JP2014058141A - 画像記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッドが置かれた環境を考慮して適切にメンテナンスを行う。
【解決手段】 メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの記録手段による記録枚数を計数し、登録された画像の記録が全て終了した際に、記録手段によって記録する画像を切り替える際に液体吐出ヘッドを待機位置に移動させる第1のモードが選択されている場合には、記録枚数が第1の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、記録手段によって記録する画像を切り替える際に液体吐出ヘッドを記録位置に維持する第2のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像記録装置及びその制御方法に関し、特に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行う技術に関する。
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドのノズル面(ノズルが形成されている面)が汚れていると、吐出不良を生じる。このため、ノズル面を清掃(メンテナンス)することが必要となる。
しかしながら、メンテナンスには所定の時間を要するため、メンテナンスを頻繁に行ってしまうと印刷を終了するまでの時間が増加してしまうという問題点がある。
また、ノズル面を清掃する方法としては、洗浄液を含浸させたウェブでノズル面を払拭して清掃する方法が知られている。このような洗浄液とウェブを用いたメンテナンスを必要以上に行ってしまうと、コストが上昇するという問題点がある。
さらに、メンテナンスを行うことで、ノズル面に形成された撥液膜にダメージを与える可能性もある。
したがって、メンテナンスの実施は必要最低限に行うことが求められる。
このような課題に対し、特許文献1には、印刷データの印刷条件を設定する印刷設定画面が起動したタイミングでメンテナンス動作を開始し、印刷データの印刷条件に応じたメンテナンス動作を行う技術が開示されている。この技術によれば、印刷条件に応じて、より適切なメンテナンスを行うことができる。
また、特許文献2には、印字情報とともに受信した印字条件がメンテナンス延期条件に該当する場合にはメンテナンスの実行を延期させ、該当しないと場合はメンテナンスを実行する技術が開示されている。この技術によれば、メンテナンス延期条件に該当すれば印字処理を中断することなく印字を続行するため、必要以上のメンテナンスを行うことがない。
特開2011−056754号公報 特開2000−238285号公報
特許文献1、2では、印刷条件に応じてメンテナンスを行っているが、インクジェットヘッドの置かれた環境については考慮されておらず、適切にメンテナンスを行えないという欠点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ヘッドが置かれた環境を考慮して適切にメンテナンスを行う画像記録装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液体を吐出して記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、記録手段によって記録媒体に記録を行う記録位置と記録位置とは異なる待機位置とに液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、記録手段によって記録する画像を切り替える際に、液体吐出ヘッドを待機位置に移動させる第1のモードと、液体吐出ヘッドを記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの記録手段による記録枚数を計数する計数手段と、記録手段によって記録する画像を登録する登録手段と、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御手段とを備えた。
本態様によれば、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの記録手段による記録枚数を計数し、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させるようにしたので、液体吐出ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うことができる。したがって、必要以上にメンテナンスを行うことがなく、メンテナンスにかかる時間やコストを抑制することができる。
前記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液体を吐出して記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、記録手段によって記録媒体に記録を行う記録位置と記録位置とは異なる待機位置とに液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、記録手段によって記録する画像を切り替える際に、液体吐出ヘッドを待機位置に移動させる第1のモードと、液体吐出ヘッドを記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの液体吐出ヘッドが記録位置に保持された保持時間を計時する計時手段と、記録手段によって記録する画像を登録する登録手段と、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間よりも短い第2の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御手段とを備えた。
本態様によれば、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの液体吐出ヘッドが記録位置に保持された保持時間を計時し、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間よりも短い第2の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させるようにしたので、液体吐出ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うことができる。したがって、必要以上にメンテナンスを行うことがなく、メンテナンスにかかる時間やコストを抑制することができる。
液体吐出ヘッドのノズルを保湿する保湿手段を備え、待機位置は、保湿手段によってノズルを保湿する保湿位置であることが好ましい。これにより、第1のモードにおいて記録手段によって記録する画像を切り替える際に、液体吐出ヘッドのノズルを保湿することができるので、ノズルの乾燥を防止することができる。
メンテナンス手段は、記録位置と待機位置との間に配置されていることが好ましい。これにより、液体吐出ヘッドの移動量を大きくすることなくメンテナンスを行うことができる。
メンテナンス手段は、液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭手段を含むことが好ましい。これにより、適切に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。なお、メンテナンス手段としては、液体吐出面のワイピングの他、パージ、ノズル吸引等であってもよい。
液体は、ラテックスを含んでいてもよい。ここでいうラテックスとは、水に不溶な微細なポリマー成分が水性媒体中に分散したものである。ラテックスを含んでいると液体が固化しやすいが、本態様によれば、ラテックスを含んだ液体を用いた場合であっても、適切に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
また、液体吐出ヘッドは、ノズルに液体を供給する液体供給口と、ノズルから吐出されない液体を排出する液体排出口とが設けられ、さらに、液体が貯留される液体タンクと、液体タンクから液体供給口に液体を供給するとともに、液体排出口から液体タンクに液体を回収するインク流発生手段とを備えていてもよい。このように液体を循環する系を備えている場合であっても、ノズル面において液体が乾燥する場合がある。本態様によれば、このような液体循環経路を有する場合であっても、適切に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
記録手段によって画像が記録される前の記録媒体に処理液を付与し、付与した処理液を乾燥させる処理液付与手段が記録位置に近接して配置されていてもよい。このように、記録位置に近接した位置において処理液を乾燥させる場合であっても、本態様によれば、適切に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
記録手段によって記録媒体に吐出された液体を乾燥させる乾燥手段が記録位置に近接して配置されていてもよい。このように、記録位置に近接した位置において吐出した液体を乾燥させる場合であっても、本態様によれば、適切に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
前記目的を達成するために画像記録装置の制御方法の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液体を吐出して記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、記録手段によって記録媒体に記録を行う記録位置と記録位置とは異なる待機位置とに液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、記録手段によって記録する画像を切り替える際に、液体吐出ヘッドを待機位置に移動させる第1のモードと、液体吐出ヘッドを記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、を備えた画像記録装置の制御方法であって、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの記録手段による記録枚数を計数する計数工程と、記録手段によって記録する画像を登録する登録工程と、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御工程とを備えた。
本態様によれば、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの記録手段による記録枚数を計数し、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には記録枚数が第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させるようにしたので、液体吐出ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うことができる。したがって、必要以上にメンテナンスを行うことがなく、メンテナンスにかかる時間やコストを抑制することができる。
前記目的を達成するために画像記録装置の制御方法の一の態様は、液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液体を吐出して記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、記録手段によって記録媒体に記録を行う記録位置と記録位置とは異なる待機位置とに液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、記録手段によって記録する画像を切り替える際に、液体吐出ヘッドを待機位置に移動させる第1のモードと、液体吐出ヘッドを記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、を備えた画像記録装置の制御方法であって、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの液体吐出ヘッドが記録位置に保持された保持時間を計時する計時工程と、記録手段によって記録する画像を登録する登録工程と、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間よりも短い第2の時間を超えるとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御工程とを備えた。
本態様によれば、メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの液体吐出ヘッドが記録位置に保持された保持時間を計時し、登録された画像の記録が全て終了した際に第1のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、第2のモードが選択されている場合には保持時間が第1の時間よりも短い第2の時間を超えているとメンテナンス手段によるメンテナンスを実施させるようにしたので、液体吐出ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うことができる。したがって、必要以上にメンテナンスを行うことがなく、メンテナンスにかかる時間やコストを抑制することができる。
本発明によれば、ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うので、コストと画像品質とを両立させたヘッドのメンテナンスを行うことができる。
インクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す平面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図 ヘッドモジュール及びインクジェットヘッド全体の構造例を示す平面透視図 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図 ヘッドモジュール内部の流路構造を示す流路構成図 払拭ユニットの概略構成を示す模式図 インクジェット記録装置の電気的構成を示すブロック図 インクジェット記録装置の動作を示すフローチャート インクジェット記録装置の構成例を示す図である。 描画部の平面図 メンテナンス頻度と着弾位置ずれの関係についての評価の条件を示す図 各インクジェットヘッドの着弾位置ズレの絶対値のσの最大値を示す図 インクジェット記録装置の動作を示すフローチャート
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
<インクジェット記録装置の装置構成>
図1〜図3は、本実施の形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録媒体である用紙(枚葉紙)Pを搬送する用紙搬送機構20と、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてそれぞれラテックスを含有しているシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴(液体の一例)を吐出するヘッドユニット30(液体吐出ヘッドの一例、用紙搬送機構20及びヘッドユニット30により記録手段の一例を構成する)と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドの保湿を行う保湿ユニット40(保湿手段の一例)と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃装置80(メンテナンス手段の一例)とで構成される。
用紙搬送機構20は、ベルト搬送機構で構成され、走行するベルト22に用紙Pを吸着させて、用紙Pを水平に搬送する。
ヘッドユニット30は、主として、シアンのインク滴を吐出するヘッド32Cと、マゼンタのインク滴を吐出するヘッド32Mと、イエロのインク滴を吐出するヘッド32Yと、クロのインク滴を吐出するヘッド32Kと、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kが取り付けられるヘッド支持フレーム34と、ヘッド支持フレーム34を移動させるヘッド支持フレーム移動機構(不図示)とで構成される。
ヘッド(インクジェットヘッド)32C、32M、32Y、32Kは、印刷対象とする用紙Pの最大用紙幅に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合を除いて、ヘッド32と記載する。
ヘッド32は、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面33(33C、33M、33Y、33K)が形成される。
図4(a)は、インクジェットヘッドを構成するヘッドモジュール32´の構造例を示す平面透視図であり、図4(b)は、その一部の拡大図であり、図4(c)は、ヘッドモジュール32´から構成されるインクジェットヘッド32全体の構造例を示す平面透視図である。
また、図5は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図4(a)、(b)中、6−6線に沿う断面図)であり、図6は、ヘッドモジュール32´内部の流路構造を示す流路構成図(図5中、A方向から見た平面透視図)である。
記録媒体上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド32におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッドモジュール32´は、図4(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を一定の配列パターンでマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
図4(c)に示すように、短尺のヘッドモジュール32´を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで、記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有する長尺のインクジェットヘッド32を構成する。また、図示は省略するが、短尺のヘッドモジュールを一列に並べて長尺のインクジェットヘッドを構成してもよい。
なお、紙搬送方向と略直交する方向に記録媒体の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、複数のヘッドモジュール32´を配列するのではなく、図6(a)に示すノズル列構造を持つ単独のヘッドモジュール32´に相当する長尺のインクジェットヘッドとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51とインク流入口54が設けられている。各圧力室52はインク流入口54を介して個別流路59と連通されており、各個別流路59は共通流路55と連通されている。また、各圧力室52に連通するノズル流路60は、個別循環流路62を介して循環共通流路64と連通されている。ヘッドモジュール32´には供給口66(液体供給口の一例)及び排出口68(液体排出口の一例)が設けられており、供給口66は共通流路55と連通され、排出口68は循環共通流路64と連通されている。
換言すれば、ヘッドモジュール32´の供給口66及び排出口68は、共通流路55、個別流路59、インク流入口54、圧力室52、ノズル流路60、個別循環流路62、及び循環共通流路64を含むインク流路(内部流路)を介して連通された構成となっている。このため、ヘッドモジュール外部から供給口66に供給されたインクの一部は各ノズル51から吐出されるとともに、残りのインクは共通流路55、個別流路59、ノズル流路60、個別循環流路62、及び循環共通流路64を順に経由して(即ち、ヘッドモジュール内部のインク流路を循環して)、排出口68からヘッドモジュール外部に排出される。
図5に示すように、ノズル流路60のノズル51近傍に個別循環流路62が接続される構成が好ましく、ノズル51近傍をインクが循環するようになるので、ノズル51内部のインク増粘(乾燥)が防止され、安定吐出が可能となる。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から個別流路59、インク流入口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
本例では、ヘッドモジュール32´に設けられたノズル51から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子58を適用したが、圧力室52内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図4(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本実施形態に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
図1〜図3の説明に戻り、ヘッド支持フレーム34は、各ヘッド32を取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各ヘッド32は、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム34に取り付けられた各ヘッド32は、用紙Pの搬送方向に対して直交して配置される。また、用紙Pの搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置される。)。
また、ヘッド取付部は、ヘッド支持フレーム34に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド32は、この昇降機構によって、用紙Pの搬送面に対して垂直に昇降する。
ヘッド支持フレーム移動機構(移動手段の一例)は、用紙搬送機構20の上方位置でヘッド支持フレーム34を用紙Pの搬送方向に対して直交する方向に水平にスライド移動させる。
このヘッド支持フレーム移動機構は、例えば、用紙搬送機構20を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(例えば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド支持フレーム34は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド支持フレーム34は、このヘッド支持フレーム移動機構に駆動されて、所定の「画像記録位置」と「保湿位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド支持フレーム34は、画像記録位置に位置すると、用紙搬送機構20の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに対して印刷可能になる。
一方、保湿位置(待機位置の一例)に位置すると、保湿ユニット40の設置位置に配置される。
保湿ユニット40には、各ヘッド32のノズル面33を覆うキャップ42(42C、42M、42Y、42K)が備えられる。装置を長時間停止する場合などは、この保湿ユニット40の設置位置(保湿位置)にヘッド32を移動させ、ノズル面33をキャップ42で覆う。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
このキャップ42には、ノズル内を加圧・吸引するための加圧・吸引機構(不図示)、及び、キャップ42内に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構(不図示)が備えられる。また、キャップ42の下方位置には廃液トレイ44が配置される。キャップ42に供給された洗浄液は、この廃液トレイ44に廃棄され、廃液トレイ44から廃液回収配管46を介して廃液タンク48に回収される。
ノズル面清掃装置80は、用紙搬送機構20と保湿ユニット40との間に配置される。ノズル面清掃装置80は、ヘッド支持フレーム34が、画像記録位置から保湿位置に移動する際に、洗浄液が付与された払拭ウェブでヘッド32のノズル面33を払拭することで、ノズル面33を清掃する。
<ノズル面清掃装置の装置構成>
ノズル面清掃装置80は、主として、払拭装置本体フレーム82に取り付けられる払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kと、払拭装置本体フレーム82を昇降させる払拭装置本体昇降機構(不図示)とから構成される。
払拭ユニット100C、100M、100Y、100K(払拭手段の一例)は、帯状に形成された払拭ウェブ(図7の101)を走行させながらヘッド32のノズル面33に当接させて、ノズル面33を払拭する。払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kは、ヘッドごとに設けられ、ヘッド32の設置間隔に合わせて、払拭装置本体フレーム82に設置される。なお、各払拭ユニット100C、100M、100Y、100Kの構成は同じなので、ここでは払拭ユニット100として、その構成を説明する。
図7は、払拭ユニット100の概略構成を示す模式図である。同図に示すように、払拭ユニット100は、払拭前の払拭ウェブ101を送出する送出側ウェブコア102と、巻取モータ(不図示)により回転駆動されることで、払拭済みの払拭ウェブ101を巻き取る巻取側ウェブコア103と、送出側ウェブコア102から送出された払拭ウェブ101に当接して回転し、洗浄液付与部105へガイドする第1ガイドロール104と、払拭ウェブ101に所定量の洗浄液を付与する洗浄液付与部105と、洗浄液付与部105から送出された払拭ウェブ101に当接して回転し、押圧ロール107へガイドする第2ガイドロール106と、払拭ウェブ101をヘッド32のノズル面33に所定の圧力で当接させる押圧ロール107と、を備えて構成される。
払拭ウェブ101は、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ナイロン等の極微細繊維を用いた編み又は織りからなるシートで構成され、ヘッド32のノズル面33の幅に対応した幅を有する帯状に形成される。この払拭ウェブ101は、送出側ウェブコア102にロール状に巻かれ、先端が巻取側ウェブコア103に固定された状態で提供される。
送出側ウェブコア102は、一端が固定されて水平に支持された送出軸(不図示)に嵌められて装着されている。この送出軸は二重管構造とされ、内筒の周りを外筒が回転可能に支持される。内筒と外筒との間には、逆回転防止機構及びフリクション機構が配置され、外筒は一定の抵抗をもって一方向(払拭ウェブ101の送出方向)にのみ回転するように構成される。
巻取側ウェブコア103は、回転自在に水平に支持された巻取軸(不図示)に嵌めて装着されている。巻取軸には巻取モータが連結され、巻取側ウェブコア103は巻取モータに駆動されて一方向(払拭ウェブ101の巻取方向)に回転する。
この巻取軸は、二重構造とされ、内筒の周りを外筒が回転可能に支持される。内筒と外筒との間には、トルクリミッタが配置され、一定以上の負荷(トルク)が掛かると、内筒に対して外筒が滑るように構成される。これにより、払拭ウェブ101に過剰な張力が掛かるのを防止できる。
第1ガイドロール104は、水平に設置された軸(不図示)に回転自在に支持され、送出側ウェブコア102から送出された払拭ウェブ101を洗浄液付与部105へ向けてガイドする。
洗浄液付与部105は、洗浄液ノズルから払拭ウェブ101に対して洗浄液を噴射して、払拭ウェブ101に洗浄液を定量付与する。なお、払拭ウェブ101に洗浄液を付与する方法は、洗浄液ノズルからの噴射に限定されない。例えば、アニロクスロールを用いて付与する態様等が考えられる。
第2ガイドロール106は、水平に設置された軸(不図示)に回転自在に支持され、洗浄液付与部105から送出された払拭ウェブ101を押圧ロール107へ向けてガイドする。
押圧ロール107は、その軸部の一端が回転自在に支持されて水平に設置される。押圧ロール107は、払拭ウェブ101の幅に対応したゴムロールで構成され、払拭ウェブ101をヘッド32のノズル面33に所定の圧力で当接させる。
<ノズル面清掃装置の作用>
次に、以上のように構成されたノズル面清掃装置80の作用について説明する。
ノズル面清掃装置80の動作は、インクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置(図8に示す制御部90)によって制御される。制御装置は、ヘッド32を画像記録位置から保湿位置へ移動させる過程において、ノズル面清掃装置80によってノズル面33を払拭清掃する。
ノズル面清掃装置80は、払拭装置本体昇降機構により全体が昇降自在に構成されている。ノズル面清掃装置80は、清掃時以外においては所定の待機位置に位置しており、清掃時には待機位置から所定量上昇した位置である所定の作動位置に位置する。
ノズル面清掃装置80が作動位置に位置した状態では、各払拭ユニット100によって各ヘッド32のノズル面33を払拭することが可能になる。すなわち、ヘッド32が、各払拭ユニット100を通過する際、そのノズル面33に押圧ロール107に巻き掛けられた払拭ウェブ101を押圧当接することが可能になる。
制御装置は、各ヘッド32が払拭ユニット100に到達するタイミングに合わせて、巻取モータの駆動を制御することで、払拭ウェブ101の搬送を制御する。これにより、払拭ウェブ101は、送出側ウェブコア102から繰り出されて走行し、巻取側ウェブコア103に巻き取られる。
このとき、送出側ウェブコア102の送出軸は、フリクション機構によってフリクションが付与される一方、巻取側ウェブコア103の巻取軸は、トルクリミッタによって一定の負荷が掛かると滑るので、払拭ウェブ101に一定の張力を付与して走行させることができる。
また制御装置は、この払拭ウェブ101の走行と同時に、洗浄液付与部105を制御し、払拭ウェブ101を洗浄液によって湿潤させる。払拭ウェブ101の適量(ノズル面33を払拭するのに適した量)の洗浄液量は、払拭ウェブ101の吸収能力、ノズル面33の撥液性(インクの接触角)、インクの物性、ノズル径によって決まる。
また、適量の洗浄液量は、インクジェットヘッド32C、32M、32Y、32Kによ
っても異なる。したがって、必要な洗浄液の量に応じて、洗浄液付与部105から洗浄液を噴射すればよい。
これにより、払拭ウェブ101を適量の洗浄液により湿潤された状態とすることができ、払拭ウェブ101の吸収能力が最適な状態となる。その結果、ノズル面33の払拭時におけるノズルへの洗浄液の進入や液ダレを抑制することができる。
このように洗浄液が定量付与された払拭ウェブ101は、第2ガイドロール106によって押圧ロール107へガイドされ、巻取モータの駆動による走行により押圧ロール107においてノズル面33に押圧当接され、ノズル面33が払拭清掃される。
この際、払拭ウェブ101は、ノズル面33の移動方向と逆方向に走行して、ノズル面33を払拭する。これにより、効率よくノズル面33を払拭することができる。また、常に払拭ウェブ101の新しい面(未使用領域)を使ってノズル面33を払拭することができる。
ノズル面33を払拭した払拭ウェブ101は、巻取側ウェブコア103に巻取られる。また、ヘッド32は、ヘッド支持フレーム移動機構により保湿位置に移動され、ノズル面33がキャップ42で覆われる。
<インクジェット記録装置の電気的構成>
図8は、インクジェット記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、制御部90、操作部91、画像データ取得部92、吐出制御部93、ヘッド支持フレーム制御部94、ヘッド支持フレーム移動機構95、清掃装置制御部96、保湿ユニット制御部97、ポンプ98等を備えて構成される。
制御部90は、ユーザによる操作部91の入力操作に従って、インクジェット記録装置10を統括制御する。また、制御部90は、画像データ取得部92で取得した画像データをヘッド32のノズル51から吐出するための吐出データに変換する画像処理手段を備えている。
操作部91は、各種操作部材から構成される。ユーザは、操作部91を操作することで、インクジェット記録装置10に対して所望の動作を行わせることができる。
画像データ取得部92は、有線又は無線の入力インターフェースを備え、ヘッド32において記録する画像データを取得する。
吐出制御部93は、制御部90から取得した吐出データに基づいて各色ヘッド32の各ノズルを制御し、用紙Pの記録面に画像を記録させる。
ヘッド支持フレーム制御部94は、制御部90からの指令に従って、ヘッド支持フレーム移動機構95を制御し、ヘッド支持フレーム34を移動させることでヘッド32を画像記録位置、又は保湿位置に移動させる。
清掃装置制御部96は、制御部90の指令に従って、ノズル面清掃装置80を制御する。即ち、ノズル面33の払拭清掃を行う場合には、払拭装置本体昇降機構を上昇させ、さらにヘッド32の到達タイミングに合わせて洗浄液付与部105による洗浄液の付与及び払拭ウェブ101の搬送を制御する。
保湿ユニット制御部97は、制御部90の指令に従って、保湿ユニット40を制御する。即ち、ノズル内を加圧・吸引するための加圧・吸引機構や、キャップ42内に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構を制御する。
ポンプ98、インクタンク99は、インク色毎に設けられている。ポンプ98(インク流発生手段の一例)は、制御部90に制御され、インクタンク99(液体タンクの一例)に貯留されたインクを各ヘッドモジュール32´の供給口66に供給する。また、各ヘッドモジュール32´の排出口68から排出されるインクをインクタンク99へ送液する。これにより、インクタンク99とヘッド32との間で、インクを循環させる。
<インクジェット記録装置の動作>
図9は、インクジェット記録装置10の動作を示すフローチャートである。インクジェット記録装置10は、印刷する画像を切り替える際に、ヘッド32を待機位置に移動させる印刷モード(第1のモード)と、ヘッド32を画像記録位置に維持する印刷モード(第2のモード)を有している。
以下、動作の各工程について説明する。
(ステップS1)
最初に、ヘッド32は、保湿位置に位置している。前述のように、インクジェット記録装置10は、装置を長時間停止する場合等には、ヘッド32が保湿位置に移動され、ノズル面33がキャップ42で覆われる。これにより、ノズル51が乾燥することによる不吐出が防止される。
(ステップS2)
次に、設定された印刷モードを判別する。ユーザは、操作部91(選択手段の一例)を操作することにより、第1のモードと第2のモードのうちのいずれかのモードを選択することができる。制御部90は、操作部91により選択された印刷モードを判別する。
まず、第1のモードが設定されている場合について説明する。
(ステップS3)
ユーザは、予め操作部91(登録手段の一例)を介して、記録したい画像とその記録枚数を登録しておく。
第1のモードであると判断した場合には、画像データ取得部92を介して登録されている画像データを取得する。同時に、記録する枚数を取得する。
(ステップS4)
また、制御部90は、ヘッド支持フレーム制御部94を介してヘッド支持フレーム移動機構を制御し、ヘッド32を画像記録位置に移動させる。
(ステップS5)
制御部90は、取得した画像データから吐出データを生成し、吐出制御部93に吐出データを入力する。吐出制御部93は、入力された吐出データに基づいてヘッド32のノズル51を制御し、用紙Pの記録面に画像を記録する。ここでは、ステップS3において取得した記録枚数分だけ記録を行う。また、制御部90(計数手段の一例)は、前回メンテナンス時からの総記録枚数の計数を行う。
(ステップS6)
前回メンテナンス時からの総記録枚数がM枚以上となったか否かを判定する。M枚以上の場合にはステップS7に移行し、M枚未満の場合にはステップS8に移行する。
(ステップS7)
前回メンテナンス時からの総記録枚数がM枚以上の場合には、ヘッド32のメンテナンスを行う。本実施形態では、ヘッド32のメンテナンスとして、ノズル面清掃装置80によるノズル面33の払拭清掃を行う。即ち、図7を用いて説明したように、洗浄液を含浸させて走行する払拭ウェブ101を押圧ロール107により押圧当接し、ノズル面33を払拭する。
このように、定期的にヘッド32のメンテナンスを行うことで、ヘッド32の吐出性能を維持させる。また、このメンテナンスを行うことで、前回メンテナンス時からの総記録枚数がクリアされる。
(ステップS8)
ステップS6において、前回メンテナンス時からの総記録枚数がM枚未満と判断された場合、又はステップS7のメンテナンスが終了した場合には、制御部90は、ヘッド支持フレーム制御部94を介してヘッド支持フレーム移動機構を制御し、ヘッド32を保湿位置に移動させる。
(ステップS9)
全ての画像の記録が終了したか否かを判定する。全ての画像の記録が終了した場合には、処理を終了する。このように、ヘッド32が保湿位置に移動された状態で処理を終了することで、ノズル51の乾燥を防止することができる。
また、他に記録する画像がある場合には、ステップS2に戻り、設定された印刷モードを判別する。第1のモードが設定されている場合は、次に記録する画像データを、画像データ取得部92を介して取得し(画像切り替えに相当)、同様の処理を行う。
このように、第1のモードでは、記録する画像を切り替えるたびに、ヘッド32が保湿位置に移動するので、画像切り替えに時間を要する場合であっても、ノズル51の乾燥を防止することができる。
次に、ステップS2において、第2のモードが設定されていた場合について説明する。この第2のモードでは、ユーザは、複数の画像の記録に関して、記録したい画像と記録枚数の組み合わせの全てを最初に登録しておく。
(ステップS10)
第2のモードであると判断した場合には、画像データ取得部92を介して登録されている画像データとその記録する枚数を全て取得する。
(ステップS11)
次に、制御部90は、ヘッド支持フレーム制御部94を介してヘッド支持フレーム移動機構を制御し、ヘッド32を画像記録位置に移動させる。
(ステップS12)
制御部90は、取得した複数の画像データの中から1つ目の画像データの吐出データを生成し、吐出制御部93に吐出データを入力する。吐出制御部93は、入力された吐出データに基づいてヘッド32のノズル51を制御し、用紙Pの記録面に画像を記録する。ここでは、ステップS10において取得した記録枚数分だけ記録を行う。また、前回メンテナンス時からの総記録枚数の計数を行う。
この処理を、ステップS10において取得した全ての画像データの記録が終了するまで繰り返す。ここで、印刷する画像を切り替える際に、次に記録する画像とその記録枚数を制御部90に再度入力するが、その間ヘッド32は画像記録位置で待機する。
(ステップS13)
前回メンテナンス時からの総記録枚数が、N枚以上となったか否かを判定する。ここで、Nは、N<Mの関係を満たす。N枚以上の場合にはステップS14に移行し、N枚未満の場合にはステップS15に移行する。
(ステップS14)
前回メンテナンス時からの総記録枚数がN枚以上の場合には、ヘッド32のメンテナンスを行う。第1のモードと同様に、ヘッド32のメンテナンスとして、ノズル面清掃装置80によるノズル面33の払拭清掃を行う。
(ステップS15)
ステップS13において、前回メンテナンス時からの総記録枚数がN枚未満と判断された場合、又はステップS14のメンテナンスが終了した場合には、制御部90は、ヘッド支持フレーム制御部94を介してヘッド支持フレーム移動機構を制御し、ヘッド32を保湿位置に移動させる。
(ステップS16)
このように、第2のモードでは、ヘッド32が画像記録位置に維持されたまま印刷する画像を切り替えるので、ヘッド32の移動時間が不要となり、印刷時間を短縮することができる。
全ての画像の記録が終了した場合には、制御部90は、ヘッド支持フレーム制御部94を介してヘッド支持フレーム移動機構を制御し、ヘッド32を保湿位置に移動させ、処理を終了する。このように、ヘッド32が保湿位置に移動された状態で処理を終了することで、ノズル51の乾燥を防止することができる。
このように、第1のモードにおいては、ヘッド32が保湿位置にある状態で記録画像を取得する(切り替える)ので、取得した画像データから吐出データを生成する間にノズルが乾燥することを防止することができる。
また、第2のモードにおいては、ヘッド32を画像記録位置に維持した状態で記録画像を取得する(切り替える)ので、ヘッド32を画像記録位置と保湿位置との間で往復させることがなく、印刷時間の短縮化を図ることができる。
しかし、第2のモードではノズルが乾燥する危険性が増加するため、メンテナンスをこまめに行う必要がある。特に、本実施形態では、ラテックスを含有したインクを用いているため、インクが固化しやすい。したがって、第1のモードでは印刷枚数がM枚を超えた場合にメンテナンスを行うのに対し、第2のモードでは印刷枚数がM枚より少ないN枚を超えた場合にメンテナンスを行うようにしている。
これにより、ヘッドが置かれた環境に応じて適切にメンテナンスを行うことができる。また、一度でも第2のモードで印刷を実施した場合は、印刷枚数がM枚より少ないN枚を超えた場合にメンテナンスを行うようにしているため、モードが変更された場合であっても、適切にメンテナンスを行うことができる。なお、本実施形態では枚葉紙に印刷を行っているが、ロール紙に印刷した後に裁断する態様であっても同様に適用することができる。
また、いわゆるロールトゥロール方式のプリンタであれば、印刷枚数の代わりに印刷量(例えば、メートルを単位とする)を計数して判断すればよい。
<インクジェット記録装置の他の構成例>
次に、インクジェット記録装置の他の構成例を説明する。図10は、インクジェット記録装置10´の構成例を示す図である。
インクジェット記録装置10´は、描画部116の描画ドラム170に保持された記録媒体124にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する印刷機であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置10´は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構である。給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。ここでは記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、処理液塗布装置156、及び処理液乾燥装置157を備えている。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
また、処理液付与部114は、処理液塗布装置156によって記録媒体124上に付与された処理液中の溶媒成分の乾燥を行うための処理液乾燥装置157を備えている。処理液乾燥装置157は、例えばハロゲンヒータから構成される。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム170、インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Y(液体吐出ヘッドの一例)、及び用紙抑えローラ174を備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yの構成は、図4〜図6に示したヘッド32と同様であるので、詳細な説明は省略する。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴(液体)が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
すなわち、描画ドラム170によって記録媒体124を一定の速度で搬送し、この搬送方向について、記録媒体124と各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体124の画像形成領域に画像を記録することができる(記録手段の一例)。かかるフルライン型(ページワイド)ヘッドによるシングルパス方式の画像形成は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドによるマルチパス方式を適用する場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
なお、CMYKの標準色(4色)の構成に限らず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
また、図10には図示されていないが、描画部116は、保湿ユニット40´及びノズル面清掃装置80´を備えている。
図11は、描画部116の平面図である。描画ドラム170の記録媒体124の搬送方向に直交する方向に保湿ユニット40´が配置され、描画ドラム170と保湿ユニット40´との間には、ノズル面清掃装置80´が配置されている。
各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、ヘッド支持フレーム(不図示)に取り付けられる。このヘッド支持フレームは、ヘッド支持フレーム移動機構(不図示、移動手段の一例)に駆動されて、描画ドラム170に保持された記録媒体に印刷を行う「画像記録位置」と、後述する保湿ユニット40´でノズル面の保湿を行う「保湿位置」との間を移動可能に設けられる。
保湿ユニット40´は、キャップ42M,42K,42C,42Yと、その下方位置には廃液トレイ44を備えている。キャップ42M,42K,42C,42Yは、ヘッド支持フレーム移動機構により移動された各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのノズル面を覆い、密封可能に構成されている。
ノズル面清掃装置80´は、払拭装置本体フレーム82´に取り付けられる払拭ユニット100M´、100K´、100C´、100Y´と、払拭装置本体フレーム82´を昇降させる払拭装置本体昇降機構(不図示)とから構成される。払拭ユニット100M´、100K´、100C´、100Y´は、ヘッド支持フレーム移動機構により上部を移動する各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのノズル面を払拭清掃する。
なお、保湿ユニット40´及びノズル面清掃装置80´の詳細な構成、動作については、前述の保湿ユニット40及びノズル面清掃装置80と同様であるので、ここでは説明を省略する。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。各温風噴出しノズル182から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各ハロゲンヒータ180の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。また、定着ローラ188は、ハロゲンランプなどを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度に制御される。
インラインセンサ190は、記録媒体124に形成された画像(濃度補正用のテストパターンや不吐出ノズル検出用のテストパターン、ノズル位置対応付け用のマークなども含む)を読み取り、画像の濃度、画像の欠陥などを検出するための手段であり、CCDラインセンサ、CCDカメラなどが適用される。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、紫外線(UV)露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有したインクを用いてもよい。この場合、インクジェット記録装置10´は、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体124は無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
また、図10には示されていないが、本例のインクジェット記録装置10´には、上記構成の他、インクを貯留するインクタンク、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクタンク内のインクを供給、排出するポンプ、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサ、第1のモードと第2のモードのうちのいずれかのモードを選択することができる操作部(選択手段)などを備えている。
<実施例>
図10に示すインクジェット記録装置10´を用いて、メンテナンス頻度とインクジェットヘッドの性能との関係について、評価を行った。
まず、条件1では、図12(a)に示すように、A枚の記録媒体124への印字とメンテナンスとの繰り返しを3日間連続した。
また、条件2では、図12(b)に示すように、B枚の記録媒体124への印字とメンテナンスとの繰り返しを3日間連続した。ここで、Bは、B>2×Aの関係を満たす。
さらに、条件3では、図12(c)に示すように、A枚の記録媒体124への印字した後に画像記録位置に30分放置し、その後メンテナンスを行う繰り返しを3日間連続した。
各条件とも、記録媒体124への印字は、各色インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yをそれぞれ印字モジュールと非印字モジュールに分け、印字モジュールにおいてベタ画像(均一濃度画像)を印字した。
また、メンテナンスとしては、ノズル面清掃装置80´の各払拭ユニット100M´、100K´、100C´、100Y´において、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのノズル面を払拭清掃した。
これらの各条件について、インクジェットヘッドの性能を示す指標として、各色インクジェットヘッドの着弾位置ズレを評価した。着弾位置ズレは、各色インクジェットヘッドについて印字モジュール及び非印字モジュールを3つずつ選択し、選択されたモジュールについてそれぞれノズルを3つずつ選択し、選択したノズルにおいてアライメントチャートを印字し、確認を行った。
図13は、図12に示した各条件を実施した後の各インクジェットヘッドの着弾位置ズレの絶対値のσの最大値を示す図である。ここでは、印字モジュールの最大値、非印字モジュールにおける最大値、及びその平均値を示し、σ≦1.00の場合をA判定、σ>1.00の場合をC判定とした。
図13に示すように、マゼンタインク及びクロインクは、条件1〜3において全てA判定であった。しかし、シアンインクは、条件1、条件2ではA判定であったが、条件3では印字モジュール、非印字モジュールともにσ>1.00となりC判定であった。
また、イエローインクについても、条件1、条件2ではA判定であったが、条件3では印字モジュール、非印字モジュールともにσ>1.00となりC判定であった。
インクジェットヘッドが画像記録位置に放置されると、インクジェットヘッドの吐出性能が悪化する状況に置かれる。特に、インクジェット記録装置10´では、描画部116に近接して処理液付与部114の処理液乾燥装置157のハロゲンヒータや乾燥部118の乾燥ドラム176が配置されており、画像記録位置が高温となっている。
したがって、画像記録位置にインクジェットヘッドを待機させたまま画像の切り替えを行うと、インクジェットヘッドが高温の雰囲気に放置されることになり、保湿位置に移動する場合よりもインクジェットヘッドの吐出性能が悪くなる状況におかれる。
条件1と条件3では、印字枚数は同じであるが、メンテナンス間の画像記録位置に放置された時間が異なる。したがって、画像記録位置に放置された時間が長い場合には、早めにメンテナンスを行う必要があることがわかる。また、条件2では、各色インクともσ≦1.00であり、異常が見られないことから、B枚であればメンテナンスを行わずに連続して印字しても問題が無いことがわかる。
<インクジェット記録装置の他の動作例>
図14は、インクジェット記録装置10の動作を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
インクジェット記録装置10は、印刷する画像を切り替える際に、ヘッド32を待機位置に移動させる印刷モード(第3のモード)と、ヘッド32を画像記録位置に維持する印刷モード(第4のモード)を有している。
制御部90(計時手段の一例)は、前回メンテナンス時からの経過時間の計測を行う。そして、第3のモードでは、1つの画像の記録が終了したときに、前回メンテナンス時からの経過時間がP分以上となったか否かを判定する(ステップS21)。
前回メンテナンス時からの経過時間がP分未満の場合には、ヘッド32を保湿位置に移動させ(ステップS8)、P分以上の場合には、ノズル面清掃装置80によるノズル面33の払拭清掃を行ってから(ステップS7)、ヘッド32を保湿位置に移動させる(ステップS8)。その後、新たな記録画像データを取得する(ステップS3)。
このように動作させることで、記録画像データの取得やその後の画像処理に時間を要する場合であっても、適切にノズル面33を保湿することができる。
また、第4のモードでは、全ての画像の記録が終了したときに、前回メンテナンス時からの経過時間がQ分以上となったか否かを判定する(ステップS22)。
前回メンテナンス時からの経過時間がQ分未満の場合にはそのまま保湿位置へ移動する(ステップS15)。また、Q分以上の場合には、ノズル面清掃装置80によるノズル面33の払拭清掃を行ってから(ステップS14)、保湿位置へ移動する(ステップS15)。
このように動作させることで、ヘッド32の画像記録位置と保湿位置との間の移動時間の分だけ印刷時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、P>Qの関係を満たしている。前述のように、画像記録位置にインクジェットヘッドを待機させたまま画像の切り替えを行うと、保湿位置に移動する場合よりもインクジェットヘッドの吐出性能が悪くなる。したがって、このような関係で制御することで、ヘッドが置かれた環境を考慮して適切にメンテナンスを行うことができる。また、一度でも第4のモードで印刷を実施した場合は、経過時間がP分より短いQ分を超えた場合にメンテナンスを行うようにしているため、モードが変更された場合であっても、適切にメンテナンスを行うことができる。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
例えば、第1のモードにおいて、前回メンテナンス時からの総記録枚数がM枚以上となった場合、又は前回メンテナンス時からの経過時間がP分以上となった場合にメンテナンスを行い、第2のモードにおいては、前回メンテナンス時からの総記録枚数がN枚以上となった場合、又は前回メンテナンス時からの経過時間がQ分以上となった場合にメンテナンスを行う態様も可能である。このとき、M>N、かつP>Qの関係を満たすことはいうまでもない。
10…インクジェット記録装置、20…用紙搬送機構、30…ヘッドユニット、32(32C、32M、32Y、32K)…ヘッド、33…ノズル面、80…ノズル面清掃装置、100(100C、100M、100Y、100K)…払拭ユニット、112…払拭ウェブ、116…巻取側ウェブコア、107…押圧ロール、142…アニロクスロール、200…メンテナンス制御部、202…記憶部、204…ヘッド支持フレーム制御部、208…ウェブ制御部、210…巻取モータ、212…アニロクスロール制御部、214…駆動モータ、216…払拭装置本体昇降機構

Claims (11)

  1. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液体を吐出して前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、
    前記記録手段によって前記記録媒体に記録を行う記録位置と前記記録位置とは異なる待機位置とに前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、
    前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記待機位置に移動させる第1のモードと、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、
    前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、
    前記メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの前記記録手段による記録枚数を計数する計数手段と、
    前記記録手段によって記録する画像を登録する登録手段と、
    前記登録された画像の記録が全て終了した際に前記第1のモードが選択されている場合には前記記録枚数が第1の枚数を超えると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、前記第2のモードが選択されている場合には前記記録枚数が前記第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御手段と、
    を備えた画像記録装置。
  2. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液体を吐出して前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、
    前記記録手段によって前記記録媒体に記録を行う記録位置と前記記録位置とは異なる待機位置とに前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、
    前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記待機位置に移動させる第1のモードと、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、
    前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、
    前記メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの前記液体吐出ヘッドが前記記録位置に保持された保持時間を計時する計時手段と、
    前記記録手段によって記録する画像を登録する登録手段と、
    前記登録された画像の記録が全て終了した際に前記第1のモードが選択されている場合には前記保持時間が第1の時間を超えていると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、前記第2のモードが選択されている場合には前記保持時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間を超えていると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御手段と、
    を備えた画像記録装置。
  3. 前記液体吐出ヘッドの前記ノズルを保湿する保湿手段を備え、
    前記待機位置は、前記保湿手段によって前記ノズルを保湿する保湿位置である請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記メンテナンス手段は、前記記録位置と前記待機位置との間に配置されている請求項1から3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記メンテナンス手段は、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭する払拭手段を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記液体は、ラテックスを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルに液体を供給する液体供給口と、前記ノズルから吐出されない液体を排出する液体排出口と、
    が設けられ、さらに、
    前記液体が貯留される液体タンクと、
    前記液体タンクから前記液体供給口に前記液体を供給するとともに、前記液体排出口から前記液体タンクに前記液体を回収するインク流発生手段と、
    を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  8. 前記記録手段によって画像が記録される前の記録媒体に処理液を付与し、前記付与した処理液を乾燥させる処理液付与手段が前記記録位置に近接して配置された請求項1から7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 前記記録手段によって前記記録媒体に吐出された液体を乾燥させる乾燥手段が前記記録位置に近接して配置された請求項1から8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  10. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液体を吐出して前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、前記記録手段によって前記記録媒体に記録を行う記録位置と前記記録位置とは異なる待機位置とに前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記待機位置に移動させる第1のモードと、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、を備えた画像記録装置の制御方法であって、
    前記メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの前記記録手段による記録枚数を計数する計数工程と、
    前記記録手段によって記録する画像を登録する登録工程と、
    前記登録された画像の記録が全て終了した際に前記第1のモードが選択されている場合には前記記録枚数が第1の枚数を超えると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、前記第2のモードが選択されている場合には前記記録枚数が前記第1の枚数よりも少ない第2の枚数を超えると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御工程と、
    を備えた画像記録装置の制御方法。
  11. 液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液体を吐出して前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、前記記録手段によって前記記録媒体に記録を行う記録位置と前記記録位置とは異なる待機位置とに前記液体吐出ヘッドを移動させる移動手段と、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記待機位置に移動させる第1のモードと、前記記録手段によって記録する画像を切り替える際に前記液体吐出ヘッドを前記記録位置に維持する第2のモードとのうちいずれか一方のモードを選択する選択手段と、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス手段と、を備えた画像記録装置の制御方法であって、
    前記メンテナンス手段によるメンテナンスを行った時点からの前記液体吐出ヘッドが前記記録位置に保持された保持時間を計時する計時工程と、
    前記記録手段によって記録する画像を登録する登録工程と、
    前記登録された画像の記録が全て終了した際に前記第1のモードが選択されている場合には前記保持時間が第1の時間を超えていると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させ、前記第2のモードが選択されている場合には前記保持時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間を超えていると前記メンテナンス手段によるメンテナンスを実施させる制御工程と、
    を備えた画像記録装置の制御方法。
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