JP2014061817A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電源失陥時にも制動力を充分に確保することができるブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】
分岐油路(シミュレータ油路17)に並列に設けられた迂回油路(バイパス油路172)と、迂回油路に設けられ、ストロークシミュレータ4からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れを許容する許容弁(チェック弁30)とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるブレーキ装置に関する。
従来、マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けてブレーキ操作に対する反力を発生させるストロークシミュレータを備えたブレーキ装置が知られている。例えば特許文献1に記載のブレーキ装置は、マスタシリンダからの作動流体の送出先をストロークシミュレータからホイルシリンダに切り替えてホイルシリンダの増圧を開始する際、ストロークシミュレータ弁の閉弁タイミングを制御する。これにより、仮にマスタシリンダに充分な作動流体が残されていない場合でも、マスタシリンダと共にストロークシミュレータを液圧源として併用することで、制動力を充分に確保することを図っている。
特開2008−49899号公報
しかし、従来のブレーキ装置では、電源失陥時に、常閉型のシミュレータカット弁が直ちに閉弁されてしまい、マスタシリンダから送出された作動流体がストロークシミュレータ内に閉じ込められるため、マスタシリンダに充分な作動流体が残されていない場合には、制動力を充分に確保することができないおそれがあった。本発明の目的とするところは、ストロークシミュレータを備えたブレーキ装置において、電源失陥時にも制動力を充分に確保することができるブレーキ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のブレーキ装置は、ストロークシミュレータ弁と並列に、ストロークシミュレータからホイルシリンダへ向かう流れを許容する迂回油路を設けた。
よって、電源失陥時に、ストロークシミュレータ内の作動流体がホイルシリンダへ向かって流れ出ることを可能とし、制動力を充分に確保することができる。
ブレーキ装置1の概略構成を液圧ユニット6の油圧回路と共に示す。 シミュレータ遮断弁3の軸方向断面を示す。 運転者のブレーキ操作力によるホイルシリンダ圧の増圧時の作動状態を示す。 倍力制御によるホイルシリンダ圧の増圧時の作動状態を示す。 倍力制御によるホイルシリンダ圧の保持時の作動状態を示す。 倍力制御によるホイルシリンダ圧の減圧時の作動状態を示す。 ABS制御によるホイルシリンダ圧の減圧時の作動状態を示す。 回生協調ブレーキ制御によるホイルシリンダ圧の減圧時の作動状態を示す(ブレーキ踏込み時)。 ブレーキペダル2が踏み込まれた状態でホイルシリンダ圧を減圧した後に電源が失陥したときの作動状態を示す。
以下、本発明のブレーキ装置を実現する形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
実施例1のブレーキ装置(以下、装置1という。)は、車両の各車輪に設けられたホイルシリンダ8にブレーキ液(作動流体)を供給してブレーキ液圧を発生させることで、各車輪に液圧制動力を付与する液圧式ブレーキ装置である。装置1は、車輪を駆動する原動機として、エンジンのほか電動式のモータ(ジェネレータ)を備えたハイブリッド車や、電動式のモータ(ジェネレータ)のみを備えた電気自動車等の、電動車両のブレーキシステムに適用される。このような電動車両においては、モータ(ジェネレータ)を含む回生制動装置により、車両の運動エネルギを電気エネルギに回生することで車両を制動する回生制動を実行可能である。図1は、装置1の概略構成を液圧ユニット6の油圧回路と共に示す図である。マスタシリンダ5については、その軸を通る平面で切った部分断面を示す。以下、説明の便宜上、マスタシリンダピストン53の軸が延びる方向にx軸を設け、ブレーキペダル2とは反対側(ブレーキペダル2の踏み込みに応じてピストン53がストロークする方向)を正方向とする。装置1は2系統(プライマリP系統及びセカンダリS系統)のブレーキ配管を有しており、例えばX配管である。なお、H配管等、他の配管形式でもよい。以下、P系統に対応して設けられた部材にはその符号の末尾に添字pを、S系統に対応する部材を示す符号の末尾には添字sをそれぞれ付して区別する。
装置1は、運転者のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル2と、運転者によるブレーキペダル2の踏込み量(ペダルストローク)に対する踏込み力(ブレーキ操作力)の変化割合を可変にするリンク機構2aと、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であり大気圧に解放される低圧部であるリザーバタンク(以下、リザーバという)5aと、リンク機構2aを介してブレーキペダル2に接続されると共にリザーバ5aからブレーキ液を供給され、運転者によるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)に伴ってブレーキ液圧を発生させる第1のブレーキ液圧発生源としてのマスタシリンダ5と、ブレーキ操作量としてブレーキペダル2の変位量を検出するストロークセンサ90と、リザーバ5a又はマスタシリンダ5からブレーキ液を供給され、運転者によるブレーキ操作とは独立にブレーキ液圧を発生させる第2のブレーキ液圧発生源としての液圧ユニット(制動制御ユニット)6と、液圧ユニット6の作動を制御する電子制御ユニット(以下、ECUという)100とを備える。
リンク機構2aは、ブレーキペダル2とマスタシリンダ5との間に設けられた踏力増幅機構であり、入力側のリンク部材がブレーキペダル2に回動自在に接続されると共に、出力側のリンク部材がプッシュロッド2bに回動自在に接続される。マスタシリンダ5は、運転者のブレーキ操作の状態に応じたブレーキ液圧(マスタシリンダ液圧)を発生するタンデム型のマスタシリンダであり、有底筒状のシリンダ50と、シリンダ50の内周面に摺動可能に挿入され、ブレーキペダル2(プッシュロッド2b)と連動する2つのピストン53p,53sと、シリンダ50の内周面とピストン53p,53sの外周面との間をシールする複数のシール部材であるピストンシール55とを備える。シリンダ50の内周壁は、比較的小径に設けられた有底円筒状の小径部50aをx軸正方向側に有し、そのx軸負方向側に、比較的大径に設けられシリンダ50のx軸負方向端部に開口する円筒状の大径部50bを有する。
シリンダ50は、液圧ユニット6に接続してホイルシリンダ8と連通可能に設けられた吐出ポート(供給ポート)501と、リザーバ5aに接続してこれと連通する補給ポート502とを、P、S系統毎に備える。また、シリンダ50は、リザーバ5aに接続してこれと連通する補給ポート503と、液圧ユニット6に接続してポンプ7の吸入部70と連通する吸入ポート504と、リリーフ弁56と連通するリリーフポート505とを備える。S系統の吐出ポート501sは小径部50aのx軸正方向端部に開口し、S系統の補給ポート502sは小径部50aにおける吐出ポート501sのx軸負方向側に設けられた環状空間50cに開口する。P系統の吐出ポート501pは小径部50aにおける補給ポート502s(環状空間50c)のx軸負方向側に開口し、P系統の補給ポート502pは大径部50bに設けられた環状空間50dに開口する。リリーフポート505は大径部50bにおける環状空間50dのx軸正方向側に開口する。補給ポート503と吸入ポート504は、大径部50bにおける補給ポート502p(環状空間50d)のx軸負方向側に設けられた環状空間50eに開口する。
P系統のピストン53pは、小径部530と大径部531を備える異径ピストンである。S系統のピストン53sはシリンダ50の小径部50aに収容される。P系統のピストン53pはシリンダ50の小径部50aと大径部50bに跨って収容され、小径部530の一部がシリンダ50の小径部50aに収容され、大径部531がシリンダ50の大径部50bに収容される。ピストン53pのx軸負方向側の内周には入力部材としてのプッシュロッド2bが嵌合設置される。両ピストン53p,54sの間、及びピストン53sとシリンダ50のx軸正方向端部との間には、ピストン53を初期位置に付勢する戻しばねであるコイルスプリング54p,54sがそれぞれ押し縮められた状態で設置されている。
ピストンシール55は、シリンダ50の小径部50aと大径部50bの内周に形成された環状溝に設置される。小径部50aのx軸負方向側であってピストン53pの小径部530の摺動範囲内には、第1ピストンシール551pが設置される。S系統の補給ポート502s(環状空間50c)のx軸正方向側であってピストン53sの摺動範囲内には、第1ピストンシール551sが設置される。P系統の補給ポート502p(環状空間50d)のx軸負方向側(ピストン53pの大径部531が摺動する部位)、及びS系統の補給ポート502s(環状空間50c)のx軸負方向側であってピストン53sの摺動範囲内には、それぞれ第2ピストンシール552p,552sが設置される。P系統の補給ポート502p(環状空間50d)とリリーフポート505との間には、第3ピストンシール553が設置される。補給ポート503及び吸入ポート504(環状空間50e)のx軸負方向側(ピストン53pの大径部531が摺動する部位)には、第4ピストンシール554が設置される。ピストン53pが初期位置からx軸正方向側に所定ストロークX0以上移動すると、ピストン53p大径部531に第3ピストンシール553が摺接するようになる。
第1ピストンシール551は、そのx軸正方向側に第1液室51を画成する。P系統についてみると、第1液室51pは、主に、ピストン53p(小径部530)のx軸正方向端面とピストン53sのx軸負方向端面とシリンダ50(小径部50a)の内周面との間の空間により構成されている。第1液室51pには吐出ポート501pが常時開口する。S系統についてみると、第1液室51sは、主に、ピストン53sのx軸正方向端面とシリンダ50(小径部50a)の内周面との間の空間により構成されている。第1液室51sには吐出ポート501sが常時開口する。第2ピストンシール552は、そのx軸正方向側に第2液室52を画成する。第2液室52は、主に、ピストン53pの外周面とシリンダ50(大径部50b)の内周面との間の空間により構成されている。第2液室52にはリリーフポート505が常時開口する。第2ピストンシール552pと第4ピストンシール554との間には、補給ポート503及び吸入ポート504が常時開口する環状空間50eが画成されている。環状空間50eはリザーバ5aと液圧ユニット6とを常時連通する油路を構成している。
各ピストンシール55は、(断面形状の図示を省略するが)内径側にリップ部を備える断面カップ状のシール部材(周知のカップシール)であり、リップ部がピストン53の外周面に摺接した状態では、一方向へのブレーキ液の流れを許容し、他方向へのブレーキ液の流れを抑制する。P系統についてみると、第1ピストンシール551pは、第2液室52から第1液室51pへ向かうブレーキ液の流れのみを許容し、逆方向の流れを抑制する向きに配置されている。第2ピストンシール552pは、環状空間50e(補給ポート503等)から第2液室52へ向かうブレーキ液の流れのみを許容し、逆方向の流れを抑制する向きに配置されている。第3ピストンシール553は、ピストン53pの大径部531に摺接した状態(ピストン53pがX0以上ストロークした状態)で、環状空間50d(補給ポート502p)から第3ピストンシール553のx軸正方向側(すなわち第1ピストンシール551pの側)へ向かうブレーキ液の流れのみを許容し、逆方向の流れを抑制する向きに配置されている。第4ピストンシール554は、環状空間50e(補給ポート503等)からシリンダ50の外部へ向かうブレーキ液の流れを抑制する向きに配置されている。S系統についてみると、第1ピストンシール551sは、環状空間50c(補給ポート502s)から第1液室51sへ向かうブレーキ液の流れのみを許容し、逆方向の流れを抑制する向きに配置されている。第2ピストンシール552sは、P系統の第1液室51pから環状空間50c(補給ポート502s)へ向かうブレーキ液の流れを抑制する向きに配置されている。
以上のように、マスタシリンダ5は、リザーバ4からリリーフポート502を介してブレーキ液の補給を受けることが可能に設けられると共に吐出ポート501に接続する第1液室51を備え、第1液室51は、運転者のブレーキ操作によってピストン54がx軸正方向側にストロークすると容積が縮小し、液圧を発生する。これにより、第1液室51から吐出ポート501を介してホイルシリンダ8に向けてブレーキ液が供給される。なお、P系統とS系統では、第1液室51p,51sに略同じ液圧が発生する。
リリーフポート505には、リリーフ油路18が接続されている。リリーフ油路18は、吸入ポート504に接続されている。リリーフ油路18には、リリーフ弁56が設けられている。リリーフ弁56は、吸入ポート504側からリリーフポート505側へのブレーキ液の流れを抑制すると共に、リリーフポート505側の液圧(第2液室52の液圧)が所定圧(リリーフ圧)以上になると開弁して、リリーフポート505(第2液室52)側から吸入ポート504側へのブレーキ液の流れを許容する。ピストン53pのストロークがX0以上になると、ピストン53pの大径部531に第3ピストンシール553が摺接するようになり、第2液室52において第3ピストンシール553のx軸正方向側に画成されてリリーフポート505が開口する室から第3ピストンシール553のx軸負方向側(環状空間50d)へ向かうブレーキ液の流れが抑制される。ピストン53pのストローク増大に応じて上記室内の液圧が上昇し、第1液室51pの液圧よりも高くなる。よって、上記室内の液圧がリリーフ圧に達するまで、上記室から第1ピストンシール551pを通って第1液室51pへブレーキ液が供給される。これにより、ブレーキ踏み込み直後からマスタシリンダ5から充分な液量を供給することができる(ファーストフィル機構)。
液圧ユニット6は、接続配管を介してマスタシリンダ5及び各ホイルシリンダ8に接続されるブレーキ油圧回路を備えると共に、この油圧回路を構成する各油路の連通・遮断を切り替える電磁弁21等や、モータMにより駆動されて液圧を発生するポンプ7を備える。ポンプ7は、マスタシリンダ5と別に設けられ、ホイルシリンダ8を加圧可能な液圧源である。以下、液圧ユニット6のブレーキ油圧回路を図1に基づき説明する。各車輪FL〜RRに対応する部材には、その符号の末尾にそれぞれ添字a〜dを付して適宜区別する。液圧ユニット6は、マスタシリンダ5の吐出ポート501(第1液室51)とホイルシリンダ8とを接続する第1油路11と、第1油路11に設けられた常開型の(非通電状態で開弁する)遮断弁21と、第1油路11における遮断弁21よりもホイルシリンダ8側に、各車輪FL〜RRに対応して(油路11a〜11dに)設けられた常開型の増圧弁22と、増圧弁22をバイパスして第1油路11と並列に設けられたバイパス油路110と、バイパス油路110に設けられ、ホイルシリンダ8側からマスタシリンダ5側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁23と、マスタシリンダ5の吸入ポート504とポンプ7の吸入部70とを接続する吸入油路13と、ポンプ7の吐出部71と、第1油路11における遮断弁21と増圧弁22との間とを接続する吐出油路12と、吐出油路13に設けられ、吐出部71側から第1油路11側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁(ポンプ7の吐出弁)20と、P系統の第1油路11pにおける遮断弁21pと増圧弁22との間と、S系統の第1油路11sにおける遮断弁21sと増圧弁22との間とを接続する常閉型の(非通電状態で閉弁する)連通弁25と、ポンプ7の吐出側の油路(具体的にはP系統の第1油路11pにおける遮断弁21pと増圧弁22との間)と吸入油路13とを接続する第1減圧油路16と、第1減圧油路16に設けられた常閉型の第1減圧弁26と、第1油路11における増圧弁22よりもホイルシリンダ8側と吸入油路13とを接続する(リザーバ5aとホイルシリンダ8とを接続する)第2減圧油路14と、第2減圧油路14に設けられた常閉型の第2減圧弁24と、マスタシリンダ5と遮断弁21pとの間でP系統の第1油路11pから分岐してストロークシミュレータ4の主室40に接続するシミュレータ油路(分岐油路)17と、シミュレータ油路17に設けられた常閉型のシミュレータ遮断弁3と、シミュレータ遮断弁3をバイパス(迂回)してシミュレータ油路17と並列に設けられたバイパス油路(迂回油路)172と、バイパス油路172に設けられ、ストロークシミュレータ3の主室40側から第1油路11p側へのブレーキ液の流れを許容し、逆方向の流れを抑制するチェック弁30とを備える。吸入油路13における第1減圧油路16よりもマスタシリンダ5(吸入ポート504)側には、容積室(液溜まり)130が設けられている。
遮断弁21、増圧弁22、第1減圧弁26、各系統の第2減圧弁24のうち少なくとも1つ(本実施例では前輪FL,FRの第2減圧弁24a,24b)、及びシミュレータ遮断弁3は、ソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される比例制御弁である。他の弁(連通弁25、及び後輪RL,RRの第2減圧弁24c、24d)は、オン・オフ制御されるオン・オフ弁である。尚、上記他の弁に比例制御弁を用いることも可能である。第1油路11pにおけるマスタシリンダ5の吐出ポート501pと遮断弁21pとの間には、この箇所の液圧(マスタシリンダ圧)を検出する液圧センサ91が設けられている。第1油路11における遮断弁21と増圧弁22との間には、この箇所の液圧(ホイルシリンダ圧)を検出する液圧センサ92が設けられている。
ECU100は、ペダルストロークセンサ90及びポンプ7の吐出圧やマスタシリンダ圧を検出する液圧センサ91,92から送られる検出値、及び車両から送られる走行状態に関する情報が入力され、内蔵されるプログラムに基づき、液圧ユニット6の各アクチュエータを制御する。具体的には、各電磁弁21等の開閉やモータMの回転数(ポンプ7の吐出量)を制御する。これにより、ブレーキ操作力を低減するための倍力制御や、制動による車輪のロック傾向を抑制するためのアンチロックブレーキ制御(ABS制御)や、車両の運動制御(横滑り防止等の車両挙動安定化制御)のためのブレーキ制御(VDC制御)や、先行車追従制御等の自動ブレーキ制御や、回生ブレーキと協調して目標減速度(目標制動力)を達成するようにホイルシリンダ液圧を制御する回生協調ブレーキ制御等を実現する。倍力制御では、ブレーキ操作に応じて発生するマスタシリンダ圧に対し、液圧ユニットを駆動して(ポンプの吐出圧を用いて)形成するアシスト液圧を加圧することで、マスタシリンダ圧よりも高いホイルシリンダ圧(ホイルシリンダ液圧)を創生する。これにより、運転者のブレーキ操作力では不足する液圧制動力を発生し、ブレーキ操作を補助する倍力機能を発揮する。回生協調ブレーキ制御では、例えば運転者(ドライバ)の要求する制動力を発生させるよう、回生制動装置による回生制動力と液圧制動力とを最適に配分する。
ストロークシミュレータ27は、室内を2室(主室40と副室41)に分離して室内を軸方向に移動可能に設けられたピストン4aと、副室41内に押し縮められた状態で設置され、ピストン4aを主室40の側に常時付勢する弾性部材であるスプリング4bとを有する。主室40はシミュレータ油路17を介してP系統の第1油路11pに接続されている。副室41は低圧(大気圧)に解放されている。なお、副室41を吸入油路13に接続し、リザーバ5aの低圧(大気圧)をストロークシミュレータ4の背圧として副室41に作用させることとしてもよい。シミュレータ遮断弁3は通電されることにより開弁してシミュレータ油路17を連通させる。遮断弁21pが閉弁し、シミュレータ遮断弁3が開弁した状態では、第1油路11pとシミュレータ油路17とを介してマスタシリンダ圧が主室40に作用する。この圧力によりピストン4aがスプリング4bを押し縮めつつ副室41の側に軸方向に移動し、主室40の容積が拡大する。これにより、マスタシリンダ5(吐出ポート501p)から油路(第1油路11p及びシミュレータ油路17)を介して主室40にブレーキ液が流入する。主室40内の圧力が所定未満に減少すると、スプリング4bの付勢力(弾性力)によりピストン4aが初期位置に復帰する。このように、ストロークシミュレータ4は、遮断弁21pが閉弁してマスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通が遮断された状態で、運転者がブレーキ操作を行う(ブレーキペダル2を踏込み又は踏み戻す)と、マスタシリンダ5からのブレーキ液を吸排して、ペダルストロークを創生する。
図2は、シミュレータ遮断弁3の軸方向断面を、バイパス油路17及びチェック弁30と共に示す。説明の便宜上、アーマチュア(弁体)33の移動方向にy軸を設け、弁座部材34に対しソレノイド31の側を正方向とする。シミュレータ遮断弁3は、液圧ユニット6のハウジング60に形成されたバルブ装着孔61に装着される。シミュレータ遮断弁3は、通電されることにより電磁力(磁気吸引力)を発生するソレノイド31と、中空のシリンダである非磁性体のバルブボディ32と、バルブボディ32内をy軸方向に往復移動可能に収容され、y軸負方向側の先端に球状のプランジャ(弁体)33aが設けられたアーマチュア33と、オリフィス340がy軸正方向側の底部(弁座)34aに設けられた有底筒状の弁座部材34と、アーマチュア33とソレノイド31との間に圧縮状態で設置され、アーマチュア33をy軸負方向側に常時付勢するコイルスプリング34と、複数の油路構成部材とを有している。アーマチュア33がソレノイド31の電磁力(y軸正方向側への吸引力)により駆動され、プランジャ33aがオリフィス340を開閉することで、オリフィス340を含むシミュレータ油路17の連通状態が制御される。
油路構成部材は、第1〜第3部材35〜37とシール部材30とを有している。第1部材35は、バルブ装着孔61の開口側にフランジにより固定される中空部材である。第1部材35の内周側には弁座部材34が設置され、第1部材35の内周と弁座部材34の外周との間には油路350が形成される。第2部材36は、第1部材35のy軸負方向側に固定されるカップ状の中空部材である。第2部材36の内周側には弁座部材34が設置される。第2部材36にはその外周壁を径方向に貫通する油路360が形成されており、外周壁における油路360の開口部にはフィルタが設けられている。第3部材37は、バルブ装着孔61の底部に設置されるリング状部材(シール部材30のリテーナ)であり、その内周側には弁座部材34が設置される。第3部材37には、その内周側とy軸正方向端面とを連通する油路370が形成されている。シール部材30は、ピストンシール55と同様の断面カップ状のシール部材であり、第2部材36と第3部材37との間に設置され、その内周側には弁座部材34が設置される。シール部材30の内周側部分は弁座部材34の外周面に接しつつそのy軸方向両端が第2部材36と第3部材37により挟まれる。一方、シール部材30の外周側のリップ部は、y軸正方向側に開くようにバルブ装着孔61の内周面に接する。これにより、シール部材30(リップ部)とバルブ装着孔61の内周面との間のブレーキ液の流通は、y軸負方向側からy軸正方向側への流れのみ許容され、逆方向の流れが抑制される。
バルブ装着孔61の底部にはシミュレータ油路17のストロークシミュレータ4側の部分171が開口し、弁座部材34の内周側に設けられた油路341を介してオリフィス340に連通している。オリフィス340は、第1部材35のy軸正方向端部に設けられた凹部の内周側に開口し、弁座部材34の外周側の油路350及び径方向油路360を介して、バルブ装着孔61の内周に開口形成された油路170に連通する。油路170は、シミュレータ油路17の第1油路11p側の部分である。以上の経路により、シミュレータ遮断弁3により連通・遮断が切り替えられるシミュレータ油路17が構成される。一方、バルブ装着孔61の底部に開口するシミュレータ油路17の部分171は、第3部材37の油路370を介して、シール部材30の外周側(リップ部)のy軸負方向側とバルブ装着孔61の内周面との間に連通している。一方、シール部材30の外周側(リップ部)のy軸正方向側は、第2部材36の外周とバルブ装着孔61の内周面との間の隙間を介して、シミュレータ油路17の第1油路11p側の部分170に連通している。以上の経路により、シール部材30により流れが規制されるバイパス油路172が構成される。シール部材30は、ストロークシミュレータ4の側(油路171)から第1油路11pの側(油路170)へ向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁としての機能を有するチェック弁(逆止弁)である。
[実施例1の作用]
次に、装置1の作用を説明する。まず、正常時における装置1の作動を、図3〜図7に示す液圧ユニット6の各電磁弁21等の作動状態に基づき説明する。
図3は、ポンプ7を作動させず、運転者のブレーキ操作力(ペダル踏力)による発生するマスタシリンダ圧によりホイルシリンダ圧を増大する場合を示す。これは、運転者の要求する制動力が小さく(ブレーキ操作量が小さく)、目標減速度が低い場合に実行される。連通弁25のみを開弁方向に制御し、他のアクチュエータを非作動とする。リンク機構2aにより増幅されたペダル踏力により発生するマスタシリンダ圧が第1油路11を介して各ホイルシリンダ8に供給され、ペダル踏力に応じたホイルシリンダ圧を発生させる。なお、各車輪の制動力のバラツキを抑制するために連通弁25を開弁するが、閉弁状態のままとすることとしてもよい。
図4は、倍力制御によるホイルシリンダ圧の増圧時の作動状態を示す。ECU100の自動ブレーキ制御部101は、ブレーキ操作(踏み込み)が行われた状態で、ポンプ7を駆動すると共に、遮断弁21を閉弁方向に制御し、連通弁25を開弁方向に制御する。ポンプ7がリザーバ5aから吸入油路13を介してブレーキ液を吸入すると共に吐出油路12に吐出し、第1油路11を介してブレーキ液をホイルシリンダ8に向けて供給することで、ホイルシリンダ圧を増圧する。自動ブレーキ制御部101は、液圧センサ92等の検出値に基づき、ポンプ7の回転数(ポンプ7から吐出油路12への供給量)を制御すると共に、第1減圧弁26の開度(第1油路11から吸入油路13への排出量)を制御することで、ホイルシリンダ圧が所望の倍力比を実現する目標液圧となるように増圧制御する。また、自動ブレーキ制御部101がシミュレータ遮断弁3を開弁することで、マスタシリンダ5から供給されるブレーキ液をストロークシミュレータ3により吸収し、良好なペダルストロークを実現する。図5は、倍力制御によるホイルシリンダ圧の保持時の作動状態を示す。自動ブレーキ制御部101は、ホイルシリンダ増圧時の状態から、増圧弁22を閉弁方向に制御することで、ホイルシリンダ圧を保持する。ポンプ7が吐出したブレーキ液は第1減圧弁26を介して吸入油路13へ排出される。
図6は、倍力制御によるホイルシリンダ圧の減圧時の作動状態を示す。自動ブレーキ制御部101は、ブレーキ操作(踏み戻し)が行われた状態で、ポンプ7を駆動したまま、遮断弁21を閉弁方向に制御し、連通弁25を開弁方向に制御し、第1減圧弁26を開弁方向に制御する。ホイルシリンダ8からブレーキ液を第1油路11、第1減圧油路16、及び吸入油路13を介してリザーバ4に向けて排出することで、ホイルシリンダ圧を減圧する。自動ブレーキ制御部101は、液圧センサ92等の検出値に基づき、増圧時よりもポンプ7の回転数(ポンプ7から第1油路11への供給量)を減少させ、及び/又は第1減圧弁26の開度(第1油路11から吸入油路13への排出量)を増大させることで、ホイルシリンダ圧が所望の倍力比を実現する目標液圧となるように減圧制御する。また、自動ブレーキ制御部101がシミュレータ遮断弁3を開弁することで、増圧時にストロークシミュレータ4に貯留されたブレーキ液をマスタシリンダ5に向けて戻し、良好なペダルストロークを実現する。なお、第1減圧弁26の代わりに第2減圧弁24を開弁方向に制御して各ホイルシリンダ液圧を減圧することとしてもよい。また、ポンプ7を停止することとしてもよい。
図7は、ABS制御によるホイルシリンダ圧の減圧時の作動状態を示す。なお、図7では便宜上、全車輪のホイルシリンダ圧を減圧させた状態を示す。自動ブレーキ制御部101は、ブレーキ操作(踏み込み)が行われた状態で、ポンプ7を駆動したまま、遮断弁21を閉弁方向に制御し、連通弁25を開弁方向に制御し、第1減圧弁26を開弁方向に制御し、制御対象輪の第2減圧弁24を開弁方向に制御する。ホイルシリンダ8からブレーキ液を第2減圧油路14、及び吸入油路13を介してリザーバ4に向けて排出することで、ホイルシリンダ圧を減圧する。自動ブレーキ制御部101は、液圧センサ92等の検出値に基づき、第2減圧弁24の開弁状態を制御することで、車輪ロックが抑制される最適なスリップ率を実現する目標液圧となるようにホイルシリンダ圧を減圧制御する。ポンプ7が吐出したブレーキ液は第1減圧弁26を介して吸入油路13へ排出される。なお、ポンプ7を停止することとしてもよい。また、自動ブレーキ制御部101がシミュレータ遮断弁3を開弁することで、マスタシリンダ5からのブレーキ液をホイルシリンダ8に供給せずストロークシミュレータ3に吸収する。ABS制御によるホイルシリンダ圧の増圧時及び保持時の作動状態は、制御対象輪が個別であることを除けば、それぞれ倍力制御による増圧時及び保持時と同様である。また、VDC制御によるホイルシリンダ圧の増圧時、減圧時、及び保持時の作動状態は、それぞれABS制御による増圧時及び保持時と同様である。ただし、運転者のブレーキ操作がない状態でVDC制御が行われる場合には、シミュレータ遮断弁3を開弁せず閉弁状態のままとする。
図8は、回生協調ブレーキ制御によりホイルシリンダ圧が減圧されるときの作動状態を示す。自動ブレーキ制御部101は、ブレーキ操作(踏み込み)が行われた状態で、ポンプ7を駆動したまま、遮断弁21を閉弁方向に制御し、連通弁25を開弁方向に制御し、第1減圧弁26を開弁方向に制御する。ホイルシリンダ8からブレーキ液を第1油路11、第1減圧油路16、及び吸入油路13を介してリザーバ4に向けて排出することで、ホイルシリンダ圧を減圧する。自動ブレーキ制御部101は、液圧センサ92等の検出値に基づき、ポンプ7の回転数を減少させ、及び/又は第1減圧弁26の開度を増大させることで、回生制動力との関係で最適な目標液圧となるようにホイルシリンダ圧を減圧制御する。なお、第1減圧弁26の代わりに第2減圧弁24を開弁方向に制御してホイルシリンダ液圧を減圧することとしてもよい。また、ポンプ7を停止することとしてもよい。また、自動ブレーキ制御部101がシミュレータ遮断弁3を開弁することで、図8に示すようにブレーキペダル2が踏み込まれた状態では、マスタシリンダ5からのブレーキ液をホイルシリンダ8に供給せずストロークシミュレータ3に吸収する。一方、ブレーキペダル2が踏み戻された状態では、ストロークシミュレータ4に貯留されたブレーキ液をマスタシリンダ5に向けて戻す。回生協調ブレーキ制御によるホイルシリンダ圧の増圧時及び保持時の作動状態は、それぞれ倍力制御による増圧時及び保持時と同様である。
次に、電源失陥時の装置1の作動を説明する。図9は、ブレーキペダル2が踏み込まれた状態で液圧ユニット6によりホイルシリンダ圧を減圧した後に電源が失陥したときの作動状態を示す。電源失陥時、運転者がブレーキ操作を行っても、液圧ユニット6のポンプ7は作動せず、各電磁弁21等は非通電時の初期状態となる。よって、ブレーキペダル2の踏込みにより発生したマスタシリンダ圧は、第1油路11を介してホイルシリンダ8に供給され、ブレーキ操作力に応じたホイルシリンダ圧が発生する。ここで、電源失陥直前にブレーキペダル2が踏み込まれた状態でホイルシリンダ圧を減圧していた場合、以下のような問題が生じうる。すなわち、遮断弁21が閉弁されマスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通が遮断された状態でブレーキペダル2が踏み込まれると、マスタシリンダ5からストロークシミュレータ4にブレーキ液が吸入される。ここで、ホイルシリンダ圧の減圧制御により、ホイルシリンダ8から吸入油路13を介してリザーバ4にブレーキ液が排出されているときに、電源失陥が生じると、常閉型のシミュレータ遮断弁3が閉じてストロークシミュレータ4内にブレーキ液が閉じ込められる。その結果として、マスタシリンダ5内に残されたブレーキ液量のみでは、ホイルシリンダ8を再度増圧するのに不充分となり(すなわち電源が失陥するまでの間にストロークシミュレータ4へ流した分、失陥後にマスタシリンダ5から流れ出るブレーキ液が不充分となり)、充分な制動力を得られないおそれがある。このような場面は、例えば、運転者のブレーキ踏込み操作中にABS制御やVDC制御が介入してホイルシリンダ圧が減圧されたときや、ブレーキ踏込み操作中にホイルシリンダ圧を減圧する回生協調ブレーキ制御が行われたとき、マスタシリンダ5からのブレーキ液をストロークシミュレータ3に吸収している間に、電源が失陥した場合に生じうる。
これに対し、本実施例では、電源失陥が生じてシミュレータ遮断弁3が閉弁した状態であっても、ストロークシミュレータ4(主室40)内のブレーキ液はスプリング4bの付勢力(弾性力)等により主室40から押し出され、バイパス油路172(チェック弁30)を介して第1油路11pに戻ることが可能となっている。バイパス油路172を通って第1油路11pに戻されたブレーキ液は、(運転者のブレーキ踏込み操作により液圧剛性が高くなっている)マスタシリンダ5側よりも(減圧制御により)低圧となっているホイルシリンダ8側へ速やかに供給される。よって、電源失陥直前にブレーキペダル2が踏み込まれた状態でホイルシリンダ圧を減圧していた場合であっても、マスタシリンダ5内に残されていたブレーキ液と共に、ストロークシミュレータ3からブレーキ液をホイルシリンダ8へ供給することができるため、運転者のブレーキ操作に応じた充分な制動力を得ることができる。このように、電源失陥時にストロークシミュレータ3内のブレーキ液をホイルシリンダ8内へ流し込むバイパス油路172、及びストロークシミュレータ3からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れを許容するチェック弁30は、電源失陥時のフェールセーフ機能を有する。
なお、バイパス油路172がシミュレータ遮断弁3を迂回していれば上記作用効果が得られるため、バイパス油路172のストロークシミュレータ4とは反対側の端部は、シミュレータ油路17に接続するのではなく、第1油路11p(遮断弁21pよりもマスタシリンダ5側)に直接接続することとしてもよい。また、ストロークシミュレータ3からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れを許容する許容弁として、チェック弁30のような一方向弁に限らず、(電源失陥時に開弁する)常開型の電磁遮断弁を用いてもよい。本実施例では一方向弁としてのチェック弁30を用いることで、消費電流の増大を抑制できると共に、構成を簡素化することができる。また、図2に示すように、チェック弁30として、シミュレータ遮断弁3と一体のシール部材30を用いることで、部品点数の増大を抑制できると共に、構成をより簡素化することができる。すなわち、従来の常閉型の電磁遮断弁において、油路のシール性を確保するために設けられていたシール部材(例えばOリング)を、カップ状のシール部材に置き換える等の変更を若干加えるだけで、上記のような一方向弁としてのチェック弁30やバイパス油路172を実現することができる。したがって、部品点数の追加は殆ど必要なく、簡素な構成により上記フェールセーフ機能を実現することができる。
その他の構成による効果として、常閉の連通弁25を設けたことで、電源失陥時にも両系統のブレーキ液圧系を独立とし、各系統で独立に踏力によるホイルシリンダ増圧を可能としたため、フェールセーフ性を向上できる。また、リリーフ弁56を液圧ユニット6の側でなくマスタシリンダ5の側に設けたことで、液圧ユニット6とマスタシリンダ5とを接続するブレーキ配管の数を少なくできる。よって、この接続配管からのブレーキ液の漏れによる失陥のおそれを低減することができる。さらに、容積室(液溜まり)130を設けたことで、仮に、マスタシリンダ5の吸入ポート504と液圧ユニット6とを接続する吸入油路13の配管からのブレーキ液の漏れが生じても、容積室130がリザーバ5aの機能を代替的に発揮してホイルシリンダ圧の増減圧制御を継続することができる。よって、フェールセーフ性を向上できる。なお、容積室130を設ける代わりに、ストロークシミュレータ3の副室41と吸入油路13を接続する油路を設け、副室41により容積室130の上記フェールセーフ機能を発揮させてもよい。
[実施例1の効果]
以下、実施例1のブレーキ装置1の効果を列挙する。
(1)マスタシリンダ5とホイルシリンダ8とを結ぶ第1油路11と、マスタシリンダ5と別に設けられホイルシリンダ8を加圧可能な液圧源(ポンプ7)と、液圧源(ポンプ7)によってホイルシリンダ圧を加圧する際に第1油路11を閉じる方向に制御される常開型電磁遮断弁21と、マスタシリンダ5と常開型電磁遮断弁21との間で第1油路11から分岐しストロークシミュレータ4に接続する分岐油路(シミュレータ油路17)と、分岐油路に設けられ液圧源(ポンプ7)によってホイルシリンダ圧を加圧する際に分岐油路を開く方向に制御される常閉型電磁遮断弁であるストロークシミュレータ弁(シミュレータ遮断弁3)と、分岐油路に並列に設けられた迂回油路(バイパス油路172)と、迂回油路に設けられ、ストロークシミュレータ4からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れを許容する許容弁(チェック弁30)と、マスタシリンダ5に接続する低圧部(リザーバ5a)とホイルシリンダ8とを接続する減圧油路(吸入油路13)と、を備えた。
よって、電源失陥時にも制動力を充分に確保し、フェールセーフ性を向上することができる。
(2)許容弁(チェック弁30)は、ストロークシミュレータ4からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁である。
よって、消費電流の増大を抑制できると共に、構成を簡素化することができる。
(3)マスタシリンダ5とホイルシリンダ8とを結ぶ第1油路11と、第1油路11に設けられた常開型電磁遮断弁21と、マスタシリンダ5と常開型電磁遮断弁21との間で第1油路11から分岐しストロークシミュレータ4に接続する分岐油路(シミュレータ油路17)と、分岐油路に設けられた常閉型電磁遮断弁であるストロークシミュレータ弁(シミュレータ遮断弁3)と、マスタシリンダ5と別に設けられた液圧源(ポンプ7)と、常開型電磁遮断弁21を閉じる方向に制御し、ストロークシミュレータ弁を開く方向に制御し、マスタシリンダ5から流れ出たブレーキ液をストロークシミュレータ4に貯留する一方、液圧源(ポンプ7)を用いてホイルシリンダ液圧を増圧制御し、ホイルシリンダ8内のブレーキ液を低圧部(リザーバ5a)へ流出させることでホイルシリンダ液圧を減圧制御する自動ブレーキ制御手段(自動ブレーキ制御部101)と、分岐油路に並列に設けられ、電源失陥時にストロークシミュレータ4(主室40)内のブレーキ液をホイルシリンダ8内へ流し込む迂回油路(バイパス油路172)と、迂回油路に設けられ、ストロークシミュレータ4からホイルシリンダ8へ向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁(チェック弁30)と、を備えた。
よって、上記(1)(2)と同様の効果を得ることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、マスタシリンダ5等の具体的な構成は実施例のものに限らず、ファーストフィル機構(リリーフ弁56)やリンク機構2a等を省略することとしてもよい。また、ブレーキ装置は、マスタシリンダとホイルシリンダを接続する油路と、この油路を遮断してホイルシリンダ圧を制御可能な油圧回路と、上記遮断状態でマスタシリンダからのブレーキ液が流入可能なストロークシミュレータと、非通電状態でストロークシミュレータへの油路を遮断する常閉型電磁遮断弁とを有するものであればよく、実施例のものに限らない。また、ホイルシリンダ圧を制御するための各アクチュエータの作動方法は実施例のものに限らず、適宜変更可能である。
1 ブレーキ装置
3 シミュレータ遮断弁(ストロークシミュレータ弁)
4 ストロークシミュレータ
5 マスタシリンダ
5a リザーバ(低圧部)
7 ポンプ(液圧源)
8 ホイルシリンダ
11 第1油路
13 吸入油路(減圧油路)
17 シミュレータ油路(分岐油路)
172 バイパス油路(迂回油路)
21 常開型電磁遮断弁
30 チェック弁(許容弁、一方向弁)
101 自動ブレーキ制御部(自動ブレーキ制御手段)

Claims (3)

  1. マスタシリンダとホイルシリンダとを結ぶ第1油路と、
    前記マスタシリンダと別に設けられ前記ホイルシリンダを加圧可能な液圧源と、
    前記液圧源によって前記ホイルシリンダ圧を加圧する際に前記第1油路を閉じる方向に制御される常開型電磁遮断弁と、
    前記マスタシリンダと前記常開型電磁遮断弁との間で前記第1油路から分岐しストロークシミュレータに接続する分岐油路と、
    前記分岐油路に設けられ前記液圧源によって前記ホイルシリンダ圧を加圧する際に前記分岐油路を開く方向に制御される常閉型電磁遮断弁であるストロークシミュレータ弁と、
    前記分岐油路に並列に設けられた迂回油路と、
    前記迂回油路に設けられ、前記ストロークシミュレータから前記ホイルシリンダへ向かうブレーキ液の流れを許容する許容弁と、
    前記マスタシリンダに接続する低圧部と前記ホイルシリンダとを接続する減圧油路と、
    を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 請求項1記載のブレーキ装置において、
    前記許容弁は、前記ストロークシミュレータから前記ホイルシリンダへ向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁であることを特徴とするブレーキ装置。
  3. マスタシリンダとホイルシリンダとを結ぶ第1油路と、
    前記第1油路に設けられた常開型電磁遮断弁と、
    前記マスタシリンダと前記常開型電磁遮断弁との間で前記第1油路から分岐しストロークシミュレータに接続する分岐油路と、
    前記分岐油路に設けられた常閉型電磁遮断弁であるストロークシミュレータ弁と、
    前記マスタシリンダと別に設けられた液圧源と、
    前記常開型電磁遮断弁を閉じる方向に制御し、前記ストロークシミュレータ弁を開く方向に制御し、前記マスタシリンダから流れ出たブレーキ液を前記ストロークシミュレータに貯留する一方、前記液圧源を用いて前記ホイルシリンダ液圧を増圧制御し、前記ホイルシリンダ内のブレーキ液を低圧部へ流出させることでホイルシリンダ液圧を減圧制御する自動ブレーキ制御手段と、
    前記分岐油路に並列に設けられ、電源失陥時に前記ストロークシミュレータ内のブレーキ液を前記ホイルシリンダ内へ流し込む迂回油路と、
    前記迂回油路に設けられ、前記ストロークシミュレータから前記ホイルシリンダへ向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁と、
    を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
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