JP2014065245A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート Download PDF

Info

Publication number
JP2014065245A
JP2014065245A JP2012213202A JP2012213202A JP2014065245A JP 2014065245 A JP2014065245 A JP 2014065245A JP 2012213202 A JP2012213202 A JP 2012213202A JP 2012213202 A JP2012213202 A JP 2012213202A JP 2014065245 A JP2014065245 A JP 2014065245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal transfer
layer
mass
transfer image
receiving sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012213202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6090646B2 (ja
Inventor
Shinji Yonetani
谷 伸 二 米
Yoshimasa Kobayashi
林 良 正 小
Mitsuhiro Ota
田 光 洋 太
Tomoko Suzuki
木 知 子 鈴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012213202A priority Critical patent/JP6090646B2/ja
Publication of JP2014065245A publication Critical patent/JP2014065245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6090646B2 publication Critical patent/JP6090646B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

【課題】面質および搬送性等の各種性能を向上させた熱転写受像シートの提供。
【解決手段】熱転写受像シート10は、基材11と、基材の一方の面に、バインダー樹脂と微粒子とを含む受容層15と、を有してなり、該微粒子が、有機系微粒子、水酸化アルミニウムの粒子、ならびに樹脂とシリカの複合粒子からなる群から選択される少なくとも一種である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関し、より詳細には、基材と、基材の一方の面に受容層と、を有してなる熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
また、紙送りローラを備えた装置を用いた画像形成では、記録用紙と記録装置内部との接触により、該記録用紙に搬送方向と逆方向にバックテンションがかかるため、搬送ムラが生じることがある。このような搬送ムラは、スリップ、重ね送り、給紙不良等を引き起こし、その結果、記録用紙の紙送り量やインクの付着位置にズレが生じ、画像に乱れが生じてしまう。そこで、搬送性等の性能を向上させるために、例えば、ガラス転移温度が50〜90℃であるスチレンブタジエンゴムと、ポリエチレンワックスと、アニオン系ポリスチレン樹脂とを含有する裏面層を有する熱転写受像シートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
他にも、受像シートの表面(受容層)の帯電防止性が低く、印画物同士の静電張り付きが生じることで、搬送性が悪化するという問題が生じている。そこで、帯電防止性を向上させるために、リチウムイオン伝導性樹脂を少なくとも最表面層または最表面層下の層に含有させることが提案されている(特許文献2参照)。また、熱転写受像シートの印画後の表面のざらつきを防止するために、特定量の微粉末シリカを受容層に含有させることが提案されている(特許文献3および4参照)。しかしながら、依然として、印画物の表面状態(面質)および搬送性等の各種性能を向上させた熱転写受像シートの開発が切望されている。
特開2009−83298号公報 特開2005−96344号公報 特開2010−046919号公報 特開2011−255595号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、面質および搬送性等の各種性能を向上させた熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の層構成を有する熱転写受像シートにおいて、受容層に、バインダー樹脂と特定の微粒子を含有させることで、上記課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、該基材の一方の面に、バインダー樹脂と微粒子とを含む受容層と、を有してなる、熱転写受像シートであって、
該微粒子が、有機系微粒子、水酸化アルミニウムの粒子、ならびに樹脂とシリカの複合粒子からなる群から選択される少なくとも一種である、熱転写受像シートが提供される。
本発明の態様においては、該有機系微粒子が、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリアクリル酸エステル、および架橋ポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の態様においては、該微粒子が、1〜15μmの数平均粒子径を有することが好ましい。
本発明の態様においては、該微粒子が、0.5〜3.0g/mLの比重を有することが好ましい。
本発明の態様においては、該微粒子の含有量が、該バインダー樹脂の総固形分質量に対して、0.2〜5.0質量%であることが好ましい。
本発明の熱転写受像シートによれば、面質および搬送性等の各種性能を向上させることができる。
本発明による熱転写受像シートの一実施形態を示した模式断面図である。
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、基材の一方の面に受容層と、を有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に、中空層やプライマー層をさらに有してもよい。また、基材の他方の面に裏面層を有してもよい。以下、本発明の熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明の一態様によれば、基材の一方の面上に、2層の中空層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有してなり、基材の受容層と反対側の面上に、裏面層を有してなる、熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一実施形態の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11の一方の面に、中空層A(下層)12と、中空層B(上層)13と、プライマー層14と、受容層15とをこの順に有してなり、基材の受容層と反対側の面上に、裏面層16を有してなるものである。以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について説明する。
基材
本発明における基材は、一方の面に受容層と、他方の面に裏面層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルション含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、または多孔質フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、セルロース繊維紙とプラスチックフィルム、あるいはプラスチックフィルムと合成紙の組み合わせ等が挙げられる。更にセルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙(RCペーパー)を使用することができる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、三菱製紙(株)社製の写真用のRCペーパー等が好ましい。なお、基材厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、バインダー樹脂と微粒子とを含み、離型剤等を各種目的に応じてさらに含むことができる。また、受容層は2層以上からなるものであってもよい。
受容層の形成に用いるバインダー樹脂には、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・アクリル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等、およびこれら樹脂の混合系が挙げられ、特に好ましいものは、塩酢ビ系樹脂である。
受容層に含有される微粒子は、有機系微粒子、水酸化アルミニウムの粒子、ならびに樹脂とシリカの複合粒子からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。有機系微粒子は、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリアクリル酸エステル、および架橋ポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。複合粒子に用いる樹脂は、メラミン樹脂が好ましい。このような微粒子を受容層に含有させることで、受容層自体を帯電し難くすることができ、プリンタ内における搬送中に熱転写受像シートが帯電するのを抑えて、搬送性を向上させることができる。
受容層に含有される微粒子は、好ましくは1〜15μm、より好ましくは3〜14μmの数平均粒子径を有するものである。微粒子の数平均粒子径が1μm以上であれば受容層の表面を所定以上に粗くすることができ、プリンタ内における搬送中に熱転写受像シートが帯電するのをより抑えることができる。また、微粒子の数平均粒子径が15μm以下であれば表面のざらつきを抑えることができる。本発明において、微粒子の数平均粒子径は、レーザー回折・散乱型粒度分布計(日機装(株)マイクトラック粒度分布MT3000等の従来公知の方法により測定することができる。
受容層に含有される微粒子は、好ましくは0.5〜3.0g/mL、より好ましくは0.5〜2.5g/mL、さらに好ましくは1.0〜2.0g/mLの比重を有するものである。微粒子が、上記範囲程度の比重を有することで、プリンタ内における搬送中に熱転写受像シートが帯電するのをより抑えることができる。特に、比重を小さくすることで、受容層表面に微粒子が突出しやすくなり、受容層の表面を所定以上に粗くすることができ、熱転写受像シートの搬送性をより向上させることができる。本発明において、微粒子の比重は、JIS Z8807等の従来公知の方法により測定することができる。
受容層中の微粒子の含有量は、バインダー樹脂の総固形分質量に対して、好ましくは0.2〜5.0質量%、より好ましくは0.25〜3.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。微粒子が、上記範囲程度の比重を有することで、プリンタ内における搬送中に熱転写受像シートが帯電するのをより抑えることができる。特に、含有量を少なくすることで、表面のざらつきをより防止することができる。
なお、本発明はいかなる理論にも拘束されるものではないが、熱転写受像シートの面質や搬送性向上のメカニズムとしては、およそ以下のようなものではないかと推察される。もっとも、本発明が以下の説明によって限定されることがあってはならないことは言うまでもない。本発明においては、受容層に特定の微粒子を含有させることで、熱転写受像シートの面質や搬送性を向上させている。特に、受容層に含有される微粒子の比重を小さくすることで、受容層内部と比較して受容層表面に偏在する微粒子の割合が多くなることで、受容層の表面を所定以上に粗くすることができ、熱転写受像シートの搬送性をより向上させることができる。これは、微粒子が受容層インキ中では受容層インキとの比重差に応じた浮力を受けており、受容層インキ表面に移行しようとする性質を有するため、受容層インキ中の微粒子は、塗膜を形成後乾燥するまでの間に、受容層表面側に移行する。これによって、微粒子を受容層内部よりも受容層表面に多く存在させることができる。さらに、数平均粒子径が小さく、かつ比重が小さい微粒子を含有させる場合には、微粒子の突出量を所定の範囲内にすることができるのでより好ましい。これは、受容層の厚みよりも小さい粒径の微粒子を含有させる場合には、上述した浮力以外には受容層表面に突出する力を受けていないためである。これによって、面質を阻害しない範囲で受容層表面を凹凸させることが容易になり、さらに好ましい。
さらに、受容層自体が帯電し難くなることによっても搬送性を改善できる。この観点からは微粒子の材質は帯電し難いことが好ましく、特に水酸化アルミニウムの粒子やシリカ粒子を用いることで受容層自体を帯電し難くすることができた。また、受容層中の微粒子とバインダー樹脂の染料染着性が少なければ、微粒子の突起が大きくても面質が悪化しない。この様な観点から、微粒子とバインダー樹脂の染料染着性には、差が少ないことが好ましく、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、およびメラミン系樹脂等の有機系微粒子や、メラミン樹脂を用いることが好ましい。上述の受容層自体の帯電性と上述の染料染着性の両方の観点から、これらの両方の性質を兼ね備えた微粒子が好ましい。例えば、複合粒子を用いることが好ましく、メラミン樹脂とシリカの複合粒子が特に好ましい。
受容層に含有される離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、変性シリコーンを水分散した離型剤を用いることが特に好ましい。変性シリコーンの水分散型離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、X22−3000T(信越化学工業(株)製)等を水分散して使用することができる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点から好ましい。
裏面層
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂およびコロイダルシリカを含むことが好ましく、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
裏面層に含有されるコロイダルシリカは、平均粒子径が数100nm以下のケイ素を含む無機酸化物の微粒子からなるコロイドである。コロイダルシリカは、主成分として二酸化ケイ素(その水和物を含む)を含み、少量成分としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。またコロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。これらの無機塩類および有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、およびこれらの混合物のいずれであってもよい。有機溶剤は水溶性有機溶剤であっても非水溶性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤であることが好ましい。具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等を挙げることができる。水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
コロイダルシリカの製造方法には特に制限はなく、通常用いられる方法で製造することができる。例えば、四塩化ケイ素の熱分解によるアエロジル合成や水ガラスから製造することができる。あるいは、アルコキシドの加水分解といった液相合成法などによっても製造することができる。
本発明におけるコロイダルシリカの平均粒子径は、20〜500nmであり、好ましくは20〜250nmであり、より好ましくは20〜150nmであるものが用いられる。平均粒子径が上記範囲内であることで、形成した裏面層表面にコロイダルシリカが突出しやすくなり、コロイダルシリカの有する耐ブロッキング性、摩擦特性、帯電特性などの優れた効果を発揮することができる。平均粒子径が500nm以下であれば、乾燥塗膜の厚みやコロイダルシリカの配合量にもよるが、コロイダルシリカが塗膜より欠落するのを抑制することができる。また、裏面層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことが好ましい。平均粒子径の異なる少なくとも2種のコロイダルシリカを含むことで、大粒径のコロイダルシリカ同士の間に生じた隙間を適度に埋めることができ、形成した皮膜をより強固にすることができ、耐粉落ち性の点でも好ましい。
本発明において、コロイダルシリカの平均粒子径は、BET法、シアーズ法、遠心沈降法、動的光散乱法やレーザー回折法等の従来公知の方法により測定することができる。例えば、コロイダルシリカの粒子が球状で粒径が10nm以下の場合ではシアーズ法、粒子が球状で粒径が5〜100nmの場合ではBET法、粒子が球状で粒径が70〜500nmの場合では遠心沈降法、粒子が鎖状で粒径が40〜300nmの場合では動的光散乱法で測定することができる。
裏面層中のコロイダルシリカの含有量は、バインダー樹脂の総固形分質量に対して、好ましくは100〜600質量%であり、より好ましくは150〜500質量%であり、さらに好ましくは200〜300である。コロイダルシリカの含有量が100質量%以上であれば、摩擦特性、耐傷性、バックプリント適性、および耐ブロッキング性を十分に確保することができる。また、600質量%以下であれば、耐粉落ち性を満足することができる。
本発明においては、市販のコロイダルシリカを用いることもでき、アデライトAT−50((株)ADEKA製)、スノーテックス50、スノーテックスPS−S、スノーテックスPS−M、スノーテックスUP、スノーテックスCM、スノーテックスZL、スノーテックスMP−2040、スノーテックスMP−1040、スノーテックス20L(以上、日産化学工業(株)製)等が好ましい。
裏面層に含有されるバインダー樹脂は、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である。このようなバインダー樹脂を用いることで、基材への接着性が良好であり、かつ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。更に、帯電特性的にも好ましく、特に、受容層が塩ビ系樹脂である場合が好ましい。本発明においては、市販のバインダー樹脂を用いることもでき、ルシデン375CI、ルシデン606APEF、プライマルASR PlUS S25、プライマルI−2183N(以上、ローム・アンド・ハース社製)、ジョンクリル60J、61J、62J、63J、354J、PDX7700、PDX7641、PDX7643(以上、BASF社製)、バイロナールMD−1500、MD−2000(東洋紡社製)、ポリエスターWR−905S20WO、WR−961(以上、日本合成化学社製)、プラスコートZ−690、Z−687(以上、互応化学工業社製)、パテラコールIJ−150R、RSI−001、RSI−017(以上、DIC社製)、スーパーフレックス130(以上、第一工業製薬社製)等が好ましい。
裏面層に含有される造膜助剤としては、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、メチルセロソルブ、 エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブなどのセロソルブ系、カルビトール系(ジエチレングリコールモノアルキルエーテル)、ソルフィット、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テキサノール、およびN−メチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。バインダー樹脂と造膜助剤とを併用することで、耐ブロッキング性が良好なガラス転移温度が高いバインダー樹脂(例えば70℃以上)を水溶性樹脂あるいはガラス転移温度が低い樹脂と混合せずに使用することができる。また、裏面層中に残存した造膜助剤はバックプリントインキとの相溶化剤としても機能し、バックプリント適性等を向上できる。
裏面層に含有されるシリカ粒子としては、平均粒子径が1〜10μmのものが好ましい。シリカの平均粒子径は、コールカウンター法等の従来公知の方法により測定することができる。平均粒子径が上記範囲程度であれば、ブロッキング、粉落ちを防ぎ、良好なバックプリント適性を持たせることが可能になる。また、裏面層におけるシリカ粒子の含有量は、裏面層の総固形分質量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは0.5〜 10質量%であり、さらに好ましくは1〜5質量%である。シリカ粒子の含有量が上記範囲程度であれば、摩擦特性を調整でき、耐傷性、バックプリント適性、耐ブロッキング性を向上することができる。
本発明においては、市販のシリカ粒子を用いることもでき、サイシリア380(富士シリシア化学(株)製)、NIPGEL AY−200、NIPGEL CX−400、NIPGEL AZ−6A0、NIPGEL AY−451、およびNIPGEL BY−601(以上、東ソー・シリカ(株)製)等が好ましい。
裏面層に含有される帯電防止剤としては、導電性合成層状珪酸塩を用いることが好ましい。導電性合成層状珪酸塩は、ナトリウム、マグネシウム、およびリチウムの塩と珪酸ソーダを適正条件下で反応させた合成物である。層状珪酸塩を裏面層に含有させることで、熱転写受像シートの裏面の帯電性を制御することができる。また、層状珪酸塩の含有量は、裏面層の総固形分質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。層状珪酸塩の含有量が上記範囲内であれば、裏面層本来の機能を損なうことがなく好ましい。また、層状珪酸塩の平均粒子径は、30nm以下であることが好ましい。本発明においては、市販の層状珪酸塩を用いることもでき、例えば、ラポナイトJS、ラポナイトS(ウイルバー・エリス(株)製)等が好ましい。
本発明において、裏面層の塗布量は特に限定されるものではないが、塗布量は乾燥後0.1g/m〜3.0g/mの範囲内であることが好ましく、0.3g/m〜1.5g/mの範囲内であることがより好ましい。塗布量が上記範囲程度であれば、十分なバックプリント適性が得られる。
その他の層
本発明の熱転写受像シートは、上記の層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、中空層、プライマー層、中間層、および離型層等のその他の層をさらに有することができる。
中空層
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。本発明において、中空粒子の体積平均粒子径は、コールター法(Sysmex FPIA−3000 マルバーン社製)等の従来公知の方法により測定することができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を中空層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラおよびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、二ポールMH−5055(日本ゼオン(株))、SX8782、SX866(JSR(株))等が好ましい。
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、多孔層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の中空層やプライマー層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、CLV、およびN1236(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
中間層
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、受容層を有する面側においてはスライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、受容層を有する面側において、中空層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式により形成することが好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
熱転写インクシート
本発明による熱転写システムに用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性の色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
基材シート
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
色材層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性の色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。その他、市販されている昇華型熱転写方式で使用されるリボンに含まれる染料も使用できる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗布液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5〜90質量%、好ましくは5〜70質量%であることが好ましい。
保護層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層は、剥離層、プライマー層、およびヒートシール層の3層構成からなってもよい。また、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗布液を調製した後、該耐熱滑性層塗布液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。上記耐熱滑性層塗布液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
耐熱滑性層塗布液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗布液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の質量部は配合比で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、一方の面に、下記組成の裏面層用塗布液1をグラビアリバース方式にて、乾燥後の塗布量が0.8g/mとなるように塗布し、120℃にて30秒間乾燥した。また、塗布液は各液配合時に凝集物が発生しないように適宜各液を希釈して配合し、総固形分は塗工条件に応じて適宜選定した。
裏面層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン606APEF:固形分47%) 50質量部
・純水 67質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ルシデン375CI:固形分46%) 50質量部
・純水 65質量部
・コロイダルシリカ(平均粒子径:20〜30nm(BET法)、(株)ADEKA製、商品名:アデライトAT−50:固形分48%) 290質量部
・純水 406質量部
続いて、他方の面に、下記組成の中空層A用塗布液1、中空層B用塗布液1、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、WET時の厚みがそれぞれ15μm、25μm、15μm、8μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:裏面層/基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層)を得た。なお、塗布速度は、毎分100mであった。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株)製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 276質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 27質量部
・純水 600質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 32.8質量部
・純水 13.2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 40.6質量部
・純水 14.6質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(平均粒子径:0.5μm、平均中空率:45%、ローム・アンド・ハース(株) 製、商品名:ローペイクウルトラ:固形分30%) 447質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 40質量部
・純水 433質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13:固形分42%) 23.8質量部
・純水 9.5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 47質量部
・純水 17質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・架橋中空粒子(平均粒子径:0.1μm、平均中空率:30%、JSR(株)製、商品名:SX866、固形分:20%) 658質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 44質量部
・純水 422質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ジョンクリル62J:固形分34%) 17.7質量部
・純水 6.4質量部
・バインダー樹脂(変性ゴム、(株)レヂテックス製、商品名 MG−67:固形分51%) 18.6質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子1 1.9質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
なお、上記の塩酢ビ系エマルションおよび離型剤の水分散体は下記のようにして調製した。
塩酢ビ系エマルションの調製
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2質量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルションを得た。
離型剤の水分散体の調製
酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解した。次にトリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
実施例2
熱転写受像シート2の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
受容層用塗布液2の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子1 0.95質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例3
熱転写受像シート3の作製
受容層用塗布液1の組成において、微粒子1を微粒子2にした(受容層用塗布液3)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
実施例4
熱転写受像シート4の作製
受容層用塗布液2の組成において、微粒子1を微粒子2にした(受容層用塗布液4)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
実施例5
熱転写受像シート5の作製
受容層用塗布液1の組成において、微粒子1を微粒子3にした(受容層用塗布液5)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
実施例6
熱転写受像シート6の作製
受容層用塗布液2の組成において、微粒子1を微粒子3にした(受容層用塗布液6)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート6を作製した。
実施例7
熱転写受像シート7の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を作製した。
受容層用塗布液7の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子3 0.38質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤 (ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例8
熱転写受像シート8の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
受容層用塗布液8の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子3 9.5質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例9
熱転写受像シート9の作製
受容層用塗布液1の組成において、微粒子1を微粒子4にした(受容層用塗布液9)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
実施例10
熱転写受像シート10の作製
受容層用塗布液2の組成において、微粒子1を微粒子4にした(受容層用塗布液10)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
実施例11
熱転写受像シート11の作製
受容層用塗布液1の組成において、微粒子1を微粒子5にした(受容層用塗布液11)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート11を作製した。
実施例12
熱転写受像シート12の作製
受容層用塗布液2の組成において、微粒子1を微粒子5にした(受容層用塗布液12)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート12を作製した。
実施例13
熱転写受像シート13の作製
受容層用塗布液1の組成において、微粒子1を微粒子6にした(受容層用塗布液13)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート13を作製した。
実施例14
熱転写受像シート14の作製
受容層用塗布液2の組成において、微粒子1を微粒子6にした(受容層用塗布液14)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート14を作製した。
実施例15
熱転写受像シート15の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート15を作製した
受容層用塗布液15の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子7 5.7質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例16
熱転写受像シート16の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート16を作製した
受容層用塗布液16の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子7 9.5質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例17
熱転写受像シート17の作製
受容層用塗布液15の組成において、微粒子7を微粒子8にした(受容層用塗布液17)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート17を作製した。
実施例18
熱転写受像シート18の作製
受容層用塗布液16の組成において、微粒子7を微粒子8にした(受容層用塗布液18)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート18を作製した。
実施例19
熱転写受像シート19の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート19を作製した
受容層用塗布液19の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子9 3.8質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例20
熱転写受像シート20の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート20を作製した
受容層用塗布液20の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子9 7.6質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤 7.6質量部
(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%)
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
実施例21
熱転写受像シート21の作製
受容層用塗布液19の組成において、微粒子9を微粒子10にした(受容層用塗布液21)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート21を作製した。
実施例22
熱転写受像シート22の作製
受容層用塗布液20の組成において、微粒子9を微粒子10にした(受容層用塗布液22)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート22を作製した。
比較例1
熱転写受像シート23の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした(微粒子添加せず)以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート23を作製した。
受容層用塗布液23の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
比較例2
熱転写受像シート24の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート24を作製した。
受容層用塗布液24の組成
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)
411質量部
・微粒子11 1.9質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デコナールEX−512:固形分100%) 7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材((株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−526、固形分:30%)
45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
上記の実施例の受容層用塗布液に用いた微粒子1〜11の詳細を表1に示す。
Figure 2014065245
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜24について、(1)面質評価および(2)搬送性評価を行った。
(1)面質評価
印画物の面質を印画試験によって評価した。印画試験は、上記で作製した熱転写受像シートに昇華型熱転写法による所定画像の印画を行うことで実施した。このとき、印画される所定画像には、ブラックの18ステップに分割された画像を用い、昇華型熱転写法による印画を行う装置として、昇華型熱転写プリンタ((株)DNPフォトルシオ製、商品名:DS40)を用い、熱転写インクシートとしては昇華型熱転写プリンタ((株)DNPフォトルシオ製、商品名:DS40)に使用可能な専用インクリボンを用いた。そして、ブラックの18ステップに分割された画像が熱転写受像シートに形成された後、転写画像のざらつき感を目視観察して、下記の基準で評価した。
評価基準
○:印画物の表面にざらつきが全く認められなかった。
△:印画物の表面にざらつきがわずかに認められた。
×:印画物の表面にざらつきが明らかに認められた。
(2)搬送性評価
昇華型熱転写プリンタ((株)DNPフォトルシオ製、商品名:DS40)に、上記で作製した熱転写受像シートと、熱転写インクシートとして昇華型熱転写プリンタ((株)DNPフォトルシオ製、商品名:DS40)に使用可能な専用インクリボンとをセッティングして、初期動作させて、下記の基準で評価した。
評価基準
◎:リボンと受像紙が貼り付くことなく、搬送性が良好だった。
○:リボンと受像紙が貼り付くが、ジャムは発生せず、搬送性が良好だった。
×:リボンと受像紙が貼り付いて、ジャムが発生し、搬送性が悪かった。
上記の各評価の結果を表2に示す。本発明の組成を満たす熱転写受像シートは、面質および搬送性等の各種性能に優れていることがわかる。
Figure 2014065245
10 熱転写受像シート
11 基材
12 中空層A(下層)
13 中空層B(上層)
14 プライマー層
15 受容層
16 裏面層

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に、バインダー樹脂と微粒子とを含む受容層と、を有してなる、熱転写受像シートであって、
    前記微粒子が、有機系微粒子、水酸化アルミニウムの粒子、ならびに樹脂とシリカの複合粒子からなる群から選択される少なくとも一種である、熱転写受像シート。
  2. 前記有機系微粒子が、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリアクリル酸エステル、および架橋ポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記微粒子が、1〜15μmの数平均粒子径を有する、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記微粒子が、0.5〜3.0g/mLの比重を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記微粒子の含有量が、前記バインダー樹脂の総固形分質量に対して、0.2〜5.0質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
JP2012213202A 2012-09-26 2012-09-26 熱転写受像シート Active JP6090646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012213202A JP6090646B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 熱転写受像シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012213202A JP6090646B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 熱転写受像シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014065245A true JP2014065245A (ja) 2014-04-17
JP6090646B2 JP6090646B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=50742117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012213202A Active JP6090646B2 (ja) 2012-09-26 2012-09-26 熱転写受像シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6090646B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001205942A (ja) * 2000-01-25 2001-07-31 Konica Corp レーザー熱転写記録媒体および画像形成方法
JP2002088688A (ja) * 2000-06-27 2002-03-27 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 印刷適性に優れた偽造防止用紙
JP2008087278A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2008087277A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 感熱転写受像シート、感熱転写方式を用いた画像形成方法および感熱転写受像シートの製造方法
JP2008238513A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2008246929A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよび面状改質剤

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001205942A (ja) * 2000-01-25 2001-07-31 Konica Corp レーザー熱転写記録媒体および画像形成方法
JP2002088688A (ja) * 2000-06-27 2002-03-27 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 印刷適性に優れた偽造防止用紙
JP2008087278A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2008087277A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 感熱転写受像シート、感熱転写方式を用いた画像形成方法および感熱転写受像シートの製造方法
JP2008238513A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2008246929A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corp 感熱転写受像シートおよび面状改質剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP6090646B2 (ja) 2017-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014198419A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2014198418A (ja) 熱転写受像シートの製造方法
JP5817394B2 (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP5737626B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2013082219A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2014069463A (ja) 熱転写受像シートおよび画像形成方法
JP5906903B2 (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP5936117B2 (ja) 熱転写受像シートの製造方法
JP6090646B2 (ja) 熱転写受像シート
JP5834703B2 (ja) 熱転写受像シート
JP6036094B2 (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2015196275A (ja) 熱転写インクシートと熱転写受像シートのセットおよびそれを用いた画像形成方法
JP2014069462A (ja) 熱転写受像シート
JP2014065242A (ja) 熱転写システムおよび印画物の製造方法
JP5907421B2 (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2014065246A (ja) 熱転写システムおよび印画物の製造方法
JP6107329B2 (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2015196274A (ja) 熱転写インクシートと熱転写受像シートのセットおよびそれを用いた画像形成方法
JP2015196259A (ja) 熱転写インクシートと熱転写受像シートのセットおよびそれを用いた画像形成方法
JP2014198417A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JP2015196271A (ja) 熱転写インクシートと熱転写受像シートのセットおよびそれを用いた画像形成方法
JP5733629B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2014065243A (ja) 熱転写システム
JP6090645B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2014065247A (ja) 熱転写受像シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6090646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150