基板上に塗布や転写により撥水性絶縁膜を形成する場合、公知の塗布法又は転写法を利用して行なうことができる。
塗布法による場合、基板上に所望の塗布液(例えば硬化性組成物)を塗布し、好ましくは乾燥させることで膜形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ撥水性絶縁膜が形成された転写材料を準備し、転写材料の撥水性絶縁膜を第2の基板に転写することで膜形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
塗布法による場合、基板上に所望の塗布液(例えば硬化性組成物)を塗布し、好ましくは乾燥させることで膜形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ撥水性絶縁膜が形成された転写材料を準備し、転写材料の撥水性絶縁膜を第2の基板に転写することで膜形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
架橋構造を有する撥水性絶縁膜を設ける場合において、硬化性層の硬化(多官能性化合物の重合)は、例えば、活性エネルギー線の照射(以下、露光ともいう)及び加熱の少なくとも一方を施すことにより行なえる。露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく挙げられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm2〜2000mJ/cm2とすることができ、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2が好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた撥水性絶縁膜を得ることも可能である。
加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は、適宜設定すればよく、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間は、適宜設定すればよく、例えば2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた撥水性絶縁膜を得ることも可能である。
加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は、適宜設定すればよく、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間は、適宜設定すればよく、例えば2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
撥水性とは、水を接触させたときの接触角が60°以上である性質をいい、好ましくは接触角が70°以上(より好ましくは80°以上)である性質をいう。接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、撥水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
絶縁膜の「絶縁」とは、比抵抗が107Ω・cm以上である性質をいい、好ましくは比抵抗が108Ω・cm以上(より好ましくは109Ω・cm以上)である性質をいう。
撥水性絶縁膜は、オイル層16との間で親和性を示し、親水性液体層14との親和性が低い絶縁膜であるが、電圧印加を繰り返すことでオイルを移動させることにより膜劣化が生じる。この膜劣化を抑制する観点から、多官能性化合物に由来する架橋構造を有する絶縁膜が好ましい。中でも、撥水性絶縁膜としては、重合性基を2つ以上有する多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜がより好ましい。架橋構造は、多官能性化合物の少なくとも1種を(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより好適に形成される。
本実施形態では、撥水性絶縁膜は、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
本実施形態では、撥水性絶縁膜は、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を2つ以上有する化合物である。重合性基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、縮合重合性基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、アリル基、アルコキシシリル基、α−フルオロアクリロイル基、エポキシ基、−C(O)OCH=CH2等が好ましい。また、多官能性化合物に含まれる2つ以上の重合性基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物としては、公知の多官能の重合性化合物(ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、縮合重合性化合物等)を用いることができる。多官能性化合物の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等の多官能アクリレートが挙げられる。
多官能性化合物としては、上記以外にも、例えば、特開2008−181067号公報の段落0031〜0035、特開2008−139378号公報の段落0149〜0155、特開2010−134137号公報の段落0142〜0146等に記載の公知の重合性化合物の中から、多官能の重合性化合物を適宜選択して用いることができる。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を3つ以上(好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上)有することが好ましい。これにより、膜中における架橋構造の密度を更に増加させることができるので、電圧印加を繰り返したときの撥水性絶縁膜の劣化がさらに抑制される。
多官能性化合物としては、含フッ素化合物が好ましく、フッ素原子含有率が分子量の35質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上)である多官能性化合物がより好ましい。多官能性化合物がフッ素原子を(特にフッ素原子含有率が分子量の35質量%以上)含むことにより、撥水性絶縁膜の撥水性がより向上する。多官能性化合物におけるフッ素原子含有率の上限には、特に制限はないが、例えば分子量の60質量%(好ましくは55質量%、より好ましくは50質量%)とすることができる。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
多官能性化合物の重合方法は、好ましくは塊状重合又は溶液重合である。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
撥水性絶縁膜は、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を用いて好適に作製することができる。硬化性組成物に含まれる多官能性化合物は、1種又は2種以上のいずれでもよく、硬化性組成物はさらに単官能性化合物を含んでもよい。単官能性化合物としては、公知の単官能モノマーを用いることができる。
硬化性組成物中における多官能性化合物の含有量(2種以上である場合には総含有量;以下同じ)は、特に制限はないが、硬化性の観点から、硬化性組成物の全固形分に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。全固形分とは、溶剤を除いた全成分をいう。
硬化性組成物は、さらに溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどが挙げられる。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
硬化性組成物は、さらに重合開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。重合開始剤としては、熱及び光の少なくとも一方の作用によりラジカルを発生する重合開始剤が好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
光の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、アミノアルキルフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ホスフィンオキシド系化合物、ケタール系化合物、アントラキノン系化合物、チオキサントン系化合物、アゾ化合物、過酸化物系化合物、2,3−ジアルキルジオン化合物系化合物、ジスルフィド化合物系化合物、フルオロアミン化合物系化合物、芳香族スルホニウム系化合物などが挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン系化合物の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン系化合物の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン系化合物の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン系化合物の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン系化合物の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド系化合物の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
ヒドロキシアルキルフェノン系化合物の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン系化合物の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン系化合物の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン系化合物の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン系化合物の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド系化合物の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
重合開始剤の含有量は、特に制限されるものではないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
硬化性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤等が挙げられる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0質量%超30質量%以下の範囲が好ましく、0質量%超20質量%以下の範囲がより好ましく、0質量%超10質量%以下の範囲が特に好ましい。
その他の成分としては、無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤等が挙げられる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0質量%超30質量%以下の範囲が好ましく、0質量%超20質量%以下の範囲がより好ましく、0質量%超10質量%以下の範囲が特に好ましい。
撥水性絶縁膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜1μmである。撥水性絶縁膜の膜厚が上記範囲であると、絶縁性と駆動電圧とのバランスの点で好ましい。
−−隔壁(リブ)の形成−−
本発明におけるエレクトロウェッティング表示装置には、親水性液体等を2つの基板間に封止するための外壁とは別に、表示セル内に単一もしくは複数のピクセル(画素部)を形成するための隔壁(リブ)が設けられていることが好ましい。この隔壁(リブ)を撥水性絶縁膜上に配置することで、撥水性絶縁膜の表面を複数の画素領域に区画する。
オイル層の形成にあたり、撥水性絶縁膜に隔壁(リブ)を形成しておくことで、例えば第1の基板に付与された親水性液体と接触させたときのオイルの面方向への拡散が防止され、均一性のあるオイル層の形成性がより高められる。
本発明におけるエレクトロウェッティング表示装置には、親水性液体等を2つの基板間に封止するための外壁とは別に、表示セル内に単一もしくは複数のピクセル(画素部)を形成するための隔壁(リブ)が設けられていることが好ましい。この隔壁(リブ)を撥水性絶縁膜上に配置することで、撥水性絶縁膜の表面を複数の画素領域に区画する。
オイル層の形成にあたり、撥水性絶縁膜に隔壁(リブ)を形成しておくことで、例えば第1の基板に付与された親水性液体と接触させたときのオイルの面方向への拡散が防止され、均一性のあるオイル層の形成性がより高められる。
表示装置としては、例えば図6に示すように、撥水性絶縁膜の表面にリブ18a、18bを設けることで、1画素(1ピクセル)が形成されたセル形態でもよい。
また、表示装置の他の例として、例えば図9に示すように、撥水性絶縁膜20の表面に7つのリブ(リブ18a,18b,・・・,18g)を設けて画素間でリブを共用することで、リブで区画された6画素(6ピクセル)×2画素(2ピクセル)の12個の画素領域が二次元に配列されたセル形態に構成することもできる。表示装置を構成する画素(ピクセル)数は、目的や用途などに応じて、平面視したときに二次元方向に例えば格子状(網目状)をなすように撥水性絶縁膜上に立設することで、任意の数の画素領域を配列することによって、所望サイズのエレクトロウェッティング表示装置を作製することができる。ここで、第2の基板25は、図示しないが、基材11aと、基材11a上に設けられ、各画素領域に対応する位置に配置されている導電膜11bとで構成されている。
更に、例えば図10に示すように、図6に示されるような形態の複数のセルを二次元方向に例えば格子状(網目状)をなすように配列することで、所望サイズのエレクトロウェッティング表示装置を作製することも可能である。
また、表示装置の他の例として、例えば図9に示すように、撥水性絶縁膜20の表面に7つのリブ(リブ18a,18b,・・・,18g)を設けて画素間でリブを共用することで、リブで区画された6画素(6ピクセル)×2画素(2ピクセル)の12個の画素領域が二次元に配列されたセル形態に構成することもできる。表示装置を構成する画素(ピクセル)数は、目的や用途などに応じて、平面視したときに二次元方向に例えば格子状(網目状)をなすように撥水性絶縁膜上に立設することで、任意の数の画素領域を配列することによって、所望サイズのエレクトロウェッティング表示装置を作製することができる。ここで、第2の基板25は、図示しないが、基材11aと、基材11a上に設けられ、各画素領域に対応する位置に配置されている導電膜11bとで構成されている。
更に、例えば図10に示すように、図6に示されるような形態の複数のセルを二次元方向に例えば格子状(網目状)をなすように配列することで、所望サイズのエレクトロウェッティング表示装置を作製することも可能である。
隔壁(リブ)は、外壁で封止された表示セル(エレクトロウェッティング表示装置)内において、光が透過する単位領域をなす画素領域(ある色相を表示する1画素(1ピクセル))を区画する仕切部材である。隔壁(リブ)は、所望により選択されるポリマー材料を用いて、画素領域を区画する凹形に形成されるのが好ましい。
[撥水性絶縁膜の親水化]
本発明におけるオイル付与工程は、リブを配してオイルを付与する場合において、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程と、親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に隔壁(リブ)を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成後の撥水性絶縁膜の膜面を疎水化処理する疎水化工程と、を設けて好適に構成することができる。
本発明におけるオイル付与工程は、リブを配してオイルを付与する場合において、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程と、親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に隔壁(リブ)を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成後の撥水性絶縁膜の膜面を疎水化処理する疎水化工程と、を設けて好適に構成することができる。
(1)親水化工程
親水化工程では、リブの形成にあたり、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面(少なくともリブが形成される領域)を親水化処理することが好ましい。撥水性絶縁膜は、撥水性を持つため、一旦撥液性を低下させることで、例えば水系のレジスト材料などを使用してリブを形成するときのリブ形成性を向上させることができる。これにより、撥水性絶縁膜との密着性の良好なリブが得られる。
親水化工程では、リブの形成にあたり、第2の基板の撥水性絶縁膜の表面(少なくともリブが形成される領域)を親水化処理することが好ましい。撥水性絶縁膜は、撥水性を持つため、一旦撥液性を低下させることで、例えば水系のレジスト材料などを使用してリブを形成するときのリブ形成性を向上させることができる。これにより、撥水性絶縁膜との密着性の良好なリブが得られる。
親水化処理とは、無電界下において隔壁の親水性液体に対する親和性が高まるように表面を改質する処理のことをいう。親水化処理により、撥水性絶縁膜の表面を、例えばC−C結合やC−F結合よりも低い結合エネルギーを有するC−H結合やC−O結合が分解され、含酸素官能基(−CO、−CHO、−COO、−COOHなど)が形成された状態にすることができる。
親水化処理としては、例えば、撥水性絶縁膜の表面に紫外線照射、レーザ照射、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理などの表面処理を施す方法、無水クロム酸や硫酸、界面活性剤などの薬品で処理する方法、等が挙げられる。
中でも、リブ形成後に撥水性を再現する処理が容易に行なえる点で、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射によるオゾン処理が好ましい。
なお、コロナ放電処理等の表面処理を行なう場合の条件としては、特に制限されるものではなく、適宜選択すればよい。
中でも、リブ形成後に撥水性を再現する処理が容易に行なえる点で、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射によるオゾン処理が好ましい。
なお、コロナ放電処理等の表面処理を行なう場合の条件としては、特に制限されるものではなく、適宜選択すればよい。
親水化処理は、接触角を基準にして、撥水性絶縁膜の表面の接触角が20°以上95°以下となるように行なわれることが好ましく、20°以上90°以下となることがさらに好ましく、20°以上85°以下となるように行なわれることが好ましい。
なお、接触角は、被測定面に純粋を滴下したときに室温23℃の大気下で測定される値をいい、具体的には、協和界面科学(株)製の表面接触角測定器により測定される。
なお、接触角は、被測定面に純粋を滴下したときに室温23℃の大気下で測定される値をいい、具体的には、協和界面科学(株)製の表面接触角測定器により測定される。
(2)隔壁形成工程
隔壁形成工程では、親水化工程で親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に、撥水性絶縁膜の表面を所望数の画素領域に区画する隔壁(リブ)を形成する。
隔壁形成工程では、親水化工程で親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に、撥水性絶縁膜の表面を所望数の画素領域に区画する隔壁(リブ)を形成する。
隔壁(リブ)の形成には、各種のポリマー材料を用いることができる。ポリマー材料としては、オイルや親水性液体に溶解せず、かつ反応性の低い材料が好ましく、例えば、表示装置を構成する既述の外壁形成用の材料と同様の材料(例えば、シリコーン系ゴム、(メタ)アクリル系樹脂、エステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリエチレンやポリスチレンなどのアルケン重合体、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアセタール系樹脂等)や、硬化樹脂などを挙げることができる。
中でも、ポリマー材料としては、感光性を有する硬化性材料を光硬化して得られるポリマーが好適であり、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂がより好ましい。
硬化性材料としては、例えば、パターニングが可能な光硬化性のアクリル系材料、エポキシ系材料などが挙げられ、エポキシ系材料が好適である。硬化性材料は、上市されている市販品を用いてもよく、市販品の例として、日本化薬(株)製のネガ型フォトレジスト SU−8 3000シリーズ(例えば、SU−8 3050、SU−8 3035、SU−8 3025、SU−8 3010等;エポキシ系)などが挙げられる。また、具体的な硬化性材料の代表的な例として、下記のエポキシ化合物Aと光酸発生剤Bとを含む材料が挙げられる。この材料では、ポリマー材料としてカチオン重合によりエポキシ樹脂が得られる。
中でも、ポリマー材料としては、感光性を有する硬化性材料を光硬化して得られるポリマーが好適であり、(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂がより好ましい。
硬化性材料としては、例えば、パターニングが可能な光硬化性のアクリル系材料、エポキシ系材料などが挙げられ、エポキシ系材料が好適である。硬化性材料は、上市されている市販品を用いてもよく、市販品の例として、日本化薬(株)製のネガ型フォトレジスト SU−8 3000シリーズ(例えば、SU−8 3050、SU−8 3035、SU−8 3025、SU−8 3010等;エポキシ系)などが挙げられる。また、具体的な硬化性材料の代表的な例として、下記のエポキシ化合物Aと光酸発生剤Bとを含む材料が挙げられる。この材料では、ポリマー材料としてカチオン重合によりエポキシ樹脂が得られる。
また、ポリマー材料を用いた隔壁の形成は、樹脂そのものを付設するほか、ポリエステル等の支持基材にゴム系やアクリル系等の粘着剤を付したテープを付設して行なってもよい。
支持基材に粘着剤を付したテープの例としては、日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31シリーズ(例えば、No.31B、同C、同RH(アクリル系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)、同D、同E(ゴム系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)、同315(熱硬化性ゴム系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)等)などが挙げられる。
支持基材に粘着剤を付したテープの例としては、日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31シリーズ(例えば、No.31B、同C、同RH(アクリル系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)、同D、同E(ゴム系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)、同315(熱硬化性ゴム系粘着剤/ポリエステルフィルム積層タイプ)等)などが挙げられる。
隔壁(リブ)は、例えば硬化性材料を用いる場合、基板上に硬化性材料をスピンコート等の公知の塗布法により塗布してレジスト膜を塗設し、所望により加熱した後に露光、現像(及び必要により洗浄)することで、所望のパターンに形成することができる。
(3)疎水化工程
疎水化工程では、隔壁形成工程で隔壁形成した後の撥水性絶縁膜の膜面を再び疎水化処理する。これにより、撥水性絶縁膜の撥水性を再現する。
疎水化処理は、上記の親水化処理前の状態もしくはそれに近い撥水性が再現できればよく、好ましくは接触角が親水化処理前の±15%の範囲となるように行なわれる。
疎水化工程では、隔壁形成工程で隔壁形成した後の撥水性絶縁膜の膜面を再び疎水化処理する。これにより、撥水性絶縁膜の撥水性を再現する。
疎水化処理は、上記の親水化処理前の状態もしくはそれに近い撥水性が再現できればよく、好ましくは接触角が親水化処理前の±15%の範囲となるように行なわれる。
疎水化処理の方法としては、加熱処理が挙げられる。加熱温度は180℃以上250℃以下であることが好ましく、200℃以上250℃以下であることがさらに好ましく、230℃以上250℃以下であることが最も好ましい。加熱時間は10分以上60分未満であることが好ましく、30分以上60分未満であることがさらに好ましい。加熱温度が高いほど短い時間で処理することができる。
−重層工程−
本発明における重層工程では、第1の基板上の親水性液体と、第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルからなる層と親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する。
本発明における重層工程では、第1の基板上の親水性液体と、第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、撥水性絶縁膜とオイルからなる層と親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する。
本工程は、第1の基板及び第2の基板間に、撥水性絶縁膜とオイル層と親水性液体層とがこの順に重層された重層構造(第2の基板/撥水性絶縁膜/オイル層/親水性液体層/第1の基板の重層構造)が得られる方法であれば、特に制限はなく、少なくとも一部に親水性液体層が形成された第1の基板と、撥水性絶縁膜に少なくとも一部にオイル層が形成された第2の基板と、を親水性液体層とオイル層とが接するように重ねることで重層構造が得られる。
重層構造を得る好ましい方法として、水平方向と平行に配置された第1の基板と、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板と、の一方を固定し、他方を重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させ、親水性液体層とオイル層とが接して重ねられた重層構造を得る方法、あるいは、水平方向と平行に配置された第1の基板と、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板と、の両方を相対的に例えば互いに反対の方向に重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させ、親水性液体層とオイル層とが接して重ねられた重層構造を得る方法、等を挙げることができる。
中でも、水平方向と平行に配置された第1の基板に対して、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板を重力方向に移動させることにより、親水性液体(親水性液体層)とオイル(オイル層)とを接触させて重層構造とする方法が好ましい。この方法によると、水平配置された親水性液体層に対し、その上方から重力方向に向かって親水性液体より低比重のオイルを近づけて接触させるため、オイルが第2の基板から剥がれたり、分離することで生じるオイル層の厚みの不均一を効果的に防止することができる。
重層構造を得る好ましい方法として、水平方向と平行に配置された第1の基板と、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板と、の一方を固定し、他方を重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させ、親水性液体層とオイル層とが接して重ねられた重層構造を得る方法、あるいは、水平方向と平行に配置された第1の基板と、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板と、の両方を相対的に例えば互いに反対の方向に重力方向と平行に移動させることにより、親水性液体とオイルとを接触させ、親水性液体層とオイル層とが接して重ねられた重層構造を得る方法、等を挙げることができる。
中でも、水平方向と平行に配置された第1の基板に対して、第1の基板の反重力方向に配置された第2の基板を重力方向に移動させることにより、親水性液体(親水性液体層)とオイル(オイル層)とを接触させて重層構造とする方法が好ましい。この方法によると、水平配置された親水性液体層に対し、その上方から重力方向に向かって親水性液体より低比重のオイルを近づけて接触させるため、オイルが第2の基板から剥がれたり、分離することで生じるオイル層の厚みの不均一を効果的に防止することができる。
重層工程では、例えば図4に示すように、第1の基板12の上に形成された親水性液体層14の上方から第2の基板11を重力方向に移動させて、水平方向xと平行に配置されている第1の基板12に対し、その法線方向yの位置に配置された第2の基板11を近づけることにより、親水性液体層14とオイル層16とを接触させる態様であってもよい。
基板11は、基材11aと、基材11aに設けられ、導電性を有する導電膜11bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。また、基板11は、親水性液体層14及びオイル層16を介して、基板12と対向する位置に配設されている。本実施形態では、基板11は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材11a及び導電膜11b、並びに基材11の詳細については、既述の基材12a及び導電膜12b、並びに基材12と同様であり、好ましい態様についても同様である。
次に、図6〜図7を参照して、上記した各工程を経て製造された本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100について説明する。本実施形態は、導電性を有する第2の基板としてITO付ガラス基板を用い、オイルを構成する非極性溶媒としてデカンを、親水性液体として電解質水溶液を用いた構成となっている。
図6に示すように、本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、導電性を有する基板(第2の基板)11と、基板11に対向させて配置された導電性を有する基板(第1の基板)12と、基板11上に配設された撥水性絶縁膜20と、撥水性絶縁膜20及び基板12間の外壁22a、22bにより封止された領域に親水性液体を充填して形成された親水性液体層14と、撥水性絶縁膜20上に設けられたリブ18a、18bと、撥水性絶縁膜20及び基板12間のリブ18a、18bにより区画された凹状の画素領域にオイルを充填して形成されたオイル層16と、を備えている。
撥水性絶縁膜20と基板12との間が外壁22a、22bで封止された領域は、オイル層16が撥水性絶縁膜上を移動することにより画像表示を行なう表示部(表示セル)をなすものである。
撥水性絶縁膜20と基板12との間が外壁22a、22bで封止された領域は、オイル層16が撥水性絶縁膜上を移動することにより画像表示を行なう表示部(表示セル)をなすものである。
撥水性絶縁膜20は、表示部の全体及び基板11の導電膜11bの全面にわたって設けられており、少なくともオイル層16と接している。この撥水性絶縁膜は、電圧が印加されていないときは(画像非表示時)、オイルが撥水性絶縁膜に濡れ拡がり、主としてオイル層と接触した状態となる。逆に電圧が印加されたときは(画像表示時)、オイルがその表面を移動し、オイルが存在しなくなった領域は親水性液体と接触している状態となる。
導電膜11bは、一画素(表示セル)毎に独立してパターニングされた膜であってもよいし(例えばアクティブマトリクス型の画像表示装置の場合など)、複数の画素(表示セル)に跨るストライプ状にパターニングされた膜であってもよい(例えばパッシブマトリクス型の画像表示装置の場合など)。
本実施形態における撥水性絶縁膜20と基板12との間には、親水性液体層14とオイル層16とが設けられている。
親水性液体層14とオイル層16とは、互いに混じり合わない液体であり、図6〜図7に示すように、界面16A又は界面16Bを境に互いに分離して存在している。図6〜図7において、界面16Aは、電圧オフ状態での親水性液体層14とオイル層16との界面を表し、界面16Bは、電圧オン状態における親水性液体層14とオイル層16との界面を表す。
エレクトロウェッティング表示装置100には、導電膜11bと親水性液体14を介して導電膜12bとの間に電圧を印加するための電源25(電圧印加手段)及びこの電圧をオン/オフするためのスイッチ26が電気的に接続されている。
本実施形態では、基板12に設けられている導電膜12bに電圧印加することで、親水性液体14への電圧(電位)の印加が行なえるようになっている。このように、本実施形態では、基板12の親水性液体14に接する側の表面が導電性を有する構成(基材12aの親水性液体14に接する側に導電膜としてITO膜が存在する構成)となっているが、この形態に限られるものではない。例えば、基板12に導電膜12bを設けずに親水性液体14中に電極を差し込んで、差し込まれた電極によって親水性液体14に電圧(電位)を印加するようにしてもよい。
エレクトロウェッティング表示装置100は、基材11a及び基材12aとして、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)等の光透過性を有する基板を用い、かつ導電膜11b、12b及び撥水性絶縁膜20として光透過性を有する膜を用いることにより、透過型の表示装置とすることができる。この透過型の表示装置の画素において、表示セルの外部に反射板を設けることで、反射型の表示装置とすることもできる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
次に、エレクトロウェッティング表示装置100の動作(電圧オフ状態及び電圧オン状態)について説明する。
図6に示すように、電圧オフ状態では、撥水性絶縁膜20とオイル16との親和性が高いことから、撥水性絶縁膜20の区画された領域(画素領域)の全面にオイル16が接した状態となっている。ここで、リブ18a、18bを有しない場合は、図8のように撥水性絶縁膜の全面にオイル16が接した状態となる。エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオンして電圧が印加されると、親水性液体14とオイル16との界面は、図6の界面16Aから図7に示す界面16Bに変形する。このとき、撥水性絶縁膜20とオイル16との接触面積が減少し、図7に示すように、オイル16が画素領域の端に移動する。これは、図8に示す形態でも同様であり、電圧印加によりオイル16は、一方の外壁(例えば外壁22a)側に移動して親水性液体14とオイル16との界面が変形する。この現象は、電圧印加により撥水性絶縁膜20の表面に電荷が発生し、この電荷によって、親水性液体14が、撥水性絶縁膜20に接していたオイル16を押しのけて撥水性絶縁膜20に接触するために生じる現象である。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図6又は図8の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図6及び図7に示す動作が繰り返し行なわれる。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図6又は図8の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図6及び図7に示す動作が繰り返し行なわれる。
上記では、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態について、図6及び図7を参照して説明したが、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、図6及び図7では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
例えば、図6及び図7では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
また、実施形態において、オイル16に染料を含めて所望の色(例えば黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー等)に着色することにより、エレクトロウェッティング表示装置の画像表示を担う画素として機能させることができる。この場合、オイル16が、例えば、画素のオン状態及びオフ状態を切り替える光シャッターとして機能する。この場合、エレクトロウェッティング表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれの方式に構成されてもよい。
また、本実施形態におけるエレクトロウェッティング表示装置は、第2の基板及び第1の基板の少なくとも一方の外側(オイルに対向する面の反対側)に、紫外線カット層を有していてもよい。これにより、表示装置の耐光性を更に向上させることができる。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第2の基板及び第1の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第2の基板及び第1の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100を構成する表示セルや画像表示装置のその他の構成は、例えば、特開2009−86668号公報、特開平10−39800、特表2005−517993、特開2004−252444、特開2004−287008、特表2005−506778、特表2007−531917号公報、特開2009−86668号公報等に記載の公知の構成とすることができる。また、公知のアクティブマトリクス型又はパッシブマトリクス型の液晶表示装置の構成も参照することができる。
エレクトロウェッティング表示装置は、表示セル(表示画素)に加え、必要に応じてバックライト、セルギャップ調整用のスペーサ、封止用のシール材等、公知の液晶表示装置と同様の部材を用いて構成することができる。このとき、オイル及び親水性液体は、例えば、基板11上の隔壁によって区画された領域にインクジェット法により付与することで設けられてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−1.染料インク(オイル)の調製−
下記の構造を有する染料F−5(一般式(4)で表されるメチン染料)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、オイルとして、染料濃度が溶液全量に対して10質量%のノルマルデカン溶液(染料インク)を調製した。
−1.染料インク(オイル)の調製−
下記の構造を有する染料F−5(一般式(4)で表されるメチン染料)と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して、オイルとして、染料濃度が溶液全量に対して10質量%のノルマルデカン溶液(染料インク)を調製した。
−テストセルの作製−
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、隔壁(外壁)として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、隔壁(外壁)として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
次いで、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板のITO膜(透明電極)の膜面に、撥液性絶縁膜として、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)をスピンコート(膜厚:800nm)してフッ素樹脂層を形成した。続いて、このフッ素樹脂層の上に、上記の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.5μL滴下し、厚み8μmのインク層(オイル層)を形成した。
EG層が形成されたITO付ガラス基板を水平面上に置き、インク層が形成されたITO付ガラス基板を、EG層が形成されたITO付ガラス基板のEG層の上方から近づけてEG層とインク層とが接触するようにして重ねた。
このようにして、図8に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−1)を作製した。
このようにして、図8に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−1)を作製した。
(実施例2)
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
次いで、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板のITO膜(透明電極)の膜面に、撥液性絶縁膜として、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)をスピンコート(膜厚800nm)してフッ素樹脂層を形成した。このフッ素樹脂膜上に、隔壁(リブ)として、5mm×5mmサイズのポリエステル粘着テープNo.31B(厚み:20μm(アクリル系粘着剤/ポリエステルフィルムの積層)、日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31シリーズ)の中心部から3mm×3mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、このポリエステル壁で形成された凹部に、実施例1と同一の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.1μL注入し、厚み11μmのインク層(オイル層)を形成した。
EG層が形成されたITO付ガラス基板を水平面上に置き、インク層が形成されたITO付ガラス基板を、EG層が形成されたITO付ガラス基板のEG層の上方から近づけてEG層とインク層とが接触するようにして重ねた。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−2)を作製した。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−2)を作製した。
(実施例3)
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、外壁として、1.5cm×1.5cmサイズのポリエステルテープ(5620A(商品名)、日東電工社製;厚み200μmのPET両面テープ)の中心部から8mm×8mm×200μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、ポリエステル壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み210μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜の表面に、外壁として、1.5cm×1.5cmサイズのポリエステルテープ(5620A(商品名)、日東電工社製;厚み200μmのPET両面テープ)の中心部から8mm×8mm×200μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置いた。続いて、このガラス基板を水平方向と平行に配置し、ポリエステル壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み210μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
次いで、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板のITO膜(透明電極)の膜面に、撥液性絶縁膜として、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)をスピンコート塗布(膜厚800nm)してフッ素樹脂層を形成した。このフッ素樹脂膜の膜面に対して、コロナ処理を施すことで親水化処理を行なった。コロナ処理の条件は、60W,ギャップ6mm,5m/min、2回処理とした。親水化処理を行なった膜面の接触角は、81°であった。
接触角は、協和界面科学(株)製の表面接触角測定器を用い、純粋を垂らして23℃にて測定した値である。
接触角は、協和界面科学(株)製の表面接触角測定器を用い、純粋を垂らして23℃にて測定した値である。
続いて、ITO付ガラス基板上のフッ素樹脂層の親水化処理面に、次のようにして隔壁(リブ)を形成した。すなわち、
フッ素樹脂層の親水化処理面に、フォトレジストポリマー(商品名:SU−8 3010,日本化薬社製;エポキシ系フォトレジスト材料)をスピンコートして厚さ25μmのレジスト膜を形成し、ホットプレートにより95℃で10分間加熱した。続いて、レジスト膜上にフォトマスクを施した後、UV露光装置(装置名:HCT1000B−25HE、セン特殊光源株式会社製)を用いて120mW/cm2の強度で5秒間露光し、ホットプレートにより更に95℃で10分間加熱した。続いて、これをSU−8 Developer(商品名、日本化薬社製;1−メトキシ−2−プロピルアセテート)に10分間浸漬した後、イソプロパノールで洗浄することにより、5mm×5mmサイズの正方形の内部中心から3mm×3mmの正方形を切り取った額縁状の厚み25μmのポリマー壁を作製した。その後、撥水性絶縁層の疎水化処理として230℃で30分間加熱することによって、撥水性を再現した。その後、ポリマー壁で形成された凹部に、実施例1と同一の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.1μL注入し、厚み11μmのインク層(オイル層)を形成した。
フッ素樹脂層の親水化処理面に、フォトレジストポリマー(商品名:SU−8 3010,日本化薬社製;エポキシ系フォトレジスト材料)をスピンコートして厚さ25μmのレジスト膜を形成し、ホットプレートにより95℃で10分間加熱した。続いて、レジスト膜上にフォトマスクを施した後、UV露光装置(装置名:HCT1000B−25HE、セン特殊光源株式会社製)を用いて120mW/cm2の強度で5秒間露光し、ホットプレートにより更に95℃で10分間加熱した。続いて、これをSU−8 Developer(商品名、日本化薬社製;1−メトキシ−2−プロピルアセテート)に10分間浸漬した後、イソプロパノールで洗浄することにより、5mm×5mmサイズの正方形の内部中心から3mm×3mmの正方形を切り取った額縁状の厚み25μmのポリマー壁を作製した。その後、撥水性絶縁層の疎水化処理として230℃で30分間加熱することによって、撥水性を再現した。その後、ポリマー壁で形成された凹部に、実施例1と同一の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.1μL注入し、厚み11μmのインク層(オイル層)を形成した。
EG層が形成されたITO付ガラス基板を水平面上に置き、インク層が形成されたITO付ガラス基板を、EG層が形成されたITO付ガラス基板のEG層の上方から近づけてEG層とインク層とが接触するようにして重ねた。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−3)を作製した。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−3)を作製した。
(実施例4)
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜(透明電極)の膜面に、撥液性絶縁膜として、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)をスピンコート(膜厚800nm)してフッ素樹脂層を形成した。このフッ素樹脂膜上に、隔壁(リブ)として、5mm×5mmサイズのポリエステル粘着テープNo.31B(厚み:20μm(アクリル系粘着剤/ポリエステルフィルムの積層)、日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31シリーズ)の中心部から3mm×3mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、このガラス基板を水平方向と平行に配置した。続いて、ポリエステル壁で形成された凹部に、実施例1と同一の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.1μL注入し、厚み11μmのインク層(オイル層)を形成した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm;第1の基板)のITO膜(透明電極)の膜面に、撥液性絶縁膜として、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)をスピンコート(膜厚800nm)してフッ素樹脂層を形成した。このフッ素樹脂膜上に、隔壁(リブ)として、5mm×5mmサイズのポリエステル粘着テープNo.31B(厚み:20μm(アクリル系粘着剤/ポリエステルフィルムの積層)、日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31シリーズ)の中心部から3mm×3mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、このガラス基板を水平方向と平行に配置した。続いて、ポリエステル壁で形成された凹部に、実施例1と同一の染料インク(染料濃度10質量%のデカン溶液)を0.1μL注入し、厚み11μmのインク層(オイル層)を形成した。
次いで、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板のITO膜の表面に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×40μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。続いて、このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、親水性液体であるエチレングリコール(EG)を厚み46μmとなるように注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。
次に、インク層が形成されたITO付ガラス基板を水平面上に置き、EG層が形成されたITO付ガラス基板を、インク層が形成されたITO付ガラス基板のインク層の上方から近づけてEG層とインク層とが接触するようにして重ねた。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−4)を作製した。
このようにして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−4)を作製した。
(実施例5)
実施例3において、染料インクにおける染料濃度を10質量%から40質量%に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、図6示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−5)を作製した。
実施例3において、染料インクにおける染料濃度を10質量%から40質量%に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、図6示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−5)を作製した。
(実施例6)
実施例3において、使用する染料として、染料F−5と、染料E−12と、染料E−16と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)と、を混合して、オイルとして、染料濃度が溶液全量に対して、F−5が4質量%、E−12が3質量%、E−16が3質量%、したがって合計染料濃度が10質量%のノルマルデカン溶液(染料インク)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−6)を作製した。
実施例3において、使用する染料として、染料F−5と、染料E−12と、染料E−16と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)と、を混合して、オイルとして、染料濃度が溶液全量に対して、F−5が4質量%、E−12が3質量%、E−16が3質量%、したがって合計染料濃度が10質量%のノルマルデカン溶液(染料インク)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(セル−6)を作製した。
(比較例1)
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)を厚み800nmとなるようにスピンコートし、撥水性絶縁膜であるフッ素樹脂層を形成した。続いて、このフッ素樹脂層上に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。さらに、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、6mm×6mmサイズのポリエステルテープ(厚み20μm,日東工業社製)の中心部から4mm×4mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、隔壁(リブ)を形成した。
そして、このポリエステル壁で取り囲まれた中に、実施例1と同一の染料インクを0.2μL注入して厚み12.5μmのインク層を形成した後、インク層上に親水性液体であるエチレングリコール(EG)100μLを注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。続いて、EG層上に、厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)を、ITO膜がEG層(親水性液体層)と接触するようにして配置した。
このようにして、実施例2と同様のセル構造、すなわち図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(比較用セル−1)を作製した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)を厚み800nmとなるようにスピンコートし、撥水性絶縁膜であるフッ素樹脂層を形成した。続いて、このフッ素樹脂層上に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。さらに、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、6mm×6mmサイズのポリエステルテープ(厚み20μm,日東工業社製)の中心部から4mm×4mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、隔壁(リブ)を形成した。
そして、このポリエステル壁で取り囲まれた中に、実施例1と同一の染料インクを0.2μL注入して厚み12.5μmのインク層を形成した後、インク層上に親水性液体であるエチレングリコール(EG)100μLを注入し、EG層(親水性液体層)を形成した。続いて、EG層上に、厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)を、ITO膜がEG層(親水性液体層)と接触するようにして配置した。
このようにして、実施例2と同様のセル構造、すなわち図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(比較用セル−1)を作製した。
(比較例2)
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)を厚み800nmとなるようにスピンコートし、撥水性絶縁膜であるフッ素樹脂層を形成した。続いて、このフッ素樹脂層上に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。さらに、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、5mm×5mmサイズのポリエステルテープ(厚み20μm,日東工業社製)の中心部から3mm×3mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、隔壁(リブ)を形成し、このリブで形成される凹部に、実施例1と同一の染料インクを0.1μL注入し、厚み11μmのインク層を形成した。
続いて、親水性液体であるエチレングリコール(EG)をガラス容器に満たした浴に、インク層が形成されたガラス基板を、基板面に平行な方向に対して30°傾けながら浸漬し、シリコーンゴム壁の内側に親水性液体を満たした。
次に、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板をEG層(親水性液体層)と接触させながら配置した。
このようにして、実施例2と同様のセル構造、すなわち図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(比較用セル−2)を作製した。
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたITO付ガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番:CTL−809M)を厚み800nmとなるようにスピンコートし、撥水性絶縁膜であるフッ素樹脂層を形成した。続いて、このフッ素樹脂層上に、外壁として、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み40μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いた。さらに、シリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、5mm×5mmサイズのポリエステルテープ(厚み20μm,日東工業社製)の中心部から3mm×3mm×20μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のポリエステル壁を置き、隔壁(リブ)を形成し、このリブで形成される凹部に、実施例1と同一の染料インクを0.1μL注入し、厚み11μmのインク層を形成した。
続いて、親水性液体であるエチレングリコール(EG)をガラス容器に満たした浴に、インク層が形成されたガラス基板を、基板面に平行な方向に対して30°傾けながら浸漬し、シリコーンゴム壁の内側に親水性液体を満たした。
次に、上記で使用したITO付ガラス基板とは別に、上記と同様のITO付ガラス基板(第2の基板)を用意し、このITO付ガラス基板をEG層(親水性液体層)と接触させながら配置した。
このようにして、実施例2と同様のセル構造、すなわち図6に示す構造に構成されたエレクトロウェッティングテストセル(比較用セル−2)を作製した。
(評価)
上記の実施例及び比較例で作製した各テストセルについて、下記の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
上記の実施例及び比較例で作製した各テストセルについて、下記の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
−1.作製時点のセル外観−
各テストセルを作製した時点の外観、すなわちオイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無について、目視により観察して評価した。
各テストセルを作製した時点の外観、すなわちオイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無について、目視により観察して評価した。
−2.面積収縮率−
各テストセルの2つの透明電極間に、信号発生器にて100Vの直流電圧(フッ素樹脂層が設けられている側の透明電極11bをマイナス)を印加し、セルを基板11側から観察した。その結果、図7に示すように、インク層16が縮んだ状態が確認された。このときのインク面積の縮小率を下記式により算出し、駆動性能を評価する指標とした。
面積縮小率(%)=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100
各テストセルの2つの透明電極間に、信号発生器にて100Vの直流電圧(フッ素樹脂層が設けられている側の透明電極11bをマイナス)を印加し、セルを基板11側から観察した。その結果、図7に示すように、インク層16が縮んだ状態が確認された。このときのインク面積の縮小率を下記式により算出し、駆動性能を評価する指標とした。
面積縮小率(%)=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100
−3.歩留まり−
各テストセルを30個ずつ作製し、その各々について、オイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無を目視により観察し、下記式より求められる良品率(%)を指標として、歩留まりを評価した。ここで、目視によりフッ素樹脂層からのオイルの剥がれ又は分離が全く認められないものを「良品」とした。
良品率(%)=良品数(個)/30個×100
良品数(個)=30−(オイル剥がれのあるセル数+オイル分離のあるセル数)
各テストセルを30個ずつ作製し、その各々について、オイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無を目視により観察し、下記式より求められる良品率(%)を指標として、歩留まりを評価した。ここで、目視によりフッ素樹脂層からのオイルの剥がれ又は分離が全く認められないものを「良品」とした。
良品率(%)=良品数(個)/30個×100
良品数(個)=30−(オイル剥がれのあるセル数+オイル分離のあるセル数)
−4.駆動後のセル外観−
各テストセルに対して、上記の「2.面積収縮率」の評価と同様にして電流を印加し、30秒間電流を印加した後のテストセルの外観、すなわちオイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無を目視により評価した。
各テストセルに対して、上記の「2.面積収縮率」の評価と同様にして電流を印加し、30秒間電流を印加した後のテストセルの外観、すなわちオイルが撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)から剥がれた状態の有無、及びオイルがEG層上に浮上する等の分離した状態の有無を目視により評価した。
表1に示すように、実施例では、表示セルを作製する過程での、オイル層の撥水性絶縁膜(フッ素樹脂層)からの剥がれや、フッ素樹脂層からの分離によるオイル層の厚み等のバラツキが抑制されており、歩留まりの向上効果が著しかった。また、オイル層の収縮性も良好であり、いずれのセルも優れた駆動性能を示した。
これに対して、比較例では、オイル層の剥がれや分離の発生が著しいため、歩留まりの点で実施例に比べて著しく劣っていた。また、所望の厚みのオイル層が得られず、結果として駆動性能にも劣っていた。
これに対して、比較例では、オイル層の剥がれや分離の発生が著しいため、歩留まりの点で実施例に比べて著しく劣っていた。また、所望の厚みのオイル層が得られず、結果として駆動性能にも劣っていた。
11・・・第2の基板
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第1の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル(インク)
16A、16B・・・親水性液体とオイルとの界面
18a,18b・・・隔壁(リブ)
20・・・撥水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁(外壁)
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第1の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル(インク)
16A、16B・・・親水性液体とオイルとの界面
18a,18b・・・隔壁(リブ)
20・・・撥水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁(外壁)
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置
Claims (9)
- 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板の上に、導電性の親水性液体を付与する親水性液体付与工程と、
撥水性絶縁膜を有する第2の基板上の撥水性絶縁膜の上に、非極性溶媒と染料及び顔料の少なくとも一方とを含有する非導電性のオイルを付与するオイル付与工程と、
前記第1の基板上の親水性液体と、前記第2の基板上のオイルと、を接触させることにより、前記撥水性絶縁膜と前記オイルと前記親水性液体とがこの順に重層された重層構造を形成する重層工程と、
を有するエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。 - 前記第2の基板の撥水性絶縁膜上に、該撥水性絶縁膜の表面を複数の画素領域に区画する隔壁を有し、前記オイル付与工程は、前記隔壁で区画された領域に前記オイルを付与する請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記重層工程は、水平方向と平行に配置された前記第1の基板、及び第1の基板の反重力方向に配置された前記第2の基板の、一方を固定して他方を重力方向と平行に移動させることにより、又は両方を相対的に重力方向と平行に移動させることにより、前記親水性液体と前記オイルとを接触させる請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記オイル付与工程は、前記第2の基板の撥水性絶縁膜の表面を親水化処理する親水化工程と、親水化処理された撥水性絶縁膜の膜面に隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成後の前記膜面を疎水化処理する疎水化工程と、を有し、隔壁で区画された領域に前記オイルを付与する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記隔壁は、ポリマー材料を用いて形成されている請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記隔壁形成工程は、感光性を有する硬化性材料を露光、現像して前記隔壁を形成する請求項4又は請求項5に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記第2の基板の少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性であり、
前記第2の基板の導電性を有する側に前記撥水性絶縁膜を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。 - 前記染料及び前記顔料のオイル中における総含有量が、オイル全量に対して、2質量%以上80質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
- 前記染料は、炭素数6〜30の直鎖又は分岐のアルキル基を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示装置の製造方法。
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- 2013-03-15 JP JP2013054288A patent/JP2014178646A/ja not_active Abandoned
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