JP2014062329A - マグネシウム基複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】気孔率が小さく、熱伝導率が高くかつ発熱対象との熱膨張係数差が小さいといった熱特性に優れる放熱部材を提供する。
【解決手段】マグネシウム又はマグネシウム合金からなる母材にSiCが分散したマグネシウム基複合材料からなり、前記マグネシウム基複合材料中のSiCの含有量が体積割合で50%以上80%以下であり、前記マグネシウム基複合材料中の気孔率が3%未満であり、熱伝導率が180W/m・K以上であり、熱膨張係数が4×10−6/K以上10×10−6/K以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム(いわゆる純マグネシウム)又はマグネシウム合金を母材とし、この母材中にSiCが分散されたマグネシウム基複合材料、及びその製造方法に関するものである。特に、気孔率が少なく、熱特性に優れるマグネシウム基複合材料に関するものである。
従来、半導体素子のヒートスプレッダーといった放熱部材の構成材料として、金属からなる母材(マトリクス)中にセラミクス粒子が分散された複合材料が利用されており、Al-SiCが代表的である。また、放熱部材の軽量化を主目的として、アルミニウムよりも軽量であるマグネシウムやその合金を母材とする複合材料が検討されている(特許文献1参照)。
特許文献1は、原料となるSiCを成形型に配置した状態で母材となる溶融金属(マグネシウム)を含浸させることで、熱特性に優れる(熱伝導率が高く、発熱対象との熱膨張係数の差が小さい)複合材料を作業性よく製造できることを開示している。
特開2006-299304号公報
従来の複合材料中には、気孔が存在し得る(特許文献1段落0003参照)。この気孔を低減する、即ち、複合材料中の気孔率を小さくすることにより、熱特性を向上できると予想される。しかし、特許文献1では、気孔率をどの程度小さくすればよいか十分に検討されていない。また、気孔率を小さくするための手法も十分に検討されていない。
気孔率は、含浸温度(含浸時の溶融金属の温度)を高くすることによって低減することができる。しかし、気孔率を非常に小さくする(例えば、3%未満にする)には、含浸温度を1000℃超にする必要があり、このような高温では、凝固時に引け巣やガスホールといった欠陥が生じ易くなり、鋳肌の悪化や、熱特性の低下を招く。従って、この方法により気孔率を低下して熱特性を向上することは困難である。また、この方法では、含浸時の加熱に大掛かりな装置が必要となる上に、成形型(鋳型)の寿命も短くなるため、コストが増大する。
或いは、原料にSiO2といった溶浸剤を混合することによって、気孔率を低減できる。しかし、気孔率を非常に小さくする(例えば、3%未満にする)には、溶浸剤を多くする必要がある。溶浸剤にSiO2を用いると、Mg-Si化合物やMg酸化物といった反応生成物が生じる。これらの生成物は、熱伝導率が小さいため、溶浸剤にSiO2を多く用いると、上記生成物により熱特性の低下を招く。従って、この方法も、気孔率を低下して熱特性を向上することは困難である。
そこで、本発明の目的の一つは、気孔率が小さいマグネシウム基複合材料を提供することにある。また、本発明の別の目的は、気孔率が小さいマグネシウム基複合材料の製造に適したマグネシウム基複合材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、気孔率を3%未満にすることで、熱特性が良好なマグネシウム基複合材料を得られるとの知見を得た。また、本発明者らは、原料のSiCに特定の処理を施してから用いることで、或いは複合凝固物に特定の処理を施すことで、含浸温度を高くし過ぎず、かつ溶浸剤にSiO2を用いなくても、気孔率が小さいマグネシウム基複合材料が得られるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明マグネシウム基複合材料は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる母材にSiCが分散した複合材料であり、この複合材料中の気孔率が3%未満であることを特徴とする。
上記本発明複合材料は、以下に示す本発明マグネシウム基複合材料の製造方法(I)又は(II)により製造することができる。
[製造方法(I)]
製造方法(I)は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる母材にSiCが分散した複合材料を製造するものであり、以下の酸化処理工程、及び含浸工程を具える。
酸化処理工程:原料のSiCを加熱して、その表面に酸化膜を形成する。
この酸化処理工程において、酸化膜は、加熱温度を700℃以上とし、上記原料のSiCに対する質量割合が0.4%以上1.5%以下を満たすように形成する。
含浸工程:上記酸化膜が形成された被覆SiCを成形型に配置して、成形型内の被覆SiCの集合体に、675℃以上1000℃以下の温度で母材となる溶融金属を含浸する。
[製造方法(II)]
製造方法(II)は、マグネシウム又はマグネシウム合金からなる母材にSiCが分散した複合材料を製造するものであり、以下の準備工程、及び加圧工程を具える。
準備工程:SiCとマグネシウム又はマグネシウム合金との複合凝固物を準備する。
加圧工程:上記複合凝固物を加圧して、この複合凝固物中に存在する気孔を押し潰す。
この加圧工程において、上記複合凝固物への加圧は、温度を常温以上、母材であるマグネシウム又はマグネシウム合金の融点(液相線温度)未満とし、圧力を1ton/cm2以上として行う。
本発明製造方法(I)によれば、マグネシウムに対する濡れ性が高いSiO2を主体とする酸化膜が原料のSiCの表面に存在するため、SiCの集合体に溶融金属(マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯)を含浸すると、酸化膜と溶融金属とが十分に接触することで、SiCの周囲に溶融金属が回り込み易い。そのため、本発明製造方法(I)によれば、溶融金属の回り込み不足により生じる気孔を効果的に低減でき、気孔率が3%未満の複合材料が得られる。また、本発明製造方法(I)によれば、被覆SiCを用いることで、原料のSiCの表面に、マグネシウムに対する濡れ性が高いSiO2を集中的に存在させることが可能なため、原料中にSiO2が過剰に存在せず、得られた複合材料中における反応生成物の存在割合も低減できる。従って、本発明製造方法(I)によれば、反応生成物の存在による熱特性の低下を抑制して、熱特性に優れる複合材料が得られる。
本発明製造方法(II)によれば、複合凝固物を特定の条件で押圧することで、気孔を積極的に消滅でき、気孔率が低い複合材料が得られる。特に、本発明製造方法(II)によれば、溶浸剤(SiO2)の有無に関わらず、気孔率が5%以下、特に、3%未満の複合材料が得られる。本発明製造方法(II)において溶浸剤(SiO2)を用いない場合、熱特性の低下に寄与する反応生成物の生成量を効果的に低減できる。
また、本発明製造方法(I),(II)によれば、溶融金属を過剰に加熱する必要がないため、引け巣やガスホールなどの欠陥が複合材料に生じ難く、熱特性の劣化が生じ難い。
本発明複合材料によれば、気孔率が非常に小さく、熱特性に優れる。特に、上述の本発明製造方法(I)又は(II)により製造されることで、上述のように反応生成物や引け巣、ガスホールの存在による熱特性の低下が少なく、熱特性に優れる。以下、本発明をより詳細に説明する。
[複合材料]
<母材組成>
母材は、99.8質量%以上のMg及び不純物からなるいわゆる純マグネシウム、又は添加元素と残部がMg及び不純物からなるマグネシウム合金のいずれでもよい。純マグネシウムが母材である複合材料は、熱伝導率が高い。マグネシウム合金が母材である複合材料は、耐食性や機械的特性(強度)に優れる。また、マグネシム合金は、一般に純マグネシウムよりも液相線温度が低いため、含浸時の温度をより低くすることができる。添加元素は、例えば、Li,Ag,Ni,Ca,Al,Zn,Mn,Si,Cu,Zrなどの少なくとも1種が挙げられる。添加元素の含有量は、多くなると熱伝導率の低下を招くため、合計で20質量%以下(母材を100質量%とする。以下、添加元素の含有量について同様)が好ましい。特に、Alは3質量%以下、Znは5質量%以下、その他の元素はそれぞれ10質量%以下がより好ましい。Liを添加すると、複合材料の軽量化、及び加工性向上の効果がある。公知のマグネシウム合金、例えば、ASTM記号におけるAZ系,AS系,AM系,ZK系,ZC系,LA系などでもよい。所望の組成となるように母材の原料を用意する。
<分散材>
《形状》
分散材の原料として、粒子状や繊維状のSiC粉末や、SiC粉末を焼結した焼結体、SiC粉末を成形したものが利用できる。複合材料中に分散するSiCは、原料に用いたSiCの形状を概ね維持して存在する。特に、原料に粉末を用いると、流動性に優れるため、(1)成形型における充填率を高め易く、SiCの含有量が高い複合材料を形成し易い、(2)成形型に充填し易く、複合材料の生産性がよい、(3)複雑な形状の成形型にも充填でき、複雑な形状の複合材料を簡便に作製できる、といった効果がある。また、平均粒径が異なる複数種のSiC粉末を組み合わせて用いると、充填率をより高め易く、この手法は、複合材料中のSiCの含有量を多くする際に好適に利用できる。原料に用いるSiCの大きさは、平均粒径(繊維状の場合、平均短径)1μm以上3000μm以下程度であると、母材中に均一的に分散させ易く好ましい。大きさが異なるSiC粉末を用いる場合、大きい粉末は、平均粒径が50μm以上成形型の最短の内寸の1/10以下、小さい粉末は、平均粒径が、大きい粉末の平均粒径の1/20以上1/2以下であると、上述のように充填率を高め易い。複合材料中のSiCの大きさや形状は、例えば、複合材料の断面をSEMや光学顕微鏡などで観察することで確認することができる。大きさが異なるSiC粉末を用いたことは、例えば、以下のようにして確認することができる。複合材料の断面顕微鏡写真(例えば、100倍)において、粒径が3μm以上のSiCが50個程度含まれる視野を対象とし、この視野中に存在する粒径が3μm以上の各SiCの粒径を例えば、切断法により測定する。これら50個程度のSiCの粒径の平均及び標準偏差を求める。そして、標準偏差を平均で割った値が0.5以上である場合、大きさが異なるSiCを用いたと判断することができる。なお、上記観察する際の倍率は、SiCの粒径に応じて、1視野に50個程度のSiC粒が写るように、適宜調整するとよい。
《含有量》
複合材料中のSiCの含有量は、原料のSiCが複合材料中に概ねそのまま存在することから、原料の量と実質的に同等である。複合材料中のSiCの含有量が多いと、熱伝導率が高まる上に、熱膨張係数が小さくなる傾向にある。所望の熱膨張係数に応じて原料の量を調整するとよい。例えば、SiCの含有量が体積割合で50%以上80%以下である場合、熱膨張係数が4×10-6〜10×10-6/K(4〜10ppm/K)の複合材料が得られる。SiCのより好ましい含有量は、体積割合で55%以上80%以下である。
《純度》
原料のSiCとして高純度のものを用い、複合材料中に存在するSiCの純度が95%以上、特に99%以上といった高純度であると、SiCの特性を十分に活用できる。また、結晶性の高いSiCを使用すると、複合材料の熱伝導率が高くなり易い。
<組織>
《気孔率》
溶融金属と分散材原料との濡れ性を高めた本発明製造方法(I)により得られた本発明複合材料や気孔を押し潰して消滅させる本発明製造方法(II)により得られた本発明複合材料は、気孔率が低い。具体的にな気孔率は、3%未満であり、好ましくは1%未満、より好ましくは、0.5%未満である。気孔は存在しないことが望ましく、究極的には気孔率は0%が望まれる。気孔率の測定方法は、後述する。
《酸素濃度》
原料のSiCに酸化膜を積極的に形成し、気孔率の低減に有効な酸化膜の厚さを調べたところ、60nmを超え、320nm程度であった。このような被覆SiCを用いて製造した本発明複合材料は、溶融金属と酸化膜との反応により生成されたMg酸化物(例えば、MgO)がSiCの近傍、具体的にはSiCの輪郭線から100〜300nm以内の領域に多く存在すると考えられる。従って、各SiCの周囲に存在する母材において、SiCの輪郭線から150nm以下までの相似形状の領域をSiCの外周領域とし、SiCの輪郭線から1μm以上の領域を主領域とするとき、SiCの外周領域における酸素濃度が主領域よりも高いものが本発明複合材料の一形態として挙げられる。本発明複合材料は、母材中に均一的にSiCが分散した組織を有するため、原料に上記被覆SiCを用いた場合、複合材料の任意の箇所の断面において、任意のSiCの外周領域は、主領域よりも酸素濃度が高い。従って、複合材料の任意の箇所における任意のSiCの外周領域について酸素濃度を調べることができるが、複合材料を放熱部材に用いる場合、複合材料の中心部分が放熱性能に関与するため、この中央部分に存在するSiCの外周領域の酸素濃度を調べることが好ましい。即ち、複合材料の断面における外周縁から、複合材料の最小長さの1/10までの領域よりも内側の領域を中心領域とし、この中心領域について酸素濃度を調べる。
例えば、本発明複合材料が横幅50mm、厚さ5mm程度の板状材である場合、最小長さには厚さが該当する。従って、複合材料の外周縁から5mm×1/10=500μmよりも内側の領域が中心領域となる。具体的には、厚さの1/2の箇所を通過する平面を中心平面とし、この中心平面の横幅方向における中心線をとり、この中心線から横幅方向にそれぞれ24.5mmまで、かつ中心平面から厚さ方向にそれぞれ2mmまでの領域を中心領域とする。また、例えば、本発明複合材料が厚さ1mm以下の板状材である場合も最小長さには厚さが該当することから、同様にして厚さの1/10までの領域よりも内側の領域を中心領域とすればよい。特に、厚さが薄い場合、厚さの1/2の箇所を通過する平面を中心平面とし、この中心平面から厚さ方向にそれぞれ100μm程度までの領域、即ち、厚さ200μm程度の領域を中心領域としてもよい。
上記中心領域から、SiCを1個以上選択し、選択したSiCに対して外周領域及び主領域を選択し、酸素濃度を測定して比較する。より具体的には、例えば、TEM装置に附属のEDX分析装置を用いてSiCを選択し、更に選択した各SiCについて外周領域及び主領域をとり、各外周領域及び主領域から測定点を選択する。外周領域の測定点は、SiCの輪郭線から150nmの地点(外周領域の周縁上の任意の点)、主領域の測定点は、SiCの輪郭線から3μmの母材上の箇所であって、他のSiCの外周領域を含まない箇所を選択することができる。1個のSiCに対して、外周領域の測定点及び主領域の測定点はそれぞれ、5点以上選択して観察する。SiCを3個(好ましくは5個)以上選択して、各SiCの外周領域の測定点及び主領域の測定点をそれぞれ、1点以上(好ましくは5点以上)選択して観察することが好ましい。
SiCの外周領域と主領域との酸素濃度の高低は、例えば、SEM装置に付属のEDX分析装置、TEM装置に付属のEDX分析装置を用いた特性X線分光分析、オージェ電子分光分析などを利用することで、確認することができる。
<熱特性>
本発明複合材料の一形態として、熱伝導率κが180W/m・K以上のものが挙げられる。また、本発明複合材料の一形態として、熱膨張係数αが4×10-6/K(4ppm/K)以上10×10-6/K(10ppm/K)以下のものが挙げられる。
上記熱特性を満たす複合材料は、熱伝導性が高く、半導体素子(4〜7ppm/K程度(例えば、Si:4.2ppm/K、GaAs:6.5ppm/K))やその周辺部品(例えば、金属(ステンレス鋼(20ppm/K前後)、鋼(11〜12ppm/K))や、Al2O3(6.5ppm/K)といったセラミクスからなるパッケージ)と熱膨張係数の整合性に優れる。即ち、この複合材料は、半導体素子の近傍に配置される放熱部材に好適な熱特性を有する。熱伝導率や熱膨張係数は、母材の組成やSiCの含有量で変化するため、所望の熱特性となるように原料を適宜調整するとよい。熱伝導率は、高い方が好ましいため上限は特に設けない。200W/m・K以上がより好ましい。
[製造方法(I)]
この方法は、分散材となる分散材原料を成形型に配置する→分散材原料の集合体に母材となる溶融金属を含浸して、溶融金属と分散材とを複合する→複合物を冷却して溶融金属を凝固させる、といった工程により複合材料を製造する。特に、分散材原料として、SiCに酸化膜を形成したものを用いる。
原料のSiCに対する酸化膜の割合が小さい(酸化膜量が少ない)と、酸化膜による溶融金属との濡れ性の向上効果が十分に得られず、同割合が大きい(酸化膜量が多い)と、反応生成物であるMg酸化物の量が多くなり、熱特性の低下を招く。原料のSiCに対する酸化膜の質量割合が0.4%以上1.5%以下となるように酸化膜を形成する。好ましくは質量割合が0.4%以上1%以下となるように酸化膜を形成する。但し、酸化膜が多い(厚い)ほど、低温・短時間での溶融金属の含浸が可能となる。従って、例えば、熱特性の向上よりも含浸時の成形型の加熱装置の簡略化、含浸時間(サイクルタイム)の短縮、成形型の長寿命化といった効果を望む場合、質量割合が1.5%超の酸化膜を具えるSiCを利用することができる。
上記酸化膜を形成する際、原料のSiCを加熱する温度が700℃未満では、SiCの表面に酸化膜を十分に形成できず、溶融金属に十分に濡れないことで気孔率が高くなるため、酸化膜形成時の加熱温度は700℃以上とする。SiCの表面の酸化反応は、800℃で活発になり、また、加熱温度が高いほど、酸化膜の形成速度が速くなるため、800℃以上、特に850℃以上、更に875℃以上が好ましい。但し、加熱温度が高過ぎると、酸化膜の形成速度が速くなり過ぎて、酸化膜量(厚さ)や均一性の制御が困難になる。酸化膜が多くなったり、酸化膜の厚さが不均一になると、多量の反応生成物量による熱伝導率の低下や、部分的な溶融金属の濡れ不足が生じ得ることから、上限温度は1000℃が好ましい。酸化膜量は、加熱時間にも影響を受け、加熱時間が長いほど増加する傾向にある。好ましい加熱時間は、2時間程度である。また、酸化膜量は、原料のSiCの大きさにも影響を受け、原料のSiCが細かいほど増加する傾向にある。従って、酸化膜量が所望の量(質量割合)となるように、加熱温度、加熱時間、原料のSiCの大きさを適宜調整するとよい。また、酸化膜の総量を所定の量に維持したまま原料のSiCの大きさを変更したい場合、変更後のSiCの大きさに対応して、酸化膜形成時の加熱温度及び加熱時間を調整するとよい。
成形型への分散材原料の配置は、例えば、分散材原料が粉末である場合、粉末のままタッピングすることで成形型に充填したり、スラリーを作製して成形型に流す鋳込み成型をすることが挙げられる。鋳込み成型は、単純な形状だけでなく、複雑な形状の成形型に分散材原料を簡単に配置できる。また、鋳込み成型を行う場合、適宜、タッピングしたり、圧縮することで、SiC間の隙間を低減してSiCの充填率を高められる。更に、分散材原料からなる成形体を予め作製して成形型に配置してもよい。成形体は、例えば、スラリーを成形して乾燥させたものや分散材原料とバインダとを混合して加圧成形したもの、或いはこれらの成形体を更に焼結したもの、その他、市販の焼結材が利用できる。成形後に焼結した焼結体では、焼結により、SiC同士を直接結合した場合、熱膨張係数が小さい複合材料が得られる傾向にある。焼結する場合、酸化処理は、焼結後に行ってもよい。市販の焼結材を用いる場合、焼結材に酸化処理を施す。
分散材原料と溶融金属との接触は、Arといった不活性雰囲気で行うと、溶融金属(特に、Mg)と雰囲気ガスとの反応を防止でき、反応生成物の存在に伴う熱特性の劣化を抑制できる。雰囲気圧力は、大気圧以下とすると、ガスの取り込みによる気孔が生じ難く好ましい。
溶融金属の好ましい含浸温度は、酸化膜量(厚さ)に依存し、上記範囲において酸化膜量が少ない場合、含浸温度は高い方が好ましく、上記範囲において酸化膜量が多い場合、含浸温度は低くてもよい。具体的には、0.4質量%以上0.65質量%以下の場合、含浸温度は、800℃以上1000℃以下が好ましく、0.65質量%超1.5%未満の場合、含浸温度は、675℃以上875℃以下でもよいし、勿論875℃超でもよい。より具体的には、例えば、母材を純マグネシウムとする場合であって、酸化膜量を原料のSiCの総量に対して0.4質量%程度とするとき、溶融金属の含浸温度を750℃超とすると溶融金属と分散材原料との濡れ性が高くなり、含浸することができる。含浸温度が高いほど濡れ性が高まって気孔率が減少するため、含浸温度は、800℃以上、特に850℃以上が好ましい。例えば、母材を純マグネシウムとする場合であって、酸化膜量を原料のSiCの総量に対して0.8質量%程度とするとき、溶融金属の含浸温度を675℃以上とすると溶融金属と分散材原料との濡れ性が高くなり含浸することができる。このとき、上記酸化膜量が0.4質量%程度の場合と同様に、含浸温度が高いほど濡れ性が高まって気孔率が減少するため、含浸温度は、700℃以上、特に725℃以上が好ましい。酸化膜量がより多い場合(但し、1.5質量%以下)は、溶融金属の含浸温度が700℃未満であっても良好に含浸できると考えられる。但し、母材を純マグネシウムとする場合、含浸温度を1000℃超とすると、引け巣やガスホールといった欠陥が複合材料に生じたり、Mgが沸騰する恐れがあるため、1000℃以下が好ましい。
一方、母材をマグネシウム合金とする場合、液相線温度が純マグネシウムの融点よりも低くなるため、より低い温度で含浸可能である。例えば、母材をAZ31やAZ91とする場合、酸化膜量が少ない場合でも含浸温度が800℃以下でも含浸可能であり、母材をAZ91とする場合、含浸可能温度は650℃以上である。この場合も、上記純マグネシウムを母材とする場合と同様に温度が高いほど濡れ性が高まって気孔率が減少するため、含浸温度は、700℃以上が好ましい。母材をマグネシウム合金とする場合、蒸気圧の低下、沸点の上昇が生じるため、含浸温度を若干高められ、1000℃以上とすることができるが、それでも1100℃未満が好ましい。
複合物における溶融金属の凝固も不活性雰囲気で行うことが好ましく、雰囲気圧力は、大気圧でもよいが、凝固時の欠陥生成を抑制するために、大気圧以上としてもよい。複合物の冷却は、全体に亘って均一的に、かつ晶出物の成長を抑制するために速く行うことが好ましい。熱伝導性に優れる炭素、黒鉛、ステンレス鋼などで形成された成形型を用いたり、自然放冷だけでなく、ファンなどを用いた空冷や水冷などの強制冷却を行うと、冷却速度を速められる。
更に、製造方法(I)において、凝固された複合凝固物を加圧して、この複合凝固物中に存在する気孔を押し潰す加圧工程を具えると、気孔率をより低減できる。
上記加圧工程において加圧は、常温で行ってもよいが、複合凝固物を加熱した状態で行うと、母材の塑性加工性を高めて、より低い圧力で気孔を押し潰すことができる。或いは、加圧時の圧力を一定とする場合、複合凝固物を加熱した状態で加圧すると、常温の場合よりも気孔を効果的に押し潰すことができる。加圧圧力は1ton/cm2以上が好ましく、大きいほど気孔を潰し易いため、3ton/cm2以上、更に5ton/cm2以上が好ましく、加圧によりSiCを損傷しないように9ton/cm2以下が好ましい。加圧圧力は、加熱温度に応じて変化させるとよい。例えば、加熱温度を240℃超と高めにする場合、加圧圧力を1ton/cm2以上とすることで、気孔を効果的に押し潰すことができる。加熱温度を150℃以上240℃以下と比較的低温にする場合、加圧圧力を3ton/cm2以上とすることで、気孔を効果的に押し潰すことができる。常温以上150℃未満とする場合、加圧圧力を5ton/cm2以上とすることで、気孔を効果的に押し潰すことができる。上述のように温度が高いほど気孔を潰し易いが、凝固した母材が溶融しないように、加熱温度の上限は、母材であるマグネシウム又はマグネシウム合金の融点(液相線温度)とする。より好ましい加熱温度は、400℃以上600℃以下である。加圧温度、加圧圧力は、複合凝固物が破損したり、過剰な歪が導入されない範囲で適宜選択するとよい。加圧時間が長過ぎると、母材に歪などが加えられるため、加圧時間は、10分程度が好ましい。なお、マグネシウムに質量割合で数%のLiを添加すると、マグネシウムの結晶構造が塑性変形し易いbcc構造となり、常温〜150℃未満であっても、5ton/cm2以下の比較的低い圧力で気孔を効果的に押し潰すことができる。
加圧工程後に、母材に生じた歪みを除去するために、焼き鈍しを行ってもよい。焼き鈍しの温度の上限は、母材であるマグネシウム又はマグネシウム合金の融点(液相線温度)とする。
[製造方法(II)]
上述のように複合凝固物を加熱した状態で加圧することで、気孔を押し潰して消滅させられるため、気孔率を効果的に低減できる。具体的には、気孔率が5%以下、特に、3%未満の複合凝固物が得られる。加圧対象である複合凝固物の製造方法は、特に問わない。上述のように本発明製造方法(I)により製造された複合凝固物でも、原料に酸化膜を形成していないSiCを用いて本発明製造方法(I)と同様な溶浸法により製造したものでも、一般に気孔が多く存在する粉末冶金法(母材粉末と分散材原料粉末とを混合して成型し、焼成する方法)により製造されたものでも、溶融法(母材の溶融金属に分散材原料を混合した混合溶湯を凝固する方法)により製造されたものでもよい。加圧条件(温度、圧力、時間)は、上述の条件と同様である。
本発明製造方法によれば、含浸温度を非常に高くしたり、溶浸剤を用いたりすることなく、気孔率が低い複合材料を製造することができる。本発明複合材料によれば、溶浸剤の使用由来する熱伝導率が低い相の含有率や気孔率が低いことから、熱特性に優れる。
試験例1で作製した複合材料の顕微鏡写真であり、(I)は試料No.1-1、(II)は試料No.1-2、(III)は試料No.1-3、(IV)は試料No.1-4を示す。 試験例1で作製した試料のうち、原料に#120:#600=8:2のSiC粉末を用いた試料について、原料のSiCに酸化処理を施すときの加熱温度と、得られた複合材料の気孔率との関係を示すグラフである。 試験例2で作製した複合材料の顕微鏡写真であり、(I)は試料No.2-9、(II)は試料No.2-16を示す。
(試験例1)
母材金属が純マグネシウム又はマグネシウム合金であり、分散材がSiCであるマグネシウム基複合材料を作製し、気孔率及び熱特性を調べた。
複合材料は、以下のように作製した。原料として、表1に示す母材(Mg:99.8質量%以上のMg及び不純物からなる純マグネシウム(表1では「Mg」と記載)、AZ31及びAZ91:Al,Znを含有するマグネシウム合金)と、平均粒径の異なるSiCの粉末(平均粒径:#120(約150μm)、#600(約25μm)、#1000(約15μm))と、SiC焼結体とを用意した。原料はいずれも市販のものを用いた。
原料のSiC粉末、及びSiC焼結体に、表1に示す温度(℃)で酸化処理を施した。加熱時間は、いずれの試料も2時間とした。酸化処理後、酸化膜量を測定した。その結果を表1に示す。酸化膜量は、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析)装置により測定した。なお、酸化処理を施していないものは、表1に「酸化なし」と記載している。
酸化処理を施した被覆SiC粉末、被覆SiC焼結体、未処理のSiC粉末を表1に示す混合比(体積比率)で混合したものを直方体状の成形型(50mm×30mm×6mm)に流し入れた後、適宜振動を与えて均した(タップ充填した)。そして、母材となる溶融金属を成形型に導入して、表1に示す含浸温度(℃)、含浸時間(hour)に成形型を保持して、成形型中のSiCの集合体に溶融金属を含浸させた。上記含浸時間経過後、成形型を冷却して、溶融金属を凝固し、複合材料(複合凝固物)を得た。なお、溶融金属の導入から冷却までは、Ar雰囲気で行った(大気圧)。
得られた各複合材料について、気孔率(%)、熱伝導率(W/K・m)、熱膨張係数(ppm/K)、SiCの含有量(体積割合、%)を調べた。その結果を表1に示す。
複合材料中の気孔率(%)は、以下のように求めた。まず、得られた複合材料を樹脂に埋め込み、母材となる金属が含浸していない領域に存在するSiCが遊離しないように固定した。樹脂に埋め込んだ複合材料の任意の断面を、市販の非腐食性ダイヤモンドペースト及び潤滑液を用いて回転研磨板により研磨した後、この断面を光学顕微鏡で観察し(倍率:50倍)、この観察像において、2mm×3mm以上の領域を市販の画像処理装置で画像処理して、上記領域に存在する全ての気孔の合計面積を求め、{(合計面積)/(領域の面積)}×100をこの断面における気孔率とし、n=3の断面の気孔率の平均値を表1に示す。
複合材料の熱伝導率及び熱膨張係数は、得られた複合材料から試験片を切り出し、市販の測定器を用いて測定した。なお、熱膨張係数は、30〜150℃の範囲について測定した。また、含浸時間経過後に含浸が十分に行われなかったなどの理由により試験片ができず、熱特性の測定が行えなかったものは、表1に「測定不可」と記載している。
複合材料中のSiCの含有量は、以下のように求めた。複合材料の任意の断面を光学顕微鏡で観察し(倍率:50倍)、この観察像を市販の画像処理装置で画像処理して、この断面に存在する全てのSiCの合計面積を求め、この合計面積を体積割合に換算したものをこの断面に基づく体積割合とし、n=3の断面の体積割合の平均値を表1に示す。
表1に示すように気孔率が3%未満である複合材料は、組成が同じ母材で比較すると、熱伝導率が高いことが分かる。また、このような複合材料は、700℃以上の加熱温度で酸化処理を施し、SiCに対して0.4質量%以上の酸化膜を形成した被覆SiC粉末を用い、母材の組成に応じて含浸温度を適宜調整することで製造できることが分かる。更に、原料のSiC粉末の平均粒径を小さくし、かつ小さいSiC粉末の使用量を増加させたり、酸化処理温度を高くすることによって、酸化膜量を0.65質量%超まで増やせることが分かる。そして、酸化膜量を0.65質量%超とすると、酸化膜量が0.45質量%の場合と比較して含浸温度が低くても、気孔率が低く熱伝導率が高い複合材料が製造できることが分かる。
図1は、作製した複合材料の断面の光学顕微鏡写真(50倍)であり、(I)は試料No.1-1、(II)は試料No.1-2、(III)は試料No.1-3、(IV)は試料No.1-4を示す。図2は、原料として#120:#600=8:2のSiC粉末を用いた試料について、酸化処理時の加熱温度と気孔率との関係を示すグラフである。図1において、黒く見える部分が気孔であり、矩形状に見える複数の粒状物がSiCである(後述する図3についても同様)。図1に示すように、被覆SiC粉末を用いて製造した試料No.1-3,1-4は、未処理のSiC粉末を用いて製造した試料No.1-1と比較して、気孔が格段に低減されていることが分かる。特に、試料No.1-1は、大きな気孔が多数見られるのに対し、試料No.1-3(酸化膜量:0.45質量%)では、大きな気孔が少ないことが分かる。加熱温度が700℃未満である試料No.1-2(酸化膜量:0.21質量%)も気孔が多く存在することが分かる。酸化処理時の加熱温度をより高くした試料No.1-4(酸化膜量:0.86質量%)は、実質的に気孔が確認できない。これらの写真、及び図2のグラフから、酸化処理時の加熱温度が700℃以上、特に800℃以上であり、酸化膜量が0.4質量%以上であれば、気孔を格段に低減できることが分かる。また、酸化膜量が1質量%以下でも、気孔を十分に低減できることが分かる。
更に、加熱温度を700℃以上として酸化膜を形成した被覆SiC粉末を用いて製造した複合材料のうち、気孔率が3%未満だった各試料について、断面をオージェ電子分光装置で分析した。その結果、各試料の中心領域においてSiCの外周領域に酸素が認められ、この酸素濃度がこのSiCに対する主領域よりも高くなっていた。このことから、原料のSiCに形成した酸化膜と溶融金属とが反応し、SiCと溶融金属の接触を促進したことが裏付けられる。なお、酸素濃度の比較は、中心領域からSiCを選択し、このSiCに対して外周領域(SiCの輪郭線から150nmの地点)及び主領域から測定点をそれぞれ任意に5点選択して行い、5点のいずれもがSiCの外周領域の酸素濃度が主領域よりも高かった。
更に、加熱温度を700℃以上として酸化膜を形成した被覆SiC粉末を用いて製造した複合材料の中には、熱伝導率が180W/K・m以上と高いものが得られ、気孔率が低いほど、熱伝導率が向上する傾向にある。また、熱伝導率が180W/K・m以上で熱膨張係数が4〜10ppm/Kである複合材料は、放熱部材に求められる熱特性を有することから、放熱部材に好適に利用できると期待される。
加えて、被覆SiC粉末を用いて複合材料を製造する場合、含浸温度を675℃以上とすると、気孔率を低減できることが分かる。なお、母材が純マグネシウムである場合に含浸温度が1000℃であると、気孔率が3%を超えることがあった。この原因は、引け巣やガスホールが生じたためであると考えられ、凝固工程の前に、875℃以下の温度で十分な時間、溶融状態を保持したり、脱水素処理を施すなどの対策により、改善が可能であると考えられる。
(試験例2)
母材金属が純マグネシウムであり、分散材がSiCである複合凝固物に加圧処理を施したマグネシウム基複合材料を作製し、気孔率を調べた。
この試験では、試験例1で作製した試料No.1-1の複合凝固物(未処理のSiC粉末を使用して作製したもの)と同様の条件で複数の複合凝固物を作製し、各複合凝固物に以下の加圧処理を施した。
作製した複合凝固物を常温(30℃)〜600℃に保持した状態で、1〜5ton/cm2で10minの条件で加圧処理を施して、複合材料を作製した。各試料の製造条件及び気孔率を表2に示す。
得られた複合材料について、試験例1と同様にして、気孔率(%)を測定した。その結果を表2に示す。また、図3(I)に試料No.2-9、図3(II)に試料No.2-16の断面の光学顕微鏡写真(50倍)を示す。なお、複合材料中のSiCの含有量を試験例1と同様にして求めたところ、いずれの試料も58〜60体積%であった。
図3に示すように、特定の条件で加圧処理を行うことで、大きな気孔を消滅させることができることが分かる。具体的には、表2に示すように常温では加圧圧力を5ton/cm2以上、加熱温度が150℃のときは、加圧圧力を3t/cm2以上、加熱温度が240℃以上のときは、加圧圧力を1t/cm2以上とすると、複合材料の気孔率が大きく減少することが分かる。また、加圧時の加熱温度が高いほど、並びに加圧圧力が高いほど、気孔率を効果的に低減できることが分かる。このようにして作製した気孔率の低い複合材料は、試験例1と同様に、高い熱伝導特性を示すと考えられる。この試験から、原料のSiCに特定の処理を施さなくても、溶融金属の含浸処理後に特定の加圧処理を施すことにより、気孔率が小さい複合材料が得られることがわかる。また、原料のSiCに特定の処理を施した複合凝固物に上記特定の加圧処理を施した場合、気孔率を効果的に低減できると期待される。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、複合材料中のSiCの含有量、大きさ、形状、母材の組成などを適宜変更することができる。
本発明複合材料は、熱放散性に優れると共に、半導体素子やその周辺部品との熱膨張係数の整合性に優れるため、ヒートスプレッダーなどといった放熱部材の構成材料に好適に利用することができる。また、本発明複合材料の製造方法は、上記複合材料の製造に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金からなる母材にSiCが分散したマグネシウム基複合材料からなり、
    前記マグネシウム基複合材料中のSiCの含有量が体積割合で50%以上80%以下であり、
    前記マグネシウム基複合材料中の気孔率が3%未満であり、
    熱伝導率が180W/m・K以上であり、
    熱膨張係数が4×10−6/K以上10×10−6/K以下である放熱部材。
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