JP2014064623A - 医療用デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】生体組織への影響を低減させて安全性を向上させることができる医療用デバイスを提供する。
【解決手段】管腔内に挿入される先端筒体65と、手元側に設けられて相対的に移動することで先端筒体65を操作可能なスライド部100および本体部71と、先端筒体65を貫通する操作ワイヤー14と、スライド部100および本体部71の相対的な移動を規制可能な移動規制部180と、操作ワイヤー14を操作するために操作ワイヤー14に連結されるとともにスライド部100に対する所定の位置に到達することで移動規制部180による移動の規制を解除する把持部15と、を有する医療用デバイスである。
【選択図】図13

Description

本発明は、医療用デバイスに関し、特に、管腔内に挿通される医療用デバイスに関する。
最近、脳卒中や偏頭痛の心原性要因として卵円孔開存症(以下、PFO:Patent Foramen Ovale)が挙げられている。PFOは、胎児期の心臓における血液を左右短絡させる卵円孔が成人になっても残っている症状であり、成人の20〜30%が保有していると言われている。
卵円孔は、心臓の二次中隔(Septum Secundum、以下、心房中隔)に生じ、通常時の心臓では、左心房の圧力が右心房側の圧力を上回るので、一次中隔(Septum Primum、以下、卵円孔弁)により閉塞されているが、緊張時(例えば、咳をしたとき、踏ん張るとき)などに右心房側の圧力が左心房側の圧力を上回ると、卵円孔弁が左心房側に開き、右心房側(静脈側)から左心房側(動脈側)に血液が流れ込むことになる。この血液中に血栓が含まれていると、血栓は、静脈側から動脈側に移ることになり、左心房→左心室→大動脈→脳へと流れ、脳卒中や偏頭痛などの要因になる。
このような疾患に対する処置として、経皮的カテーテル手技による処置が、開心術と同じ効果が得られるならば、望ましい方法とされている。
経皮的カテーテルを用いた閉鎖術のデバイスは、先天性の心房中隔欠損症(ASD)、PFO、心室中隔欠損症(VSD)、動脈管開存症(PDA)といった欠損を閉鎖する場合にも使用できるが、従来のデバイスは、欠損を閉鎖するディスク状の膜やアンカー部材を使用して卵円孔弁と心房中隔を挟むものであり、これらは体内に留置される。
前記膜やアンカー部材は、体にとっては異物であり、しかも、血栓が形成されやすい。特に、左心房側のディスク状膜などに血栓が形成されると、これが流れて脳卒中の原因となる可能性があり、肉厚の薄い卵円孔弁を破損する虞もある。また、これら部材は、挟み込んだ状態で位置固定されず、位置ズレを起こす可能性もある。
このため、最近では、卵円孔弁と心房中隔を一対の電極により挟持し、両電極から電気エネルギを印加することにより組織を接合させるPFO閉鎖デバイスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このPFO閉鎖デバイスは、一対の電極である穿刺部材と挟持部材を使用して、穿刺部材を卵円孔弁に穿刺した後、挟持部材との間で卵円孔弁と心房中隔を挟持し、生体組織に電気エネルギを印加し接合を行うものである。このPFO閉鎖デバイスの手元側には、相対的に移動可能な本体部およびスライド部が設けられており、先端側には、本体部に対してスライド部を移動させることでカテーテルの先端から突出する保持部が設けられている。保持部は、卵円孔に挿通されて卵円孔弁を保持して、穿刺部材による穿刺を容易とする。
特開2009−233020号公報
上記したPFO閉鎖デバイスは、保持部をカテーテルから突出させて卵円孔に挿通させる際に、保持部の先端が生体組織に接触し、生体組織を損傷させる可能性がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、生体組織への影響を低減させて安全性を向上させることができる医療用デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る医療用デバイスは、管腔内に挿入される管体と、前記管体の手元側に設けられて相対的に移動することで前記管体を操作可能な第1部材および第2部材と、前記管体を貫通する操作ワイヤーと、前記第1部材および第2部材の相対的な移動を規制可能な移動規制部と、前記操作ワイヤーを操作するために前記操作ワイヤーに連結されるとともに前記第1部材に対する所定の位置に到達することで前記移動規制部による移動の規制を解除する把持部と、を有する医療用デバイスである。
上記のように構成した医療用デバイスは、把持部が第1部材の所定の位置へ到達するまで、移動規制部によって第1部材および第2部材の相対的な移動を規制できるため、第1部材および第2部材の相対的な移動による管体の操作を、把持部が第1部材の所定の位置へ到達するまで制限することができる。このため、管体を挿通する操作ワイヤーを、管体よりも先んじて突出させて生体の目的位置へ到達させた後に、操作ワイヤーをガイドとして管体を目的位置へ導くことが可能となり、管体による生体組織への影響を低減させて安全性を向上させることができる。
前記第1部材が、前記把持部が嵌合可能な嵌合部を有し、前記移動規制部は、前記嵌合部に嵌合する前記把持部から力を受けて前記第1部材および第2部材の相対的な移動規制を解除するようにすれば、把持部によって操作ワイヤーを先端方向へ移動させつつ操作して操作ワイヤーの先端側を目的の部位へ挿入できるとともに、把持している把持部を嵌合部へ嵌合させるだけで、第1部材および第2部材の相対的な移動規制を解除でき、操作性が向上する。
前記移動規制部が、前記第1部材および第2部材の相対的な移動を所定の移動範囲内で許容し、当該移動範囲を超える移動を規制するようにすれば、移動規制部による移動の規制が生じる前に、所定の動作を実施させることができる。
前記第1部材および第2部材の一方に回転可能に連結されるとともに前記第1部材および第2部材の他方と接触可能であり、回転することで接触部位に回転力を作用させて前記第1部材および第2部材を相対的に移動させることが可能な回転部材と、前記回転部材を回転させるホイールと、を有するようにすれば、第1部材および第2部材とを相対的に移動させるためには、ホイールを回転させる必要があり、管体等の急激な移動が制限されて安全性がさらに向上される。
前記移動規制部が、前記回転部材を前記接触部位から離間可能または前記接触部位と接触しつつ空転可能に保持し、前記把持部が、前記第1部材に対する所定の位置に到達することで前記回転部材を前記接触部位に対して押し付ける方向へ力を作用させて、前記ホイールの回転力を前記接触部位に伝達可能とすることで前記移動規制部による移動規制を解除するようにすれば、回転部材の第1部材または第2部材に対する接触を利用して、移動規制を制御することができる。
生体組織に存在する欠損の周辺にある生体組織に突き刺さる電極である針部と、前記針部との間に前記生体組織を挟持して前記針部との間で電流を流すことが可能な電極である挟持部と、をさらに有するようにすれば、生体組織に針部を突き刺した後、針部および挟持部の間に生体組織を挟持して電流を流し、生体組織を良好に接合することができる。
前記管体が、前記生体組織の欠損である卵円孔に挿通されて前記第1部材および操作ワイヤーの相対的な移動によって径方向外方へ曲がることで卵円孔弁を心房中隔側に押圧しつつ保持する保持部に設けられるようにすれば、操作ワイヤーを先行させて卵円孔へ挿通させた後に、操作ワイヤーをガイドとして保持部を卵円孔へ挿通させることができ、保持部による生体組織の損傷を抑制できる。
第1実施形態に係る医療用デバイスを示す概略断面図である。 第1実施形態に係る医療用デバイスを示す要部斜視図である。 図2の3−3線に沿うカテーテル先端部の断面図である。 挟持部および針部がルーメンから突出した際を示す、カテーテル先端部の平面図である。 挟持部および針部がルーメンに収納された際を示す、カテーテル先端部の平面図である。 本実施形態に係る医療用デバイスの手元操作部を示す平面図である。 図2の7−7線に沿う手元操作部の断面図である。 図2の7−7線に沿う手元操作部の拡大断面図である。 スライド部を移動させる際の図7の9−9線に沿う手元操作部の断面図であり、(A)はスライド部を前進させて連結部材が変位誘発部に接触する前、(B)は連結部材が変位誘発部に接触する際、(C)は連結部材が変位誘発部に接触した後、(D)はスライド部を後退させて連結部材が変位誘発部の基端側に到達した際、(E)は端子が接触部材に接触した際を示す。 図6の10−10線に沿う連結機構を示す断面図である。 図6の11−11線に沿うスライド部の断面図であり、(A)はホイールに押圧力が作用しない際を示し、(B)はホイールに押圧力が作用した際を示す。 図11の12−12線に沿う断面図である。 図11の13−13線に沿う断面図であり、(A)はスライド部を本体部から後退させた際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させて移動規制部が作動した際を示す。 図11の13−13線に沿う断面図であり、(A)は移動規制部を解除した際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させた際を示す。 位置決め保持手段を示す図であり、(A)は一方側から見た平面図、(B)は他方側から見た平面図である。 図15(B)の矢印16から見た矢視図である。 針操作レバーを操作する際の手元操作部を示す平面図であり、(A)は操作前、(B)は操作後を示す。 スライド部を後退させる際の手元操作部を示す拡大平面図であり、(A)は後退中、(B)は後退後を示す。 出力コネクタを手元操作部の入力コネクタに接続した際の手元操作部を示す拡大平面図である。 針操作レバーを後退させた際の手元操作部の平面図である。 操作ワイヤーを卵円孔に挿入した際の断面概略図である。 位置決め保持手段を卵円孔に挿入した際の断面概略図である。 卵円孔弁および心房中隔を位置決め保持手段により保持した際の断面概略図である。 卵円孔弁および心房中隔を保持して針部を穿刺した際の断面概略図である。 挟持部を心房中隔から離間させた際の断面概略図である。 位置決め保持手段をデバイス内に収容した際の断面概略図である。 針部および挟持部により卵円孔弁および心房中隔を挟持した際の断面概略図である。 (A)〜(C)は位置決め保持手段の操作状態を示す概略図である。 第2実施形態に係る医療用デバイスのスライド部の断面図であり、(A)はスライド部を本体部から後退させた際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させて移動規制部が作動した際を示す。 第2実施形態に係る医療用デバイスのスライド部の断面図であり、(A)は移動規制部による移動規制を解除した際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させた際を示す。 第3実施形態に係る医療用デバイスのスライド部の断面図であり、(A)はスライド部を本体部から後退させた際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させて移動規制部が作動した際を示す。 第3実施形態に係る医療用デバイスのスライド部の断面図であり、(A)は移動規制部による移動規制を解除した際、(B)はスライド部を本体部に対して前進させた際を示す。 第4実施形態に係る医療用デバイスの手元操作部を示す平面図である。 図33の34−34線に沿う手元操作部の断面図である。 図34の35−35線に沿う手元操作部の断面図である。 図33の36−36線に沿う手元操作部の断面図である。 図36の37−37線に沿う手元操作部の断面図であり、(A)はスライド部の移動規制を解除する前、(B)はスライド部の移動規制を解除した際を示す。 第5実施形態に係る医療用デバイスの手元操作部の断面図であり、(A)はスライド部の移動規制を解除する前、(B)はスライド部の移動規制を解除した際を示す。 第6実施形態に係る医療用デバイスの手元操作部の断面図であり、(A)はスライド部の移動規制を解除する前、(B)はスライド部の移動規制を解除した際を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る医療用デバイスは、PFO閉鎖デバイスである。なお、図2では、紙面の都合上、手元操作部70のみを縮小した状態で記載している。
PFO閉鎖デバイスは、図1,2に示すように、カテーテル本体10の基端に手元操作部70が取り付けられて構成されるカテーテル1と、手元操作部70に基端が連結可能であって内部にカテーテル本体10が挿通可能なガイディングシース3と、生体組織M(M1,M2の総称)を融着あるいは壊死させるための電気エネルギを供給するエネルギ供給手段4と、を有している。カテーテル1は、カテーテル本体10の先端部分に設けられ、卵円孔弁M2および心房中隔M1を挟持する挟圧手段Kと、挟圧手段Kによる手技を安定かつ正確に行なうために生体組織Mの保持や位置決めを行う位置決め保持手段60(位置決め保持部)と、を備えている。なお、以下の説明において、デバイスの手元操作部70側を「基端側」、挟圧手段K側を「先端側」と称す。また、「カテーテル」とは、医療用に使用される管体を含むものを表すものである。
デバイスの使用に当っては、まず、ガイディングシース3を、例えば、大腿静脈から挿入するが、このガイディングシース3は、内部にカテーテル本体10の先端に設けられた挟圧手段Kをカテーテル本体10と共に収容した状態で挿入する。先端が手技を行なう心臓の部位まで到達した後、手元操作部70を操作して挟圧手段Kをカテーテル本体10から突出させ、卵円孔の欠損O(以下、単に卵円孔Oと称することもある)が生じている心臓の心房中隔M1と卵円孔弁M2の組織を挟持する。この挟持状態で挟圧手段Kに電気エネルギを供給し、両組織を加熱融着し、欠損Oを閉鎖する。すなわち、挟圧手段Kは、加熱部として機能する。なお、図中、「L」は左心房、「R」は右心房を示す。
挟圧手段Kは、心房中隔M1の一側面に直接接触する挟持部20と、卵円孔弁M2に突き刺さる針部30とから構成されている。挟持部20は、全体的に扁平な板状の平板部21と、当該平板部21の基端部に接続された一対の線材部22と、線材部22の基端側に設けられる端子83(図7参照)と、を備えている。カテーテル本体10の先端には、先端チップ40が接着固定されており、挟持部20は、図3に示すように、カテーテル本体10および先端チップ40に連通して形成されるルーメンL3,L4により、その平面位置が規制されている。カテーテル本体10および先端チップ40の材料には、本実施形態ではポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いているが、材料はこれに限定されず、例えば熱可塑性ポリエステルエラストマーであるペルプレン(登録商標)、ナイロン、ポリエテレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いてもよい。
そして、線材部22は、先端側が曲がって形成されており、線材部22をルーメンL3,L4内に引き込むと、図4,5に示すように、線材部22の曲がりが伸びて直線に近い形状へ弾性的に変形し、線材部22よりも先端側に設けられる平板部21が針部30側へ移動する。
一方、針部30は、先端チップ40内に保持される2本の針先端部31と、各々の針先端部31の基端側から手元操作部70まで延在して設けられる2本の針基端部32と、針基端部32の基端側に設けられる端子81(図7参照)と、を備えている。針基端部32の基端側の端子81は、針部30を操作するために手元操作部70に設けられる針操作レバー78に連結されている。針先端部31および針基端部32は、同一の線材によって一体的に形成されている。
針先端部31は、カテーテル本体10および先端チップ40に形成される2つのルーメンL1,L2(図3参照)に進退可能に保持されており、図4,5に示すように、針先端部31を軸方向に進退させることにより鋭利な先端部が先端チップ40より出没し得るようになっている。
挟持部20や針部30は、いずれも生体組織Mに電流を印加するための電極として機能するものであるが、挟持部20の線材部22や針部30は、カテーテル本体10内を挿通し、手元操作部70に設けられる入力コネクタ75、これに嵌合されるプラグである出力コネクタ87(図1参照)、出力コネクタ87の電極端子と接続された導線d(d1、d2の総称)および制御部5を介してエネルギ供給手段4と電気的に接続される。また、導線d1およびd2のいずれか一方(本実施形態では導線d1)には、エネルギ供給手段4からの電流をオンオフ制御するために、足元に設置するフットスイッチSWが設けられている。なお、フットスイッチSWではなく、手元で操作しやすいスイッチであってもよい。
手元操作部70は、生体組織に存在する欠損の周辺にある生体組織Mを挟持する一対の電極部材からなる挟圧手段Kを、カテーテル本体10の先端から出没自在に操作する部分であるが、ここには、手をあまり動かすことなく小さな領域内ですべての操作を行うことができるように、下記する手段などが一括して設けられている。
つまり、手元操作部70には、図2に示すように、ガイディングシース3が連結される本体部71(第2部材)と、位置決め保持手段60を操作するスライド部100(第1部材)と、一方の電極部材である針部30を操作する針操作レバー78と、他方の電極部材である挟持部20を操作する挟持部操作レバー122と、挟圧手段Kの操作を補助するもので、手元操作部70およびカテーテル本体10の内部に軸方向移動可能に挿通された操作ワイヤー14と、が設けられている。更に、手元操作部70には、操作ワイヤー14を操作するために操作ワイヤー14の基端部に連結される把持部15と、スライド部100をスライド移動させるためのホイール160と、操作ワイヤー14の移動を制限可能なロック機構101(図13参照)と、スライド部100のスライド移動を把持部15の操作に連動して規制可能である移動規制部180と、熱エネルギを付与するエネルギ供給手段4と接続する電極端子を備えた入力コネクタ75と、が設けられている。
さらに手元操作部70を詳述すると、本体部71は、基端側が、本体部71に対して近接離間するようにガイドバー88A,88Bを介してスライド部100と連結されている。本体部71の上面には、針部30を操作する針操作レバー78と、挟持部20を操作する挟持部操作レバー122とが設けられている。ガイドバー88A,88Bは、スライド部100に固定され、本体部71の内部に摺動可能に設けられる。
本体部71の表面側(上面側)には、図6に示すように、窪み部77が形成され、ここに針操作レバー78が長手方向(白抜き矢印参照)に摺動可能に設けられている。針操作レバー78は、図7,8に示すように、本体部71に形成されたスリット(不図示)を挿通して内部空間76に達するように突出されたブラケット80を有し、このブラケット80に、針基端部32の基端側が接続される端子81が連結されている。したがって、針操作レバー78をスリットに沿って摺動させると、端子81は、図8に示すように本体部71の内部を進退し、針部30を進退させるようになっている。
また、本体部71の表面側(上面側)には、図6に示すように、窪み部121が形成され、ここに挟持部操作レバー122が長手方向に摺動可能に設けられている。挟持部操作レバー122は、図7,8に示すように、本体部71に形成されたスリット(不図示)を挿通して内部空間76に達するように突出されたブラケット123を有し、このブラケット123に、挟持部20の線材部22が接続される端子83が連結されている。
本体部71の内部空間76の略中央には、後に詳述する主管63が挿通されている。主管63の基端側は、スライド部100に接着剤などにより連結され(図12参照)、スライド部100のスライド動作に応じて本体部71にガイドされて摺動する。
これら端子81,83の移動終端位置には、スイッチとして機能する接触部材84,85が設けられている。勿論、針部30の電気系統と挟持部20の電気系統とは、導通しないように絶縁されている。
接触部材84,85は、導線d3,d4によって入力コネクタ75の両極に接続されており、針部30と挟持部20の移動に伴って移動する端子81,83と接すると、端子81,83と接したまま後退する構造となっている。すなわち、接触部材84,85と端子81,83は一定の長さの接触範囲を有しており、生体の個体差を吸収しつつ接触できるようになっている。
操作ワイヤー14の先端には先端部材68が設けられ、基端に把持部15が設けられる。操作ワイヤー14は、主管63内に設けられ、軸方向に牽引操作し挟圧手段Kの操作を補助する機能を有するもので、主管63内で軸線を中心として360度回転可能となっている。操作ワイヤー14が360度回転可能であれば、操作ワイヤー14の先端を卵円孔Oの近傍まで挿入し、これを回転的に位置変位させることにより卵円孔Oに挿通させることができる。この結果、卵円孔Oの状態が種々変形していても、その形状状態如何に拘わらず、デバイスの先端を卵円孔Oに挿通させることができ、手技を容易化、迅速化を図ることができる。
手元操作部70は、図9(A)に示すように、本体部71の内部に、ガイドバー88Aに結合されて端子83と連結および連結解除が可能な動作切換部130を備えている。動作切換部130は、スライド部100のスライド動作に応じてガイドバー88Aと共に進退動し、端子83と連結することで端子83に接続されている挟持部20を進退動させ、端子83から連結を解除することで挟持部20をスライド部100から独立して動作させることを可能とする。
動作切換部130は、ガイドバー88Aとの固定部位から先端側へ延びる梁状の連結部材140と、本体部71に形成されて連結部材140と接することで連結部材140を変形させる変形誘発部150とを備えている。連結部材140は、基端側(図9における右側)がガイドバー88Aに固定されており、先端側(図9における左側)に、端子83と係合・離脱が可能な係合部141が形成されており、端子83と解除可能に連結する構造となっている。係合部141は、連結部材140の先端部から進退動方向と直交する方向へ突出する第1係合部142と、連結部材140の第1係合部142よりも基端側に設けられて第1係合部142と同方向へ突出する第2係合部143とを備えている。第1係合部142は端子83の先端側の面と当接可能であり、第2係合部143は端子83の基端側の面と当接可能となっており、第1係合部142と第2係合部143との間に端子83が挟まる構造となっている。したがって、第1係合部142と第2係合部143との間に端子83を挟んだ状態で連結部材140を先端側へ移動させると、第2係合部143によって端子83が先端側へ押されて一緒に移動し(図9(A)、(B)参照)、逆に連結部材140を基端側へ移動させると、第1係合部142によって端子83が基端側へ押されて一緒に移動することになる(図9(D)、(E)参照)。第2係合部143の基端側の面には、頂部側が鋭角となる傾斜面144が形成されている。
変形誘発部150は、連結部材140の先端側に配置され、基端側の面に、連結部材140の進退動方向と傾斜するテーパ面151が形成されている。テーパ面151は、図9(B)に示すように、連結部材140が先端側へ移動することで、第1係合部142の突出方向端部と接し、連結部材140の先端を、第1係合部142および第2係合部143が突出する方向と反対方向へ撓ませるように変形させる。連結部材140が変形すると、端子83が第1係合部142および第2係合部143の間から離脱し、連結部材140と端子83の係合が解除される。これにより、図9(C)に示すように、更に連結部材140を先端側へ移動させても、端子83は先端側へ移動せず、挟持部20をスライド部100から独立して動作させることが可能となる。
そして、先端方向へ移動させた連結部材140を基端側へ引き戻し、第1係合部142が変形誘発部150よりも基端側へ移動すると、図9(D)に示すように、連結部材140は撓んだ状態から元の形状に戻る。そして、第2係合部143の基端側に傾斜面144が形成されているため、第2係合部143が端子83を円滑に乗り越えて端子83の基端側へ移動し、再び第1係合部142と第2係合部143との間に端子83が挟まれた状態となる。さらに連結部材140を基端側へ移動させると、図9(E)に示すように、第1係合部142によって端子83が基端側へ押されて一緒に移動し、挟持部20が後退することになる。このように、動作切換部130は、スライド部100の進退動に起因して、挟持部20の移動をスライド部100に対して連結または独立させることができる。
本体部71の先端部には、連結機構90(図2参照)の押ボタン93が設けられている。連結機構90は、本体部71に対するガイディングシース3の脱着を容易にするためのもので、押ボタン93を押した状態で、ガイディングシース3の基端部に設けられたフランジ部を本体部71に形成された挿通孔に嵌合させた後、押ボタン93の押圧を開放すると、図10に示すように、ガイディングシース3のフランジ部が摺動部材91の係合孔94に係合する。そして、摺動部材91がバネ部材92により弾発されて、フランジ部の抜け止め機能が発揮され、さらに押ボタン93を押すことで、ガイディングシース3が脱着可能となる構成となっている。ガイディングシース3の基端側には、サイドポート37が形成されており、このサイドポート37から造影剤などを注入することができる。
本体部71の基端部には、図6〜8に示すように、出力コネクタ87の外形形状に対応した接続孔74が設けられており、この接続孔74の内部に、入力コネクタ75の電極端子が配置されている。
ガイドバー88Aは、側辺の一部が接続孔74に入り込むように配置されており、接続孔74に入り込んだガイドバー88Aは、出力コネクタ87の接続孔74への挿通を阻害して、出力コネクタ87の入力コネクタ75との接続を防止する。ガイドバー88Aの側辺の一部には、切欠部89が形成されており、スライド部100と共にガイドバー88Aおよび主管63が本体部71に対して後退し、この切欠部89が接続孔74と一致すると、出力コネクタ87が入力コネクタ75と接続可能となる。これにより、手技中でも最も肝心な手技であって慎重さが要求されるエネルギ供給手段4と入力コネクタ75との接続を、生体組織Mの挟持が完了した後でなければ行えず、手技の安全性が高められる。
また、図6に示すように、本体部71には、入力コネクタ75に隣接して開設された窓73が設けられている。そして、ガイドバー88Aには、切欠部89の近傍に「OK」表示部Hが表記されている。
スライド部100を本体部71から後退させることで、位置決め保持手段60をカテーテル本体10内に引き込み回収し、挟持部20を導通可能とする端子83が接触部材85に接すると、最終的に「OK」表示部Hが窓73に現れる構成となっている。
また、本体部71は、基端側から基端方向へ延びる長尺部材170を備えており、長尺部材170は、スライド部100の内部に摺動可能に設けられる。長尺部材170は、ホイール160が設けられる側の側部に一方向に並ぶ歯溝を備えたラックギア171と、その反対側の側部に一方向へ平滑に延びる平滑面172とが形成されている。
ロック機構101は、図11に示すように、ホイール160と、ホイール160の押し込み操作によりスライド部100内を移動する移動部材110とによって構成される。
ホイール160は、術者が指で回転操作できるよう、外周の一部が外部に露出してスライド部100に設けられる。ホイール160は、同軸で回転する円柱部161、同軸で回転する歯車であるピニオンギア162、および、同軸でスライド部100に対して回転可能に支持される回転軸163と一体的に形成されている。回転軸163は、スライド部100の内部に形成される軸受部102に回転可能に保持される。軸受部102は、スライド部100のスライド方向と直交する方向への回転軸163の移動を許容する横長の溝で形成されており、このため、ホイール160は、スライド部100のスライド方向と直交する方向へ押圧されることで移動可能となっている。ピニオンギア162は、ホイール160が押し込まれていない状態においては、図11(A)、図13(A)に示すように、長尺部材170のラックギア171から離れて噛み合わず、ホイール160が押し込まれた状態においてのみ、図11(B)、図13(B)に示すように、ラックギア171と噛み合って、ピニオンギア162の回転運動を長尺部材170の直線運動に変換可能である。円柱部161は、ホイール160の押し込み方向に設けられる移動部材110の円弧状受け部113によって回転可能に保持されている。
移動部材110は、バネ104を介してスライド部100に保持されており、バネ104の弾性力によって、ホイール160を押し込み方向に対して反対方向へ付勢している。ホイール160を指で押し込みつつ回転操作することで、ピニオンギア162がラックギア171と噛み合い、ピニオンギア162の回転力によって長尺部材170がスライド部100内で移動し、スライド部100が本体部71に対して相対的に移動する。
また、移動部材110は、図11,12に示すように、操作ワイヤー14が貫通するとともに操作ワイヤー14を係止可能な接触部112が形成され、操作ワイヤー14に固定される、操作ワイヤー14の外径よりも大きな大径部106を係止できる。大径部106の材料は、例えばステンレスパイプなどが適用できる。大径部106は、操作ワイヤー14に対して、溶接、接着または融着などの材料に応じた公知の技術により固定される。移動部材110に設けられた接触部112は、操作ワイヤー14の軸線方向の進退操作を一時的に停止させるために、広幅部G1と狭幅部G2とを有する楔形通孔となっている。このように楔形通孔とすることで、操作ワイヤー14を通孔内で移動させる際に、大径部106の挟持がより強力となる。
手技を行う場合、位置決め保持手段60によって生体組織Mの保持や位置決めを行った後に、針部30による穿刺(突き刺し)操作を行うが、生体組織Mの保持や位置決めは、操作ワイヤー14を牽引して行う。操作ワイヤー14を牽引して生体組織Mの保持や位置決めを行っても、保持状態や位置決め状態を維持していなければ、穿刺操作を行うことができない。したがって、操作ワイヤー14を牽引操作したときに、大径部106が接触部112(場合によっては通孔の口縁部112a)に接触されて係止され、操作ワイヤー14を一時的にロックした状態にし、操作ワイヤー14に連結される把持部15を持つ手を離しても、前記保持状態や位置決め状態を維持できるようにし、針部30による穿刺操作のみを単独で行うことを可能にしている。
また、ホイール160を押し込んでロックを解除すれば、後述する保持部62における線状部66,67の弾性により操作ワイヤー14の先端部分は自動的に直状になり、卵円孔弁M2の保持状態を簡単に解除できる。
スライド部100の操作ワイヤー14が挿通される内部通路には、大径部106が基端方向へ通り抜け不能な大きさの規制孔108が形成されている。したがって、操作ワイヤー14を牽引する際、操作ワイヤー14に固定された大径部106が規制孔108に達するまでは牽引可能であるが、それ以上は、操作ワイヤー14をスライド部100に対して移動させることが不能となっている。
このようにホイール160の押し込み操作により、長尺部材170の移動制限の解除と、操作ワイヤー14の移動制限の解除とが連動されるため、長尺な操作ワイヤー14を左心房側から引き抜く操作と、操作ワイヤー14を引き抜くために操作ワイヤー14を直状にする操作とを連動させることでき、生体組織Mを損傷させる可能性がある操作ワイヤー14が湾曲している状態での牽引操作を抑制し、生体組織Mを損傷あるいは破断する事態を未然に防止できる。
スライド部100の基端側には、図13,14に示すように、把持部15が嵌合して把持部15が連結される嵌合孔125(嵌合部)が形成されている。なお、把持部15をスライド部100に連結可能であれば、孔の形態である嵌合孔125でなくてもよく、例えば、スライド部100に凸部が形成され、この凸部が把持部15に形成される凹部に嵌合するような形態であってもよい。
移動規制部180は、スライド部100の内部の基端側に設けられており、長尺部材170の平滑面172と摺動可能な規制部材181と、規制部材181を平滑面172へ押圧する弾性部材182とを備えている。弾性部材182は、コイルバネであるが、他の形態であってもよく、例えば板バネや、ゴム等の弾性体であってもよい。
規制部材181は、図13(A)に示すように、スライド部100が本体部71から最も基端側へ後退している状態において、弾性部材182によって押圧されて、長尺部材170の基端側の領域に長尺部材170の基端部から所定長さX離れて位置し、さらに基端側の一部が嵌合孔125の内部に位置する。
したがって、この状態からホイール160を押し込んで回転させ、スライド部100を本体部71に向かって所定長さX前進させると、図13(B)に示すように、長尺部材170の基端部が規制部材181に突き当たり、スライド部100の本体部71に対する先端方向への移動が規制される。この状態で、図14(A)に示すように、嵌合孔125に把持部15を嵌合させると、嵌合孔125に一部が配置されている規制部材181が把持部15によって側方へ後退するように移動する。これにより、スライド部100の本体部71に対する移動の規制が解除され、図14(B)に示すように、スライド部100を本体部71に対してさらに先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、規制部180によって本体部71に対する移動が規制されたスライド部100は、把持部15を嵌合孔125に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。
図1に示すエネルギ供給手段4は、挟圧手段Kに電気エネルギを供給するもので、公知のシステム構成のため詳述は避けるが、制御の容易性からすれば、直流電源や交流電源を問わず、電気的なものが好ましい。ただし、これのみでなく、挟圧手段Kにより挟持した卵円孔弁M2と心房中隔M1とを熱により溶融し、コラーゲンやエラスチンなどの接着因子で圧着させることが可能なエネルギを供給できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、超音波、レーザー、マイクロ波あるいは高周波などを使用することもできる。
位置決め保持手段60は、図2に示すように、概して、針部30を卵円孔Oに対し位置決めする針位置決め部61と、針部30の穿刺方向に対し卵円孔弁M2を後退不能に保持する保持部62と、スライド部100に固定的に保持される主管63と、から構成され、常時はガイディングシース3内に収容されているが、使用時には、図示のように操作ワイヤー14および主管63を操作することによりガイディングシース3から押し出される。
さらに詳述すれば、先端チップ40に形成された中央のルーメンL5には、主管63と、主管63内で軸方向に進退自在に設けられた操作ワイヤー14が設けられている(図3参照)。主管63は、基端側がスライド部100に固定的に保持され、このデバイスの中心軸的な機能を発揮するものであるが、またカテーテル本体10を補強するものでもあり、さらに、位置決め保持手段60をカテーテル本体10内に引き込み回収するものでもある。操作ワイヤー14は、カテーテル本体10の先端から主管63内を通りスライド部100の内部通路を通って、後端より突出されている。操作ワイヤー14の基端部には、操作ワイヤー14を進退動させたり回転させるために術者が指で把持するための把持部15が連結されている。
主管63の先端部には、針位置決め部61が設けられている。針位置決め部61は、卵円孔Oに対し針部30を位置決めするもので、図15に示すように、操作ワイヤー14の操作により弾性的に拡開縮小作動される一対の第2線状部66から構成されている。第2線状部66の基端は、主管63の外面に取り付けられ、先端は、内部に操作ワイヤー14が挿通された中間筒体64に取り付けられている。2本の第2線状部66は、例えば超弾性材料であるNiTi合金等により形成され、弾性的に変形可能であり、圧縮力が作用した際に互いに離れる方向へ撓むように、略中央部に互いに離れる方向に湾曲して形成される湾曲部66Aを有している。第2線状部66は、本実施形態ではNiTi合金等により形成されているが、材料はこれに限定されず、例えばステンレスなどを用いてもよい。
一方、保持部62は、針部30が卵円孔弁M2を穿刺しやすいように背面側から保持するもので、操作ワイヤー14の先端部に設けられた先端部材68、先端筒体65(管体)、先端筒体65と一体的に形成されている一対の第1線状部67、および、先端筒体65を補強するための補強部材69を有している。
先端部材68は操作ワイヤー14の先端に固定され、先端筒体65および中間筒体64は内部に操作ワイヤー14が挿通され、第1線状部67は基端が中間筒体64の先端に固定され、先端側が先端筒体65に固定されている。
中間筒体64は、基端側が主管63の内部に摺動可能に挿入される中間筒体基端部641と、中間筒体基端部641の先端側に設けられて外径が主管63の内径よりも大きい中間筒体突当部642と、中間筒体突当部642の先端側に設けられて第2線状部66の先端が固定される中間筒体基端側固定部643と、中間筒体64の先端側に設けられて第1線状部67の基端が固定される中間筒体先端側固定部644とを有している。
中間筒体64は、例えばステンレス等の金属管を加工して形成される。中間筒体突当部642は、外径が主管63の内径よりも大きいため、中間筒体基端部641が主管63の内部に収容されても、中間筒体突当部642が主管63の内部に収容されることはなく、主管36が中間筒体突当部642に突き当たることになる。
中間筒体基端側固定部643は、その先端側および基端側に切欠部643A,643Bが形成され、基端側の切欠部643Bから2つの第2線状部66を内部に侵入させた状態で管体を押し潰すようにカシメることで、第2線状部66を、潰した管体の内部に挟むように固定している。なお、中間筒体基端側固定部643においては、操作ワイヤー14はカシメられた管体の内側ではなく、外側に配置される(図15(B)参照)。
中間筒体先端側固定部644は、その基端側に切欠部644Aが形成され、先端側の開口部から2つの第1線状部67を内部に侵入させた状態で管体を押し潰すようにカシメることで、第1線状部67を、潰した管体の内部に挟むように固定している。なお、中間筒体先端側固定部644においては、操作ワイヤー14はカシメられた管体の内側ではなく、外側に配置される(図15(A)参照)。
針位置決め部61は、操作ワイヤー14を軸方向に進退させる操作により、主管63に取り付けた基端を支点として第2線状部66を外方に変位させ、各第2線状部66が卵円孔Oの内縁を略等しい弾性力で押圧し、針部30を卵円孔Oに対して調心する。つまり、両第2線状部66間に位置する針部30を卵円孔Oの中央部に位置させる機能を発揮することも可能である。
補強部材69は、例えばステンレス等の金属管を加工して形成される。補強部材69は、基端側に設けられて第1線状部67の先端が固定される補強部材固定部691と、先端筒体65の基端側および第1線状部67の先端側を覆う管形状の補強部材管状部692とを有している。
補強部材固定部691は、その先端側に切欠部691Aが形成され、基端側の開口部から2つの第1線状部67を内部に侵入させた状態で管体を押し潰すようにカシメることで、第1線状部67を、潰した管体の内部に挟むように固定している。なお、補強部材固定部691においては、操作ワイヤー14はカシメられた管体の内側ではなく、外側に配置される(図15(A)参照)。
補強部材管状部692は、先端筒体65の基端側の外周面を覆い、溶接したり接着剤を用いることで先端筒体65に固定される。
中間筒体64の中間筒体先端側固定部644と、補強部材69の補強部材固定部691は、同じ方向の側面がカシメられており(図15(A)参照)、中間筒体64の中間筒体基端側固定部643は、その反対方向の側面がカシメられている(図15(B)参照)。
先端筒体65および第1線状部67は、同一のワイヤーによって構成される。先端筒体65および第1線状部67は、本実施形態ではNiTi合金等により形成されているが、材料はこれに限定されず、例えばステンレスなどを用いてもよい。先端筒体65は、2本のワイヤーが交互に巻回されて筒状に形成され、第1線状部67は、先端筒体65を構成する2本のワイヤーが、先端筒体65から線状に延在して形成される。2本の第1線状部67は、弾性的に変形可能であり、圧縮力が作用した際に互いに離れる方向へ撓むように、略中央部に互いに離れる方向に湾曲して形成される湾曲部67Aを有している。2本の第1線状部67は、図16に示すように、中間筒体64および補強部材69と連結される際に、中間筒体先端側固定部644および補強部材固定部691のカシメられて窪んでいる側(図16における下側)と反対側(図16における上側)に偏って配置される。このため、1対の第1線状部67は、先端筒体65を貫通する操作ワイヤー14に対して一方側に偏って位置することになる。
これら中間筒体64、先端筒体65、両筒体64,65を連結する第1線状部67、先端部材68および補強部材69は、操作ワイヤー14の先端部を屈曲または湾曲させる湾曲機構Wを構成している。
湾曲機構Wは、卵円孔弁M2を保持するために用いられるものである。針部30が卵円孔弁M2を穿刺するとき、薄い卵円孔弁M2は背面側から保持すると穿刺が容易になる。したがって、湾曲機構Wは、操作ワイヤー14を軸方向に後退させることにより、先端部材68と第2線状部66の先端側との間で第1線状部67を屈曲または湾曲させ、先端部材68および先端筒体65により卵円孔弁M2を背面側から保持するようにしている。
ただし、保持部62の湾曲機構Wは、針位置決め部61の第2線状部66が針部30を卵円孔Oに対して調心して位置決めを行った後に、湾曲して卵円孔弁M2を保持するように構成する必要があるので、第2線状部66が第1線状部67に先んじて変形する必要があることから、本実施形態では両弾性部材の剛性を変えている。
本体部71に対しスライド部100を進退させると、スライド部100に固着されている主管63をカテーテル本体10の中央のルーメンL5内に引き込むことができ、これに伴って位置決め保持手段60全体をカテーテル本体10内に回収できる。
次に、第1実施形態に係る医療用デバイスの作用を説明する。
(1)前工程
術者は、大腿静脈よりイントロデューサー(ダイレータをガイディングシース3に挿入した組立体)を挿入する。ガイディングシース3の先端を、下大静脈Jおよび右心房Rを介し、左心房Lまで到達させた後、ガイディングシース3より、ダイレータを抜去する。
次に、図11(B)に示すように、ホイール160をスライド部100の内方に押圧すると、ホイール160とともにピニオンギア162が内方へ移動してラックギア171に噛み合う。これにより、スライド部100は本体部71に対し可動状態になる。なお、接続孔74(図6参照)にはガイドバー88Aの側辺の一部が入り込み、出力コネクタ87の入力コネクタ75への接続が阻害されており、予期しないエネルギ供給手段4からの電力供給が確実に抑制され、安全性が確保されている。
次に、ホイール160を押し込んだ状態を維持しつつホイール160を回転させると、ラックギア171と噛み合っているピニオンギア162が回転し、図13(A)に示すように、スライド部100が本体部71に対して離れる方向に後退する。規制部材181が長尺部材170よりも基端側へ達すると、規制部材181は、弾性部材182によって長尺部材170の基端側の領域へ押し込まれる。さらに、針操作レバー78および挟持部操作レバー122も後退させると、主管63、挟持部20の線材部22、針部30などがカテーテル本体10内に収容された状態となる。このとき、動作切換部130の連結部材140はスライド部100と共に基端側へ移動し、第1係合部142によって端子83が基端側へ押されて(図9(E)参照)、挟持部20が後退した状態となっている。
ホイール160の押圧を停止すると、図11(A)に示すように、バネ104の弾性力によって移動部材110およびホイール160が元の位置へ戻り、ピニオンギア162がラックギア171から離れてピニオンギア162の回転力が長尺部材170に伝わらなくなり、長尺部材170の移動が制限される。
この状態で、本デバイスをガイディングシース3内に挿入し、下大静脈J・右心房Rを通り、左心房Lまで到達させる。カテーテル1の先端が左心房Lに到達すると、ホイール160を再び押し込んでスライド部100を本体部71に対し可動状態とし、ホイール160を回転させて、スライド部100を本体部71に対して前進させる。これにより、スライド部100に固定されている主管63が前進移動するとともに、移動部材110に形成された通孔105の狭幅部G2に、操作ワイヤー14の大径部106が当らない状態、つまり操作ワイヤー14がフリーな状態となる。
そして、スライド部100を本体部71に対してさらに前進させると、スライド部100に固定された主管63によって位置決め保持手段60が前進すると同時に、挟持部20も前進する。すなわち、図9(A)に示すように、スライド部100を本体部71に対して前進させると、スライド部100に固定されているガイドバー88Aに連結された動作切換部130が前進し、第1係合部142と第2係合部143との間に挟まれた端子83が第2係合部143によって先端側へ押されて移動する。このように、スライド部100を移動させるだけで、位置決め保持手段60および挟持部20を同時に移動させることができる。
スライド部100を所定長さ前進させると、図9(B)に示すように、連結部材140の先端が変形誘発部150のテーパ面151に接し、連結部材140が、第1係合部142および第2係合部143が突出する方向と反対方向へ撓むように変形する。連結部材140が変形すると、端子83が第1係合部142および第2係合部143の間から離脱し、動作切換部130と端子83の係合が解除される。これにより、更にスライド部100を先端側へ移動させても、端子83は先端側へ移動せず、挟持部20の移動が連結部材140から独立される。
そして、スライド部100を本体部71に向かって所定長さXまで前進させると、図13(B)に示すように、長尺部材170の基端部が規制部材181に突き当たり、スライド部100の本体部71に対する先端方向への移動が規制される。これにより、スライド部100に固定された主管63の先端側に設けられる位置決め保持手段60の、カテーテル本体10からの突出が規制されることになる。
この後、把持部15を操作して、主管63、中間筒体64および先端筒体65を貫通する操作ワイヤー14を、先端筒体65よりも先端側へ突出させる。この突出状態は、先端部材68にX線不透過マーカーを設けているので、外部から視認することができる。操作ワイヤー14は、360度回転可能であるため、操作ワイヤー14を回転しながら前進でき、左心房Lに容易に挿通させることができる。このとき、位置決め保持手段60のカテーテル本体10からの突出が規制されているため、位置決め保持手段60よりも操作ワイヤー14が先行することになり、操作ワイヤー14よりも硬い位置決め保持手段60(特に、先端筒体65)による生体組織Mの損傷を抑制しつつ、図21に示すように、柔軟に変形可能な操作ワイヤー14を卵円孔Oに通して左心房Lに挿通させることができる。
操作ワイヤー14を左心房Lに挿通させた後、嵌合孔125に把持部15を嵌合させると、図14(A)に示すように、スライド部100内において、嵌合孔125に一部が配置されている規制部材181が把持部15によって側方へ後退するように移動する。これにより、長尺部材170に突き当たっていた規制部材181が長尺部材170から離れ、スライド部100の本体部71に対する移動の規制が解除されて、スライド部100を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。この状態で、図14(B)に示すように、さらにホイール160を回転させてスライド部100を本体部71に対して先端側へ移動させると、図22に示すように、位置決め保持手段60の先端側が左心房Lに挿通される。このとき、位置決め保持手段60が操作ワイヤー14をガイドとして移動するため、位置決め保持手段60の先端の先端筒体65による生体組織の損傷を抑制できる。
操作ワイヤー14が左心房Lに挿入されている状態で、図22に示すように、右心房RにルーメンL1〜L5の開口部が到達するまで、手元操作部70を操作する。このとき操作ワイヤー14の先端は先端筒体65から突出し、左心房L内に位置している。そして、線材部22がルーメンL3,L4から突出された状態となり、平板部21が、心房中隔M1から離れた状態となる。
(2)操作ワイヤーの牽引工程
牽引工程では、術者は、操作ワイヤー14の先端位置の確認後、図28(A)に示すように、操作ワイヤー14の先端の先端部材68が先端筒体65に当接するまで、把持部15を牽引して操作ワイヤー14を後退させる。
操作ワイヤー14を後退させると、図12に示す大径部106も後退するが、ロック機構101では、図11に示すように、ホイール160を押圧しない限りバネ104の弾性力により移動部材110が付勢されているために、操作ワイヤー14は、楔形の通孔112の狭幅部G2とスライド部100の内部通路の内周面との間で、常時、滑ることができる程度の力で挟圧保持されているので、操作ワイヤー14の後退において、引く動作を円滑に行うことができる。そして、本体部71を操作し、第1線状部67、挟持部20および針部30を卵円孔弁M2の近傍に位置させ、保持部62全体を左心房L側に挿入した状態とする。
操作ワイヤー14をさらに後退させると、この後退させる操作力が、操作ワイヤー14により、先端部材68、先端筒体65、第1線状部67および中間筒体64を介して、基端が主管63に取り付けられた第2線状部66に伝達され、第2線状部66を、図28(B)に示すように、径方向外方に向って円弧状に突出変形させる。ただし、この時点では第1線状部67は変形していない。
この結果、第2線状部66は、卵円孔Oの口縁部分を押し広げつつ変形することになるので、第2線状部66の直近に設けられている針部30を卵円孔Oに対して調心し、針部30を卵円孔Oの中心に位置させる。
さらに操作ワイヤー14を後退操作し、図28(C)に示すように、中間筒体64の中間筒体突当部642が主管63の先端に当接すると、中間筒体64のさらなる後退が抑制されて第2線状部66はあまり変形せず、先端側の第1線状部67が、操作力により径方向外方に向って円弧状に突出変形するとともに、第1線状部67よりも先端側にある先端筒体65および先端部材68が、針部30に近付くように径方向外方に向って移動する。このときの先端筒体65および先端部材68の移動方向は、操作ワイヤー14が、中間筒体先端側固定部644および補強部材固定部691のカシメられて窪んでいる部位において外部に露出されている方向となる。そして、2つの第1線状部67が、操作ワイヤー14に対して一方側へ偏って配置されているため、操作ワイヤー14を牽引した際に、変形の支点となる2つの第1線状部67の位置が、操作ワイヤー14の牽引によって力が作用する位置から偏ることになり、第1線状部67よりも先端側にある先端筒体65および先端部材68が、径方向外方に向って移動しやすい。そして、先端筒体65の基端部が補強部材69に覆われているため、先端筒体65の基端部を撓ませることなしに、第1線状部67を主として変形させることができる。これにより、第1線状部67よりも先端側にある先端筒体65および先端部材68は、径方向外方に向って傾き、円弧を描くようにして中間筒体64に接する程度まで移動できる。
この結果、図23に示すように、左心房L内において、先端部材68と先端筒体65が針部30に近付くように移動するので、先端部材68と先端筒体65は、卵円孔弁M2の左心房側の面に当接し、これを保持することになる。このとき、先端筒体65の先端側の補強部材69に覆われていない部位は、弾性的に変形可能なコイル状となっているため、撓むことができ、卵円孔弁M2に円滑に接触する。
次に、図11,12に示すロック機構101の移動部材110において、大径部106を楔形通孔である接触部112に押し込み、操作ワイヤー14をロックする。この結果、術者が把持部15から手を放しても保持状態は確実に維持され、卵円孔弁M2の保持が緩むことはなく、術者は、片手のみで針操作レバー78を前進させることが可能となる。
(3)仮把持工程
仮把持工程では、線材部22をルーメンL3,L4から突出させた状態から、ルーメンL3,L4内に多少引き込むように挟持部操作レバー122を操作する。このとき、動作切換部130が既に解除されており、挟持部20の移動がスライド部100から既に独立しているため、スライド部100と連動して移動する主管63に影響を与えることなしに、挟持部操作レバー122によって線材部22のみを操作することができる。
そして、図23に示すように、線材部22をルーメンL3,L4内に多少引き込むように操作することで、線材部22の曲がりがルーメンL3,L4内で伸びて直線に近い形状へ弾性的に変形し、平板部21を心房中隔M1に押し付ける。この動作によって、平板部21と位置決め保持手段60の間に、心房中隔M1を挟持する。そして、平板部21と位置決め保持手段60の間に心房中隔M1を挟持する過程で、軸を中心として回転しやすいカテーテル本体10の回転方向位置が矯正され、心房中隔M1に対して適正な回転方向位置に位置決めされる。これにより、この後に行われる生体組織Mの穿刺や加熱を、意図した適正な位置で行うことが可能となる。
(4)穿刺工程
針操作レバー78を矢印方向に前進させると(図17参照)、針部30の針先端部31がカテーテル本体10の先端から突出し、図24に示すように、卵円孔弁M2の所定位置に針先端部31が突き刺される。このとき、針先端部31が湾曲して形成されており、かつルーメンL1,L2も湾曲して形成されているため、2本の針先端部31が外方へ拡開しつつ突出する(図2参照)。
そして、穿刺する際には、平板部21によって心房中隔M1を仮把持することで、カテーテル本体10の先端部の回転方向位置が生体組織Mに対して適正な位置となっており、更に、卵円孔弁M2を位置決め保持手段60により保持しているため、針先端部31を卵円孔弁M2の適正な位置に穿刺できる。
そして、一旦針部30を穿刺すると、針部30の位置は、卵円孔弁M2との関係では固定的な位置となる。したがって、術者は、穿刺操作の後の工程を極めて容易に実施できる。
穿刺が完了すると、挟持部操作レバー122を操作し、線材部22をルーメンL3,L4から先端側に突出させる。これにより、図25に示すように、平板部21が、心房中隔M1から離間する。このとき、挟持部20は、挟持部操作レバー122によって、位置決め保持手段60などとは独立して操作可能となっているため、平板部21を生体組織Mから離間させる操作を行っても、位置決め保持手段60などの他の部位が連動して移動することはなく、卵円孔弁M2の位置決め位置を適正なまま維持することができる。
そして、手元操作部70では、針操作レバー78に取り付けられている端子81が前進して接触部材84に接触し、針部30と入力コネクタ75との間が電気的導通状態になる(図8参照)。
(5)スライド部の移動工程
平板部21が心房中隔M1に対向する位置になると、図18(A)に示すように、ホイール160を押し込みつつ回転させてスライド部100を本体部71から後退させる。この時点においても、接続孔74にガイドバー88Aの一部が入り込んで出力コネクタ87の入力コネクタ75への接続が阻害されており、安全性が確保されている。
そして、ホイール160が押し込まれることで、移動部材110が移動して操作ワイヤー14の移動制限が解除され、操作ワイヤー14がフリーな状態となり、操作ワイヤー14と先端部材68による第2線状部66と第1線状部67の加圧がなくなり、第2線状部66と第1線状部67が自らの弾性力により直状に伸びた状態になる。この状態で、ホイール160を回転させて、図18に示すようにスライド部100を後退操作すると、主管63を介して位置決め保持手段60全体がカテーテル本体10のルーメンL5内に回収される。図18(B)に示すように、「OK」表示部Hが窓73に現れると回収が終了したことが分かる。そして、ガイドバー88Aの切欠部89が接続孔74と一致して、出力コネクタ87が初めて入力コネクタ75に接続可能となる。
(6)挟持工程
そして、スライド部100を後退移動させる過程で、スライド部100とともに動作切換部130が後退移動し、第1係合部142が変形誘発部150よりも基端側へ移動すると、図9(D)に示すように、連結部材140は撓んだ状態から元の形状に戻る。そして、第2係合部143の基端側に傾斜面144が形成されているため、第2係合部143が端子83を円滑に乗り越えて端子83の基端側へ移動し、再び第1係合部142と第2係合部143との間に端子83が挟まれた状態となる。さらにスライド部100を後退させると、動作切換部130の第1係合部142によって端子83が基端側へ押されて一緒に移動し、平板部21が後退する。そして、線材部22がルーメンL3,L4内に引き込まれると、図27に示すように、線材部22が直状に変形することで平板部21が心房中隔M1に当接し、針先端部31と平板部21の間に、心房中隔M1および卵円孔弁M2が挟持される。なお、スライド部100を本体部71に対して前進移動させる際と異なり、スライド部100を後退移動させる際には、長尺部材170が規制部材181に突き当たることはなく、スライド部100の後退移動は規制部材181によって規制されない。
そして、手元操作部70では、図9(E)に示すように、端子83が後退して接触部材85に接触し、挟持部20と入力コネクタ75との間が電気的導通状態になる。
このように、スライド部100の後退移動に連動して、動作切換部130により切り離されていた挟持部20の動作が再びスライド部100の移動に連動し、スライド部100の移動のみで、位置決め保持手段60および挟持部20を操作することが可能である。
そして、スライド部100は、ホイール160を押し込んだ状態を維持してロック機構101を解除している間のみ移動可能であるため、スライド部100の意図しない移動が制限される。さらに、ホイール160を回転させることでスライド部100を後退させるため、スライド部100の本体部71に対する急激な移動が抑制されて、位置決め保持手段60および挟持部20の生体内での急激な移動が制限される。これにより、生体に対する安全性が向上される。
(7)接続工程
この段階では、針部30側の端子81と接触部材84とは先に電気導通可能状態となっているので、挟持部20と針部30の両者とも電気エネルギを供給可能な状態となっている。
そして、図19に示すように、出力コネクタ87を入力コネクタ75に接続すると、エネルギ供給手段4からの電力供給が可能な状態となる。この後、スイッチSWを作動させることで、制御部5により制御された所定の電気エネルギが挟持部20と針部30に供給され、心房中隔M1と卵円孔弁M2が加熱される。
融着温度を維持しつつ加熱を継続すると、心房中隔M1と卵円孔弁M2の組織が溶融し、コラーゲンやエラスチンなどの接着因子により相互に融着される。
(8)穿刺部後退工程
融着が完了すると、図19に示す針操作レバー78を後退させて図20の状態とし、針部30を先端チップ40内に収容する。これにより、針操作レバー78と共に移動する端子81が接触部材84から離れて(図7参照)、挟圧手段Kへの電気導通可能状態が解除される。この後、出力コネクタ87を入力コネクタ75から取り外す。なお、針部30を後退させる前に、挟持部操作レバー122またはスライド部100を前進操作して平板部21を前進させ、平板部21を心房中隔M1から離間させてもよい。この場合、針部30を後退させた後には、挟持部操作レバー122またはスライド部100を後退操作して、線材部22を再びルーメンL3,L4内に収容することになる。
この後、連結機構90の押ボタン93を押し、ガイディングシース3と本体部71との連結を解除することでガイディングシース3と本体部71との連結を解き、本体部71を生体から離すように後退させると、ガイディングシース3をガイドとしてデバイスが引き出される。この後、ガイディングシース3を生体から抜去すると、手技は完了する。
以上のように、第1実施形態によれば、管腔内に挿入される先端筒体65(管体)と、手元側に設けられて相対的に移動することで先端筒体65を操作可能なスライド部100(第1部材)および本体部71(第2部材)と、先端筒体65を貫通する操作ワイヤー14と、スライド部100および本体部71の相対的な移動を規制可能な移動規制部180と、操作ワイヤー14を操作するために操作ワイヤー14に連結されるとともにスライド部100に対する所定の位置に到達することで移動規制部180による移動の規制を解除する把持部15と、を有するため、把持部15がスライド部100の所定の位置(嵌合孔125)へ到達するまで、移動規制部180によって本体部71およびスライド部100の相対的な移動を規制できる。このため、本体部71およびスライド部100の相対的な移動による先端筒体65の操作を、把持部15がスライド部100の嵌合孔125へ到達するまで制限することができる。これにより、先端筒体65を挿通する操作ワイヤー14を、先端筒体65よりも先んじて突出させて目的部位(例えば、左心房L)へ到達させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を目的部位へ導くことが可能となり、先端筒体65による生体組織への影響を低減させて安全性を向上させることができる。
また、スライド部100は、把持部15が嵌合する嵌合孔125(嵌合部)を有し、移動規制部180は、嵌合孔125に嵌合する把持部15から力を受けて本体部71およびスライド部100の相対的な移動規制を解除するため、把持部15によって操作ワイヤー14を先端方向へ移動させつつ操作して操作ワイヤー14の先端側を目的の部位へ挿入できるとともに、把持している把持部15を嵌合孔125へ嵌合させるだけで、本体部71およびスライド部100の相対的な移動規制を解除でき、操作性が向上する。
また、移動規制部180は、本体部71およびスライド部100の相対的な移動を所定長さXの移動範囲内で許容し、移動範囲を超える移動を規制するため、移動規制部180による移動の規制が生じる前に、所定の動作を実施させることができる。本実施形態においては、移動規制部180による移動の規制を行う前に挟持部20を突出させて、挟持部20を操作することができる。
また、スライド部100に回転可能に連結されるとともに本体部71に設けられる長尺部材170と接触可能であり、回転することで長尺部材170に回転力を作用させて本体部71およびスライド部100を相対的に移動させることが可能なピニオンギア162(回転部材)と、ピニオンギア162を回転させるためのホイール160とを有するため、本体部71とスライド部100とを相対的に移動させるためには、ホイール160を回転させる必要があり、位置決め保持手段60や挟持部20の急激な移動が制限されて安全性がさらに向上される。
また、生体組織に存在する欠損Oの周辺にある生体組織Mに突き刺さる電極である針部30と、針部30との間に生体組織Mを挟持して針部30との間で電流を流すことが可能な電極である挟持部20と、を有するため、生体組織Mに針部30を突き刺した後、針部30および挟持部20の間に生体組織Mを挟持して電流を流し、生体組織Mを良好に接合することができる。
また、先端筒体65(筒状部)は、生体組織Mの欠損である卵円孔Oに挿通されてスライド部100および操作ワイヤー14の相対的な移動によって径方向外方へ曲がることで卵円孔弁M2を心房中隔M1側に押圧しつつ保持する保持部62に設けられるため、保持部62よりも柔軟な操作ワイヤー14を先行させて卵円孔Oへ挿通させた後に、操作ワイヤー14に沿って保持部62を卵円孔Oへ挿入させることができ、保持部62による生体組織Mの損傷を抑制できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る医療用デバイスは、第1実施形態に係る医療用デバイスと、手元操作部の構造のみが異なるものである。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係る医療用デバイスは、図29に示すように、本体部71が、基端方向へ延びる長尺部材270を備えており、長尺部材270は、スライド部200の内部に摺動可能に設けられる。長尺部材270は、ホイール160が設けられる側の側部に一方向に並ぶ歯溝を備えたラックギア271と、その反対側の側部に一方向へ平滑に延びる平滑面272とが形成されている。平滑面272は、段差部273を挟んで基端側に設けられる第1平滑面272Aと、先端側に設けられる第2平滑面272Bとを有しており、第1平滑面272Aのラックギア271からの距離が、第2平滑面272Bのラックギア271からの距離よりも短くなっている。段差部273には、規制部材181の先端側の端部が当接可能となっている。
規制部材181は、スライド部200が本体部71から基端側へ最も後退している状態において、弾性部材182によって押圧されて、長尺部材270の基端側の領域に段差部273から所定長さX離れて位置し、さらに基端側の一部が嵌合孔125の内部に位置する。
したがって、この状態からスライド部200が本体部71に向かって所定長さX前進すると、図29(B)に示すように、長尺部材270の段差部273が規制部材181に突き当たり、スライド部200の本体部71に対する先端方向への移動が規制される。この状態で、嵌合孔125に把持部15を嵌合させると、図30(A)に示すように、嵌合孔125に一部が配置されている規制部材181が把持部15によって側方へ後退するように移動する。これにより、スライド部200の本体部71に対する移動の規制が解除され、図30(B)に示すように、スライド部200を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、規制部材181によって本体部71に対する移動が規制されたスライド部200は、把持部15を嵌合孔125に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。なお、移動規制部180を用いて本体部71およびスライド部200の相対的な移動を規制する動作以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、第2実施形態によっても、把持部15がスライド部200に対する所定の位置(嵌合孔125)へ到達するまで、移動規制部180によって本体部71およびスライド部200の相対的な移動を規制できる。このため、先端筒体65よりも操作ワイヤー14を先行させて目的部位(例えば、左心房L)へ挿入させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を移動させることができ、操作ワイヤー14よりも硬い先端筒体65による生体組織Mの損傷を抑制できる。
また、移動規制部180に突き当たる長尺部材270の段差部273が、長尺部材270の端部ではなく平滑面272の途中に設けられるため、長尺部材270の端部から段差部273までの間の長さ分、スライド部200の長さを短くすることも可能となり、医療用デバイスをよりコンパクトにすることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る医療用デバイスは、第2実施形態に係る医療用デバイスと、移動規制部の構造のみが異なるものである。なお、第1,第2実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態に係る医療用デバイスは、図31に示すように、第2実施形態と同様の長尺部材270が、本体部71に設けられている。
移動規制部380は、スライド部300の内部の基端側に設けられており、長尺部材270の平滑面272と摺動可能な規制部材381と、規制部材381を平滑面へ押圧する弾性部材382と、把持部15と接触することで規制部材381を移動させる伝達部材383とを備えている。弾性部材382は、コイルバネであるが、他の形態であってもよく、例えば板バネや、ゴム等の弾性体であってもよい。
規制部材381は、伝達部材383が回転可能に枢着する枢着部384を有している。伝達部材383は、スライド部300に形成される支軸385に回転可能に支持されており、支軸385を挟んで先端側が、規制部材381の枢着部384に連結され、支軸385を挟んで基端側が、嵌合孔125の内部に位置している。伝達部材383の基端側の端部には、傾斜部386が形成されている。
規制部材381は、スライド部300が本体部71から基端側へ最も後退している状態において、弾性部材382によって押圧されて、長尺部材270の基端側の領域に段差部273から所定長さX離れて位置している。
したがって、この状態からスライド部300が本体部71に向かって所定長さX前進すると、図31(B)に示すように、長尺部材270の段差部273が規制部材381に突き当たり、スライド部300の本体部71に対する先端方向への移動が規制される。この状態で、嵌合孔125に把持部15を嵌合させると、図32(A)に示すように、嵌合孔125に一部が配置されている伝達部材383の傾斜部386が接し、把持部15によって側方へ後退するように移動する。これにより、伝達部材383が支軸385を中心として回転し、規制部材381が、枢着部384を介して伝達部材383から力を受けて、側方へ後退するように移動する。これにより、スライド部300の本体部71に対する移動の規制が解除され、図32(B)に示すように、スライド部300を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、規制部材381によって本体部71に対する移動が規制されたスライド部300は、把持部15を嵌合孔125に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。なお、移動規制部380を用いて本体部71およびスライド部300の相対的な移動を規制する動作以外は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、第3実施形態によっても、把持部15がスライド部300に対する所定の位置(嵌合孔125)へ到達するまで、移動規制部380によって本体部71およびスライド部300の相対的な移動を規制できる。このため、先端筒体65よりも操作ワイヤー14を先行させて目的部位(例えば、左心房L)へ挿通させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を移動させることができ、操作ワイヤー14よりも硬い先端筒体65による生体組織Mの損傷を抑制できる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る医療用デバイスは、第1実施形態に係る医療用デバイスと、手元操作部の構造のみが異なるものである。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態に係る医療用デバイスは、図33に示すように、本体部71が、基端方向へ延びる長尺部材470を備えており、長尺部材470は、スライド部400の内部に摺動可能に設けられる。長尺部材470は、ホイール160が設けられる側の側部に一方向に並ぶ歯溝を備えたラックギア471が形成されている。
スライド部400には、操作ワイヤー14の移動を制限可能なロック機構402と、ロック機構402を操作するための押し片409と、スライド部400をスライド移動させるためのホイール160と、が設けられている。
図34,35に示すロック機構402は、スライド部400に設けられ、押し片409を押圧することによってスライド部400のスライド移動をロック−アンロックすると共に、操作ワイヤー14の軸方向移動をロック−アンロックする。
ロック機構402は、押し片409に固定される移動部材404を摺動させることによりスライド部400と本体部71とを連結したり、ロックを外すことによりスライド移動を可能にするスライド部用の第1ロック部R1と、操作ワイヤー14の先端部に設けられた、後述の位置決め保持手段60が生体組織Mを保持あるいは位置決めするとき、操作ワイヤー14の軸線方向の進退操作を一時的に停止させる操作ワイヤー用の第2ロック部R2と、を併有している。
第1ロック部R1は、スライド部400に形成されたスライド孔403内に摺動自在に設けられた移動部材404と、移動部材404に一体的に設けられ、本体部71に対しスライド部400の移動を規制する規制ロッド410とから構成されている。図34,35中の符号「407」はバネである。
規制ロッド410には、本体部71の係合凹部411bと係合する係合突起411aが先端に設けられているので、移動部材404を押圧すると、係合突起411aと係合凹部411bとの係合が解除され、スライド部400は、本体部71に対しスライド可能になる。また、移動部材404には第2ロック部R2も設けられ、移動部材404の押圧により第2ロック部R2も解除されることになる。
このように押し片409および移動部材404を操作することにより、第1ロック部R1の解除と、第2ロック部R2の解除とが連動されるため、長尺な操作ワイヤー14を左心房側から引き抜く操作と、操作ワイヤー14を引き抜くために操作ワイヤー14を直状にする操作とを連動させることでき、生体組織Mを損傷させる可能性がある操作ワイヤー14が湾曲している状態での牽引操作を未然に防止でき、生体組織Mを損傷あるいは破断する事態を未然に防止できる。
一方、操作ワイヤー14用の第2ロック部R2は、移動部材404に形成された係止部405と、操作ワイヤー14に固定される、操作ワイヤー14の外径よりも大きな大径部406とから構成されている。大径部406の材料は、例えばステンレスパイプなどが適用できる。大径部406は、操作ワイヤー14に対して、溶接、接着または融着などの材料に応じた公知の技術により固定される。第2ロック部R2は、操作ワイヤー14の軸線方向の進退操作を一時的に停止させるために、移動部材404に設けられた係止部405を、広幅部G1と狭幅部G2とを有する楔形通孔としている。このように楔形通孔とすることで、操作ワイヤー14を通孔内で移動させるのみで、大径部406の挟持がより強力となる。
手技を行う場合、位置決め保持手段60によって生体組織Mの保持や位置決めを行った後に、針部30による穿刺(突き刺し)操作を行うが、生体組織Mの保持や位置決めは、操作ワイヤー14を牽引して行う。操作ワイヤー14を牽引して生体組織Mの保持や位置決めを行っても、保持状態や位置決め状態を維持していなければ、穿刺操作を行うことができない。したがって、第2ロック部R2は、操作ワイヤー14を牽引操作したときに、大径部406を係止部405(場合によっては通孔の口縁部405a)に係止し、操作ワイヤー14を一時的にロックした状態にし、操作ワイヤー14を持つ手を離しても、前記保持状態や位置決め状態を維持できるようにし、針部30による穿刺操作のみを単独で行うことを可能にしている。
また、ロックを解除すれば、後述する保持部62における線状部66,67の弾性により操作ワイヤー14の先端部分は自動的に直状になり、卵円孔弁M2の保持状態を簡単に解除できる。
スライド部400の操作ワイヤー14が挿通される内部通路には、大径部406が基端方向へ通り抜け不能な大きさの規制孔408が形成されている。したがって、操作ワイヤー14を牽引する際、操作ワイヤー14に固定された大径部406が規制孔408に達するまでは牽引可能であるが、それ以上は、操作ワイヤー14をスライド部400に対して移動させることが不能となっている。
第1〜第3実施形態に係る医療用デバイスでは、ホイール160の押し込みにより、操作ワイヤー14の軸方向移動をロック−アンロックするが、第4実施形態では、ホイール160とは異なる押し片409を操作することにより、第1ロック部R1の解除と、第2ロック部R2の解除とを連動されることができる。
ホイール160は、術者が指で回転操作できるよう、外周の一部が外部に露出してスライド部400に設けられる。ホイール160は、同軸で回転する円柱部161、同軸で回転する歯車であるピニオンギア162(回転部材)、および、同軸でスライド部400に対して回転可能に支持される回転軸163と一体的に形成されている。回転軸163は、スライド部400の内部に形成される軸受部412に回転可能に保持される。軸受部412は、スライド部400のスライド方向と直交する方向への回転軸163の移動を許容する横長の溝で形成されており、このため、ホイール160は、スライド部400のスライド方向と直交する方向へ移動可能となっている。術者がホイール160を回転させようとすると、ホイール160は必然的に押し込まれる方向へ力を受けるため、ホイール160と一体的に形成されているピニオンギア162が、ラックギア471から離れた状態となる。このように、スライド部400のスライド方向と直交する方向へのピニオンギア162の移動を許容して、ピニオンギア162をラックギア471から離間させて本体部71およびスライド部400の相対的な移動を不能とする横長の軸受部412が、本体部71とスライド部400の相対的な移動を規制する移動規制部として機能する。
スライド部400の基端側には、図36,37(A)に示すように、把持部15が嵌合して把持部15が連結される嵌合孔425が形成されている。嵌合孔425には、ホイール160と一体的に形成される円柱部161の一部が位置している。嵌合孔425に把持部15を嵌合させると、嵌合孔425に一部が配置されている円柱部161が把持部15から力を受けて移動する。これにより、図37(B)に示すように、円柱部161と同軸で回転するピニオンギア162がラックギア471と噛み合い、スライド部400の本体部71に対する移動の規制が解除され、スライド部400を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、本体部71に対する移動が規制されたスライド部400は、把持部15を嵌合孔425に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。
以上のように、第4実施形態によっても、把持部15がスライド部400に対する所定の位置(嵌合孔425)へ到達するまで、移動規制部として機能するピニオンギア162がラックギア471から離れた状態が維持され、本体部71およびスライド部400の相対的な移動を規制できる。このため、先端筒体65よりも操作ワイヤー14を先行させて目的部位(例えば、左心房L)へ挿通させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を移動させることができ、操作ワイヤー14よりも硬い先端筒体65による生体組織Mの損傷を抑制できる。
また、軸受部412(移動規制部)が、ピニオンギア162を、長尺部材470のラックギア471から離間可能に保持しており、把持部15が、スライド部400の嵌合孔425に到達することでピニオンギア162をラックギア471に対して押し付ける方向へ力を作用させて、ピニオンギア162の回転力をラックギア471に伝達可能とするため、ピニオンギア162のラックギア471に対する接触を利用して、移動規制を制御できる。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る医療用デバイスは、第4実施形態に係る医療用デバイスと、ホイール160を移動させる構造が異なるものである。なお、第1〜第4実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態に係る医療用デバイスは、図38(A)に示すように、第4実施形態と同様の長尺部材470が、本体部71に設けられている。
第5実施形態におけるスライド部500の基端側には、図38(A)に示すように、把持部15が嵌合して把持部15が連結される嵌合孔525が形成されている。スライド部500の内部の基端側には、規制部材581が位置している。規制部材581は、略中心部に設けられる支軸585によって回転可能であり、支軸585に対して基端側の一部が、嵌合孔525の内部に位置し、支軸585に対して先端側の側面が、ホイール160と一体的に形成されている円柱部161に当接可能である。
そして、嵌合孔525に把持部15を嵌合させると、嵌合孔525に一部が配置されている規制部材581が把持部15に押圧されて支軸585を支点として回転し、規制部材581の先端側の側面が円柱部161を押圧する。これにより、軸受部612に沿って回転軸163が移動し、円柱部161と同軸で回転するピニオンギア162がラックギア471と噛み合い、スライド部500の本体部71に対する移動の規制が解除される。これにより、図38(B)に示すように、ホイール160を回転させることで、スライド部500を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、本体部71に対する移動が規制されたスライド部500は、把持部15を嵌合孔525に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。このように、スライド部500のスライド方向と直交する方向へのピニオンギア162の移動を許容して、ピニオンギア162をラックギア471から離間させて本体部71およびスライド部500の相対的な移動を不能とする横長の軸受部412が、本体部71とスライド部500の相対的な移動を規制する移動規制部として機能する。
第5実施形態に係る医療用デバイスにおいても、把持部15がスライド部の嵌合孔525に嵌合されるまでは、ピニオンギア162がラックギア471に噛み合っていないため、ホイール160を回転させても、スライド部500を本体部71に対して移動させることができない。したがって、把持部15がスライド部500に対する所定の位置(嵌合孔525)へ到達するまで、本体部71およびスライド部500の相対的な移動を規制できる。このため、先端筒体65よりも操作ワイヤー14を先行させて目的部位(例えば、左心房L)へ挿入させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を移動させることができ、操作ワイヤー14よりも硬い先端筒体65による生体組織Mの損傷を抑制できる。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係る医療用デバイスは、第4実施形態に係る医療用デバイスと、移動規制部の構造が異なるものである。なお、第1〜第5実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
第6実施形態に係る医療用デバイスは、図39(A)に示すように、第4実施形態と同様の長尺部材470が、本体部71に設けられている。
第6実施形態における軸受部612は、図39に示すように、ホイール160と一体的に形成される回転軸163の移動を許容する横長の溝でスライド部600に形成されており、溝の方向は、回転軸163が先端側へ移動することでラックギア471に近接し、回転軸163が基端側へ移動することでラックギア471から離間するように、スライド部500のスライド方向と傾斜して形成される。術者がホイール160を回転させようとすると、ホイール160は必然的に押し込まれる方向へ力を受けるため、ホイール160と一体的に形成されているピニオンギア162が、ラックギア471から離れた状態となる。このように、スライド部600のスライド方向と交差する方向へのピニオンギア162の移動を許容して、ピニオンギア162をラックギア471から離間させて本体部71およびスライド部600の相対的な移動を不能とする横長の軸受部412が、本体部71とスライド部600の相対的な移動を規制する移動規制部として機能する。
スライド部600の基端側には、把持部15が嵌合して把持部15が連結される嵌合孔625が形成されている。嵌合孔625の内部には、ホイール160と一体的に形成される円柱部161に先端側が当接する規制部材681の基端側が位置している。規制部材681は、スライド部600のスライド方向へ移動可能に、スライド部600に保持されている。
そして、嵌合孔625に把持部15を嵌合させると、嵌合孔625に一部が配置されている規制部材681が把持部15に押圧されて先端側へ移動し、規制部材681によって円柱部161が先端側へ押圧されて移動する。これにより、スライド部600のスライド方向と傾斜して形成される軸受部612に沿って回転軸163が移動し、円柱部161と同軸で回転するピニオンギア162がラックギア471と噛み合い、スライド部600の本体部71に対する移動の規制が解除される。これにより、図39(B)に示すように、ホイール160を回転させることで、スライド部600を本体部71に対して先端側へ移動させることが可能となる。すなわち、本体部71に対する移動が規制されたスライド部600は、把持部15を嵌合孔625に嵌合させるまでは、本体部71に対して前進させることができないようになっている。なお、ホイール160を回転させようとすると、ホイール160は、必然的に押し込まれる方向へ力を受けるため、把持部15の嵌合孔625に対する連結力は、ホイール160が押し込まれてもピニオンギア162がラックギア471と噛み合った状態を維持できる程度に大きく設定される。または、強い連結力を発揮できるように、把持部15と嵌合孔625の間に、ルアーロック等の連結機構が設けられてもよい。
第6実施形態に係る医療用デバイスにおいても、把持部15がスライド部の嵌合孔625に嵌合されるまでは、ピニオンギア162がラックギア471に噛み合っていないため、ホイール160を回転させても、スライド部600を本体部71に対して移動させることができない。したがって、把持部15がスライド部600に対する所定の位置(嵌合孔625)へ到達するまで、本体部71およびスライド部600の相対的な移動を規制できる。このため、先端筒体65よりも操作ワイヤー14を先行させて目的部位(例えば、左心房L)へ挿通させた後に、操作ワイヤー14をガイドとして先端筒体65を移動させることができ、操作ワイヤー14よりも硬い先端筒体65による生体組織Mの損傷を抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、本実施形態では、PFOの欠損を閉鎖する治療に使用されるものについて説明したが、これのみに限定されるものではなく、左心耳閉鎖デバイスといった通路状の欠損を閉鎖する場合や、あるいは所定の部位の生体組織Mを熱的に壊死させる場合にも使用可能である。また、生体内で相対的に移動する2つの部材が設けられるデバイスであれば、熱的な処理を行うデバイスではない種々のデバイスに適用可能である。
また、第1〜第6実施形態では、長尺部材170,270,470が本体部71に設けられ、ピニオンギア162がスライド部100,200,300,400,500,600に設けられているが、逆の配置であってもよい。
また、第1〜第6実施形態では、相対的に移動する本体部71とスライド部100,200,300,400,500,600とが、互いに近接および離間する構造となっているが、相対的に移動する2つの部材があれば、このような構造に限定されない。したがって、例えば、手元操作部の外郭を構成するケースとして第1部材が設けられ、第1部材の内部に、第1部材と相対的に移動可能な第2部材が設けられてもよい。
また、第1〜第6実施形態では、本体部71とスライド部100,200,300,400,500,600とが、ホイール160の回転によって相対的に移動する構造となっているが、このような構造に限定されず、例えば、本体部に対してスライド部を手で牽引することで移動させる構造とすることもできる。
また、第1〜第3実施形態では、ホイール160を押し込むことで移動する移動部材110に、操作ワイヤー14の移動を制限するロック機構101が設けられているが、このような構成に限定されず、第4〜第6実施形態と同様に、ホイール160とは別途設けられる押し片409を押し込むことで、操作ワイヤー14の移動を制限する構造とすることもできる。
また、第4,第5実施形態では、横長の軸受部412を設けることで、ピニオンギア162がラックギア471から離れることが可能な構造となっているが、必ずしも横長の軸受部412が設けられてピニオンギア62が離れる必要はなく、ピニオンギア162がラックギア471に対して空転する程度の遊びが設けられてもよい。
また、回転運動を直線運動に変換する構成は、ピニオンギア162およびラックギア171,271,471に限定されず、例えばゴム等の摩擦の大きい部材を外周に設けたローラ状の回転部材と、この回転部材の外周面と接する平坦面を有する長尺部材とであってもよい。
また、第4〜第6実施形態では、ホイール160とピニオンギア162(回転部材)とは別の構成であるが、手で操作するホイール自体が、回転力を伝達させる回転部材であってもよい。
10 カテーテル本体、
14 操作ワイヤー、
15 把持部、
20 挟持部(電極)、
30 針部(電極)、
62 保持部、
71 本体部(第2部材)、
100,200,300,400,500,600 スライド部(第1部材)、
160 ホイール、
162 ピニオンギア(回転部材)、
170,270,470 長尺部材、
180,380 移動規制部、
240 押し片、
412,612 軸受部(移動規制部)、
M 生体組織、
M1 心房中隔、
M2 卵円孔弁、
O 欠損(卵円孔)。

Claims (7)

  1. 管腔内に挿入される管体と、
    手元側に設けられて相対的に移動することで前記管体を操作可能な第1部材および第2部材と、
    前記管体を貫通する操作ワイヤーと、
    前記第1部材および第2部材の相対的な移動を規制可能な移動規制部と、
    前記操作ワイヤーを操作するために前記操作ワイヤーに連結されるとともに前記第1部材に対する所定の位置に到達することで前記移動規制部による移動の規制を解除する把持部と、を有する医療用デバイス。
  2. 前記第1部材は、前記把持部が嵌合可能な嵌合部を有し、
    前記移動規制部は、前記嵌合部に嵌合する前記把持部から力を受けて前記第1部材および第2部材の相対的な移動規制を解除する請求項1に記載の医療用デバイス。
  3. 前記移動規制部は、前記第1部材および第2部材の相対的な移動を所定の移動範囲内で許容し、当該移動範囲を超える移動を規制する請求項1または2に記載の医療用デバイス。
  4. 前記第1部材および第2部材の一方に回転可能に連結されるとともに前記第1部材および第2部材の他方と接触可能であり、回転することで接触部位に回転力を作用させて前記第1部材および第2部材を相対的に移動させることが可能な回転部材と、
    前記回転部材を回転させるホイールと、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  5. 前記移動規制部は、前記回転部材を前記接触部位から離間可能または前記接触部位と接触しつつ空転可能に保持し、
    前記把持部は、前記第1部材に対する所定の位置に到達することで前記回転部材を前記接触部位に対して押し付ける方向へ力を作用させて、前記ホイールの回転力を前記接触部位に伝達可能とすることで前記移動規制部による移動規制を解除する請求項4に記載の医療用デバイス。
  6. 生体組織に存在する欠損の周辺にある生体組織に突き刺さる電極である針部と、
    前記針部との間に前記生体組織を挟持して前記針部との間で電流を流すことが可能な電極である挟持部と、をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
  7. 前記管体は、前記生体組織の欠損である卵円孔に挿通されて前記第1部材および操作ワイヤーの相対的な移動によって径方向外方へ曲がることで卵円孔弁を心房中隔側に押圧しつつ保持する保持部に設けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
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