JP2014061548A - H形鋼の曲がり矯正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】H形鋼の左フランジの内面を圧下する内圧延ロール25,27と、左フランジの外面を圧下する外圧延ロール21と、床11に設置され、内圧延ロールを支持する内圧延ロールハウジング13と、外圧延ロールを支持する外圧延ロールハウジング12と、外圧延ロールハウジングの上部から左右方向に延在している軌道32と、内圧延ロールハウジングを吊下げ支持する吊下げ支持部14と、内圧延ロールハウジングを軌道に沿って移動させる移動手段15と、外圧延ロールハウジングに沿う位置まで移動した内圧延ロールハウジングを着脱自在に外圧延ロールハウジングに結合する結合手段16と、を備えている。
【選択図】図2
Description
曲がり矯正装置に搬送されてくるH形鋼の姿勢は、搬送状態が安定するH姿勢である(図13に示すように、ウェブ1aが水平に延在し、ウェブ1aの左右に一対のフランジ1b1,1b2が位置したH形鋼1の姿勢である)。このH姿勢で圧延工程から搬送されてきたH形鋼1は、図14に示すように、長手方向曲がり(図14は右フランジ1b2を内側として湾曲する右曲がりであるが、左フランジ1b1を内側として湾曲する左曲がりも含む)が発生しやすい。
この特許文献1の曲がり矯正装置は、図15に示すように、H形鋼1の左フランジ1b1の内面を圧下する内圧延ロール3と、左フランジ1b1の外面を圧下する外圧延ロール4と、内圧延ロール3及び外圧延ロール4を支持する中フレーム5と、中フレーム5の右フレーム部と装置本体6との間に配置されて中フレーム5を支持する油圧シリンダ7と、を備えている。内圧延ロール3は、H形鋼1のウェブ1aを挟んで上下に一対配置されているとともに、中フレーム5の右フレーム部に回転自在に固定されている。外圧延ロール4は、中フレーム5の左フレーム部に油圧シリンダ8を介して回転自在に、且つ左右方向に移動可能に支持されている。また、油圧シリンダ7,8は油圧配管9を介して連通している。
また、右フランジ1b2を内側として湾曲したH形鋼1の右曲がりを矯正する場合には、H形鋼1の搬送方向に図10の装置に連続して配置され、図10の装置とは構成部材を左右逆にした右曲がり用の矯正装置(不図示)により、内圧延ロール3及び外圧延ロール4間で右フランジ1b2を冷間圧延することで、H形鋼1の右曲がりが矯正される。
そして、図15の曲がり矯正装置はH姿勢のH形鋼1を矯正するので、内圧延ロール3及び外圧延ロール4は軸が上下方向に延在して配置されている。
これらのロール組み換えは、内圧延ロール3及び外圧延ロール4を支持する中フレーム5を装置本体6内部の定位置に固定した状態で、中フレーム5の上下に設けた開口部から、内圧延ロール3を支持する軸受を内蔵した支持装置と、外圧延ロール4を支持する軸受を内蔵した支持装置とを出し入れする作業を行なわなければならず、ロール組み換えに、多くの手間を要しているのが現状である。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、コンパクトな装置構成としながら、内圧延ロール、外圧延ロール及びそれらを回転自在に支持する支持装置の組み換え作業を容易に行なうことができるH形鋼の曲がり矯正装置を提供することを目的としている。
また、一の実施形態に係るH形鋼の曲がり矯正装置は、前記結合手段が、前記内圧延ロールハウジングに設けたコッター係合部と、前記外圧延ロールハウジングに沿う位置まで前記内圧延ロールハウジングが移動したときに、昇降移動させたコッターを前記コッター係合部に係合して前記内圧延ロールハウジングを着脱自在に前記外圧延ロールハウジングに結合するコッター昇降装置と、を備えている。
また、一の実施形態に係るH形鋼の曲がり矯正装置は、前記移動手段が、前記内圧延ロールハウジングを前記軌道に吊下げ支持する前記吊下げ支持部として機能するとともに、前記外圧延ロールハウジングに沿う位置から前記外圧延ロールハウジングに対して離間する位置まで前記軌道上を自走する自走手段である。
また、本発明に係る内圧延ロールハウジングは、吊下げ支持された状態で外圧延ロールハウジングに沿う位置、或いは外圧延ロールハウジングから離間した位置まで移動し、床に内圧延ロールハウジングを移動させるための軌道を設けず、大がかりな基礎工事が不要となるので、設置工事費用の低減化を図ることができる。
図1は、オフラインに配置したH形鋼1の長手方向の左曲がりを矯正する曲がり矯正装置10を示すものである。この矯正装置10に、H姿勢で搬送されてきたH形鋼1が通過することで、左曲がりが矯正される。なお、H形鋼1のH姿勢とは、図10で示したように、ウェブ1aが水平に延在し、ウェブ1aの左右に一対のフランジ1b1,1b2が位置した姿勢である。
図2に示すように、本実施形態の曲がり矯正装置10は、床11に設置した外圧延ロールハウジング12と、この外圧延ロールハウジング12の内部に配置される内圧延ロールハウジング13と、外圧延ロールハウジング12の上部からH形鋼1の搬送方向に直交する水平方向に延在している吊下げレール32と、内圧延ロールハウジング13を吊下げ支持するハウジング吊下げ支持部14と、吊下げ支持された内圧延ロールハウジング13を外圧延ロールハウジング12の内部に配置、或いは、内圧延ロールハウジング13を外圧延ロールハウジング12から分離させてH形鋼1の搬送方向に直交する水平方向(図2の左右方向)に移動させるハウジング移動部15と、外圧延ロールハウジング12の内部に配置した内圧延ロールハウジング13を外圧延ロールハウジング12に結合するハウジング結合部16と、を備えている。
一対の外圧延ハウジング板12a,12bの間には、回転軸が上下方向に延在する左外圧延ロール21と、この左外圧延ロール21を回転自在に支持する外圧延ロール支持部22と、回転動力源(不図示)から左外圧延ロール21に回転駆動力を伝達する動力伝達軸23とが配置されており、図4に示すように、左外圧延ロール21が窓12cを通過したH形鋼1の左フランジ1b1の外面に当接可能となっている。
内圧延ロールハウジング13は、図2及び図3に示すように、互いに平行に配置された一対の内圧延ハウジング板13a,13bを備え、これら一対の内圧延ハウジング板13a,13bに、前述した一対の外圧延ハウジング板12a,12bの窓12cに対向する切欠き部13cが形成されている。
上部ロール支持部26は、図4に示すように、回転軸が上下方向に延在するように軸受(不図示)を介して上部内圧延ロール25を支持しており、上部内圧延ロール25は、H形鋼1のウェブ1aより上部の左フランジ1b1の内面に当接可能となっている。
上部内圧延ロール圧下機構29は、図4に示すように、圧下シリンダのピストンロッドが上部ロール支持部26に向けて伸長することで、上部ロール支持部26に支持された上部内圧延ロール25をH形鋼1のウェブ1aより上部の左フランジ1b1の内面から外面に向けて圧下するようになっている。
また、図2及び図5に示すように、H形鋼1の搬送方向に直交する水平方向(図2左右方向)に一対の梁31a,31bが架設され、これら一対の梁31a,31b上に吊下げレール32が敷設されている。一対の梁31a,31bは、一対の外圧延ハウジング板12a,12bの上部と支柱34との間に掛け渡されている。
転動部33は、吊下げレール32上を転動する車輪35と、車輪35の脚36を支持する内圧延ハウジング板13a,13bの側面に固定した脚支持部37とを備えている。そして、本実施形態の転動部33は、回転シャフトである脚36に回転力を伝達することで脚支持部37に対して脚36が上下方向に移動する直動機構とし、この直動機構の脚36に回転力を伝達するサーボモータ38を備えている。
また、ハウジング移動部15は、図2及び図3に示すように、内圧延ロールハウジング13の連結部13dに一端が連結している駆動ロッド15aと、駆動ロッド15aに軸方向の駆動力を伝達する直動アクチュエータ15bとを備えている。
また、サーボモータ44bの逆回転により直動機構44aが下方移動すると、コッター43が下方に移動し、内圧延ロールハウジング13の内圧延側第1,第2凸部41a,40bの貫通穴42d,2eから抜け、内圧延ロールハウジング12及び外圧延ロールハウジング13は分離可能とされる。
なお、本発明に係る内圧延ロールが上部内圧延ロール25,下部内圧延ロール27に対応し、本発明に係る軌道が吊下げレール32に対応し、本発明に係る吊下げ支持部がハウジング吊下げ支持部14に対応し、本発明に係る移動手段がハウジング移動部15に対応し、本発明に係る結合手段がハウジング結合部16に対応し、本発明に係る外圧延側凸部が外圧延第1凸部〜外圧延第3凸部40a〜40cに対応し、本発明に係る内圧延側凸部が内圧延第1凸部41a,内圧延第2凸部41bに対応している。
先ず、図2において、コッター昇降機構44のサーボモータ44bを逆回転させることで直動機構44aを下方に移動する。これにより、直動機構44aに連結したコッター43を、内圧延ロールハウジング13の内圧延側第1凸部41a,第2凸部41bの貫通穴42d,42eから抜けた状態とする。これにより、内圧延ロールハウジング13及び外圧延ロールハウジング12は左右方向に分離可能となる。
そして、図7に示すように、外圧延ロールハウジング12に対して分離した内圧延ロールハウジング13は、内部に装着されている上部内圧延ロール25,下部内圧延ロール27、上部ロール支持部26及び下部ロール支持部28を、図7の左側の位置で組み換え作業を行なう。
したがって、本実施形態の曲がり矯正装置10は、ロール径が小さい上部内圧延ロール25,下部内圧延ロール27は、矯正作業による摩耗が早くロール交換周期が短いが、吊下げ支持された内圧延ロールハウジング13を外圧延ロールハウジング12から離間した位置まで容易に移動させ、広い作業スペースを確保しながら、ロール組み換え作業を容易に行なうことができる。
また、外圧延ロールハウジング12も、内圧延ロールハウジング13の移動方向と逆方向(図6の左側)からクレーンにより吊り上げ移動することで、広い作業スペースを確保しながらロール組み換え作業を容易に行なうことができる。
図8に示すように、本実施形態の曲がり矯正装置50は、外圧延ロールハウジング12と、この外圧延ロールハウジング12の内部に配置される内圧延ロールハウジング51と、外圧延ロールハウジング12の上部からH形鋼1の搬送方向に直交する水平方向に延在し、内圧延ロールハウジング13を吊下げ支持する吊下げレール32と、吊下げ支持された内圧延ロールハウジング51を外圧延ロールハウジング12の内部に配置、或いは、内圧延ロールハウジング51を外圧延ロールハウジング12から分離させてH形鋼1の搬送方向に直交する水平方向に移動させるハウジング自走部52と、外圧延ロールハウジング12の内部に配置した内圧延ロールハウジング51を外圧延ロールハウジング12に結合するハウジング結合部53と、を備えている。
このハウジング自走部52が、吊下げレール32上を図8の左方に向かって自走すると、ハウジング自走部52とともに内圧延ロールハウジング51が移動して外圧延ロールハウジング12のハウジング配置空間12dに配置される(図10参照)。また、ハウジング自走部52が吊下げレール32上を図8の右方に向かって自走すると、ハウジング自走部52とともに内圧延ロールハウジング51が外圧延ロールハウジング12に対して離間する方向に移動する(図12参照)。
本実施形態のコッター昇降装置54について、図9(a)、(b)を参照して説明する。図9(a)は、H形鋼1の搬送方向に沿う方向からコッター昇降装置54を示したものであり、図9(b)は、外圧延ロールハウジング12に対して内圧延ロールハウジング51を出し入れする方向からコッター昇降装置54を示したものである。
なお、本発明に係る内圧延ロールが上部内圧延ロール25,下部内圧延ロール27に対応し、本発明に係る軌道が吊下げレール32に対応し、本発明に係る吊下げ支持部がハウジング吊下げ支持部14に対応し、本発明に係る自走手段がハウジング自走部52に対応し、本発明に係る結合手段がハウジング結合部53に対応し、本発明に係る回転伝達手段が、駆動モータ60,ウォームギヤ61,回転力伝達ギヤ59に対応している。
先ず、図11(a),(b)において、駆動モータ60を逆回転させることで、ウォームギヤ61、回転力伝達ギヤ59を介して送りねじ軸に回転力を伝達し、回転不能のナット部材62を下方に移動させていく。このナット部材62の下方移動により、コッター係合部55の両端部55aにテーパ面64aが係合していたコッター64が、コッター係合部55との係合を解除して下方に移動していく。これにより、内圧延ロールハウジング51及び外圧延ロールハウジング12は左右方向に分離可能となる。
そして、外圧延ロールハウジング12に対して分離した内圧延ロールハウジング13は、内部に装着されている上部内圧延ロール25,下部内圧延ロール27、上部ロール支持部26及び下部ロール支持部28を、図12の左側の位置で組み換え作業を行なう。
したがって、本実施形態の曲がり矯正装置50は、内圧延ロールハウジング51を吊り下げ保持しながら吊下げレール3上を自走するハウジング自走部52を備えたことで、内圧延ロールハウジング51が移動する方向に移動手段が存在しないので、第1実施形態よりさらに広い作業スペースを確保することができ、ロール組み換え作業をさらに効率良く行うことができる。
Claims (6)
- 搬送方向に対して直交する左右方向にウェブが延在し、このウェブの左右端から上下方向に左右フランジが延在するH形鋼の長手方向曲がりを矯正する装置であって、
前記左右フランジの一方の外面を圧下する外圧延ロールと、
床に設置されており、回転軸が上下方向に延在するように軸受を介して前記外圧延ロールを支持する外圧延ロールハウジングと、
前記左右フランジの一方の内面を圧下する内圧延ロールと、
回転軸が上下方向に延在するように軸受を介して前記内圧延ロールを支持する内圧延ロールハウジングと、
前記外圧延ロールハウジングの上部に一端が設けられ、他端が前記左右方向に延在している軌道と、
前記内圧延ロールハウジングを前記軌道に吊下げ支持する吊下げ支持部と、
前記内圧延ロールハウジングを、前記外圧延ロールハウジングに沿う位置から前記外圧延ロールハウジングに対して離間する位置まで前記軌道に沿って移動させる移動手段と、
前記外圧延ロールハウジングに沿う位置まで移動した前記内圧延ロールハウジングを着脱自在に該外圧延ロールハウジングに結合する結合手段と、を備えたことを特徴とするH形鋼の曲がり矯正装置。 - 前記結合手段は、
前記外圧延ロールハウジングに設けた外圧延側凸部と、
前記外圧延ロールハウジングに沿う位置まで前記内圧延ロールハウジングが移動したときに、前記外圧延側凸部に上下方向から重合する該内圧延ロールハウジングに設けた内圧延側凸部と、
これら外圧延側凸部及び内圧延側凸部に上下方向に連通して設けた貫通穴と、
これら貫通穴に挿入することで前記外圧延側凸部及び内圧延側凸部を結合するコッターと、
このコッターを昇降させて前記貫通穴への出し入れを行なうコッター昇降機構と、を備えていることを特徴とする請求項1記載のH形鋼の曲がり矯正装置。 - 前記外圧延側凸部は、前記外圧延ロールの交換作業を行う位置から離間した前記外圧延ロールハウジングの所定位置に設けられているとともに、
前記内圧延側凸部は、前記内圧延ロールの交換作業を行う位置から離間した前記内圧延ロールハウジングの所定位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載のH形鋼の曲がり矯正装置。 - 前記結合手段は、
前記内圧延ロールハウジングに設けたコッター係合部と、
前記外圧延ロールハウジングに沿う位置まで前記内圧延ロールハウジングが移動したときに、昇降移動させたコッターを前記コッター係合部に係合して前記内圧延ロールハウジングを着脱自在に前記外圧延ロールハウジングに結合するコッター昇降装置と、を備えていることを特徴とする請求項1記載のH形鋼の曲がり矯正装置。 - 前記コッター昇降装置は、前記コッターが昇降する方向に延在している送りねじ軸と、この送りねじ軸に正逆方向の回転を伝達する回転伝達手段と、前記送りねじ軸の外周に螺合している回転不能のナット部材と、このナット部材に連結されて前記送りねじ軸に沿って平行移動する前記コッターと、を備えていることを特徴とする請求項4記載のH形鋼の曲がり矯正装置。
- 前記移動手段は、前記内圧延ロールハウジングを前記軌道に吊下げ支持する前記吊下げ支持部として機能するとともに、前記外圧延ロールハウジングに沿う位置から前記外圧延ロールハウジングに対して離間する位置まで前記軌道上を自走する自走手段であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のH形鋼の曲がり矯正装置。
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