JP2013049246A - インクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル面の磨耗耐久性を向上させたインクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出する複数のインク吐出用ノズル151と、洗浄液を供給する複数の洗浄液供給ノズル170と、が形成されたノズルプレートと、前記インク吐出用ノズルに流路を介して繋がる圧力室と、前記圧力室内の液体に圧力を加えるエネルギー発生素子と、洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給流路と、を備えることを特徴とするインクジェットヘッド、および、インクジェットヘッドを備える洗浄システム、洗浄方法である。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法に係り、特に走行する帯状の払拭ウエブを押圧ローラでノズル面に押圧当接させて、ノズル面を払拭する際のノズル面の撥水膜の劣化を防止するインクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法に関する。
インクジェット記録装置で用いられるインクジェットヘッドのノズル面には、使用によりインクの残渣、紙粉など様々な異物が付着する。ノズル面に異物が付着していると、ノズルから吐出されるインク液滴が影響を受けて、インク液滴の吐出方向にバラツキが生じ、記録媒体上の所定の位置にインク液滴を着弾させることが困難となり、画像品質が劣化する原因となる。そこで、インクジェット記録装置では、異物を定期的にワイピングなどのメンテナンス方法で除去することが重要となっている。
ノズル面をワイピングする際、ノズル面に付着している洗浄液の量が少ないと、乾燥した状態でワイピングを行なうため、ノズル面の磨耗故障が発生する、あるいは、ノズルから顔料が染み出し、この染み出した顔料によりノズル面の磨耗故障が発生するため、吐出方向が曲がるといった問題があった。
たとえば、下記の特許文献1には、液体を吐出する吐出口が設けられた吐出口面と、吐出口面に対向し配置された空隙形成部材と、を有し、この空隙に保湿液を供給することで、吐出口面を保湿することが記載されている。引用文献2には、あらかじめ洗浄液を含浸させたテープを当接することによりノズルプレートの洗浄を行なうことが記載されている。
また、特許文献3には、ノズル面に洗浄液を吹き付ける、ノズル面を洗浄液に含浸させることで、ノズル面のミスト、固化インクを除去することが記載されている。特許文献4には、洗浄液をワイピングシートに噴霧し、含浸させた状態でワイプを行なうことが記載されている。
特開2006−88689号公報 特開2005−238611号公報 特開2006−142621号公報 特開2006−239620号公報
特許文献1に記載されている記録ヘッドは、ノズルの保湿を目的とし、保湿液を保持しており、積極的に洗浄液を付与していない。また、ノズル部がザグリ構造となっているので、ノズル近傍を拭くことができなかった。さらに、ノズル近傍で保湿液とインクが混合する、インク固化などの問題があった。特許文献2は、ノズル面に洗浄液を吹き付ける方式ではないため、固化したインクが取りにくい、含浸されたテープは液体をさらに吸収することができないため、ノズル面に液残渣が残り、さらにブレードでのワイピングが必要であった。
特許文献3は、洗浄液を吹き付ける機能のみであるため、ノズル面に形成された撥水膜により、洗浄液が流れてしまい、ワイプ時に洗浄液が残らないことが考えられる。この場合、ノズルからインクの引き出しが発生し、顔料を含んだ液を用いたワイプ磨耗により撥水膜の寿命が短くなるという問題があった。特許文献4も、ノズルに洗浄液を吹き付けていないため、ノズル面のミストや、固化インクが取りにくかった。また、シートにはあらかじめ液が含浸しているため、液体をそれ以上吸い取ることができず、ノズル面に液体残渣が残ってしまい、液タレや、吐出方向が曲がるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、固化インクの除去、および、ワイプ時のインク用ノズルからのインク引き出しを抑え、ノズル面の磨耗耐久性、特に撥水膜の顔料による磨耗耐久性を高く保つことができるインクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、インクを吐出する複数のインク吐出用ノズルと、洗浄液を供給する複数の洗浄液供給ノズルと、が形成されたノズルプレートと、前記インク吐出用ノズルに流路を介して繋がる圧力室と、前記圧力室内の液体に圧力を加えるエネルギー発生素子と、前記洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給流路と、を備えることを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
本発明によれば、ノズルプレートにインク吐出用ノズルとは、別に、洗浄液供給ノズルが形成されている。したがって、洗浄液供給ノズルから洗浄液を供給することで、その後の払拭部材によるワイピングにおいて、払拭部材を洗浄液で濡らしておくことができる。したがって、乾いた払拭部材でワイピングすることを防止することができるので、ノズル面のワイプ耐久性を向上させることができる。
また、払拭部材に洗浄液を供給し、濡れた状態としているため、インク吐出用ノズルのインクを引き出すことを抑えることができるので、払拭部材に顔料が付着し、この顔料が付着した払拭部材でノズル面をワイピングすることを防止することができるので、顔料によるノズルプレートの劣化を防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記ノズルプレートは水平面に対して傾斜して設けられていることが好ましい。
本発明によれば、ノズルプレートが傾斜して設けられているため、ノズルプレートに付与した洗浄液がノズルプレートから落ち易くなっている。したがって、洗浄液供給ノズルから洗浄液を供給することで、払拭部材により払拭する際に、洗浄液供給ノズルからの洗浄液により、払拭部材を湿らすことができるので、乾いた払拭部材での払拭、インクの引き出しによる顔料を有する払拭部材での払拭を防止することができる。したがって、ワイプ耐久性を向上させることができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記ノズルプレートに撥水膜が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ノズル面のワイプ耐久性を向上させることができるので、ノズルプレートに撥水膜が形成されている場合においても、撥水膜の劣化を抑制してワイピングを行なうことができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給用ポンプを外部に有することが好ましい。
本発明によれば、洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給用ポンプを備えているので、インクの背圧制御とは別に洗浄液の背圧制御を行なうことができる。したがって、払拭部材でワイピングする際に、洗浄液とインクとで、個別に洗浄液とインクの背圧を制御することで、洗浄液を払拭部材で引き出し易くし、インクを引き出し難くすることができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記洗浄液供給ノズルは、前記インク吐出用ノズルと同形状、同寸法であることが好ましい。
本発明によれば、洗浄液供給ノズルの形状、大きさをインク吐出用ノズルと同形状、同寸法としているので、インク吐出用ノズルを形成する工程と同時にインク吐出用ノズルの形成を行なうことができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートの傾斜に対して、付着した洗浄液が落下する側の前記洗浄液供給ノズルを前記傾斜の上側と比較し、大きくすることが好ましい。
洗浄液付与装置によりノズルプレートに洗浄液を付与する場合、ノズルプレートに付着した洗浄液の液タレを防止するためノズルプレートの傾斜に対して、付着した洗浄液が落下するノズルプレートの下側の洗浄液を除去している。したがって、ノズルプレートの傾斜に対して、上側には洗浄液が残るが、下側に付着した洗浄液は拭き取られることになる。
本発明によれば、洗浄液供給ノズルの大きさを付着した洗浄液の落下する方向に大きくしているので、ノズルプレートに付着した洗浄液が少ない側の洗浄液供給ノズルの大きさを大きくしている。したがって、払拭部材に補給する洗浄液の量を増やすことができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートの傾斜に対して、付着した洗浄液が落下する方向に、前記洗浄液供給ノズルの大きさが段階的に大きくなることが好ましい。
本発明によれば、洗浄液供給ノズルの大きさを付着した洗浄液の落下する方向に段階的に大きくしているので、ノズルプレートに付着した洗浄液の量が少ない側に向かって洗浄液供給ノズルを大きくしている。したがって、払拭部材に補給する洗浄液の量を増やすことができる。
本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッドは、前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートをワイピングする際のワイピング方向に対して、前記インク吐出用ノズルの上流側に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、洗浄液供給ノズルは、インク吐出用ノズルのワイピング方向の上流側に設けられているため、払拭部材により洗浄液を引き出した後に、インク吐出用ノズルのワイピングを行なうことができる。したがって、払拭部材に洗浄液を効率良く付与することができるので、インク吐出用ノズルからインクの引き出しを行なうことなく、ワイピングを行なうことができる。
本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッドは、前記ノズルプレートのワイピング方向に沿って、前記洗浄液供給ノズルと、前記インク吐出用ノズルと、が隣り合って形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ノズルプレートのワイピング方向に沿って、洗浄液供給ノズルとインク吐出用ノズルと、が隣り合って形成されているため、洗浄液供給ノズルから引き出した洗浄液を含む払拭部材の位置でインク吐出用ノズルを洗浄することができ、効率良く洗浄することができる。
本発明は前記目的を達成するために、上記記載のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドのノズルプレートに洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、前記インクジェットヘッドのノズルプレートを払拭する払拭装置と、を備えることを特徴とするインクジェットヘッドの洗浄システムを提供する。
本発明によれば、洗浄液付与手段とは別に、ノズルプレートに洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを有しているので、払拭装置と組み合わせることで、払拭部材が洗浄液で湿った状態で、インク吐出用ノズルからのインクの引き出しを行なうことなく、払拭部材により払拭することができるので、インクジェットヘッド洗浄システムとして好適に用いることができる。
本発明は前記目的を達成するために、上記記載のインクジェットヘッドを移動させるヘッド移動工程と、前記インクジェットのノズル面に洗浄液を吹き行ける洗浄液付与工程と、前記ノズルプレートの洗浄液供給ノズルの先端に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、前記洗浄液供給ノズルの先端の洗浄液を払拭部材で伝播させながら前記ノズルプレートを払拭する払拭工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの洗浄方法を提供する。
本発明によれば、インクジェットヘッドのノズルプレートに洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを有し、ノズル面に洗浄液を吹き付ける洗浄液付与工程とは別に、洗浄液供給ノズルの先端に洗浄液を供給する洗浄液供給工程を有している。したがって、洗浄液付与工程により、ノズルプレートに付着した固化インクを除去することができる。また、洗浄液付与工程で吹き付けた洗浄液がノズルプレートに残っていなくても、洗浄液供給工程で、洗浄液をノズルプレートに補給することができるので、次の工程の払拭工程を行なう際、払拭部材を洗浄液で湿らしておくことができ、払拭部材によるノズルプレートのワイプ耐久性を向上させることができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドの洗浄方法によれば、前記洗浄液供給工程および前記払拭工程は、前記洗浄液供給ノズルの背圧が前記インク吐出用ノズルの背圧より正圧側であることが好ましい。
本発明によれば、洗浄液供給工程および払拭工程において、洗浄液供給ノズルの背圧を、インク吐出用ノズルの背圧より正圧側としている。したがって、洗浄液供給ノズル中の洗浄液をインク供給用ノズルのインクより吐出部側に配置することができるので、インクより洗浄液を引き出し易くすることができ、洗浄液が付与された払拭部材でワイピングをすることができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドの洗浄方法によれば、前記払拭工程後の前記ノズルプレートの状態、および、前記払拭部材の着色を確認し、前記洗浄液供給ノズルの背圧を制御する制御工程を有することが好ましい。
本発明によれば、払拭工程後のノズルプレートおよび払拭部材を確認し、洗浄液供給ノズルの背圧を制御する制御工程を有している。したがって、ノズルプレートにインクの引き出しが見られる、あるいは、払拭部材の着色が見られる場合は、洗浄液の量が不足していると考えられるので、洗浄液供給ノズルの背圧を正圧に近づけ、払拭部材への洗浄液の付与量を増加させることが好ましい。また、ノズルプレートに洗浄液の残渣が残る場合は、背圧を負圧側にし、払拭部材への洗浄液の付与量を少なくすることが好ましい。
本発明のインクジェットヘッド、インクジェットヘッド洗浄システム、および、インクジェットヘッドの洗浄方法によれば、ワイピング時の顔料の濃度を下げることで、撥水膜のワイプ耐性を向上させることができる。
本実施形態のインクジェットヘッドが適用されたインクジェット記録装置の全体構成図である。 図1に示すインクジェットヘッドの構成例を示す平面図である。 図2の一部拡大図である。 図2に示すヘッドモジュールの平面透視図である。 インクジェットヘッドの立体的構成を示す断面図である。 インクジェットヘッドのノズル面から見た平面図である。 インクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図である。 インクジェット記録装置の描画部の正面図である。 図8に示す洗浄液付与装置の概略構成を示す全体構成図である。 図9に示す洗浄液付与装置の他の態様の概略構成図である。 図6に示すヘッドのノズル面の他の態様を示す平面図である。 払拭装置をメンテナンス位置から見た側面図である。 払拭ユニットの平面図である。 払拭ユニットの正面部分断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
≪インクジェット記録装置の全体構成≫
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成について説明する。図1は、インクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。
このインクジェット記録装置10は、描画部16の圧胴(描画ドラム70)に保持された記録媒体24(便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体24上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体24上に画像形成を行なう2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置10は、主として、給紙部12、処理液付与部14、描画部16、乾燥部18、定着部20、および排出部22を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部12は、記録媒体24を処理液付与部14に供給する機構であり、当該給紙部12には、枚葉紙である記録媒体24が積層されている。給紙部12には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から記録媒体24が一枚ずつ処理液付与部14に給紙される。
本例のインクジェット記録装置10では、記録媒体24として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体24を使用することができる。給紙部12において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(不図示)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ50に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体24として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部14は、記録媒体24の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部16で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図1に示すように、処理液付与部14は、給紙胴52、処理液ドラム54、および処理液塗布装置56を備えている。処理液ドラム54は、記録媒体24を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)55を備え、この保持手段55の爪と処理液ドラム54の周面の間に記録媒体24を挟み込むことによって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム54は、その外周面に吸着穴を設けるとともに、吸着穴から吸引を行なう吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体24を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム54の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置56が設けられる。処理液塗布装置56は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム54上の記録媒体24に圧接されて計量後の処理液を記録媒体24に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置56によれば、処理液を計量しながら記録媒体24に塗布することができる。
処理液付与部14で処理液が付与された記録媒体24は、処理液ドラム54から中間搬送部26を介して描画部16の描画ドラム70へ受け渡される。
(描画部)
描画部16は、描画ドラム(第2の搬送体)70、用紙抑えローラ74、およびインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yを備えている。描画ドラム70は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)71を備える。描画ドラム70に固定された記録媒体24は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yはそれぞれ、記録媒体24における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが好ましい。インク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、記録媒体24の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム70上に密着保持された記録媒体24の記録面に向かって各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部14であらかじめ記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体24上での色材流れなどが防止され、記録媒体24の記録面に画像が形成される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。たとえば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部16で画像が形成された記録媒体24は、描画ドラム70から中間搬送部28を介して乾燥部18の乾燥ドラム76へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部18は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム76、および溶媒乾燥装置78を備えている。
乾燥ドラム76は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)77を備え、この保持手段77によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置78は、乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置され、複数のIRヒータ82と、各IRヒータ82の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル80とで構成される。
各温風噴出しノズル80から記録媒体24に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータ82の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
また、乾燥ドラム76の表面温度は50℃以上に設定されている。記録媒体24の裏面から加熱を行なうことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。なお、乾燥ドラム76の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム76の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
乾燥ドラム76の外周面に、記録媒体24の記録面が外側を向くように(即ち、記録媒体24の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体24のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部18で乾燥処理が行われた記録媒体24は、乾燥ドラム76から中間搬送部30を介して定着部20の定着ドラム84へ受け渡される。
(定着部)
定着部20は、定着ドラム84、ハロゲンヒータ86、定着ローラ88、およびインラインセンサ90で構成される。定着ドラム84は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)85を備え、この保持手段85によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム84の回転により、記録媒体24は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ86による予備加熱と、定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
ハロゲンヒータ86は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体24の予備加熱が行われる。
定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性熱可塑性樹脂微粒子を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体24を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ88は、定着ドラム84に対して圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体24は、定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ88は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(たとえば60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体24を加熱することによって、インクに含まれる熱可塑性樹脂微粒子のTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、熱可塑性樹脂微粒子が溶融される。これにより、記録媒体24の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図1の実施形態では、定着ローラ88を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みや熱可塑性樹脂微粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ90は、記録媒体24に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部20によれば、乾燥部18で形成された薄層の画像層内の熱可塑性樹脂微粒子が定着ローラ88によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体24に固定定着させることができる。また、定着ドラム84の表面温度を50℃以上に設定することで、定着ドラム84の外周面に保持された記録媒体24を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させた場合は、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプを備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
(排出部)
図1に示すように、定着部20に続いて排出部22が設けられている。排出部22は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部20の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体24は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
また、図には示されていないが、本例のインクジェット記録装置10には、上記構成の他、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部14に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行なうヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体24の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
図2は、ヘッド72の構造例を示す平面図であり、ヘッド72をノズル面72A側から見た図である。また、図3は図2の一部拡大図である。
図4はヘッド72をノズル面の反対側から見た平面透視図である。図4に示すように、ヘッド72はn個のヘッドモジュール72−i(i=1,2,3,…,n)を長手方向(記録媒体24(図1参照)の搬送方向と直交する方向)に沿ってつなぎ合わせた構造を有し、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズル(図2中不図示)が設けられている。
各ヘッドモジュール72−iは、ヘッド72における短手方向の両側からヘッドモジュール支持部材72B(以下、「ウイングカバー部」ともいう)によって支持されている。また、ヘッド72の長手方向における両端部はヘッド支持部材72Dによって支持されている。
ノズル面72Aには、インクの付着を防止するため、ノズル面72Aの表面に撥水膜が形成されている。撥水膜を形成することにより、ノズル面72Aにインクが付着することを防止し、インク液滴の吐出方向にばらつきが生じることを防止することができる。
撥水膜を形成する方法としては、フルオロアルキルシランを真空蒸着法で蒸着させる方法、低分子のシロキサンをプラズマ重合させてフッ素含有プラズマ重合膜、シリコン系プラズマ重合撥液膜などを形成する方法、フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤を付与する方法を用いることができる。
フッ素系シランカップリング剤(塩素型、メトキシ型、エトキシ型、イソシアナト型など)を用いて撥液性を有する膜を形成する方法として、たとえば、物理的気相成長法(蒸着法、スパッタリング法など)や化学気相成長法(CVD法、ALD法など)などのドライプロセス法や、ゾルゲル法、塗布法、スピンコート法などのウェットプロセス法などによって形成することができる。
また、ウイングカバー部72Bは、たとえば、エポキシ樹脂により形成されており、エポキシ基は親水性を有するため、ウイングカバー部72Bに洗浄液を保持することができる。
図3に示すように、各ヘッドモジュール72−i(n番目のヘッドモジュール72−n)は、複数のノズルがマトリクス状に配列された構造を有している。図3において符号151Aを付して図示した斜めの実線は、複数のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
図4(a)は、ヘッドモジュール72−iの平面透視図であり、図4(b)はその一部の拡大図である。
記録媒体24上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド72におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッドモジュール72−iは、図4(a)、(b)に示すように、インク吐出口であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット(記録素子単位としての液滴吐出素子)153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(記録媒体24の搬送方向と直交する方向;主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル151が設けられ、他方に供給口154が設けられている。なお、圧力室152の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
かかる構造を有するインク室ユニット153を図4(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向および主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に一列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本実施形態においては、ノズル面72Aに、インクを供給するノズル151とは別に、洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル170を有している。洗浄液供給ノズル170は、ノズル面清掃装置でノズル面72Aをワイピングする際に、洗浄液供給ノズルから洗浄液を補給するために形成されている。
洗浄液供給ノズルから洗浄液を補給することで、払拭部材を湿らせた状態でワイピングを行なうことができるので、乾燥した払拭部材によりノズル面72Aが傷付くことを防止することができる。また、洗浄液を払拭部材に含浸させることにより、ノズル151からのインクの引き出し量を抑えることができ、払拭部材の顔料濃度を下げることができる。したがって、高濃度の顔料を含む払拭部材によりノズル面72Aが傷つけられることを防止することができる。特に、黒色顔料には、研磨材として使用されるカーボンが含まれるため、黒色顔料を含む払拭部材によるノズル面72Aの劣化を防止することができる。
図5は、インクジェットの立体的構成を示す断面図である。図5に示すように、各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路155を介して各圧力室152に供給される。
圧力室152の一部の面(図5において天面)を構成し、且つ、共通電極と兼用される振動板156には、個別電極157を備えた圧電素子158が接合されている。個別電極157に駆動電圧を印加することによって圧電素子158が変形して圧力室152の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル151からインクが吐出される。インク吐出後、圧電素子158が元の状態に戻る際、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に再充填される。
本例では、ヘッド72に設けられたノズル151から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子158を適用したが、圧力室152内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
また、洗浄液供給ノズル170は、共通流路155と連通しており、共通流路155は、洗浄液の補給量を制御する洗浄液供給用ポンプ(不図示)、および洗浄液供給原たる洗浄液タンク(不図示)と連通している。洗浄液タンクから供給される洗浄液は、共通流路155を介して各洗浄液供給ノズル170に供給される。各洗浄液供給ノズル170に供給された洗浄液は、払拭部材によりワイピングされる際の洗浄液の背圧を制御することで、洗浄液の量を制御することができる。洗浄液の背圧制御は、インクの背圧制御とは別に行なうことができる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録媒体24の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを記録媒体24の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録媒体24の幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録媒体24の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録媒体24の印字領域の全面にわたって印字を行なうシリアル方式を適用してもよい。
図6は、インクジェットヘッド72のノズル面72Aから見た平面図である。洗浄液供給ノズル170の位置は、特に限定されず、ノズル面72Aをワイピングする際に、払拭部材を洗浄液で濡らすことができていれば特に限定されない。しかしながら、洗浄液供給ノズル170は、払拭部材による払拭方向に対して、ノズル151の上流側に設けられていることが好ましい。払拭部材による払拭方向の上流側に設けることにより、洗浄液供給ノズル170から供給された洗浄液により、ウェット状態となった払拭部材でノズル面72Aのワイピングを行なうことができるので、ノズル151から払拭部材により、インクを引き出すことを防止することができる。ノズル151からのインクの引き出しを防止することにより、顔料を含む払拭部材によりワイピングされることでで、ノズル面72Aの劣化を防止することができる。
また、洗浄液供給ノズル170は、ノズル面72Aのワイピング方向でインク吐出用のノズル151と隣り合う位置に形成されていることが好ましい(図6中、点線で示す線状で隣り合う位置)。洗浄液供給ノズル170とインク吐出用のノズル151とが、ワイピング方向でとなり隣り合う位置に形成されることにより、払拭部材で洗浄液供給ノズル170から洗浄液を引き出した位置で、インク吐出用のノズル151を払拭することができるので、インクの引き出しを防止し、効率良くワイピングを行なうことができる。
また、洗浄液供給ノズル170は、ノズル面72Aのノズルが形成されている領域の周囲にも設けられていることが好ましい。洗浄液供給ノズルをノズル面の周囲に設けることにより、払拭部材を洗浄液で濡らすことができるので、ノズルからインクを引き出してもインク濃度を下げることができ、ワイピングによりノズル面72Aが劣化することを防止することができる。
洗浄液供給ノズル170のサイズ、形状は特に限定されないが、インク吐出用のノズル151と同じ形状、同じサイズとしておくことが好ましい。インク吐出用のノズル151と同じ形状、同じサイズとすることにより、洗浄液供給ノズル170と、インク吐出用のノズル151と、を同じプロセス(エッチング条件同一化)で形成することができる。
〔メンテナンス部の説明〕
次にメンテナンス部の説明をする。図7は、インクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図である。
描画ドラム70は、その回転軸218の両端部を一対の軸受222に軸支されて回転自在に設けられている(図8参照)。一対の軸受222は、インクジェット記録装置の本体フレーム220に設けられており、この一対の軸受222に回転軸218の両端部が軸支されることにより、描画ドラム70は水平に取り付けられる(水平な設置面に対して回転軸218が平行に取り付けられる。)。
描画ドラム70の回転軸218には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。描画ドラム70は、このモータに駆動されて回転する。
4本のインクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。なお、本例では、4本のインクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが、描画ドラム70を挟んで左右対称になるように配置されている。すなわち、描画ドラム70の中心を通る鉛直な線分に対してマゼンタのインクジェットヘッド72Mとイエロのインクジェットヘッド72Yとが左右対称に配置されるとともに、クロのインクジェットヘッド72Kとシアンのインクジェットヘッド72Cとが左右対称に配置されている。
このように配置された各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、それぞれその下端部に形成されたノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面から所定高さの位置に位置する(描画ドラム70の外周面とノズル面72AM、72AK、72AC、72AYとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYに形成されたノズル列が、記録媒体24の搬送方向と直交して配置される。
さて、以上のように構成される描画部において各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、図8に示すように、ヘッド支持フレーム240に取り付けられて、描画ドラム70の周囲に配置される。
ヘッド支持フレーム240は、描画ドラム70の回転軸218と直交して設けられた一対のサイドプレート242L、242Rと、その一対のサイドプレート242L、242Rを上端部で連結する連結フレーム244とで構成されている。
一対のサイドプレート242L、242Rは、板状に形成されており、描画ドラム70を挟んで互いに対向するように配置されている。この一対のサイドプレート242L、242Rの内側には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yを取り付けるための取付部246M、246K、246C、246Yが設けられている(図8では、便宜上、取付部246Kのみ図示)。
取付部246C、246M、246Y、246Kは、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、その両端に形成された被取付部248M、248K、248C、248Y(図8では、便宜上、被取付部248Kのみ図示)を取付部246M、246K、246C、246Yに固定することにより、ヘッド支持フレーム240に取り付けられる。そして、このヘッド支持フレーム240に取り付けられることにより、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
ヘッド支持フレーム240は、図示しないガイドレールにガイドされて、描画ドラム70の回転軸218と平行にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動機構(たとえば、送りネジ機構など)に駆動されて、図8に実線で示す「画像記録位置」と図8に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動する。
各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、ヘッド支持フレーム240を画像記録位置に位置させると、描画ドラム70の周囲に配置され、画像記録可能な状態になる。
メンテナンス位置は、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが描画ドラム70から退避する位置に設定される。このメンテナンス位置には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yを保湿するための保湿ユニット250が設けられる。
保湿ユニット250には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面を覆うキャップ252M、252K、252C、252Y(図8では、便宜上、キャップ252Kのみ図示)が備えられている。装置を長時間停止する場合などは、このキャップ252M、252K、252C、252Yでノズル面が覆われる。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
なお、このキャップ252M、252K、252C、252Yには、図示しない加圧・吸引機構が備えられており、ノズル内を加圧・吸引できるように構成されている。
また、このキャップ252M、252K、252C、252Yには、図示しない洗浄液供給機構が備えられており、内部に洗浄液を供給できるように構成されている。
キャップ252M、252K、252C、252Yの下方位置には廃液トレイ254が配置されている。キャップ252M、252K、252C、252Yに供給された洗浄液は、この廃液トレイ254に廃棄され、廃液回収配管256を介して廃液タンク258に回収される。
画像記録位置とメンテナンス位置との間には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを清掃するためのノズル面清掃装置260が設けられている。各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程で、または、画像記録位置からメンテナンス位置に移動する過程で、このノズル面清掃装置260によってノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが清掃される。
以下、このノズル面清掃装置260の構成について説明する。
≪ノズル面清掃装置の構成≫
図8に示すように、ノズル面清掃装置260は、洗浄液付与装置(洗浄液噴射部)262とノズル面払拭装置264とを備えて構成されている。
洗浄液付与装置262は、画像記録位置からメンテナンス位置に向かって移動する各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYに洗浄液を付与する。
ノズル面払拭装置264は、洗浄液が付与された各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYに払拭ウエブを押圧当接させて、ノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを払拭する。
洗浄液付与装置262とノズル面払拭装置264は、ヘッド支持フレーム240の移動経路上に配置される。この際、ノズル面払拭装置264が洗浄液付与装置262に対してメンテナンス位置側に配置される。これにより、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yを画像記録位置からメンテナンス位置に移動させた際、洗浄液の付与後に払拭ウエブでノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを払拭することができる。
≪洗浄液付与装置の構成≫
図9は、洗浄液付与装置262の概略構成図である。同図はフルライン型のヘッド72の幅方向(副走査方向)から見た図であり、同図における紙面を貫く方向はヘッド72の長手方向(記録媒体搬送方向と直交する主走査方向)である。
洗浄液付与装置262は、ヘッド72のノズル面72Aに塗布する洗浄液が保持される洗浄液保持面262Aを有し、該洗浄液保持面262Aに洗浄液を供給する洗浄液供給口263が洗浄液保持面262Aの傾斜の上部1262Bにおける端部近傍に設けられる。また、洗浄液付与装置262には、洗浄液を貯留する洗浄液タンク271と、洗浄液保持面262Aへの洗浄液の供給量(単位時間あたりの洗浄液供給量)を制御するポンプ265と、を具備している。
ヘッド72のノズル面72Aと洗浄液保持面262Aの間に、洗浄液供給口263から流し込まれたわずかな量の洗浄液は、ノズル面72Aの撥液性を利用して濡れ広がるとともに、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間にメニスカスを形成しながら傾斜面を滑り落ちる。図9に符号Fを付した白抜き矢印線は、洗浄液のコート層261の移動方向(図9における左下方向)を示している。
洗浄液保持面262Aの傾斜面を滑り落ちた洗浄液は、洗浄液保持面262Aの傾斜の下部262Cに設けられた回収トレイ266に落下する。回収トレイ266に集められた使用済みの洗浄液は、ポンプ267を動作させると、フィルタ268を介して洗浄液タンク271に送液され、再利用される。
洗浄液が、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間にメニスカスを形成しながら傾斜面を滑り落ちるためには、ノズル面の表面性(接触角)、洗浄液保持面の表面性(接触角)、洗浄液の物性(粘度)、洗浄液の流速(単位時間あたりの供給量)、洗浄液供給口の形状、サイズ、を適宜最適化する必要がある。
洗浄液保持面262Aは、金属材料(例えば、ステンレス)や樹脂材料が適用される。さらに、洗浄液保持面262Aに対する洗浄液の接触角が80度以上となる表面性を有する態様が好ましい。なお、洗浄液保持面262Aはノズル面72Aとの間に所定のクリアランスを維持することができればノズル面72Aに対して傾いていてもよいし、ノズル面72Aと洗浄液保持面262AとのクリアランスHが1mm以上2mm以下の条件を満たすことができれば平面だけでなく球面や湾曲面としてもよい。
洗浄液供給口263はヘッド72の長手方向について少なくとも1つ設けられていればよいが、ヘッド72の長手方向について複数の洗浄液供給口263を備える態様も可能である。
洗浄液供給口263の開口部の平面形状は、直径1mmの円形状が適用される。なお、洗浄液供給口263の平面形状は、だ円、四角形、多角形など円形状以外の形状を適用することも可能である。また、洗浄液供給口263のサイズは洗浄液の物性等に対応して適宜決められる。
洗浄液供給口263は洗浄液付与装置262の内部に形成される不図示の内部流路と連通している。該流路は洗浄液付与装置262の底面に設けられる不図示の洗浄液流入口および該洗浄液流入口と連通する所要の外部流路を介してポンプ265と接続される。ポンプ265は、洗浄液タンク271と所要の外部流路を介して接続されて、洗浄液の供給量を制御する手段として機能している。ポンプ265を動作させると、洗浄液タンク271から洗浄液を汲み上げるとともに、洗浄液供給口123に所定量の洗浄液が供給される。図9に符号Sを付して図示した白抜き矢印線は、洗浄液付与装置262の内部における洗浄液の移動方向を表している。
かかる構造を有する洗浄液付与装置262を、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間に洗浄液261を保持した状態を維持しながらヘッド72を長手方向(図9における紙面を貫く方向)に移動させることで、ヘッド72のノズル面72Aの全面にわたって洗浄液が塗布される。
洗浄液は、ノズル面72Aに付着した固化インクを溶解しうる物性を有し、洗浄液保持面262Aに洗浄液261を形成し得る物性を有し、洗浄効果のより高い専用の液体が適用される。たとえば、DEGmBE(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)などの溶剤が含まれている洗浄液を適用可能である。
また、洗浄液付与装置262は、傾斜したインクジェットヘッド72の傾斜の下側のウイングカバー部72Bに付着した洗浄液を除去するためのブレード269を備える。インクジェットヘッド72が傾斜していると、ノズル面72Aに付与した洗浄液が、インクジェットヘッド72の傾斜により傾斜の下側のウイングカバー部72Bに溜まり、洗浄液が装置内に垂れることが考えられるため、液タレ防止の観点から傾斜の下側のウイングカバー部72Bに付着した洗浄液をブレード269で除去する。
図10は、洗浄液保持面262Aと対向する面側(ヘッド72のノズル面72A側)から洗浄液保持面262Aに洗浄液を供給するように構成された洗浄処理部の概略構成図である。図10中、図9と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
同図に示す洗浄液付与装置262’は、洗浄液保持面262Aの傾斜の上部における洗浄液保持面262Aと対向する位置に洗浄液供給部270が設けられている。洗浄液供給部270の洗浄液保持面262Aと対向する面には洗浄液供給口263が設けられている。図10に符号S’を付した白抜き矢印線は、洗浄液供給部270内の洗浄液の移動方向(図10における下方向)を表している。
なお、図10では図示を省略したが、図10に示す洗浄液供給部270に付随して、図9に図示した洗浄液タンク271、およびポンプ265、回収トレイ266、ポンプ267、フィルタ268などが設けられている。
図10に図示した洗浄液付与装置262’は、洗浄液保持面262Aと対向する面から洗浄液が供給される点以外は、図9に図示した洗浄液付与装置262と同一であり、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間に洗浄液供給口263から洗浄液がわずかに供給され、洗浄液はノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間を濡れ広がりながら傾斜の上部から下部へ移動し、ノズル面72Aの短手方向について洗浄液が均一に塗布される。
上述したように、インクジェットヘッド72が傾斜している場合、液タレ防止の観点から傾斜の下側のウイングカバー部72Bに付着した洗浄液をブレード269で除去している。したがって、次工程のノズル面払拭装置でワイピングされる際のノズル面72A、および、ウイングカバー部72Bに付着する洗浄液の量が異なっており、インクジェットヘッド72の傾きの上側のウイングカバー部72Bには、洗浄液が残り、傾きの下側のウイングカバー部72Bには洗浄液が残らない状態となる。そのため、ノズル面の傾きの上側は、洗浄液で濡れている状態でノズル面をワイピングすることができるが、ノズル面の傾きの下側では、洗浄液で濡れていない状態でノズル面をワイピングすることになる。したがって、ノズル面の傾きの下側では顔料をノズル151から引き出しやすくなってしまい、傾きの上側と比較してワイプ耐久性が低下する場合がある。
図11は、インクジェットヘッドのノズル面の他の態様を示す平面図である。本実施形態においては、図11(a)に示すように、洗浄液供給ノズル171a、171bのノズルサイズをヘッドのノズル面の下半分の洗浄液供給ノズル171bのサイズを、上側の洗浄液供給ノズル171aのサイズより大きくする、または、図11(b)に示すように、傾斜の上側から下側に向けて段階的に洗浄液供給ノズル172のサイズを大きくする。このような構成とすることにより、インクジェットヘッド72の傾斜の下側のウイングカバー部72Bに付着した洗浄液の量が少なくても、洗浄液供給ノズルから洗浄液を引き出しやすくすることができるので、インクを引き出すことなく、ワイピングを行なうことができる。
≪ノズル面払拭装置の構成≫
図12は、ノズル面払拭装置をメンテナンス位置側から見た側面図である。
同図に示すように、ノズル面払拭装置264は、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yに対応して設けられた払拭ユニット300M、300K、300C、300Yと、その払拭ユニット300M、300K、300C、300Yがセットされる払拭装置本体フレーム302とで構成されている。
(払拭装置本体フレームの構成)
払拭装置本体フレーム302は、水平に設置されており、図示しない昇降装置によって昇降自在に設けられている。この払拭装置本体フレーム302は、上端部が開口した箱状に形成されており、その内部に各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを装着するための払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yが形成されている。
払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yは、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを収容可能な空間として形成されており、上部が開口して形成されている。各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yは、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yの上部開口部から鉛直下向きに差し込むことにより、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yにセットされる。
なお、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yには、図示しないロック機構が備えられ、装着された払拭ユニット300M、300K、300C、300Yをロックできるように構成される。ロック機構は、たとえば、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yに差し込むと、自動的に作動するように構成される。
<払拭ユニットの構成>
次に、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yの構成について説明する。
なお、各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yの基本構成は共通しているので、ここでは払拭ユニット300として、その構成を説明する。払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yについても同様であり、払拭ユニット装着部304として説明する。
図13は払拭ユニットの平面図、図14は払拭ユニットの正面部分断面図である。
図13、14に示すように、払拭ユニット300は、傾斜して設置された押圧ローラ318に帯状に形成された払拭ウエブ310を巻き掛け、この押圧ローラ318に巻き掛けた払拭ウエブ310をインクジェットヘッドのノズル面に押圧当接させることにより、インクジェットヘッドのノズル面を払拭清掃する。
この払拭ユニット300は、ケース312と、帯状に形成された払拭ウエブ310を繰り出す繰出軸314と、払拭ウエブ310を巻き取る巻取軸316と、繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310が押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする前段ガイド320と、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が巻取軸316に巻き取られるようにガイドする後段ガイド322と、払拭ウエブ310を搬送するグリッドローラ(駆動ローラ)324とを備えて構成される。
繰出軸314は、円柱状に形成され、その基端部をケース本体326に設けられた軸支持部に固定(片持ち支持)されて、ケース本体326の内部に水平に設置される。この繰出軸314には繰出コア338が着脱自在に装着される。なお、繰出軸314は、繰出コア338の長さよりも若干短く形成される。したがって、繰出コア338が装着されると、繰出軸314は、繰出コア338の内周部に退避する。
繰出コア338は、円筒状に形成される。帯状に形成された払拭ウエブ310は、この繰出コア338にロール状に巻回される。
繰出コア338は、その内周部に繰出軸314を挿入して、繰出軸314に嵌めることにより、繰出軸314に装着される。繰出軸314に装着された繰出コア338は、繰出軸314の周りを回転して、回転自在に支持される。
なお、払拭ウエブ310には、たとえば、PET、PE、NY、アクリル等の極微細繊維を用いた編みまたは織りからなるシートが用いられ、払拭対象とするヘッドのノズル面の幅に対応した幅を有する帯状に形成される。
巻取軸316は、繰出軸314の下方位置に水平に配設される。すなわち、巻取軸316と繰出軸314とは、上下に並列して配置される。
この巻取軸316には、繰出コア338から繰り出された払拭ウエブ310を巻き取る巻取コア342が装着される。
巻取コア342の構成は、繰出コア338の構成とほぼ同じである。すなわち、円筒状に形成される。繰出コア338に巻回された払拭ウエブ310の先端は、この巻取コア342に固定される。
巻取コア342は、その内周部に巻取軸316を嵌めることにより、巻取軸316に装着される。
巻取軸316の主軸は、その基端部がケース本体326の外側に突出して設けられており、その突出した基端部に巻取軸ギア358が取り付けられる。巻取軸316(主軸)は、この巻取軸ギア358が回転駆動されることにより回転する。
押圧ローラ318は、繰出軸314の上方に配置されており(本例では、押圧ローラ318と繰出軸314と巻取軸316とが同一直線上に配置されている。)、水平面に対して所定角度傾斜して配置されている。すなわち、この押圧ローラ318は、払拭ウエブ310をインクジェットヘッド72のノズル面72Aに押圧当接させるものであるため、払拭対象とするインクジェットヘッド72のノズル面72Aの傾きに合わせて傾けて配置されている(ノズル面と平行になるように配置されている)。
前段ガイド320は、第1前段ガイド360と、第2前段ガイド362とで構成され、繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310が、傾斜して設置された押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。
一方、後段ガイド322は、第1後段ガイド364と、第2後段ガイド366とで構成され、傾斜して設置された押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、水平に設置された巻取軸316に巻き取れるようにガイドする。
この前段ガイド320と後段ガイド322は、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。すなわち、第1前段ガイド360と第1後段ガイド364とが押圧ローラ318を挟んで対称に配置されるとともに、第2前段ガイド362と第2後段ガイド366とが押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。
第1前段ガイド360は、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ370の上に垂直に立設されている。この第1前段ガイド360は、上縁部360Aが、払拭ウエブ310の巻き掛け部として形成されており、その表面が円弧状に形成されている。また、この上縁部360Aは、水平面に対して所定角度傾斜して形成されており、これにより、払拭ウエブ310の走行方向が変換される。
第1後段ガイド364は、第1前段ガイド360と同じ構成である。すなわち、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ370の上に垂直に立設されている。そして、その上縁部364Aが、払拭ウエブ310の巻き掛け部として形成され、円弧状に形成されるとともに、水平面に対して所定角度傾斜して形成されている。
この第1前段ガイド360と第1後段ガイド364とが、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310は、第1前段ガイド360に巻き掛けられることにより、繰出軸314と直交する方向から押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換される。また、後述する第2後段ガイド366に巻き掛けられた払拭ウエブ310は、第1後段ガイド364に巻き掛けられることにより、巻取軸316と直交する方向に方向転換される。
第2前段ガイド362は、両端部にフランジ362L、362Rを有するガイドローラとして構成されている。この第2前段ガイド362は、第1前段ガイド360と押圧ローラ318との間に配置され、第1前段ガイド360に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。すなわち、第1前段ガイド360によって押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換された払拭ウエブ310が、押圧ローラ318と直交する方向に走行するように、払拭ウエブ310の走行方向を微調整する。また、両端のフランジ362L、362Rによって、払拭ウエブ310の斜行を防止する。
この第2前段ガイド362は、一端をブラケット368Aに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット368Aは、図13に示すように、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体326の背面上端部に固定されている。そして、そのケース本体326の上端部から上方に向けて垂直に突出して設けられている。第2前段ガイド362は、このブラケット368Aの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
第2後段ガイド366は、第2前段ガイド362と同じ構成である。すなわち、両端部にフランジ366L、366Rを有するガイドローラとして構成され、一端をブラケット368Bに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット368Bは、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体326の背面上端部に固定されている。第2後段ガイド366は、このブラケット368Bの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
この第2後段ガイド366は、押圧ローラ318と第1後段ガイド364との間に配置され、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、第1後段ガイド364に巻き掛けられるようにガイドする。
この第2前段ガイド362と第2後段ガイド366とが、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。第1前段ガイド360によって押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換された払拭ウエブ310は、第2前段ガイド362に巻き掛けられることにより、押圧ローラ318と直交する方向に走行するように、走行方向が微調整される。また、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310は、第1後段ガイド364に巻き掛けられるように、第2後段ガイド366によって走行方向が微調整される。そして、第1後段ガイド364に巻き掛けられることにより、巻取軸316と直交する方向に方向転換される。
このように、前段ガイド320と後段ガイド322は、段階的に払拭ウエブ310の走行方向を切り換えることにより、払拭ウエブ310が、無理なく押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。
このため、第1前段ガイド360の傾斜角度に比べて第2前段ガイド362の傾斜角度は押圧ローラ318の傾斜角度に近い角度となっており、同様に第1後段ガイド364の傾斜角度に比べて第2後段ガイド366の傾斜角度は押圧ローラ318の傾斜角度に近い角度となっている。
ノズル面払拭装置264によりノズル面72Aがワイピングされている間、洗浄液供給ノズル170の背圧は、インク吐出用のノズル151の背圧より正圧側とすることが好ましい。このような構成とすることにより、洗浄液供給ノズル170内の洗浄液を、洗浄液供給ノズル170の吐出口側に配置させることができ、インク吐出用のノズル151内のインクをノズル内部に配置させることができる。したがって、ノズル面払拭装置264でノズル面72Aをワイピングする際に、洗浄液を洗浄液供給ノズル170より引き出し易くすることができ、インク吐出用のノズル151からのインクの引き出しを抑えることができる。
また、ノズル面払拭装置264によりワイピングした後の、ノズル面72A、および、払拭ウエブ310の表面状態、着色を確認し、洗浄液供給ノズル170の背圧を制御することが好ましい。ノズル面72Aの表面にインク吐出用のノズル151からのインク顔料の引き出しが見られる場合、または、ワイピング後に払拭ウエブ310にインクの着色が見られる場合は、洗浄液供給ノズル170からの洗浄液の補給が不十分であると考えられる。したがって、洗浄液供給ノズル170の背圧を上げることで、洗浄液の引き出し量を増やすことが好ましい。また、ノズル面72Aに洗浄液の残渣が残る場合は、洗浄液の補給が十分であるため、洗浄液供給ノズル170の背圧を下げることで、洗浄液の引き出し量を下げることが好ましい。
10…インクジェット記録装置、12…給紙部、14…処理液付与部、16…描画部、18…乾燥部、20…定着部、22…排出部、24…記録媒体、70…描画ドラム、72…インクジェットヘッド、72A…ノズル面、72B…ヘッドモジュール支持部材(ウイングカバー部)、151…ノズル、170、171a、171b、172…洗浄液供給ノズル、260…ノズル面清掃装置、262…洗浄液付与装置、264…ノズル面払拭装置

Claims (13)

  1. インクを吐出する複数のインク吐出用ノズルと、洗浄液を供給する複数の洗浄液供給ノズルと、が形成されたノズルプレートと、
    前記インク吐出用ノズルに流路を介して繋がる圧力室と、
    前記圧力室内の液体に圧力を加えるエネルギー発生素子と、
    前記洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給流路と、を備えることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ノズルプレートは水平面に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記ノズルプレートに撥水膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記洗浄液供給ノズルに洗浄液を供給する洗浄液供給用ポンプを外部に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記洗浄液供給ノズルは、前記インク吐出用ノズルと同形状、同寸法であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートの傾斜に対して、付着した洗浄液が落下する側の前記洗浄液供給ノズルを前記傾斜の上側と比較し、大きくすることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートの傾斜に対して、付着した洗浄液が落下する方向に、前記洗浄液供給ノズルの大きさが段階的に大きくなることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記洗浄液供給ノズルは、前記ノズルプレートをワイピングする際のワイピング方向に対して、前記インク吐出用ノズルの上流側に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記ノズルプレートのワイピング方向に沿って、前記洗浄液供給ノズルと、前記インク吐出用ノズルと、が隣り合って形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドのノズルプレートに洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、
    前記インクジェットヘッドのノズルプレートを払拭する払拭装置と、を備えることを特徴とするインクジェットヘッド洗浄システム。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドを移動させるヘッド移動工程と、
    前記インクジェットのノズル面に洗浄液を吹き付ける洗浄液付与工程と、
    前記ノズルプレートの洗浄液供給ノズルの先端に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、
    前記洗浄液供給ノズルの先端の洗浄液を払拭部材で伝播させながら前記ノズルプレートを払拭する払拭工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの洗浄方法。
  12. 前記洗浄液供給工程および前記払拭工程は、前記洗浄液供給ノズルの背圧が前記インク吐出用ノズルの背圧より正圧側であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドの洗浄方法。
  13. 前記払拭工程後の前記ノズルプレートの状態、および、前記払拭部材の着色を確認し、前記洗浄液供給ノズルの背圧を制御する制御工程を有することを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェットヘッドの洗浄方法。
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