JP2014062220A - 熱伝導性粘着シートおよび電子・電気装置 - Google Patents

熱伝導性粘着シートおよび電子・電気装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた熱伝導性を実現できながら、外部からの振動や衝撃による被着対象からの剥離を抑制できる熱伝導性粘着シート、および、その熱伝導性粘着シートを備える電子・電気装置を提供すること。
【解決手段】
電子・電気装置の被着対象に貼付される熱伝導性粘着シートに、熱伝導性粒子を含有し、そのステンレス鋼板に対する押し抜き接着力が、5N/cm以上であり、引張試験により測定される伸びが、200%以上であり、熱伝導率が、0.30W/m・K以上である粘着剤層2を設ける。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性粘着シート、および、その熱伝導性粘着シートを備える電子・電気装置に関する。
従来、電子部品を接着対象に接着するとともに、電子部品から発生する熱を接着対象に伝導して放熱させる熱伝導性粘着シートが知られている。
このような熱伝導性粘着シートとして、例えば、シリコーン樹脂に熱伝導性充填剤を配合したシリコーン系の熱伝導性粘着シートが挙げられる。
このようなシリコーン系の熱伝導性粘着シートとして、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンと、熱伝導性充填材と、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、シリコーン樹脂とを含む付加反応硬化型シリコーン組成物を薄膜状に成形し硬化させてなるシリコーンシートが提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2009−234112号公報
しかるに、上記特許文献1に記載のシリコーンシートでは、外部から振動や衝撃が加えられると、電子部品から剥離するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、優れた熱伝導性を実現できながら、外部からの振動や衝撃による被着対象からの剥離を抑制できる熱伝導性粘着シート、および、その熱伝導性粘着シートを備える電子・電気装置を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明の熱伝導性粘着シートは、熱伝導性粒子を含有する粘着剤層を備え、前記粘着剤層は、下記の試験により測定される、前記粘着剤層のステンレス鋼板に対する押し抜き接着力が、5N/cm以上であり、引張試験により測定される伸びが、200%以上であり、熱伝導率が、0.30W/m・K以上であることを特徴としている。
なお、前記押し抜き接着力は、中央に開口部(直径1.0cmの平面視円形状)を有する第1のステンレス鋼板の下面に、中央に開口部(1辺の長さが1.1cmの平面視正方形状)を有する前記粘着剤層(1辺の長さが1.5cmの平面視正方形状)を、下側から上側へ投影したときに前記第1のステンレス鋼板の開口部が前記粘着剤層の開口部内に露出されるように貼付し、貼付された前記粘着剤層の下面に、開口部を有さない第2のステンレス鋼板(1辺の長さが1.5cmの平面視正方形状)を、その周端縁が前記粘着剤層の周端縁と一致するように貼付し、押し抜き端子(直径0.8cmの円柱形状)の下端部を、前記第1のステンレス鋼板の開口部、および、前記粘着剤層の開口部内を介して、前記第2のステンレス鋼板の上面に当接させて、前記第2のステンレス鋼板を上側から下側へ向かって50mm/分の速度で押圧し、前記粘着剤層を前記第1のステンレス鋼板または前記第2のステンレス鋼板から剥離させたときの、前記第2のステンレス鋼板から前記押し抜き端子に対して加わる単位面積当たりの最大応力として、測定される。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記粘着剤層の、前記押し抜き接着力を示すときにおける上下方向の伸びが150%以上であることが、好適である。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記粘着剤層の、下記の保持力試験により測定されるベークライト板に対する移動距離が、1.0mm以下であることが好適である。
なお、前記ベークライト板に対する移動距離は、前記粘着剤層をポリエステル粘着テープからなる基材に貼り合わせて得られる試験片(幅10mm、長さ100mm)の上端部の粘着剤層側表面を、ベークライト板の下端部に対して、10mm×20mmの貼着面積で貼り付け、80℃に30分放置し、その後、環境温度80℃において、ベークライト板の上端部を固定して前記試験片を垂下させるとともに前記試験片の下端部に300gの荷重を1時間加えたときの、前記試験片の前記ベークライト板に対する移動距離として測定される。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記粘着剤層が樹脂成分をさらに含有し、前記熱伝導性粒子が前記樹脂成分100質量部に対して100質量部以上の割合で前記粘着剤層に含有されることが、好適である。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記熱伝導性粒子が水和金属化合物であることが、好適である。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記粘着剤層がUL94難燃性試験においてV−0規格を満たすことが、好適である。
また、本発明の熱伝導性粘着シートは、前記粘着剤層が気泡を含有することが、好適である。
また、本発明の電子・電気装置は、上記した熱伝導性粘着シートと、前記熱伝導性粘着シートが貼付される被着対象とを備えることを特徴としている。
本発明の熱伝導性粘着シートによれば、粘着剤層は、熱伝導率が0.30W/m・K以上であるため、優れた熱伝導性を実現できる。
しかも、粘着剤層は、ステンレス鋼板に対する押し抜き接着力が、5N/cm以上であり、引張試験により測定される伸びが、200%以上である。
そのため、被着対象に対して強く接着することができるとともに、外部からの振動や衝撃を粘着剤層で吸収することができる。
その結果、優れた熱伝導性を実現できながら、外部からの振動や衝撃による被着対象からの剥離を抑制できる。
また、本発明の電子・電気装置によれば、上記した熱伝導性粘着シートを備えているので、外部から振動や衝撃が加えられた場合でも、被着対象の熱を安定に放熱できる。
図1は、本発明の熱伝導性シートの一実施形態を示す断面図である。 図2は、熱伝導性粘着シートの製造方法を説明するための説明図であって、(a)は、ベースフィルムの上に粘着剤原料を塗布する工程を示し、(b)は、粘着剤原料の塗膜の上にカバーフィルムを配置する工程を示す。 図3は、熱特性評価装置を説明する説明図であって、(a)は、正面図、(b)は、側面図を示す。 図4は、押し抜き試験の試験方法を説明する説明図であって、(a)は、ベースプレートに粘着剤層を介して剥離プレートを貼付する工程を示し、(b)は、押圧端子により剥離プレートを押圧する工程を示し、(c)は、粘着剤層がベースプレートから剥離された状態を示し、(d)は、剥離プレートから押圧端子に加わる応力と、粘着剤層の伸びとの関係を示すグラフである。 図5は、振動試験を説明する説明図である。 図6は、保持力試験を説明する説明図である。
図1は、本発明の熱伝導性シートの一実施形態を示す断面図である。
熱伝導性粘着シート1は、図1に示すように、粘着剤層2を備えている。
粘着剤層2は、所定の厚みを有し、厚み方向に直交する方向に延びるシート状に形成されている。また、粘着剤層2は、樹脂成分としてのポリマーと、ポリマー中に分散される熱伝導性粒子とを含有している。
ポリマーとしては、例えば、後述する単量体から合成されるアクリル樹脂などが挙げられる。
熱伝導性粒子としては、例えば、水和金属化合物が挙げられる。
水和金属化合物は、分解開始温度が150〜500℃の範囲であり、一般式MxOy・nHO(Mは金属原子、x,yは金属の原子価によって定まる1以上の整数、nは含有結晶水の数)で表される化合物または上記化合物を含む複塩である。
水和金属化合物としては、例えば、水酸化アルミニウム[Al・3HO;またはAl(OH)]、ベーマイト[Al・HO;またはAlOOH]、水酸化マグネシウム[MgO・HO;またはMg(OH)]、水酸化カルシウム[CaO・HO;またはCa(OH)]、水酸化亜鉛[Zn(OH)]、珪酸[HSiO;またはHSiO;またはHSi]、水酸化鉄[Fe・HOまたは2FeO(OH)]、水酸化銅[Cu(OH)]、水酸化バリウム[BaO・HO;またはBaO・9HO]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO・nHO]、酸化スズ水和物[SnO・HO]、塩基性炭酸マグネシウム[3MgCO・Mg(OH)・3HO]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al・HO]、ドウソナイト[NaCO・Al・nHO]、硼砂[NaO・B・5HO]、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B・3.5HO]などを挙げることができる。
水和金属化合物は、市販されており、例えば、水酸化アルミニウムとして、商品名「ハイジライトH−100−ME」(1次平均粒子径75μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−10」(1次平均粒子径55μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−32」(1次平均粒子径8μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−31」(1次平均粒子径20μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−42」(1次平均粒子径1μm)(昭和電工社製)、商品名「B103ST」(1次平均粒子径8μm)(日本軽金属社製)など、例えば、水酸化マグネシウムとして、商品名「KISUMA 5A」(1次平均粒子径1μm)(協和化学工業社製)などが挙げられる。
また、熱伝導性粒子としては、上記した水和金属化合物の他に、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化銅、酸化ニッケル、アンチモン酸ドープ酸化スズ、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、白金、カーボンブラック、カーボンチューブ(カーボンナノチューブ)、カーボンファイバー、ダイヤモンドなどが挙げられる。
これらの熱伝導性粒子は、市販されており、例えば、窒化ホウ素として、商品名「HP−40」(水島合金鉄社製)、商品名「PT620」(モメンティブ社製)など、例えば、酸化アルミニウムとして、商品名「AS−50」(昭和電工社製)、商品名「AS−10」(昭和電工社製)など、例えば、アンチモン酸ドープスズとして、商品名「SN−100S」(石原産業社製)、商品名「SN−100P」(石原産業社製)、商品名「SN−100D(水分散品)」(石原産業社製)など、例えば、酸化チタンとして、商品名「TTOシリーズ」(石原産業社製)など、例えば、酸化亜鉛として、商品名「SnO−310」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−350」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−410」(住友大阪セメント社製)などが挙げられる。
これらの熱伝導性粒子は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。
これらの熱伝導性粒子のうち、好ましくは、水和金属化合物が挙げられ、より好ましくは、粘着剤層2に高い熱伝導性と難燃性とを付与するという理由から、水酸化アルミニウムが挙げられる。
なお、熱伝導性粒子の形状は特に限定されず、バルク状、針形状、板形状、層状であってもよい。バルク形状には、例えば、球形状、直方体形状、破砕状またはそれらの異形形状が含まれる。
熱伝導性粒子の1次粒子の体積基準の平均粒子径は、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは、0.5〜500μm、より好ましくは、1〜100μmである。
熱伝導性粒子は、粘着剤層2中において、樹脂100質量部に対して、例えば、100質量部以上、好ましくは、200質量部以上、より好ましくは、300質量部以上の割合で配合される。
熱伝導性粒子の配合割合が上記範囲内であると、粘着剤層に高い熱伝導率と難燃性とを付与することができる。
図2は、熱伝導性粘着シートの製造方法を説明するための説明図である。
次いで、熱伝導性粘着シートの製造方法について説明する。
熱伝導性粘着シートを製造するには、まず、粘着剤層2を作製するための粘着剤原料を調製する。
粘着剤原料は、単量体および/またはポリマーと、上記した熱伝導性粒子とを含有している。
単量体としては、例えば、必須成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、任意成分として、極性基含有単量体、多官能単量体、これらの単量体と共重合可能な共重合可能単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、メタクリル酸アルキルエステル系単量体および/またはアクリル酸アルキルエステル系単量体であって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体のうち、特に粘着特性のバランスを取りやすいという点から、好ましくは、(メタ)アクリル酸C2−12アルキルエステル、より好ましくは、(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体は、単量体中に、例えば、60質量%以上、好ましくは、80質量%以上、例えば、99質量%以下の割合で配合される。
極性基含有単量体としては、例えば、窒素含有単量体、水酸基含有単量体、スルホ基含有単量体、窒素・水酸基併有単量体、窒素・スルホ基併有単量体、水酸基・リン酸基併有単量体、カルボキシル基含有単量体などが挙げられる。
窒素含有単量体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピロリジンなどの環状(メタ)アクリルアミド、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド(例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミド、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド)などの非環状(メタ)アクリルアミド、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどのN−ビニル環状アミド、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有単量体、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド骨格含有単量体、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミドなどのイタコンイミド系単量体などが挙げられる。
水酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルメタクリレートなどが挙げられる。
スルホ基含有単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
窒素・水酸基併有単量体としては、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド(HEAA)、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
窒素・スルホ基併有単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸などが挙げられる。
水酸基・リン酸基併有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
これらの極性基含有単量体のうち、粘着剤層に高い粘着性と保持力を付与するという点から、好ましくは、窒素含有単量体、水酸基含有単量体、窒素・水酸基含有単量体が挙げられ、より好ましくは、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
極性基含有単量体は、単量体中に、例えば、5質量%以上、好ましくは、5〜30質量%、より好ましくは、5〜25質量%の割合で配合される。極性基含有単量体の配合割合が上記範囲内であると、粘着剤層に良好な保持力を付与することができる。
多官能単量体は、エチレン系不飽和炭化水素基を複数有する単量体であって、例えば、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ヘキシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能単量体は、単量体中に、例えば、2質量%以下、好ましくは、0.01〜2質量%、より好ましくは、0.02〜1質量%の割合で配合される。多官能単量体の配合割合が上記範囲内であると、粘着剤層の粘着力を向上させることができる。
共重合可能単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのアルコキシ基含有単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのα−オレフィン、例えば、2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレートなどのイソシアネート基含有単量体、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、例えば、アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレートなどのハロゲン原子含有単量体、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル基含有シリコーンなどのシロキサン骨格含有単量体、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリレート、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールなどの芳香族炭化水素基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの共重合可能単量体のうち、好ましくは、アルコキシ基含有単量体、より好ましくは、アクリル酸2−メトキシエチルが挙げられる。アルコキシ基含有単量体を配合することで、粘着剤層の被着体に対する密着性を向上させることができ、被着体からの熱を効率よく伝導させることができる。
共重合可能単量体は、単量体中に、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下の割合で配合される。
これらの単量体は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、また、2種以上組み合わせて使用することもできる。
また、これらの単量体は、粘着剤原料中に、例えば、1〜45質量%、好ましくは、10〜40質量%の割合で配合される。
ポリマーとしては、例えば、上記した単量体を反応させて得られる重合体(ポリマー)が挙げられる。詳しくは、ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマー、より詳しくは、必須成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が用いられ、任意成分として、極性基含有単量体、多官能単量体、これらの単量体と共重合可能な共重合可能単量体が用いられたアクリル系重合体などが挙げられる。なお、ポリマーには、上記した単量体の一部重合物が含まれる。
これらのポリマーは、単独(1種類のみ)で使用することもでき、また、2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのポリマーは、粘着剤原料中に、例えば、1〜45質量%、好ましくは、10〜40質量%の割合で配合される。
なお、粘着剤原料に単量体およびポリマーの両方が配合される場合、単量体およびポリマーは、粘着剤原料中に、その総量が、例えば、1〜45質量%、好ましくは、10〜40質量%となるような割合で、配合される。
また、熱伝導性粒子は、粘着剤原料中において、単量体および/またはポリマー100質量部に対して、例えば、100質量部以上、好ましくは、200質量部以上、より好ましくは、300質量部以上の割合で配合される。
粘着剤原料を調製するには、まず、上記した単量体と、重合開始剤とを含有する単量体組成物を調製するか、または、上記したポリマーを有機溶剤などの溶媒に溶解させてポリマー組成物を調製する。
単量体組成物を調製するには、まず、上記した単量体に重合開始剤を配合する。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。
光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。
ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、デシルチオキサントンなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートなどのアゾ系重合開始剤、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、また、2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらの重合開始剤のうち、重合時間を短くすることができる利点などから、好ましくは、光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤として光重合開始剤を配合する場合には、光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、単量体100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.05〜3質量部の割合で配合される。
また、重合開始剤として熱重合開始剤を配合する場合には、熱重合開始剤は、特に限定されず、利用可能な割合で配合される。
次いで、単量体組成物を調製するには、必要により、単量体の一部を重合させる。
単量体の一部を重合させるには、光重合開始剤を配合している場合には、単量体と光重合開始剤との混合物に紫外線を照射する。紫外線を照射するには、光重合開始剤が励起されるような照射エネルギーで、単量体組成物の粘度(BH粘度計、No.5ロータ、10rpm、測定温度30℃)が、例えば、5〜30Pa・s、好ましくは、10〜20Pa・sになるまで、照射する。
また、熱重合開始剤を配合している場合には、単量体と熱重合開始剤との混合物を、例えば、熱重合開始剤の分解温度以上、具体的には、20〜100℃程度の重合温度で、光重合開始剤を配合している場合と同様に、単量体組成物の粘度(BH粘度計、No.5ロータ、10rpm、測定温度30℃)が、例えば、5〜30Pa・s、好ましくは、10〜20Pa・sになるまで加熱する。
なお、単量体の一部を重合させて単量体組成物を調製する場合には、まず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と、極性基含有単量体および共重合可能単量体から選択される単量体と、重合開始剤とを配合して、上記したように、単量体の一部を重合させ、その後、多官能単量体を配合することもできる。
これにより、単量体組成物が調製される。
なお、単量体組成物やポリマー組成物には、必要により、分散剤、粘着付与剤、アクリル系オリゴマー、シランカップリング剤、フッ素系界面活性剤、可塑剤、充填材、老化防止剤、着色剤などの添加剤を配合することもできる。
次いで、粘着剤原料を調製するには、得られた単量体組成物やポリマー組成物に、上記した熱伝導性粒子を配合し、混合する。
なお、熱伝導性粒子や添加剤などは、有機溶剤などの溶媒中に分散又は溶解した状態で、単量体組成物やポリマー組成物に配合することができる。
これにより、粘着剤原料が調製される。
得られた粘着剤原料の粘度(BM粘度計、No.4ロータ、12rpm、測定温度23℃)は、例えば、50Pa・s以下、好ましくは、5〜40Pa・s、より好ましくは、10〜35Pa・sである。
なお、粘着剤原料には、気泡を含有させることもできる。気泡を含有した粘着剤原料を用いて、後述するように熱伝導性粘着シートを作製することにより、熱伝導性粘着シートを発泡体とすることができる。
粘着剤原料に気泡を含有させるには、例えば、中央部に貫通孔を持った円盤上に多数の歯を有するステータ(固定歯)と、ステータに対向し、円盤上に多数の歯を有するロータ(回転歯)とを備えた撹拌装置を用いて、ステータの歯とロータの歯との間に粘着剤原料を導入し、ロータを高速回転させながら、ステータの貫通孔を通して気泡を形成させるための気体を、粘着剤原料中に導入する。
粘着剤原料に導入される気体としては、特に限定されず、例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガス、例えば、空気などが挙げられる。
粘着剤原料に導入される気体としては、粘着剤原料の反応を阻害しにくいことから、好ましくは、不活性ガス、より好ましくは、窒素が挙げられる。
気泡は、例えば、粘着剤原料の全体積に対して、例えば、5〜50体積%、好ましくは、10〜40体積%、より好ましくは、10〜35体積%の割合で導入される。
次いで、熱伝導性粘着シートを作製するには、図2(a)に示すように、ベースフィルム3の剥離処理が施された面に粘着剤原料5を塗布する。
ベースフィルム3としては、例えば、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)、例えば、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体など)からなるフッ素系フィルム、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)からなるオレフィン系樹脂フィルム、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)、例えば、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙などの紙類、例えば、これらを複層化した複合体などが挙げられる。
なお、粘着剤原料5が光重合開始剤を含有している場合には、粘着剤原料5に対する紫外線の照射を妨げないように、紫外線を透過するベースフィルム3を使用する。
粘着剤原料5をベースフィルム3に塗布する方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などが挙げられる。
粘着剤原料5の塗工厚みとしては、例えば、10〜10000μm、好ましくは、50〜5000μm、より好ましくは、100〜3000μmである。
熱伝導性粘着シート1を作製するには、次いで、図2(b)に示すように、粘着剤原料5の塗膜の上にカバーフィルム4を配置する。カバーフィルム4を塗膜の上に配置するには、カバーフィルム4の剥離処理が施された面が塗膜に接触するように、配置する。
カバーフィルム4としては、例えば、上記したベースフィルム3と同様のフィルムが挙げられる。また、粘着剤原料5が光重合開始剤を含有している場合には、粘着剤原料5に対する紫外線の照射を妨げないように、紫外線を透過するカバーフィルム4を使用する。
熱伝導性粘着シートを作製するには、次いで、粘着剤原料5を反応させて、粘着剤層2を形成する。
粘着剤原料5を反応させるには、上記したように、光重合開始剤を配合している場合には、粘着剤原料5に紫外線を照射し、熱重合開始剤を配合している場合には、粘着剤原料5を加熱する。
これにより、上記した単量体組成物(単量体を一部重合させたものを含む。)が反応し、ポリマー(樹脂成分)となる。
なお、上記したポリマー組成物を粘着剤原料5に配合した場合や、熱伝導性粒子や添加剤を溶媒に分散または溶解させて粘着剤原料5に配合した場合には、上記したように粘着剤原料5を塗工し、乾燥させて、溶媒を除去することができる。
これにより、上記した熱伝導性粘着シート1を得る(図1参照)。
得られた熱伝導性粘着シート1の粘着剤層2の厚みは、例えば、10〜10000μm、好ましくは、50〜5000μm、より好ましくは、100〜3000μmである。
粘着剤層2の厚みが10μmよりも小さいと、十分な粘着力と保持力を得ることができない場合がある。また、粘着剤層2の塗工厚みが10000μmよりも大きいと、十分な熱伝導性を得ることができない場合がある。
得られた粘着剤層2の引張伸び(JIS Z 0237に準じる引張試験により測定する。)は、例えば、200%以上、好ましくは、500%以上であり、より好ましくは、700%以上であり、より一層好ましくは、1000%以上であり、例えば、2000%以下である。
また、得られた粘着剤層2の硬さ(JIS K 7312に規定されるタイプC硬さ試験に準じて測定する。)は、タイプCデュロメータの加圧面を密着させてから30秒後に測定したときに、例えば、90以下、好ましくは、80以下、より好ましくは、75以下、より一層好ましくは、50以下、例えば、1以上である。
また、得られた粘着剤層2の熱伝導率(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、0.3W/m・K以上、好ましくは、0.4W/m・K以上、より好ましくは、0.5W/m・K以上、例えば、10W/m・K以下である。
また、得られた粘着剤層2の熱抵抗(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、50cm・K/W以下、好ましくは、25cm・K/W以下、より好ましくは、10cm・K/W以下である。
また、得られた粘着剤層2のステンレス鋼板に対する押し抜き接着力(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、5N/cm以上、好ましくは、10N/cm以上、より好ましくは、15N/cm以上、より一層好ましくは、20N/cm以上である。
また、得られた粘着剤層2のステンレス鋼板に対する押し抜き伸び(後述の実施例に記載の方法により測定する。)が、例えば、150%以上、好ましくは、180%以上である。
また、得られた粘着剤層2のアルミニウム板に対する接着力は、振動後において(後述の実施例に記載の方法により測定する。)、例えば、1N/cm以上、好ましくは、2N/cm以上、より好ましくは、3N/cm以上、より一層好ましくは、4N/cm以上である。
また、得られた粘着剤層2のベークライト板に対する保持力(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、ベークライト板に対する移動距離として、例えば、1.0mm以下、好ましくは、0.5mm以下である。
また、得られた粘着剤層2は、UL94難燃性試験において、例えば、V−0規格を満たす。
この熱伝導性粘着シート1によれば、粘着剤層2は、その熱伝導率が0.30W/m・K以上であるため、優れた熱伝導性を実現できる。
しかも、粘着剤層2は、ステンレス鋼板に対する押し抜き接着力が、5N/cm以上であり、引張試験により測定される伸びが、200%以上である。
そのため、被着対象に対して強く接着することができるとともに、外部からの振動や衝撃を粘着剤層2で吸収することができる。
その結果、振動後の接着力が1N/cm以上となり、優れた熱伝導性を実現できながら、外部からの振動や衝撃による被着対象からの剥離を抑制できる。
また、この熱伝導性粘着シートでは、外部からの振動や衝撃による被着対象からの剥離を抑制できるため、電子・電気装置に好適に用いることができる。
電子・電気装置としては、例えば、半導体装置、ハードディスク、LED装置(テレビジョン、照明、ディスプレイなど)、EL装置(有機ELディスプレイ、有機EL照明など)などの回路基板を備える電子装置、例えば、キャパシタ、バッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)などの2次電池、例えば、パワーモジュールなどが挙げられる。
具体的には、この熱伝導性粘着シートは、これらの電子・電気装置の発熱部品(被着対象の一例、例えば、回路基板、二次電池、パワーモジュールなど)に貼付される。
これにより、これらの電子・電気装置に外部から振動や衝撃が加えられた場合でも、発熱部品の熱を安定に放熱できる。
以下、本発明を各実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されるものではない。
1.各実施例および比較例
実施例1
(単量体組成物の調製)
単量体として、アクリル酸2−エチルヘキシル80質量部、アクリル酸2−メトキシエチル12質量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)7質量部、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)1質量部を配合し、混合して単量体の混合物を得た。
得られた混合物に、光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュアー651」、チバ・ジャパン社製)0.05質量部と、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュアー184」、チバ・ジャパン社製)0.05質量部とを配合した。
その後、混合物に紫外線を照射して、粘度(BH粘度計、No.5ロータ、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで重合し、単量体の一部が重合した単量体の部分重合物(シロップ状)を調製した。
得られた単量体の部分重合物100質量部に、多官能単量体として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「KAYARAD DPHA−40H」、日本化薬社製)0.05質量部と、分散剤として、商品名「プライサーフA212E」(第一工業製薬社製)3.4質量部とを配合し、混合して、単量体組成物を調製した。
得られた単量体組成物を重合した重合物のガラス転移温度(測定方法:熱重量測定)は、−62.8℃であった。
(粘着剤原料の調製)
次いで、得られた単量体組成物に、熱伝導性粒子として、平均粒子径(体積基準)1μm、最大粒子径(体積基準)10μm未満の水酸化アルミニウム粉末(商品名「ハイジライトH−42」、形状:破砕状、昭和電工社製)170質量部と、平均粒子径(体積基準)55μm、最小粒子径(体積基準)10μm以上の水酸化アルミニウム粉末(商品名「ハイジライトH−10」、形状:破砕状、昭和電工社製)170質量部とを配合し、混合して粘着剤原料を調製した。
(熱伝導性粘着シートの作製)
得られた粘着剤原料を、片面に剥離処理が施されているベースフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名「ダイアホイルMRF38」、三菱化学ポリエステルフィルム社製)の剥離処理面に、乾燥及び硬化後の厚みが1.0mmとなるように塗布した(図2(a)参照)。
次いで、ベースフィルムとの間に粘着剤原料の塗膜を挟むように、粘着剤原料の塗膜の上に、カバーフィルム(ベースフィルムと同じフィルム)を配置した(図2(b)参照)。
次いで、粘着剤原料に、紫外線(照度約5mW/cm)を両側(ベースフィルム側およびカバーフィルム側)から3分間照射した。
これにより、粘着剤原料中の単量体を重合させて、粘着剤層を作製した(図1参照)。
粘着剤層の押し抜き接着力、押し抜き伸び、引張伸び、熱伝導率、熱抵抗、保持力、難燃性、硬さ、振動後の粘着力を、下記の評価方法により測定し、表1に示す。
実施例2〜5
実施例1と同様にして、粘着剤原料を調製した。
得られた粘着剤原料を、窒素を導入しながら攪拌し、粘着剤原料に、気泡の含有率が表1に示す含有率となるように気泡を導入した。
気泡が導入された粘着剤原料を、実施例1と同様に反応させて、熱伝導性粘着シートを発泡体として作製した。
粘着剤層の押し抜き接着力、押し抜き伸び、引張伸び、熱伝導率、熱抵抗、保持力、難燃性、硬さ、振動後の粘着力を、下記の評価方法により測定し、表1に示す。
比較例1
粘着剤層として、厚さ1.0mmのシリコーンシート(商品名「TC−100CAS−10」、信越化学社製)を用意した。
粘着剤層の押し抜き接着力、押し抜き伸び、引張伸び、熱伝導率、熱抵抗、保持力、難燃性、硬さ、振動後の粘着力を、下記の評価方法により測定し、表1に示す。
2.評価方法
(引張試験)
各実施例および比較例で作製した粘着剤層を、幅10mm、長さ60mmに切断して試験片とし、JIS Z 0237に準じて引張試験を実施した。
試験片からベースフィルムおよびカバーフィルムを剥がし、23℃、50%RH雰囲気下、引張圧縮試験機『TCM−1kNB』(ミネベア社製)を用い、チャック間距離20mm、引っ張り速度300mm/minで応力−ひずみ曲線を測定した。
測定された応力−ひずみ曲線から、下記式により、引張伸びを計算した。
引張伸び(%)=破断時の試料のチャック間距離(mm)/20×100
(硬さ)
各実施例および比較例で作製した粘着剤層を用いて、JIS K 7312(1996)に準じて、下記条件にて試験を実施した。
詳しくは、粘着剤層を幅20mm、長さ20mmに切断し、厚みが4mmになるように積層させたものを評価用サンプルとして、アスカーC硬度計(高分子計器社製)で、23℃、50%RH雰囲気下において、アスカーC硬度計の加圧面を密着させてから30秒後の硬さ(アスカーC硬度)を測定した。
(熱伝導率、熱抵抗)
図3に示す熱特性評価装置を用い、熱伝導率および熱抵抗の測定を行った。
具体的には、1辺が20mmの立方体となるように形成されたアルミニウム製(A5052、熱伝導率:140W/m・K)の一対のブロック(ロッドと称する場合もある。)L間に、各実施例および比較例で作製した粘着剤層S(20mm×20mm)を挟み込み、一対のブロックLを粘着シートで貼り合わせた。
そして、一対のブロックLが上下となるように発熱体(ヒーターブロック)Hと放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)Cとの間に配置した。具体的には、上側のブロックLの上に発熱体Hを配置し、下側にブロックLの下に放熱体Cを配置した。
このとき、粘着剤層Sで貼り合わされた一対のブロックLは、発熱体Hおよび放熱体Cを貫通する一対の圧力調整用ネジTの間に位置している。なお、圧力調整用ネジTと発熱体Hとの間にはロードセルRが配置されており、圧力調整用ネジTを締め込んだときの圧力が測定されるように構成されており、斯かる圧力を粘着剤層Sに加わる圧力として用いた。
具体的には、この試験において、圧力調整用ネジTを、粘着剤層Sに加わる圧力が25N/cm(250kPa)となるように締め込んだ。
また、下側のブロックLおよび粘着剤層Sを放熱体C側から貫通するように接触式変位計の3本のプローブP(直径1mm)を設置した。このとき、プローブPの上端部は、上側のブロックLの下面に接触した状態になっており、上下のブロックL間の間隔(粘着シートSの厚み)を測定可能に構成されている。
発熱体Hおよび上下のブロックLには温度センサーDを取り付けた。具体的には、発熱体Hの1箇所に温度センサーDを取り付け、各ブロックLの5箇所に上下方向に5mm間隔で温度センサーDをそれぞれ取り付けた。
測定は、まず初めに、圧力調整用ネジTを締め込んで、粘着剤層Sに圧力を加え、発熱体Hの温度を80℃に設定するともに、放熱体Cに20℃の冷却水を循環させた。
そして、発熱体Hおよび上下のブロックLの温度が安定した後、上下のブロックLの温度を各温度センサーDで測定し、上下のブロックLの熱伝導率(W/m・K)と温度勾配から粘着剤層Sを通過する熱流束を算出するとともに、上下のブロックLと粘着剤層Sとの界面の温度を算出した。そして、これらを用いて圧力における熱伝導率(W/m・K)および熱抵抗(cm・K/W)を、下記の熱伝導率方程式(フーリエの法則)を用いて算出した。
Q=−λgradT
R=L/λ
Q:単位面積あたりの熱流速
gradT:温度勾配
L:シートの厚み
λ:熱伝導率
R:熱抵抗
(押し抜き試験)
図4は、押し抜き試験の試験方法を説明する説明図である。
図4(a)に示すように、各実施例および比較例で作製した粘着剤層(厚み1.0mm)を、中央に開口部10(1辺が1.1cmの平面視正方形状)を有する平面視正方形状(1辺の長さが1.5cm)の試験片6として切り出した。
次いで、試験片6を、中央に開口部11(直径1.0cmの平面視円形状)を有するベースプレート7(第1のステンレス鋼板)の下面に、下側から上側へ投影したときに、ベースプレート7の開口部11が試験片6の開口部10内に露出されるように貼付し、貼付された試験片6の下面に、開口部を有さない剥離プレート8(第2のステンレス鋼板、1辺の長さが1.5cmの平面視正方形状)を、その周端縁が試験片6の周端縁と一致するように貼付した。
その後、剥離プレート8をベースプレート7に向かって押圧して、試験片6の厚みが押圧前の厚みに対して75%となるように圧着し、室温で1晩(約12時間)養生した。
次いで、図4(b)に示すように、ベースプレート7を引張圧縮試験機(TCM−1kNB、ミネベア社製)に固定し、引張圧縮試験機の押し抜き端子9(直径0.8cmの円柱形状)の下端部を、ベースプレート7の開口部11、および、試験片6の開口部10を介して、剥離プレート8の上面に当接させて、剥離プレート8を上側から下側へ向かって50mm/分の速度で押圧した。
そして、図4(c)に示すように、粘着剤層2をベースプレート7または剥離プレート8から完全に剥離されるまで、押し抜き端子9の移動距離と、剥離プレート8から押し抜き端子9に対して加わる単位面積当たりの応力との関係(応力−ひずみ曲線、図4(d)参照)を測定した。
測定された応力−ひずみ曲線から、単位面積当たりの最大応力を押し抜き接着力とした。
また、測定された応力−ひずみ曲線から、下記式により、押し抜き伸びを計算した。
押し抜き伸び(%)=(最大応力を測定したときの押し抜き端子9の移動距離(mm)+試験片6の厚み(mm))/試験片6の厚み(mm)×100
(振動試験)
図5は、振動試験を説明する説明図である。
図5に示すように、各実施例および比較例で作製した粘着剤層を、幅5.0cm、長さ11.0cmに切断し、試験片16とした。
試験片16を、その上面をアルミニウム製ブロック18(幅6.0cm、長さ9.1cm、高さ10.0cm、質量300gの直方体)の底面に貼付し、その下面を、アルミニウム製冷却板17の上面に貼付した。そして、アルミニウム製ブロック18を、アルミニウム製冷却板17に向かって、押圧荷重3kgで30秒間押圧した。
次いで、アルミニウム製冷却板17を、小型加振機で、振動数10Hz、アンプ電圧4.3V、振幅5mmの条件で水平方向に振動させた。
次いで、アルミニウム製ブロック18の上面にプッシュプルゲージを取り付け、アルミニウム製ブロック18を上側へ引き上げて、アルミニウム製冷却板17から引き剥がした。
プッシュプルゲージの測定値から、振動後における試験片16のアルミニウム製冷却板17に対する接着力を、下記式により計算した。
接着力(N/cm)=プッシュプルゲージの測定値(N)/試験片16の面積(cm
(保持力)
図6は、振動試験を説明する説明図である。
図6に示すように、各実施例および比較例で作製した粘着剤層12のベースフィルムを剥がして、ポリエステル粘着テープからなる基材13(No.31B、日東電工社製)に貼り合わせて試験片14を作製した。試験片14を幅10mm、長さ100mmに切断し、試験片14の上端を、ベークライト板15の下端部に10mm×20mmの貼着面積で貼り付け、80℃に30分放置した。
その後、ベークライト板15の上端部を固定して、試験片14の下端部を垂下し、試験片14の下端部に300gの均一荷重を負荷した。
80℃環境下で、1時間放置させたときの、試験片14のベークライト板15に対する移動距離を測定した。
(難燃性)
各実施例および比較例で作製した粘着剤層を、12.7mm×127mmの大きさにカットし、ベースフィルムおよびカバーフィルムを剥がして、それぞれ5つの試験片を作製し、UL94難燃性試験を実施した。
詳しくは、それらの試験片を、その上端を固定して下端を垂下させた。そして、試験片の下端に、まず、10秒間、バーナーの炎を当て、その後、炎を試験片から離した後、再度、試験片の下端に、10秒間、炎を当てた。
そして、以下の評価基準に従って、V−0規格の合否を評価した。
1:各試験片の合計有炎燃焼時間(最初の炎をあてた後の燃焼時間と、2回目の炎をあてた後の燃焼時間の合計)が10秒以内である。
2:各試験片5つの合計有炎燃焼時間の総計が50秒以内である。
3:2回目に炎をあてた後の各試験片の有炎燃焼時間および無炎燃焼時間が30秒以内である。
4:試験片から燃焼滴下物が落下した場合に、下に配置された綿に着火しない。
5:各試験片はいずれもその吊り下げ部分まで燃え尽きない。
合:上記した1〜5を満たす評価項目数が3個以上である。
否:上記した1〜5を満たす評価項目数が3個未満である。
Figure 2014062220
1 熱伝導性粘着シート
2 粘着剤層

Claims (8)

  1. 熱伝導性粒子を含有する粘着剤層を備え、
    前記粘着剤層は、
    下記の試験により測定される、前記粘着剤層のステンレス鋼板に対する押し抜き接着力が、5N/cm以上であり、
    引張試験により測定される伸びが、200%以上であり、
    熱伝導率が、0.30W/m・K以上である
    ことを特徴とする、熱伝導性粘着シート。
    前記押し抜き接着力は、
    中央に開口部(直径1.0cmの平面視円形状)を有する第1のステンレス鋼板の下面に、中央に開口部(1辺の長さが1.1cmの平面視正方形状)を有する前記粘着剤層(1辺の長さが1.5cmの平面視正方形状)を、下側から上側へ投影したときに前記第1のステンレス鋼板の開口部が前記粘着剤層の開口部内に露出されるように貼付し、貼付された前記粘着剤層の下面に、開口部を有さない第2のステンレス鋼板(1辺の長さが1.5cmの平面視正方形状)を、その周端縁が前記粘着剤層の周端縁と一致するように貼付し、
    押し抜き端子(直径0.8cmの円柱形状)の下端部を、前記第1のステンレス鋼板の開口部、および、前記粘着剤層の開口部を介して、前記第2のステンレス鋼板の上面に当接させて、前記第2のステンレス鋼板を上側から下側へ向かって50mm/分の速度で押圧し、
    前記粘着剤層を前記第1のステンレス鋼板または前記第2のステンレス鋼板から剥離させたときの、前記第2のステンレス鋼板から前記押し抜き端子に対して加わる単位面積当たりの最大応力として、測定される。
  2. 前記粘着剤層は、前記押し抜き接着力を示すときに、上下方向の伸びが150%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導性粘着シート。
  3. 前記粘着剤層は、下記の保持力試験により測定される、ベークライト板に対する移動距離が、1.0mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱伝導性粘着シート。
    前記ベークライト板に対する移動距離は、
    前記粘着剤層をポリエステル粘着テープからなる基材に貼り合わせて得られる試験片(幅10mm、長さ100mm)の上端部の粘着剤側表面を、ベークライト板の下端部に対して、10mm×20mmの貼着面積で貼り付け、80℃に30分放置し、
    その後、環境温度80℃において、ベークライト板の上端部を固定して前記試験片を垂下させるとともに前記試験片の下端部に300gの荷重を1時間加えたときの、前記試験片の前記ベークライト板に対する移動距離として測定される。
  4. 前記粘着剤層は、樹脂成分をさらに含有し、
    前記熱伝導性粒子は、樹脂成分100質量部に対して、100質量部以上の割合で前記粘着剤層に含有されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シート。
  5. 前記熱伝導性粒子は、水和金属化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シート。
  6. 前記粘着剤層は、UL94難燃性試験においてV−0規格を満たすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シート。
  7. 前記粘着剤層は、気泡を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シートと、
    前記熱伝導性粘着シートが貼付される被着対象と
    を備えることを特徴とする、電子・電気装置。
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