JP2005087030A - 培養装置及び培養キット - Google Patents

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賢一郎 畠
Kunihiko Okada
邦彦 岡田
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Abstract

【課題】培養後の培養組織や細胞シートなどの培養組織を容易に回収することができる培養装置を提供する。
【解決手段】培養体を培養する培養キャビティ4を形成可能なチャンバー10を備える培養装置2として、チャンバー10は、培養体を培養する培養面20と、該培養面の外周側を包囲し培地を保持する外周堤部30と、を備えるようにし、外周堤部30の少なくとも一部が培養面20の包囲部位から変位して当該変位部分において培養面20の外周側が開放状態となるように形成する。この培養装置2によれば、培養終了後の培養組織は、当該変位部分、すなわち、培養面20の開放部位を介して、作業者等により操作され回収される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、培養体を容易に回収できる培養装置及び培養キットに関する。
近年の培養技術の進歩により、体内の様々な器官、組織片、あるいは細胞を採取し、インビトロ(in vitro)で増殖させることが可能になってきた。生体より採取した器官や組織片をそのまま培養容器内で培養させることをそれぞれ、器官培養(Organ Culture)、組織片培養(Explant Culture)といい、これに対し、器官や組織片をタンパク質分解酵素などで処理し、単離した細胞を培養することを細胞培養(Cell Culture)と呼んでいる。
殊に、1980年代頃から細胞培養技術が著しく発展するに至って、近年では細胞培養が主流となっており、細胞培養によって作製した培養組織が研究又は医療に利用されている。但し、細胞培養においては細胞の単離などの手間が掛かるため、器官培養や組織片培養も目的に応じて選択的に行われている。
このような培養技術を支える商品として、培養装置や培地などが各メーカーから多く供給されており、これらの商品を使用して、各研究機関や各医療施設において個々に培養組織が作製されている。例えば、特許文献1には、細胞培養を簡易に行える密閉された培養容器が開示されており、分散細胞から容易にシート状の培養製品を作製することができる。但し、培養細胞シートの回収においては、培養細胞シートが付着しているフィルム部を切除してフィルム部とともに回収している。
特表2002−539783号
しかしながら、従来の培養フラスコやペトリ皿は、窪み面を培養面としているので、培養を完了した後の培養細胞シートなどの培養組織を回収する際には、培養面の周辺部などが邪魔になり、回収に際して作業者の負担となっていた。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑み、培養後の培養組織を容易に回収することができる培養装置及び培養キットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決することができるものとして、以下の手段を創作した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明の培養装置は、
培養キャビティを形成可能なチャンバーを備える培養装置であって、
前記チャンバーは、前記培養体を培養する培養面と、該培養面の外周側を包囲し培地を保持する外周堤部と、を備え、
該外周堤部の少なくとも一部が前記包囲部位から変位されて当該変位部分において前記培養面の外周側が開放状態となるように形成されている、培養装置である。
この培養装置によれば、培養面と外周堤部とによって培地を保持して培養キャビティを形成し、細胞や組織片などの培養体は、培養キャビティの培養面上で培養される。また、外周堤部は、その少なくとも一部が所定の包囲部位(培地を保持可能とするように外周堤部が培養面を包囲している部位であり、培養キャビティの形成時の部位でもある。)から変位されて当該変位部分において培養面の外周側の少なくとも一部を開放状態とする。このため、培養工程後に得られる培養組織は、当該変位部分、すなわち、培養面の開放部位を介して、作業者等により操作され回収される。本装置によれば、培養面の外周側が開放されるため、培養キャビティ内の培養組織に対して容易にアクセスでき、また、当該開放部位から培養組織を容易に取り出すことができる。なお、本発明において「変位」とは、位置が変わることをいい、位置が動く「移動」を含む概念である。したがって、「外周堤部の少なくとも一部が培養面の包囲部位から変位する」とは、該包囲部位を基準として外周堤部の一部あるいは全体が変形したり移動したりする場合を含む。本培養装置においては、前記培養面の開放部位は、前記培養面の表面を含むことができる。培養面の表面を含んで開放されると、培養組織を回収する操作を一層容易に行うことができる。また、本培養装置においては、前記培養キャビティの開放に連動して、前記培養面の外周側の少なくとも一部を開放することができる。こうすることで、培養キャビティの開放に伴って培養面の外周側を開放できる。
本培養装置においては、前記外周堤部は、前記開放される培養面の外周側の少なくとも一部において開閉可能に形成されている形態を採ることができる。前記外周堤部は、前記開放される少なくとも一部の外周側において、当該外周堤部を外側に屈曲可能とする屈曲部を介して前記培養面の周縁に備える形態を採ることができる。この形態においては、前記チャンバーは、底面を培養面とする凹状部と当該培養面の外周側を包囲するように前記外周堤部を形成する周壁部とを備えるディッシュ底部とディッシュ蓋部と、を備え、該ディッシュ底部と該ディッシュ蓋部とは分離可能に形成することができる。前記培養面の少なくとも一部が、前記ディッシュ底部の最高部位となるように前記外周堤部が屈曲させるようにすることができる。さらに、前記屈曲部は、機械的な屈曲機構部位としたり、成形部位あるいは可撓性部位としたりすることができる。この形態によると、外周堤部は外方に屈曲されるため、培養面の外周側の少なくとも一部を開放することができる。外周堤部を外方に屈曲できるため、簡易な操作で培養面の周縁を開放し、培養組織に対して容易に操作できるようになる。
また、本発明の培養装置における前記外周堤部は、前記開放される培養面の外周側の少なくとも一部において、培養面から分離可能に形成されている形態を採ることができる。すなわち、当該一部において、前記外周堤部は前記培養面の周縁あるいはその近傍に対して分離可能に固定されて培養キャビティを形成し、当該培養キャビティの開放時、前記培養面の周縁あるいはその近傍から分離されるようにする形態を採ることができる。この形態において、前記チャンバーは、凸状体の頂面を培養面として有するディッシュ底部と、前記外周堤部を形成する周壁部とを備えるディッシュ蓋部と、を備え、前記ディッシュ底部と前記ディッシュ蓋部とは分離可能に形成することができる。また、前記培養面は、ディッシュ底部の最高部位に形成することができる。さらにまた、前記ディッシュ底部は、前記培養面形状に一致する内表面を有する外皮状体とすることができ、前記ディッシュ底部は、前記培養面の外周側に液体貯留部を備えることもできる。なお、ここで「外皮状体」とは、おおよそ全体が薄肉状で形成され所定の物体を被包又は囲繞可能なものをいう。なお、前記頂面は、平面を含むことができる。この形態によれば、培養面と外周堤部とが分離するとき、培養キャビティが開放され、同時に、培養面の外周側が開放される。このため、簡易な操作で培養面の外周側を開放し、培養組織に対する操作を行うことができる。
本発明の培養装置においては、前記チャンバーは、培養体を培養面に対して押圧固定する培養体固定部材を備えることができる。さらに、前記チャンバーは、前記培養面を有する底部と該培養面に対向する前記培養体固定部材を有する蓋部とを分離可能に備えるとともに、これらの相対回転によりロック可能な固定手段を備え、前記蓋部は、前記培養体固定部材を該蓋部に回転に対して回転自在に備えていてもよい。この態様によれば、培養体として組織片を選択した際に培養体を早期にかつ確実に培養面に対して固定して、早期に培地等を供給して培養体にとって好ましい培養環境を形成できる。
上記したいずれかの培養装置においては、前記チャンバーには、液体を注排出可能な液体注排出部を備えることが好ましい。前記液体注排出部は、例えば、バルブ(ピンチバルブを含む)やコックのような弁機構による開閉機構としてもよいし、穿刺可能であってかつシール性を維持可能なシール材を備えてもよい。かかる構成によれば、培養キャビティが密閉されていても容易に培地等の注排出が可能となる。したがって、チャンバーが密閉された培養キャビティを形成する場合、培地等の注排出作業に伴うコンタミネーションを抑制して無菌的培養を容易に行うことができる。また、前記チャンバーの少なくとも一部がガス透過性及び液密性であることも好ましい形態である。かかる構成によれば、培養キャビティが密閉されていても、所定のガス組成の培養器中に培養装置を配置すれば該ガス組成下で培養が可能となる。したがって、密閉された培養キャビティを用いた無菌的培養が容易になる。さらにまた、前記チャンバーは、ガス排出部を備えることが好ましい。かかる構成によれば、培養キャビティが密閉された状態において、液体を容易に注排出することができる。すなわち、密閉された培養キャビティにおける液体の注排出作業を容易化することで、密閉された培養キャビティを用いた無菌的培養を簡易化する。さらに、前記チャンバーは、変形可能な可撓性部を備えることも好ましい。かかる構成によれば、密閉状態の培養キャビティにおける培地交換時、培養キャビティ内のガス圧の変化に起因するチャンバーに対する負荷を低減できる。すなわち、密閉された培養キャビティを採用したときのチャンバーの耐破損性を向上させチャンバー破損による培養中止を回避することにより、無菌的培養を簡易化することができる。したがって、これらの液体注排出部、ガス透過性及び液密性部、ガス排出部、及び変形可能な可撓性部のいずれかを備える構成においては、チャンバーは密閉された培養キャビティを形成可能に構成されていることが好ましい形態である。また、これら本発明の培養装置においては、前記培養体は骨膜組織片であることが好ましい。
また、本発明の培養キットは、
培養体を培養するための培養キットであって、
密閉された培養キャビティを形成可能なチャンバーを備える培養装置であって、
前記チャンバーは、培養体を培養する培養面と、該培養面を包囲し培地を保持する外周堤部と、前記培養キャビティの密閉性を維持した状態でチャンバー内の流体を注排出可能な液体注排出部と、該外周堤部の少なくとも一部が前記包囲部位から変位されて当該変位部分において前記培養面の外周側が開放状態となるように形成されている、培養装置と、
前記液体注排出部を介して前記培養キャビティ内に液体の注排出が可能なシリンジと、
を備える培養キットである。
この培養キットによれば、液体の注排出が容易にかつコンタミネーションを効果的に回避して行い得るとともに、培養組織の回収が容易となっている。さらに、この培養キットの培養装置においても、培養体固定部材を備えることで、組織片培養において早期に好ましい培養環境を容易に形成できる。
本発明によれば、培養した培養組織を容易に回収することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、本培養装置の実施形態を例示した図を適時参照しながら、説明する。なお、本発明は、これらの図において例示される形態に限定されるものではないとともに、本発明の範囲内において、以下の実施形態に対して当業者が技術常識に基づいて改変や追加をなしうる形態も本発明に包含されるものである。
本培養装置は、培養体を培養する装置である。本発明において培養体とは、細胞の他、細胞を含む組織片及び器官を含むものである。細胞は、ヒト又は、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル等の温血動物から採取された各種細胞を利用できる。また、細胞は、接着依存性細胞であって、好ましくは、脾細胞、神経細胞、膵臓β細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞(皮膚上皮、口腔粘膜上皮、角膜上皮、羊膜上皮などを含む)、内皮細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、脂肪細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、乳腺細胞、肝細胞、骨膜由来細胞、若しくは間質細胞、又はこれらの細胞の前駆細胞の他、胚性幹細胞や間葉系幹細胞などの幹細胞や接着依存性のガン細胞を挙げることができる。
また、組織片としては、上記接着依存性細胞によって構成される組織片を挙げることができる。特に、骨膜、真皮、上皮、骨などの接着依存性細胞によって構成される組織片を好ましい対象として挙げることができる。骨膜に適用した場合には、口腔歯科領域におけるGTR法のメンブランとして応用することができる。なお、骨膜は組織片培養によって均一な厚さの良好な培養組織が得られるので、後述する培養体固定部材を備える培養装置によれば、熟練した技術がなくても容易に培養することができる。
なお、フィルムやスポンジなどの支持体(Scaffold)に細胞が播種された複合体も本発明における培養体に含めるものとする。かかる支持体としては、一般的には、コラーゲンやゼラチンなどの高分子材料からなるフィルムやスポンジなどを含むことができる。これらの支持体の形態は、培養しようとする培養体の種類に応じて設定することができる。
本培養装置は、培養キャビティを形成可能なチャンバーを備えている。チャンバーは、少なくとも培養面と培養面の外周側を包囲し培地を保持する外周堤部とを備えている。培養面は、培養体をその表面で培養する面である。培養面は、培養しようとする培養体によって適切な形態を採用することができる。培養細胞シートのようなシート状の培養組織を得ようとする場合には、平坦面を含んでいることが好ましい。外周堤部は、培養面を包囲して培養キャビティを形成する。培養キャビティは、培養体と培地を少なくとも保持する空間を示し、必要に応じて適切な雰囲気ガスを保持するように構成されている。
培養面と外周堤部によって培養キャビティが形成されるが、一体に形成してもよく、分離可能に固定された別体で形成されていてもよい。さらに、培養面を上方から覆う蓋状部分によって、培養キャビティを密閉状態にすることが好ましい。これは、必要に応じ培養面と外周堤部のいずれかあるいは双方と一体に設けることもできるし、これらのいずれとも別体に設けることもできる。例えば、ディッシュ底部とディッシュ蓋部とを備えるディッシュタイプの培養装置の場合、ディッシュ底部に少なくとも培養面を備えるようにし、外周堤部は、ディッシュ底部に設けることもできるし、ディッシュ蓋部に設けることもできる。なお、ディッシュ底部の培養面を覆う被覆部分は、外周堤部とともにディッシュ蓋部に一体に備えていてもよいし、また、ディッシュ蓋部とは別体に備えていてもよい。
本培養装置においては、外周堤部の少なくとも一部が培養面の包囲部位から変位して当該変位部分において培養面の外周側が開放状態となるように形成する。外周堤部は培養面の外周側を包囲しているため、外周堤部の少なくとも一部が変位することで、当該変位部分において、培養面の外周側の少なくとも一部が開放状態となる。この結果、当該開放部位から培養体に対して操作可能となる。開放部位は、特に限定しないで、培養組織に対する回収等の操作が外周堤部が存在する場合に比較して容易になるような部位であればよい。したがって、このような開放部位であるかぎり、外周堤部の高さ方向においては、外周堤部の上側のみが開放されて培養面表面においては外周堤部が残存する形態であってもよく、培養面表面から外周堤部の上端までの範囲にわたって全体が開放される形態であってもよい。好ましくは、少なくとも培養面の表面を含んで上方側全体を開放部位とする。また、培養面を凸状部の頂面に有する場合、培養表面及びその上方側のみならず培養面より下方域まで開放するようにすることもできる。また、開放部位は、培養面の周方向の一部であっても、複数箇所であっても、全体であってもよい。外周堤部の変位によって培養面の外周側の開放構造を得るには、外周堤部に開閉可能な部位を設ける、外周堤部の少なくとも一部を分離可能に形成する等各種の形態を採ることができる。
外周堤部に開閉可能な部位を設ける一つの態様として、外周堤部を、培養面の周縁あるいはその近傍に、外周堤部を外側に屈曲可能とする屈曲部を介して備える態様を挙げることができる。外周堤部の屈曲の程度は、培養面の外周側が開放される程度であれば足りるが、さらに下方に外周堤部が反転する程度にまで屈曲されてもよい。ディッシュタイプの培養装置の場合、ディッシュ底部の培養面の少なくとも一部が、外周堤部を屈曲させた際にディッシュ底部の最高部位となるようにしてもよい。このような態様のディッシュタイプの培養装置2への適用例を図1に示す。なお、以下、図示する培養装置においては、共通する装置、部材については同じ番号を付して説明する。この培養装置2は、培養面20と外周堤部30とを有するディッシュ底部40とディッシュ蓋部50とを備え、培養面20の周縁に外周堤部30が屈曲部60を介して備えられている。このような例によれば、培養時には、外周堤部30は培養面20とともに培養キャビティ4を形成し、培養後は、当該屈曲部60において外周堤部30を外側に折り、対応する培養面20の外周側を開放することができる。
これらの形態においては、例えば、培養面20の周縁形態が円形や多角形(全ての内角が直角または鈍角)の場合、培養面20の周縁の一部あるいは全周に沿って屈曲部60を形成し、外周堤部30を可撓性材料で設けることができる。また、外周堤部30に対しても適当な屈曲部(例えば、培養面20の周縁の一部(例えば角部)から外周堤部の上端縁に向かって上方に伸び、当該部位にて適切に屈曲あるいは伸張する部位)を設けることにより、培養面20の周縁の全周に沿って外周堤部を外方に屈曲することができる。
なお、屈曲部60は、例えば、その部分において構造的あるいは材料的に外周側よりも脆弱部位として応力集中しやすくするか、あるいはその部分において可撓性を付与した可撓性部位とすることによって構成することができる。脆弱性を付与するには、例えば、溝を形成する、肉厚を薄くする、弱い材料で構成する等各種の態様を採用できる。また、可撓性を付与するには、当該部分に可撓性材料あるいは伸縮性材料を配する態様を採用できる。あるいは、蝶番機構のように、機構的に屈曲可能な構成とすることも可能である。なお、外周堤部を外方に向けて屈曲可能とするには、外周堤部30自体を可撓性材料で形成することが好ましい。
また、この形態に含まれる他の例としては、外周堤部30の一部を他の部分の外周堤部30から独立させ、独立した外周堤部30を培養面20の周縁を基部として外側に屈曲可能に設けることで、外周堤部30の分割屈曲を可能とし、培養面20の外周側を開放できる。
外周堤部の少なくとも一部を分離可能に形成する態様として、外周堤部は培養面の周縁あるいはその近傍に対して分離可能に固定されて培養キャビティを形成し、当該培養キャビティの開放時、培養面の周縁あるいはその近傍から分離される態様を挙げることができる。この態様によれば、外周堤部が培養面の周縁等から分離されるために、当該分離部分においては培養面の外周側は開放されることになる。分離される外周堤部部位は、培養面の周縁あるいはその近傍の一部とすることもできるが全体とすることができる。このような態様においては、培養面は、外周堤部が分離されたとき、培養面に対して側方からアクセスしやすい形態であることが好ましい。したがって、例えば、ディッシュタイプの培養装置においては、培養面は、ディッシュ底部の凸状部位あるいは最高部位に形成されていることが好ましい。
この態様では、外周堤部と培養面部材との間において培地などの液体のシール性が確保されて固定される必要がある。シール性を確保するには、公知の各種手段を採用できる。また、分離可能な固定手段としては、螺合、係合、嵌合など公知の各種手段を採用できる。
このような態様のディッシュタイプの培養装置2への適用例を図2〜図5に示す。なお、これらの各種培養装置2は、いずれも、培養細胞シートのようなシート状の培養組織を作製するのに適した平坦で円形の培養面20を有する例である。図2の培養装置2において、ディッシュ底部40は培養面20を有し、培養面20に外周堤部30が螺合により結合されて凹形状の培養キャビティを構成しており、ディッシュ蓋部50が培養キャビティの覆い部として開閉可能に設けられている。この例においては、ディッシュ底部40の培養面20と外周堤部30とを分離可能に固定する手段として螺合手段が採用され、外周堤部30の外周側とディッシュ底部40の周壁の内周側とが螺合されるようになっている。培養組織が形成された後、培養面20と外周堤部30との螺合を解除すると、外周堤部30は分離され、培養面20の外周側の少なくとも一部、すなわち、培養面20の上部側方や培養面20の表面上は開放される。しかしながら、ディッシュ底部40の周壁(螺合部)は存在するため、培養面20の側方(培養面20の表面上においては螺合部位との間)への開放領域は少ないが、培養面20と周壁との間に空間が確保される点において、培養面20の外周側が開放されたということができる。したがって、このような構成の場合、外周堤部30は肉厚であることが好ましい。また、ディッシュ底部40の周壁を外周堤部30の高さよりも十分低くしておくことで、培養組織に容易にアクセスすることができる。さらに、ディッシュ蓋部50は開閉が容易にできるので、培養工程中の培地交換などの作業も容易に行うことができる。
また、図3の培養装置2は、図2におけるディッシュ底部40の螺合部位を、ディッシュ底部40と別部材21とした以外は図2の例と同一となっている。この例によれば、ディッシュ底部40と外周堤部30との分離によって、培養面20の外周側が完全に開放される。したがって、容易に培養組織にアクセスすることができる。図4に示す培養装置2は、培養面20を表面に有するディッシュ底部40と外周堤部30を備えるディッシュ蓋部50とを分離可能に備えている。この例では、ディッシュ底部40の外周とディッシュ蓋部50の内周で螺合しているため、螺合を解除してディッシュ底部40とディッシュ蓋部50とを分離すると、培養面20の外周側が開放される。したがって、培養面20の側方から培養組織にアクセス可能となる。また、この例においては、培養面20は、ディッシュ底部40の最高部位に形成されているため、培養面20の表面を含んでその外周側が開放される。なお、この例では、ディッシュ底部40とディッシュ蓋部50が螺合によって分離可能に構成されているので、培養キャビティ4が密閉され、コンタミネーションを防止することもできる。さらに、図5の培養装置2は、凸状体の頂面を培養面20として有するディッシュ底部40と、外周堤部30を形成する周壁部とを備えるディッシュ蓋部50と、を備え、ディッシュ底部40とディッシュ蓋部50とが螺合によって分離可能となっている。この例によれば、培養面20が凸状部の頂面に形成されているため、ディッシュ底部40とディッシュ蓋部50の分離後、培養面20の表面を含んでその外周側が開放され、培養面の側方から培養組織に対してアクセスできるため、培養面20から培養組織を取り出すことが容易となっている。なお、この例においては、後述するように、培養面20の外周に凹状の液体貯留部70を備えている。こうすることで、培養キャビティ4内から完全に培地を除去できない場合であっても、螺合を解除した際に零れる残留培地を液体貯溜部70で受け止めることができ、清潔な状態で作業を続けることができる。なお、これらの例は、いずれも螺合手段を固定手段として用いたが、他の各種固定手段から適切な固定手段を選択することができる。
このように、外周堤部を培養面から分離可能に設ける形態においては、前記培養面の外周に液体貯留部を備えることができる。液体貯留部を設けることで、外周堤部を分離して培養キャビティを開放したとき、培養キャビティ内に残留していた液体があっても、この液体貯留部に貯留させて外部に漏出することがない。液体貯留部は、液体を貯留可能な凹状あるいは堤部状とすることができる。なお、頂面を培養面とする凸状体の底部の場合には、頂面の外周を凹状の液体貯留部とすることができる。
本培養装置には、培養体を培養面に対して押圧固定する固定部材を備えることができる。こうすることで、組織片培養において組織片を早期にかつ確実に培養面に対して容易に固定することができ、培地を早期に供給して適切な培養環境を形成することができる。
培養体固定部材は、チャンバーとは別個に備えることもできるが、その培養体接触部分が培養面に対向するようにチャンバーの一部に備えられていることが好ましい。培養装置が例えば、ディッシュ底部とディッシュ蓋部とから形成されるチャンバーを有する場合には、培養体固定部材は、ディッシュ蓋部の内側に備えることができる。こうすることで、ディッシュ蓋部の開閉に伴って培養体を培養面に押圧固定することができるようになる。なお、固定部材は、ディッシュ蓋部などのチャンバー構成部材に固定される場合、チャンバーの密閉操作(例えば、ディッシュ蓋部を螺合や嵌合により底部に固定させる場合におけるディッシュ蓋部の回転操作)に連動しないように構成することが好ましい。例えば、ディッシュ蓋部を螺合により固定させる場合において、ディッシュ蓋部に対して固定部材を回動可能に設けることで、ディッシュ蓋部の回転に伴って固定部材が底部に対して回転するのを防止できる。こうすることで、組織片をディッシュ蓋部の回転に伴って回転させたりして組織片に対するダメージが発生するのを防止できる。
培養体固定部材は、組織片が適切な状態で培養面に密着可能であり、かつ組織片を培養可能とする程度に押圧固定できるものであればよい。したがって、例えば、接着依存性細胞からなる組織片の場合においては、これらを培養面に密着させ、かつ培養を妨げない程度に押圧するものである。このような押圧状態は、培養体接触部分と培養面との距離を適切に確保して当該固定状態を実現できるようにすることができる。このためには、例えば、固定部材の培養体接触部分の端部に培養面に向けて弾性体を装着し、この弾性体の弾性によって培養体接触部分と培養面との適切な距離を確保することもできる。また、培養体固定部材を所定範囲上下動可能に形成して培養面と固定部材間の距離を調整することによっても可能である。
固定部材の培養体接触部分に凹凸部を備えることで、固定部材と組織片との接触面積を低下させつつ、組織片を確実に固定できる。また、培地などの良好な供給を確保することができる。このような凹凸部は、特に形状を限定しないが、例えば、針状突起などの鋭利な突起、エンボス状等の緩い凹凸などとすることができる。かかる凹凸部の形状により培養体へのダメージを抑制することも可能となる。
チャンバーを構成する材料としては、従来この種の培養装置に用いられている公知材料を用いることができるが、培養組織の回収、殊に培養表皮細胞シートなどの強度が脆弱な培養組織の回収をより一層簡易化するには、培養面の表面を温度感応性ポリマーで形成することが好ましい。温度官能性ポリマーは、温度制御によりポリマーの親水性と疎水性とを制御可能であるポリマーである。このため、温度制御により細胞接着性を変化させることができる。例えば、37℃にて細胞接着性を発現し、20℃にて細胞脱離性を発現することができる。このようなポリマーとしては、例えば、特開平5−38278、特開平5−192138、特開平5−244938に開示される、水に対する臨界溶解温度(T)が0〜80℃のポリマーを用いることができる(これらの文献に記載される全ての事項は引用により本明細書の一部となる)。このようなポリマーを、温度制御により細胞接着性を制御できる程度に培養面に付与しあるいは培養面を形成することで、本発明の培養装置に適した培養面を得ることができる。かかるポリマーとしては、例えば、ポリ−N−イソ、プロピルアクリルアミド、ポリ−N−n−プロピルアクリルアミド、ポリ−N−n−プロピルメタクリルアミド、ポリ−N−エトキシエチルアクリルアミド、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド等を挙げることができる。
かかるチャンバーのいずれかの部位には、液体を注排出可能な液体注排出部を備えることが好ましい。この液体注排出部を備えることで、培地や洗浄液等の充填及び交換を容易に行うことができる。殊に、培養キャビティが密閉されるように構成されたチャンバーでは、培養キャビティの密閉性を損なうことなく培地交換等が行えるようにすることでコンタミネーションを防止できるため、液体注排出部を設けることが重要となる。液体注排出部は、例えば、バルブ(ピンチバルブを含む)やコックのような弁機構による開閉機構などが挙げられるが、好ましくは、穿刺可能であってかつシール性を維持可能なシール材を備える構成とすることができる。より具体的には、穿刺時及び穿刺後においてもシール性を維持できるシール材である。かかるシール材を液体注排出部に備えることで、針などの穿刺部を有するシリンジ等を用いてコンタミネーションを回避しつつ培地などの液体を容易に充填及び交換することができる。なお、ここで「シール性」とは、少なくとも液体に対するシール性を含むものとする。好ましくは、ガスや他の生物体(ウイルスや細菌等)に対するシール性を含む。このようなシール性を有する材料として、各種の材料が周知であるが、例えば、ゴム、シリコーンゴム、シリコーンあるいはエラストマー材料を含んだ材料を用いることができる。
また、チャンバーにおいては、少なくとも培地を保持する部分においては液密性であるが、チャンバー全体を液密性とすることもできる。また、チャンバーの少なくとも一部に、ガス透過性及び液密性を備えるようにすることができる。こうすることで、培養キャビティから培地等の液体の漏出を防止しつつ培養に必要なガス成分を供給することができ、培地に溶存させることができる。また、炭酸ガスインキュベータ内に本培養装置を載置した場合、適切なガス供給条件で培養することが可能となる。ここで、ガス透過性は、透過させるガスの種類は問わないで、培養に必要とされるガスの種類に応じて適宜設定される。対象とするガスとしては、少なくとも酸素及び炭酸ガスを含むことが好ましい。なお、このようなガス透過性及び液密性部分は、例えば、チャンバーが底部と蓋部とで構成されるようなディッシュ形態の場合等においては、当該蓋部において備えられていることが好ましい。
また、チャンバーには、ガス排出部を備えることができる。殊にチャンバーが、可撓性を有していない材料や構造で構成された場合であって、かつ培養キャビティが密閉されるように構成されている場合においては、培養キャビティの密閉性を維持した状態のまま、培地交換等を行うためには重要となる。ガス排出部を設けることで、培地などの液体を培養キャビティに供給した場合、それに応じて適時ガスが排出されるため容易に培地交換を行うことができる。また、培地や洗浄液等の交換に要する時間を短縮することができるようになる。
ガス透過性部の形態は特に限定しない。なお、ガス透過性部は、ガス透過性を有する材料で形成されることが好ましい。さらに、液密性材料で形成されることが好ましい。さらにまた、ガス透過性に加えてウイルスや細菌などの生物体非透過性を有する材料あるいはそのような構造を備えることが好ましい。生物体非透過性を有する材料を用いることで、培養中のコンタミネーションを効率的に回避あるいは抑制できる。例えば、ガス排出部は、ガス透過性及び細菌やウイルス非透過性フィルタで形成することができる。
また、チャンバーのいずれかの部位には、変形可能な可撓性部を備えることができる。可撓性部は、チャンバー内の圧力の変化に対応して可撓性を発揮可能に形成されている。すなわち、チャンバー内の圧力が減少した場合には、チャンバー内側に撓み、チャンバー内の圧力が増大した場合には、チャンバー外側に撓むことができる。可撓性部を備えることにより、チャンバー内への液体等の注排出に伴ってチャンバー内のガス圧が増加及び減少したときのチャンバーへの負荷を低減でき、液体等の注排出を容易に行うことができる。また、可撓性部を備えることで、外周堤部を屈曲可能とする屈曲部を備える培養装置において、当該屈曲部位等への負荷を低減できる。このような可撓性部は、ゴム、プラスチックなどの高分子材料を適宜用いることができる。また、このような可撓性部をガス透過性膜で形成することもできる。この場合、液体等の注排出に伴うガス圧の急激な増大や減少に対応してガス透過性と可撓性とを発揮させて、より一層チャンバーへの負荷を低減し、かつ、液体等の注排出を容易に行うことができるようになる。
このような本発明の培養装置は、培養に必要な器具とともに培養キットとして提供することができる。特に、穿刺可能であってシール性を維持可能なシール材を備える液体注排出部を備える培養装置と、針等の穿刺部を有するシリンジとともに培養キットとすることで、特別な設備や熟練した技術がなくても容易に細胞や組織片を培養することができ、小規模施設あるいは研究用に適した培養キットを提供できることになる。このキットの培養装置において培養体固定部材を備えることで、骨膜等の組織片培養をさらに容易化した培養キットを提供できる。
次に、本発明の具体例について説明する。実施例1の培養装置を図6〜図8に示す。この培養装置2は、ディッシュタイプの培養装置2である。この培養装置2は、培養キャビティ4を構成するチャンバー10を備えている。このチャンバー10は、円形底部とその周縁に沿う周壁部とからなるディッシュ底部40とこれを覆うディッシュ蓋部50とを備え、互いに分離可能に形成されている。ディッシュ底部40及びディッシュ蓋部50とは、それぞれ液密性で可撓性の材料で構成されている。また、ディッシュ底部40は、それ自体適度な可撓性を有する材料で一体成形され、後述する屈曲部60等による外周堤部30の開放によって培養面20の外周側の全体を開放できるようになっている。ディッシュ底部40は、凹状のディッシュ状であり、その内側底面を培養面20として有し、その周壁部を外周堤部30として有している。なお、屈曲部60等による外周堤部30の開放を考慮し、外周底部30は培養面20に対して鈍角の傾斜が設けられている。傾斜を設けることにより、外周堤部30の変位を容易に行うことができる。ディッシュ蓋部50は、培養面20を覆う被覆部51を備えている。本実施例においては、通常の培養皿と同様に、ディッシュ底部40と蓋部50の係合部分に図示なき通気領域が存在しており、これらにより形成される培養キャビティ4は外部と連通している。したがって、培養工程中においては、インキュベータ内と同じ雰囲気による環境とすることができ、培養体の培養が可能である。
ディッシュ底部40の培養面20の周縁全体(ディッシュ底部40の内側)に沿って、外周堤部30を外側に屈曲できるように屈曲部60が形成されている。この屈曲部60は、培養面20の周縁全体に沿う細い溝62を有して脆弱成形部位となっている。さらに、ディッシュ底部40の周壁部の上部周縁には、外側に張り出した鍔状の端縁32を備えており、この端縁32の基部にも、屈曲部64を備えている。この屈曲部64には、細い溝66が形成されて脆弱成形部位となっており、端縁32をディッシュ底部40の内側に屈曲可能となっている。
次に、この培養装置2の使用方法について説明する。図6には、本培養装置2にて細胞の培養を開始した状態が示されている。まず、ディッシュ底部40の培養面20に、細胞を播種し培地を充填して、ディッシュ蓋部50で覆って培養を開始する。
培養期間中は必要に応じて培地交換を行うが、ディッシュ底部40と蓋部50の係合部分は通常の培養皿と同じ構成になっているので、従来と同様に培地交換等の作業を行うことができる。所定期間培養し、培養完了後の培養細胞シートを培養面20から剥離するには、図7及び図8に示すように、培地等の液体を除去した上、外周堤部30を外方に屈曲させて培養面20を最高部位に突出させる。接着依存性細胞を培養した場合、培養面20からこれらの培養組織を剥離するには、剥離処理を行うことが好ましい。剥離処理には、酵素処理など処理に液体を要する処理の他、温度により細胞接着性が変化する温度感応性ポリマーを培養面20に用いるなど処理に際して液体を要しない処理がある。液体を要する剥離処理を行う場合には、外周堤部30を外方に屈曲して培養キャビティ4を開放するのに先立って、液体を保持するディッシュ底部40に細胞剥離用の酵素などを添加して所定の処理をおこなって剥離処理を行う。また、液体を要しない剥離処理は、必要に応じて外周堤部40の開放前あるいは開放後に剥離処理を行うことができる。なお、上述のような接着依存性細胞による培養組織の中には、培養骨膜シートや培養線維芽細胞シートなどの強靭な強度を持つ培養組織があるので、剥離処理をしなくとも物理的な力のみで剥離可能なものも存在する。
図7には、培養を完了して培地や洗浄液等の液体を除去した状態が示されている。この状態とした後、ディッシュ底部40の培養面20の下部から上方に押す。かかる負荷をかけることで、図8に示すように、屈曲部60において外周堤部30が培養面20より外方に折れて斜め下方に倒れた状態となり、培養面20及びその外周側の全体が開放状態とされ、培養面20がディッシュ底部40の頂面であり最高部位に位置される。また、屈曲部64近傍でも端縁32が外方に変形する。この結果、ディッシュ底部40は、端縁32を脚部として安定して載置可能となる。ディッシュ底部40が所定の形状変換を行えるのであれば、外力をかける部位や方向は特に限定しない。外周堤部30を直接外側に折るように外力をかけてもよい。
このように培養面20の外周側が開放されると、培養面20に対して側方からのアクセスが可能となる。したがって、培養組織を培養面20から剥離させて回収するのにあたり、培養組織の側方からピンセットやスパチュラなどの器具で操作して培養組織を容易に把持し、また、培養面20から容易に回収することができるようになる。
なお、本実施例においては、溝62、66を形成することで屈曲部60、64を形成したが、図9に示すように、培養面20と外周堤部30、及び外周堤部30と端縁32とを、それぞれ可撓性フィルム63、65で連結することによって可撓性フィルムによる可撓性部位を屈曲部として機能させることができる。このようにすれば、硬質のディッシュ材料であっても、培養装置2を培養面20の外周側を開放するように容易に形状変換させることができる。なお、屈曲部64(溝66)又は可撓性フィルム65は、培養面20の外周側を開放するためには必須ではないため、設けなくともよい。また、鍔状の端縁32に凹形状の液体貯溜部を設けてもよい。
次に、本発明を具体化した他の実施例について説明する。実施例2の培養装置を図10及び図11に示す。なお、本実施例においても、実施例1と共通する部材については同じ番号を付して説明する。この培養装置2は、ディッシュタイプの培養装置2である。この培養装置2は、培養キャビティ4を構成するチャンバー10を備えている。チャンバー10は、円形の培養面20を有するディッシュ底部40と外周堤部30を有するディッシュ蓋部50とを備え、これらが係合されて密閉された培養キャビティ4を形成するようになっている。ディッシュ底部40及びディッシュ蓋部50とは、それぞれ液密性でかつ硬質の材料で構成されている。
ディッシュ底部40は、全体として、平坦な円形の頂面を有する凸状の外皮状体に形成されており、その頂面を培養面20として有し、培養面20が最高部位となっている。このように、ディッシュ底部40を外皮状体、すなわち、ほぼ等厚の部材で凸状体を形成することで、ディッシュ蓋部50が係合可能な形状となり、培養装置2の積層を容易にかつ安定したものとすることができる。さらに、ディッシュ底部40は、培養面20の周縁に沿って下方に傾斜したスカート状の周壁部24を有しており、その下端側には、液体を貯留可能に凹状に形成された液体貯留部70を備えている。すなわち、培養面20の外周に液体貯留部70を備える構成となっている。液体貯留部70の外壁部は脚部26として機能するようになっている。さらに、ディッシュ底部40の周壁部24表面には、環状のシール材28が装着されており、ディッシュ底部40がディッシュ蓋部50と係合されて培養キャビティ4を形成する際に、ディッシュ底部40とディッシュ蓋部50との間をシール可能に構成されており、密閉された培養キャビティ4が形成される。
ディッシュ蓋部50は、ディッシュ底部40と対向したとき培養面20を覆いうる被覆部51を備えるとともに、被覆部51の周縁に沿って下方に傾斜するスカート状の周壁部を備えており、この周壁部が外周堤部30となっている。外周堤部30は、培養キャビティ4形成時には、ディッシュ底部40の培養面20の周縁に近接して培養面20の外周側を包囲する堤部となるように形成されている。外周堤部30の下端側は、ディッシュ底部40の周壁部24の下端側形状に沿うとともに係合可能な形状を備え、下端は脚部36に形成されている。
さらに、ディッシュ蓋部50の被覆部51のほぼ中央には、ディッシュ蓋部50の内側に培養面20を指向可能に突出した培養体固定部材80を備えている。培養体固定部材80は、その下方に培養体(組織片)を培養面20に対して押圧固定する培養体接触部82を備え、その上方に軸体部84と係止体86とを備えている。培養体接触部82は、培養面20を指向可能に培養体を固定するための複数個の凸状部を備えている。培養体固定部材80は、軸体84を被覆部51の中央に形成された貫通孔に挿通され所定範囲で上下動及び回転自在に装着されている。係止体86は、貫通孔の外周に形成されている浅い凹状部の断差に係止されて固定されている。このようにディッシュ蓋部50に装着された培養体固定部材80は、培養キャビティ4を形成時においても、その上端がディッシュ蓋部50表面に突出しないように形成されている。
ディッシュ蓋部50の外周堤部30には、液体注排出部90を備えている。液体注排出部90は、外周堤部30に開口した貫通孔に、穿刺可能であってシール性を維持可能なシール材92が充填されて形成されている。さらに、ディッシュ蓋部50の被覆部51の一部には、酸素及び二酸化炭素透過性のメンブランフィルタを備えるガス透過部100を備えている。このガス透過部100は、また、可撓性を有しており、チャンバー10内のガス体積の急激な増大や減少に応じて撓むようになっている。さらに、このガス透過部100は、ウイルスや細菌などの微生物の非透過性を有している。
図11に示すように、このように形成されたディッシュ底部40とディッシュ蓋部50とは互いに固定されるような固定手段110が形成されている。ディッシュ底部40の最外周部には外方に突出する凸状体112を備えており、ディッシュ蓋部50の最外周部の内側にはこの凸状体112を嵌合する凹状部114を備えている。凹状部114は、上下方向の導入部114aとディッシュ蓋部50の外周方向に沿ったロック部114bとを備えたL字状に形成されており、導入部114aに凸状体112を挿入させた後、凸状体112をロック部114bに嵌め合わせることで、凸状体112が凹状部114から脱落することを防止している。
こうした培養装置2によれば、図10に示すように、培養体固定部材80で培養体(組織片)を固定できる。この培養体固定部材80は、ディッシュ蓋部50に備えられているため、ディッシュ底部40の培養面20の培養体固定部材80に対応する部位に載置して、ディッシュ蓋部50をディッシュ底部40に装着することにより、同時に培養体が培養面20に固定される。特に、接着依存性細胞からなる組織片を培養する場合、早期にかつ確実に組織片を培養面20に固定でき、培地を早期に供給できるため、作業者に負担をかけることなく、よい状態で培養を開始できる。培養体固定部材80の培養体接触部82は、培養体に対して適切な押圧力で固定できるよう予め設定されているため、培養体は好ましい状態で培養面20に対して固定される。
ディッシュ底部40に対してディッシュ蓋部50を固定して培養キャビティ4を形成するにあたっては、それぞれに形成された凸状体112と凹状部114を係合させ、ロックする。これにより、両者は固定され、同時に、ディッシュ底部40に備えるシール材によってディッシュ底部40の周壁部142とディッシュ蓋部50の周壁部52との間がシールされて、密閉された液密性の培養キャビティ4が形成される。培養体固定部材80は、ディッシュ蓋部50に形成された貫通孔に所定範囲で回転自在に固定されているため、ディッシュ蓋部50をディッシュ底部40に対してロックするためにその周方向に所定範囲回転した場合においても、当該ディッシュ蓋部50の回転に伴って回転しない。この結果、ロック操作に際して組織片を回転させることなく固定することができ、組織片に障害を与えることが回避されている。
このような培養キャビティ4には、液体注排出部90からシリンジ130を用いて培地を注入する。培養キャビティ4の密閉性を維持したまま、シリンジを用いて培地を注入するため、コンタミネーションを効果的に防止できる。培養装置2は、ガス透過部100を備えているため、チャンバー10内のガス雰囲気やガス圧を安定して維持できる。また、ガス透過部100は可撓性を有しているため、液体の注入または排出時における培養キャビティ4内の圧力の変化に対応して撓み、チャンバー10に対する負荷を低減できる。
次いで、所定条件で培養を行い、培養中の培地交換はシリンジを用いて液体注排出部90から適宜行う。培養工程を完了して培養組織を回収できる段階になったとき、液体注排出部90からシリンジで培地を排出し、替わりに洗浄液を注入する。適数回洗浄液を注入後、洗浄液を排出する。洗浄は、培養キャビティ4の開放後に行ってもよい。また、必要に応じて、培養組織を剥離するための酵素処理を行ってもよい。その後、ディッシュ底部40とディッシュ蓋部50とのロック状態を解除しこれらを分離して培養キャビティ4を開放する。この際、既に述べたように培養体固定部材80はディッシュ蓋部50に対して回転自在に形成されているため、ロック解除のためのディッシュ蓋部50が回転しても培養体固定部材80は回転せずに培養組織に損傷が与えられるのが回避されている。また、培養キャビティ4に洗浄液等が残留していても、残留液体は、液体貯留部70に流入し貯留されるため、これらの液体で作業環境を汚染することもなく、安全かつ清潔な作業環境を維持できる。
開放された培養面20は、ディッシュ底部40の最高部位に設けられているので、作業者は容易に培養組織を操作し、回収作業をすることができる。また、培養面20が高い位置にあっても、その外周に液体貯留部70を有しているため、残留した液体による汚染は効果的に回避されている。
なお、本実施形態における培養装置2はディッシュ蓋部50の上面が平坦に形成されているので、この上にディッシュ底部40を安定して載置できる形状となっており、複数の培養容器2を安定して積層可能である。
なお、図12〜図14に実施例2の培養装置2の変容例を示す。図12に示す培養装置2は固定手段140において異なる構造を有している以外は、基本的に図10の培養装置2と同一の構造を有している。
この変容例では、ディッシュ蓋部50の外周底部30下端側には脚部36に替えて可撓性の爪部54が複数設けられており、ディッシュ蓋部50とディッシュ底部40とを合わせると、爪部54の先端が、ディッシュ底部40の脚部26の底面に係合し、ロックされるようになっている。また、図13に示すように、爪部54の先端とディッシュ底部40の脚部26の上面は、それぞれテーパ状の切欠き55a、55bが設けられている。こうすることで、図14に示すように、ディッシュ蓋部50でディッシュ底部40を閉じようとする場合、ディッシュ蓋部50側の切欠き55aがディッシュ底部40側の切欠き55bに接触し、切欠き55aが切欠き55b上をすべることで、爪部54の先端が容易に弾性的に広がり、脚部26側面に沿って下方へ移動しやすくなっている。爪部54が、脚部26の底面に至った後、爪部54が元の状態に戻ることでロックがなされる。この固定手段140によれば、ディッシュ蓋部50の回転が不要なため、培養体固定部材80には回転機構は不要となり、ディッシュ蓋部50の内面に固定状態で装着することができる。
なお、これら実施例2及びその変容例においては、培養キャビティ4を密閉した状態のまま液体の注排出が可能となっているため、培養完了後にのみ、固定手段110、140を破壊し、あるいは破壊せずに培養キャビティ4を開放し、培養面20の外周側を開放することができる。さらに、固定手段110,140に関しては、ディッシュ蓋部とディッシュ底部でこれらの構成を逆にすることも可能であるし、ディッシュ蓋部とディッシュ底部以外の第3の部材により固定されてもよく、その他の多くの変容例が考えられるが、本発明の技術的思想を含む範囲においては、全て包含するものとする。
本発明の培養装置の一例を示す図である。 本発明の培養装置の他の一例を示す図である。 本発明の培養装置の他の一例を示す図である。 本発明の培養装置の他の一例を示す図である。 本発明の培養装置の他の一例を示す図である。 実施例1の培養装置における培養開始状態を示す断面図である。 実施例1の培養装置において、培養を完了し液体を除去した状態を示す断面図である。 実施例1の培養装置において、所定の形状変換を行った後の状態を示す断面図である。 実施例1の培養装置における屈曲部の他の一例を示す図である。 実施例2の培養装置における培養開始状態を示す断面図である。 実施例2の培養装置における固定手段を示す斜視図である。 実施例2の変容例を示す断面図である。 固定手段による固定状態を示す断面図である。 実施例2の固定手段を示す斜視図である。
符号の説明
2 培養装置、4 培養キャビティ、10 チャンバー、20 培養面、30 外周堤部、40 ディッシュ底部、50 ディッシュ蓋部、60、64 屈曲部、62,66 溝、70 液体貯留部、80 培養体固定部材、82 培養体接触部、90 液体注排出部、100 可撓性部、110,140 固定手段、130 シリンジ。

Claims (25)

  1. 培養キャビティを形成可能なチャンバーを備える培養装置であって、
    前記チャンバーは、培養体を培養する培養面と、該培養面の外周側を包囲し培地を保持する外周堤部と、を備え、
    該外周堤部の少なくとも一部が前記包囲部位から変位されて当該変位部分において前記培養面の外周側が開放状態となるように形成されている、培養装置。
  2. 前記培養面の開放部位は、前記培養面の表面を含む、請求項1に記載の培養装置。
  3. 前記外周堤部は、前記培養キャビティの開放に連動して前記培養面の外周側の少なくとも一部を開放する、請求項1又は2に記載の培養装置。
  4. 前記外周堤部は、前記開放される培養面の外周側の少なくとも一部において、開閉可能に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の培養装置。
  5. 前記外周堤部は、当該外周堤部を外側に屈曲可能とする屈曲部を介して前記培養面の周縁に沿って備えられている、請求項4に記載の培養装置。
  6. 前記チャンバーは、底面に形成された培養面と当該培養面の外周側を包囲するように前記外周堤部を形成する周壁部とを備えるディッシュ底部と、ディッシュ蓋部と、を備え、該ディッシュ底部と該ディッシュ蓋部とは分離可能に形成されている、請求項5に記載の培養装置。
  7. 前記培養面の少なくとも一部が、前記ディッシュ底部の最高部位となるように、前記外周堤部が屈曲される、請求項6に記載の培養装置。
  8. 前記屈曲部は、脆弱成形部位、可撓性部位及び機械的に構成される屈曲機構部位のいずれかである、請求項5〜7のいずれかに記載の培養装置。
  9. 前記外周堤部は、前記開放される培養面の外周側の少なくとも一部において、培養面から分離可能に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の培養装置。
  10. 前記外周堤部は前記培養面の周縁あるいはその近傍に対して分離可能に固定されて培養キャビティを形成し、当該培養キャビティの開放時、前記培養面の周縁あるいはその近傍から分離される、請求項9に記載の培養装置。
  11. 前記チャンバーは、凸状部の頂面を培養面として有するディッシュ底部と前記外周堤部を形成する周壁部とを備えるディッシュ蓋部と、を備え、該ディッシュ底部と該ディッシュ蓋部とは分離可能に形成されている、請求項10に記載の培養装置。
  12. 前記培養面は、ディッシュ底部の最高部位に形成されている、請求項11に記載の培養装置。
  13. 前記ディッシュ底部は、前記培養面形状に一致する内表面を有する外皮状体である、請求項11又は12に記載の培養装置。
  14. 前記ディッシュ底部は、前記培養面の外周側に液体貯留部を備える、請求項9〜13のいずれかに記載の培養装置。
  15. 前記頂面は、平面を含む、請求項9〜13のいずれかに記載の培養装置。
  16. 前記チャンバーは、前記培養体を前記培養面に押圧固定する培養体固定部材を備える、請求項1〜15のいずれかに記載の培養装置。
  17. 前記チャンバーは、前記培養面を有する底部と該培養面に対向する前記培養体固定部材を有する蓋部とを分離可能に備えるとともに、これらの相対回転によりロック可能な固定手段を備え、前記蓋部は、前記培養体固定部材を該蓋部に回転に対して回転自在に備えている、請求項16に記載の培養装置。
  18. 前記培養体固定部材は、前記培養体に接触する部分に凹凸部を有する、請求項16又は17に記載の培養装置。
  19. 前記チャンバーには、液体を注排出可能な液体注排出部を備える、請求項1〜18のいずれかに記載の培養装置。
  20. 前記液体注排出部は、穿刺可能であってかつシール性を維持可能なシール材を備える、請求項21記載の培養装置。
  21. 前記チャンバーの少なくとも一部がガス透過性及び液密性である、請求項1〜20のいずれかに記載の培養装置。
  22. 前記チャンバーは、ガス排出部を備える、請求項1〜21のいずれかに記載の培養装置。
  23. 前記チャンバーは、変形可能な可撓性部を備える、請求項1〜22のいずれかに記載の培養装置。
  24. 前記培養体は、骨膜組織片である、請求項1〜23のいずれかに記載の培養装置。
  25. 培養体を培養するための培養キットであって、
    密閉された培養キャビティを形成可能なチャンバーを備える培養装置であって、
    前記チャンバーは、培養体を培養する培養面と、該培養面の外周側を包囲し培地を保持する外周堤部と、前記培養キャビティの密閉性を維持した状態でチャンバー内の流体を注排出可能な液体注排出部と、該外周堤部の少なくとも一部が前記包囲部位から変位されて当該変位部分において前記培養面の外周側が開放状態となるように形成されている、培養装置と、
    前記液体注排出部を介して前記培養キャビティ内に液体の注排出が可能なシリンジと、
    を備える培養キット。
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