JP2014060260A - 導電性ペースト及び太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非鉛系でありながら、電極と半導体基板との間の接触抵抗を低くすることができる太陽電池の電極形成に適した導電性ペースト、及びこの導電性ペーストを使用することによりエネルギー変換効率が高く、電池特性が良好な太陽電池を実現する。
【解決手段】導電性ペーストが、少なくともAg粉末等の導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有している。ガラスフリットは、MoをMoOに換算して60〜90モル%含有している。この導電性ペーストを使用して受光面電極3を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ペースト及び太陽電池に関し、より詳しくは太陽電池の電極形成に適した導電性ペースト、及びこの導電性ペーストを使用して製造された太陽電池に関する。
太陽電池は、通常、半導体基板の一方の主面に所定パターンの受光面電極が形成されている。また、前記受光面電極を除く半導体基板上には反射防止膜が形成されており、入射される太陽光の反射損失を前記反射防止膜で抑制し、これにより太陽光の電気エネルギーへの変換効率を向上させている。
前記受光面電極は、通常、導電性ペーストを使用して以下のようにして形成される。すなわち、導電性ペーストは、導電性粉末、ガラスフリット、及び有機ビヒクルを含有しており、半導体基板上に形成された反射防止膜の表面に導電性ペーストを塗布し、所定パターンの導電膜を形成する。そして、焼成過程でガラスフリットを溶融させ、導電膜下層の反射防止膜を分解・除去し、これにより導電膜が焼結されて受光面電極を形成すると共に、該受光面電極と半導体基板とを接着させ、両者を導通させている。
このように焼成過程で反射防止膜を分解・除去し、半導体基板と受光面電極とを接着させる方法は、ファイヤースルー(焼成貫通)と呼ばれ、太陽電池の変換効率は、ファイヤースルー性に大きく依存する。すなわち、ファイヤースルー性が不十分であると変換効率が低下し、太陽電池としての基本性能に劣ることが知られている。
また、この種の太陽電池では、受光面電極と半導体基板との接着強度を高めるために、低軟化点のガラスフリットを使用するのが好ましいとされている。
低軟化点のガラスフリットとしては、従来より、鉛系のガラスフリットが使用されていたが、Pbは環境負荷が大きいことから、鉛系ガラスフリットに代わる新たな材料の出現が求められている。
そこで、例えば、特許文献1では、Ag粉末と、Bi、B、ZnO及びアルカリ土類金属酸化物を含む無鉛ガラス粉末と、有機物からなるビヒクルとを含み、窒化ケイ素層を貫通して前記窒化ケイ素層の下に形成されたn型半導体層と導通する電極を形成するための導電性組成物において、前記アルカリ土類金属酸化物の前記ガラス粉末中の比率が10モル%以上50モル%以下である導電性組成物が提案されている。
この特許文献1では、アルカリ土類金属酸化物のガラス粉末中の比率を10モル%以上50モル%以下とすることにより、ガラス粉末が鉛を含まない非鉛系であるにもかかわらず、ガラス粉末の塩基度を0.3〜0.8に高めることができる。そして、ガラス転移点を300℃〜450℃とすることにより、焼成中にガラスを軟化させて電極と基板との界面に流動させ、これによりガラスと窒化ケイ素層(反射防止膜)とを反応させ、焼成時に窒化ケイ素層を貫通させて電極とn型半導体基板とを密着させている。
特開2010−87501号公報(請求項1、3、段落番号〔0014〕等)
ところで、太陽電池のエネルギー変換効率を向上させるためには、受光面電極と半導体基板との間の密着性を良好にし、これら受光面電極と半導体基板との間の接触抵抗を低減する必要がある。
そして、斯かる接触抵抗を低減させるためには、導電性ペースト(導電性組成物)に含有される導電性粉末(Ag粉末)の焼結挙動を制御して該Ag粉末の熱収縮率と半導体基板の熱収縮率との差を小さくし、これにより受光面電極と半導体基板を接着させることが重要である。
しかしながら、特許文献1では、ガラスフリットのガラス転移点が300〜450℃と低く、低軟化点のガラスフリットを使用しているため、ガラスフリットは300〜450℃の低い温度領域で流動化し、斯かる温度領域で導電性粒子の焼結が促進される。すなわち、導電性粒子と半導体基板との熱収縮率の差が大きい状態で導電性粒子の焼結が促進されて半導体基板と接着することとなり、このため接触抵抗が大きくなり、所望の大きなエネルギー変換効率を得るのが困難な状況にあった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、非鉛系でありながら、電極と半導体基板との間の接触抵抗を低くすることができる太陽電池の電極形成に適した導電性ペースト、及びこの導電性ペーストを使用することによりエネルギー変換効率が高く、電池特性が良好な太陽電池を提供することを目的とする。
MoOを主成分としたMoO系ガラスフリットを熱処理すると、比較的低温の温度領域で結晶化物を析出し、その後、昇温させると再溶融する。
本発明者は、斯かるMoO系ガラスフリットの特性に着目して鋭意研究を行った。そして、ガラスフリット中のMoの含有モル量が、MoOに換算して60〜90モル%となるように導電性ペーストを調製し、この導電性ペーストを使用して電極を形成したところ、MoO系ガラスフリットは比較的低温領域で結晶化物を析出することから、導電性粉末は、低温領域での過剰な焼結が抑制された状態で半導体基板に接着し、これにより電極と半導体基板と間の接触抵抗を低減できることが分かった。しかも、その後昇温させるとガラスフリットが再溶融することから、再溶融時に導電性粉末の焼結が促進され、これにより電極のライン抵抗の低減化が可能になる。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る導電性ペーストは、太陽電池の電極を形成するための導電性ペーストであって、少なくとも導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有し、前記ガラスフリットは、MoをMoOに換算して60〜90モル%含有していることを特徴としている。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットが、BiをBiに換算し、1〜35モル%含有しているのが好ましい。
これにより導電性ペーストを容易にガラス化することができ、接触抵抗及び電極のライン抵抗の双方が低く、電池特性の良好な太陽電池が作製可能な導電性ペーストを得ることができる。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットは、アルカリ土類金属元素が、酸化物換算で1〜30モル%含有しているのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記アルカリ土類金属元素は、少なくともMg、Ca、Sr、及びBaのうちのいずれか1種類以上であるのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットは、アルカリ金属元素が、酸化物換算で5モル%以下の範囲で含有しているのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記アルカリ金属元素は、少なくともLi、Na、及びKのうちのいずれか1種類以上であるのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットは、Ti、Al、及びZrのうちの少なくとも1種以上の元素が、酸化物換算で15モル%以下の範囲で含有しているのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットは、Si及びBのうちの少なくともいずれか一方の元素が、酸化物換算で20モル%以下の範囲で含有しているのが好ましい。
これら各種添加成分を含有することにより、化学的耐久性の向上やガラスフリットの熱物性を容易に調整することが可能となる。
また、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットの含有量が、1〜10重量%であるのが好ましい。
これにより電極と半導体基板との間の接合性が良好でかつはんだ付け性の良好な導電性ペーストを得ることができる。
また、本発明の導電性ペーストは、前記導電性粉末は、Ag粉末であるのが好ましい。
これにより導電性ペーストを大気中で焼成しても良好な導電性を有する電極を得ることが可能となる。
また、本発明に係る太陽電池は、半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該記反射防止膜を貫通する電極が形成され、前記電極が、上述したいずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなることを特徴としている。
これにより電極と半導体基板との間の接触抵抗及び電極のライン抵抗の双方を低くすることができることから、エネルギー変換効率が高く、電池特性の良好な太陽電池を得ることが可能となる。
本発明の導電性ペーストによれば、少なくとも導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有し、前記ガラスフリットは、MoをMoOに換算して60〜90モル%含有しているので、ガラスフリットは比較的低温では結晶化し、結晶化物が析出することから、斯かる結晶化物が導電性粉末間に介在することによって導電性粉末の過剰な焼結が抑制される。そしてこれにより導電性粉末の収縮挙動が半導体基板の収縮挙動に近づいた状態で導電性粉末と半導体基板とを接合させることができ、半導体基板と電極との間の接触抵抗を低くすることができる。そしてその後、焼成温度を上昇させ、導電性粉末と半導体基板とが接触した後に結晶化物は再溶融して流動化し、これにより導電性粉末の焼結が促進され、焼結後の電極のライン抵抗を低くすることができる。
このように本導電性ペーストでは、電極と半導体基板との間の接触抵抗及び電極のライン抵抗の双方を低くすることができる。
また、本発明の太陽電池によれば、半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該記反射防止膜を貫通する電極が形成され、前記電極が、上記いずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなるので、電極と半導体基板との間の接触抵抗及び電極のライン抵抗の双方を低くすることができ、これによりエネルギー変換効率が高く、電池特性の良好な太陽電池を得ることが可能となる。
本発明に係る導電性ペーストを使用して製造された太陽電池の一実施形態を示す要部断面図である。 受光面電極側を模式的に示した拡大平面図である。 裏面電極側を模式的に示した拡大底面図である。 実施例で作製された電極パターンを模式的に示した平面図である。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は、本発明に係る導電性ペーストを使用して製造された太陽電池の一実施の形態を示す要部断面図である。
この太陽電池は、Siを主成分とした半導体基板1の一方の主面に反射防止膜2及び受光面電極3が形成されると共に、該半導体基板1の他方の主面に裏面電極4が形成されている。
半導体基板1は、p型半導体層1bとn型半導体層1aとを有し、p型半導体層1bの上面にn型半導体層1aが形成されている。
この半導体基板1は、例えば、単結晶又は多結晶のp型半導体層1bの一方の主面に不純物を拡散させ、薄いn型半導体層1aを形成することにより得ることができるが、p型半導体層1bの上面に、n型半導体層1aが形成されているのであれば、その構造及び製法は特に限定されるものではない。また、半導体基板1は、n型半導体層1aの一方の主面に薄いp型半導体層1bが形成された構造のものや、半導体基板1の一方の主面の一部にp型半導体層1bとn型半導体層1aの両方が形成されている構造のものを用いてもよい。いずれにしても反射防止膜2が形成された半導体基板1の主面であれば、本発明に係る導電性ペーストを有効に用いることができる。
尚、図1では、半導体基板1の表面はフラット状に記載しているが、太陽光を半導体基板1に効果的に閉じ込めるために、表面は微小凹凸構造を有するように形成されている。
反射防止膜2は、窒化ケイ素(SiN)等の絶縁性材料で形成され、矢印Aに示す太陽光の受光面への光の反射を抑制し、太陽光を半導体基板1に迅速かつ効率よく導く。この反射防止膜2を構成する材料としては、上述した窒化ケイ素に限定されるものではなく、他の絶縁性材料、例えば酸化ケイ素や酸化チタンを使用してもよく、2種類以上の絶縁性材料を併用してもよい。また、結晶Si系であれば単結晶Si及び多結晶Siのいずれを使用してもよい。
受光面電極3は、半導体基板1上に反射防止膜2を貫通して形成されている。この受光面電極3は、スクリーン印刷等を使用し、後述する本発明の導電性ペーストを半導体基板1上に塗布して導電膜を作製し、焼成することによって形成される。すなわち、受光面電極3を形成する焼成過程で、導電膜下層の反射防止膜2が分解・除去されてファイヤースルーされ、これにより反射防止膜2を貫通する形態で半導体基板1上に受光面電極3が形成される。
受光面電極3は、具体的には、図2に示すように、多数のフィンガー電極5a、5b、…5nが櫛歯状に並設されると共に、フィンガー電極5a、5b、…5nと交差状にバスバー電極6が設けられ、フィンガー電極5a、5b、…5nとバスバー電極6とが電気的に接続されている。そして、受光面電極3が設けられている部分を除く残りの領域に、反射防止膜2が形成されている。このようにして半導体基板1で発生した電力をフィンガー電極5nによって集電するとともにバスバー電極6によって外部へ取り出している。
裏面電極4は、具体的には、図3に示すように、p型半導体層1bの裏面に形成されたAl等からなる集電電極7と、該集電電極7の裏面に形成されて該集電電極7と電気的に接続されたAg等からなる取出電極8とで構成されている。そして、半導体基板1で発生した電力は集電電極7に集電され、取出電極8によって電力を取り出している。
次に、受光面電極3を形成するための本発明の導電性ペーストについて詳述する。
本発明の導電性ペーストは、少なくとも導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有している。
そして、前記ガラスフリットは、MoをMoOに換算して60〜90モル%含有している。
これにより、受光面電極3と半導体基板1との間の接触抵抗を低減することが可能となり、エネルギー変換効率が大きく、電池特性の良好な太陽電池を得ることができる。
MoOを主成分とするMoO系ガラスフリットは、焼成過程の比較的低温領域(例えば400〜500℃)で結晶化し、結晶化物を析出する。そして、斯かる結晶化物を導電性粉末間に介在させることにより受光面電極3の過剰な焼結を抑制することができる。そしてその結果、導電性粉末の収縮挙動が半導体基板1の収縮挙動に近づいた状態で導電性粉末と半導体基板1とを接合させることができ、これにより半導体基板1と受光面電極3との間の接触抵抗を低くすることができる。
そしてその後、焼成温度を上昇させ、受光面電極3と半導体基板1とが接合した後、所定の高温領域(例えば、540〜750℃)に達すると、上記結晶化物は再溶融し流動化する。そして、この再溶融時に導電性粉末の焼結が促進され、ライン抵抗の低い受光面電極3を形成することができる。
このように本導電性ペーストでは、接触抵抗及びライン抵抗の双方を低くすることができることから、この導電性ペーストを使用することにより、エネルギー変換効率が高く、電池特性の良好な太陽電池を得ることが可能となる。
そして、上述したMoOの有する特性を発揮させるためには、ガラスフリット中のMoの含有モル量はMoOに換算して60モル%以上とする必要がある。
前記ガラスフリット中のMoの含有モル量が、MoOに換算して60モル%未満になると、Moの含有モル量が十分でないため、低温領域で十分に結晶化物が析出せず、このため導電性粉末の焼結が促進されてしまうおそれがある。そしてその結果、接触抵抗を十分に低くすることができなくなる。
一方、Moの含有モル量がMoOに換算して90モル%を超えると、Moの含有モル量が過剰となってガラス化させるのが困難となり、好ましくない。
そこで、本実施の形態では、ガラスフリット中のMoの含有モル量をMoOに換算して60〜90モル%としている。
ガラスフリット中のMo以外の含有成分は、特に限定されるものではないが、所望のガラス化を実現する観点からは、ガラスの網目形成成分であるBiをBiに換算し1〜35モル%含有させるのが好ましい。
また、ガラスフリットに含有される添加成分としては、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素や、Li、Na、K等のアルカリ金属元素、さらには、Ti、Al、ZrやSi、B等を含有させるのも好ましい。例えば、上記アルカリ土類金属元素を酸化物換算で1〜35モル%、アルカリ金属を酸化物換算で5モル%以下、Ti、Al、Zrをそれぞれ酸化物換算で15モル%以下、Si及びBをそれぞれ酸化物換算で20モル%以下の範囲で含有させることにより、化学的耐久性を向上させることができ、またガラスフリットの熱物性の調整を容易に行うことができる。
尚、これらの添加成分の添加形態は、特に限定されるものではなく、酸化物、水酸化物、過酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、フッ化物等の形態で添加することができる。
また、導電性ペースト中のガラスフリットの含有量は、特に限定されるものではないが、1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。すなわち、ガラスフリットの含有量が1重量%未満になると、電極と半導体基板との接合性が低下するおそれがあり、ガラスフリットの含有量が10重量%を超えると、焼成後の電極表面にガラス成分が過剰に存在してはんだ付け性の低下を招くおそれがある。
導電性粉末としては、良好な導電性を有する金属粉であれば特に限定されるものではないが、焼成処理を大気中で行った場合であっても酸化されることなく良好な導電性を維持することができるAg粉末を好んで使用することができる。尚、この導電性粉末の形状も、特に限定されるものではなく、例えば、球形状、扁平状、不定形形状、或いはこれらの混合粉であってもよい。
また、導電性粉末の平均粒径も、特に限定されるものではないが、導電性粉末と半導体基板1との間で、所望の接触点を確保する観点からは、球形粉換算で、0.5〜5.0μmが好ましい。
また、導電性ペースト中の導電性粉末の含有量は、特に限定されるものではないが、80〜95重量%が好ましい。導電性粉末の含有量が80重量%未満になると、ライン電極の膜厚が薄くなり、ライン抵抗が増加する傾向になる。一方、導電性粉末の含有量が95重量%を超えると、有機ビヒクル等の含有量が少なくなってペースト化が困難になるおそれがある。
有機ビヒクルは、バインダ樹脂と有機溶剤とが、例えば体積比率で、1〜3:7〜9となるように調製されている。尚、バインダ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、又はこれらの組み合わせを使用することができる。また、有機溶剤についても特に限定されるものではなく、α―テルピネオール、キシレン、トルエン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を単独、或いはこれらを組み合わせて使用することができる。
また、導電性ペーストには、必要に応じて、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジブチル等の可塑剤を1種又はこれらの組み合わせを添加するのも好ましい。また、脂肪酸アマイドや脂肪酸等のレオロジー調整剤を添加するのも好ましく、さらにはチクソトロピック剤、増粘剤、分散剤などを添加してもよい。
そして、この導電性ペーストは、導電性粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、必要に応じて各種添加剤を所定の混合比率となるように秤量して混合し、三本ロールミル等を使用して分散・混練することにより、容易に製造することができる。
このように本導電性ペーストは、少なくともAg等の導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有し、前記ガラスフリットはMoをMoOに換算して60〜90モル%含有しているので、ガラスフリットは比較的低温で結晶化し、結晶化物を析出することから、斯かる結晶化物が導電性粉末間に介在することによって導電性粉末の過剰な焼結が抑制される。そしてこれにより導電性粉末の収縮挙動が半導体基板1の収縮挙動に近づいた状態で導電性粉末と半導体基板1とが接合することから、半導体基板1と受光面電極3との間の接触抵抗を低くすることができる。そして、その後焼成温度を上昇させ、受光面電極3と半導体基板1とが接触した後に結晶化物は再溶融して流動化し、これにより導電性粉末の焼結が促進され、焼結後の受光面電極3のライン抵抗を低くすることができる。
このように本導電性ペーストでは、受光面電極3と半導体基板1との間の接触抵抗及び受光面電極3のライン抵抗の双方を低くすることができる。
そして、本太陽電池は、半導体基板1の一方の主面に反射防止膜2及び該記反射防止膜2を貫通する受光面電極3が形成され、受光面電極3が、上記導電性ペーストが焼結されてなるので、受光面電極3と半導体基板1との間の接触抵抗及び受光面電極3のライン抵抗の双方を低くすることができ、これによりエネルギー変換効率が高く、電池特性の良好な太陽電池を得ることが可能となる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、導電性ペーストを受光面電極の形成用に使用したが、裏面電極の形成用に使用してもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
(導電性ペーストの作製)
ガラス素材としてMoO、Bi、MgO、CaO、SrO、BaO、LiO、KO、TiO、Al、ZrO、SiO、B、ZnO、Fe、及びTeOを用意し、表1に示すような配合量となるように、これらガラス素材を秤量して調製し、試料番号1〜22のガラスフリットを作製した。
また、導電性粉末として平均粒径が1.6μmの球形Ag粉末を用意した。
次いで、有機ビヒクルを作製した。すなわち、バインダ樹脂としてエチルセルロース樹脂10重量%、有機溶剤としてテキサノール90重量%となるようにエチルセルロース樹脂とテキサノールとを混合し、有機ビヒクルを作製した。
そして、Ag粉末が86.0重量%、ガラスフリットが3.0重量%となるように、これらを脂肪酸アマイドや脂肪酸等のレオロジー調整剤及び有機ビヒクルと共に配合し、プラネタリーミキサーで混合した後に、三本ロールミルで混練し、これにより試料番号1〜22の導電性ペーストを作製した。
(評価試料の作製)
図4に示すように反射防止膜上に所定の電極パターンを作製した。
すなわち、横Xが50mm、縦Yが50mm、厚みTが0.2mmの多結晶のSi系半導体基板21の表面全域に膜厚0.1μmの反射防止膜22をプラズマ化学気相成長法(PECVD)で形成した。尚、このSi系半導体基板21は、p型Si系半導体層の上面にn型Si系半導体層が形成されている。
次いで、上記導電性ペーストを使用してスクリーン印刷を行い、所定パターンを有する膜厚20μmの導電膜を作製した。次いで、各試料を温度150℃に設定したオーブン中に入れて導電膜を乾燥させた。
その後、ベルト式近赤外炉(デスパッチ社製、CDF7210)を使用し、試料が入口〜出口間を約1分で搬送するように搬送速度を調整し、大気雰囲気下、最高焼成温度760〜800℃で焼成し、導電性ペーストが焼結されて受光面電極が形成された試料番号1〜22の試料を作製した。尚、最高焼成温度を760〜800℃としたのは、ペースト組成によって最適な最高焼成温度が異なるからである。
ここで、各電極23a〜23fの距離L1〜L5を測定したところ、電極23aと電極23bとの間の距離L1は200μm、電極23bと電極23cとの間の距離L2は400μm、電極23cと電極23dとの間の距離L3は600μm、電極23dと電極23eとの間の距離L4は800μm、電極23eと電極23fとの間の距離L5は1000μmであった。また、電極の長さZはいずれも30mmであった。
(試料の評価)
試料番号1〜22の各試料について、TLM(Transmission Line Model)法を使用して接触抵抗Rcを求めた。
このTLM法は、薄膜試料の接触抵抗を評価する方法として広く知られており、伝送線理論を使用し、電極と下層の半導体基板をいわゆる伝送線回路と等価と考えて接触抵抗Rcを算出する。すなわち、電極23a〜23fの長さZ、n型Si系半導体層のシート抵抗RSH、電極間距離L、電極間抵抗Rとの間には、数式(1)が成立する。
R=(L/Z)×RSH+2Rc・・・(1)
数式(1)から明らかなように、電極間抵抗Rと電極間距離Lとは直線関係を有する。したがって、電極間距離Ln(n=1〜5)における各抵抗Rを測定し、Lを0に外挿することによって2Rcを求め、この2Rcから接触抵抗Rcを算出することができる。
そして、本実施例では、電極間距離Lnにおける各抵抗Rを測定し、試料番号1〜22の各試料について接触抵抗Rcを算出した。尚、n型Si系半導体層のシート抵抗RSHは、上記の数式(1)から導き出される直線について、横軸をL、縦軸をRとしたときの傾きから算出できる。ここでは30Ω/cmであった。
表1は試料番号1〜22の各試料のガラスフリットの成分組成、及び接触抵抗Rcを示している。
Figure 2014060260
試料番号18、19は、接触抵抗Rcがそれぞれ10.3Ω、9.6Ωと大きくなった。これは、ガラスフリットが特許文献1に示すようなMoOを含有しない低軟化点ガラスで形成されているため、導電性粉末の焼結が促進され、その結果導電性粉末と半導体基板との熱収縮が大きくなって接触抵抗Rcも大きくなったものと思われる。
試料番号20〜22は、ガラスフリット中にMoOが含有されているものの、55〜48モル%であり、60モル%未満と少ないため、接触抵抗Rcも7.3〜13.7Ωとなって大きくなることが分かった。
これに対し試料番号1〜17は、MoOの含有モル量が60〜90モル%であるので、接触抵抗Rcを5.5Ω以下に低減できた。すなわち、MoOがガラスフリット中で60〜90モル%含有されていれば、任意の添加成分が含有されていても接触抵抗Rcを顕著に低減できることが分かった。
非鉛系導電性ペーストを使用しても、電極と半導体基板との間の接触抵抗及び電極のライン抵抗の双方を低くすることができ、これによりエネルギー変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
1 半導体基板
2 反射防止膜
3 受光面電極(電極)

Claims (11)

  1. 太陽電池の電極を形成するための導電性ペーストであって、
    少なくとも導電性粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有し、
    前記ガラスフリットは、MoをMoOに換算して60〜90モル%含有していることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記ガラスフリットは、BiをBiに換算して1〜35モル%含有していることを特徴とする請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 前記ガラスフリットは、アルカリ土類金属元素が、酸化物換算で1〜30モル%含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電性ペースト。
  4. 前記アルカリ土類金属元素は、少なくともMg、Ca、Sr、及びBaのうちのいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項3記載の導電性ペースト。
  5. 前記ガラスフリットは、アルカリ金属元素が、酸化物換算で5モル%以下の範囲で含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 前記アルカリ金属元素は、少なくともLi、Na、及びKのうちのいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項5記載の導電性ペースト。
  7. 前記ガラスフリットは、Ti、Al、及びZrのうちの少なくとも1種以上の元素が、酸化物換算で15モル%以下の範囲で含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導電性ペースト。
  8. 前記ガラスフリットは、Si及びBのうちの少なくともいずれか一方の元素が、酸化物換算で20モル%以下の範囲で含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の導電性ペースト。
  9. 前記ガラスフリットの含有量が、1〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の導電性ペースト。
  10. 前記導電性粉末は、Ag粉末であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の導電性ペースト。
  11. 半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該記反射防止膜を貫通する電極が形成され、
    前記電極が、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなることを特徴とする太陽電池。
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