JP2014064530A - 膜状組織の保存輸送容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜状組織を輸送した後、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の破損を防止するとともに、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することのできる膜状組織の保存輸送容器を提供する。
【解決手段】本発明の膜状組織の保存輸送容器1は、容器本体2が、一端側に、蓋部材3が覆う開口部4aを有して容器本体2の側部を形成する筒状の側部形成部材4と、側部形成部材4の他端側の開口部4bを液密に密閉して側部形成部材4に着脱可能で、容器本体2の底部を形成する底部形成部材5とを含んで構成され、底部形成部材5が、側部形成部材4の他端側に取り付けられた状態で、底部形成部材5の、容器内部を向く内表面の少なくとも一部が、側部形成部材4の他端側開口部4bよりも容器内部側に位置することを特徴とするものである。
【選択図面】図1

Description

本発明は、開口部を有するとともに、内部に、生体由来の細胞からなる膜状組織を収容する収容部を設けた容器本体と、該容器本体の前記開口部を覆って該容器本体に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記収容部に保存液とともに収容した前記膜状組織を保存ないし輸送するための膜状組織の保存輸送容器に関するものである。
近年、病気や怪我等により失われた臓器ないしは組織の機能を回復させる再生医療の分野において、患者の筋肉から採取した骨格筋芽細胞等を、例えば細胞培養センターで培養するとともにシート状に形成して、いわゆる骨格筋芽細胞シートその他の膜状組織を作製した場合は、細胞培養センター等で製作されたそのような膜状組織を、病院等の医療機関で患者への移植に供するため、保存液を入れた容器内に収容し保存しつつ医療機関に輸送する必要がある。
なお、上述したような膜状組織の保存および輸送を行うための容器として、従来は、例えば、特許文献1に記載された保存輸送容器があり、この保存輸送容器では、容器内部に収容部を設け、この収容部内に満たした保存液中に膜状組織を浮遊させることにより、輸送中の膜状組織の破損を防止することとしている。
特開2012−130311号公報
ところで、膜状組織は、医療機関へ輸送された後、患者への移植に用いられるに先立って、ヘラ等を用いて容器から取り出すとともにシャーレ等に配置され、また洗浄等の処理が施されることになるが、膜状組織は、非常に薄膜で極めて脆弱であることから、容器からシャーレへ移し替える際等に破損するおそれがある。特に、医療機関でこのような作業を行う医師その他の医療従事者は、膜状組織の破損を可能な限り防ぐことが要求されるので、膜状組織の取扱いが大きな負担となる。
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、例えば、膜状組織を輸送した後、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の破損を防止するとともに、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することのできる膜状組織の保存輸送容器を提供することにある。
本発明の膜状組織の保存輸送容器は、開口部を有するとともに、内部に、生体由来の細胞からなる膜状組織を収容する収容部を設けた容器本体と、該容器本体の前記開口部を覆って該容器本体に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記収容部に保存液とともに収容した前記膜状組織を保存ないし輸送するためのものであって、前記容器本体が、一端側に、前記蓋部材が覆う前記開口部を有して該容器本体の側部を形成する筒状の側部形成部材と、該側部形成部材の他端側の開口部を液密に密閉して該側部形成部材に着脱可能で、前記容器本体の底部を形成する底部形成部材とを含んで構成され、前記底部形成部材が、前記側部形成部材の他端側に取り付けられた状態で、前記底部形成部材の、容器内部を向く内表面の少なくとも一部が、前記側部形成部材の前記他端側開口部よりも容器内部側に位置することを特徴とするものである。
ここで、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記底部形成部材を、前記側部形成部材に対し、前記側部形成部材に対する前記蓋部材の着脱とは、独立して着脱可能とすることが好ましい。
またここで、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記側部形成部材に取り付けられる前記蓋部材に、一端側開口部での液密性を確保するシール部材を設けることが好ましい。
そしてまた、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記底部形成部材が、前記側部形成部材に取り付けられた状態で、前記側部形成部材の内側に液密に嵌め合わされる内側嵌合箇所を有することが好ましい。
なお、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記底部形成部材の周縁部分に、持ち手部材が取り付けられる持ち手接続部を設けることが好ましい。
本発明の膜状組織の保存輸送容器によれば、容器本体が、両端側のそれぞれに開口部を有する側部形成部材と、その側部形成部材の他端側に着脱可能な底部形成部材とを含んで構成されるものとしたことにより、容器本体から蓋部材を取り外すとともに容器本体の収容部内の保存液を除去した後、底部形成部材から側部形成部材を取り外すことで、膜状組織が底部形成部材に配置された状態となって、その状態のまま、膜状組織の、患者への移植を行うことが可能になるので、該容器から、例えば、シャーレ等の、底の浅い他の容器へ膜状組織を移し替える作業を省くことができる。
また、この保存輸送容器では、側部形成部材の他端側に液密に取り付けた底部形成部材の、容器内部を向く内表面の少なくとも一部が、側部形成部材の他端側開口部よりも容器内部側に位置することにより、その内表面の少なくとも一部が、それ以外の表面部分から盛り上がって位置することになるので、例えば、膜状組織を患者への移植に供する際等には、側部形成部材を取り外した底部形成部材の内表面の盛り上がる部分に配置された膜状組織を、ヘラ等を用いて容易にすくって取ることができる。
したがって、本発明の膜状組織の保存輸送容器によれば、例えば、膜状組織を輸送した後、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の破損を防止するとともに、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することができる。
本発明の保存輸送容器の第一の実施形態を示す、容器の高さ方向に沿う断面図である。 図1の保存輸送容器が有する底部形成部材の変形例を示す、図1と同様の図である。 図1の保存輸送容器における蓋部材の、側部形成部材への取付け部分の変形例を示す部分拡大断面図である。 図1の保存輸送容器の底部形成部材に設けた持ち手接続部および持ち手部材を示す、底部形成部材の断面図である。 本発明の保存輸送容器の第二の実施形態を示す、容器の高さ方向に沿う断面図である。
以下、図面を参照して本発明の第一の実施形態を詳細に例示説明する。
図1に例示する膜状組織の保存輸送容器1は、生体由来の細胞からなる膜状組織を保存ないし輸送するための容器であって、内部に、膜状組織を保存液とともに収容する収容部6が区画形成されるとともに、図1の上方側に、例えば、直径30〜300mm程度で、膜状組織の出し入れ可能な開口部4aを有する容器本体2と、容器本体2の開口部4aを覆って容器本体2に取り付けられる蓋部材3とを具えている。
なお、一定の厚みを有する薄膜状の上記の膜状組織は、心臓、角膜、網膜、血管、神経、表皮、真皮、軟骨、歯等の臓器や組織の一部もしくは全体、または複数の臓器の、疾患、疾病、欠損に対して再生、治療、治癒促進を目的として用いられ、あるいは、臓器や組織に対する薬品の刺激性、感作性、毒性、薬物の効果、組織への反応等を調べるために用いられる生体由来の構造物であり、この膜状組織としては、例えば、皮膚組織、粘膜上皮組織、角膜上皮組織、培養皮膚、培養真皮、培養表皮、培養上皮組織、培養角膜組織、軟骨組織、網膜組織、神経フィラメント、人工血管、筋芽細胞組織、生体由来の構造物から作製されたシート状細胞培養物、なかでも、骨格筋芽細胞からなるシート状細胞培養物を挙げることができる。膜状組織は、細胞や細胞分泌物のみで構成されるものとすることができ、さらには、支持体などの生体に由来しない物質を含むことができる。
また、保存液には、例えば、液体培地、生理食塩水、等張液、緩衝液、ハンクス平衡塩液等を用いることができる。
このような保存輸送容器1は、収容部6内を保存液で満たして、そこに収容した膜状組織の保存や、医療機関等への膜状組織の輸送に供されるが、膜状組織を医療機関へ輸送した後は、膜状組織を患者に移植するに先立って行われる作業、特に、銅製のヘラ等による容器1からシャーレへの移替え作業の際に、脆弱な膜状組織が破損するおそれがある。かかる移替え作業等を不要として、膜状組織の取り扱い負担を軽減するため、図1に示すこの実施形態では、容器本体2を、一端側(図1では上端側)に、蓋部材3が覆う開口部4aを有して容器本体2の側部を形成する略円筒状の側部形成部材4と、側部形成部材4の他端側(図1では下端側)の開口部4bを液密に密閉して側部形成部材4に着脱可能で、容器本体2の底部を形成する略円盤状の底部形成部材5とで構成する。
容器本体2を側部形成部材4と底部形成部材5とで構成したこの保存輸送容器1では、容器本体2から蓋部材3を取り外すとともに容器本体2の収容部6内の保存液を除去した後、底部形成部材5から側部形成部材4を取り外すことにより、底部形成部材5に配置されることになる膜状組織を、そのまま、患者への移植に用いることが可能になるので、容器1から、シャーレ等の、底の浅い他の容器へ膜状組織を移し替える作業を省くことができて、その作業中の、膜状組織の破損のおそれを取り除くとともに、そのような作業を行う医療従事者への負担を軽減することができる。
またここでは、底部形成部材5を、側部形成部材4の他端側に液密に取り付けた状態で、底部形成部材5の、容器内部を向く内表面の少なくとも一部、図1では、その内表面の、他端側開口部4bより内周側に位置する内周側表面部分5aを、側部形成部材4の他端側開口部4bよりも容器内部側に入り込ませて位置させる。特に、図1に示すところでは、側部形成部材4の他端側に液密に取り付けた底部形成部材5の内表面の内周側表面部分5aが、その周囲の、他端側開口部4bの周縁に当接する表面部分より容器内部側に向けて盛り上がって位置する。
このことによれば、底部形成部材5から側部形成部材4を取り外した後に、底部形成部材5の、周囲の表面部分よりも盛り上がる内周側表面部分5a上に配置された膜状組織を、例えば、患者への移植に供する際等には、ヘラ等を用いて容易にすくって取ることができる。
このように、底部形成部材5が、側部形成部材4の他端側に取り付けられた状態で、底部形成部材5の、容器内部を向く内表面(膜状組織の積載面)の略全体が、側部形成部材4の他端側開口部4bよりも容器内部側に位置するよう構成することが、操作性の点から好ましい。
なお、図1に例示する保存輸送容器1では、側部形成部材4は、一端側(図1では上端側)に、蓋部材3に覆われる開口部4aを有するとともに、他端側(図1では下端側)に、底部形成部材5が取り付けられて液密に密閉される開口部4bを有し、一端側開口部4aから他端側開口部4bに至るまで、内外径がほとんど変化することなしに延びる略円筒形状をなす。また、底部形成部材5は、側部形成部材4の他端側への液密な取付け姿勢で、容器本体2の底部を形成するものである、蓋部材3と容器本体2とで区画される内部空間の全体を収容部6とする図1の容器では、底部形成部材5の内周側表面部分5aの全域が、容器内部の収容部6の底面となる。
また、容器本体2の側部形成部材4の内表面および外表面はともに、容器本体2の高さ方向(図1では上下方向)に直交する断面で閉曲線となる湾曲面として、同様の断面で、円形の断面形状とすることの他、楕円形もしくは長円形等の断面形状とすることもでき、あるいは、上記の断面で、方形その他の多角形の断面形状とすることも可能である。さらに、容器本体2の底部形成部材5の内周側表面部分5aおよびそれ以外の部分の外表面は、内周側表面部分5aが、側部形成部材4の他端側に液密に取り付けた状態で、底部形成部材5の内周側表面部分5aが、側部形成部材4の他端側開口部4bよりも容器内部側に位置する限り、容器本体2の高さ方向(図1では上下方向)に直交する断面で閉曲線となる湾曲面として、同様の断面で、円形、楕円形もしくは長円形等の断面形状とすることができる他、上記の断面で、方形その他の多角形の断面形状とすることも可能である。
なお、一端側開口部4aおよび他端側開口部4bとは、筒状をなす側部形成部材4の軸線方向の最外端位置で、その端部の内周縁の内側に形成されて、側部形成部材4の内部を外部に連通させる部分を指す。
そして、この発明の保存輸送容器1では、底部形成部材5を、側部形成部材4に対し、側部形成部材4に対する蓋部材3の着脱とは独立して着脱可能とすることが好ましい。ここでいう、「独立して着脱可能」とは、蓋部材3および底部形成部材5のそれぞれを取り付けた側部形成部材2から、底部形成部材5を把持した状態で、蓋部材3を取り外そうとした際に、底部形成部材5が外れることなしに、蓋部材3を取り外すことができることを意味し、このことを実現するためには、例えば、それらの部材を取り外す際に該部材に作用させる力の大きさないしは、その力の作用方向を、蓋部材3と底部形成部材5の相互で異なるものとすることができる。
これによれば、蓋部材3を側部形成部材4に対して着脱する際には、底部形成部材5が、側部形成部材4に対して液密に取り付けられた状態を維持したまま、蓋部材3を側部形成部材4に対して着脱することができ、特に、蓋部材3を側部形成部材4から取り外す場合には、例えば底部形成部材5を把持すれば、側部形成部材4に取り付けた底部形成部材5による他端側開口部4bでの液密状態に影響を及ぼすことなしに、蓋部材3を側部形成部材4から取り外すことができるので、容器1内の保存液の、他端側開口部4bでの液漏れを防止することができる。
より具体的には、図1に示すところでは、底部形成部材5が、先述した内周側表面部分5aの外周側に、外周側に向けて拡径するテーパ状表面により形成されて、側部形成部材4の他端側に取り付けられた状態で、側部形成部材4の他端側の、開口部4bに向けて内径が漸増するテーパ状内側面に摩擦係合することにより、側部形成部材4の他端側に液密に嵌め合わされる内側嵌合箇所5cを有し、この内側嵌合箇所5cでそこでの液漏れを防止するとともに、さらに、内側嵌合箇所5cから連続して、側部形成部材4の他端側部分を取り囲んで、その他端側の外側面まで延びる他端側囲繞箇所5eを有する。そしてここでは、側部形成部材4の他端側外側面と、底部形成部材5の前記他端側囲繞箇所の内側面とのそれぞれに設けた螺旋状の溝もしくは凸部の相互を螺合させて、底部形成部材5を側部形成部材4に取り付けている。
この一方で、図1に示す容器1では、蓋部材3の側壁部分により、側部形成部材4の一端側部分を取り囲んで、蓋部材3を側部形成部材4に取り付けている。
また、底部形成部材5を、側部形成部材4に対して、蓋部材3の着脱とは独立して着脱可能とするため、図2に例示する実施形態のように、内周側表面部分5aの外表面から突出させて形成した環状の内側嵌合箇所5cの外周側を取り囲むOリング等のシール部材17を設け、このシール部材17を、側部形成部材4の他端側の内側面との間で押し潰した状態で、底部形成部材5を側部形成部材4の他端側部分の内側に嵌め合わせることができる。なおここでは、底部形成部材5の、側部形成部材4からの取り外しに要する、側部形成部材4の軸線方向外向きの力を、蓋部材3の同様の取り外しに要する力よりも大きくしている。
なお、この発明の保存輸送容器1では、容器1内の保存液の、一端側開口部4aからの液漏れを防止するとの観点から、容器本体2の側部形成部材4の一端側開口部4aに、蓋部材3を液密に取り付けることが好ましい。例えば、一端側開口部4aでの液密性の確保のために、側部形成部材4の一端側の端部と蓋部材3との間に、Oリング等のシール部材7を挟み込んで設けることができ、特に、このようなシール部材7では、蓋部材3側に取付けることが好ましい。
ここにおいて、側部形成部材4と蓋部材3との間で、シール部材7を十分に押し潰して、そこでの液漏れをより有効に防止するため、例えば、図1に示すように、側部形成部材4に、シール部材7の介在下で取り付けた蓋部材3と、側部形成部材4に取り付けた底部形成部材5との相互を挟み込むクリップ部材8等を設けることができ、あるいは、図3(a)に示すように、蓋部材3に、シール部材7の外周側で側部形成部材4側に延びる引掛り係合部3aを、周方向に複数個所に設けるとともに、側部形成部材4の外表面に環状突起4cを設け、引っ掛かる係合部3aを環状突起4cに引っ掛けることにより、蓋部材3を側部形成部材4に取り付けることができる。
また、上述したようなシール部材7を設けない場合、側部形成部材4への蓋部材3の取付けは、例えば、図3(b)に示すように、蓋部材3の内表面に突出形成した環状突出部分3bと、蓋部材3の側壁部分との間に、側部形成部材4の一端側部分を挟み込むとともに、蓋部材3の側壁部分の内側面、および、側部形成部材4の一端側の外側面のそれぞれに設けた、互いに螺合する螺旋状の溝ないし凸部の相互を螺合させることにより、液密性を確保しつつ行うことができる。
ところで、この発明の保存輸送容器1では、図1、2に示す容器1のように、底部形成部材5の周縁部分5bに、周縁部分5bから外周側に向けて突出形成されて、図4に示すような持ち手部材9が取り付けられる持ち手接続部5dを設けることが好ましい。持ち手接続部5dを設けることにより、持ち手接続部5dに持ち手部材9を接続することができるので、例えば、保存輸送容器1の底部形成部材5を側部形成部材4から取り外した後、膜状組織が配置された底部形成部材5の持ち運びを容易なものとすることができ、さらに、例えば、底部形成部材5に配置した膜状組織を患者への移植に供する際等には、底部形成部材5を、移植する臓器に可能な限り接近させ、かつ、安定させて位置させることができるので、膜状組織の破損を防止しながら、膜状組織を、移植する臓器に移し易くなる。その結果、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の破損を防止するとともに、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することができる。
ここで、底部形成部材5の、周縁部分5bから突出形成される持ち手接続部5dとしては、例えば、図4(a)に拡大図で例示するような、底部形成部材5の周縁部分5bから先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有し、持ち手部材9の接続部9aの凹部内に嵌め合わされて摩擦係合する持ち手接続部5dとすることができる他、図4(b)に例示するような、持ち手部材9の引掛り係合部9bが挿入された際に、引掛り係合部9bが引っ掛かるストッパーを有する持ち手接続部5dとし、あるいは、図4(c)に例示するような、持ち手部材9の雌ねじ部9cに螺合する雄ねじ状の持ち手接続部5dとすることができる。
また、底部形成部材5の周縁部分5bの持ち手接続部5dに接続される持ち手部材9としては、例えば、持ち手接続部5dに接続した状態で、L字状になる持ち手部材9や直線状になる持ち手部材9などにすることができる。
なお、上述した容器本体2および蓋部材3等を形成する材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種樹脂材料、あるいはこれらのうちの一種以上を含むブレンド体、ポリマーアロイ等を挙げることができる。また、その他にも、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料で構成することも可能である。
また、環状のシール部材7、17を形成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
続いて、本発明の第二の実施形態を詳細に例示説明する。なお、先の図1〜4に示した膜状組織の保存輸送容器と同様の要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5に例示する保存輸送容器11は、容器内部に配設されて、膜状組織を、原形状で維持し収容可能な大きさを有する内側容器100と、内側容器100および蓋部材3の間に配置された介在部110とをさらに具えている。
ここで、内部に、膜状組織の収容部16を区画する内側容器100は、図5の上下に開口した筒状部100aと、筒状部100aの高さ方向の途中位置に設けられ、保存液が通過可能なメッシュ部100bとで構成されている。メッシュ部100bは、内側容器100が底部形成部材15の内表面上に配置された状態で、容器11の高さ方向に直交して設けられており、底部形成部材15の内表面に対して略平行に対向し、メッシュ部100bの外周縁は、全周にわたって筒状部100aの内周面に固着されている。
さらに、介在部110は、その上面および下面が蓋部材3の内表面およびメッシュ部100bの上面にそれぞれ接触して、弾性圧縮状態で配置されている。この介在部110の材質は、弾性(伸縮性)を有するものであり、例えば、スポンジ、不織布等である。さらに、介在部110の下部側の外周面は、内側容器100の筒状部100aの上方側(メッシュ部100bよりも上方側)の内周面に全周にわたって接触している。
さらに、図5に例示する実施形態では、底部形成部材15の内周側表面部分5aには、内側容器100の下端と係合し、内側容器100の容器本体に対する水平方向の位置決めをする、浅い溝状の位置規制部15aが設けられている。したがって、内側容器100は、蓋部材3と底部形成部材15の位置規制部15aとの間に、弾性を有する介在部110を介して挟まれ、容器11の輸送時等に発生する振動に起因する、内側容器100の移動が制限される。
したがって、この発明の第二の実施形態に係る保存輸送容器11では、上記構成を有することにより、容器本体2の収容部16内の保存液を、内部容器のメッシュ部100bよりも液面が高くなるように調整するとともに、膜状組織を、内部容器内に保存液中で浮遊させた状態で収容した場合には、膜状組織が配置された内側容器100内には空気層が存在しなくなるとともに、蓋部材3と底部形成部材15上に配置した内側容器100との間の介在部110が保存液の一部を吸収し湿潤状態になる。その結果、保存輸送容器11を用いて、膜状組織を輸送するに当たっては、輸送中に発生した振動が容器11に伝わっても、保存液により湿潤状態の介在部110の存在により、容器11内の空気層が内側容器100内に侵入することなく、それが故に、内側容器100内で保存液が波立ったり流動したりすることがないので、膜状組織に、輸送中に発生した振動が伝わらず、膜状組織の破損を防止することができる。
よって、この発明の第二の実施形態に係る保存輸送容器11によれば、膜状組織の輸送中の振動や膜状組織の取扱いによる膜状組織の破損を防止し、さらに、膜状組織を輸送した後、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の保存輸送容器は、上記の例に限定されることは無く、本発明の保存輸送容器には、適宜変更を加えることができる。
本発明によれば、例えば、膜状組織を輸送した後、その膜状組織を患者への移植に供するまでの間の、膜状組織の破損を防止するとともに、膜状組織の取扱いに伴う医療従事者の負担を軽減することのできる膜状組織の保存輸送容器を提供することができる。
1、11 膜状組織の保存輸送容器
2 容器本体
3 蓋部材
3a (蓋部材の)引掛り係合部
3b 環状突出部分
4 側部形成部材
4a 一端側の開口部、一端側開口部
4b 他端側の開口部、他端側開口部
4c 環状突起
5、15 底部形成部材
5a 内周側表面部分
5b 周縁部分
5c 内側嵌合箇所
5d 持ち手接続部
5e 他端側囲繞箇所
6、16 収容部
7、17 シール部材
8 クリップ部材
9 持ち手部材
9a (持ち手部材の)接続部
9b (持ち手部材の)引掛り係合部
9c 雌ねじ部
15a 位置規制部
100 内側容器
100a 筒状部
100b メッシュ部
110 介在部


Claims (5)

  1. 開口部を有するとともに、内部に、生体由来の細胞からなる膜状組織を収容する収容部を設けた容器本体と、該容器本体の前記開口部を覆って該容器本体に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記収容部に保存液とともに収容した前記膜状組織を保存ないし輸送するための膜状組織の保存輸送容器であって、
    前記容器本体が、一端側に、前記蓋部材が覆う前記開口部を有して該容器本体の側部を形成する筒状の側部形成部材と、該側部形成部材の他端側の開口部を液密に密閉して該側部形成部材に着脱可能で、前記容器本体の底部を形成する底部形成部材とを含んで構成され、
    前記底部形成部材が、前記側部形成部材の他端側に取り付けられた状態で、前記底部形成部材の、容器内部を向く内表面の少なくとも一部が、前記側部形成部材の前記他端側開口部よりも容器内部側に位置することを特徴とする膜状組織の保存輸送容器。
  2. 前記底部形成部材を、前記側部形成部材に対し、前記側部形成部材に対する前記蓋部材の着脱とは、独立して着脱可能としたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
  3. 前記側部形成部材に取り付けられる前記蓋部材に、一端側開口部での液密性を確保するシール部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
  4. 前記底部形成部材が、前記側部形成部材に取り付けられた状態で、前記側部形成部材の内側に液密に嵌め合わされる内側嵌合箇所を有することを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
  5. 前記底部形成部材の周縁部分に、持ち手部材が取り付けられる持ち手接続部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
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