JP2014061649A - シート成形機及びシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融した熱可塑性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された溶融樹脂をシート状に成形するダイスと、回転可能な冷却ロールと、冷却ロールにシートを押圧しながら回転可能に軸支されたタッチロールとを有するシート成形機であって、タッチロールの表面は金属又はセラミックスにより構成され、冷却ロールはロール芯5の上に無機フィラーを含有するゴム層6を設け、さらにゴム層6の上に表面層としてフッ素樹脂層8を設けてなるシート成形機;並びに、このシート成形機を用いて熱可塑性樹脂をシート状に成形する工程を有するシートの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明に用いる押出機は、溶融した熱可塑性樹脂を押し出す為の装置である。この押出機としては、例えばスクリュー押出機、特に単軸スクリュー押出機や2軸スクリュー押出機など従来より知られる各種の押出機を使用できる。押出機には、通常、ホッパーや成形材料の定量供給装置(フィーダー)が付属されている。例えば、ペレット状樹脂がホッパーに投入され、樹脂の溶融温度以上に加温された押出機内に導入されながら、溶融状態の樹脂が作り出され、同時に混練される。特に2軸スクリュー押出機においては、互いに異なる方向に回転するスクリューにより樹脂を咬み込みながら、異なる原料を効率良く混練できる。
本発明のシート成形機は、回転可能な冷却ロールと、この冷却ロールにシートを押圧しながら回転可能に軸支されたタッチロールとを備える。これらのロール間にダイスから押し出された樹脂シートを通過させることにより、シートの冷却及び引取りが行われる。その際、ロールの表面形状がシート表面に転写され、これにより例えばエンボス形状や平滑面など任意の表面形状をシートに付与できる。均一な厚みのシートを製造する場合は、ロール表面は平滑であることが望ましい。
タッチロールは、ダイスから押し出された樹脂シートを冷却ロールに押圧する為のロールである。そして、本発明に用いるタッチロールの少なくとも表面は、金属又はセラミックス(好ましくは金属)により構成される。これにより、タッチロールの表面に樹脂シートが付着する事を防止出来る。金属の具体例としては、ステンレス、鉄、アルミニウム、あるいはこれらの合金が挙げられ、特にステンレス(SUS)が好ましい。セラミックスの具体例としては、アルミナ等の各種金属酸化物を基本成分とする焼結体が挙げられる。
冷却ロールは、ダイスから押し出された樹脂シートを冷却する為のロールである。そして、本発明に用いる冷却ロールは、ロール芯の上に無機フィラーを含有するゴム層を設け、さらに該ゴム層の上に表面層としてフッ素樹脂層を設けてなる。図1は、本発明に用いる冷却ロールの一例を示す模式図である。この冷却ロールのロール芯5の表面には、無機フィラーを含有するゴム層6が貼着されている。さらにゴム層6の表面には、接着剤7を介してフッ素樹脂層8が貼着されている。
本発明のシート成形機は、例えば、粘着力が高くロールに付着し易い熱可塑性樹脂のシート成形に好適に使用できる。特に、シランカップリング剤が配合されグラフトされた熱可塑性樹脂に使用することが好ましい。シランカップリング剤の量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明のシート成形機は、以上説明した押出機、ダイス、冷却ロール及びタッチロールを有する成形機である。このシート成形機を用いることにより、シートがロールに付着し難く、高速で連続的にシート成形が可能となる。
図2に示す構成のシート成形機を用い、低密度ポリエチレン(MFR=8g/10分)100部にビニルトリエトキシシラン2.5部を配合してグラフトさせた混合樹脂を、押出量約300kg、樹脂温度約190℃、ロール温度20℃、シート引取速度10m/minの条件で押出し、成形性の試験を行った。
冷却ロール4のゴム層6の無機フィラー(アルミナ)の配合量を減らして熱伝導率を0.7W/(m・k)としたこと以外は、実施例1と同様にして試験を行った。本実施例では、ゴム層6の熱伝導効率が実施例1よりも低いので、シート中央部の冷却が十分でなく波紋が入った状態となり、外観は若干損なわれるが、ロールと巻き付きを起こすことはなく、剥離性は保たれていた。
従来技術のロール構成、すなわちタッチロール3としてゴムロール(このゴムロールは実施例1の冷却ロール4における接着剤7及びフッ素樹脂層8を除いた構成のロールである)を用い、且つ冷却ロール4として金属ロールを用いこと以外は、実施例1と同様にして試験を行った。本比較例では、タッチロール3におけるシート2の剥離性が悪く、タッチロール3へシート2が巻き付いてしまった。
ビニルトリエトキシシランを含まない低密度ポリエチレン(MFR=10g/10分)を用いて同じ条件で試験したところ、実施例1及び2、比較例1のいずれの場合においても、良好な剥離状態を示し、また得られたシート外観も良好であった。これより、本発明は粘着力が高くロールに付着し易い熱可塑性樹脂(例えば実施例1のようなエチレン性シラン化合物を含む樹脂)のシート成形に特に有効であることが分かる。
2 シート
3 タッチロール(第1ロール)
4 冷却ロール(第2ロール)
5 ロール芯
6 ゴム層
7 接着剤
8 フッ素樹脂層
9 第3ロール
Claims (5)
- 溶融した熱可塑性樹脂を押し出す押出機と、
該押出機から押し出された溶融樹脂をシート状に成形するダイスと、
回転可能な冷却ロールと、
該冷却ロールに前記シートを押圧しながら回転可能に軸支されたタッチロールと
を有するシート成形機であって、
前記タッチロールの表面は、金属又はセラミックスにより構成され、
前記冷却ロールは、ロール芯の上に無機フィラーを含有するゴム層を設け、さらに該ゴム層の上に表面層としてフッ素樹脂層を設けてなることを特徴とするシート成形機。 - フッ素樹脂層は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体及びポリフッ化ビニデンからなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂からなる層である請求項1記載のシート成形機。
- 無機フィラーは、アルミナ、シリカ、クレー、酸化チタン、炭素繊維及びタルクからなる群より選ばれる少なくとも一種のフィラーである請求項1記載のシート成形機。
- 無機フィラーを含有するゴム層は、その熱伝導率が0.5〜20W/(m・k)である請求項1記載のシート成形機。
- 請求項1記載のシート成形機を用いて熱可塑性樹脂をシート状に成形する工程を有するシートの製造方法。
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2012
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