JP2014057570A - 農業用ハウス - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の周囲温度を制御する機能を備えながらも、設備コストおよびランニングコストの増加を抑制した農業用ハウスを提供する。
【解決手段】水供給装置は、ハウス本体の内部に配置され植物の群落に上方から撒水を行う撒水装置を備える。散水装置は、撒水を行うことにより、植物への水分の供給と、気化熱を利用した熱移動による植物の周囲温度の制御とを行う。制御装置30は、環境センサ24から植物の周囲温度を含む環境情報を取得し、植物の育成に適した温度および湿度が得られるように、環境情報に応じて定まる撒水期間に水供給装置を駆動して撒水を行い、撒水期間の後に定めた休止期間に水供給装置による撒水を禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物を育成するハウス本体の内部において植物の育成環境を制御可能にした農業用ハウスに関するものである。
従来から、植物を育成する際に植物の育成環境を制御可能にするためにビニールハウスあるいはパイプハウスと称される温室様のハウスが用いられている。この種のハウスは、太陽光の入射を可能にして外部環境を取り込みながらも、温度、湿度、照度のような植物の育成環境を管理可能にし、植物に適した育成環境を形成する目的で用いられている。
この種のハウスは、内部空間の温度を管理するために、温水や冷水のような熱媒を通す管路をハウス内に敷設することが考えられているが、撒水や換気のための設備のほかに温度を制御するための設備が必要になるから、コスト高になるという問題を有している。
一方、ハウスが構造材であるフレームと、フレームを覆う被覆材とで構成されていることに鑑みて、被覆材の屋外面を親水処理面とし、この屋外面に水を流下させる構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、被覆材の外面に水を流すことによって、昼間におけるハウス内の温度上昇を抑制し、かつ夜間における温度低下を抑制する効果が得られることが記載されている。
特開2007−300836号公報
特許文献1に記載された技術は、ハウスの内部温度を調節するためにのみ、温水や冷水を通す管路を設ける構成と比較すれば、少ない設備コストで実現できると考えられる。しかしながら、ハウスの屋外面に水を流下させるための撒水装置が必要であるから、依然として、植物への撒水やハウスの換気のための設備以外の設備が必要になっている。また、植物に撒水する水とは別にハウスの屋外面に流下させるための水が必要であって、このために用いる水量は比較的少量であるとはいえ、温度調節のためにのみ水を用いることは、ランニングコストの増加につながるという問題を有している。
とくに、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナなどの軟弱野菜は、市場価格が比較的低いから、設備コストやランニングコストが増加すると、採算がとれなくなる可能性がある。そのため、植物の育成環境を制御可能にしながらも、設備コストやランニングコストを抑制することが要望されている。
少ないコストで植物の温度制御が可能になれば、主として冬季に栽培される植物を夏季に栽培し、主として夏季に栽培される植物を冬季に栽培することが可能になる。その結果、植物の栽培の回転率を高めて収益率を向上させることや、品薄である期間に出荷して高値で販売することが期待できる。
本発明は、植物の周囲温度を制御する機能を備えながらも、温度制御の機能を備えていないハウスに対する設備コストおよびランニングコストの増加を抑制できるようにした農業用ハウスを提供することを目的とする。
本発明に係る農業用ハウスは、透光性を有する被覆材がフレームにより支持され内部に植物育成用の空間が形成されたハウス本体と、前記ハウス本体の内部で育成される植物の群落に上方から撒水を行うことにより前記植物への水分の供給と前記植物の周囲温度の制御とを行う水供給装置を含み、前記植物が成長する環境を形成する環境形成装置と、前記ハウス本体の内部空間において前記植物の周囲温度を含む環境情報を検出する環境センサと、前記植物の育成に適した温度および湿度が得られるように、前記環境センサから前記環境情報を取得し、前記水供給装置から撒水を行うタイミングと水量との少なくとも一方を前記環境情報に応じて制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記環境情報に応じて定まる撒水期間に前記水供給装置を駆動して撒水を行い、前記撒水期間の後に定めた休止期間に前記水供給装置による撒水を禁止することを特徴とする。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記水供給装置を含む前記環境形成装置の動作を制御する機能を有し、前記環境形成装置を制御する制御内容を季節に応じて変更することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記ハウス本体の外部の温度を計測する温度センサをさらに備え、前記制御装置は、前記温度センサが当日の日の出までに計測した最低温度に応じて季節を判定することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、冬季には前記植物の周囲温度が育成に適した温度よりも高くなるように、前記水供給装置から撒水を行うタイミングと水量との少なくとも一方を設定していることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記環境形成装置を制御する制御内容を時間帯に応じて変更することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じて、前記休止期間を変更することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じて、前記水供給装置から撒水を行う水量を変更することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記水供給装置は、前記植物に水がかかるように撒水する撒水装置と、前記植物の上方空間に水を噴霧するミスト装置とを備えることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記ハウス本体を複数棟備え、前記ハウス本体にそれぞれ配置される前記撒水装置と前記ミスト装置との少なくとも一方に水を供給し、かつ前記複数棟の前記ハウス本体で共用される給水設備をさらに備えることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記給水設備の給水能力と前記ハウス本体で必要な給水量との関係に応じて、前記ハウス本体のうちで前記給水設備から給水を行う対象を選択することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記ハウス本体で必要な給水量の総量が前記給水設備の給水能力を上回っている場合に、前記給水設備から前記ハウス本体に順に給水を行うことが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じた位置の前記環境センサから前記環境情報を取得することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記環境形成装置は、前記ハウス本体の内部において前記植物の周囲に気流を形成する気流形成装置をさらに備え、前記制御装置は、前記水供給装置による撒水のタイミングと水量との少なくとも一方に合わせて前記気流形成装置の動作を制御することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記環境形成装置は、前記ハウス本体の内部において前記植物の周囲に気流を形成する気流形成装置をさらに備え、前記制御装置は、冬季には前記植物の周囲温度が所定温度以上に維持される範囲で前記気流形成装置を定期的に動作させることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記ハウス本体は、互いに対向する一対の側壁部と、前記側壁部の間に跨る屋根部と、前記側壁部と交差し互いに対向する妻壁部とを一体に備え、前記環境形成装置は、前記側壁部に設けられた開閉可能な側窓をさらに備え、前記気流形成装置は、前記妻壁部に取り付けられ、前記ハウス本体において前記妻壁部を通る方向に気流を形成することにより、前記側窓が開いているときに前記側窓から外気を誘引することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記妻壁部はそれぞれ開閉可能な端窓が設けられ、前記気流形成装置は、一対の前記妻壁部にそれぞれ取り付けられ、一対の前記気流形成装置は、前記ハウス本体において一対の前記妻壁部を通る方向に沿った中心線に対して互いに反対側に位置し、かつ対向する前記妻壁部にそれぞれ設けられた前記端窓と向かい合うように配置されていることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記環境形成装置は、前記植物に照射される外光を減光する閉状態と前記植物に照射される外光を遮らない開状態との間で開閉可能に駆動されるカーテンをさらに備え、前記気流形成装置は、前記植物よりも上方であって、前記カーテンの閉状態において前記カーテンを挟んで前記屋根部の反対側となる位置に配置されていることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記側窓および前記端窓は開閉可能に駆動され、前記制御装置は、前記環境センサが検出した前記環境情報に応じて、前記側窓の開閉と前記端窓の開閉と前記気流形成装置の動作とを制御することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記妻壁部に取り付けられた前記気流形成装置は、気流を形成する本体装置と、前記妻壁部に固定され前記本体装置が結合される位置が可変である取付枠とにより構成されていることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記妻壁部に取り付けられた前記気流形成装置は、軸流ファンを備えた複数台の換気扇または送風機からなり、軸流ファンの回転軸の軸線が一直線上に配置されていることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記植物に照射される外光を減光する閉状態と前記植物に照射される外光を遮らない開状態との間で開閉可能に駆動されるカーテンをさらに備え、前記制御装置は、前記カーテンが前記水供給装置による撒水のタイミングと水量との少なくとも一方に合わせて開閉されるように前記カーテンを駆動することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記制御装置は、天気予報の情報を外部から取得する通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部を通して取得した天気予報の情報から前記周囲温度を予測することにより、前記水供給装置から撒水するタイミングと水量との少なくとも一方の計画を定めることが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記環境センサは、前記植物の前記周囲温度に加えて、前記ハウス本体の内部における湿度と照度との少なくとも一方を前記環境情報として検出することが好ましい。
この農業用ハウスにおいて、前記水供給装置は、水温を調節するチラーを備えることが好ましい。
本発明の構成によれば、植物に水を供給する水供給装置を用いて植物の周囲温度を制御するから、植物の周囲温度を制御する機能を備えながらも、温度制御の機能を備えていないハウスに対する設備コストの増加を抑制できるという利点がある。さらに、植物への撒水を行う水供給装置が、植物の周辺温度の制御にも兼用されるから、ランニングコストの増加が抑制されるという利点がある。
実施形態に用いる装置のブロック図である。 同上の外観を示す斜視図である。 同上の断面図である。 同上に用いる水供給装置の動作例を示す図である。 同上に用いる水供給装置を示す構成図である。 同上の要部を示し、(a)は断面図、(b)は側面図である。 同上の他の構成例の要部の断面図である。 同上の要部を示し、(a)は断面図、(b)は側面図である。 同上に用いる給水装置の構成例を示す概略図である。 同上に用いる給水装置の他の構成例を示す概略図である。 同上に用いる送風管の配置例を示す斜視図である。 同上に用いる記憶部のデータ例を示す図である。 同上に用いる環境センサの配置例を示す断面図である。 同上に用いる記憶部のデータ例を示す図である。 同上の動作例を示す図である。 同上に用いる換気装置の配置例であって、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。 同上に用いる換気装置の構成例を示す概略図である。 同上の他の構成例を示す概略構成図である。
以下に説明する農業用ハウスは、植物を育成する環境を整えることを目的としたハウス本体を備える。図2に示すように、ハウス本体10は、構造材としての金属製パイプを組み合わせて構成されたフレーム11と、フレーム11により支持された被覆材12とを備える。被覆材12は、透光性を有する(望ましくは、透明である)合成樹脂フィルムが用いられる。
ハウス本体10は、断面逆U字状に形成され、断面半円状の屋根部101と、屋根部101を支持する互いに対向する一対の側壁部102と、側壁部102に直交し互いに対向する一対の妻壁部103とを一体に備える。以下では、一対の妻壁部103を通る方向を長手方向といい、一対の側壁部102を通る方向を短手方向という。上述したハウス本体10は一例であって、ハウス本体10の構成を限定する趣旨ではなく、ハウス本体10に他の材料を用いることや他の形状に形成することを妨げない。
図3に示すように、ハウス本体10内には周囲の土壌よりも高く盛り上げた作土部15が形成される。植物1は、作土部15の上面に播種され、種子から収穫時まで育成される。なお、作土部15を盛り上げる高さ(つまり、作土深さ)は植物1の種類に応じて定められる。また、植物1の種類や育成条件によっては、作土部15を盛り上げない場合があり、作土部15に播種せずに、別に育てた苗を作土部15に定植する場合もある。あるいはまた、作土部15を形成せずに、植物を育成するための用土を容器に収容する場合でも以下に説明する技術は採用可能である。
ハウス本体10において育成される植物は、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナのような軟弱野菜を想定している。これらの軟弱野菜は、一般に気温および地温が比較的低い秋季から春季にかけて栽培されるが、以下に説明する農業用ハウスでは、これらの軟弱野菜をより高温である時季においても栽培可能にすることを目的としている。
ところで、ハウス本体10で育成される植物1の群落に撒水するために、図5に示す水供給装置21が設けられる。本実施形態においては、水供給装置21は、水を供給する形態が異なる撒水装置211とミスト装置212とを備える。
撒水装置211は、図2に示すように、撒水チューブ213を備える。撒水チューブ213は、通水されるチューブの管壁に多数個の微細な撒水孔が形成され、チューブに通水されると撒水孔を通して水がシャワー状ないし噴水状に噴出するように構成されている。撒水チューブ213に形成された撒水孔は、チューブ内の水圧に応じて定まる範囲に略均一に撒水されるように、口径および向きが設計されている。撒水チューブ213は、通水された状態では膨らみ、かつ通水されない状態で萎む柔軟な材料により形成されている。
撒水チューブ213は、ハウス本体10に形成される圃場のサイズや形状に応じて配置が定められる。図2に示す例では、2本の撒水チューブ213が用いられ、ハウス本体10の一対の側壁部102に沿って、それぞれ撒水チューブ213がハウス本体10の長手方向の略全長に亘って敷設されている。さらに、撒水チューブ213は、斜め上向きに水が噴出するように配置されている。そのため、図4に示すように、撒水チューブ213から噴出した水は放物線を描いて、作土部15および植物1に上方から落下する。なお、撒水チューブ213を作土部15の上方に配置することにより、作土部15に上方から撒水する構成を採用してもよい。
ここに、撒水チューブ213は柔軟な材料で形成されているから、通水後にチューブ内の水圧が低下するとチューブが萎み始め、やがて撒水チューブ213から水が噴出されなくなり、撒水チューブ213に残留した水が撒水チューブ213の周囲に流れる。そのため、撒水チューブ213の周囲は湿潤な状態になりやすく、撒水チューブ213からの距離が近い植物1は水分が過剰になるおそれがある。また、撒水チューブ213の周囲に流れる水の影響を受けないように植物1を植えるとすれば、ハウス本体10の中での作付け面積が縮小されるおそれがある。
そのため、図6に示すように、撒水チューブ213の下に樋状の水受け2131を配置することにより、撒水チューブ213の周辺に水が流れないようにすることが望ましい。撒水チューブ213から噴出されずに周囲に流れ出た水は、水受け2131によって植物1に影響がない場所まで誘導される。撒水チューブ213は、たとえば、ベルト2132を用いて適宜箇所を水受け2131に固定すればよい。
水受け2131は、図7(a)に示すように、ハウス本体10に敷設される給水用の配管2133の上に載せておけば、撒水チューブ213と水受け2131と配管2133とが上下に並ぶから、ハウス本体10の中での作付け面積に影響を与えることがない。なお、配管2132は地上に露出している必要はなく、図7(b)のように、配管2133の少なくとも一部をハウス本体10の地中17に埋め込んでおけば、撒水チューブ213の高さが抑制される。
撒水チューブ213の周辺に流れる水が植物1に影響しないようにするには、上述のように、水受け2131を設けるほか、図8に示すように、止水板2134をハウス本体10の地中17に埋め込むようにしてもよい。止水板2134は、水が浸透しない材料(たとえば、合成樹脂)により形成され、撒水チューブ213と植物1との間に配置される。図において破線の矢印は撒水チューブ213から水が噴出する向きを示し、この向きに植物1が存在することを意味する。止水板2134は、地面から15〜30cmの深さに達するように一部が地中17に埋め込まれる。なお、止水板2134の上部は、水の流れを阻止するように地上に露出する。
このような止水板2134は、水受け2131よりも構成が簡単であって安価に提供することができ、撒水チューブ213がすでに敷設されている場合でも容易に導入することができる。
一方、ミスト装置212は、図2に示すように、ミストチューブ214を備える。ミストチューブ214は、通水されるチューブの管壁に取り付けられた多数個のノズルを備え、チューブに通水されるとノズルから水が噴霧されるように構成されている。すなわち、撒水チューブ213が水を連続的に噴出させるのに対して、ミストチューブ214は水を粒子状に噴出させる。そのため、撒水チューブ213から噴出した水は、作土部15ないし植物1に即時に落下するのに対して、ミストチューブ214から噴出した水は、比較的長時間をかけて作土部15ないし植物1に落下する。ミストチューブ214のノズルの形状によっては、噴霧した水粒子を微細化して空気中に滞留させることも可能である。
撒水チューブ213およびミストチューブ214は、ハウス本体10の定位置に固定される。したがって、撒水チューブ213およびミストチューブ214に給水する圧力を定められた圧力に調節することによって、撒水チューブ213およびミストチューブ214から噴出される水を所望の箇所に撒くことが可能になる。つまり、水供給装置21から水を噴出させることにより、植物1および作土部15への灌水が行われる。なお、水供給装置21は、上述した構成の撒水チューブ213およびミストチューブ214を用いる構成に限定されず、たとえば、撒水装置211としてスプリンクラーのように可動式の吐出口を備える構成を採用してもよい。
水供給装置21は、図5に示すように、撒水装置211とミスト装置212とのそれぞれから水を噴出させるタイミングを個々に制御するために、撒水装置211とミスト装置212とにそれぞれ給水する流路上に、電磁弁からなる開閉弁215,216を備える。開閉弁215,216の開閉は個別に制御され、撒水装置211とミスト装置212とに水を供給するか否かが個別に選択される。撒水装置211およびミスト装置212に供給される水は送水ポンプ217により所定圧に加圧される。
ところで、撒水装置211およびミスト装置212に供給される水は、貯水タンク218から供給される。貯水タンク218に溜められる水は、市水、井戸水、雨水などから選択される。貯水タンク218に溜められた水は、チラー219により温度が調節され、送水ポンプ217を通して撒水装置211とミスト装置212とに供給される。すなわち、送水ポンプ217、貯水タンク218、チラー219は撒水装置211およびミスト装置212に水を供給する給水設備26を構成する。ここに、チラー219は必須ではないが、チラー219が設けられていると、冷水あるいは温水を撒水装置211およびミスト装置212に供給することが可能になる。すなわち、植物1の育成に適した環境が得られるように、植物1に撒水する水温を調節することが可能になる。
ところで、ハウス本体10において妻壁部103の中央付近にはハウス本体10への出入口が設けられ、送水ポンプ217は出入りの邪魔にならないように、出入口の側方に配置される。そのため、上述した構成のように、2本の撒水チューブ213がハウス本体10の側壁部102に沿って配置されている場合、送水ポンプ217からそれぞれの撒水チューブ213までの距離が相違することになる。したがって、送水ポンプ217の運転を開始した後、撒水チューブ213から水が噴出し始めるまでの時間が、それぞれの撒水チューブ213で異なり、植物1に供給される水分量に偏りが生じる。
以下に、2本の撒水チューブ213から水が噴出し始めるまでの時間差を低減する技術を説明する。図9に示す例では、送水ポンプ217により加圧された水は、蓄圧タンク271を通して撒水チューブ213に供給される。蓄圧タンク271から2本の撒水チューブ213に給水する経路には、2本の撒水チューブ213に共通である開閉弁215が設けられる。
上述したような水分量の偏りを抑制するために、図9に示す構成例では、送水ポンプ217からの経路が短い近いほうの撒水チューブ213(図9では上)と送水ポンプ217との間に、開閉弁215に加えて、開閉弁272が挿入されている。送水ポンプ217からの経路が長いほうの撒水チューブ213(図9では下)と送水ポンプ217との間には開閉弁215のみが挿入される。
ここで、開閉弁215、272は、制御装置30(図1参照)に制御され、開閉弁272は、開閉弁215が開いてから所定時間後に開かれる。つまり、開閉弁215が開いた時点では開閉弁272を閉じておき、2本の撒水チューブ213の水圧が同じになることが予想される時間が経過した時点で開閉弁272を開くと、2本の撒水チューブ213の水圧がほぼ等しくなる。開閉弁215を開いてから開閉弁272を開くまでのタイミングは、実測によって決定すればよい。
図9に示した開閉弁272に代えて、図10に示すように、開量の調節が可能な電動弁273を設け、さらに、2本の撒水チューブ213のそれぞれの水圧を圧力センサ274によって計測する構成を採用してもよい。この構成では、制御装置30は、電動弁273を開放した後に、2つの圧力センサ274で計測される水圧が等しくなるように電動弁273の開量をフィードバック制御する。この構成により、撒水チューブ213から水が噴出し始めるタイミングを揃えることができる。
ハウス本体10には、屋根部101から入射する外光を減光させる閉状態と、屋根部101から入射する外光を減光させることなく植物1に照射させる開状態との間で開閉可能な天井カーテン221が取り付けられる。また、ハウス本体10の側壁部102には、開閉可能な側窓104が形成され、側窓104の開量が調節されることにより、ハウス本体10に外気を取り込む際の空気の通気抵抗が調節される。さらに、ハウス本体10の側壁部102には、側窓104に加えて側カーテン222が配置される。
側カーテン222は、ハウス本体10の側壁部102から入射する外光を減光させる閉状態と、側壁部102から入射した外光を減光させることなく植物1に照射させる開状態との間で開閉可能に構成されている。天井カーテン221、側カーテン222、側窓104は、モータのような動力源(図示せず)により駆動される。妻壁部103には開閉可能な端窓105(図15参照)が設けられる。
天井カーテン221および側カーテン222が開閉されると、ハウス本体10に流入する熱量を調節することになり、天井カーテン221と側カーテン222とを開閉することによって、ハウス本体10の内部空間における温度上昇の速度が調節される。また、側窓104の開量が調節されることにより、ハウス本体10の中に外気を取り入れる速度が調節される。天井カーテン221と側カーテン222とは、主としてハウス本体10の内部空間に入射する熱量の調節に寄与する。また、側窓104は、ハウス本体10の内部空間に外気を取り込むことにより、ハウス本体10の内外の温度差を利用して温度を調節する場合に利用される。たとえば、夏季で晴天の日中には、天井カーテン221および側カーテン222を閉じ、かつ側窓104の開量を大きくすることにより、ハウス本体10の内部温度の上昇を抑制する。
ハウス本体10は、植物1の周囲に気流を形成する気流形成装置を備える。気流形成装置は、一対の妻壁部103の上部にそれぞれ配置された換気装置231を含んでいる。換気装置231は必要に応じて運転され、側窓104が開いているときに、換気装置231が運転されることにより、ハウス本体10に外気を強制的に取り込むことが可能になる。換気装置231は、ハウス本体10から排気するための換気扇と、ハウス本体10に外気を取り込むための送風機とのいずれであってもよい。
また、ハウス本体10の内部に送風機を配置し、送風機により植物1の周囲に強制的に気流を形成し、植物1の周囲の湿度を調節することも可能である。この種の送風機は、植物1の植え付けや収穫の際に邪魔にならないように、ハウス本体10の内部において移動できることが望ましい。たとえば、送風機を取り付けたアームを、ハウス本体10の側壁部102に対して蝶番で結合した構成が採用される。この構成では、アームを蝶番の回りで回転させることにより、送風機を側壁部102に近づいた第1位置と、送風機を作土部15の上方である第2位置との間で移動させることが可能である。
換気扇または送風機は、軸流ファンを備える。また、ハウス本体10は内容積が大きいから、換気装置231は、有圧扇であることが望ましい。また、換気装置231による換気速度は、複数段階に調節可能であることが望ましい。本実施形態は、気流形成装置として、図11に示すように、植物1の近傍にハウス本体10の長手方向の略全長に亘って配置された送風管232を備える。送風管232は、管壁に多数個の微細な通風孔(図示せず)を有し、一端部が送風ポンプ233に接続されている。送風ポンプ233から送風管232に空気が送り込まれると、通風孔から空気が吹き出すことにより、植物1の周囲の湿度を低下させる。ただし、送風管232は、通風孔から吹き出す空気が植物1にできるだけ当たらないように配置される。
加えて、ハウス本体10には、植物1の周囲温度を含む環境情報を検出する複数個の環境センサ24(図13参照)が配置される。環境センサ24は、植物1の周囲温度として、植物1の周辺におけるハウス本体10の室温と、作土部15の地中温度とを計測する。また、環境センサ24は、植物1の周辺における湿度を計測する湿度センサ、植物1の周辺における照度を計測する照度センサを備えていることが望ましい。照度センサは、外光の照度を計測することにより、ハウス本体1に入射する熱量を見積もることが可能になる。あるいはまた、照度センサの出力は、雨天や夜間と、晴天の日中とを区別するために用いられる。
上述したように、ハウス本体10の中で植物1が成長する環境は、水供給装置21のほか、側窓104、天井カーテン221、側カーテン222、換気装置231、送風ポンプ233などを制御することによって変化する。したがって、本実施形態において、水供給装置21、気流形成装置23、側窓104、天井カーテン221、側カーテン222は、植物1の周囲環境を形成する環境形成装置を構成している。このような環境形成装置の動作の制御は、制御装置30(図1参照)が行う。
制御装置30は、開閉弁215,216の開閉、送水ポンプ217の送水圧の調節、チラー219の水温の調節、天井カーテン221および側カーテン222の開閉、側窓104の開量の調節、換気装置231の運転と停止、送風管232への通気などを制御する。これらの各装置への通電開始および通電停止には、各装置への給電を入切する電磁接触器(電磁リレー)が用いられる。制御装置30は、ハウス本体10に付設された筐体に収納され、制御盤を構成する。また、制御装置30は、環境センサ24から環境情報を所定の周期で取得し、取得した環境情報を用いて上述した制御を行う。制御装置30の具体的な動作は後述する。制御装置30は、プログラムに従って動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。
たとえば、制御装置30は、パーソナルコンピュータが備えるインターフェイス部あるいはパーソナルコンピュータに追加されるインターフェイス部を通して、環境センサ24の出力を受け取り、また各装置への指示を与える。すなわち、パーソナルコンピュータでプログラムを実行することにより、パーソナルコンピュータを制御装置30として機能させることが可能である。制御装置30は、汎用のコンピュータではなく、専用装置として構成されていてもよい。
制御装置30は、図1に示すように、上述した各装置と環境センサ24とが接続されるインターフェイス部(以下、「I/F部」という)31と、後述する各種データを記憶する記憶部32、日時を計時するリアルタイムクロックのような内蔵時計33とを備える。さらに、I/F部31を通して環境センサ24から取得した環境情報と、記憶部32に格納した各種データとを用いて上述した各装置を制御する演算処理部34が制御装置30に設けられる。I/F部31は各装置への給電を入切する電磁接触器を備える。I/F部31が環境センサ24から環境情報を取得する時間間隔は、たとえば1〜15分程度に設定される。I/F部31には、ユーザインターフェイスとなる装置(図示せず)が接続され、この装置を通して、記憶部32に格納する内容の設定、内蔵時計33の時刻合わせなどを利用者が行えるようにしてある。
ところで、ハウス本体10は、ハウス本体10の外部の気温を計測する温度センサ35を備え、制御装置30は、温度センサ35が計測した温度を環境情報のひとつとしてI/F部31を通して取得し必要に応じて利用する。さらに、制御装置30は、内蔵時計33が計時する日時から季節および1日の時間帯を区分する機能を有する。
制御装置30は、温度センサ35が計測したハウス本体10の当日の日の出までの外気温の最低温度を用いて動作内容を変更する。すなわち、外気温の最低温度は季節を判断する目安になるから、制御措置30は、当日の日の出までの外気温の最低温度により季節を判断する。たとえば、当日の日の出までの外気温の最低温度が18℃以上であれば夏季と判断し、最低温度が10℃以下になると冬季と判断すればよい。
なお、制御装置30は、当日の日の出までの外気温の最低温度が10〜18℃である場合には、夏季でも冬季でもない通常(基準)の動作内容を用いる。季節は、内蔵時計33が計時している日時を併用して判断することが望ましい。制御内容は、休止期間の長さ、撒水の水量、側窓104の開閉、天井カーテン221および側カーテン222の開閉、換気装置231および送風ポンプ233の動作を含む。
制御装置30が季節に応じて環境形成装置の制御内容を変更するのは、植物1の周囲環境が季節に応じて変化するからであって、植物1の周囲環境は、1日の時間帯によっても変化するから、制御装置30は時間帯によっても制御内容を変更することが望ましい。以下では、制御装置30が季節に応じて制御内容を変更する例を説明した後に、時間帯に応じて制御内容を変更する例を説明する。
まず、夏季において、ハウス本体10の内部空間の温度上昇を抑制する場合の動作を例として説明する。夏季には植物1の周囲温度が上昇するから、植物1の徒長、葉の黄変、葉の先端部の焼け、葉のシワ、病害のような障害が発生しやすくなる。とくに軟弱野菜は、この種の障害が発生しやすく、さらには、葉の痛みによる品質のばらつきが生じやすくなる。そのため、ハウス本体10の内部空間における温度上昇を抑制し、葉の温度を下げることが必要になる。
ここに、ホウレンソウのような長日植物は、夏至の前後において日照時間が長くなると花芽を形成しやすくなり、董立ちにより商品価値が失われる可能性がある。播種時に種子の間隔を調節したところ、種子の間隔と董立ちが生じる確率との間に関係性を見出した。
この関係性について一例を示す。植物1はホウレンソウとし、種子は、直線状の列を複数列形成するように播いた。この場合、表1のように播種することによって、董立ちが発生する確率が大幅に低減された。
Figure 2014057570
表1における「列上の種子間隔」について括弧内は、より望ましい値を示している。表1によれば、種子の密度を70cm以上、望ましくは90cm以上に設定することにより董立ちが低減されるという結果が得られた。
本実施形態は、葉の温度を下げる技術として、天井カーテン221と側カーテン222とによる減光、側窓104と換気装置231と送風管232による換気ないし除湿、撒水装置211およびミスト装置212による撒水が組み合わせて用いられる。
天井カーテン221や側カーテン222は、減光することによってハウス本体10の内部温度の上昇を抑制するだけでなく、夏季の強い光を抑制するから、植物1の光合成を効率よく行わせる効果が期待できる。
換気装置231と側窓104とは、ハウス本体10の内部の空気を排出し外気をハウス本体10の内部に取り入れることにより換気を行い、ハウス本体10の内部温度の上昇を抑制する。また、送風管232は、植物1の周囲に気流を形成して植物1の蒸散作用を促進し、さらには、植物1の周囲の湿度を低下させることになる。
ところで、撒水装置211およびミスト装置212は、植物1の周囲温度よりも低温である水を植物1にかけることによって葉の温度を低下させ、また気化熱を奪うことによって、植物1の周囲温度を低下させるために用いられる。撒水装置211は、主としてハウス本体10の下部において植物1の葉の温度と植物1の周囲温度とを低下させることに貢献し、ミスト装置212は、主としてハウス本体10の上部において気温を低下させることに貢献する。
葉の温度を低下させることを目的として撒水する場合、夏季にはチラー219により水温を10℃程度に設定しておくことが望ましい。チラー219は水温が設定温度になるまでに比較的長い時間を要するから、チラー219を用いる場合、水温が設定温度になるまでの時間を考慮し、水供給装置21から植物1に水を供給するタイミングから遡って温度調節を行う必要がある。なお、冬季のように植物1の温度が低温になる場合は、チラー219により水温を15℃程度に設定して、葉の温度を上昇させるようにしてもよい。
本実施形態では、上述のように、植物1の環境を制御するために、天井カーテン221と側カーテン222とによる減光、側窓104と換気装置231と送風管232による換気ないし除湿、撒水装置211およびミスト装置212による撒水が組み合わせて用いられる。ただし、以下では、主として撒水装置211とミスト装置212とを用いて植物1の周囲温度を制御する動作について説明する。
撒水装置211およびミスト装置212は、主として植物1への水分の供給と植物1の周囲温度の制御とを目的として用いられる。そのため、制御装置30は、環境センサ24が計測した植物1の周囲温度に応じて、撒水装置211およびミスト装置212による撒水のタイミングと水量との少なくとも一方を制御する。環境センサ24が検出した植物1の周囲温度に対する撒水のタイミングおよび水量はあらかじめ定められ、記憶部32に格納されている。
記憶部32は、図12(a)のように、植物1の成長段階に応じて周囲温度と水量とを対応付けて格納した第1の記憶部321と、図12(b)のように、植物1の成長段階に応じて周囲温度と撒水のタイミングとを対応付けて格納した第2の記憶部322とを備える。植物1の成長段階は、図示例では、発芽前、発芽後10日未満、発芽後10日以降の3段階の区分を有している。また、植物1の周囲温度は、10℃未満、10〜20℃、20〜30℃、30℃以上の4段階の区分を有している。ただし、これらの区分は適宜に設定可能である。また、成長段階および周囲温度に対する水量およびタイミングは、周囲温度に応じて灌水時の蒸発量と植物1の成長段階に応じた灌水量の限界とを考慮して設定される。
図示例において、植物1の成長段階において成長が進行するほど水量を増加させ、植物1の周囲温度が高くなるほど水量を増加させている。また、植物1の成長段階において成長が進行するほど水を噴出させる時間間隔を短くしている。さらに、撒水装置211はミスト装置212と比較して噴出される水量が多く、植物1に直接かかる水量が多くなる。そのため、水を噴出させる時間間隔は、撒水装置211のほうがミスト装置212よりも長くなるように設定されている(図示例では2倍)。なお、撒水装置211およびミスト装置212から水を噴出させる時間は、撒水装置211およびミスト装置212が単位時間について噴出させる水量にもよるが、1回の灌水について1〜数分間程度とすることが望ましい。
いま、環境センサ24により計測される植物1の周囲温度が30℃以上であって、植物1の発芽から10日未満であるという条件を想定する。この条件下において、図12(a)によれば、水供給装置21から50Lの水量を噴出させることになり、図12(b)によれば、撒水装置211からは1時間に1回水を噴出させ、ミスト装置212からは30分に1回水を噴出させることになる。
撒水装置211およびミスト装置212は、使用圧力や単位時間当たりに噴出させる水量(灌水量)について製品ごとの仕様が定まっているから、所要の水量を得るために、撒水を行う1回当たりの時間を変化させる。なお、図12(a)に示す水量は、撒水装置211とミスト装置212との両方を用いる場合の水量の合計であって、ミスト装置212のみから噴出させるときの水量は、撒水装置211とミスト装置212との水量の分配比率により定まることになる。
上述のように、水供給装置21から撒水を行うことによって、気化熱を奪ってハウス本体10の気温を下げ、かつ冷水を植物1に接触させることが可能になり、植物1の周囲温度を低下させることが可能になる。ただし、植物1が長時間に亘って濡れた状態、植物1の根の周囲の含水量が過剰になる状態、植物1の周囲湿度が過剰になる状態などは、植物1に病害を生じさせる可能性がある。そのため、図12(b)のように水供給装置21による撒水のタイミングを調節し、間欠的に撒水を行うことによって、植物1が過度に湿潤になる状態を回避している。
つまり、水供給装置21から撒水を行う撒水期間と、撒水期間の後に水供給装置21からの撒水を禁止する休止期間とを設け、撒水を一度行った後には、第2の記憶部322に設定した撒水のタイミングになるまでは撒水しないようにする。休止期間には撒水が禁止されているから、撒水を行うタイミングにおける植物1の周囲温度および作土部15の含水率は異なる。このことから、図12(a)のように、撒水時に水量だけではなく周囲温度との対応付けが必要になる。要するに、水供給装置21の制御には、環境センサ24が検出する環境情報よりも休止期間が優先するから、撒水を開始する際の植物1の周囲温度は一定ではなく、植物1の周囲温度が異なれば作土部15の含水率も異なると予想される。そのため、植物1の周囲温度に応じて撒水を行う水量が定められる。なお、第2の記憶部322における撒水のタイミングは、ユーザインターフェイスとなる装置を用いて利用者が任意に設定することが可能になっている。
ところで、環境センサ24は、植物1の周辺温度を計測しており、撒水の際の水量とタイミングとの少なくとも一方を植物1の成長段階に合わせて調節しているから、環境センサ24は、植物1の周囲温度をどこで計測するかが重要である。そのため、植物1の成長段階を考慮して周囲温度を計測する場合、植物1の成長に伴って周囲温度を計測する場所を変化させるほうが目的にかなうと考えられる。とくに、ハウス本体10の内部の気温は下部より上部のほうが高いと考えられるから、植物1の高さ寸法が成長に伴って大きくなった場合、上端付近の温度がもっとも高いと考えられる。したがって、夏季における植物1の温度上昇を抑制することを目的に含めて撒水を行う場合、撒水の際の水量やタイミングを決める温度は、植物1の上端付近の温度が望ましい。
なお、植物1の周辺温度は、植物1の上端付近の温度が望ましいが、植物1の上端付近の温度と略一定の関係を有する温度を検出することができる部位であれば、必ずしも植物1の上端付近の温度ではなくてもよい。目安としては、ハウス本体10の天井高の半分より下であれば、植物1の上端付近の温度が反映される。
植物1の上端付近の温度を検出する場合、植物1の成長に合わせて環境センサ24により計測する位置を変化させてもよい。たとえば、図13に示すように、複数の高さ位置にそれぞれ環境センサ24を配置しておき、植物1の成長に合わせて、植物1の上端に近い1つの高さ位置の環境センサ24の出力を選択して制御装置30で利用する。植物1の周囲温度は、気中温度だけではなく、作土部15の土中温度も併せて計測することが望ましい。したがって、環境センサ24の高さ位置は、作土部15の上面に対して、植物1の収穫時の高さとして経験的に定まる高さを上限とし、作土部15の作土深さを下限として、複数段階の位置を設定すればよい。たとえば、地上部と地中部との環境センサ24は、それぞれ作土部15の表面から30cmの範囲内に配置される。
図13に示す例では、異なる高さ位置に3個の環境センサ24を配置してある。3個の環境センサ24は、下部が作土部15に埋められる設置棒25に取り付けられ、設置棒25が植物1の周囲に立てられることによって、3個の環境センサ24がそれぞれ異なる高さ位置の温度を計測する。下段の環境センサ24は土中温度を計測し、中段の環境センサ24は作土部15の表面付近の気中温度を計測し、上段の環境センサ24は植物1の収穫時の上端付近の気中温度を計測する。ただし、図13に示す配置例は一例であって配置を限定する趣旨ではなく、4個以上の環境センサ24を用いることも可能である。
ところで、植物1の上端の高さ位置を計測するには、TVカメラなどを用いて植物1の成長を監視することが可能である。ただし、この技術を採用すると、コストが増加する可能性がある。
本実施形態では、植物1が発芽してからの経過日数が植物1の上端の高さ位置と相関を持つと仮定している。そのため、制御装置30の記憶部32は、植物1を発芽してからの日数と、高さ位置の異なる環境センサ24とを対応付けた第3の記憶部323を備える。
図14に示す例では、下段の環境センサ24から得られる土中温度、中段と上段との環境センサ24から得られる気中温度は、発芽後の経過日数に応じて順に利用される。すなわち、演算処理部34は、ユーザインターフェイスとなる装置を用いて利用者が入力した発芽の時点を起算点として内蔵時計33が計時する経過時間を第3の記憶部323に照合する。演算処理部34は、3個の環境センサ24が計測した植物1の周囲温度を、第3の記憶部323に登録された経過日数に応じて選択して利用する。
図12、図14に示す例において、成長段階は、発芽からの日数によって表しているが、播種からの経過日数を用いることも可能である。また、植物1の画像をTVカメラによって監視する場合や目視により植物1の成長段階を確認する場合は、植物1における本葉の有無や本葉の枚数などを監視することによって、成長段階を判断することも可能である。この場合、成長段階に応じて環境センサ24を選択するために利用者が操作するための次段階移行スイッチ(図示せず)が付加される。つまり、利用者が画像や目視により植物の生長を確認し、次段階移行スイッチを操作することにより、目的の環境センサ24が選択される。さらに、成長段階の日数や撒水の水量は季節によって異なる可能性があるから、第1〜第3の記憶部321〜323は、季節ごとに用意しておくことが望ましい。
図14に示す例では、高さ位置の異なる3個の環境センサ24を用いる場合、播種から発芽までの期間には、種子の周辺温度に応じて撒水する必要があるから、下段の環境センサ24により計測した土中温度が用いられる。また、発芽後であって草丈が短い10日未満の期間は作土部15の表面温度を植物1の周囲温度として用いるために、中段の環境センサ24により計測した気中温度が用いられる。さらに、発芽後に10日目以降は、植物1の葉面付近を植物1の周囲温度として用いるために、上段の環境センサ24により計測した気中温度が用いられる。要するに、図14に示す例は、図12に示した例と同様に、植物1の成長段階と植物1の周囲温度とに撒水の際の水量が対応付けられているが、成長段階に応じて異なる環境センサ24を用いて植物1の周囲温度を検出する点が図12に示した例と異なる点である。
上述した例は、環境センサ24が植物1の周囲温度を計測する場合について説明したが、植物1の周囲温度だけではなく、湿度および照度も計測する環境センサ24を用いることが可能である。植物1の周囲の温度や湿度が育成環境に適した温度や湿度よりも上昇すると、植物1の成長に異常が生じたり病害が生じやすくなる。また、一般に植物1の周囲照度はハウス本体10に入射する熱量と相関があり、照度が高いと周囲温度が上昇する可能性がある。このことから、制御装置30において、植物1の周囲温度だけではなく、湿度および照度も併せて利用すれば、植物1の育成環境をよりきめ細かく制御することが可能になる。
湿度に関しては、温度上昇によって撒水が必要になった場合であっても、湿度が基準値よりも高ければ、撒水を行わないことにより、湿度の上昇による植物1への病害の発生が抑制される。また、照度に関しては、一般に照度が高いほど植物1の周囲温度が上昇することが知られているから、あらかじめ決められた時間以内の累積照度を測定し、累積照度が基準値以上になると、撒水を行うことが望ましい。
ハウス本体10は、図2に示すように、側窓104、換気装置231、送風管232を備えているから、制御装置30は、湿度が基準値よりも高い場合に、これらの装置を適宜に制御することによって、換気および除湿を行うことが望ましい。たとえば、撒水によって植物1の周囲の湿度が上昇した場合、側窓104を開け、換気装置231を運転することによって、ハウス本体1の内部の除湿が可能になる。また、送風管232から空気を噴出させると植物1の群落の周辺に気流が形成され、植物1の周辺の湿度を下げることが可能になる。つまり、撒水のタイミングに合わせて換気装置231および送風管232が運転されることになる。さらに、制御装置30は、撒水した水量あるいは撒水後に環境センサ24が検出する湿度に応じて、換気装置231および送風管232の動作を制御することが望ましい。
以上のように、制御装置30は、換気装置231および送風管232を、水供給装置21による撒水の直後に運転させることによって、撒水直後においてハウス本体10の除湿を行うことが可能になる。また、撒水直後に気流を形成することによって、気化熱を奪うことになり、ハウス本体10の内部空間の冷却にも寄与する。すなわち、撒水により植物1の周囲温度を低下させ、その後、ただちに除湿および冷却を行うことにより、植物1の環境を適正な温度かつ湿度に維持することが可能になり、植物1の育成環境を適正に維持することが可能になる。なお、送風管232は省略可能である。
天井カーテン221および側カーテン222は、晴天日に開放されると、ハウス本体10の温度を上昇させることになる。天井カーテン221および側カーテン222が開放された直後には、作土部15の地温が上昇するから、撒水の直後に天井カーテン221を開放すると、植物1の周囲湿度を低下させる。晴天日であれば、制御装置30は、天井カーテン221および側カーテン222を閉じておくことにより、ハウス本体10の温度上昇を抑制することが可能であり、撒水の直後に天井カーテン221を一時的に開放することによって地温を上昇させて除湿することが可能になる。この場合、湿度が下がれば天井カーテン211を閉じ、気温の上昇を抑制する。天井カーテン221の開放時間は、撒水時の水量に応じて定められ、また環境センサ24が計測する気温に応じて調節される。ここでは、天井カーテン221および側カーテン222の開閉を、撒水時の水量や気温に基づいて制御しているが、他の条件によって制御してもよい。たとえば、植物1の成長段階に応じて天井カーテン221および側カーテン222の開閉を制御する条件を設定することも可能である。
上述した構成例では、制御装置30は、環境センサ24の出力だけを用いて水供給装置21の動作を制御しているから、環境センサ24が計測した時点の植物1の環境に応じた制御だけを行うことになる。ただし、計測時点から数時間後に雨天になり湿度が上昇する場合など、環境センサ24による計測時点の後に生じる環境の変化によっては、環境センサ24の出力に基づいて行った制御が植物1にとって障害になる可能性がある。
このような場合に備えて、制御装置30のI/F部31に、天気予報の情報を外部から取得する通信インターフェイス部を設けておくことが望ましい。この場合、制御装置30は、I/F部31を通して取得した天気予報の情報から植物1の周囲温度を予測し、予測結果に基づいて水供給装置21が撒水するタイミングと水量との少なくとも一方について計画を定める機能を有する。たとえば、天気予報の情報から6時間後に雨天になる見通しである場合に、湿度の上昇が予想されるから、制御装置30は、環境センサ24が計測した植物1の周囲温度では撒水の条件が満たされている場合でも撒水を行わないようにすればよい。また、天気予報の情報によりハウス本体10の内部温度が予測できる場合、制御装置30は、次の撒水時までにチラー219の水温が目的の温度に達するようにチラー219を制御してもよい。
以上説明したように、本実施形態の制御装置30は、第2の記憶部322に設定した時間ごとに水供給装置21による撒水を行うように撒水のタイミングが設定された構成であって、撒水時に環境センサ24が計測した温度に応じて定められた水量の撒水を行う。ただし、制御装置30は、撒水前に湿度が基準値以上であれば撒水を行わず、また、撒水後には、天井カーテン221や換気装置231を用いて除湿を行うようにしている。なお、制御装置30は、撒水前に湿度が基準値以上である場合に、換気装置231を用いて除湿および換気を行い、除湿後に撒水によって気温を下げることも可能である。
以下、冬季の動作について夏季の動作と異なる点を説明する。冬季には夏季よりも植物1の周囲温度が高くなるように、制御装置30が水供給装置21から撒水を行うタイミングと水量との少なくとも一方が設定される。冬季において夏季よりも高い温度を維持することにより、冬季において日照時間が短くなっても、植物1の周囲温度を比較的高い温度に維持することが可能であり、栽培日数の著しい長期化を抑制することができる。具体的には、冬季には植物1の周囲温度が育成に適した温度よりも高くなるように、温度が調節される。また、植物1の周囲温度が低下すると、相対湿度が低下するから、光合成に必要な葉からの蒸散作用に不具合が生じる可能性があり、葉の分化が正常に進まなくなるなどの生理障害が生じる可能性がある。これに対して、本実施形態は、冬季において植物1の周囲温度を比較的高い温度に維持するから、低温による生理障害の発生を抑制することができる。
以上のことから、制御装置30は、冬季には保温を目的として植物1の周囲温度が夏季よりも高い温度になるように制御内容を設定している。また、日中は植物1の周囲温度が夜間よりも上昇し、その結果、日中は夜間よりも相対湿度が低下するから、制御装置30は、加湿を目的としてミスト装置212を動作させる。同様に、午前と午後との時間帯に分け、相対湿度が低下する午後の時間帯においてミスト装置212を動作させるようにしてもよい。
その一方で、上述した動作例と同様に、過度に湿度が上昇するのを防止するために、必要に応じて、気流形成装置(換気装置231と送風管232)を用いて気流を形成することによって除湿を行うことが有効である。さらに、ハウス本体10の内部空間における空気のよどみを防止し、植物1の周囲に新鮮な空気を取り込むために、気流形成装置を用いることが望ましい。ただし、冬季においては気流形成装置を運転することによって、ハウス本体10の内部温度が低下する可能性があるので、制御装置30は、冬季には植物1の群落の温度が所定温度以上に維持される範囲で気流形成装置を定期的に動作させる。
図15に冬季における植物1の群落の温度と外気温との実測例を示す。ハウス本体10は長手方向を南北方向として設置した。測定の条件は以下の通りである。すなわち、側窓104は、10:30〜12:00にのみ開き、他の時間帯には閉じた。天井カーテン221は、8:30〜16:00に開き、他の時間帯には閉じた。側カーテン222は、8:30〜10:30に東側を開いて西側を閉じ、14:00〜17:00に東側を閉じて西側を開いた。さらに、側カーテン222は、10:30〜14:00に両方を開き、残りの時間帯には両方を閉じた。換気装置231は、群落の温度が27℃以上になると動作させ、送風ポンプ233は、群落の温度が25℃以上になると動作させた。さらに、図示例では、側窓104を開いた時間帯(10:30〜12:00)に換気を促進するために、換気装置231および送風ポンプ233を動作させた。ミスト装置212は、群落の湿度が50%以下になると水を噴出させた。
以上の条件では、図15の結果が得られた。図において、(1)は群落の温度、(2)は外気温、(3)は群落の湿度、(4)は外気の湿度を示す。測定結果によれば、午前中に群落の温度が25℃に達し、かつ外気の湿度が50%程度に低下する10:00に換気を開始することにより、群落の温度が低下し、かつ群落の湿度も低下した。また、午後には側窓104を閉じて保温したところ、夜間に外気温が低下しても群落の温度を外気温よりも高く維持することができた。
なお、上述した測定例は、制御装置30に環境情報を与える環境センサ24の位置を植物1より上方とした場合であって、環境センサ24の位置を植物1より下方に変更すると、群落の温度を上昇させることができた。群落の温度には、温度範囲を設定しておき(たとえば、生育適正温度を15〜20℃とする)、晴天日の日中は、除湿を行う際に、この温度範囲を維持するように換気の調節を行うことが望ましい。すなわち、制御装置30は、除湿中に温度範囲の下限に達すると、換気を停止することが望ましい。換気を開始する時刻は、定時に設定するほか、日没の時刻を基準にして設定することが可能である。
以上のように、冬季においても、夏季と同様に、ミスト装置212、天井カーテン221、側カーテン222、気流形成装置(換気装置231と送風管232)によって、ハウス本体10の環境を植物1の育成に適した条件に維持することが可能である。
冬季における植物1の温度低下をさらに抑制するために、ハウス本体10の側壁部102(および妻壁部103)の下端部に、地面との間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ16を配置してもよい(図2参照)。隙間塞ぎ16は、育成する植物1の成長時の高さより高いことが望ましい。ただし、コストの増加が抑制されるように、隙間塞ぎ16は、撒水チューブ213と同様の素材を用いて形成されたチューブに水を充填した構成が望ましい。この隙間塞ぎ16は、水を抜けば容易に持ち運ぶことができ、水を充填した状態では日中の日射を受けて蓄熱し、夜間には放熱することによりハウス本体10の内部の気温低下を抑制する。
ところで、換気装置231は、ハウス本体10の長手方向における両端の妻壁部103にそれぞれ設けられ、ハウス本体10において天井カーテン221の下方に形成される空間において気流を形成するように配置されている。換気装置231は、妻壁部103の上部であって、天井カーテン221よりも下方に配置される。具体的には、換気装置23が配置される高さ位置は、ハウス本体10の上端と下端との中間よりも上方に位置するように配置される。さらに言えば、換気装置231が配置される高さ位置は、植物1の収穫時の上端位置として予測される高さと、天井カーテン221の上端との中間よりも上方であることが望ましい。
換気装置231は、側窓104を開けた状態で動作させると、ハウス本体10の中に形成される気流によって、側窓104から外気がハウス本体10に誘引されるように配置される。換気装置231が換気扇である場合、側窓104と換気装置231とを結ぶ経路で気流が形成される。一方、換気装置231が送風機である場合、ハウス本体10の内部に気流を形成すると負圧によって側窓104から外気が誘引されることになる。換気装置231は、送風方向が固定されている構成と、首振り機構を備えた構成とのどちらを採用してもよい。
制御装置30は、環境センサ24が計測した温度、湿度、照度などの条件に応じて、除湿、冷却、換気などの目的で、気流形成装置(換気装置231および送風管232)を動作させる。上述した構成例では、制御装置30は、気流形成装置を動作させる期間に側窓104を開けているが、側窓104だけではなく端窓105の開閉も併せて制御すれば、側窓104の開閉のみでは形成できなかった様々な気流を形成することが可能になる。
ところで、2台の換気装置231は、図16に示すように、互いに対向させる配置ではなく、短手方向の位置を異ならせるように配置することが望ましい。すなわち、2台の換気装置231は、ハウス本体10の長手方向に沿った中心線に対して互いに反対側に位置するように配置され、かつ当該中心線とそれぞれの換気装置231との距離が等しくなるように配置することが望ましい。換気装置231がこのように配置されていると、ハウス本体10の短手方向における気流の分布が対称的になる。
この配置では、ハウス本体10の短手方向において、端窓105は換気装置231とは逆側に配置される。つまり、互いに他方の妻壁部103に設けた換気装置231と端窓105とが向かい合うから、換気装置231を動作させる際に、端窓105を開いておくことにより、ハウス本体10の長手方向に沿ってほぼ直進する気流が形成される。また、この状態で側窓104も開いておけば、換気装置231と端窓105との間に形成される気流による負圧が生じて側窓104からハウス本体10に外気を誘引することになる。すなわち、ハウス本体10の内部の空気を迅速に換気することが可能になる。また、植物1の上方に気流を形成するから、植物1の周辺の空気が吸引され、植物1の周囲に緩やかな気流が形成される。その結果、植物1に直接送風することがないから、緩やかな気流によって植物1を傷めることなく、植物1の周辺の除湿や冷却を迅速に行うことが可能になる。
図16において矢印は気流の向きを表しており、換気装置231により形成される直線状の気流が形成されることにより、図16(a)のように、側窓104から外気が誘引され、図16(b)のように、植物1の周囲の空気も誘引される。なお、図16(b)において、左側の換気装置231は右側の換気装置231よりも奧に配置され、図示する植物1は手前に植えられているから、植物1の周囲の気流は右側の換気装置231に形成された気流により誘引される。
換気装置231は、ハウス本体10に対する位置調節が可能であることが望ましい。このような構成は、たとえば、換気装置231を、気流を形成する本体装置と、妻壁部103に固定される取付枠とにより構成し、本体装置を取付枠に取り付ける位置を可変にすることによって実現される。
換気装置231は、図17に示すように、複数台の換気扇あるいは送風機を重ねて構成してもよい。図17において破線で囲んだ2個の長方形が換気扇あるいは送風機を表している。換気扇あるいは送風機は、上述したように、軸流ファンを備えている。換気装置231を構成するために重ねられる複数台の換気扇あるいは送風機は、軸流ファンの回転軸の軸線が一直線上に位置するように配置される。
上述した構成例では、1棟のハウス本体10について説明したが、図18のように、複数棟のハウス本体10A〜10Cが並設される場合がある。複数棟のハウス本体10A〜10Cを並設する場合には、すべてのハウス本体10A〜10Cで同種類の植物1を育成する場合と、ハウス本体10A〜10Cごとに異なる植物1を育成する場合とがある。いずれの場合でも、複数棟のハウス本体10A〜10Cが並設されている場合に、水供給装置21を構成する送水ポンプ217、貯水タンク218などが、個々のハウス本体10A〜10Cに設置されるとすれば、コストの増加につながるという問題がある。
そのため、図18に示すように、ハウス本体10A〜10Cごとに設けられた撒水装置211とミスト装置212とに水を供給する給水設備26を、ハウス本体10A〜10Cの第1の給水設備261と、ハウス本体10A〜10Cから独立した第2の給水設備262とに分割している。第2の給水設備262は、複数棟のハウス本体10A〜10Cに設けられた撒水装置211とミスト装置212との少なくとも一方において共用される。
図18に示す構成例において、第1の給水設備261と第2の給水設備262とは、それぞれ散水装置211に給水する経路に挿入された装置と、ミスト装置212に給水する経路に挿入された装置とを備える。
第1の給水設備261において散水装置211に給水する経路に挿入された装置は、開閉弁2611と第1の貯水タンク2612とであり、ミスト装置212に給水する経路に挿入された装置は、開閉弁2613のみである。
一方、第2の給水設備262において、撒水装置211に給水する経路に挿入された装置は、開閉弁2621および加圧用の送水ポンプ2622である。ミスト装置212に給水する経路に挿入された装置は、第2の貯水タンク2623および加圧用の送水ポンプ2624を備える。第2の貯水タンク2623には、第2の貯水タンク2623への給水を制御する開閉弁2625と、第2の貯水タンク2623からの排水を制御する開閉弁2626とが接続され、送水ポンプ2624からハウス本体10A〜10Cに給水する経路には開閉弁2627が挿入される。
給水設備26と同様に、制御装置30もハウス本体10A〜10Cに設けられる第1の制御装置301と、ハウス本体10A〜10Cから独立した第2の制御装置302とに分離される。第1の制御装置301は、第1の給水設備261に設けられた開閉弁2611、2613の開閉状態を制御する。また、第2の制御装置302は、第2の給水設備262に設けられた開閉弁2621、2625〜2627の開閉状態および送水ポンプ2622,2624の運転状態を制御する。なお、図示例では、個々のハウス本体10A〜10Cに第1の環境センサ241を配置し、すべてのハウス本体10A〜10Cで共用する第2の環境センサ242を設けている。第1の環境センサ241は、ハウス本体10A〜10Cの内部における温度、湿度、照度を計測し、第2の環境センサ242は、ハウス本体10A〜10Cの外部における温度、湿度、照度を計測する。第1の環境センサ241が計測した情報は第1の制御装置301で用いられ、第2の環境センサ242が計測した情報は第2の制御装置302で用いられる。
図18において第1の制御装置301および第2の制御装置302に関する信号の経路は省略している。また、図示例では、散水装置211には井戸水を供給し、ミスト装置212には市水を供給しているが、散水装置211とミスト装置212とに使用する水は、上述したように、適宜に選択される。
図18に示す構成において、第1の貯水タンク2612は、個々のハウス本体10A〜10Cにおける撒水装置211に供給する水量を確保している。一方、第2の貯水タンク2623は、複数棟のハウス本体10A〜10Cに設けられたミスト装置212で共用されているから、ハウス本体10A〜10Cの棟数が増加すると、第2の貯水タンク2623の容量も大きくなる可能性がある。第2の貯水タンク2623が大型化することを防止するために、第2の制御装置302は、複数棟のハウス本体10A〜10Cに対して同時に給水できない場合には、適宜棟数のハウス本体10A〜10Cごとに給水を順次行う。この動作を行うために、第2の制御装置302は、第1の制御装置301と通信することにより連携する。
たとえば、第2の貯水タンク2623がハウス本体10A〜10Cのうちの2棟に対しては同時に給水でき、3棟のハウス本体10A〜10Cには同時に給水できない場合を想定する。この場合、第2の制御装置302は、ハウス本体10A〜10Cのうちの2棟に給水し、当該2棟への給水が終了した後に残りに給水する。
この例のように、第2の貯水タンク2623から各ハウス本体10A〜10Cに給水するタイミングをずらすことによって、第2の貯水タンク2623を大型化させることなく、多数棟のハウス本体10A〜10Cに給水することが可能になる。また、第2の貯水タンク2623に相当する構成および送水ポンプ2622,2624に相当する構成を、ハウス本体10A〜10CA〜10Cごとに設ける必要がない。その結果、複数棟のハウス本体10A〜10Cを並設する場合でも、コストの増加を抑制し、かつ共用される給水設備26の大型化を避けることができる。
以上説明したように、給水設備26の一部(第2の給水設備262)を複数棟のハウス本体10A〜10Cで共用する。しかも、制御装置30(第2の制御装置302)は、給水設備26の給水能力とハウス本体10A〜10Cで必要な給水量との関係に応じて、ハウス本体のうちで給水設備26から給水を行う対象を選択する。また、制御装置30(第2の制御装置302)は、ハウス本体10A〜10Cで必要な給水量の総量が給水設備26の給水能力を上回っている場合に、給水設備26からハウス本体10A〜10Cに順に給水を行うことが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論のことである。
1 植物
10 ハウス本体
11 フレーム
12 被覆材
21 水供給装置(環境形成装置)
23 気流形成装置(環境形成装置)
24 環境センサ
30 制御装置
31 インターフェイス部(通信インターフェイス部)
101 屋根部
102 側壁部
103 妻壁部
104 側窓(環境形成装置)
105 端窓
211 撒水装置
212 ミスト装置
219 チラー
221 天井カーテン(環境形成装置、カーテン)
222 側カーテン
231 換気装置(環境形成装置、気流形成装置)
232 送風管(環境形成装置、気流形成装置)

Claims (24)

  1. 透光性を有する被覆材がフレームにより支持され内部に植物育成用の空間が形成されたハウス本体と、
    前記ハウス本体の内部で育成される植物の群落に上方から撒水を行うことにより前記植物への水分の供給と前記植物の周囲温度の制御とを行う水供給装置を含み、前記植物が成長する環境を形成する環境形成装置と、
    前記ハウス本体の内部空間において前記植物の周囲温度を含む環境情報を検出する環境センサと、
    前記植物の育成に適した温度および湿度が得られるように、前記環境センサから前記環境情報を取得し、前記水供給装置から撒水を行うタイミングと水量との少なくとも一方を前記環境情報に応じて制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記環境情報に応じて定まる撒水期間に前記水供給装置を駆動して撒水を行い、前記撒水期間の後に定めた休止期間に前記水供給装置による撒水を禁止する
    ことを特徴とする農業用ハウス。
  2. 前記制御装置は、前記水供給装置を含む前記環境形成装置の動作を制御する機能を有し、前記環境形成装置を制御する制御内容を季節に応じて変更することを特徴とする請求項1記載の農業用ハウス。
  3. 前記ハウス本体の外部の温度を計測する温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記温度センサが当日の日の出までに計測した最低温度に応じて季節を判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の農業用ハウス。
  4. 前記制御装置は、冬季には前記植物の周囲温度が育成に適した温度よりも高くなるように、前記水供給装置から撒水を行うタイミングと水量との少なくとも一方を設定している
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の農業用ハウス。
  5. 前記制御装置は、前記環境形成装置を制御する制御内容を時間帯に応じて変更することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  6. 前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じて、前記休止期間を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  7. 前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じて、前記水供給装置から撒水を行う水量を変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  8. 前記水供給装置は、前記植物に水がかかるように撒水する撒水装置と、前記植物の上方空間に水を噴霧するミスト装置とを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  9. 前記ハウス本体を複数棟備え、
    前記ハウス本体にそれぞれ配置される前記撒水装置と前記ミスト装置との少なくとも一方に水を供給し、かつ前記複数棟の前記ハウス本体で共用される給水設備をさらに備える
    ことを特徴とする請求項8記載の農業用ハウス。
  10. 前記制御装置は、前記給水設備の給水能力と前記ハウス本体で必要な給水量との関係に応じて、前記ハウス本体のうちで前記給水設備から給水を行う対象を選択する
    ことを特徴とする請求項9記載の農業用ハウス。
  11. 前記制御装置は、前記ハウス本体で必要な給水量の総量が前記給水設備の給水能力を上回っている場合に、前記給水設備から前記ハウス本体に順に給水を行う
    ことを特徴とする請求項10記載の農業用ハウス。
  12. 前記制御装置は、前記植物の成長段階に応じた位置の前記環境センサから前記環境情報を取得することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  13. 前記環境形成装置は、前記ハウス本体の内部において前記植物の周囲に気流を形成する気流形成装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記水供給装置による撒水のタイミングと水量との少なくとも一方に合わせて前記気流形成装置の動作を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  14. 前記環境形成装置は、前記ハウス本体の内部において前記植物の周囲に気流を形成する気流形成装置をさらに備え、
    前記制御装置は、冬季には前記植物の周囲温度が所定温度以上に維持される範囲で前記気流形成装置を定期的に動作させる
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  15. 前記ハウス本体は、互いに対向する一対の側壁部と、前記側壁部の間に跨る屋根部と、前記側壁部と交差し互いに対向する妻壁部とを一体に備え、
    前記環境形成装置は、前記側壁部に設けられた開閉可能な側窓をさらに備え、
    前記気流形成装置は、前記妻壁部に取り付けられ、前記ハウス本体において前記妻壁部を通る方向に気流を形成することにより、前記側窓が開いているときに前記側窓から外気を誘引する
    ことを特徴とする請求項14記載の農業用ハウス。
  16. 前記妻壁部はそれぞれ開閉可能な端窓が設けられ、
    前記気流形成装置は、一対の前記妻壁部にそれぞれ取り付けられ、
    一対の前記気流形成装置は、前記ハウス本体において一対の前記妻壁部を通る方向に沿った中心線に対して互いに反対側に位置し、かつ対向する前記妻壁部にそれぞれ設けられた前記端窓と向かい合うように配置されている
    ことを特徴とする請求項15記載の農業用ハウス。
  17. 前記環境形成装置は、前記植物に照射される外光を減光する閉状態と前記植物に照射される外光を遮らない開状態との間で開閉可能に駆動されるカーテンをさらに備え、
    前記気流形成装置は、前記植物よりも上方であって、前記カーテンの閉状態において前記カーテンを挟んで前記屋根部の反対側となる位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項15又は16記載の農業用ハウス。
  18. 前記側窓および前記端窓は開閉可能に駆動され、
    前記制御装置は、前記環境センサが検出した前記環境情報に応じて、前記側窓の開閉と前記端窓の開閉と前記気流形成装置の動作とを制御することを特徴とする請求項16記載の農業用ハウス。
  19. 前記妻壁部に取り付けられた前記気流形成装置は、
    気流を形成する本体装置と、
    前記妻壁部に固定され前記本体装置が結合される位置が可変である取付枠とにより構成されている
    ことを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  20. 前記妻壁部に取り付けられた前記気流形成装置は、軸流ファンを備えた複数台の換気扇または送風機からなり、軸流ファンの回転軸の軸線が一直線上に配置されている
    ことを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  21. 前記植物に照射される外光を減光する閉状態と前記植物に照射される外光を遮らない開状態との間で開閉可能に駆動されるカーテンをさらに備え、
    前記制御装置は、前記カーテンが前記水供給装置による撒水のタイミングと水量との少なくとも一方に合わせて開閉されるように前記カーテンを駆動する
    ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  22. 前記制御装置は、天気予報の情報を外部から取得する通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部を通して取得した天気予報の情報から前記周囲温度を予測することにより、前記水供給装置から撒水するタイミングと水量との少なくとも一方の計画を定めることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  23. 前記環境センサは、前記植物の前記周囲温度に加えて、前記ハウス本体の内部における湿度と照度との少なくとも一方を前記環境情報として検出することを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
  24. 前記水供給装置は、水温を調節するチラーを備えることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
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