JP2014064160A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板本体2と、基板本体の表面に形成された第1エレメント3及び第2エレメント4とを備え、第1エレメントが、途中に第1受動素子P1a,P1b及びアンテナ素子ATが接続されて延在し、第1エレメントが、一定の方向に延在する第1延在部E1と、第1延在部の先端から第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部E2と、第2延在部の先端側から第1延在部の基端側に向けて折り返しアンテナ素子を介して第1延在部に沿って延在する第3延在部E3とを有し、第2エレメントが、第1延在部の基端から第1延在部と反対方向に向けて第3延在部に沿って延在する第4延在部E4と、第4延在部の先端から第3延在部に向けて延在する第5延在部E5とを有している。
【選択図】図1
Description
例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
このように、少なくとも第1エレメントを主として得られる共振周波数と第2エレメントを主として得られる共振周波数との各共振周波数において、発生させる各浮遊容量によって高い調整自由度を得ることができると共に、アンテナ性能と人体や周辺部品の影響の低減との両立を図ることができる。したがって、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子を有する第1エレメントと第2エレメントとによる内外の複合的な浮遊容量を効果的に利用することで、複共振化させることができる。
また、アンテナ素子および受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第3エレメントが、第1延在部の基端から第1延在部に沿って延在しているので、第1延在部との間に効果的に浮遊容量が発生し、第3エレメントを主としてさらに異なる共振周波数による複共振化が可能になる。特に、第1エレメントが折り返されることで、給電点が接続される第1接続点を挟んだ上下にエレメントが配され、上下のアンテナ(第1エレメントを主とするアンテナ部と第3エレメントを主とするアンテナ部)が互いに干渉し難くなる。
すなわち、このアンテナ装置では、第5延在部の先端部が、第3延在部の先端部に沿って延在しているので、第5延在部の先端部と第3延在部との間にさらに効果的に浮遊容量を装荷させることができ、この部分でも共振周波数の調整が可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1エレメントが、第2延在部の先端からアンテナ素子に沿って延在する第6延在部を有しているので、浮遊容量の装荷パターンとなる第6延在部がアンテナ素子の給電側に設けられることで、電流分布の強い部分においてアンテナ素子との間の浮遊容量を利用してアンテナ素子間の並列共振による高インピーダンス化により、高性能化を実現することが可能になる。
なお、第6延在部を、第3延在部側に接続させず、第2延在部側(アンテナ素子の給電側)に接続している理由は、第3延在部に接続されるアンテナ素子の端部側はインピーダンスが高く、影響が大きいためである。
すなわち、このアンテナ装置では、第4延在部が第1延在部の先端側よりも幅広に設定されているので、高インピーダンスとなる第3延在部の先端部に対して第5延在部のインピーダンスを低くすることができ、上下のエレメントによるアンテナの干渉を抑制することができる。また、幅広な第4延在部により、広帯域化も可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1エレメントが、第1延在部の先端から第2延在部とは逆方向に延在すると共に第3エレメントの先端に対して間隔を空けて対向した第7延在部を有しているので、第7延在部と第3エレメントとの間や第7延在部とグランドパターンとの間に浮遊容量が発生して利得や共振周波数の改善を図ることが可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、給電点を有すると共にグランドとなるグランドパターンが表面に金属箔でパターン形成された回路基板を、基板本体と別体に備えているので、回路基板のグランドパターン側に高周波回路等を設けることができ、基板本体を小型化することができる。また、回路基板の上方などに基板本体を設置することも可能になって、機器の筐体内における設置自由度が向上する。さらに、実装する筐体の配置条件にフレキシブルに対応するために、回路基板とは別に、基板本体にフレキシブル基板等を採用することも可能になる。また、基板本体と回路基板との間に高誘電率材やゴム材からなるスペーサを挿入することも可能になり、導体パターン(各エレメント)の小型化効果や衝撃吸収効果を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、回路基板上であって第1接続部から給電点を接続する配線又は第2接続部からグランドパターンに接続する配線の少なくとも一方の途中に、インピーダンス調整用の受動素子が実装されているので、インピーダンス調整用の受動素子により最終的なインピーダンス調整を柔軟に行うことが可能になる。また、インピーダンス調整用の受動素子を基板本体ではなく回路基板上に実装しているので、共振周波数及びインピーダンスをフレキシブルに調整する部分を基板本体と回路基板とに分割して、アンテナ性能を高性能化しつつ基板本体の更なる小型化が可能になる。
本発明のアンテナ装置によれば、折り返されて延在した第3延在部を有する第1エレメントと、第4延在部の先端から第3延在部に向けて延在する第5延在部を有した第2エレメントとを備えているので、第1エレメントと第2エレメントとの間に浮遊容量を効果的に発生させることができ、小型化しても高いアンテナ性能で複共振化させることができると共に、人体や周辺部品の影響を低減することも可能になる。
また、アンテナ素子および受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
また、この第1エレメント3は、第1接続部C1から第1受動素子P1a,P1bを介して一定の方向に延在する第1延在部E1と、該第1延在部E1の先端から該第1延在部E1に直交する方向に延在する第2延在部E2と、該第2延在部E2の先端側から第1延在部E1の基端側に向けて折り返しアンテナ素子ATを介して第1延在部E1に沿って延在し先端側が該第1延在部E1の基端を超えている第3延在部E3とを有している。なお、「第1延在部E1の基端を超えている」とは、該基端に対向する位置を超えているという意味である。
上記アンテナ素子ATの基端は、第2延在部E2の途中に接続されている。また、第1エレメント3は、第2延在部E2の先端からアンテナ素子ATに沿って延在する第6延在部E6を有している。
上記第4延在部E4は、第1延在部E1の先端側よりも幅広に設定されている。
また、上記第5延在部E5は、途中で屈曲し、その先端部E5aが第3延在部E3の先端部E3bに沿って延在している。
上記基板本体2及び回路基板2Bは、一般的なプリント基板であって、本実施形態では、ガラスエポキシ樹脂等からなるプリント基板を採用している。
上記給電点FPは、回路基板2BのグランドパターンGNDに設けられた高周波回路(図示略)に接続される。
すなわち、図2に示すように、第4延在部E4とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Caと、第1延在部E1と第3延在部E3の幅広部E3bとの間の浮遊容量Cbと、第1延在部E1と第3エレメント5との間の浮遊容量Ccと、第1延在部E1とアンテナ素子ATとの間の浮遊容量Cdと、アンテナ素子ATと第6延在部E6との間の浮遊容量Ceと、幅広部E3aとグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Cfと、第5延在部E5と第3延在部E3の先端部との間の浮遊容量Cgと、第3延在部E3の先端部とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Chと、第3エレメント5とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Ciと、第4延在部E4と第5延在部E5の先端部E5aとの間の浮遊容量Cjと、第5延在部E5の先端部E5aとグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Ckと、第7延在部E7と第3エレメント5との間の浮遊容量Cmと、第7延在部E7とグランドパターンGNDとの浮遊容量Cnとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、3つの共振周波数の中で低い周波数帯のものであり、主にアンテナ素子AT及び第1受動素子P1a,P1bを含む第1エレメント3と浮遊容量とで決定される。また、上記第2の共振周波数f2は、3つの共振周波数の中で中間の周波数帯のものであり、第2受動素子P2を含む第3エレメント5と浮遊容量とで決定される。また、上記第3の共振周波数f3は、3つの共振周波数の中で高い周波数帯のものであり、第2エレメント4と浮遊容量とで決定される。
以下、これら共振周波数について、より詳しく説明する。
上記第1の共振周波数f1の周波数は、アンテナ素子AT、第4受動素子P4a〜P4e、第1エレメント3及び浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Cg,Ch,Cm,Cnにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Cg,Ch,Cm,Cnの各浮遊容量の設定で行うことができる。
このように「アンテナ素子AT」と「各エレメント長の長さ」と「受動素子」と「浮遊容量」とにより、共振周波数、インピーダンスをフレキシブルに調整可能である。すなわち、第1の共振周波数f1は、主に図1中の破線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第3エレメント5と、第4受動素子P4a,P4bと、第4延在部E4と、浮遊容量Ca,Cc,Ci,Cm,Cnとにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cc,Ci,Cm,Cnの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第2受動素子P2の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
上記第3の共振周波数f3の周波数は、第2エレメント4と、第4受動素子P4a,P4bと、浮遊容量Ca,Cg,Cj,Ckとにより設定および調整することができる。
また、第3の共振周波数f3のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cg,Cj,Ckの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第5延在部E5によりフレキシブルに行うことが可能である。なお、第5延在部E5の途中に受動素子を接続することで、さらにフレキシブルに周波数調整を行うことも可能である。
このように、少なくとも第1エレメント3を主として得られる共振周波数と第2エレメント4を主として得られる共振周波数との各共振周波数において、発生させる各浮遊容量によって高い調整自由度を得ることができると共に、アンテナ性能と人体や周辺部品の影響の低減との両立を図ることができる。
また、アンテナ素子ATおよび各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
また、第1エレメント3が、第2延在部E2の先端からアンテナ素子ATに沿って延在する第6延在部E6を有しているので、浮遊容量の装荷パターンとなる第6延在部E6がアンテナ素子ATの給電側に設けられることで、電流分布の強い部分においてアンテナ素子ATとの間の浮遊容量を利用してアンテナ素子AT間の並列共振による高インピーダンス化により、高性能化を実現することが可能になる。
また、第4延在部E4が第1延在部E1の先端側よりも幅広に設定されているので、高インピーダンスとなる第3延在部E3の先端部に対して第5延在部E5のインピーダンスを低くすることができ、上下のエレメントによるアンテナの干渉を抑制することができる。また、幅広な第4延在部E4により、広帯域化も可能になる。
なお、図5の測定においては、第1受動素子P1aとして、L=2.2nHのインダクタを用い、第1受動素子P1bとして、L=3.9nHのインダクタを用いた。また、第2受動素子P2として、L=3.9nHのインダクタを用いた。さらに、第3受動素子P3として、L=3.9nHのインダクタを用い、第4受動素子P4a,P4bとしては、ジャンパー線を用いた。また、第4受動素子P4c,P4dは未実装とし、第4受動素子P4eとして、C=2.5pFのコンデンサを用いた。
・第1の共振周波数f1
共振周波数:846.60MHz(VSWR=1.15)
帯域幅(VSWR≦3.0):80.50MHz
・第2の共振周波数f2
共振周波数:1832.72MHz(VSWR=1.07)
帯域幅(VSWR≦3.0):687.13MHz
なお、第3延在部E3の基端から先端に向かう延在方向(アンテナ素子ATの延在方向)を−Y方向とし、第2延在部E2の基端から先端に向かう延在方向を−X方向とし、基板本体2表面に対する垂直方向をZ方向とした。この際のYZ面及びZX面に対する垂直偏波、水平偏波及び電力利得を測定した。
また、上記実施形態では、第1エレメントの第3延在部のみにアンテナ素子を設けているが、第2エレメントや第3エレメントにアンテナ素子を設けて各エレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。また、第3延在部の先端部にアンテナ素子を追加して設けることで、さらに短縮化を図ることも可能である。
Claims (8)
- 絶縁性の基板本体と、
該基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、給電点に接続される第1接続部と前記基板本体又はその外部に設けられたグランドに接続される第2接続部とを基端部に有していると共に途中に第1受動素子及び誘電体アンテナのアンテナ素子がこの順に接続されて延在し、
さらに前記第1エレメントが、前記第1接続部から前記第1受動素子を介して一定の方向に延在する第1延在部と、
前記第1延在部の先端から該第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部と、
該第2延在部の先端側から前記第1延在部の基端側に向けて折り返し前記アンテナ素子を介して前記第1延在部に沿って延在し先端側が該第1延在部の基端を超えている第3延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第1延在部の基端から該第1延在部と反対方向に向けて前記第3延在部に沿って延在する第4延在部と、該第4延在部の先端から前記第3延在部に向けて延在する第5延在部とを有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成された第3エレメントを備え、
該第3エレメントが、前記第1延在部の基端から前記第1延在部に沿って延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第5延在部が途中で屈曲し、その先端部が前記第3延在部の先端部に沿って延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子の基端が、前記第2延在部の途中に接続され、
前記第1エレメントが、前記第2延在部の先端から前記アンテナ素子に沿って延在する第6延在部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部が、前記第1延在部の先端側よりも幅広に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2に記載のアンテナ装置において、
前記第1エレメントが、前記第1延在部の先端から前記第2延在部とは逆方向に延在すると共に前記第3エレメントの先端に対して間隔を空けて対向した第7延在部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記給電点を有すると共に前記グランドとなるグランドパターンが表面に金属箔でパターン形成された回路基板を、前記基板本体と別体に備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項7に記載のアンテナ装置において、
前記回路基板上であって前記第1接続部から前記給電点を接続する配線及び前記第2接続部から前記グランドパターンに接続する配線の少なくとも一方の途中に、インピーダンス調整用の受動素子が実装されていることを特徴とするアンテナ装置。
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