JP2014058902A - プロペラファン - Google Patents

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Abstract

【課題】ファンの効率を維持しながら翼通過音の低減を可能とするプロペラファンを提供する。
【解決手段】プロペラファン1は、モータの回転駆動軸に連結可能な形状を有するハブ2と、ハブ2の周囲に配置された2枚の翼3とを備えている。翼3の回転方向に対する当該翼3の後端部の傾斜角である出口角β2は、当該翼3のハブ側端部3cと当該翼3の外周側の端部である翼端部3dとの中央の位置から当該翼3のハブ側端部3cへ向かう所定の範囲で最大値になり、かつ、当該出口角β2が最大値になる位置から当該翼端部3dにかけて減少するように設定されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、プロペラファンに関するものである。
空気調和機などに用いられるプロペラファンの送風音を低減するために従来より種々の構造のプロペラファンが提案されている。例えば特許文献1に記載されているプロペラファンのように、ハブの周囲に複数の翼が配置されており、それぞれの翼の中央からややハブ寄りの部分において翼の出口角が最小値になるとともに、翼の半径方向外側の端部である翼端部にかけて当該出口角が増加するように設定されていることにより、プロペラファンの高効率化と低騒音化を同時に得るようにしている。
特開2001−227948号公報
しかしながら、従来のプロペラファンでは、プロペラファンから発生する騒音の総量(オーバーオール値)を低減することやファン効率を向上することに重点が置かれていて、翼通過音(いわゆるNZ音)の低減という観点では研究されていない。近年、機器の小型化に伴い、翼通過音が顕著になり問題になっている。
とくに、上記の特許文献1記載のプロペラファンでは、周速度が早い翼端部において出口角が大きいので、翼端部の負圧面に負圧が大きい箇所が局所的に形成され、その局所的に大きい負圧によって翼通過音が増大するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ファンの効率を維持しながら翼通過音の低減を可能とするプロペラファンを提供することを目的とする。
本発明のプロペラファンは、回転駆動機の回転駆動軸に連結可能な形状を有する駆動軸連結部(2)と、当該駆動軸連結部(2)の周囲に配置された複数の翼(3)とを備えたプロペラファンであって、前記翼(3)の回転方向に対する当該翼(3)の後端部(3f)の傾斜角である出口角(β2)は、当該翼(3)の駆動軸連結部側端部(3c)と当該翼(3)の外周側の端部である翼端部(3d)との中央の位置から当該翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)へ向かう所定の範囲で最大値になり、かつ、当該出口角(β2)が最大値になる位置から当該翼端部(3d)にかけて減少するように設定されていることを特徴とする。
一般的には、ファンによる圧力上昇は、翼の出口角が大きくなるに従って大きくなることがファンの一次元理論などによって明らかになっている。しかし、圧力上昇を狙ってあまり大きな出口角を設けると流れが翼の曲面に追随できずに剥離し、翼通過音の増大やファン効率の低下などが生じるおそれがあるので注意深く設計する必要がある。
従来のように翼の外周端へ向かって翼の出口角を大きくする設計にすると大きな圧力上昇を得ることはできるが翼端側に負圧の大きな領域ができてしまい、翼通過音が増大する。そこで本発明のように中間部から翼端部(3d)にかけて出口角(β2)がなだらかに小さくなるように設計すると圧力上昇がなだらかになり、負圧の大きなスポット領域を作らないようにすることができる。
すなわち、上記の構成によれば、翼(3)の出口角(β2)が翼(3)の駆動軸連結部側端部(3c)から外周側の端部である翼端部(3d)までの間の中央の位置から駆動軸連結部側端部(3c)へ向かう所定の範囲で最大となり、その出口角(β2)が最大となった位置から翼端部(3d)にかけて減少するようにしている。これにより、プロペラファンの周速と翼(3)の出口角(β2)からほぼ決定される翼(3)の負圧分布を制御して、翼(3)の外周端近傍に局所的に負圧の大きい箇所が発生するのを防ぐことができ、負圧面の圧力の分布が緩やかにすることが可能になる。その結果、翼通過音を低く抑えることができる。
また、一般には、ファンの通過流れは遠心力によって外側へ偏るので翼の根元側、すなわち駆動軸連結部側では気流が剥離しやすくなるが、これを防ぐために駆動軸連結部側は出口角を小さくして気流が翼に沿うようにしたほうがファン効率の面で好ましい。そこで、上記の構成では、翼(3)の中央位置から駆動軸連結部側端部(3c)へ向かう所定の範囲で翼(3)の出口角(β2)が最大になるように設定されることにより、ファンの効率を維持することが可能である。その結果、本発明では、ファンの効率を維持しながら翼通過音の低減が可能になる。
また、前記翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)から前記翼端部(3d)までの幅W0、および前記駆動軸連結部側端部(3c)からの任意の距離W1、および当該幅W0に対する当該距離W1の比mとした場合、前記翼(3)の出口角(β2)は、0.3≦m≦0.5となる範囲において、最大になるように設定されているのが好ましい。
上記の構成によれば、前記翼(3)の半径方向の全幅、すなわち、翼(3)の駆動軸連結部側端部(3c)から翼端部(3d)までの幅W0に対する駆動軸連結部側端部(3c)からの任意の距離W1との比であるmが0.3≦m≦0.5となる範囲において、翼(3)の出口角(β2)が最大になるように設定されている。mが0.3より小さい範囲で翼(3)の出口角(β2)が最大になれば翼(3)から気流が剥離しやすくなり、ファン効率が低下するおそれがある。一方、mが0.5より大きい範囲で翼(3)の出口角(β2)が最大になれば翼通過音の低減が困難になる。そこで、上記のような0.3≦m≦0.5となる範囲で翼(3)の出口角(β2)が最大になるように設定されることにより、ファン効率を維持しながら翼通過音をより低減することが可能になる。
また、前記翼(3)の前端部(3e)と後端部(3f)とを結ぶ直線の当該翼の回転方向に対する傾斜角である取付角(θ)は、前記翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)から前記翼端部(3d)にかけて減少するように設定されているのが好ましい。
一般に、翼の駆動軸連結部側に比べて翼端部側では周速度が速いので、それに伴って、気流が翼の前端部から翼の表面に流入する流入速度も駆動軸連結部側よりも翼端部側が速くなり、しかも当該翼端部側では気流が翼の前端部から流入する進入角が緩やかになるので、翼端部側では気流が翼(とくに翼の前端部)から剥離しやすい傾向がある。そこで、上記の構成によれば、翼(3)の取付角(θ)が駆動軸連結部(2)側から翼端部(3d)にかけて減少するように設定されているので、翼(3)の前端部(3e)から流入する気流の角度(進入角)と翼(3)の取付角(θ)とを合わせることが可能になり、それによって、気流が翼(3)から剥離するおそれを低減することが可能である。とくに、翼端部(3d)では、翼(3)の中央の位置と比較して、翼(3)の取付角(θ)が小さく、かつ、翼(3)の出口角(β2)が小さくなっているので、翼(3)の後端部(3f)の向きを気流の流入方向に近づけることが可能である。それにより、当該翼端部(3d)における当該翼(3)の前端部(3e)から後端部(3f)までの広範囲にわたって気流が翼(3)から剥離するおそれをより低減することが可能であり、翼通過音をより低く抑えることが可能である。
また、前記翼(3)の子午面形状は、前記翼(3)の後端部(3f)が前記翼端部(3d)から前記駆動軸連結部(2)へ向けて所定の範囲において当該翼(3)の回転軸の延びる方向へ膨らんでいる形状であるのが好ましい。
かかる構成によれば、翼(3)の外周側、すなわち翼端部(3d)側の面積を拡大して単位面積あたりの負荷を小さくすることができ、翼通過音をより低減することが可能である。
以上のように、本発明によれば、ファンの効率を維持しながら翼通過音の低減を可能とすることができる。
本発明の実施形態にかかるプロペラファンを示す平面図である。 図1のプロペラファンの翼をハブ側端部から任意の距離W1の位置で翼を円周方向に切断した断面図である。 図1の翼のハブ側から翼端側にかけての翼の出口角の変化を示すグラフである。 図1の翼のハブ側から翼端側にかけての翼の取付角の変化を示すグラフである。 図1の翼のハブに近い位置として、翼の全幅の0.1倍の距離だけハブ側端部から離れた位置において翼を円周方向に切断した断面図である。 図1の翼の中間位置において翼を円周方向に切断した断面図である。 図1の翼の翼端に遠い位置として、翼の全幅の0.9倍の距離だけハブ側端部から離れた位置において翼を円周方向に切断した断面図である。 図1の翼の矢視A図であり、その翼の子午面形状を示す図である。 図1の翼の出口角および比較例の翼の出口角における翼のハブ側から翼端側までの変化を示すグラフである。 図1の翼を通過する気流の向きを示す図である。 図1のプロペラファンにおける翼の負圧面の圧力分布を示す図である。 比較例のプロペラファンにおける翼の負圧面の圧力分布を示す図である。 図1のプロペラファンと比較例のプロペラファンにおける翼通過音の大きさを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態にかかるプロペラファンについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜2に示されるプロペラファン1は、空調機の室外機の送風用のファンなどに用いられる軸流ファンであり、図略のモータの回転軸に取り付けられる円柱状のハブ2と、当該ハブ2の外周に配設された2枚の翼3とを備えている。
円柱状のハブ2の外周面2aには、翼3が当該ハブ2の中心に位置する回転軸Cに対して互いに点対称の位置になるように配設されている。ハブ2の回転軸Cの位置には、モータの駆動軸(図示せず)が嵌合可能な嵌合穴2bが形成されている。これにより、ハブ2は、モータの駆動軸に連結可能な形状を有する駆動軸連結部として機能する。なお、本発明における駆動軸連結部は、回転軸Cに連結可能であり、かつ、当該ハブ2の周囲に複数の翼3が連結可能なものであればよく、いかなる形状および構造を採用してもよい。プロペラファン1は、嵌合穴2bにモータの駆動軸が嵌合された状態でモータによって駆動されることにより、回転軸Cを中心に回転方向Dに回転することが可能である。なお、プロペラファン1は、樹脂などの材料を型成形した一体成形品であるが、これに限られない。
2枚の翼3は、それぞれ、圧力面3aと、負圧面3bとを備えている。すなわち、翼3は、図2に示すように厚さ方向の一方側が凸面で他方側が凹面である翼形を有している。プロペラファン1を回転方向Dに回転するときには、翼3の前端部3eが回転方向Dの前方を向き、各翼3における凹面(図2における下面)が正圧を受ける圧力面3aとなり、その裏側の凸面(図2における上面)が負圧を受ける負圧面3bとなる。翼3は、各翼3の圧力面3aが回転方向Dを向くように、ハブ2に連結されている。
図3および図5〜7に示されるように、翼3の回転方向に対する当該翼3の後端部3fの傾斜角である出口角β2は、当該翼3のハブ側端部3cと当該翼3の外周側の端部である翼端部3dとの中央の位置から当該翼3のハブ側端部3cへ向かう所定の範囲で最大値β2maxになり、かつ、当該出口角β2が最大値β2maxになる位置から当該翼端部3dにかけて減少するように設定されている。
具体的には、図3のグラフに示されるように、翼3のハブ側端部3cから翼端部3dまでの幅W0(図1参照)、およびハブ側端部3cからの任意の距離W1(図1参照)、および当該幅W0に対する当該距離W1の比mとした場合、翼3の出口角β2は、0.3≦m≦0.5となる範囲内にあるm1の位置において、最大値β2maxになるように設定されている。ここで、mが0.3より小さい範囲で翼3の出口角β2が最大になれば翼3から気流が剥離しやすくなり、ファン効率が低下するおそれがある。一方、mが0.5より大きい範囲で翼3の出口角β2が最大になれば翼通過音の低減が困難になる。そこで、上記のような0.3≦m≦0.5となる範囲で翼3の出口角β2が最大になるように設定されることにより、ファン効率を維持しながら翼通過音をより低減することが可能になる。
図3のグラフに示される例では、出口角β2は、翼3の最もハブ側の位置では20度付近の最小値になるように設定され、m=0.4付近の位置では38度程度の最大値になるように設定されている。さらに、出口角β2は、0.4<m<1の範囲ではなだらかに減少し、そして、最も翼端側の位置では32度程度になるように設定されている。
ここで、図3および図9に示されるように、出口角β2の最大値β2max、および最も翼端側の位置における出口角β2tipは、5度≦β2max―β2tip≦20度の条件を満たすように設定されるのが好ましい。β2max―β2tipが5度より小さい場合には、ファンの効率を維持しながら翼通過音を低減する効果を奏することが難しくなる。一方、β2max―β2tipが20度より大きい場合には、翼3による圧力上昇が小さくなりすぎるので、ファンの回転数が増大し、かえってファンから発生する騒音の総量が増大するおそれがある。そのため、上記のように、5度≦β2max―β2tip≦20度の範囲になるように設定されることにより、ファンの効率を維持しながら翼通過音を低減することが可能であり、しかも、ファンから発生する騒音が増大するおそれを低減することが可能である。
また、本実施形態では、図4〜7に示されるように、翼3の前端部3eと後端部3fとを結ぶ直線の当該翼3の回転方向に対する傾斜角である取付角θは、翼3のハブ側端部3cから翼端部3dにかけて徐々に減少するように設定されている。図4に示される例では、取付角θは、最もハブ側の位置では32度付近で最大値であり、ハブ側から翼端側にかけてなだらかに減少し、そして、最も翼端側の位置において、19度付近で最小値になるように設定されている。
上記のように出口角β2および取付角θが設定された翼3の断面形状は、以下のようになる。
翼3のハブ側端部3cでは、図3〜4のグラフに示されるように、取付角θは32度付近で最大値であるが、出口角β2は20度付近の最小値である。したがって、図5に示されるように、翼3のハブ側端部3cに近い位置(m=0.1)における翼3の断面形状では、翼3の取付角θが大きく、翼3の出口角β2は小さくなる。そのため、翼3の前端部3eから後端部3fよりも少し前方側までの部分は正圧面3a側に反っているが、翼3の後端部3f付近の部分は負圧面3b側に部分的に反っている。ここで、翼3のハブ側端部3c付近では、図5に示されるように、翼3の周速度が小さいので、翼3への気流の流入速度が小さく、流入速度のベクトルの向きは、軸方向流速のベクトルの向きに近くなっている。その流入速度のベクトルの向きに対応するように、上記のように翼3の取付角θが大きく設定されているので、翼3の前端部3eの向きを気流の流入速度のベクトルの向きに近づけることが可能になり、前端部3eにおける気流の剥離を防ぐことが可能である。さらに、翼3の後端部3f付近の部分が負圧面3b側に部分的に反っており、取付角θとよりも出口角β2が小さくなっている(すなわち、θ>β2)。
図3〜4のグラフに示されるように、翼3のハブ側端部3cから中間位置へ向かう区間では、取付角θは徐々に小さくなる一方で、出口角β2は次第に大きくなり、0.1<m<0.3の範囲内にある位置m2において、取付角θと出口角β2とがともに30度付近で一致する。すなわち、翼3の後端部3fの向きは、翼3の全体の傾きと一致する。
また、翼3の中央位置付近の0.3≦m≦0.5の範囲では、図3〜4のグラフに示されるように、翼3の出口角β2は、最大値β2max付近でほぼ一定になり、取付角θは翼3の中間位置へ向かうにつれてさらに小さくなる。そのため、この範囲内では、出口角β2と取付角θとの差が大きく開き、m=0.5近傍の位置では出口角β2と取付角θとの差が最大になる。この領域、すなわち、翼3の中間位置(m=0.5近傍)では、図6に示されるように、翼3の出口角β2が最大値β2max付近になる一方で、取付角θが小さいので、翼3の後端部3f付近の部分は正圧面3aに向けて大きく反っている。
さらに、図3〜4のグラフに示されるように、0.5<m<1の範囲では、翼3の出口角β2および取付角θはいずれも同程度の減少率で小さくなっている。この状態では、翼3の翼端部3dに近い位置(m=0.9)では、図7に示されるように、翼3の出口角β2および取付角θがいずれも小さくなっているので、翼3の後端部3f付近の部分は正圧面3aに向けての反りが小さくなる一方で、翼3の前端部3eから後端部3fまでの負圧面3b全体の傾きが小さくなっている。このため、負圧面3bの傾きは、気流の流入方向に近くなっている。すなわち、翼3の翼端部3d付近では、図7に示されるように、翼3の周速度が大きいので、翼3への気流の流入速度が大きく、流入速度のベクトルの向きは、横方向に延びる周速度のベクトルの向きに近くなっている。その流入速度のベクトルの向きに対応するように、上記のように翼3の取付角θが小さく設定されているので、翼3の前端部3eの向きを気流の流入速度のベクトルの向きに近づけることが可能になり、前端部3eにおける気流の剥離を防ぐことが可能である。さらに、翼3の後端部3fにおける出口角β2も小さいので、後端部3fの向きを気流の流入速度のベクトルの向きに近づけることが可能になり、後端部3fにおける気流の剥離も防ぐことが可能である。
このように、本実施形態のプロペラファン1では、図9のグラフの曲線Iに示されるように、翼3の中間部付近から翼端部3dにかけて出口角β2がなだらかに小さくなるように設計されているので、負圧面3bにおける圧力上昇がなだらかになり、負圧の大きなスポット領域を作らないようにすることができる。これにより、プロペラファン1の周速と翼3の出口角β2からほぼ決定される翼3の負圧分布を制御して、翼3の外周端近傍に局所的に負圧の大きい箇所が発生するのを防ぐことができ、図11に示されるように翼3の負圧面3bの圧力の分布が緩やかにすることが可能になる。その結果、翼通過音を低く抑えることができる。
一方、本発明の比較例として、従来のプロペラファン11(図12参照)では、図9のグラフの曲線IIに示されるように、翼13の外周の翼端部13dへ向かって翼13の出口角β2を大きくする設計された構造が採用されている。このような構造では、翼端部13dにおける出口角β2が大きいので、大きな圧力上昇を得ることはできる。しかし、そのように設計された従来のプロペラファン11の場合、図12に示されるように翼13の翼端部13dの側に負圧の大きな領域Pができてしまい、これにより、翼通過音が増大するおそれがある。この領域Pでは、−117〜―124Pa程度の負圧になる。
図13のグラフには、本実施形態のプロペラファン1(図11参照)および従来のプロペラファン11(図12参照)から生じる音圧レベルが示されている。図13では、本実施形態のプロペラファン1の音圧レベルは、曲線S1で示され、従来のプロペラファン11の音圧レベルは、曲線S2で示されている。この図13のグラフに示されるように、周波数全域のうち、狭い周波数の範囲で音圧レベルが突出している部分が翼通過音として観測されるが、そのうち最も大きい翼通過音に着目した場合、本実施形態のプロペラファン1の翼通過音の最大値S1maxは、従来のプロペラファン11の翼通過音の最大値S2maxと比較して、およそ4〜5dB程度低減できていることがわかる。
また、上記のように、図4〜7に示されるように、取付角θを翼3のハブ側端部3cから翼端部3dにかけて徐々に減少するように適切に設定することにより、翼3全体の気流を剥離の無い滑らかな気流にすることが可能である。すなわち、翼3の外周に行くに従って翼3の周速が速くなるので、気流が翼3に流入する方向は翼3の周方向に近くなるが、図7に示されるように、気流の流入速度のベクトルの向きに対応するように、翼端部3dでは、翼3の取付角θが小さくなるように設定されているので、翼3の前端部3eの向きを気流の流入速度のベクトルの向きに近づけることが可能になり、前端部3eにおける気流の剥離を防ぐことが可能である。さらに、翼3の後端部3fも出口角β2が小さくなるように設定されているので、後端部3fの向きを気流の流入速度のベクトルの向きに近づけることが可能になり、後端部3fにおける気流の剥離も防ぐことが可能である。それにより、当該翼端部3dにおける当該翼3の前端部3eから後端部3fまでの広範囲にわたって気流が翼3から剥離するおそれをより低減することが可能である。
一方、従来のプロペラファンのように翼の中間部で取付角θを大きくした構造の場合には、その中間部において翼3の前縁から流れる気流が剥離し、騒音が増大する恐れが大きいと考えられる。したがって、上記のように、取付角θが翼3のハブ側端部3cから翼端部3dにかけて徐々に減少するように設定されていれば、このような翼の中間部における気流の剥離を抑えることが可能である。
さらに、図8に示されるように、翼3の子午面形状、すなわち、図1の矢印Aの方向から見たときの翼3の形状は、翼3の後端部3fが翼端部3dからハブ2へ向けて所定の範囲Xにおいて当該翼3の回転軸Cの延びる方向へ膨らんでいる。これにより、翼3の翼端部3d側の面積を拡大して単位面積あたりの負荷を小さくすることが可能である。
(特徴)
(1)
本実施形態のプロペラファン1では、翼3の出口角β2が翼3のハブ側端部3cから翼端部3dまでの間の中央の位置からハブ2側へ向かう所定の範囲(すなわち、前述のmが0.3≦m≦0.5となる範囲)で最大となり、その出口角β2が最大となった位置から翼端部3dにかけて減少するようにしている。これにより、プロペラファン1の周速と翼3の出口角β2からほぼ決定される翼3の負圧分布を制御して、翼3の外周の翼端部3dの近傍に局所的に負圧の大きい箇所が発生するのを防ぐことができ、負圧面3bの圧力の分布が緩やかにすることが可能になる。その結果、翼通過音を低く抑えることができる。
また、本実施形態のプロペラファン1では、翼3の中央位置からハブ側端部3cへ向かう所定の範囲で翼3の出口角β2が最大になるように設定されているので、ハブ2側の出口角β2を小さく設定して気流Fが翼3に沿うようにしている。これにより、気流Fの剥離を抑えて、ファン効率の維持を図ることが可能である。その結果、プロペラファン1の効率を維持しながら翼通過音の低減を可能とすることが可能になる。
(2)
また、本実施形態のプロペラファン1では、翼3の半径方向の全幅、すなわち、翼3のハブ側端部3cから翼端部3dまでの幅W0に対するハブ側端部3cからの任意の距離W1との比であるmが0.3≦m≦0.5となる範囲において、翼3の出口角β2が最大になるように設定されている。ここで、mが0.3より小さい範囲で翼3の出口角β2が最大になれば翼3から気流が剥離しやすくなり、ファン効率が低下するおそれがある。一方、mが0.5より大きい範囲で翼3の出口角β2が最大になれば翼通過音の低減が困難になる。そこで、上記のような0.3≦m≦0.5となる範囲で翼3の出口角β2が最大になるように設定されることにより、ファン効率を維持しながら翼通過音をより低減することが可能になる。
(3)
さらに、本実施形態のプロペラファン1では、翼3の取付角θがハブ2側から翼端部3dにかけて減少するように設定されているので、翼3の前端部3eから流入する気流Fの角度(進入角)と翼3の取付角θとを合わせることが可能になり、それによって、気流Fが翼3から剥離するおそれを低減することが可能である。とくに、翼端部3dでは、ハブ2側よりも翼3の周速度が速くなることに対応して気流の流入速度が速くなり、気流の流入方向が翼3の周方向へ近づくが、翼3の中央の位置と比較して、翼3の取付角θが小さく、かつ、翼3の出口角β2が小さくなっているので、翼3の後端部3f(具体的には、後端部3fの負圧面3b側の部分)の向きを気流の流入方向に近づけることが可能である。それにより、当該翼端部3dにおける当該翼3の前端部3eから後端部3fまでの広範囲にわたって気流が翼3から剥離するおそれをより低減することが可能であり、翼通過音をより低く抑えることが可能である。
(4)
さらに、本実施形態のプロペラファン1では、図8に示されるように、翼3の子午面形状は、翼3の後端部3fが翼端部3dから前記ハブ2へ向けて所定の範囲Xにおいて当該翼3の回転軸Cの延びる方向へ膨らんでいる形状である。したがって、翼3の外周側、すなわち翼端部3d側の面積を拡大して単位面積あたりの負荷を小さくすることができ、翼通過音をより低減することが可能である。
(変形例)
(A)
上記実施形態では、2枚の翼3を備えたプロペラファン1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の翼を備えたプロペラファンであれば本発明を適用することが可能であり、3枚またはそれ以上の翼を備えたプロペラファンであってもよい。
(B)
また、上記実施形態では、翼3の子午面形状が翼3の後端部3fが翼端部3dからハブ2へ向けて所定の範囲Xにおいて当該翼3の回転軸Cの延びる方向へ膨らんでいるが、本発明はこれに限定されるものではなく、後端部3fが翼端部3dからハブ2へ向けて直線状に延びるようにしてもよい。
1 プロペラファン
2 ハブ(駆動軸連結部)
3 翼
3c ハブ側端部(駆動軸連結部側端部)
3d 翼端部
3e 前端部
3f 後端部
β2 出口角
θ 取付角
F 気流

Claims (4)

  1. 回転駆動機の回転駆動軸に連結可能な形状を有する駆動軸連結部(2)と、
    当該駆動軸連結部(2)の周囲に配置された複数の翼(3)と
    を備えたプロペラファンであって、
    前記翼(3)の回転方向に対する当該翼(3)の後端部(3f)の傾斜角である出口角(β2)は、当該翼(3)の駆動軸連結部側端部(3c)と当該翼(3)の外周側の端部である翼端部(3d)との中央の位置から当該翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)へ向かう所定の範囲で最大値になり、かつ、当該出口角(β2)が最大値になる位置から当該翼端部(3d)にかけて減少するように設定されている、
    ことを特徴とするプロペラファン。
  2. 前記翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)から前記翼端部(3d)までの幅W0、および前記駆動軸連結部側端部(3c)からの任意の距離W1、および当該幅W0に対する当該距離W1の比mとした場合、
    前記翼(3)の出口角(β2)は、0.3≦m≦0.5となる範囲において、最大になるように設定されている、
    請求項1に記載のプロペラファン。
  3. 前記翼(3)の前端部(3e)と後端部(3f)とを結ぶ直線の当該翼(3)の回転方向に対する傾斜角である取付角(θ)は、前記翼(3)の前記駆動軸連結部側端部(3c)から前記翼端部(3d)にかけて減少するように設定されている、
    請求項1または2に記載のプロペラファン。
  4. 前記翼(3)の子午面形状は、前記翼(3)の後端部(3f)が前記翼端部(3d)から前記駆動軸連結部(2)へ向けて所定の範囲において当該翼(3)の回転軸の延びる方向へ膨らんでいる形状である、
    請求項1から3のいずれかに記載のプロペラファン。
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