JP2014062158A - 熱伝導性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた熱伝導効率を有する熱伝導性シートを提供することを目的とする。
【解決手段】熱伝導層と、樹脂組成物の硬化物からなり、熱伝導層の少なくとも一方の表面を被覆する表面層と、を有する熱伝導性シートであって、樹脂組成物は、主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、(A1)末端にヒドロシリル基を1〜2個有し、該基2個の分子含有率が60〜100モル%である化合物、(B1)末端にアルケニル基を1〜2個有し、該基2個の分子含有率が60〜100モル%である化合物、(A2)末端にヒドロシリル基を1〜2個有し、該基2個の分子含有率が0〜40モル%である化合物、(B2)末端にアルケニル基を1〜2個有し、該基2個の分子含有率が0〜40モル%である化合物を含み、〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕が20/80〜80/20、(A1)/(B1)および(A2)/(B2)が20/80〜80/20である。
【選択図】なし

Description

本発明は、発熱体と放熱体との間に介在させて、発熱体の熱を効率的に放熱体に伝導させるためのシート等として用いられる熱伝導性シートに関する。
各種装置や電子機器の内部で発生する熱を外部に効率的に放出するための手段として、電子部品等の発熱体と放熱体(放熱用部材あるいは冷却用部材)との間に熱伝導性シートを配置することが従来行なわれている。柔軟性を有し、熱伝導性能の高い熱伝導性シートを介在させることにより、良好な密着力で熱伝導性能の高い熱伝導性シートを介して発熱体と放熱体とを結合させることができるため、結果として熱伝導性シートを介在させない場合に比べて、発熱体から放熱体への熱伝導効率を改善することができる。
熱伝導性シートとして、たとえば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などの熱伝導性フィラーをポリマー成分に配合したものが知られている。たとえば、特開2010−232535号公報(特許文献1)には、液状フッ素化ポリエーテルと熱伝導性フィラーとの混合物を反応硬化させることにより得られる、フッ素を主成分とするフッ素ゴムシートを熱伝導性シート(耐熱性放熱シート)として用いることが提案されている。
特開2010−232535号公報
しかしながら、熱伝導性フィラーをバインダーに複合化してなる熱伝導性シートにおいては、高い熱伝導性能を付与するためには、比較的多量の熱伝導性フィラー(熱伝導性充填剤)を含有させる必要があるが、多量の熱伝導性フィラーを含有させると、これに伴ってシートの硬度が高くなったり、シート表面の粘着性(タック性)が低下したりする。このような硬度の上昇及び表面粘着性の低下はいずれも、熱伝導性シートに隣接して配置される発熱体及び放熱体との接触性(密着性)を悪化させ、接触熱抵抗を上昇させる要因となる。接触熱抵抗が高くなると、熱伝導性シート自体の熱伝導性能が高い場合であっても、その性能を十分に発揮することができず、発熱体から放熱体への良好な熱伝導効率を得ることができない。
そこで本発明は、熱伝導層の熱伝導性能が十分に発揮される、優れた熱伝導効率を有する熱伝導性シートを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく種々検討を行ない、熱伝導層の少なくとも一方の表面に、特定の樹脂組成物の硬化物からなる表面層を設けることにより、熱伝導性シートの接触熱抵抗を低下させることができ、熱伝導層の熱伝導性能が十分に発揮され、良好な熱伝導効率が得られることを見出し、さらに検討を重ねて次の点を見出し、本発明を完成させるに至った。
フッ素系熱伝導性シートのバインダーを形成するフッ素系化合物として、硬化反応によりエラストマー特性を示すフッ素系ポリマー(ゴム状弾性体)を形成するフッ素系化合物対〔後述するフッ素系化合物(A1)及び(B1)〕と、硬化反応によりゲル特性を示すフッ素系ポリマー(ゲル状弾性体)を形成するフッ素系化合物対〔後述するフッ素系化合物(A2)及び(B2)〕とを適切な比で併用し、かつ、配合比(A1)/(B1)及び(A2)/(B2)をも適切な所定の比に調整した樹脂組成物を用いて硬化させて表面層を形成することにより、低硬度および高粘着性の表面層を形成することができ、熱伝導性シートの熱伝導効率を向上させることができることを見出した。
なお本明細書中において、「エラストマー特性」とは、JIS K6253に準拠して測定されるShore A硬度が20〜40の範囲内であることを意味する。また、「ゲル特性」とは、JIS K2207に準拠して測定される針入度が60〜80の範囲内であることを意味する。
すなわち本発明は、
熱伝導層と、樹脂組成物の硬化物からなり、前記熱伝導層の少なくとも一方の表面を被覆する表面層と、を有する熱伝導性シートであって、
前記樹脂組成物は、
(A1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物と、
(B1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物と、
(A2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物と、
(B2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物と、を含み、
前記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の含有量に関し、下記式[1]〜[3]:
〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕=20/80〜80/20 [1]
(A1)/(B1)=20/80〜80/20 [2]
(A2)/(B2)=20/80〜80/20 [3]を満たす、熱伝導性シートを提供する。
上記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の含有量に関し、下記式[4]及び[5]:
(A1)/(B1)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [4]
(A2)/(B2)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [5]を満たすことが好ましい。
上記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)は、下記式[6]:
Figure 2014062158
(式中、nは1〜10の整数である。)
で表される主鎖構造を有することが好ましい。
上記フッ素系化合物(B1)及び(B2)が有するアルケニル基は、好ましくは、ビニル基である。
上記樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを含んでいてもよい。また、上記表面層は、好ましくは、厚さが10〜200μmである。
本発明の一形態において、上記熱伝導層は、ポリマー成分と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性樹脂組成物の硬化物からなり、熱伝導性樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを、ポリマー成分の合計含有量100重量部に対して、200〜500重量部含む。
本発明によれば、熱伝導層の熱伝導性能が十分に発揮され、良好な熱伝導効率を有する熱伝導性シートを提供することができる。
<熱伝導性シート>
本発明は、発熱体と放熱体との間に介在させて、発熱体の熱を効率的に放熱体に伝導させる熱伝導性シートであり、熱伝導層と、樹脂組成物の硬化物からなり、前記熱伝導層の少なくとも一方の表面を被覆する表面層と、を有する。
〔1〕熱伝導層
熱伝導層は、熱伝導性シートとして使用し得る良好な熱伝導率を有する層であればその材料は限定されず、たとえば、ポリマー成分と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂製熱伝導層である。熱伝導層は十分な熱伝導特性を有するものであることが好ましく、樹脂製伝導層の場合、その熱伝導率は、0.5〜5.0W/mKであることが好ましい。
樹脂製熱伝導層を形成する熱伝導性樹脂組成物のポリマー成分としては、特に限定されるものではなく、熱伝導性シートに一般に用いられているポリマー成分を単独または複数組み合わせて用いることができる。このポリマー成分としては、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、アクリル系化合物などを例示することができる。
熱伝導性樹脂組成物の熱伝導性フィラーとしては、特に限定されず、一般的に使用されているものを用いることができる。具体例を挙げれば、例えば、酸化アルミニウム(Al23)、結晶性酸化ケイ素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ホウ素(六方晶BNや立方晶BN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、炭素繊維、ダイヤモンド、黒鉛などである。
熱伝導性フィラーの形状は、粒状、鱗片状、針状などであり得るが、より高密度充填できることから粒状であることが好ましい。粒状である熱伝導性フィラーの平均粒子径は、例えば0.1〜100μmであり、好ましくは0.5〜50μmである。
熱伝導性フィラーとして、1種の熱伝導性フィラーを単独で用いてもよいし、2種以上の熱伝導性フィラーを混合して用いてもよい。また、高密度充填性などを考慮して、平均粒子径の異なる2種以上の熱伝導性フィラーを混合して用いることもできる。
熱伝導性樹脂組成物において、熱伝導性フィラーの含有量は、ポリマー成分の合計含有量100重量部に対して、好ましくは200〜500重量部である。200重量部以上の熱伝導性フィラーを含有することにより、高い熱伝導率を有する熱伝導層が得られるので好ましい。なお、このような熱伝導層は高硬度となるが、本発明の熱伝導性シートにおいては表面層を有するので、接触熱抵抗を低下させることができ、熱伝導性シート全体としての熱抵抗を下げることができ、熱伝導効率のよい熱伝導性シートが得られる。
熱伝導性樹脂組成物は、ポリマー成分に応じて選択される硬化剤、硬化促進剤を含み、必要に応じて、老化防止剤、酸化防止剤、難燃剤、分散剤、溶剤などを含むことができる。
樹脂製熱伝導層の厚さは、熱伝導性シートの用途などにより適宜設定されるが、通常0.05〜3mm程度であり、好ましくは0.1〜1mm程度である。
樹脂製熱伝導層として、たとえば、フッ素系化合物からなるポリマー成分と、熱伝導性フィラーとが配合された熱伝導性樹脂組成物を用いて形成されたものを用いることができる。ポリマー成分としてフッ素系化合物を含む場合、後述する表面層との接着力がよいので好ましい。
〔2〕表面層
本発明の熱伝導性シートにおける表面層は、樹脂組成物の硬化物からなる。表面層は、熱伝導層の少なくとも一方の表面を被覆し、好ましくは熱伝導層の表面全体を被覆する。表面層の厚さは、10〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがさらに好ましい。表面層の厚さが10μm未満であると接触熱抵抗を低減させる効果が十分でない場合があり、また表面層の厚さが200μmを超えると熱伝導層の有する熱伝導性を低下させる場合がある。
表面層を形成する樹脂組成物は、以下の化合物を含む。
(A1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物〔以下、「フッ素系化合物(A1)」ともいう。〕、
(B1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物〔以下、「フッ素系化合物(B1)」ともいう。〕、
(A2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物〔以下、「フッ素系化合物(A2)」ともいう。〕、及び、
(B2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物〔以下、「フッ素系化合物(B2)」ともいう。〕。
上記のとおり、フッ素系化合物(A1)及び(B1)は、硬化(架橋)反応によりエラストマー特性を示すフッ素系ポリマー(ゴム状弾性体)を形成するフッ素系化合物対であり、フッ素系化合物(A2)及び(B2)は、硬化反応によりゲル特性を示すフッ素系ポリマー(ゲル状弾性体)を形成するフッ素系化合物対である。本発明は、これらのフッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)を併用し、さらにはこれらを特徴的な配合比で表面層を形成する樹脂組成物に含有させることによって、良好な低硬度性と高表面粘着性とを併せ持つ表面層を有し、優れた熱伝導効率を有する熱伝導性シートの実現を可能としたものである。
なおここで留意すべきは、本発明が単純に、エラストマー特性を示す架橋体(A1)−(B1)と、ゲル特性を示す架橋体(A2)−(B2)とブレンドすることによって、表面層の特性を調整するという着想に基づくものではないことである。本発明に係る表面層の樹脂組成物は、あらかじめ調製された架橋体(A1)−(B1)と架橋体(A2)−(B2)とを配合成分として含むものではなく、架橋前の状態のフッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)を含むものであり、したがってかかる樹脂組成物から形成される表面層は、上記4種のフッ素系化合物が種々の組み合わせで架橋し合う結果として、架橋体(A1)−(B1)及び(A2)−(B2)以外にも多種の架橋体(ポリマー鎖長等をも考慮すればさらに多種の架橋体)をバインダーとして含む。
本発明の特徴の一つは、それら同士のみで架橋したならばエラストマー特性を示す架橋体を形成するフッ素系化合物対と、それら同士のみで架橋したならばゲル特性を示す架橋体を形成するフッ素系化合物対とを併用することにより、エラストマー特性の利点とゲル特性の利点とを併せ持つ表面層を得るという着想を前提としつつも、上記のように、表面層形成時に多種にわたる架橋体が生成することを考慮して、所望の特性を有する表面層の実現のために、4種のフッ素系化合物の含有量比を適切に制御したことにある。
〔2−1〕フッ素系化合物(A1)
フッ素系化合物(A1)は、主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基(SiH基)を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%、好ましくは80〜100モル%であり(したがって、ヒドロシリル基を1個有する分子の含有率が0〜40モル%、好ましくは0〜20モル%であり)、フッ素系化合物(B1)及びフッ素系化合物(B2)のアルケニル基と付加反応可能なフッ素系化合物である。
フッ素系化合物(A1)の主鎖構造は、パーフルオロオキシアルキレン単位から構成されるものであることができ、好ましくは下記式[6]:
Figure 2014062158
(式[6]中、nは1〜10の整数である。)
で表される構造である。
フッ素系化合物(A1)として好適に用いられる化合物の代表例は、下記式[7]:
Figure 2014062158
で表されるヒドロシリル基末端フッ素系化合物である。式[7]中、nは上記と同じ意味を表す。Z1はヒドロシリル基を含む架橋部であり、Si(H)(R12を表す。Z2は、末端ヒドロシリル基を2個有する分子においては、Z1と同様、Si(H)(R22を表し、末端ヒドロシリル基を1個有する分子においては、Si(R33を表す。
上記R1、R2、R3は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換または非置換の一価炭化水素基であり、その例を挙げれば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などである。R1、R2、R3は、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基である。
フッ素系化合物(A1)は、JIS K7117−1に準拠して測定される粘度が1.5〜4.0Pa・sであることが好ましい。
式[7]で表されるフッ素系化合物(A1)として、信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 8370−A」などを好適に用いることができる。
〔2−2〕フッ素系化合物(B1)
フッ素系化合物(B1)は、主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%、好ましくは80〜100モル%であり(したがって、アルケニル基を1個有する分子の含有率が0〜40モル%、好ましくは0〜20モル%であり)、フッ素系化合物(A1)及びフッ素系化合物(A2)のヒドロシリル基と付加反応可能なフッ素系化合物である。
フッ素系化合物(B1)の主鎖構造は、パーフルオロオキシアルキレン単位から構成されるものであることができ、好ましくは上記式[6]で表される構造である。フッ素系化合物(B1)においても、式[6]中のnは1〜10の整数である。フッ素系化合物(B1)におけるnの数は、フッ素系化合物(A1)と同じであっても、異なっていてもよい。
フッ素系化合物(B1)として好適に用いられる化合物の代表例は、下記式[8]:
Figure 2014062158
で表されるアルケニル基末端フッ素系化合物である。式[8]中、nは上記と同じ意味を表す。Z3はアルケニル基を含む架橋部であり、Si(アルケニル基)(R42を表す。Z4は、末端アルケニル基を2個有する分子においては、Z3と同様、Si(アルケニル基)(R52を表し、末端アルケニル基を1個有する分子においては、Si(R63を表す。
上記R4、R5、R6は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、置換または非置換の一価炭化水素基であり、その例は、上記R1、R2、R3について述べたものと同様である。R4、R5、R6は、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基である。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、メチルビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、通常、炭素原子数2〜8、好ましくは2〜4程度のものが挙げられ、とりわけビニル基が好ましい。
フッ素系化合物(B1)は、JIS K7117−1に準拠して測定される粘度が1.5〜4.0Pa・sであることが好ましい。
式[8]で表されるフッ素系化合物(B1)として、信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 8370−B」などを好適に用いることができる。
〔2−3〕フッ素系化合物(A2)
フッ素系化合物(A2)は、主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基(SiH基)を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%、好ましくは20〜40モル%であり(したがって、ヒドロシリル基を1個有する分子の含有率が60〜100モル%、好ましくは60〜80モル%であり)、フッ素系化合物(B1)及びフッ素系化合物(B2)のアルケニル基と付加反応可能なフッ素系化合物である。
フッ素系化合物(A2)の主鎖構造は、パーフルオロオキシアルキレン単位から構成されるものであることができ、好ましくは上記式[6]で表される構造である。フッ素系化合物(A2)においても、式[6]中のnは1〜10の整数である。フッ素系化合物(A2)におけるnの数は、フッ素系化合物(A1)や(B1)と同じであっても、異なっていてもよい。
フッ素系化合物(A2)として好適に用いられる化合物の代表例は、下記式[9]:
Figure 2014062158
で表されるヒドロシリル基末端フッ素系化合物である。式[9]中、nは上記と同じ意味を表す。Z5及びZ6はそれぞれ、上記Z1及びZ2と同じ意味を表す。
フッ素系化合物(A2)は、JIS K7117−1に準拠して測定される粘度が1.5〜500Pa・sであることが好ましい。
式[9]で表されるフッ素系化合物(A2)として、信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 3405−A」、「SIFEL 3505−A」などを好適に用いることができる。
〔2−4〕フッ素系化合物(B2)
フッ素系化合物(B2)は、主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%、好ましくは20〜40モル%であり(したがって、アルケニル基を1個有する分子の含有率が60〜100モル%、好ましくは60〜80モル%であり)、フッ素系化合物(A1)及びフッ素系化合物(A2)のヒドロシリル基と付加反応可能なフッ素系化合物である。
フッ素系化合物(B2)の主鎖構造は、パーフルオロオキシアルキレン単位から構成されるものであることができ、好ましくは上記式[6]で表される構造である。フッ素系化合物(B2)においても、式[6]中のnは1〜10の整数である。フッ素系化合物(B2)におけるnの数は、フッ素系化合物(A1)や(B1)、(A2)と同じであっても、異なっていてもよい。
フッ素系化合物(B2)として好適に用いられる化合物の代表例は、下記式[10]:
Figure 2014062158
で表されるアルケニル基末端フッ素系化合物である。式[10]中、nは上記と同じ意味を表す。Z7及びZ8はそれぞれ、上記Z3及びZ4と同じ意味を表す。アルケニル基は、フッ素系化合物(B1)と同様、例えば、ビニル基、メチルビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、通常、炭素原子数2〜8、好ましくは2〜4程度のものであることができ、とりわけビニル基が好ましい。フッ素系化合物(B2)のアルケニル基は、フッ素系化合物(B1)のアルケニル基と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
フッ素系化合物(B2)は、JIS K7117−1に準拠して測定される粘度が1.5〜500Pa・sであることが好ましい。
式[10]で表されるフッ素系化合物(B2)として、信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 3405−B」、「SIFEL 3505−B」などを好適に用いることができる。
〔2−5〕フッ素系化合物の含有量
表面層を形成する樹脂組成物は、フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の含有量に関し、下記式[1]〜[3]:
〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕=20/80〜80/20 [1]
(A1)/(B1)=20/80〜80/20 [2]
(A2)/(B2)=20/80〜80/20 [3]
を満たす。
上記式[1]〜[3]を満たす含有量比で、フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)を配合した樹脂組成物を用いて、硬度が低くかつ粘着性が高い表面層を形成することにより、熱伝導性シートの接触熱抵抗を低下させて、良好な熱伝導効率を有する熱伝導性シートを得ることができる。
表面層がより優れた低硬度性を得るために、含有量比〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕は、25/75以上とすることが好ましく、30/70以上とすることがより好ましく、また、75/25以下とすることが好ましい。含有量比〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕は、例えば、70/30以下、60/40以下、あるいは50/50程度とすることができる。含有量比〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕が20/80未満である場合には、表面層への成型が困難となる傾向にある。一方、含有量比〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕が80/20を超える場合には、表面層の硬度が高くなり、熱伝導性シートの接触熱抵抗を低下させる効果が小さくなる傾向にある。
上記式[1]に加えて含有量比(A1)/(B1)及び(A2)/(B2)をそれぞれ20/80〜80/20の範囲内とする(上記式[2]及び[3]を満たす)ことにより、良好な低硬度性を得ること可能であるが、より優れた低硬度性を得るためには、含有量比(A1)/(B1)及び(A2)/(B2)は、下記式[4]及び[5]:
(A1)/(B1)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [4]
(A2)/(B2)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [5]
を満たすことが好ましい。
すなわち、上記式[4]及び[5]を満たすように、フッ素系化合物(A1)又は(B1)のいずれか一方を他方に対して過剰に配合し、フッ素系化合物(A2)又は(B2)のいずれか一方を他方に対して過剰に配合することにより、過剰分のフッ素系化合物が効果的に作用して、表面層の低硬度性を向上させることができる。ただし、上記過剰分が過度に多いと、すなわち、含有量比(A1)/(B1)又は(A2)/(B2)が20/80未満又は80/20を超える場合には、上記式[1]を満たしている場合であっても、表面層への成型が困難となる傾向にある。
なお、上記過剰分のフッ素系化合物は、表面層を構成するバインダーと分子構造が類似しているため、高温使用時においてもブリードしない(又は極めてブリードしにくい)。高温使用時における表面層含有成分のブリードは、系を汚染する要因となるが、本発明に係る熱伝導性シートの表面層はこのような不具合が生じず、高耐熱性である。
〔2−6〕白金族系触媒
表面層を形成する樹脂組成物は、フッ素系化合物のヒドロシリル基とアルケニル基との架橋反応(ヒドロシリル化反応)の触媒を含み、好ましくは白金族系触媒を含む。白金族系触媒としては、例えば白金系触媒が好ましく用いられる。白金系触媒としては、白金の単体;塩化白金酸;塩化白金;白金−オレフィン錯体;白金−アルケニルシロキサン錯体;白金−カルボニル錯体;白金−ホスフィン錯体;白金−アルコール錯体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金を担持させたものなどが挙げられる。
白金系触媒以外の白金族系触媒としては、ロジウム系化合物、ルテニウム系化合物、イリジウム系化合物、パラジウム系化合物が挙げられる。
白金族系触媒の含有量は、樹脂組成物の架橋硬化を促進するために必要な有効量であれば特に限定されず、フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の合計含有量100重量部に対して、0〜10重量部であることができ、典型的には、上記合計含有量に対して、0.1〜1000ppm程度である。
〔2−7〕その他の配合成分
表面層を形成する樹脂組成物は必要に応じて、熱伝導性フィラー、老化防止剤、酸化防止剤、難燃剤、分散剤、溶剤などを含むことができる。
熱伝導性フィラーとしては、特に限定されず、一般的に使用されているものを用いることができる。具体例を挙げれば、例えば、酸化アルミニウム(Al23)、結晶性酸化ケイ素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ホウ素(六方晶BNや立方晶BN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、炭素繊維、ダイヤモンド、黒鉛などである。
熱伝導性フィラーの形状は、粒状、鱗片状、針状などであり得るが、より高密度充填できることから粒状であることが好ましい。粒状である熱伝導性フィラーの平均粒子径は、例えば0.1〜100μmであり、好ましくは0.5〜50μmである。
熱伝導性フィラーとして、1種の熱伝導性フィラーを単独で用いてもよいし、2種以上の熱伝導性フィラーを混合して用いてもよい。
表面層の樹脂組成物において、熱伝導率を向上させることができるので、熱伝導性フィラーを含有してもよく、熱伝導性フィラーの含有量を含有する場合、その含有量は、ポリマー成分の合計含有量100重量部に対して、200重量部以下であることが好ましい。熱伝導性フィラーの含有量が200重量部を超えると、表面層の硬度が高くなり、熱伝導性シートの接触熱抵抗を十分に低下させることができない場合がある。
〔2−8〕表面層の特性
本発明の熱伝導性シートの表面層は、ASKER C硬度が60以下であることが好ましく、さらには40以下であることが好ましい。
〔3〕製造方法
上記した樹脂組成物を用いて、熱伝導層の表面に表面層を設ける。表面層は、未加硫の樹脂組成物を、熱伝導層の表面に、コーター、ロール、浸漬法などにより塗布する。その後、樹脂組成物の塗布層を加熱して硬化させる。以上の工程により、本発明の熱伝導性シートを作製することができる。
なお、熱伝導層として樹脂製熱伝導層を用いる場合は、熱伝導層を形成する熱伝導性樹脂組成物を一般的な方法によりシート成型するとともに、成型時の加熱により架橋させて熱伝導層を得ることができる。なお、この段階では、熱伝導性樹脂組成物が半加硫状態となるように成型時の加熱を行なうことが好ましい。ここでいう半加硫状態とは、キュラストメーターにて測定されるトルク値が最大トルクの50〜80%である状態を意味する。成型方法としては、プレス成型、射出成型、トランスファー成型、押出成型などを挙げることができる。
そして、半加硫状態にある熱伝導層の表面に上記の通り表面層を構成する樹脂を用いて塗布層を形成し、塗布層と半加硫状態の熱伝導層とからなる積層体を加熱して、熱伝導層と塗布層とを硬化させる。このとき、熱伝導層の未加硫部と塗布層とが結合する。以上の工程により、熱伝導層と表面層との接着性の良好な熱伝導性シートを作製することができる。
〔4〕熱伝導性シートのパラメータ
熱伝導性シートの厚さは、用途などにより適宜設定されるが、通常0.05〜3mm程度であり、好ましくは0.1〜1mm程度である。
上述の通り、本発明の熱伝導性シートは、特定の表面層を有することにより、接触熱抵抗が低いものとなる。したがって、本発明の熱伝導性シートに隣接して発熱体及び放熱体を配置した場合に、接触熱抵抗が低く、熱伝導層の熱伝導特性が十分に発揮され優れた熱伝導効率を有する。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。下記実施例及び比較例で得られた熱伝導性シートについて行なった評価試験の試験方法は次のとおりである。
(1)熱抵抗
発熱基板(発熱量:45W)上に、熱伝導性シートから切り出した縦10mm、横10mm、厚さ1.0mmの試料片を貼り付けた。試料片の上に、上記発熱基板と同じ材質からなる冷却機構付き基板を配置し、98kPaの一定荷重で圧接した。両基板には温度センサーが取り付けられており、両基板の温度をモニタリングしながら、発熱基板に通電した。通電開始から5分経過後の発熱基板の温度T1(℃)及び冷却機構付き基板の温度T2(℃)を測定し、下記式:
熱抵抗(℃/W)=(T1−T2)/Q 〔Qは発熱基板の発熱量(W)〕
に基づき熱抵抗を算出した。
(2)硬度
ASKER製のASKER C硬度計を用いて25℃での熱伝導性シートの表面層の硬度を測定した。表面層の硬度は、熱伝導層に被覆せずに、単独で0.6mmの厚さで成型した表面層の硬度を測定した。
<熱伝導層1,2>
熱伝導層1,2の形成には、表1に示される配合比率(数値の単位は重量部である)で同表に示される各配合成分を自動乳鉢を用いて混合し、さらにロールに通して高分散化させ、得られた熱伝導層形成用混練物を用いた。
Figure 2014062158
<表面層1〜6>
表面層1〜6の形成には、表2に示される配合比率(数値の単位は重量部である)で同表に示される各配合成分を自動乳鉢を用いて混合し、さらにロールを通して高分散化させ、得られた表面層形成用混練物を用いた。
Figure 2014062158
<実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−2、実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−2>
表3または表4に示される熱伝導層の熱伝導層形成用混練物を、金型を用いて熱プレス(100℃、7分間)でシート状に成型し(半加硫状態)、熱伝導層を作製した。そして、熱伝導層の両表面に、表3に示される表面層の表面層形成用混練物をディップコーターを用いて塗布した。その後、熱伝導層と、表面層形成用混練物の塗布層とからなる積層体を還流電気炉により150℃、60分間加熱し、熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートの熱伝導層の厚さは0.5mm、表面層の厚さは0.6mmであった。
<比較例1−1,1−2>
表3または表4に示される熱伝導層の熱伝導層形成用混練物を、金型を用いて熱プレス(150℃、15分間)でシート状に成型し(加硫状態)、熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートの厚さは、0.5mmであった。
Figure 2014062158
Figure 2014062158
実施例及び比較例で使用した各配合成分の詳細は次のとおりである。
〔a〕フッ素系化合物(A1):信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 8370−A」(ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%の範囲内であるフッ素系化合物)、
〔b〕フッ素系化合物(B1):信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 8370−B」(アルケニル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%の範囲内であるフッ素系化合物)、
〔c〕フッ素系化合物(A2):信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 3405−A」(ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%の範囲内であるフッ素系化合物)、
〔d〕フッ素系化合物(B2):信越化学工業(株)製の商品名「SIFEL 3405−B」(アルケニル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%の範囲内であるフッ素系化合物)、
〔e〕酸化アルミニウムA:電気化学工業(株)製「DAM−45」(平均粒子径40μm)、
〔f〕酸化アルミニウムB:電気化学工業(株)製「DAM−05A」(平均粒子径0.5μm)、
〔g〕白金触媒:田中貴金属社製「TEC10E50E」(担持量50重量%)。
表3に示されるとおり、実施例1−1〜1−4の熱伝導性シートは、表面層を有しない比較例1−1の熱伝導性シートと比較して、熱抵抗が下がっていることがわかる。また、表4に示されるとおり、実施例2−1〜2−4の熱伝導性シートは、表面層を有しない比較例2−1の熱伝導性シートと比較して、熱抵抗が下がっていることがわかる。
また、表面層を形成する樹脂組成物の、(A1)/(B1)および(A2)/(B2)が20/80〜80/20の範囲内にない表面層5,6を用いて表面層の形成を試みた比較例1−2,1−3,2−2,2−3は、強度が弱すぎて表面層が成型されなかった。
本発明の熱伝導性シートは、優れた熱伝導効率を示すものであり、各種装置や電子機器などの幅広い分野における熱伝導性シートとして好適に使用することができる。本発明の熱伝導性シートを、例えば半導体製造装置に適用した場合には、半導体製造プロセスを高温環境下で実施することが可能となるため、回路の線幅を小さくすることによるLSIの高集積化、ひいては、より高性能な半導体装置を実現し得る。

Claims (7)

  1. 熱伝導層と、樹脂組成物の硬化物からなり、前記熱伝導層の少なくとも一方の表面を被覆する表面層と、を有する熱伝導性シートであって、
    前記樹脂組成物は、
    (A1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物と、
    (B1)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が60〜100モル%であるフッ素系化合物と、
    (A2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にヒドロシリル基を1〜2個有する化合物であって、ヒドロシリル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物と、
    (B2)主鎖中にパーフルオロアルキルエーテル構造を有し、分子末端にアルケニル基を1〜2個有する化合物であって、アルケニル基を2個有する分子の含有率が0〜40モル%であるフッ素系化合物と、を含み、
    前記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の含有量に関し、下記式[1]〜[3]:
    〔(A1)+(B1)〕/〔(A2)+(B2)〕=20/80〜80/20 [1]
    (A1)/(B1)=20/80〜80/20 [2]
    (A2)/(B2)=20/80〜80/20 [3]を満たす、熱伝導性シート。
  2. 前記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)の含有量に関し、下記式[4]及び[5]:
    (A1)/(B1)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [4]
    (A2)/(B2)=20/80〜40/60又は60/40〜80/20 [5]を満たす請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 前記フッ素系化合物(A1)、(B1)、(A2)及び(B2)は、下記式[6]:
    Figure 2014062158
    (式中、nは1〜10の整数である。)
    で表される主鎖構造を有する請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
  4. 前記フッ素系化合物(B1)及び(B2)が有するアルケニル基がビニル基である請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  5. 前記樹脂組成物は、
    熱伝導性フィラーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  6. 前記表面層は、厚さが10〜200μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  7. 前記熱伝導層は、ポリマー成分と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記熱伝導性樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを、ポリマー成分の合計含有量100重量部に対して、200〜500重量部含む、請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性シート。
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