JP3150696U - 固定液バッグ - Google Patents

固定液バッグ Download PDF

Info

Publication number
JP3150696U
JP3150696U JP2009001411U JP2009001411U JP3150696U JP 3150696 U JP3150696 U JP 3150696U JP 2009001411 U JP2009001411 U JP 2009001411U JP 2009001411 U JP2009001411 U JP 2009001411U JP 3150696 U JP3150696 U JP 3150696U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
fixative
infusion port
tube
fixative solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009001411U
Other languages
English (en)
Inventor
浩司 松田
浩司 松田
彰夫 菊田
彰夫 菊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Occupational and Environmental Health Japan
Original Assignee
University of Occupational and Environmental Health Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Occupational and Environmental Health Japan filed Critical University of Occupational and Environmental Health Japan
Priority to JP2009001411U priority Critical patent/JP3150696U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3150696U publication Critical patent/JP3150696U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ホルムアルデヒド等の固定液に含有される揮発性化学物質が外気に漏出することなく、解剖体への固定液注入を行うことを可能とする固定液バッグを提供する。【解決手段】固定液を密封充填する固定液バッグ1において、可撓性の樹脂壁からなり、扁平な嚢袋状に形成された胴部2と、胴部2の上端縁近傍に穿孔された吊掛孔7,8,9と、胴部2の下端縁に設けられ、上端は胴部2の嚢内に連通し、下端はバッグ接続チューブが接続可能な輸液ポート10とを備えた。これにより、固定液が外気に暴露されることがないため、固定液の解剖体への注入作業中に外気に拡散する化学物質の量が飛躍的に低減され、空気中の有害な化学物質の濃度を大幅に低減することができる。【選択図】図1

Description

本考案は、解剖体へ固定液を注入する際に使用される固定液バッグに関し、特に、外気に固定液が暴露されないように固定液が密封充填され使い捨てが可能な固定液バッグに関する。
人体その他の生物体の解剖実習等においては、解剖体の組織を防腐・滅菌・固定するために、事前にホルムアルデヒド溶液等の固定液を解剖体に注入し、解剖体の防腐固定処理が行われる。固定液(fixative)とは、生体またはその一部を固定するために用いる試薬、またはその混合液をいう。組織固定の方法として、灌流固定法が用いられ、注入する固定液としては10%ホルマリン液(35〜38%ホルムアルデヒド溶液がホルマリンであり、その10倍希釈水溶液)が多く使用されている。
灌流固定法とは、血管系を介して固定液を解剖体の体内に注入して組織固定を行う方法である。固定液を注入する手法としては、通常は、イルリガトールを使用した落差法(例えば、非特許文献1,2参照)が多く用いられている。
図8は、一般的な落差法による固定液注入システムの例である。図8において、解剖体はアンダーキャリッジ付きのストレッチャー100に安置され、このストレッチャー100の上で防腐固定の処理が行われる。この固定液注入システムは、イルリガートル101、灌注チューブ102、注入カニューレ103、及びピンチコック104を備えている。イルリガートル101は、ガラス又は硬質プラスチックで作られた、固定液を6L程度貯留する硬質容器である。イルリガートル101は、上部が解放され下部が盲端となった円筒状の容器である。容器下部は狭窄されていて、その最下端に固定液の注出口101aが設けられている。この注出口101aには、灌注チューブ102が接続される。容器上部は、開閉蓋101bにより閉蓋される。また、容器上部近傍の外側面に、吊下用取手101cが設けられている。イルリガートル101は、この吊下用取手101cにより、高所に設置された吊棒105に吊り下げられる。灌注チューブ102は、長尺なゴムチューブであり、その基端がイルリガートル101の注出口101aに接続され、その先端には注入カニューレ103が接続されている。注入カニューレ103は解剖体の血管内へ固定液を灌注するための柔管である。注入カニューレ103の基端部には、固定液の流通を通断するための二方活栓103aが設けられている。また、灌注チューブ102の基端付近にはピンチコック104が夾着されている。ピンチコック104を外すことで、イルリガートル101内の固定液は重力によって灌注チューブ102を流下し、注入カニューレ103へ送られる。
落差法により解剖体への固定液の注入処理を行う場合、まず、解剖体の手首ないし、鼠頸部の皮膚を切開し、橈骨動脈ないし大腿動脈を露出し、切開する。次に、切開した動脈に注入カニューレ103を挿入する。
イルリガートル101に、固定液を体重の1/10量(約5L)程度充填して、重力により、注入カニューレ103から解剖体内の心臓方向へ固定液を注入する。
柳沢一裕,竹内洋平,「藤田保健衛生大学の解剖実習関連施設と遺体処置法」,,第4回解剖技術研究・研修会プログラム・予稿集,社団法人日本解剖学会,平成18年11月11日,p.7. 谷口学,「大阪大学における解剖実習の現状について」,第8回解剖技術研究・研修会プログラム・抄録集,社団法人日本解剖学会,2007年3月26日,p.6. コールダー・プロダクツ・カンパニー,「クイック・カップリングクイック・カップリング&フィッティング(プラスチック・チューブ用)」,コールダー・プロダクツ・カンパニー・カタログ,Colder Products Company,2004年,p.3.
しかしながら、従来のイルリガトールを使用した落差法では、イルリガトールにホルマリン液を充填する際に、イルリガトールの開閉蓋101bを開蓋し、ホルマリン液を保存容器からイルリガトールへ傾注する必要がある。この際、ホルマリン液が外気に曝気され、ホルマリン液に溶解したホルムアルデヒド等の揮発成分が外気に拡散する。
ところで、近年では、解剖実習等の際に、実習者が揮発したホルムアルデヒド等の化学物質へ暴露することが問題化されている。特に、固定液に通常使用されるホルムアルデヒドは、WHO(世界保健機関)のIARC(国際癌研究機関)においてヒトに対して発癌性があるとされており、ホルムアルデヒドへの暴露はできる限り避けるべきである。また、それに伴って、特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令(平成十九年十二月二十八日厚生労働省令第百五十五号)により、屋内作業場におけるホルムアルデヒド等の化学物質の管理濃度が規制され、ホルムアルデヒドの場合は管理濃度が0.1ppmという極めて厳しい値に設定されている。
従って、上記イルリガトールを使用した落差法においては、ホルムアルデヒド等の揮発性のある化学物質が外気に漏出し、実習者がこれら化学物質に暴露しやすいとともに、ホルムアルデヒドの屋内作業場における管理濃度の規制を達成することも難しくなるという課題を有している。
そこで、本考案の目的は、解剖体の組織固定処理の作業中において、ホルムアルデヒド等の固定液に含有される揮発性の化学物質が外気に漏出することなく、固定液注入を行うことを可能とする固定液バッグを提供することにある。
本考案に係る固定液バッグは、解剖体へ注入する固定液を密封充填する固定液バッグであって、可撓性の樹脂壁からなり、扁平な嚢袋状に形成された胴部と、前記胴部の上端縁近傍に穿孔された吊掛孔と、胴部の下端縁に設けられ、上端は胴部の嚢内に連通し、下端はバッグ接続チューブが接続可能な輸液ポートと、を備えたことを特徴とする。
また、本考案に係る固定液バッグにおいて、前記胴部は、略矩形状の同形の2枚の透明な軟質プラスチックフィルムを、全周に亘り縁辺部を熱融着し、内部を気液密な嚢袋状に製嚢されたものとし、前記輸液ポートは、前記胴部の軟質プラスチックフィルム間に挿入した状態で熱融着されたものとすることができる。
これにより、固定液バッグの密閉性を補償することができると共に、簡易に製造することができるため、バックを安価に製造し使い捨てとすることができる。そして、そのまま焼却処分ができるため、使い終わった後の固定液バッグからの化学物質の拡散も防止できる。
また、本考案に係る固定液バッグにおいて、前記輸液ポートの先端には、スプリングによって接続時に開弁し非接続時に閉止されるように構成された逆止弁が内設された雄型又は雌型のノンスピル継手を設けることができる。
このように、輸液ポートの先端をノンスピル継手とすることで、スムーズな注入用ホースの脱着が可能となり、その結果、固定液が外気に暴露されることを最小限に抑えることができる。
また、本考案に係る固定液バッグにおいて、前記輸液ポートの先端は、熱融着により先端が密閉されたゴムチューブにより封止されている構成とすることができる。
このように、輸液ポートの先端を熱融着により先端が密閉されたゴムチューブとすることで、簡易に注入用ホースの脱着が可能となり、その結果、固定液が外気に暴露されることを最小限に抑えることができる。
また、本考案に係る固定液バッグにおいて、前記輸液ポートは、樹脂成形により形成されており、基端が前記胴部嚢内に連通する管状に形成された管体部と、前記管体部の先端に一体形成され、前記管体部の管端を閉塞する盲栓部と、前記管体部と前記盲栓部との境界部に円周状に形成された肉薄の折首部と、を備えている構成とすることができる。
これにより、折首部において盲栓部を折除して、簡単に胴部嚢袋内の固定液を注出することができる。
以上のように、本考案によれば、従来のイルリガトールに替えて、既製品として最初から固定液が密封充填された本考案の固定液バッグを使用することにより、固定液の解剖体への注入作業中に外気に拡散する化学物質の量が飛躍的に低減され、空気中の有害な化学物質の濃度を大幅に低減化することができる。
また、輸液ポートの先端をノンスピル継手やゴムチューブとすることで、スムーズな注入用ホースの脱着が可能となり、その結果、固定液が外気に暴露されることを最小限に抑えることができる。
本考案の実施例1に係る固定液バッグの外観図である。 図1の雌型ノンスピル継手11及び雄型ノンスピル継手16の断面図である。 落差法により解剖体に固定液を注入する場合の本実施例の固定液バッグ1の使用方法を示す図である。 本考案の実施例2に係る固定液バッグの外観図である。 本考案の実施例3に係る固定液バッグ1の輸液ポート10周辺の要部外観図である。 輸液ポート10の盲栓部を折除した状態を表す図である。 輸液ポート10に注入用ホース15を接続した状態を表す図である。 一般的な落差法による固定液注入システムの例である。
以下、本考案を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本考案の実施例1に係る固定液バッグの外観図である。図1において、固定液バッグ1は、軟質プラスチックにより構成された気液密性の軟性の嚢袋として構成されている。
固定液バッグ1の胴部2は、可撓性の樹脂壁からなり、扁平な嚢袋状に形成されている。具体的には、略矩形状の同形の2枚の透明な軟質プラスチックフィルムを、全周に亘り縁辺部を熱融着(ヒートシール)し、内部を気液密な嚢袋状に製嚢され、上端縁3、下端縁4、左端縁5及び右端縁6が郭定されている。軟質プラスチックフィルムの素材としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等のプラスチックが使用される。また軟質プラスチックフィルムは単層又は多層で形成されていても良い。
胴部2の上端縁3に沿った融着領域は、左右隅部及び中央部が幅広くとられており、この3カ所の幅広の融着領域に、それぞれ吊掛孔7,8,9が穿孔されている。吊掛孔7,8,9は、固定液バッグ1を吊棒105に掛架するためのフック106を引っ掛けるための孔である。尚、吊掛孔7,8,9はポンチ等の孔開け等によって形成することができる。
一方、胴部2の下端縁4の中央には、嚢内に固定液を出し入れするためのプラスチック製の導管からなる輸液ポート10が設けられている。この輸液ポート10は、胴部2の軟質プラスチックフィルム間に挿入した状態で熱融着されている。輸液ポート10の上端は胴部2の嚢内に連通している。輸液ポート10の下端には、解剖体へ固定液を送るための注入用ホース15を接続するための雌型ノンスピル継手11が設けられている。注入用ホース15の末端には、雄型ノンスピル継手16が接続されており、雌型ノンスピル継手11はこの雄型ノンスピル継手16と結合可能な構造とされている。尚、雌型ノンスピル継手11及び雄型ノンスピル継手16には、市販のノンスピル継手(例えば、コールダー・プロダクツ・カンパニー社製「ノンスピル・カップリング」(非特許文献3参照)等)を使用することができる。
胴部2の表側面には、固定液バッグ1の内容物の体積を示す目盛12が印設されている。固定液バッグ1の嚢内の固定液の液面と目盛12を比較することで、固定液の残量を知ることができる。尚、固定液バッグ1の容量は、通常は6L又は3L程度のものを使用するのが望ましい。1解剖体あたりに使用される固定液の量は、人体の場合、通常は略6L程度であるため、3Lの固定液バッグ1を使用する場合には、2つの固定液バッグ1,1を接続して用いる。
図2は、図1の雌型ノンスピル継手11及び雄型ノンスピル継手16の断面図である。
雌型ノンスピル継手11は、中空状の筒体20の内部に逆止弁21が設けられている。筒体20は、輸液ポート10に挿入される挿入部20aと、逆止弁21が内設され雄型ノンスピル継手16と結合する連結部20bとから構成される。
挿入部20aは外側面に竹の子状の傾斜条20cが形成された円筒状に形成されている。傾斜条20cは、挿入部20aの先端側(以下「バッグ側」という。)が小径となる円錐台筒を軸方向に複数段連ねた形状とされている。これにより、各傾斜条20cの大径端部がエッジとなり、外側に圧入される輸液ポート10の導管に対する逆止機能が生じるようになっている。
また、連結部20b内には、逆止弁21がスプリング22により、雄型ノンスピル継手16が結合される側(以下「結合端側」という。)の方向へ付勢された状態で内設されている。逆止弁21は、全体的に直円筒状の筒体部21cの結合端側の端部外周にフランジ21aが形成されており、また、バッグ側の端部近傍の外周面に環状溝21bが凹設され、この環状溝21bにOリング23が外嵌されている。そして、筒体部21cは、バッグ側が盲端となった筒状であり、側面には複数の帯直円状の長孔21dが開口している。連結部20bの内壁面の、Oリング23とフランジ21aとの中間に位置する部位には、筒内側に縮径した環状に形成された傾斜条20cが形成されている。傾斜条20cは、逆止弁21の筒体部21cの外径より僅かに大径となるように形成されている。スプリング22は傾斜条20cとフランジ21aとの間に嵌め込まれており、スプリング22が伸長することで傾斜条20cに対してフランジ21aが結合端側方向へ付勢される構成とされている。また、雄型ノンスピル継手16が差し込まれていない状態では、スプリング22の弾性により逆止弁21が最も結合端側に位置する状態となり、この状態では、Oリング23は傾斜条20cのバッグ側に密着し、連結部20b筒内の液流は遮断される(図2(a)参照)。
一方、雄型ノンスピル継手16は、筒状の外筒体24の筒内に逆止弁25が摺動自在に内嵌されており、逆止弁25の基端側(注入用ホース15が接続される側をいう。以下同じ。)には、逆止弁25を先端側(雌型ノンスピル継手11が結合する側をいう。以下同じ。)方向に付勢するためのスプリング26が内設されている。
外筒体24は、スプリング26が内設された弁筒部24aと、弁筒部24aの先端側に延設され、雌型ノンスピル継手11に挿入される部分である連結部24bと、弁筒部24aの基端側に延設され、注入用ホース15に挿入される部分である管接続部24cとから構成されている。連結部24bの先端近傍の外周には環状溝24dが周設されており、この環状溝24dには、Oリング28が外嵌されている。また、管接続部24cの外周には螺子溝24eが刻設されている。連結部24bの筒内は内径が均一な直筒であり、弁筒部24aの筒内は連結部24bの筒内よりも拡径し、段差部24fが形成されている。
逆止弁25は、先端側が開口し基端側が盲端の直筒状の筒体部25aと、筒体部25aの基端側側面に環状の浅溝状に形成された環状溝25bと、環状溝25bの基端側側面に周設されたフランジ25cとを備えている。また、筒体部25aの基端側の側面に筒内空間に貫通する開口25dが形成されている。そして、逆止弁25の基端側端部近傍の環状溝25bにはOリング27が外嵌されている。
雌型ノンスピル継手11に挿入されていない状態では、スプリング26の伸長により、逆止弁25が先端側に付勢され、最も先端側に位置する。この状態では、Oリング27が外筒体24筒内面に形成された段差部24fに密着して、外筒体24筒内の液流を遮断する(図2(a)参照)。
雄型ノンスピル継手16を雌型ノンスピル継手11に挿入すると、図2(b)に示したように、逆止弁21のフランジ21a側端に逆止弁25の先端が当接し、互いに押し合ってスプリング22,26はそれぞれ収縮する。これにより、逆止弁21,25が開弁して、雄型ノンスピル継手16と雌型ノンスピル継手11との間の通液が可能となる。
このように、雌型ノンスピル継手11及び雄型ノンスピル継手16を用いれば、固定液を外気に曝すことなく、固定液バッグ1を注入用ホース15に接続したり切り離したりすることが可能となる。従って、固定液に含まれる揮発成分が外気に漏れ出すことが防止される。
図3は、落差法により解剖体に固定液を注入する場合の本実施例の固定液バッグ1の使用方法を示す図である。この例では、2つの固定液バッグ1,1を使用する場合を示している。この場合、注入用ホース15は、上端部付近がY字型に分岐した長尺の可撓性チューブが使用される。注入用ホース15の分岐した2つの上端部には、それぞれ、雄型ノンスピル継手16,16が接続されている。
注入用ホース15の先端には、固定液の流通を通断するための二方活栓15aが取り付けられている。そして、この二方活栓15aを介して注入用ホース15の先端に注入カニューレ17が接続されている。注入カニューレ17は解剖体の血管内へ固定液を灌注するための柔管である。
各固定液バッグ1,1は、解剖体を載置するストレッチャー100よりも高所に設置された吊棒105に吊り下げられる。この際、吊棒105に掛架されたフック106を使用して、フック106を吊掛孔8に引っ掛けて吊り下げる。そして、各固定液バッグ1,1の雌型ノンスピル継手11,11を、注入用ホース15の各雄型ノンスピル継手16,16と結合する。これにより、固定液バッグ1,1をワンタッチで注入用ホース15に接続して、落差法による解剖体への固定液の注入を開始することができる。また、解剖体に注入されるまでの間に固定液が外気に曝されることがないため、有害な化学物質が外気に拡散することを防止することができる。
尚、本実施例においては固定液バッグ1の輸液ポート10に雌型ノンスピル継手11を取り付け、注入用ホース15側に雄型ノンスピル継手16を取り付けた例を示したが、雌型ノンスピル継手11と雄型ノンスピル継手16とを反対に入れ替えた構成としてもよい。
図4は、本考案の実施例2に係る固定液バッグ1の外観図である。図4において、図1と同様の構成については、同符号を付して説明は省略する。
本実施例の固定液バッグ1は、輸液ポート10の先端に、図1の雌型ノンスピル継手11の代わりに、ゴムチューブ18を備えたことを特徴とする。ゴムチューブ18は、熱融着により先端が密閉されており、輸液ポート10の管先端を閉塞するように帽着されている。固定液バッグ1の使用時には、このゴムチューブ18を輸液ポート10の管先端から外し、輸液ポート10に注入用ホース15を接続する。これにより、輸液ポート10から胴部2嚢袋内の固定液を注出することができる。
図5は、本考案の実施例3に係る固定液バッグ1の輸液ポート10周辺の要部外観図である。尚、本実施例の固定液バッグ1の輸液ポート10以外の構成については、実施例1の図1と同様であるため説明は省略する。
本実施例の固定液バッグ1の輸液ポート10は、樹脂成形により形成されている。
この輸液ポート10は、管体部30、盲栓部31、及び折首部32から構成されている。
管体部30は、基端側が胴部2の下部中央に熱融着され、胴部2の嚢内に連通する管状に形成されている。この管体部30の先端側は雄型の差込式のホース継手となっており、先端付近の外周には連結時の水密性を高めるためにゴム製のOリング33が設けられている。盲栓部31は、管体部30の先端に一体形成され、管体部30の管端を閉塞する。折首部32は、管体部と前記盲栓部との境界部に円周状に形成された肉薄部分である。
使用前は、固定液バッグ1の輸液ポート10は、盲栓部31により先端が閉塞されているため、保管時や運搬時に胴部2嚢内の固定液が漏れ出すことはない。
固定液バッグ1を使用する際には、輸液ポート10の先端の盲栓部31に、指で側方からの圧力または衝撃を加え、図6に示したように、盲栓部31を折首部32で折除する。これにより、輸液ポート10の先端は開口され、胴部2嚢内の固定液を注出できるようになる。
次に、図7に示したように、注入用ホース15の端末に、輸液ポート10の管体部30の先端側と接続可能な雌型ホース継手35を取り付けておいて、この雌型ホース継手35に雄型の差込式のホース継手である管体部30を差し込んで結合する。これにより、輸液ポート10から胴部2嚢袋内の固定液を注入用ホース15へ注出することができる。
1 固定液バッグ
2 胴部
3 上端縁
4 下端縁
5 左端縁
6 右端縁
7,8,9 吊掛孔
10 輸液ポート
11 雌型ノンスピル継手
12 目盛
15 注入用ホース
15a 二方活栓
16 雄型ノンスピル継手
17 注入カニューレ
18 ゴムチューブ
20 筒体
20a 挿入部
20b 連結部
20c 傾斜条
21 逆止弁
21a フランジ
21b 環状溝
21c 筒体部
21d 長孔
22 スプリング
23 Oリング
24 外筒体
24a 弁筒部
24b 連結部
24c 管接続部
24d 環状溝
24e 螺子溝
24f 段差部
25 逆止弁
25a 筒体部
25b 環状溝
25c フランジ
25d 開口
26 スプリング
27 Oリング
28 Oリング
30 管体部
31 盲栓部
32 折首部
33 Oリング
35 雌型ホース継手
100 ストレッチャー
101 イルリガートル
101a 注出口
101b 開閉蓋
101c 吊下用取手
102 灌注チューブ
103 注入カニューレ
103a 二方活栓
104 ピンチコック
105 吊棒
106 フック

Claims (5)

  1. 解剖体へ注入する固定液を密封充填する固定液バッグであって、
    可撓性の樹脂壁からなり、扁平な嚢袋状に形成された胴部と、
    前記胴部の上端縁近傍に穿孔された吊掛孔と、
    胴部の下端縁に設けられ、上端は胴部の嚢内に連通し、下端はバッグ接続チューブが接続可能な輸液ポートと、を備えたことを特徴とする固定液バッグ。
  2. 前記胴部は、略矩形状の同形の2枚の透明な軟質プラスチックフィルムを、全周に亘り縁辺部を熱融着し、内部を気液密な嚢袋状に製嚢されたものであり、
    前記輸液ポートは、前記胴部の軟質プラスチックフィルム間に挿入した状態で熱融着されていることを特徴とする請求項1記載の固定液バッグ。
  3. 前記輸液ポートの先端には、スプリングによって接続時に開弁し非接続時に閉止されるように構成された逆止弁が内設された雄型又は雌型のノンスピル継手が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の固定液バッグ。
  4. 前記輸液ポートの先端は、熱融着により先端が密閉されたゴムチューブにより封止されていることを特徴とする請求項1又は2記載の固定液バッグ。
  5. 前記輸液ポートは、樹脂成形により形成されており、基端が前記胴部嚢内に連通する管状に形成された管体部と、前記管体部の先端に一体形成され、前記管体部の管端を閉塞する盲栓部と、前記管体部と前記盲栓部との境界部に円周状に形成された肉薄の折首部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の固定液バッグ。
JP2009001411U 2009-03-10 2009-03-10 固定液バッグ Expired - Fee Related JP3150696U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009001411U JP3150696U (ja) 2009-03-10 2009-03-10 固定液バッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009001411U JP3150696U (ja) 2009-03-10 2009-03-10 固定液バッグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3150696U true JP3150696U (ja) 2009-05-28

Family

ID=54855164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009001411U Expired - Fee Related JP3150696U (ja) 2009-03-10 2009-03-10 固定液バッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3150696U (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010137338A1 (ja) * 2009-05-29 2010-12-02 株式会社細川洋行 医療用容器、医療用容器の製造方法、及び輸液入り医療用容器の製造方法
CN102028622A (zh) * 2010-09-19 2011-04-27 东莞佳鸿机械制造有限公司 一种输液容器
JP2016516505A (ja) * 2013-03-26 2016-06-09 カインド・コンシューマー・リミテッドKind Consumer Limited 出口バルブを備えた加圧式補充キャニスター
CN112451163A (zh) * 2020-11-30 2021-03-09 河南省肿瘤医院 新型三通阀式重力流实验鼠肺泡灌洗液采集装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010137338A1 (ja) * 2009-05-29 2010-12-02 株式会社細川洋行 医療用容器、医療用容器の製造方法、及び輸液入り医療用容器の製造方法
CN102028622A (zh) * 2010-09-19 2011-04-27 东莞佳鸿机械制造有限公司 一种输液容器
JP2016516505A (ja) * 2013-03-26 2016-06-09 カインド・コンシューマー・リミテッドKind Consumer Limited 出口バルブを備えた加圧式補充キャニスター
CN112451163A (zh) * 2020-11-30 2021-03-09 河南省肿瘤医院 新型三通阀式重力流实验鼠肺泡灌洗液采集装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4510940B2 (ja) 即使用可能の泌尿器カテーテル組立体
KR102411978B1 (ko) 유체 수집 시스템 및 사용 방법
JP6807333B2 (ja) プライミング装置及び方法
AU2011317631B2 (en) Protective cap for a connector
RU2692322C2 (ru) Цилиндрический складной контейнер
US20030158512A1 (en) Pre-filled package containing unit dose of medical gas and method of making same
HUE031348T2 (hu) Eszköz sejtek aszeptikus expandálásához
JP2001514556A (ja) 医療用流体セットのドッキングポート
JPH09509866A (ja) 真空による創傷の縫合及び/又は吸引による分泌物等の吸い出しのための装置
JPH021276A (ja) 点滴瓶の栓装置
JP3150696U (ja) 固定液バッグ
JP2010168123A (ja) 液体容器
WO2020192268A1 (zh) 一种防甲醛泄露医用子母袋
US6497669B1 (en) Non-biohazard blood letting system
JP4802875B2 (ja) 細胞培養容器及び細胞移注方法
JP5989483B2 (ja) 膜状組織の保存輸送容器および保存輸送方法
JP2010207419A (ja) 固定液注入システム
JP4180669B2 (ja) 輸液用器具
JPS59139269A (ja) 医療用コネクタ−
BR112014011598B1 (pt) dispositivo de interfaceamento destinado a colocar em ligação um instrumento de injeção de um fluido e um frasco a perfurar
JP2018099645A (ja) 気体注入具、気体含有液の製造方法及び気体注入具組立キット
CN104491949A (zh) 一种多功能安全输液器及安全输液方法
CN201744018U (zh) 一种用于防滴空输液器的穿刺器
CN204379885U (zh) 一种多功能安全输液器
CN107198823B (zh) 一种消毒帽

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120430

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150430

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees