JPWO2017130261A1 - ミスト発生システム、農業用ハウス - Google Patents

ミスト発生システム、農業用ハウス Download PDF

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Abstract

ミスト発生システム(10)は、ミストを噴霧する空間領域を目的の範囲に制限する。ミスト発生システム(10)は、複数のノズル(11)と取付部材と調節器とを備える。ノズル(11)それぞれは、液体の供給を受けて噴霧口からミストを噴出させる。調節器は、複数のノズル(11)それぞれに供給する液体の流量と複数のノズル(11)それぞれの噴霧圧力との少なくとも一方を調節する。取付部材は、複数のノズル(11)それぞれを定位置に取り付ける。この定位置は、複数のノズル(11)から選択された2個以上のノズル(11)が噴出するミストが混合され、かつミストの速度成分のうち、少なくとも2個以上のノズル(11)それぞれがミストを噴出する向きの水平方向の速度成分を低減させるように定められる。

Description

本発明は、ミストを噴出させるミスト発生システム、ミスト発生システムを備える農業用ハウスに関する。
従来、ハウス内の上層高温部で霧を発生させる複数個の噴霧ノズルと、噴霧ノズルからの霧を排出する複数個の換気扇とを備えた屋根付きハウスが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、換気扇で発生させた気流により霧を排出し、霧粒を落下させずに冷却する動作と、噴霧ノズルの噴霧量と換気扇の吸引風量とを調節することにより霧を降下させる動作とが記載されている。
特許文献1に記載された技術は、霧をハウス内の一平面において全域に発生するように構成されている。すなわち、特許文献1に記載されたハウス冷却装置は、ハウスにおいて植物を育成する領域あるいは動物を飼育する領域の全域について、空気の冷却あるいは霧の散布を行う。
しかしながら、冷却の対象あるいは薬剤散布の対象が植物である場合、植物は圃場に形成された畝に植えられていることが多いから、ハウスの全域について空気の冷却あるいは霧の散布を行うと、水の無駄な消費につながる。
特開平3−117433号公報
本発明は、ミストを噴霧する空間領域を目的の範囲に制限することを可能にしたミスト発生システムを提供することを目的とし、このミスト発生システムを用いた農業用ハウスを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るミスト発生システムは、ミストを噴出させる複数のノズルと、調節器と、前記複数のノズルそれぞれを定位置に取り付ける取付部材とを備える。前記複数のノズルは、液体の供給を受けて噴霧口から前記ミストを噴出させる。前記調節器は、前記複数のノズルそれぞれに供給する液体の流量と前記複数のノズルそれぞれの噴霧圧力との少なくとも一方を調節する。前記取付部材は、前記複数のノズルから選択された2個以上のノズルが噴出する前記ミストが混合されるように前記複数のノズルそれぞれを取り付ける。そして、前記取付部材は、前記ミストの速度成分のうち、少なくとも前記2個以上のノズルそれぞれが前記ミストを噴出する向きの水平方向の速度成分を低減させるように前記複数のノズルを取り付ける。
本発明の一態様に係る農業用ハウスは、上述のミスト発生システムと、植物を育成する空間を囲む外殻とを備え、前記空間に前記ミスト発生システムのうちの少なくとも前記複数のノズルと前記取付部材とが配置されている構成を備える。
本発明の構成によれば、ミストを噴霧する空間領域を目的の範囲に制限することが可能になるという利点を有する。
実施形態に係るミスト発生システムを備える農業用ハウスを示す概略水平断面図である。 実施形態に係るミスト発生システムを備える農業用ハウスを示す概略横断面図である。 実施形態に係るミスト発生システムを備える農業用ハウスの別の形態を示す概略水平断面図である。 実施形態に係るミスト発生システムを構成するノズルの一例を示す斜視図である。 実施形態に係るミスト発生システムを構成するノズルの配置例を示す概略平面図である。 実施形態に係るミスト発生システムを適用する農業用ハウスの構成例を示す斜視図である。
以下に説明するミスト発生システムは、農業用ハウスで使用することを想定して構成されている。ただし、農業用ハウス以外でも以下に説明するミスト発生システムの使用は可能である。たとえば、人の体感温度を下げるためにミストを用いる休憩所のような建物、施療にミストを用いる美容クリニック(いわゆる、エステサロン)などでも、以下に説明するミスト発生システムは適用可能である。以下では、ミスト発生システムの構成について説明した後、このミスト発生システムを用いた農業用ハウスについて説明する。
ミスト発生システムは、噴出させたミストの気化により空気の温度を低下させ、また噴出させたミストを対象物に接触させて、対象物から気化熱を奪うことにより対象物を冷却する。そのため、ミスト発生システムは、対象物の上方でミストを発生させるように配置される。対象物の上方で発生したミストは、重力によって落下し、一部は対象物に到達する前に気化し、他の一部は対象物に到達して対象物に接触する。ここでの対象物は、農業用ハウスの中で育成される植物である。
図1に示すように、本実施形態のミスト発生システム10は、複数個のノズル11と、ポンプ12と、バルブ13と、通水管14と、タンク15とを備える。通水管14は、タンク15からノズル11に液体を供給する流路を提供し、ポンプ12とバルブ13とはタンク15からノズル11に液体を供給する流路に配置される。すなわち、ポンプ12はタンク15に蓄えた液体を通水管14に供給し、通水管14に取り付けたノズル11に液体が供給されると、ノズル11からミストが噴出する。バルブ13は、ポンプ12と通水管14との間に配置されている。
図2に示すように、ノズル11は、農業用ハウス20において植物30が植えられる畝31の上方に配置される。ただし、ノズル11は、隣り合う2つの畝31の間に形成された通路32の上方に配置されていてもよい。ノズル11が通路32の上方に配置される場合、ノズル11が通路32を通る作業者の妨げとならないように、ノズル11は、たとえば地面から200[cm]程度の高さに配置される。ここに示した高さは一例であり、必要に応じて適宜に調節される。たとえば、地上部の背丈が低い植物であり、畝31の上方にノズル11が配置される場合、ノズル11の地面からの高さは100[cm]程度に設定される場合もある。
通水管14の中間部には、上述したように複数個のノズル11が設けられる。個々のノズル11は、液体を微細化しミストとして噴出させる構造を有している。個々のノズル11は、枝管111を備え、枝管111の先端に噴霧口112が開口する(図4参照)。噴霧口112は、枝管111の先端部に取り付けられたキャップ113に形成されている(図4参照)。図1、図2に示す構成例では、2本の枝管111を備えたノズル11を用いている。つまり、2本の枝管111は、互いに反対向き(180度異なる向き)に延長され、噴霧口112の中心線は一直線上で反対向きに開口する。ここでの噴霧口112の中心線は、枝管111の延長方向の軸線に沿った中心線を意味する。
なお、ノズル11は、2本の枝管111を備える構成に限らず、たとえば図3、図4に示すように、4本の枝管111を備える構成であってもよく、またノズル11は1本の枝管111のみを備えていてもよい。4本の枝管111を備えるノズル11は、4つの噴霧口112の中心線が一つの平面に含まれる。4本の枝管111は、上述した平面に沿った平面内でほぼ等角度間隔に設けられている。つまり、4本の枝管111は、枝管111の延長方向の軸線が互いに90度をなすように配置される。
ノズル11に対して通水管14から液体が供給されると、ノズル11は噴霧口112からミストを噴出させる。なお、液体は基本的には水であるが、噴霧口112に目詰まりが生じない成分で、植物30の育成に有用な成分を含む水溶液であってもよい。以下では、ノズル11に供給される液体を「水」という。すなわち、以下の説明において、水という用語は、純粋な水だけではなく、特定成分を含む水溶液である場合を含む。
通水管14はポンプ12に接続されている。ポンプ12は、タンク15に蓄えた水を通水管14に供給する。ポンプ12で加圧された水が通水管14に供給されることにより、ノズル11からミストが噴出する。ノズル11から噴出したミストは、上述したように、重力によって落下する。ミストの一部は落下中に蒸発し、周囲の気化熱を奪って空気を冷却する。また、残りの一部は植物30に散布され、蒸発時に植物30から気化熱を奪って植物30の温度を低下させる。
図1に示す構成例では、通水管14が4系統に分岐している。すなわち、通水管14は、ヘッダ141を通して4本の送水管142に分岐されている。通水管14の分岐数は農業用ハウス20の規模により異なるが、たとえば、2分岐以上で6分岐以下の範囲が選択されることが望ましい。この程度の分岐数であれば、通水管14に供給する圧力のばらつきは許容範囲に収まる。送水管142は、畝31の長手方向に沿うように配置される。ただし、通水管14は畝31に交差する方向に配置されていてもよい。
図1に示す構成例では、1つの畝31に2本の送水管142が配置され、1つの畝31に配置された2本の送水管142の一端は連結管143に接続されている。つまり、1つの畝31に配置された2本の送水管142は連結管143を通してつながっている。連結管143は、送水管142の長手方向において、ヘッダ141とは反対側の一端に接続される。
この構成により、送水管142の一端を連結管143に接続せずに開放している場合と比較すると、1本の送水管142の延長方向における圧力差が抑制され、また、異なる送水管142の間の圧力差が抑制される。すなわち、通水管14に配置したすべてのノズル11に、同程度の圧力で水を供給することが可能になる。
送水管142それぞれに設けられた各ノズル11は、2つの噴霧口112を備える。ノズル11は、2つの噴霧口112が送水管142の延長方向に対して90度をなすように配置される。また、1つの畝31に配置された2本の送水管142に設けられたノズル11は、噴霧口112が向き合うように配置される。たとえば、送水管142の延長方向に対して垂直な方向における2つのノズル11のそれぞれの噴霧口112が向き合うように配置される。
ノズル11は、2つの噴霧口112の中心線が水平面に沿うように配置される。1つの噴霧口112からはミストの粒子がほぼ水平方向に噴出し、噴霧口112から噴出したミストの粒子は、空気から浮力を受けることにより比較的長時間にわたって浮遊しながら重力により落下する。また、噴霧口112から噴出したミストの粒子は、外力を作用させる気流がなく、また移動を妨げる障害物がなければ、空気の抵抗によって水平方向の速度を徐々に失い、最終的には鉛直下向きに落下する。
ミスト発生システム10の諸元は、向かい合うように配置された2個のノズル11から噴出したミストが混合され、かつミストの粒子が水平方向の速度を失わないうちに互いに衝突可能であるように定められる。向かい合うように配置された2個のノズル11から噴出したミストの粒子が衝突する確率を決める因子には、噴霧口112の間の距離、噴霧口112から噴出する粒子の初速、粒子の分布などがある。これらの因子の値は、ミスト発生システム10に関する以下のような諸元で決まる。すなわち、因子の値は、1つの畝31に対応した2本の送水管142の間隔D1、1本の送水管142に配置したノズル11のピッチL1を含む。また、因子の値は、噴霧口112の中心線の向き、ノズル11が受け取る水の流量、噴霧口112の寸法および形状、噴霧口112に供給する水の圧力などを含む。
向かい合うように配置された2個のノズル11から噴出したミストの粒子が水平方向の速度を失わないうちに互いに衝突すると、ミストの粒子における水平方向の速度成分が低下する。水平方向の速度成分が低下すると、鉛直下向きの速度成分が相対的に大きくなるから、ミストの拡散が抑制され、結果的にミストの到達範囲が制限される。複数のノズル11が上述のように配置されていると、ミストが存在する空間領域は2本の送水管142と1つの畝31とに囲まれる直方体状の範囲に制限される。すなわち、ミストが存在する空間領域は、おおむね図1、図2に一点鎖線で示す範囲に制限される。つまり、2本の送水管142それぞれにノズル11が適正なピッチL1で配置されている場合、ミストが存在する空間領域は直方体状の範囲に制限される。
なお、噴霧口112から噴出するミストは、噴霧口112から離れるに従って噴霧口112の中心線から離れるように広がる。したがって、噴霧口112の中心線から離れた粒子は、水平面に沿った面内において、噴霧口112の中心線に沿う向きの速度成分と、噴霧口112の中心線に直交する向きの速度成分とを有している。このような速度成分を持つミストの粒子が衝突した場合、衝突後のミストの粒子は落下するとは限らないが、噴霧口112の中心線の方向における速度成分はほぼ減殺される。したがって、ミストは畝31の幅方向にはほとんど広がらない。言い換えると、噴霧口112の中心線に沿う方向の速度成分が低減していれば、ミストの大部分を畝31に落下させることが可能になり、結果的に、ミストを無駄なく植物30の冷却に用いることが可能になる。
上述したように、1つのノズル11は2つの噴霧口112を備え、噴霧口112それぞれの中心線が送水管142の延長方向に対して90度をなすように配置されている。そのため、1つのノズル11が備える2つの噴霧口112から噴出するミストは、落下する範囲が畝31の上に制限されるが、通路32に向いた残りの2つの噴霧口112から噴出するミストは畝31の上にほとんど誘導されない。したがって、1つのノズル11が備える2つの噴霧口112のうち、通路32に向いた噴霧口112はミストを噴出しないように閉じておくことが望ましい。噴霧口112を閉じるには、たとえば、噴霧口112に栓を取り付けておけばよい。このように、ノズル11に設けた2つの噴霧口112のうちの一方を閉じておけば、水の消費が抑制される。
上述した動作によってミストの到達範囲をユーザが望む範囲に制限する場合、ノズル11を適正な位置に配置することが必要である。そのため、ミスト発生システム10は、農業用ハウス20に対してノズル11を定位置に取り付ける取付部材16を備える(図2参照)。取付部材16は、たとえば、農業用ハウス20の構造材から送水管142を吊り下げるワイヤ、農業用ハウス20の構造材に送水管142を一体に結び付ける結束バンドあるいはUボルトなどから選択される。図2には、取付部材16がワイヤである構成例を示している。
噴霧口112から噴出するミストは、ノズル11の仕様に応じた範囲に分布する。すなわち、ミストが分布する空間領域の形状は、ノズル11の仕様に応じて様々である。多くのノズル11では、ミストが分布する空間領域を噴霧口112の中心線に直交する平面で切った断面が、円形、楕円形、長方形、環状のいずれかになる。上述のように、噴霧口112の中心線を水平面に沿って配置していると、ノズル11から噴出したミストは重力によって落下するから、植物30に向かってミストを落下させるには、ノズル11は、植物30を育成する際の上端と想定される高さ位置よりも噴霧口112が上方に位置するように配置される。
ミストの気化による植物30の冷却、あるいはミストを用いた植物30への薬剤散布のように、ミストを植物30に接触させる場合は、噴霧口112から噴出したミストが落下して植物30に到達するようにミスト発生システム10の諸元が調節される。また、植物30にミストを接触させずに植物30の周囲の空気を冷却する場合には、噴霧口112から噴出したミストが落下して植物30に到達する前に蒸発するように、ミスト発生システム10の諸元が調節される。
たとえば、噴霧口112から噴出したミストが到達する水平距離は0.3[m]以上2[m]以下であることが望ましい。この場合、ミストの平均粒子径は20[μm]以上200[μm]以下であり、ミストの最大吐出圧力は0.1[MPa]以上0.8[MPa]以下であることが望ましい。また、ミストが到達する水平距離は0.6[m]以上1.2[m]以下であり、ミストの平均粒子径は50[μm]以上80[μm]以下、かつミストの最大吐出圧力は0.3[MPa]以上0.6[MPa]以下であることがより望ましい。
ミストが到達する水平距離は、噴霧口112から噴出したミストの粒子が空気抵抗などにより水平方向の速度成分を失うまでの距離を意味し、平均粒子径、水平方向の初速度の平均値(以下、平均初速度という)などにより変化する。ここに、ミストが到達する水平距離には、ミストに含まれる個々の粒子が到達する水平距離の平均値を用いる。また、最大吐出圧力は、ノズル11に導入される水の圧力(つまり、噴霧圧力)の最大値であり、平均粒子径および水平方向の平均初速度を決める因子である。言い換えると、ミストが到達する水平距離、ミストの平均粒子径、最大吐出圧力の3つの因子は関連している。したがって、それぞれの因子が上述した数値の範囲を達成するには、ノズル11の選定が必要である。また、3つの因子は、農業用ハウス20の内部の気温、育成する植物30の高さなどに応じて決められる。
たとえば、ミストの平均粒子径が大きいと重力と浮力との差が大きくなる上に空気抵抗が大きくなることにより水平距離が短縮されるが、ミストが消滅するまでの時間は長くなる。一方、最大吐出圧力を高めるほどミストが到達する水平距離は大きくなる。また、ノズル11に供給する水の流量を増やすほど、ノズル11から噴出するミストの濃度が高くなる。ミストの平均粒子径は、最大吐出圧力と流量とのどちらを高めても小さくなる。
農業用ハウス20の内部の気温が高いほど、最大吐出圧力を高めることが望ましい。最大吐出圧力を高めると単位時間当たりにミスト化される水の重量が増加し、ミストの密度が高くなるから、向かい合う2個のノズル11から噴出するミストの衝突確率が高まる。一方、農業用ハウス20の内部の気温が比較的低いと、ミストが蒸発せずに植物30に到達しやすくなるから、植物30に過剰な水分が付着しないように、気温が低いほどミストの平均粒子径を小さくする必要がある。なお、ミストの平均粒子径、ミストの最大吐出圧力などの関係は一例であって、ミストを到達させる水平距離、ミストを落下させる量などの要求に応じて適宜に定められる。
上述した値を採用する場合、1つの畝31に配置した2本の送水管142の間隔D1は60[cm]以上80[cm]以下の範囲とし、1本の送水管142におけるノズル11のピッチL1は送水管142の間隔D1より小さくすることが望ましい。
ところで、図3、図4に示すように、ノズル11は4本の枝管111を備えていてもよい。このノズル11は、4つの噴霧口112を備える。4つの噴霧口112は1つの平面内において、中心線が90度間隔となるように設けられている。ノズル11は、送水管142に対しては、4つの噴霧口112を含む平面が水平面に沿うように配置され、かつ4つの噴霧口112それぞれの中心線が送水管142の延長方向に対して略45度をなすように配置される。また、1つの畝31に対応した2本の送水管142に設けられたノズル11は、噴霧口112が向き合うように配置される。たとえば、2本の送水管142のうち一方の送水管142に配置されたノズル11(第1ノズル)の噴霧口112と、他方の送水管142に配置され第1ノズルに最も近い少なくとも1つのノズル11(第2ノズル)の噴霧口112とが向き合うように配置される。
1つの畝31に対応する2本の送水管142の間隔をD1とすると、1本の送水管142においてノズル11を配置するピッチL2は、L2=2・D1に定められる。この例では、2本の送水管142それぞれに設けたノズル11は、送水管142の延長方向において互いにD1(=L2/2)だけずれるように位置が定められる。たとえば、L2=100[cm]、D1=50[cm]とすれば、上述した条件を満足する。この数値は、畝31の幅、ノズル11の仕様などに応じて適宜に選択される。
4つの噴霧口112を備えるノズル11を用いた場合、ミストが畝31の長手方向の速度成分を持つから、2つの噴霧口112を備えるノズル11を用いる場合と比べて、畝31の長手方向におけるミストの濃度むらが低減される。言い換えると、比較的少ない個数のノズル11を用いて、畝31の全体にわたってミストを噴霧することが可能になる。4つの噴霧口112を備えるノズル11を上述のように配置した場合、ミストが噴霧される範囲は、おおむね図3に一点鎖線で囲む範囲になる。すなわち、ミストは長方形状の空間領域に散布される。
なお、上述したノズル11の配置は一例である。たとえば、1本の送水管142においてノズル11を配置するピッチL2はL2=D1であってもよい。この場合、2本の送水管142に設けたノズル11は、送水管142の延長方向において同じ位置に配置される。2本の送水管142それぞれに設けたノズル11がこのように配置されていると、同じ空間領域に4つの噴霧口112からミストが噴出するから、図3に示す構成例と比較すると、ミストの密度が高まる。
ところで、1つのノズル11が4つの噴霧口112を備え、噴霧口112それぞれの中心線が送水管142の延長方向に対して略45度をなすように配置されていると、2つの噴霧口112から噴出するミストは、落下する範囲が畝31の上に制限される。その一方、通路32に向いた残りの2つの噴霧口112からミストが噴出したとしても、そのミストは畝31の上に誘導されない。したがって、1つのノズル11が備える4つの噴霧口112のうち、通路32に向いた2つの噴霧口112はミストを噴出しないように閉じておくことが望ましい。噴霧口112を閉じるには、たとえば、噴霧口112に栓を取り付けておけばよい。
図4のように4つの噴霧口112を備えるノズル11を採用する場合でも、ミストが到達する水平距離、ミストの平均粒子径、ミストの最大吐出圧力は、2つの噴霧口112を備えるノズル11を採用する場合と同様である。すなわち、1つの畝31に対応する2本の送水管142の間隔D1を50[cm]、ノズル11のピッチL1を100[cm]とするとき、たとえば、噴霧口112から噴出したミストが到達する水平距離は0.3[m]以上2[m]以下であることが望ましい。この場合、ミストの平均粒子径は20[μm]以上200[μm]以下であり、ミストの最大吐出圧力は0.1[MPa]以上0.8[MPa]以下であることが望ましい。また、ミストが到達する水平距離は0.6[m]以上1.2[m]以下であり、ミストの平均粒子径は50[μm]以上80[μm]以下、かつミストの最大吐出圧力は0.3[MPa]以上0.6[MPa]以下であることがより望ましい。
ところで、ノズル11は、通水管14から受け取る水の流量と、噴霧口112から吐出するミストの噴霧圧力との少なくとも一方を調節する調節器を備えていてもよい。流量を調節する場合、たとえば、枝管111に供給する水の流量を調節するように、通水管14から枝管111への分岐点までの流路に配置されるニードル弁が用いられる。また、噴霧圧力を調節する場合、たとえば、噴霧口112を備えるキャップ113が用いられる。噴霧圧力を調節するキャップ113は、内側面に形成されたねじ溝が枝管111の外周面に形成されたねじ溝に噛み合っている。したがって、キャップ113は、枝管111に対して回転すると、枝管111に対して移動する。キャップ113が枝管111に対して相対的に移動すると、枝管111の先端と噴霧口112との距離が変わる。その結果、噴霧口112を通過する水の圧力(つまり、噴霧圧力)を調節することが可能になる。
ノズル11に供給する水の流量と噴霧圧力との少なくとも一方を調節する調節器は、ポンプ12とバルブ13との少なくとも一方であってもよい。ポンプ12の回転数をインバータで制御する構成を採用すれば、ポンプ12を通過する流量が調節可能であり、ノズル11に供給する水の流量が調節可能になる。また、バルブ13の開度を調節することによってもノズル11に供給する水の流量が調節可能になる。バルブ13として設定圧力の調節範囲が所望範囲である圧力制御弁を設けると、バルブ13によってノズル11に供給する水の圧力が調節され、結果的にバルブ13により噴霧圧力の調節が可能になる。
調節器は、手操作で流量と噴霧圧力との少なくとも一方を調節することが可能である。ただし、電気信号を用いて流量あるいは噴霧圧力を指示する調節器を採用すれば、タイムスケジュールに従って流量と噴霧圧力との少なくとも一方を調節することが可能である。また、調節器は、センサで検出する農業用ハウス20の内部環境、外部環境などに応じて、流量と噴霧圧力との少なくとも一方を調節してもよい。
上述したように、ミスト発生システム10が調節器を備えていれば、調節器によりノズル11に供給される水の流量とノズル11が噴出するミストの噴霧圧力との少なくとも一方が調節可能になる。その結果、噴霧口112から噴出するミストの平均粒子径、ミストの最大吐出圧力の調節が可能になり、噴霧口112から噴出するミストの噴出速度を調節することが可能になる。なお、ノズル11の構成にもよるが、ミストの平均粒子径と噴出速度との間には通常は相関がある。したがって、調節器は、ノズル11に供給される水の流量の調節とミストの噴出圧力の調節とは一方のみが行える構成でもよい。
上述したミスト発生システム10では、2個のノズル11が噴霧口112を向き合わせるように配置されているが、3個以上のノズル11から噴出するミストを混合することによっても、ミストを落下させる範囲を制限することが可能である。すなわち、3個以上のノズル11それぞれから噴出させたミストが混合され、かつ水平面に沿った面内でノズル11それぞれの噴霧口112の中心軸に沿った速度成分を低減させるように、3個以上のノズル11が配置されていればミストの範囲が制限される。
3個のノズル11から噴出するミストを混合する場合の配置例を図5に示す。図5に示す例では、3個のノズル11それぞれの噴霧口112が正三角形の頂点に位置している。このような配置であっても、ミストが混合されると、3個のノズル11から噴出したミストの速度成分のうち、噴霧口112の中心軸に沿った速度成分が低減し、ミストの到達範囲が制限される。
上述したミスト発生システム10を適用する農業用ハウス20の構成例について、以下に簡単に説明する。農業用ハウス20で育成する植物30は、葉菜類、果菜類、豆類、果物、花卉などから選択可能である。葉菜類は、ホウレンソウ、コマツナ、レタス、キャベツ、ハクサイなどを代表とする。また、果菜類は、トマト、キュウリ、ナスなどを代表とする。
本実施形態において植物30にミストを散布するのは、植物30に低温の水を接触させて植物30を冷却すること、および植物30から気化熱を奪うことによって植物30の温度と植物30の周囲温度とを低下させることを主な目的としている。また、植物30の上方にミストを発生させることにより、農業用ハウス20の上部の空気から気化熱を奪い、植物30の周囲の気温を下げることにも寄与する。さらに、ミストは、気化熱による温度の制御だけではなく、薬剤の散布を目的としてノズル11から噴出させる場合もある。
農業用ハウス20は、図6に示すように、構造材としての金属製パイプを組み合わせて構成されたフレーム211と、フレーム211により支持された被覆体212とで構成された外殻21を備える。フレーム211は、並んで配置された2本の支柱部2111と、2本の支柱部2111それぞれの一端間を連結する連結部2112とを一体に備える逆U字状に形成されている。連結部2112は、滑らかな弧状に形成されている例を示しているが、2本の直線それぞれの一端を付き合わせた逆V状に形成されていてもよい。被覆体212は、ガラスでもよいが、この構成例では、透光性を有する(望ましくは透明である)合成樹脂フィルムを用いている。複数のフレーム211は、それぞれが囲む面に交差する方向に並び、被覆体212は、複数のフレーム211が並んだ状態で複数のフレーム211に架設される。そして、被覆体212は、複数のフレーム211が並ぶことにより形成される仮想的な立体物を全周にわたって覆う。
農業用ハウス20は、断面半円状の屋根部200と、屋根部200を支持し互いに対向する一対の側壁部201と、側壁部201に直交し互いに対向する一対の妻壁部203とを一体に備える。したがって、農業用ハウス20は、妻壁部203を結ぶ方向に直交する断面において逆U字状に形成されている。一対の妻壁部203を結ぶ方向の寸法は、一対の側壁部201を結ぶ方向に比べて十分に大きい寸法に設計されている。以下では、一対の妻壁部203を結ぶ方向を長手方向といい、一対の側壁部201を結ぶ方向を短手方向という。畝31の長手方向は農業用ハウス20の長手方向に沿っており、農業用ハウス20の短手方向において、複数本の畝31が形成される。
農業用ハウス20は、カーテン23および窓24を備える。カーテン23は、内部に入射する外光を減光させる第1位置と、内部に入射する外光を減光させない第2位置との間で移動可能である。また、窓24は、内部と外部との間で通気させる開位置と、内部と外部との間で通気させない閉位置との間で移動可能である。
さらに、農業用ハウス20は、カーテン23として、屋根部200に沿って配置された屋根カーテン230と、2つの側壁部201それぞれに沿って配置された2つの側カーテン231とを備える。屋根カーテン230は、第1位置と第2位置との間で移動することにより、屋根部200からの外光の入射量を調節する。側カーテン231は、第1位置と第2位置との間で移動することにより、2つの側壁部201それぞれからの外光の入射量を調節する。屋根カーテン230と側カーテン231とは駆動装置により独立して駆動される。駆動装置は、モータのような動力源を備え、屋根カーテン230と側カーテン231とにそれぞれ対応した駆動機構を備えている。
窓24は、側壁部201それぞれに設けられている。窓24は、開度が調節されることにより、農業用ハウス20の内部と外部との間で通気する際の空気の通気抵抗を調節する。農業用ハウス20は、側壁部201のほかに、妻壁部203にも窓を備えていることが望ましい。2つの側壁部201それぞれの窓24は、駆動装置により独立して駆動される。駆動装置は、モータのような動力源を備え、窓24にそれぞれ対応した駆動機構を備えている。
カーテン23の位置と窓24の開度とを適宜に調節すれば、農業用ハウス20の内部温度と内部湿度とを変化させることが可能である。たとえば、夏季で晴天の日中であれば、屋根カーテン230および側カーテン231を閉じ、かつ窓24の開度を大きくすれば、農業用ハウス20の内部温度の上昇が抑制される。
農業用ハウス20の妻壁部203には、上部にファン25が配置され、下部に入口が設けられる。ファン25は、機械換気によって農業用ハウス20の換気を行い、農業用ハウス20の内部温度および内部湿度の調節に寄与する。また、ファン25は運転時に農業用ハウス20に気流を形成する。上述のように、カーテン23、窓24、ファン25などの設備の動作を制御することにより、農業用ハウス20の内部環境が制御され、植物30を育成する環境を整えることが可能になる。
農業用ハウス20は、植物30を育成する環境を制御するために、ミスト発生システム10、カーテン23、窓24、ファン25のほかに、植物30に散水する装置などの各種の装置を備える。また、農業用ハウス20には、温度、湿度、土中の含水率、照度などから選択される農業用ハウス20の内部環境を監視するセンサが配置されていてもよい。センサが監視する内部環境には、植物30の温度、湿度、照度などがある。内部環境を監視するセンサは、農業用ハウス20の複数箇所に設けられることが望ましいが、1箇所にだけ設けられてもよい。
農業用ハウス20の内部環境を整える装置は、センサが監視した農業用ハウス20の内部環境に基づいて、制御装置が動作状態を決めることが望ましい。この場合、制御装置は、カーテン23、窓24、ファン25、散水を行う装置、ミストを散布する装置などの各種装置を、センサが監視する農業用ハウス20の内部環境に基づいて制御する。センサ61が監視する内部環境と各種装置の動作との関係は、植物30の種類、植物30の成長段階、季節などに応じて定められる。
制御装置は、手動運転と自動運転との選択が可能であり、自動運転が選択されているときには、各種装置の自動運転を行う。また、制御装置は、タイマを内蔵し、タイマは、運転期間と停止期間とがスケジュールとして設定可能に構成されている。自動運転が選択されている場合、制御装置は、タイマに設定した運転期間において、センサが監視する内部環境に応じて各種装置の動作を制御する。
上述した構成の農業用ハウス20は一例であり、農業用ハウス20の構成を限定する趣旨ではなく、農業用ハウス20に他の材料を用いることや他の形状に形成することを妨げない。
以上説明したように、本発明に係る第1の態様のミスト発生システム10は、複数のノズル11と調節器と取付部材16とを備える。ノズル11それぞれは、液体の供給を受けて噴霧口112からミストを噴出させる。調節器は、複数のノズル11それぞれに供給する液体の流量と複数のノズル11それぞれの噴霧圧力との少なくとも一方を調節する。取付部材16は、複数のノズル11それぞれを定位置に取り付ける。この定位置は、複数のノズル11から選択された2個以上のノズル11が噴出するミストが混合され、かつミストの速度成分のうち、少なくとも2個以上のノズル11それぞれがミストを噴出する向きの水平方向の速度成分を低減させるように定められる。
この構成によれば、複数のノズル11から噴出したミストが混合され、ノズル11からミストが噴出した向きの速度成分が低減されるから、ミストを混合しない場合と比較すると、ノズル11から近い距離にミストが落下する。すなわち、ミストが拡散する空間領域を制限し、特定の空間領域にミストを重点的に噴霧することが可能になる。その結果、ミストを必要とする空間領域に必要量のミストを供給しながらも、ミストを必要としない空間領域へのミストの飛散を抑制するから、ミストを発生させるために供給する水の量の増加が抑制される。すなわち、節水に寄与する。
ミスト発生システム10は液体の流量と液体の噴霧圧力との少なくとも一方を調節するから、噴霧口112から噴出するミストの平均粒子径、ミストが到達する水平距離、ミストの最大吐出圧力のうちの少なくとも一つの要素を調節可能である。したがって、調節器を調節すると、必要な量のミストを供給することが可能になる。
また、ミストを薬剤散布に利用する場合に、ミストを噴霧する空間領域を薬剤散布対象の直物体の範囲に制限することができる。そのため、薬剤使用量をより少なくすることができる。
第2の態様のミスト発生システム10では、第1の態様において、調節器は、複数のノズル11に液体を供給する流路に配置されたバルブ13とポンプ12との少なくとも一方であることが望ましい。
この構成によれば、バルブ13の開度あるいはポンプ12の流量を調節することによって、ノズル11に供給する液体の流量を調節することが可能になる。
第3の態様のミスト発生システム10では、第1または第2の態様において、取付部材16は、2個以上のノズル11から噴出したミストが衝突するように、2個以上のノズル11の配置と、2個以上のノズル11がミストを噴出する向きとを定めていることが望ましい。
この構成によれば、取付部材16を用いてノズル11の位置および向きを定めるから、目的とする空間領域にミストを供給することが可能になる。
第4の態様のミスト発生システム10では、第3の態様において、2個以上のノズル11は、2個のノズル11である。2個のノズル11が水平面内において噴霧口112を互いに向かい合わせるように配置されていることが望ましい。
すなわち、異なるノズル11の噴霧口112が互いに向き合っているから、噴霧口112から噴出したミストが混合されたときに、噴霧口112が向き合っている方向の速度成分が低減される。その結果、ミストは、複数の噴霧口112の間の領域で落下しやすくなり、ミストの拡散が抑制される。
第5の態様の農業用ハウス20は、第1〜第4のいずれかのミスト発生システム10と、植物を育成する空間を囲む外殻21とを備え、空間にミスト発生システム10のうちの少なくとも複数のノズル11と取付部材16とが配置されている。
この構成によれば、外殻21の内部空間にノズル11と取付部材16とが配置されるから、農業用ハウスの内部空間をノズル11から噴出したミストで冷却することが可能になる。
第6の態様の農業用ハウス20では、第5の態様において、噴霧口112から噴出したミストが到達する水平距離は0.3[m]以上2[m]以下、ミストの平均粒子径は20[μm]以上200[μm]以下、ミストの最大吐出圧力は0.1[MPa]以上0.8[MPa]以下であることが望ましい。また、第7の態様の農業用ハウス20では、第6の態様において、噴霧口112から噴出したミストが到達する水平距離は0.6[m]以上1.2[m]以下、ミストの平均粒子径は50[μm]以上80[μm]以下、ミストの最大吐出圧力は0.3[MPa]以上0.6[MPa]以下であることがさらに望ましい。
上述の数値範囲を採用すると、複数のノズル11から噴出したミストが混合するから、育成する植物30の近くまでミストを落下させることが可能であり、結果的に気化熱を奪って植物30の冷却を行うことが可能になる。仮に、平均粒子径が20[μm]より小さいドライミストを採用すると、植物30には水滴が付着しないが、ミストとして霧化される液体の量が少なく農業用ハウス20の内部空間のように広い空間領域を冷却することが難しい。これに対して、上述した数値範囲を採用することにより、農業用ハウス20の内部空間に比較的多くの量のミストを供給することが可能であるから、農業用ハウス20の冷却の効果が高まる。
第8の態様の農業用ハウス20では、第5〜第7のいずれかの態様において、外殻21は、複数のフレーム211と被覆体212とを備えることが望ましい。フレーム211は、それぞれ逆U字状であって構造材となる。被覆体212は、複数のフレーム211それぞれが囲む面に交差する方向に複数のフレーム211が並んだ状態で複数のフレーム211に架設される。被覆体212は、複数のフレーム211が仮想的に定める立体物を全周にわたって覆う。
この農業用ハウス20は、一般的な構造であり、ミスト発生システム10を設けることによって、育成する植物30に効率よくミストを供給することが可能になる。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
10 ミスト発生システム
11 ノズル
12 ポンプ(調節器)
13 バルブ(調節器)
16 取付部材
20 農業用ハウス
21 外殻
30 植物
112 噴霧口
211 フレーム
212 被覆体

Claims (8)

  1. 液体の供給を受けて噴霧口からミストを噴出させる複数のノズルと、
    前記複数のノズルそれぞれに供給する液体の流量と前記複数のノズルそれぞれの噴霧圧力との少なくとも一方を調節する調節器と、
    前記複数のノズルから選択された2個以上のノズルが噴出する前記ミストが混合され、かつ前記ミストの速度成分のうち、少なくとも前記2個以上のノズルそれぞれが前記ミストを噴出する向きの水平方向の速度成分を低減させるように前記複数のノズルそれぞれを定位置に取り付ける取付部材とを備える
    ことを特徴とするミスト発生システム。
  2. 前記調節器は、前記複数のノズルに液体を供給する流路に配置されたバルブとポンプとの少なくとも一方である
    請求項1記載のミスト発生システム。
  3. 前記取付部材は、
    前記2個以上のノズルから噴出した前記ミストが衝突するように、前記2個以上のノズルの配置と、前記2個以上のノズルが前記ミストを噴出する向きとを定めている
    請求項1又は2記載のミスト発生システム。
  4. 前記2個以上のノズルは、2個のノズルであり、
    前記2個のノズルが水平面内において前記噴霧口を互いに向かい合わせるように配置されている
    請求項3記載のミスト発生システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のミスト発生システムと、
    植物を育成する空間を囲む外殻とを備え、
    前記空間に前記ミスト発生システムのうちの少なくとも前記複数のノズルと前記取付部材とが配置されている
    ことを特徴とする農業用ハウス。
  6. 前記噴霧口から噴出した前記ミストが到達する水平距離は0.3[m]以上2[m]以下、
    前記ミストの平均粒子径は20[μm]以上200[μm]以下、
    前記ミストの最大吐出圧力は0.1[MPa]以上0.8[MPa]以下である
    ことを特徴とする請求項5記載の農業用ハウス。
  7. 前記噴霧口から噴出した前記ミストが到達する水平距離は0.6[m]以上1.2[m]以下、
    前記ミストの平均粒子径は50[μm]以上80[μm]以下、
    前記ミストの最大吐出圧力は0.3[MPa]以上0.6[MPa]以下である
    請求項6記載の農業用ハウス。
  8. 前記外殻は、
    それぞれ逆U字状であって構造材となる複数のフレームと、
    前記複数のフレームそれぞれが囲む面に交差する方向に前記複数のフレームが並んだ状態で前記複数のフレームに架設される被覆体とを備え、
    前記被覆体は、前記複数のフレームが仮想的に定める立体物を全周にわたって覆う
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
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