JP2014060193A - 電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気機械変換素子の製造方法 - Google Patents

電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気機械変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気機械変換特性に優れる電気機械変換素子を提供すること。
【解決手段】下地上に形成された金属層と、該金属層上の一部に形成された導電性酸化物層と、を有する第1の電極と、前記導電性酸化物層上に形成された電気機械変換膜と、前記電気機械変換膜上の少なくとも一部に形成された第2の電極と、を含み、前記第1の電極における、前記電気機械変換膜に覆われていない領域の前記下地からの高さと、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の前記下地からの高さと、の差が5nm以内である、電気機械変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気機械変換素子の製造方法に関する。
振動センサ、圧電スピーカ、各種駆動装置などの装置は、電気機械変換膜を積層した電気機械変換素子を具備している。駆動装置において、例えば、インクジェット用記録装置の液体吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、圧電素子などの電気機械変換素子とを含み、液室内のインクを加圧することでノズルからインク滴を吐出させる。
近年、より効率の良い振動や変形変位を得ることを目的として、第1の電極、電気機械変換膜及び第2の電極が積層された電気機械変換素子に関する、種々の技術提案がなされている。例えば、特許文献1では、第1の電極としてルテニウム酸ストロンチウムを使用し、この第1の電極上に、所望のパターンに電気機械変換膜を形成した電気機械変換素子が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載される電気機械変換素子は、第1の電極上への電気機械変換膜のパターニングが困難であり、パターン形状が安定せず、膜厚が不均一になる。そのため、電気機械変換素子の電気機械変換特性が不十分であった。
そこで本発明は、電気機械変換特性に優れる電気機械変換素子を提供することを目的とする。
下地上に形成された金属層と、該金属層上の一部に形成された導電性酸化物層と、を有する第1の電極と、
前記導電性酸化物層上に形成された電気機械変換膜と、
前記電気機械変換膜上の少なくとも一部に形成された第2の電極と、
を含み、
前記第1の電極における、前記電気機械変換膜に覆われていない領域の前記下地からの高さと、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の前記下地からの高さと、の差が5nm以内である、
電気機械変換素子が提供される。
本発明によれば、電気機械変換特性に優れる電気機械変換素子を提供できる。
図1は、本実施形態の液滴吐出ヘッドの構造の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る電気機械変換素子の製造方法を説明するための、概略図である。 図3は、図2(c)におけるh1とh2との関係を説明するための、拡大概略図である。 図4は、本実施形態に係る電気機械変換素子の製造方法の効果を説明するための、概略図である。 図5は、本実施形態に係る電気機械変換素子のP−Eヒステリシス曲線の例である。 図6は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための、概略図である。 図7は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための、他の概略図である。
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態や各実施例等に亘り、同一の機能もしくは形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明を避ける。なお、実施形態に記載した内容は、一形態に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
また、本実施形態において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を着弾させて画像形成を行う装置を意味し、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
さらに、本実施形態において、「液滴」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、液体などと称されるものを含み、画像形成を行うことが可能に微細粒状化して液滴にできる全ての液体の液滴の総称として用いる。また、「記録媒体」とは、材質を紙に限定するものではなく、OHPシート、布なども含み、液滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録紙、記録用紙、使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒あるいは単に用紙等と称されるものを含むものの総称として用いる。また、画像とは2次元画像に限らず、3次元画像も含まれる。
本実施形態は、電気機械変換素子を含む液滴吐出ヘッド、該液滴吐出ヘッドを含む画像形成装置を、対象として含む。上述の画像形成装置は、一般的に、インクジェット記録装置とも呼ばれる。なお、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置の具体的な構成例については後述の実施形態で詳細に説明する。
インクジェット記録装置は、騒音が小さい、高速印字が可能である、インクの自由度があり安価な記録媒体である普通紙を使用できる、等の多くの利点を有する。そのため、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の複数の画像形成機能を備えた複合機等の画像記録装置或いは画像形成装置として広く使用されている。
インクジェット記録装置において使用する液滴吐出装置は、インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルが連通する液室(吐出室、加圧室、圧力室、インク流路等とも称される)と、液室内のインクを吐出するための圧力発生手段と、を含む。
本実施形態において圧力発生手段は、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて液室の壁面を形成している振動板を変形させることで、インク滴を吐出させるピエゾ型などが使用される。また、本実施形態において、ピエゾ型の圧力発生手段は、d31方向の変形を利用した横振動(ベンドモード)型のものが挙げられる。
(液滴吐出ヘッド)
本実施形態の電気機械変換素子を液滴吐出ヘッドに適用した場合の、実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の液滴吐出ヘッドの構造の一例を示す模式図を示す。
図1(a)に示すように、本実施形態における液滴吐出ヘッド10は、液滴(例えばインク滴)を吐出するノズル孔11が形成されたノズル板12と、ノズル孔11が連通する液室21(インク流路、加圧液室、加圧室、吐出室、圧力室等とも称される)と、加圧室内の液滴を加圧する電気機械変換素子40と、インク流路の壁面を形成する振動板30と、を備えている。
本実施形態において、電気機械変換素子40は、金属層42と該金属層42上の一部に形成された導電性金属層43とから形成される第1の電極44と、該導電性金属層43上に形成された電気機械変換膜45と、該電気機械変換膜45上の少なくとも一部に形成された第2の電極46と、を含む。また、液室21は、ノズル板12と液室基板20と振動板30とから形成される。
電気機械変換素子40は、ノズル板12と対向する側に配置され、液室21の壁面を構成する振動板30を変形変位させることで、液室21内の液滴をノズル孔11から吐出させるピエゾ型の電気機械変換素子である。電気機械変換素子40は、第1の電極44と第2の電極46との間に電圧がかけられたときに変形変位する。
また、第1の電極44と振動板30との密着性を良好にするために、振動板30上には、例えば、Ti、TiO、TiN、Ta、Ta、Ta等の密着層41を設けても良い。
本実施形態において、第1の電極44における、前記電気機械変換膜45に覆われていない領域の下地からの高さh1と、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の下地からの高さh2と、の差は、5nm以内であることが好ましい。
図1(b)及び図1(c)に、本実施形態の液滴吐出ヘッドであって、h1とh2との関係をより詳細に説明するための図を示す。図1(b)の例では、第1の電極44における、電気機械変換膜45に覆われていない領域の密着層41からの高さh1が、金属層42と導電性酸化物層43との界面の密着層41からの高さh2よりも大きい。この場合は、h1−h2が5nm以内となるように構成する。一方、図1(c)の例では、金属層42と導電性酸化物層43との界面の密着層41からの高さh2が、第1の電極44における、電気機械変換膜45に覆われていない領域の密着層41からの高さh1よりも大きい。この場合は、h2−h1が5nm以内となるように構成する。即ち、本実施形態においては、h1とh2の差の絶対値が5nm以内となるように構成する。h1とh2との差の絶対値を5nm以内とすることによって、後述する基板の表面改質において、疎水性領域と親水性領域との純水に対する接触角のコントラストを十分大きくすることができる。
なお、図1は、本実施形態の電気機械変換素子を液滴吐出ヘッドに適用した例について、記載したものであるが、本発明はこの点において限定されない。本実施形態の電気機械変換素子は、例えば、マイクロポンプ、超音波モータ、加速度センサ、プロジェクタ用2軸スキャナ、輸液ポンプ、その他などの用途で、使用されても良い。
(電気機械変換膜)
本実施形態においては、電気機械変換膜45の材料として、PZTを主に使用した。PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体である。例えば、PbZrOとPbTiOの比率が54:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.54、Ti0.47)O、一般にはPZT(54/47)と示されるPZTなどを使用することができる。PbZrOとPbTiOの比率によって、PZTの特性が異なる。
電気機械変換膜としてPZTを使用する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物を使用し、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、PZT前駆体溶液を作成する。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物の混合量は、所望のPZTの組成(PbZrOとPbTiOの比率)に応じて、当業者が適宜選択できるものである。
なお、金属アルコキシド化合物は、大気中の水分により容易に分解する。そのため、PZT前駆体溶液に、安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定剤を添加しても良い。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x、 Ba)(Zr、 Ti)O、(Pb1−x、 Sr)(Zr, Ti)O、と表され、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
電気機械変換膜45の形成(成膜)方法については、後述する。
[第1の電極]
本実施形態において、第1の電極は、金属層と該金属層上の一部に形成された導電性金属層とを積層した構造のものを使用することができる。
金属層で使用される金属は、後述するアルカンチオールとの反応によりSAM(Self Assembled Monolayer)膜を形成することができれば特に限定されず、例えば、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)の白金族金属や、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)などの金属、及び、これらの金属を含む合金材料などを使用することができる。
また導電性金属層としては、例えば、化学式ABOで記述され、A=Sr、Ba、Ca、La、 B=Ru、Co、Ni、を主成分とする複合酸化物や、SrRuOやCaRuO、これらの固溶体である(Sr1−x Ca)Oのほか、LaNiOやSrCoO、さらにはこれらの固溶体である(La, Sr)(Ni1−y Co)O (y=1でも良い)が挙げられる。それ以外の酸化物材料として、IrO、RuOも挙げられる。
[第2の電極]
また、第2の電極の材料としても、第1の電極と同様の、高い耐熱性を有する金属などの材料を使用することができる。第2の電極は、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜法などの方法により作製することができる。
[振動板]
第1の電極は、電気機械変換素子に信号入力する際の共通電極として電気的接続をするので、その下部にある振動板は絶縁体又は導体を絶縁処理したものを使用することができる。
振動板の具体的な材料としては、例えば、厚さ略数ミクロンのシリコン酸化膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜又はこれらの膜を積層した膜などを使用することができる。また、熱膨張差を考慮した酸化アルミニウム膜、ジルコニア膜などのセラミック膜も使用することができる。
振動板の成膜方法としては、例えば、シリコン系絶縁膜は、CVD又はシリコン系膜を熱酸化処理することにより得ることができる。金属酸化膜は、スパッタリング法などにより成膜することができる。
(電気機械変換素子の製造方法)
本実施形態に係る電気機械変換素子の製造方法について、図を参照して説明する。
本実施形態における電気機械変換素子の製造方法は、
下地上に金属層及び導電性酸化物層を積層する工程と、
導電性酸化物層上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、
レジスト膜を露光、現像してパターニングする工程と、
パターニングされたレジスト膜をマスクとして、第1の電極における、レジスト膜に覆われていない領域の下地からの高さと、金属層と導電性酸化物層との界面の下地からの高さと、の差が5nm以内となるようにドライエッチングする工程と、
領域を疎水性に表面改質する工程と、
第1の電極上の表面改質されていない領域に、インクジェット方式により、電気機械変換膜の前駆体を含むゾルゲル液を塗布する工程と、
塗布された前記ゾルゲル液を熱処理する工程と、
を含む。
図2に、本実施形態に係る電気機械変換素子の製造方法を説明するための、概略図を示す。図2(a)に示すように、下地50上に、第1の電極44として、金属層42と導電性酸化物層43との積層構造を形成させる。金属層42及び導電性酸化物43層は、通常、良好な結晶性を得るために、下地50を加熱しながらスパッタ法や蒸着法などの方法により成膜することができる。
次に、図2(b)に示すように、導電性酸化物層43上に、フォトレジスト51を塗布する。フォトレジスト51を、公知のフォトリソグラフィー法を用いて露光、現像してパターニングし、パターニングされたフォトレジスト51をマスクとして導電性酸化物43層をドライエッチングすることにより、図2(c)に示すように、第1の電極44をパターニングする。このとき、第1の電極44における、フォトレジスト51に覆われていない領域の高さh1と、金属層42と導電性酸化物層43との界面の高さh2と、の差が5nm以内となるように、ドライエッチングする。
図3に、図2(c)におけるh1とh2との関係を説明するための、拡大概略図を示す。導電性酸化物43のドライエッチングでは、図3(a)に示すように、フォトレジスト51に覆われていない領域の下地50からの高さh1が、金属層42と導電性酸化物層43との界面の下地50からの高さh2より大きくなるようにエッチングしても良い(表1の実施例1参照)。また、図3(b)に示すように、金属層42と導電性酸化物層43との界面の下地50からの高さh2がフォトレジスト51に覆われていない領域の下地50からの高さh1より大きくなるように、導電性酸化物43をドライエッチングしても良い(表1の実施例3参照)。しかしながら、図3(a)、図3(b)のいずれの実施形態の場合においても、h1とh2の差の絶対値が5nm以内となるように、導電性酸化物43をドライエッチングする。
第1の電極44を形成させる際の下地50が有する熱履歴により、金属層42と導電性酸化物層43との界面付近では、互いの層の金属元素が拡散する。本実施形態では、この状態で、パターニングされたフォトレジスト51をマスクとして、導電性酸化物43層を金属層42との界面付近までエッチングしている。そのため、図2(c)に示すように、下地50の表面には、導電性酸化物43が露出する領域Aと、金属層42及び導電性酸化物43が混在して露出する領域Bとが形成される。前述のドライエッチング量が少ない場合、領域Bにおける金属層42の露出する割合が小さくなり、後述するSAM膜形成が困難となる。一方、前述のドライエッチング量が多い場合、領域Bにおける金属層42の露出する割合が大きくなり、後述するSAM膜形成は容易となる。しかしながら、金属層42は、導電性酸化物層43と比較して、ドライエッチング時の選択比が高い。そのため、例えば第2の電極を成膜してパターニングする際に、過剰エッチングにより領域Bの第1の電極膜が消失し、素子抵抗が上昇することがある。この場合においては、第1の電極の金属層42の膜厚を厚くする、ドライエッチング条件を工程途中で変更するなどにより対処することが可能であるが、製造コストが上がり、また、工程が複雑になる。
その後、図2(d)に示すように、導電性酸化物層43上に存損するフォトレジスト51を除去する。
次に、下地50を、アルカンチオールなどから成るSAM材料含有溶液中に浸漬処理し、所定時間後に下地50を取り出し、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し、乾燥する。アルカンチオールは、導電性酸化物層43の表面と比較して、金属層42の表面に付着しやすい性質を有する。そのため、前記の浸漬処理における浸漬時間を適宜選択することにより、図2(e)に示すように、領域BにのみSAM膜52を形成することができる。SAM材料は、アルキル基を含む材料であるため、SAM膜52が形成された領域Bの表面は、撥水性(疎水性)となる。一方、SAM膜52が形成されない導電性酸化物層43の表面(領域A)は、親水性となる。これにより、領域Aと領域Bとの間の、純水に対する接触角差を大きく確保することができる。この表面エネルギーのコントラストを利用して、下記で詳述する電気機械変換膜の前駆体溶液の塗り分けが可能となる。
アルカンチオールは、分子鎖長により反応性や疎水(撥水)性が異なるが、通常SAM材料は、炭素数6〜18の分子を有する。また、SAM材料は、アルカンチオールを、前記アルカンチコールが溶解し、かつ、化学反応を起こさない、アルコール類などの溶媒で希釈して作成する。アルカンチオールの濃度は、数ミリモル/リットル〜数モル/リットル程度が好ましい。
次に、図2(f)に示すように、表面改質された下地50上に、インクジェット装置53により、電気機械変換膜の前駆体溶液(ゾルゲル液)54を塗布する。前述した表面エネルギーのコントラストにより、前駆体溶液54の塗布領域は、親水性の領域Aのみとなる(図2(g))。したがって、前駆体溶液54の濡れ広がりを抑制することができるため、電気機械変換膜の形状及び膜厚を安定させることができる。親水面の領域Aのみに前駆体溶液54を吐出させることにより、塗布する前駆体溶液54の使用量を、スピンコート法等の従来プロセスよりも減らすことができると共に、工程を簡略化することが可能である。
なお、前駆体溶液54は、インクジェット方式で塗布可能なように、使用するインクジェットヘッドに応じて、粘度、表面張力などが調整される。
インクジェット方式により前駆体溶液54を塗布した後は、前駆体溶液54を熱処理することにより、図2(h)に示すように、電気機械変換膜45が形成される。ここで言う熱処理とは、前駆体溶液54に含まれる溶媒成分を乾燥させる工程と、乾燥させた前駆体溶液(膜)を熱分解させる工程と、熱分解された前駆体溶液(膜)を結晶化させる工程と、を含む。この時、各々の工程は独立して行っても良く、連続して実施しても良い。
一度の成膜で成膜される電気機械変換膜の膜厚は、60nm〜100nm程度となるように、前駆体溶液を塗布することが好ましい。前駆体溶液は高い収縮率を有するため、一度の成膜で成膜される電気機械変換膜の膜厚が100nmを超える場合、形成される電気機械変換膜にクラックが生じることがある。
そのため、所望の電気機械変換膜の膜厚を得るためには、前駆体溶液の塗布及び熱処理を1回又は複数回行う必要がある。引き続き繰返し処理としてイソプロピルアルコール洗浄後、同様の浸漬処理にてSAM膜を形成する。2回目以降の工程において、SAM膜は、電気機械変換膜上には形成されず、前述したフォトリソグラフィの工程は不要である。次に、1度目に形成した電気機械変換膜パターン上に位置合わせを行い、再度インクジェット塗布装置により前駆体溶液を塗布する。1回目と同じ熱処理を経て、重ね塗りされた電気機械変換膜が得られる。以後、所望の膜厚となるまでこの工程を複数回繰り返すことができる。
本実施形態の電気機械変換膜の形成方法では、通常、膜厚が約5μm前後までの電気機械変換膜を形成することができる。
以上のように、本実施形態では、電気機械変換膜の前駆体を含む前駆体溶液を、インクジェット方式で塗布する工程を含む。したがって、従来のスピンコータにより塗布する方法と比較して、必要とされる出発原料の量が少なく、また、工程を簡略化することが可能である。
(第1の実施形態)
これより、実施形態を説明することにより、より詳細に本発明を説明する。
先ず、シリコン基板表面に密着層として酸化チタン(TiO)を50nm成膜した。TiO層上に第1の電極としてPt及びSRO(ルテニウム酸ストロンチウム)を順次積層した。このとき、Pt及びSROの膜厚は、各々、250nm、60nmとした。
図2の水平方向に60μm、奥行き方向に1250μmの長尺パターンで、水平方向に120μm毎(パターン幅=スペース幅=60μm)に電気機械変換素子が形成されるように、SRO上にレジスト組成物を塗布、露光及び現像した。次に、レジスト膜をマスクとしてSRO膜をドライエッチングによりエッチングした。エッチング後は、パターン上に残存したフォトレジストを剥離した。
表1に、各実施例及び各比較例における、エッチング量を示す。
各実施例及び各比較例における、図2の領域Bにおける、Pt元素濃度を、XPS(X線光電子分光)により測定した。測定結果も表1に示している。
エッチングにより、各実施例及び各比較例における領域Bの表面は、Pt層及びSRO層が斑状に点在する状態であった。
上述した表面改質工程により、基板を表面改質した。なお、SAM膜としては、ドデカンチオール(CH(CH11−SH)を使用し、モル濃度0.1mmol/lのエタノール希釈液とした。また、基板のアルカンチオール液への浸漬時間は10秒間とし、浸漬後は、エタノール浴中で約5分間超音波洗浄した。
表1に、各実施例及び各比較例における、領域A及び領域Bの純水に対する接触角を示す。各実施例における領域Bの対純水の接触角は90度以上であり、十分な疎水性が得られた。また、領域Aと領域Bとの間での接触角のコントラストを十分に確保することができた。
一方、各比較例における基板は、領域Bの対純水の接触角が約60度であり、十分な疎水性及びコントラストを得られなかった。
パターニングされた親水領域に、公知のインクジェット塗布装置により、PZT前駆体溶液を塗布した。PZT前駆体溶液の出発原料としては、酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを使用した。酢酸鉛の結晶水は、メトキシエタノール(沸点124℃)に溶解した後、脱水した。なお、出発原料の使用量は、化学両論組成に対して、鉛量を15モル%過剰となるように調整した。これにより、熱処理中の鉛抜けによる結晶性の低下を防ぐことができる。イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進行させ、前記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することで、PZT前駆体溶液を得た。また、合成されたPZT前駆体溶液に、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194.1℃)及び1−ノナノール(沸点213℃)を添加した。また、一度の成膜で得られるPZT膜の膜厚が、90nm前後となるように、本実施形態ではPZT前駆体溶液の濃度を、0.25モル/リットルとなるように調製した。
図4に、本実施形態に係る電気機械変換素子の製造方法の効果を説明するための、概略図を示す。より具体的には、図4(a)は実施例におけるPZT前駆体溶液塗布後の基板の様子を示し、図4(b)は比較例におけるPZT前駆体溶液塗布後の基板の様子を示す。図4(a)に示されるように、実施例の基板は、前駆体溶液が、親水性である領域Aのみに広がっている。一方、図4(b)に示されるように、比較例の基板は、前駆体溶液が領域Aからはみ出していた。
PZT前駆体溶液が塗布された基板は、ホットプレートによる基板下面過熱により、昇温速度30℃/分で300℃まで温度上昇させて溶媒乾燥させた。また、この熱処理により、前駆体溶液が塗布されなかった領域のSAM膜は消失した。次に、有機物の熱分解(約500℃)を行い、PZT膜を得た。なお、得られたPZT前駆体塗膜の膜厚は90nmであった。
引き続き処理として、イソプロピルアルコール洗浄後、同様の浸漬処理にてSAM膜を形成した。この時、実施例の基板上に形成されたSAM膜の純水に対する接触角は100度以上であり、PZT前駆体塗膜の純水に対する接触角は25度以下であった。
次に、1度目に形成したPZT膜上に位置合わせして、前記インクジェット塗布装置により、再度PZT前駆体溶液を塗布し、更に、1度目に形成したPZT膜と同様の熱処理により、PZT膜を得た。
この工程を更に4回(合計6回のPZTの塗布、熱処理)繰り返し、温度約750℃で急速熱処理(RTA)して、PZT膜を得た。得られたPZT膜には、クラックなどの不良は生じていなかった。
さらに、6回のSAM膜処理、PZT前駆体溶液の選択塗布、約300℃の溶媒乾燥及び約500℃の熱分解の処理を行い、前述の同様の結晶化熱処理を行ったが、得られたPZT膜にクラックなどの不良は生じなかった。更に6回のSAM膜処理、PZT前駆体溶液の選択塗布、約300℃の溶媒乾燥及び約500℃の熱分解の処理を行い、前述の同様の結晶化熱処理を行うサイクルを2度実施した。実施例で得られた電気機械変換膜の膜厚は、全て2.4μmであり、また、パターン内で膜厚ムラが少なかった。
得られた電気機械変換膜を含む基板上に、スパッタ法にて白金を成膜し、フォトリソグラフィー及びエッチング工程により、第2の電極(上部電極)を形成し、電気機械変換素子を得た。なお、第2の電極を形成する際のエッチング工程では、領域Bにおいて、第1の電極のオーバーエッチングは発生しなかった。
得られた電気機械変換素子について、電気特性及び電気機械変換能(圧電定数)の評価を行った。
図5に、第1の実施形態で得られた電気機械変換素子のP−Eヒステリシス曲線の例を示す。第1の実施形態で得られた電気機械変換素子の電気特性の測定結果を表2に示す。
また、実施例1の電気機械変換素子の残留分極は19.3μC/cm、抗電界は34.5kV/cmであった。これにより、第1の実施形態で得られる電気機械変換素子が、従来のセラミック焼結体と同等の電気特性を有することがわかった。
電気機械変換素子の電気機械変換能は、電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。第1の実施形態で得られた電気機械変換素子の圧電定数d31は、全て135pm/V以上であった。これは、得られた電気機械変換素子が、液滴吐出ヘッドとして適用することが可能な特性値を有することを意味する。
また、一例として、第2の電極を配置せずに、前述の結晶化処理までの工程を10回繰り返したところ、5μmのPZT膜が得られ、このPZT膜は、クラックなどの欠陥を有していなかった。
以上、第1の実施形態の電気機械変換素子は、前記電気機械変換膜に覆われていない領域の高さと、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の高さと、の差が5nm以内である。そのため、図2に示す領域Aと領域Bとの間での接触角のコントラストを十分に確保することができ、第1の電極上に精度良く電気機械変換膜を形成することができる。そのため、従来のスピン工法で製造された電気機械変換素子と比較して、効率の良い振動や変形変位を得ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、前述した実施形態の電気機械変換素子を液滴吐出ヘッドに適用した実施形態について、説明する。
前述した実施形態の電気機械変換素子を適用した液滴吐出ヘッドの構成については、図1などで説明した。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、図1の液滴吐出ヘッドを複数配置した構成のものを使用することができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、前述までの実施形態で述べた電気機械変換素子を製造した後、液室21の形成のために、裏面からエッチングし、ノズル孔11を有するノズル板12を接合することで作成することができる。そのため、簡便な製造工程で、従来の液滴吐出ヘッドと同等の性能を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、図1及び本実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしての一使用例として、インクジェットヘッドに適用する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、マイクロポンプ、超音波モータ、加速度センサ、プロジェクタ用2軸スキャナ、輸液ポンプなどの用途にも、適用することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載した、インクジェット用記録装置の一例について、図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための概略図であり、図7は、本実施形態のインクジェット記録装置を説明するための他の概略図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ93、キャリッジ93に搭載した本発明の一実施形態であるインクジェット用記録ヘッド94、インクジェット用記録ヘッド94へインクを供給するインクカートリッジ95等で構成される印字機構部82等を収納する。記録装置本体81の下方部には、多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持する。キャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェット用記録ヘッド94を、複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ93は、インクジェット用記録ヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は、上方に大気と連通する図示しない大気口、下方にはインクジェット用記録ヘッド94へインクを供給する図示しない供給口を、内部にはインクが充填された図示しない多孔質体を有している。多孔質体の毛管力によりインクジェット用記録ヘッド94へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、インクジェット用記録ヘッド94としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
キャリッジ93は、用紙搬送方向下流側を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、用紙搬送方向上流側を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。タイミングベルト100は、キャリッジ93に固定されている。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101、フリクションパッド102、用紙83を案内するガイド部材103、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105、搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106、を設けている。これにより、給紙カセット84にセットした用紙83を、インクジェット用記録ヘッド94の下方側に搬送される。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
用紙ガイド部材である印写受け部材109は、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する。この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設けている。さらに、用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115、116とを配設している。
画像記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を有する。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有する。キャリッジ93は、印字待機中に回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに、記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。また、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。さらに、吸引されたインクは、本体下部に設置された図示しない廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
本実施形態に係るインクジェット記録装置においては、第2の実施形態の液滴吐出ヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
10 液滴吐出ヘッド
11 ノズル孔
12 ノズル板
20 液室基板
21 液室
30 振動板
40 電気機械変換素子
41 密着層
42 金属層
43 導電酸化物層
44 第1の電極
44 電気機械変換膜
45 第2の電極
特許第4590855号公報

Claims (7)

  1. 下地上に形成された金属層と、該金属層上の一部に形成された導電性酸化物層と、を有する第1の電極と、
    前記導電性酸化物層上に形成された電気機械変換膜と、
    前記電気機械変換膜上の少なくとも一部に形成された第2の電極と、
    を含み、
    前記第1の電極における、前記電気機械変換膜に覆われていない領域の前記下地からの高さと、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の前記下地からの高さと、の差が5nm以内である、
    電気機械変換素子。
  2. 前記電気機械変換膜が形成されていない領域の表面における、前記金属の濃度が75モル%以上である、
    請求項1に記載の電気機械変換素子。
  3. 前記金属は、Pt、Au、Ag及びCuの群から選択される1つである、請求項1又は2に記載の電気機械変換素子。
  4. 前記導電性酸化物は、化学式ABO、IrO又はRuOである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気機械変換素子。
    (但し、化学式ABO中、AはSr、Ba、Ca又はLaであり、BはRu、Co又はNiである。)
  5. 請求項1乃至4に記載の電気機械変換素子を含む、液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出ヘッドを含む、画像形成装置。
  7. 下地上に形成された金属層と、該金属層上の一部に形成された導電性酸化物層と、を有する第1の電極と、
    前記導電性酸化物層上に形成された電気機械変換膜と、
    前記電気機械変換膜上の少なくとも一部に形成された第2の電極と、
    が少なくとも積層された電気機械変換素子の製造方法であって、
    下地上に金属層及び導電性酸化物層を積層する工程と、
    前記導電性酸化物層上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を露光、現像してパターニングする工程と、
    パターニングされた前記レジスト膜をマスクとして、前記第1の電極における、レジスト膜に覆われていない領域の前記下地からの高さと、前記金属層と前記導電性酸化物層との界面の前記下地からの高さと、の差が5nm以内となるようにドライエッチングする工程と、
    前記領域を疎水性に表面改質する工程と、
    前記第1の電極上の表面改質されていない領域に、インクジェット方式により、前記電気機械変換膜の前駆体を含むゾルゲル液を塗布する工程と、
    塗布された前記ゾルゲル液を熱処理する工程と、
    を含む、電気機械変換素子の製造方法。
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