JP2014061019A - 差込み便器およびそれに用いられる吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】上面に排泄物を受けるための部材が配置された差込み便器であって、使用者の臀部の下に差し込んだ際に当該部材がずれたり外れたりしにくい差込み便器を提供する。
【解決手段】排泄物を受ける受容部3の上面に吸収性物品11が配置された差込み便器1であって、吸収性物品11の下面に設けられた取付け手段によって、吸収性物品11が受容部3に取り付けられている。取付け手段としては、吸収性物品11の長手方向の少なくとも一方側に設けられて、長手方向の中央側に開口したポケット15であり、受容部3がポケット15に挿入されて、吸収性物品11が受容部3に取り付けられていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、寝た状態や座位状態で排泄する際に用いられる差込み便器と、それに取り付けて用いられる吸収性物品に関するものである。
差込み便器は、寝たきりの老人、身体が不自由な人、病気やケガ等で寝た状態での安静が求められる人などが排泄をする際に用いる便器である。差込み便器は一般に深皿状の形状を有しており、仰臥位または座位状態の使用者に対して、臀部の下に差し込んで使用する。差込み便器は使用者からの排泄物を直接受けて用いられることが一般的であり、使用後は排泄物をトイレに流し、差込み便器をその都度洗浄することが必要となる。しかし、差込み便器を使用の度に洗浄することは不便であり、そのような問題を解消するために、特許文献1には、差込み便器に装着して用いる差込み便器用シートが開示されている。特許文献1に開示される差込み便器用シートは、袋状シートに切り込みを入れて立体状に形成し、粘着テープで差込み便器の側面に固定することにより、差込み便器に取り付けられるものである。
特開平8−215103号公報
ところで、差込み便器は、使用の際に使用者の臀部の下に差し込んで用いられるため、使用者の臀部の下の空間が狭い場合などは、差込み便器をこの空間に挿入することが難しくなる場合がある。特に、差込み便器の上面に排泄物を受けるための部材(特許文献1に開示される差込み便器用シート等)が配置される場合などは、排泄物を受けるための部材がずれたり外れたりするおそれがある。この場合、当該部材の上に排泄することが困難となり、当該部材を設けることの目的が果たせなくなる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上面に排泄物を受けるための部材が配置された差込み便器であって、使用者の臀部の下に差し込んだ際に当該部材がずれたり外れたりしにくい差込み便器を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の差込み便器とは、排泄物を受ける受容部の上面に吸収性物品が配置された差込み便器であって、吸収性物品の下面に設けられた取付け手段によって吸収性物品が受容部に取り付けられているところに特徴を有する。本発明の差込み便器は、排泄物を受ける受容部の上面に吸収性物品が配置されているため、使用者からの排泄物を吸収性物品で受けて、使用後に吸収性物品を取り除くことで、簡単に排泄物の処理をすることができる。また、吸収性物品の下面に設けられた取付け手段によって吸収性物品が受容部に取り付けられているため、差込み便器を使用者の臀部の下に差し込む際に吸収性物品に使用者の臀部が引っ掛かっても、吸収性物品が捲れ上がったりしにくくなり、吸収性物品がずれたり外れたりしにくくなる。
取付け手段は、吸収性物品の長手方向の少なくとも一方側に設けられて、長手方向の中央側に開口したポケットであり、受容部がポケットに挿入されて、吸収性物品が受容部に取り付けられることが好ましい。取付け手段としてポケットを採用し、ポケットに受容部を挿入して吸収性物品を受容部に取り付けることにより、差込み便器を使用者の便器の下に差し込む際に、吸収性物品がずれたり外れたりすることが起こりにくくなる。
差込み便器は、受容部に開閉可能に取り付けられた蓋部を有していることが好ましい。この場合、吸収性物品には長手方向の両側にポケットが設けられ、ポケットの一方に受容部が挿入され、ポケットの他方に蓋部が挿入されていることが好ましい。受容部と蓋部をそれぞれポケットに挿入した状態で蓋部を開くと、吸収性物品を簡便かつ安定して受容部と蓋部に取り付けることができる。
差込み便器は、受容部と蓋部が紙で構成されていてもよい。受容部と蓋部が紙で構成されていれば、使用後の差込み便器をそのままゴミ箱等に廃棄することができ、差込み便器を使い捨て用途に用いることができる。
吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に配された吸収性コアを有し、トップシートの上面に液不透過性の防漏シートが設けられ、防漏シートにより、吸収性物品の長手方向の両側および幅方向の両側に防漏壁が形成されるものであることが好ましい。吸収性物品にこのように防漏壁が形成されていれば、吸収性物品に尿等が排泄された際、尿等が吸収性物品の外に飛散しにくくなる。
本発明はまた、差込み便器に取り付けて用いられる吸収性物品も提供する。本発明の吸収性物品は差込み便器に取り付けて用いられるものであって、吸収性物品の下面に差込み便器への取付け手段が設けられているところに特徴を有する。取付け手段としては、吸収性物品の長手方向の少なくとも一方側に設けられて、長手方向の中央側に開口したポケットであることが好ましい。
本発明の差込み便器は、吸収性物品の下面に設けられた取付け手段によって吸収性物品が差込み便器の受容部に取り付けられているため、差込み便器を使用者の臀部の下に差し込む際に、吸収性物品がずれたり外れたりしにくくなり、使用者からの排泄物を吸収性物品上に好適に受けることができる。
本発明の差込み便器の斜視図を表す。 図1に示した差込み便器の吸収性物品が取り外された状態を表す。 図1に示した差込み便器に取り付けられた吸収性物品を、平面状態にして下面側から見た図を表す。 図3に示した吸収性物品を上面側から見た図を表す。 図3および図4に示した吸収性物品のA−A断面図を表す。 図1に示した差込み便器に取り付けられた吸収性物品の変形例を表し、吸収性物品を平面状態にして上面側から見た図を表す。
本発明の差込み便器について、図面を参照して説明する。図1および図2は本発明の差込み便器の一例を表し、図1は本発明の差込み便器の斜視図を表し、図2は図1に示した差込み便器の吸収性物品が取り外された状態を表す。なお、本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
本発明の差込み便器1は、便器本体2と吸収性物品11とから構成され、便器本体2の上に吸収性物品11が配置されている。便器本体2の上に吸収性物品11が配置された差込み便器1を使用者の臀部の下に差し込むことにより、吸収性物品11の上面に使用者からの排泄物を受けることができる。図1に示した差込み便器1では、図面の左側の部分を使用者の足元から股間に向かって挿入することにより、差込み便器1を使用者の臀部の下に差し込んで使用する。
便器本体2は、少なくとも受容部3を有する。受容部3は、吸収性物品11が上面に載せられて、使用者からの排泄物を受ける部分である。受容部3は、上面が下に窪んだ形状を有していれば(すなわち、上面に窪みが形成されていれば)、特にその形状は限定されない。受容部3は、一般的な差込み便器と同様に、例えば2cm〜10cm程度の深さの窪みが形成されていればよい。使用者は、受容部3の上に臀部を載せることにより、受容部3の上面に載せられた吸収性物品11に排泄することができる。
便器本体2は、蓋部4を有していることが好ましい。蓋部4は受容部3に開閉可能に取り付けられており、蓋部4を閉めると受容部3の上面の窪みを覆うように形成されていることが好ましい。便器本体2に蓋部4が設けられていれば、蓋部4を開けて差込み便器1に排泄する際、蓋部4によって使用者の股間を隠すことができるとともに、尿等の飛散を抑えることができる。このとき、受容部3と蓋部4を開く角度を調整することで、尿等の飛散を効果的に抑えることができる。差込み便器1に排泄した後は、蓋部4を閉じることにより排泄物を隠すことができ、衛生的に排泄物をトイレ等に運ぶことができる。
蓋部4は、自立性を有しつつ、使用者が手で曲げたりすることができるように構成されていることが好ましい。例えば、蓋部4は軟質プラスチックで構成され、横方向に延びる複数の線状の折り曲げ線が形成されていることが好ましく、このように蓋部4が形成されていれば、差込み便器1の使用の際に蓋部4を折り曲げ線で折り曲げることにより、尿等の飛散を抑えることができる。線状の折り曲げ線は、例えば、蓋部4に線状に延びる凹凸を形成することにより設けることができる。また、蓋部4を段ボールで構成しても、同様の使い方が可能となる。なお横方向とは、差込み便器1を使用する際の使用者の左右方向に相当する。
便器本体2の平面形状は特に限定されない。図1および図2では、受容部3と蓋部4の便器本体2は平面形状が略長方形に形成されているが、例えば、吸収性物品11の形状に合わせて便器本体2を砂時計状に形成したり、受容部3と蓋部4の接合部分が幅狭に形成されることも好ましい。
吸収性物品11は、一般に使い捨ておむつや尿パッド等に用いられる吸収性物品を適用することができる。ただし、吸収性物品11の下面には取付け手段が設けられている。図面に示した吸収性物品11は、一般に用いられる砂時計形の尿パッドの下面に取付け手段を設けたものであるが、吸収性物品11の形状(平面形状)はこれに限定されず、例えば、略長方形、ひょうたん型、羽子板型等であってもよい。なお吸収性物品11の下面とは、使用者からの排泄物を受ける面と反対側の面を意味する。
吸収性物品11としては、一般に用いられる尿パッドやオープン型の使い捨ておむつ等を利用することが好ましい。尿パッドやオープン型の使い捨ておむつは平面状に形成されているため、便器本体2に取り付けやすく、また、便器本体2に取り付けた状態で吸収性物品11が嵩張りにくくなって、差込み便器1を使用者の臀部の下に挿入しやすくなる。
差込み便器1は、吸収性物品11の下面に設けられた取付け手段によって、吸収性物品11が便器本体2の少なくとも受容部3に取り付けられる。取付け手段は、吸収性物品11を便器本体2に取り付けるためのものであり、例えば、面ファスナー(フック・ループ・ファスナー)のフック部材やループ部材、粘着剤、クリップ等を用いることができる。また、取付け手段として、吸収性物品11の下面に、便器本体2の一部を挿入するためのポケットを設けてもよい。
差込み便器1は、吸収性物品11の下面に設けられた取付け手段によって吸収性物品11が受容部3に取り付けられているため、差込み便器1を使用者の臀部の下に差し込む際に吸収性物品11に使用者の臀部が引っ掛かっても、吸収性物品11が捲れ上がりにくくなり、吸収性物品11がずれたり外れたりしにくくなる。従って、差込み便器1は、使用者からの排泄物を吸収性物品11上に好適に受けることができる。使用後は、吸収性物品11を取り除くことで、簡単に排泄物の処理をすることができる。
便器本体2が蓋部4を有する場合は、吸収性物品11は、吸収性物品11の下面に設けられた取付け手段によって、蓋部4にも取り付けられることが好ましい。吸収性物品11が蓋部4にも取り付けられれば、尿等が蓋部4に飛び散っても、吸収性物品11によって尿等のはね返りを防ぎ、尿等を吸収・固定することができる。
図3〜図5には、吸収性物品11の一例を示した。図3は吸収性物品11を下面側から見た図を表し、図4は吸収性物品11を上面側から見た図を表し、図5は、図3および図4に示した吸収性物品11のA−A断面図を表す。なお図面では、矢印xが吸収性物品の幅方向、矢印yが吸収性物品の長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が吸収性物品の上下方向zを表す。
吸収性物品11は、例えば、図3〜図5に示されるように、液透過性のトップシート12と液不透過性のバックシート13との間に吸収性コア14が配されて形成される。図3〜図5では、バックシート13が吸収性物品11の下面になる。
図3に示すように、吸収性物品11の下面(バックシート13)には、取付け手段としてポケット15が設けられることが好ましい。ポケット15は、吸収性物品11の長手方向yの少なくとも一方側に、長手方向yの中央側に開口するように設けられることが好ましく、図面に示すように、吸収性物品11の長手方向yの両側に設けられることがより好ましい。なお、吸収性物品11の長手方向yの一方側および両側とは、吸収性物品11の長手方向yの中心線(当該中心線は幅方向xに延びる)に対する一方側および両側をそれぞれ意味する。また、吸収性物品11の長手方向yの中央側とは、吸収性物品11の長手方向yの中心線に向く側を意味する。
ポケット15は、例えば、吸収性物品11の下面に別のシートを部分的に接合することにより形成したり、吸収性物品11の長手方向yの端部を吸収性物品11の下面側に折り返して、折り返された端部を吸収性物品11の下面側に部分的に接合することにより形成することができる。図3では、バックシート13にポケット用シート16を部分的に接合することによりポケット15が形成されており、バックシート13とポケット用シート16との接合箇所がクロスハッチングで示されている。
差込み便器1は、ポケット15に便器本体2の一部を挿入することにより、吸収性物品11を便器本体2に取り付けることができる。ポケット15には便器本体2の受容部3を挿入して、吸収性物品11を受容部3に取り付けるようにすることが好ましく、図面では、吸収性物品11の長手方向yの一方側に設けられたポケット15aに受容部3が挿入されている。便器本体2が蓋部4を有する場合は、蓋部4を吸収性物品11の長手方向の他方側に設けられたポケット15bに挿入して、吸収性物品11を蓋部4に取り付けるようにすることが好ましい。
取付け手段としてポケット15を採用することにより、吸収性物品11を便器本体2に簡便かつ確実に取り付けることができる。例えば、ポケット15aに便器本体2の受容部3を挿入して吸収性物品11を受容部3に取り付けると、差込み便器1を使用者の臀部の下に差し込む際、臀部の下の空間が狭くても、ポケット15a側を先頭にして差込み便器1を使用者の臀部の下に差し込むことにより、吸収性物品11が受容部3からずれて配置されたり外れにくくなる。また、ポケット15aに受容部3を挿入して、さらにポケット15bに蓋部4を挿入すると、この状態で蓋部4を開くことにより、吸収性物品11を簡便かつ安定して便器本体2に取り付けることができる。
ポケット15は吸収性物品11の長手方向yの端部に設けられることが好ましい。具体的には、ポケット15の開口は、吸収性物品11の長手方向yの端から吸収性物品11の長手方向yの長さの1/4の領域(より好ましくは、吸収性物品11の長手方向yの長さの1/6の領域であり、さらに好ましくは、吸収性物品11の長手方向yの長さの1/8の領域)にあることが好ましい。このようにポケット15が設けられれば、吸収性物品11を受容部3や蓋部4へ取り付けやすくなる。
なお図面には示されていないが、ポケット15は、吸収性物品11の長手方向yの一方側に、長手方向yの中央側に開口するように複数設けられてもよい。また、ポケット15は、吸収性物品11の長手方向yの他方側にも、長手方向yの中央側に開口するように複数設けられてもよい。このように、吸収性物品11の長手方向yの一方側または他方側にポケット15が複数設けられていれば、便器本体2と吸収性物品11の相対的な大きさに応じて、ポケット15に受容部3または蓋部4を挿入する位置を調整して、吸収性物品11を便器本体2に好適に取り付けることができる。
ポケット15は、吸収性物品11の下面の他の部分(ポケット15が設けられる以外の部分)と異なる色に着色されていることが好ましい。ポケット15がこのように着色されていれば、ポケットを使用者が容易に認識できるようになり、吸収性物品11を便器本体2に取り付けやすくなる。
また図面には示されていないが、取付け手段として、ポケット15の代わりに面ファスナーや粘着剤を設ける場合も、面ファスナーや粘着剤をポケット15と同じように吸収性物品11の下面に設ければよい。この場合、取付け手段としての面ファスナーや粘着剤を吸収性物品11の長手方向yの端部に設け、吸収性物品11は、面ファスナーや粘着剤が設けられた当該端部を下面側に折り返して、受容部3の下面や蓋部4の上面に接合させることにより、便器本体2に取り付けることが好ましい。従ってこの場合、受容部3の下面や蓋部4の上面は、吸収性物品11の下面に設けられた面ファスナーや粘着剤と接合するための対応部材が設けられたり、対応部材として機能する材料で構成されていることが好ましい。例えば、取付け手段として面ファスナーのフック部材を用いる場合は、対応部材として面ファスナーのループ部材を用いることが好ましく、取付け手段として面ファスナーのループ部材を用いる場合は、対応部材として面ファスナーのフック部材を用いることが好ましく、取付け手段として粘着剤を用いる場合は、対応部材としてプラスチックフィルム等を用いることが好ましい。
図4および図5に示すように、トップシート12の上面には、幅方向xの両側に液不透過性の防漏シート17が設けられることが好ましい。防漏シート17は、トップシート12から上方に延出して、防漏壁を形成するように設けられる。防漏シート17によって防漏壁が形成されることにより、吸収性物品11上に尿等が排泄された際に、尿等が、吸収性物品11の外に飛び散るのが防止される。
防漏シート17には、自由端部(すなわち、防漏壁の上側端部)に起立用弾性部材18が伸張状態で設けられることが好ましい。このとき、起立用弾性部材18は吸収性物品11の長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。防漏シート17に起立用弾性部材18が設けられることにより、防漏シート17が上方に立ち上がって防漏壁を形成しやすくなる。
図6には、吸収性物品11の変形例を示した。図6は、吸収性物品11を上面側から見た図を表す。防漏シート17は、図6に示すように、吸収性物品11の長手方向yの両側および幅方向xの両側に防漏壁が形成されるように設けられることも好ましい。図6では、防漏シート17に開口19が設けられ、開口19の周囲に起立用弾性部材18が設けられている。防漏シート17によって吸収性物品11の長手方向yの両側および幅方向xの両側に防漏壁が形成され、これにより吸収性物品11上に尿等が排泄された際の飛散防止効果が高まる。
本発明はまた、差込み便器に取り付けて用いられる吸収性物品も提供する。本発明の吸収性物品は上記に説明したように構成され、差込み便器に好適に取り付けて用いることができる。本発明の吸収性物品は、一般的な使い捨ておむつや尿パッドと同様に使用することができ、また差込み便器に取り付けて使用することもできる。従って、使用者は、差込み便器用途のみの吸収性物品として本発明の吸収性物品を購入・保管する必要がなく、便利である。
次に、差込み便器あるいは吸収性物品を構成する各部材の材料について説明する。便器本体は、例えば、プラスチック、金属(例えば、アルミニウムやステンレス)、木、紙等から構成される。なお本発明の差込み便器は、便器本体に吸収性物品が取り付けられて構成されているため、便器本体が使い捨て可能な材料から構成されていれば、使用後の差込み便器を、例えば使い捨ておむつのようにそのまま廃棄することができるようになる。このような点から、便器本体は紙でできていることも好ましい。例えば、便器本体が受容部のみから構成されている場合は、受容部が紙製であることが好ましく、便器本体が受容部と蓋部とから構成されている場合は、受容部と蓋部が紙製であることが好ましい。紙としては、比較的安価で強度が高い点から、段ボールを用いることが好ましい。
吸収性物品のトップシートは液透過性のシート材料から構成されれば特に限定されず、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルム等を用いてもよい。
吸収性物品のバックシートや防漏シートは液不透過性のシート材料から構成されれば特に限定されず、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。本発明において、液不透過性とは撥水性の意味も含まれる。
吸収性物品のポケット用シートは、トップシートやバックシートに使用可能なシート材料を用いることができる。
吸収性物品の吸収性コアは、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収性コアとしては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等のシート部材で覆ったものを用いることができる。吸収性コアに含まれる吸収性材料としては、例えば、セルロース繊維(例えば、粉砕したパルプ繊維)等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等の体液との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
1: 差込み便器
2: 便器本体
3: 受容部
4: 蓋部
11: 吸収性物品
12: トップシート
13: バックシート
14: 吸収性コア
15: ポケット
17: 防漏シート

Claims (8)

  1. 排泄物を受ける受容部の上面に吸収性物品が配置された差込み便器であって、
    前記吸収性物品の下面に設けられた取付け手段によって、前記吸収性物品が前記受容部に取り付けられていることを特徴とする差込み便器。
  2. 前記取付け手段が、前記吸収性物品の長手方向の少なくとも一方側に設けられて、長手方向の中央側に開口したポケットであり、
    前記受容部が前記ポケットに挿入されて、前記吸収性物品が前記受容部に取り付けられている請求項1に記載の差込み便器。
  3. 前記差込み便器は、前記受容部に開閉可能に取り付けられた蓋部を有し、
    前記吸収性物品には長手方向の両側に前記ポケットが設けられ、前記ポケットの一方に前記受容部が挿入され、前記ポケットの他方に前記蓋部が挿入されている請求項2に記載の差込み便器。
  4. 前記受容部と前記蓋部が紙で構成されている請求項3に記載の差込み便器。
  5. 前記吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に配された吸収性コアを有し、
    前記トップシートの上面に液不透過性の防漏シートが設けられ、
    前記防漏シートにより、前記吸収性物品の長手方向の両側および幅方向の両側に防漏壁が形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の差込み便器。
  6. 差込み便器に取り付けて用いられる吸収性物品であって、
    吸収性物品の下面に差込み便器への取付け手段が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  7. 前記取付け手段が、吸収性物品の長手方向の少なくとも一方側に設けられて、長手方向の中央側に開口したポケットである請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記吸収性物品は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に配された吸収性コアを有し、
    前記トップシートの上面に液不透過性の防漏シートが設けられ、
    前記防漏シートにより、前記吸収性物品の長手方向の両側および幅方向の両側に防漏壁が形成される請求項6または7に記載の吸収性物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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