JP2014064458A - プラグインブッシング及び耐電圧試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラグインブッシングは、棒状の内部導体と、内部導体の外周面に内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、エポキシブッシングの気中側の外周面に形成されるゴム製のコンデンサコーンからなる第1の絶縁補強部と、エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成され機器側ブッシングの受容口に挿入される第2の絶縁補強部と、第2の絶縁補強部をケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置とを備える。第1の絶縁補強部は絶縁性ゴム材料で形成される絶縁部と複数の筒状の電極で形成される電界緩和部とを有し、第2の絶縁補強部は絶縁ゴム部と導電部とを有する。電界緩和部と導電部は、それぞれエポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続される。
【選択図】図3
Description
また、プラグイン式の電力ケーブル端末を電力用機器に接続して行う電力用機器の耐電圧試験は、例えば試験用リードケーブルの一端側に設けられた終端コネクタを機器に接続し、他端側に設けられた気中終端接続部から課電することにより行われている(例えば特許文献2)。
棒状の内部導体と、
前記内部導体の外周面に、前記内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、
前記エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される、ゴム製のコンデンサコーンからなる第1の絶縁補強部と、
前記エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成され、前記機器側ブッシングの受容口に挿入される第2の絶縁補強部と、
前記第2の絶縁補強部を前記ケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、を備え、
前記第1の絶縁補強部は、絶縁性ゴム材料で形成される絶縁部と、複数の筒状の電極で形成される電界緩和部と、を有し、
前記第2の絶縁補強部は、絶縁ゴム部と、導電部と、を有し、
前記電界緩和部と前記導電部は、それぞれ前記エポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る耐電圧試験方法によれば、電力用機器に課電するためのプラグインブッシングの取付・解体作業が改善されるので、格段に作業効率が向上する。
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態に係るプラグインブッシングを接続可能な電力用機器を示す図であり、図2は電力用機器に取り付けられたケーブルヘッドの拡大図である。
エレファント部100Bにはケーブルヘッド2が設けられ、このケーブルヘッド2に対応する終端処理が施された電力ケーブル端末をプラグイン式で接続できるようになっている。電力用機器100の通常運転時は、ケーブルヘッド2に電力ケーブル端末が接続された状態で使用される。
機器側ブッシング21は、例えばエポキシ樹脂等の硬質の絶縁体で構成された中空状の成形体である。機器側ブッシング21は、本実施の形態では、円筒状の頭部21a、釣鐘状の胴部21b、表面に導電塗料が塗布され、先端側にベルマウス状の凹部を有する遮蔽部21c、径方向外側に突出するフランジ状の機器固定部21d、及び絶縁筒部21eを有する。なお、機器側ブッシング21の形状はこれに限定されない。
絶縁筒部21eは、機器固定部21dの後端側に連設される。絶縁筒部21eの外周面には導電層が設けられていないため、絶縁筒部21eによって、電力用機器の接地容器101側の接地とケーブルヘッド2に接続されるプラグインブッシング1側の接地は縁切りされる。
機器側導体22は、機器側ブッシング21の頂部21gから突出する導体引出部22a、機器側ブッシング21の頭部21aの内周面に埋設された円筒部22b、導体引出部22aと円筒部22bを連結する首部22c、首部22cから機器側ブッシング21の受容口21fに向けて突出する係止部22dを有する。
係止部22dには、導電性のリング状接触子23(いわゆるチューリップコンタクト)の一端側が係止される。このリング状接触子23の他端側には、電力ケーブルに接続された導体接続端子(図示略)が係止されるか又はプラグインブッシング1の後述の導体プラグ16が挿入される。機器側導体22は、リング状接触子23を介してプラグインブッシング1と電気的に接続されることとなる。
なお、エレファント部100Bは、天地が逆転できるように回動可能に構成される。すなわち、通常時は電力ケーブルとの接続状態の安定性が確保されるように下方にケーブルヘッド2が位置する状態とされ(図1参照)、耐電圧試験時には作業性が向上するように上方にケーブルヘッド2が位置する状態とされる(図5参照)。
また、エポキシブッシング12において、第1の絶縁補強部13の先端部13aから第2の絶縁補強部14の後端部14aにわたる外周面には、例えば導電塗料を塗布することにより導電層121が形成される。なお、図3及び図4では、説明の便宜上、導電層121を表す破線を、エポキシブッシング12の外周線より内側に記載している。導電層121を接地電位とすることにより、エポキシブッシング12の遮蔽層が形成される。
なお、本実施の形態では、第1の絶縁補強部13の先端部13aから第2の絶縁補強部14の後端部14aにわたる外周面に導電層121を形成しているが、必要に応じて、導電層121を中間で切り離し、終端接続側の接地層と気中側の接地層を電気的に切り離すための縁切り部を設けてもよい。
なお、エポキシブッシング12と、コンデンサを形成する円筒状の電極との相対位置や、電極の枚数は本実施の形態に限定されず、適宜変更することができる。
絶縁ゴム部141と導電部142は、一体的に形成される。また、導電部142は、ベルマウス状に形成され、エポキシブッシング12に形成された導電層121に接続される。第2の絶縁補強部14によって、終端接続側における電界の局部的な集中が緩和される。
第2の絶縁補強部14の絶縁ゴム部141の外周は、装着されるケーブルヘッド2の受容口21fに対応する形状となっており、圧縮装置15によりケーブルヘッド2の受容口21fに押圧される。
押し金具151の先端側の開口151aは、第2の絶縁補強部14の後端側の外周面(導電部142の外周面)に沿ってラッパ状に形成される。押し金具151の後端部151bには、スプリング収容部151cが円周方向に沿って複数形成される。これらのスプリング収容部151cに、それぞれコイル状のスプリング152が装着される。
なお、ボルト42とボルト43の円周上の位置は、干渉しないようにずらした位置とされる。また、固定金具41の固定部41aのボルト42に対応する位置には、ボルト42をケーブルヘッド2に取り付けられるように切り欠き部(図示略)が設けられる。
固定金具41の引留部41cをエポキシブッシング12のフランジ部122の後端面122a(気中側)に係止させ、この状態で固定部41aの先端面を押し金具フランジ153の後端面に当接させる。そして、ボルト43を挿通孔41dに挿通させ、押し金具フランジ153のねじ孔153bに締め付けることで、固定金具41が押し金具フランジ153に固定される。圧縮装置15は、スプリング152を支持した状態でエポキシブッシング12に固定されることとなる。
導体プラグ16は、機器側導体22に接続される先端側の小径部16aと、内部導体11に接続される後端側の大径部16bが連設された、断面視「Y」字状の部材である。
また、ばね状接触子は、導体挿入孔16cの内周面(凹溝16d)に設けているが、内部導体11の先端の外周に設けてもよい。ただし、エポキシブッシング12のモールド成形を考慮すると、ばね状接触子は、本実施の形態のように、導体挿入孔16cの内周面に形成された凹溝16dに設ける方が好ましい。
プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着する際、導体プラグ16の大径部16bが機器側ブッシング21の内周面に摺接しながら挿入される。このとき、大径部16bの肩部が機器側ブッシング21の内周面に接触すると、機器側ブッシング21の内周面を損傷させる虞がある。ここでは、大径部16bの肩部に第1の絶縁体18を設けているので、導体プラグ16の挿入に伴い機器側ブッシング21の内周面が損傷するのを効果的に防止できる。
プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着する際、導体プラグ16の小径部16aがリング状接触子23(チューリップコンタクト)の後端部に接触することで、電気的に接続される。
図5に示すように、電力用機器100の耐電圧試験時には、ケーブルヘッド2が上方に位置するように(ケーブルヘッド2の先端側が下方を向くように)、エレファント部100Bが回動される。そして、電力用機器100のケーブルヘッド2に、プラグインブッシング1が装着される。
そして、機器側ブッシング21の後端面(絶縁筒部21e)に埋設された埋込金具44に、押し金具フランジ153をボルト42により固定する。このとき、プラグインブッシング1に予め挿嵌しておいた圧縮装置15により、第2の絶縁補強部14は先端側(図6では下側)に押圧され、弾性変形してケーブルヘッド2の内面に密着する。
このように、プラグインブッシング1のケーブルヘッド2への装着作業は極めて簡単である。
また、プラグインブッシング1の気中側は、エポキシブッシング12自体の絶縁耐力と、第1の絶縁補強部13のコンデンサによる電圧分担で絶縁される。
このように、プラグインブッシング1は、終端接続側、気中側において十分な絶縁性能を有するので、耐電圧試験等、電力用機器100に課電する際に極めて有用である。
また、プラグインブッシング1を用いた耐電圧試験方法によれば、電力用機器100に課電するためのプラグインブッシング1の取付・解体作業が前述のように改善されるので、作業効率が格段に向上し、極めて簡単に電力用機器100の耐電圧試験を実施することができる。
次に、図7に基づいて、本発明のプラグインブッシングの第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、同図において、図3、図4及び図6と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
説明の便宜上、プラグインブッシング5において、フランジ部522を境に、電力用機器100のケーブルヘッド2に装着する側を「終端接続側」と称し、電圧を印加する側を「気中側」と称する。また、以下の説明において、ケーブルヘッド2に挿入する側(図7では下方)を「先端側」、反対側(図7では上方)を「後端側」と称することもある。
エポキシブッシング52は、エポキシ樹脂で構成され、両端から内部導体11が露出するように、内部導体11、エポキシブッシング52及び遮蔽金具532はモールド成形により一体的に形成される。エポキシブッシング52の終端接続側と気中側の間には、終端接続側及び気中側よりも外径が大きいフランジ部522が形成される。また、遮蔽金具532は、フランジ部522の外周面に位置し、後端側(気中側)はエポキシブッシング52に埋設される。エポキシブッシング52の気中側の外周面に第1の絶縁補強部53がモールドにより一体的に形成され、終端接続側の外周面に第2の絶縁補強部14が形成される。
遮蔽金具532の後端部(筒状部532aの後端部)は断面円弧形状のため、遮蔽金具532は電界緩和構造を有し、エポキシブッシング52の気中側の電界を緩和する。
なお、ボルト42とボルト45の円周上の位置は、干渉しないようにずらした位置とされる。また、遮蔽金具532の金具フランジ部532cのボルト42に対応する位置には、ボルト42をケーブルヘッド2に取り付けられるように切り欠き部(図示略)が設けられる。遮蔽金具532の金具フランジ部532cの先端面にはボルト45を挿通させるための複数の挿通孔が同一円周上に形成される。
第2の実施の形態のプラグインブッシング5と第1の実施の形態のプラグインブッシング1の終端接続側の構造は同じため、第2の実施の形態のプラグインブッシング5の気中側の構造に伴う効果及び耐電圧試験方法としての効果は、第1の実施の形態のプラグインブッシング1と同じである。プラグインブッシング5の気中側はモールドにより一体成形しているので、プラグインブッシング1の気中側の絶縁性能に比べてより安定した気中側の電気特性が得られる。
例えば、プラグインブッシング1、5は、耐電圧試験時だけでなく、電力用機器100に常時課電するブッシングとして適用することもできる。この場合、プラグインブッシング1、5の後端(気中側)には、架空線、引込線等が接続される。プラグインブッシング1の場合は、特に、屋内に設置される電力用機器100への課電に用いる場合に、紫外線によりゴム製の第1の絶縁補強部13が劣化することもないので好適である。また、プラグインブッシング5の場合は、気中側でポリマー套管を形成しているので、プラグインブッシング1に比べて、常時課電するブッシングとして好適である。
2 ケーブルヘッド
3 充電部
11 内部導体
12,52 エポキシブッシング
13,53 第1の絶縁補強部
14 第2の絶縁補強部
15 圧縮装置
16 導体プラグ
17 第2の絶縁体
18 第1の絶縁体
19 絶縁性ストッパー
21 機器側ブッシング
22 機器側導体
23 リング状接触子
41 固定金具
42 ボルト
43 ボルト
44 埋込金具
45 ボルト
100 電力用機器
100A 機器収容部
100B エレファント部
101 接地容器
121,521 導電層
122,522 フランジ部
131 絶縁部
132 電極
141 絶縁ゴム部
142 導電部
151 押し金具
152 スプリング
153 押し金具フランジ
531 ポリマー被覆体
532 遮蔽金具
棒状の内部導体と、
前記内部導体の外周面に、前記内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、
前記エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される、ゴム製のコンデンサコーンからなる第1の絶縁補強部と、
前記エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成され、前記機器側ブッシングの受容口に挿入される第2の絶縁補強部と、
前記第2の絶縁補強部を前記ケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、を備え、
前記第1の絶縁補強部は、絶縁性ゴム材料で形成される絶縁部と、複数の筒状の電極で形成される電界緩和部と、を有し、
前記第2の絶縁補強部は、絶縁ゴム部と、導電部と、を有し、
前記電界緩和部と前記導電部は、それぞれ前記エポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続され、
前記電界緩和部は、隣接する前記電極が接触しないで長手方向に一部オーバーラップするように前記絶縁部中に埋設されていることを特徴とする。
Claims (9)
- 電力ケーブル端末をプラグイン式で接続可能な、機器側ブッシングと機器側導体とを有するケーブルヘッドを備えた電力用機器に課電するためのプラグインブッシングであって、
棒状の内部導体と、
前記内部導体の外周面に、前記内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、
前記エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される、ゴム製のコンデンサコーンからなる第1の絶縁補強部と、
前記エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成され、前記機器側ブッシングの受容口に挿入される第2の絶縁補強部と、
前記第2の絶縁補強部を前記ケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、を備え、
前記第1の絶縁補強部は、絶縁性ゴム材料で形成される絶縁部と、複数の筒状の電極で形成される電界緩和部と、を有し、
前記第2の絶縁補強部は、絶縁ゴム部と、導電部と、を有し、
前記電界緩和部と前記導電部は、それぞれ前記エポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続されていることを特徴とするプラグインブッシング。 - 前記電界緩和部は、導電性ゴム材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラグインブッシング。
- 前記電界緩和部は、
先端側から中央部に、電極立ち上がり部を含む外径が最も大きい筒状の電極と、
中央部から後端側に、後端側に向かって順次縮径する複数の円筒状の電極と、を備え、
前記外径が最も大きい筒状の電極の先端側は、前記導電層の気中側端部に接触するように前記導電層の外周に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラグインブッシング。 - 前記電界緩和部は、隣接する前記電極が接触しないで長手方向に一部オーバーラップするように前記絶縁部中に埋設されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプラグインブッシング。
- 前記エポキシブッシングの終端接続側と気中側の間には、終端接続側及び気中側よりも外径が大きいフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプラグインブッシング。
- 前記圧縮装置は、
先端側が前記導電部の外周面に沿ってラッパ状に形成される押し金具と、
前記押し金具の後端部に形成されるスプリング収容部に装着されるスプリングと、
前記スプリングの後端部を支持する突出部を有する押し金具フランジと、を備えることを特徴とする請求項5に記載のプラグインブッシング。 - 前記フランジ部の後端面には固定金具が係止され、
前記固定金具の先端面は、前記押し金具フランジの後端面に当接されていることを特徴とする請求項6に記載のプラグインブッシング。 - 前記内部導体の終端接続側の先端には、前記内部導体と前記ケーブルヘッドを電気的に接続させる導体プラグが接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のプラグインブッシング。
- 請求項1から8に記載のプラグインブッシングを前記ケーブルヘッドに取り付けて、前記電力用機器に課電することを特徴とする電力用機器の耐電圧試験方法。
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