JP2020154353A - ハウス内環境データ生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができるハウス内環境データ生成方法を提供する。【解決手段】農業用ハウスのハウス内環境データ生成方法は、制御手段が、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップ、とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法に関する。
我が国の農業生産において、その収穫量を事前かつ精緻に予測することは、農業経営の安定化、流通の安定化に欠かせない技術となりつつある。また昨今のスマート農業(IoT化、AI活用)などにおいても、その有用性から大きな注目を集めている。
従来から収穫量を予測する方策が多数提案されている(例えば特許文献1)。農作物の生育を簡易に予測するには「有効積算温度」を使うことが一般的である。引用文献1に記載のキャベツなど葉茎菜類においては実用に耐えうる精度が期待できるとされる。
しかしながら、トマト等の果菜類においは、播種から開花時期、開花から収穫時期などの予測が有効積算温度だけでは十分な精度を出せないことが分かっている(非特許文献1)。
さらに、農業用ハウスを使用した通年連作栽培においては、播種から開花時期までには十分な予測精度が出せるが、果房間における開花タイミングや収穫開始タイミングなどに大きなズレが出ることが、弊社圃場での実証実験において明らかになった。そのため、「ハウス内の有効日射量」を環境パラメータとして測定ないしは予測することが、一つの課題となっている。
アメダスは1974年11月1日に運用を開始して、現在、降水量を観測する観測所は全国に約1,300か所(約17km間隔)あり、このうち、約50か所では日射量を観測しており、測定されたデータは広く一般ユーザが入手することができる。
しかしながら、全国約50箇所で観測している「日射量」については、気象庁のデータを実圃場データとしてそのまま活用するには、地点粒度が粗く、その他の観測地では日射量ではなく日照時間表記である、など諸処の課題が残る。
また、空撮画像データを使用することにより一般データを補正、圃場データとして収量予測に活用する手段が提案されている(特許文献2)。
なお、非特許文献2には、特定月日の特定時刻における太陽高度を求める計算式が記載されている。
特許第5853780号公報 特開2015−49号公報
小林尚司、島地 英夫、池田英男、「養液栽培によるトマトの一段どり栽培に関する研究(第2報)」、農業施設、農業施設学会、平成10年3月25日、第28巻、4号、p.203―208 J. W. Spencer, "Fourier series representation of the position of the Sun", Search 2, 162・172 (1971)
農業用ハウスは、自然環境を活用せずに完全密閉型で行われる植物工場等と比べて、自然エネルギーを使用する分エネルギー効率が高いメリットがある。
しかしその反面で、天気によりハウス内環境が時系列で大きく変化し、ハウス設置地域(緯度・経度)によってもハウス内環境が大きく左右されることから、結果として、外的要因により生産量が予測しにくいという課題が指摘されてきた。
ハウス内環境に特に大きな影響を与えるのは、こちらも有効日射量である。例えば、有効日射量変動による室内温度の上昇・低下は時事刻々と発生し、ハウス内環境パラメータの予測を困難にしている。
以上のような課題に対し、農業用ハウス内にセンサを配置し、データを直接取得する手段が提案されている。
しかし、センサ等でのデータ取得には、温度・照度センサ等をハウスの数だけ設置するコストが大きく、ハウス建設後、作付け期間に相当する期間(半年〜1年)のデータ蓄積が最低限必要であり、特に新規就農時にはデータが揃わず、農業参入前のフィージビリティスタディに使えないという課題が残る。また、照度値は照度センサのハウス内取付位置によって大きくばらつくため、1個のセンサではハウス内の平均的な日照値を見積もりづらいという課題もある。
特許文献2による手法は、畑・水田・露地栽培には有効な手段であるが、農業用ハウス内部の環境を空撮画像によって伺い知ることはできず、ハウス栽培には活用できない。
なお、日照時間の時別値を日射量時別値に直接変換することはきわめて難しい。
本発明は、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができるハウス内環境データ生成方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明のハウス内環境データ生成方法は、農業用ハウスの場所を特定する地点情報2と、前記農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、前記農業用ハウスの棟方向、前記農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、前記農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータと、日別及び地域別に提供されている気象データとを用いることで、制御手段が、前記農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法であって、前記制御手段が、前記気象データの中から前記地点情報2で特定される前記場所に最も近い地域気象データを用いて、前記農業用ハウスの前記場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、前記ハウス外環境データ生成ステップで生成された前記ハウス外環境データと前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データをハウス内光合成有効放射照度とすると、前記気象データとして、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用い、前記ハウス外環境データ生成ステップでは、前記天気概況を用いて、日射不足を判定する天気判定ステップ(S3,S3x)と、前記地点情報2を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における可照時間を演算する暦演算ステップ(S5,S6)と、前記天気判定ステップで判定した前記日射不足、及び前記暦演算ステップで算出した前記可照時間を用いて、前記特定月日における日積算日射量を演算する日積算日射量演算ステップ(S7,S7x)と、前記暦演算ステップで演算した前記特定月日の前記可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する日射量日変化概形演算ステップ(S8)と、前記日積算日射量演算ステップで演算した前記日積算日射量、及び前記日射量日変化概形演算ステップで演算した前記日射量変化を用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の日射量を演算する単位時間毎日射量演算ステップ(S9)と、前記単位時間毎日射量演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記日射量を放射照度に変換して設定時間毎の前記放射照度を演算する設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップ(S10)とを有し、前記設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とし、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内光合成有効放射照度を生成することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、雨、雪、又はみぞれの文字が含まれているかを判定し、前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定しないことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データをハウス内気温とすると、前記気象データとして、最高気温と最低気温とを用い、前記ハウス外環境データ生成ステップでは、前記地点情報2を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における日の出時刻、南中時刻、及び日の入時刻を演算する暦演算ステップ(S5,S6y)と、ハウス外気温を計算する時刻が、前記日の出時刻から前記南中時刻、前記南中時刻から前記日の入時刻、又は前記日の入時刻から翌日の出時刻のいずれの時間帯に属するかを判定する時間帯判定ステップ(S15)と、判定された前記時間帯別に、取得した前記最高気温と前記最低気温とを用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の気温を演算する単位時間毎気温演算ステップ(S16)と、前記単位時間毎気温演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記気温を設定時間毎の前記気温を演算する設定時間毎気温演算ステップ(S17)と、を有し、前記設定時間毎気温演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記気温を、設定時間毎ハウス外気温とし、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記設定時間毎ハウス外気温と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内気温を生成することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、前記農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合には、前記夜間ハウス内気温には、前記加温動作又は前記冷房動作における設定最低温度を用い、前記加温動作の時間帯における前記外気温が前記設定最低温度よりも高い場合、及び前記冷房動作の時間帯における前記ハウス外気温が前記設定最低温度よりも低い場合には、前記設定最低温度に代えて前記外気温を用いることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項6に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、前記農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、前記日中ハウス内気温には、前記冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が前記設定最高温度に満たない場合には、前記設定最高温度に代えて前記ハウス内光合成有効放射照度によって決まる前記温度を用い、前記外気温が前記設定最高温度よりも高い場合には、前記設定最高温度に代えて前記外気温を用いることを特徴とする。
本発明によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。
本発明の一実施例におけるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図 本発明の他の実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図 本発明の更に他の実施例におけるハウス内環境データ生成方法の1日の日射量変化の概形ltr(t)と、ある時刻に一瞬だけ日射を受けたときの温度変化の概形Tresp(t)を示す概念図 本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図
本発明の第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法は、制御手段が、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有するものである。本実施の形態によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データをハウス内光合成有効放射照度とすると、気象データとして、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用い、ハウス外環境データ生成ステップでは、天気概況を用いて、日射不足を判定する天気判定ステップと、地点情報を用いることで農業用ハウスの場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における可照時間を演算する暦演算ステップと、天気判定ステップで判定した日射不足、及び暦演算ステップで算出した可照時間を用いて、特定月日における日積算日射量を演算する日積算日射量演算ステップと、暦演算ステップで演算した特定月日の可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する日射量日変化概形演算ステップと、日積算日射量演算ステップで演算した日積算日射量、及び日射量日変化概形演算ステップで演算した日射量変化を用いて、特定月日における単位時間毎の日射量を演算する単位時間毎日射量演算ステップと、単位時間毎日射量演算ステップで演算した単位時間毎の日射量を放射照度に変換して設定時間毎の放射照度を演算する設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップとを有し、設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎の放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とし、ハウス内環境データ生成ステップでは、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とハウスパラメータとを用いてハウス内光合成有効放射照度を生成するものである。本実施の形態によれば、ハウス外環境データ生成ステップでは、日照時間と日中の天気概況とを用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップでは、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、雨、雪、又はみぞれの文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足と判定するものである。本実施の形態によれば、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの文字が含まれていれば日射不足と判定しないものである。本実施の形態によれば、ハウス内光合成有効放射照度の精度を高めることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足と判定するものである。本実施の形態によれば、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データをハウス内気温とすると、気象データとして、最高気温と最低気温とを用い、ハウス外環境データ生成ステップでは、地点情報を用いることで場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における日の出時刻、南中時刻、及び日の入時刻を演算する暦演算ステップと、ハウス外気温を算出する時刻が、日の出時刻から南中時刻、南中時刻から日の入時刻、又は日の入時刻から翌日の出時刻のいずれの時間帯に属するかを判定する時間帯判定ステップと、判定された時間帯別に、取得した最高気温と最低気温とを用いて、特定月日における単位時間毎の気温を演算する単位時間毎気温演算ステップと、単位時間毎気温演算ステップで演算した単位時間毎の気温を設定時間毎の気温を演算する設定時間毎気温演算ステップと、を有し、設定時間毎気温演算ステップで演算した設定時間毎の気温を、設定時間毎ハウス外気温とし、ハウス内環境データ生成ステップでは、設定時間毎ハウス外気温とハウスパラメータとを用いてハウス内気温を生成するものである。本実施の形態によれば、ハウス外環境データ生成ステップでは、最高気温と最低気温を用いて設定時間毎ハウス外気温を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップでは、この設定時間毎ハウス外気温を用いてハウス内気温を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合では、夜間ハウス内気温には、加温動作又は冷房動作における設定最低温度を用い、加温動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房動作の時間帯におけるハウス外気温が設定最低温度よりも低い場合には、設定最低温度に代えて外気温を用いるものである。本実施の形態によれば、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
本発明の第8の実施の形態は、第6の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、日中ハウス内気温には、冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合には、設定最高温度に代えてハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度を用い、外気温が設定最高温度よりも高い場合には、設定最高温度に代えて外気温を用いるものである。本実施の形態によれば、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の一実施例について説明する。
図1は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図2は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図3は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。
ユーザが農業用ハウスの場所を特定する地点情報2(図2参照)を入力することで(S1)、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「日中の天気概況」を日別に気象データベース1から取得する(S2)。
S1で入力する地点情報2は、「地点名(都道府県・市区町村)」又は「緯度」「経度」である。「地点名(都道府県・市区町村)」から「緯度」及び「経度」を特定できる。地点情報2は、少なくとも緯度が特定できればよい。
S2で取得した日別の天気概況を用いて日射不足を判定する(S3)。
S3における天気判定ステップは、図2に示す天気判定部3において行う。
S3における天気判定ステップでは、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用いて、日射不足を判定する。
例えば、日中の天気概況に「雨」「雪」又は「みぞれ」の文字が含まれているかを判定し、「雨」「雪」又は「みぞれ」の文字が含まれている場合には日射不足と判定して「降水フラグ」を立てる。ただし、天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの文字が含まれていれば日射不足と判定しない。なお、「曇時々雨一時雪」の場合は「日射不足」と判定する。このように、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
また、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「日照時間(日積算値)」を気象データベース1から取得する(S4)。
S5では、ユーザが入力した地点情報から特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算する。
特定月日の時刻tにおける太陽高度h(t)[°]は以下の式から計算できる。
sinh(t)=cosΦcosδcos[15(t−12)]−sinΦsinδ
δ[°]=(180/π)(0.006918−0.399912cosΘ+0.070257sinΘ−0.006758cos2Θ+0.000907sin2Θ−0.002697cos3Θ+0.00148sin3Θ)(非特許文献2)
Θ[°]=360(d−1)/365
ただし、d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]、Φ:緯度[°]
太陽南中高度はh(12)[°]であるから
sinh(12)=cosΦcosδ−sinΦsinδ
日の出・日の入時刻ではおおよそh(t)=0[°]であるから、日長L[h]=(日の入時刻−日の出時刻)は以下の式で求めることができる。
L=(2/15)acos(−tanΦtanδ)
上記式によって、太陽高度から特定月日における可照時間を演算できる(S6)。
実際は、日の出は太陽が完全に地平線から出る時刻、日の入りは太陽が完全に地平線に隠れる時刻であるからh(t)=0[°]ではない。また、他にも日の出・日の入りに影響する要因が存在する。
そこで、実測値に合うよう上記式を修正して用いる。
L=(2/15)acos(tanβ−tanΦtanδ)
tanβ=K+Ksin(Φ+α)
パラメータ
、K:係数、α:位相パラメータ
S5及びS6が暦演算ステップであり、暦演算ステップでは、地点情報を用いることで農業用ハウスの場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における可照時間を演算する。S5及びS6における暦演算ステップは、図2に示す暦演算部4において行う。
S4で取得した日照時間、天気判定ステップ(S3)で判定した日射不足、及び暦演算ステップ(S5及びS6)で算出した可照時間を用いて、特定月日における日積算日射量を演算する(S7)。S7における暦演算ステップは、図2に示す日積算日射量演算部5において行う。
S4で取得する日照時間について、気象データベース1でのデータ取得間隔が1日未満の場合、毎日0時0分1秒から24時0分0秒の値を積算して日毎の日照時間データDs[h]を得る。
例えば、10分毎の日照時間データX(t)の場合、毎日0時10分から24時0分の値を平均して日毎の日照時間データD[h]を得る。
=(1/60)Σ[X(t)](和は0時10分〜24時0分について取る)
従って、10分毎の日照時間データX(t)は、例えば、X(9時10分):8分、X(9時20分):10分、X(9時30分):10分、X(9時40分):10分、X(9時50分):2分、X(10時0分):0分・・・・・となり、これらのデータを0時10分〜24時0分まで積算すると、日毎の日照時間は
Σ[X(t)][分]となって、60で割ると単位が[時間]になる。
S7における日積算日射量演算ステップでは、日積算日射量l[J/m]を以下の式から計算する。
=D(C+Csinh+Csinh)+QR(C+CL)
入力値
:日照時間[h]
L:日長[h]=(日の入時刻−日の出時刻)
h:太陽の南中高度[°]
パラメータ
〜C:係数
Q:短日照時間補正係数(日照時間が閾値Dth未満:Q(<1)、Dth以上:1)
R:降水補正係数(日射不足である:R(<1)、日射不足でない:1)
パラメータC〜C、Q、R、Dthは例えば以下の方法によって決定する。
全天日射量を計測している気象庁アメダスについて、1年間の日射量推移を最小二乗解析し、パラメータを決定する。緯度を考慮し、以下の5つのアメダスについて解析する。なお、例えば10年ごとにパラメータを見直すことも重要である。
札幌(北緯43.06度)、盛岡(北緯39.70度)、大阪(北緯34.68度)、鹿児島(北緯31.56度)、石垣島(北緯24.34度)
S8では、暦演算ステップ(S5、S6)で演算した特定月日の可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する。S8における日射量日変化概形演算ステップは、図2に示す日射量日変化概形演算部6において行う。
S8における日射量日変化概形演算ステップでは、単位時間(例えば10分)毎の日射量変化の概形lmdl(t)[J/m]を以下の式から計算する。
mdl(t)=lP1/sinh(t)sinh(t){1+0.033cos[360(d−2)/365]}
入力
d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]
h(t):時刻tにおける太陽の南中高度[°]
定数
:太陽定数(4.9176MJ/m
P:大気透過率(0.7)
なお、本実施例についてはPを定数として扱う。
S9では、日積算日射量演算ステップ(S7)で演算した日積算日射量、及び日射量日変化概形演算ステップ(S8)で演算した日射量変化を用いて、特定月日における単位時間毎の日射量を演算する。S9における単位時間毎日射量演算ステップは、図2に示す単位時間毎日射量演算部7において行う。
S9における単位時間毎日射量演算ステップでは、単位時間(例えば10分)毎の日射量変化の概形lmdl(t)[J/m]を1日分積算した値を日照時間から推定した日積算日射量l[J/m]と一致させ、10分毎の日射量lm(t)[J/m]を得る。
m(t)={l/Σ[lmdl(t)]}lmdl(t)(和は0:10〜24:00について取る)
S10では、単位時間毎日射量演算ステップ(S9)で演算した単位時間毎の日射量を放射照度に変換して設定時間(例えば60分)毎の光合成有効放射照度を演算する。S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップは、図2に示す設定時間毎光合成有効放射照度演算部8において行う。
S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップでは、10分毎の日射量lm(t)[J/m]を放射照度[W/m]に変換し、毎時10分〜60分の値を平均して設定時間(例えば60分)毎の放射照度E(t)[W/m]を得る。
(t)=(1/6)Σ[lm(t)/600](和は10分〜60分について取る)
そして、設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップ(S10)で演算した設定時間毎の放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とする。
なお、時間毎の光合成有効放射照度(日射の可視光成分の放射照度)Eeff(t)[W/m]は全放射照度の50%とすることが好ましい。
eff(t)=(1/2)E(t)
このように、S1からS10は、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算する。
なお、図3(a)は、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図である。
次に、ハウスの構造及び遮光カーテン使用状況に基づき、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度から設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度を生成する。
S11では、農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、農業用ハウスの棟方向、農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、及び農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータを入力する。
S11におけるハウスパラメータの入力では、例えば、ユーザが「緯度」「ハウスタイプ」「棟方向」「単棟・連棟の別」「遮光カーテンの有無」をリストから選択し、「遮光カーテンの透過率」「遮光カーテンを展開する光合成有効放射照度の閾値」「側面からの日照の寄与率」「地表面反射補正係数」「フィルム汚れ係数」を入力することで行う。
S12では、S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度と、S11で入力されたハウスパラメータとを用いてハウス内光合成有効放射照度を演算する。S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップは、図2に示す光合成有効放射照度変換部9において行う。
S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップでは、「緯度」「月」「ハウスタイプ」「棟方向」「単棟・連棟の別」によって区分された、屋根及び側面から入射する日照の割合(Froof、Fside)をユーザーの入力情報及び日付に従って選択する。
ハウス外光合成有効放射照度Eout(t)に上記の割合Froof、Fsideを掛けて屋根及び側面からの日射量を算出し、屋根からの日照に対してカーテンの透過率(TR)、側面からの日照に対して寄与率(T)をそれぞれ掛け、日射量を補正する。
補正した日射量の総和に対して「地表面反射補正係数(Crefl)」「フィルム汚れ係数(Cdirt)」を掛け、ハウス内光合成有効放射照度Ein(t)を算出する。
最終的な計算式は以下のようになる。
in(t)=Eout(t)(1+Crefl)(1−Cdirt)(FroofR+Fside
S13では、S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎のハウス内光合成有効放射照度を出力する。
このように、S11からS13は、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度を生成する。
なお、図3(b)及び図3(c)は、設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S10)では、日照時間と日中の天気概況とを用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13)では、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の他の実施例について説明する。
図4は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図5は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図6は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。なお、図1及び図2と同一構成又は同一処理については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例は、実測日照時間データがない場合に「天気概況」を用いて時間毎のハウス外光合成有効放射照度を生成する方法である。
S2xで取得した日別の天気概況を用いて日射不足を判定する(S3x)。
S3xにおける天気判定ステップは、図5に示す天気判定部3xにおいて行う。
S3xにおける天気判定ステップでは、天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足を判定する。
日射量に影響を与える天気概況を考慮して日射不足に対して補正係数を与えることで高精度なハウス内環境データを生成できる。例えば、日中の天気概況の文字列に「晴」「多云(多雲)」「陰」「陣雨・雷陣雨・陣雪・雷陣雪」「小雨・小雪」「中雨・中雪」が含まれているかを判定し、それぞれに対応する補正係数を与える。
「大雨・大雪」「暴雨・暴雪」「雷雨」「雨夾雪」に対しては「中雨・中雪」と同じ補正係数を与える。
「霧」「霾」及び黄砂を示す「浮塵(視程10km以上)」「揚沙(同1km以上10km未満)」「沙塵暴(同1km未満)」に対しては「陰」と同じ補正係数を与える。
2種類以上の天気が含まれる場合は、補正係数を重み付けなしで平均する。
このように、補正係数を変えることで、天気概況によって段階的に日射不足の度合いを判定する。
S7xにおける日積算日射量演算ステップは、図5に示す天気判定部5xにおいて行う。
S7xにおける日積算日射量演算ステップでは、日積算日射量l[J/m]を以下の式から計算する。
=E(S)(C+Csinh+Csinh)+E(R)(C+CL)
入力
L:日長[h]=(日の入時刻−日の出時刻)
h:太陽の南中高度[°]
パラメータ
〜C:係数
S:直達日射量補正係数(晴:1、多云:s(<1)、他の天気:0)
R:天空散乱日射量補正係数(晴以外の各天気に該当:r〜r(<1)、晴:1)
E(S)、E(R):補正係数の平均値
パラメータC〜C、s、r〜rは例えば以下の方法によって決定する。
無錫市の農業用ハウスにおいて実測された1年間の日射量推移を最小二乗解析し、パラメータを決定する。
図6(a)は設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図、図6(b)は直達日射量補正係数(S)と天空散乱日射量補正係数(R)とを示す説明図である。なお、例えば10年ごとにパラメータを見直すことも重要である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S10)では、日中の天気概況を用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13)では、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の更に他の実施例について説明する。
本実施例は、外部から時間毎の気温データを取得できない場合に、「気象庁アメダスの最高・最低気温」を用いて時間毎のハウス外気温を生成するものである。
本実施例は図7に示す仮定に基づくものである。
図7は、1日の日射量変化の概形ltr(t)と、ある時刻に一瞬だけ日射を受けたときの温度変化の概形Tresp(t)を示す概念図である。
図7(a)は、1日の日射量変化の概形ltr(t)を示しており、1日の気温は、その日の日射量による温度上昇と地球外への放熱による温度下降によって決まると仮定している。
図7(b)は、日射を受けてからの経過時間に伴う温度変化の概形Tresp(t)を示している。なお、降温の時定数τは管理者が定めるパラメータとする。
このような仮定によれば、
1日の気温変化T(t)は以下の重畳積分によって求まる。
T(t)=∫Tresp(t′)ltr(t−t′)dt′
図8は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図9は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図10は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。なお、図1及び図2と同一構成又は同一処理については同一符号を付して説明を省略する。
ユーザが農業用ハウスの場所を特定する地点情報2(図8参照)を入力することで(S1)、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「最高気温」及び「最低気温」を日別に気象データベース1から取得する(S2y)。
S1で入力する地点情報2は、「地点名(都道府県・市区町村)」又は「緯度」「経度」である。「地点名(都道府県・市区町村)」から「緯度」及び「経度」を特定できる。地点情報2は、少なくとも緯度が特定できればよい。
S6yでは、特定月日における日の出時刻、南中時刻、日の入時刻を演算する。
上述の通り、日長L[h]=(日の入時刻−日の出時刻)は以下の式で求めることができる。
L=(2/15)acos(tanβ−tanΦtanδ)
tanβ=K+Ksin(Φ+α)
パラメータ
、K:係数、α:位相パラメータ
半日長(h)L1/2=L/2
日の出時刻(h)tsr=12−L1/2−(1/15)(ε+λ−λ
南中時刻(h)t=12−(1/15)(ε+λ−λ
日の入時刻(h)tss=12+L1/2−(1/15)(ε+λ−λ
ε:近時差[°]、λ:経度[°]、λ:標準時子午線の経度[°]
近時差は以下の式から計算できる。
ε[°]=(180/π)(0.000075+0.001868cosΘ−0.032077sinΘ−0.014615cos2Θ−0.04089sin2Θ)(非特許文献2)
Θ[°]=360(d−1)/365
ただし、d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]
このようにして、特定月日における、日の出時刻・南中時刻・日の入時刻を演算することができる。
S14では、ハウス外気温を演算するために、入力量から得られる以下のパラメータを生成する。S14におけるパラメータの生成は、図9に示すパラメータ生成部10において行う。
最高気温Tmax
最低気温Tmin
翌日との最低気温差(℃)Tmin*=Tmin(当該日翌日)−Tmin(当該日)
補正最高気温(℃)Tmax*=2(Tmax−Tmin)−(7/4)Tmin*
S15では、ハウス外気温を計算しようとしている時刻が(ア)日の出〜南中、(イ)南中〜日の入、(ウ)日の入〜翌日の出のどの時間帯に属するかを、日の出時刻、南中時刻、日の入時刻と比較して判定する。S15における時間帯判定ステップでは、図9に示す時間帯判定部11において行う。
(ア)日の出〜南中
T(t)=Tmin+Tmin*(t−t+L1/2/2L1/2 +Tmax*τ{t−t−τ+L1/2+τexp[−(t−t+L1/2)/τ]}/L1/2
(イ)南中〜日の入
T(t)=Tmin−Tmin*{(t−t−L1/2−2L1/2 }/2L1/2 +Tmax*τ{−t+t+τ+L1/2−τ[2−exp(−L1/2/τ)]exp[−(t−t)/τ]}/L1/2
(ウ)日の入〜翌日の出
T(t)=Tmin+Tmin*+Tmax{exp(L1/2/τ)+exp(−L1/2/τ)−2}exp[−(t−t)/τ]/L1/2
S16では、重畳積分の結果を用いて、単位時間(例えば10分)毎の気温T(t)[℃]を演算する。S16における単位時間毎気温演算ステップは、図9に示す単位時間毎気温演算部7yにおいて行う。
S17では、単位時間毎気温演算ステップ(S16)で演算した単位時間毎の気温を設定時間(例えば60分)毎の気温を演算する。S17における設定時間毎気温演算ステップは、図9に示す設定時間毎気温演算部8yにおいて行う。
S17における設定時間毎気温演算ステップでは、10分毎の気温T(t′)[℃]について、毎時10分〜60分の値を平均して設定時間(例えば60分)毎の気温T(t)[℃]を得る。
(t)=(1/6)ΣT(t′)(和は10分〜60分について取る)
そして、設定時間毎気温演算ステップ(S17)で演算した設定時間毎の気温を、設定時間毎ハウス外気温とする。
このように、S1からS17は、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス外気温を演算する。
なお、図10(a)は、設定時間毎ハウス外気温の演算に用いる入力データを示す説明図である。
次に、ハウスの構造及び保温設備使用状況に基づき、設定時間毎ハウス外気温から設定時間毎ハウス内気温を生成する。
S11では、農業用ハウスの構造、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータを入力する。
S11におけるハウスパラメータの入力では、例えば、ユーザが「夏期・冬期開始日」「夏期・冬期の設定最高温度・最低温度」を入力し、「加温設備の有無」「冷房設備の有無・使用時間帯」「窓開閉の有無」「保温カーテンの有無」をリストから選択し、加温・冷房設備、保温カーテンを使用する場合は、使用期間を入力することで行う。
S12yでは、S17における設定時間毎気温演算ステップで演算した設定時間毎ハウス外気温と、S11で入力されたハウスパラメータとを用いてハウス内気温を演算する。S12yにおける設定時間毎ハウス内気温演算ステップは、図9に示す気温変換部9yにおいて行う。
気温変換部9yで行うハウス内気温への変換では、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分することが好ましく、更には、日中ハウス内気温は、日の出から午前まで(昇温中)及び夕方から日の入まで(降温中)の昇降気温帯と、昇温又は降温変化の少ない南中気温帯とに区分することが好ましい。
夜間ハウス内気温には、加温動作や冷房動作がない場合では外気温をハウス内気温とし、加温動作や冷房動作がある場合では、設定最低温度をハウス内気温とする。なお、加温時で外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房時で外気温が設定最低温度よりも低い場合は外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に昇降気温帯における日中ハウス内気温には、窓が閉鎖している場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度をハウス内気温とすることが好ましい。なお、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度については後述する。
また、日中ハウス内気温、特に昇降気温帯における日中ハウス内気温には、窓開放により冷却する場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に到達する時間まではハウス内気温とするが、外気温が設定最高温度よりも高い場合は外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に南中気温帯における日中ハウス内気温には、冷房動作がない場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度をハウス内気温とし、窓開放により冷却する場合では設定最高温度をハウス内気温とする。ただし、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合は窓を閉鎖する。すなわち、ハウス内気温はハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度とする。また、外気温が設定最高温度よりも高い場合では外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に南中気温帯における日中ハウス内気温には、冷房装置により冷却する場合では、設定最高温度をハウス内気温とする。
なお、保温カーテンの使用期間中、以下A〜Cの条件をすべて満たすならばハウス内気温を1.5℃だけ高くする。
A.冷房装置によりハウス内を設定最高温度に維持している状態でないこと。
B.加温・冷房によりハウス内を設定最低温度に維持している状態でないこと。
C.窓が開放されていないこと。
本実施例における気温変換部9yでは、最高温度及び最低温度から演算された外気温を用いた場合を示しているが、ハウス内気温を時間毎に「外気温」「ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度」「設定最高温度」「設定最低温度」から選択することが好ましい。
ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度Tsrは以下の式により算出する。
sr=Tout+a[(1−bCrefl)/(1+Crefl)]Ein
out:外気温(℃)、Ein:ハウス内光合成有効放射照度(W/m)、
refl:地表面反射補正係数、a:変換係数(℃・m/W)、b:昇降温抑制係数
ただし、加温動作中あるいは冷房装置による冷房動作中は、Toutをそれぞれ設定最低温度、設定最高温度で置き換える。
S13yでは、S12yにおける設定時間毎ハウス内気温演算ステップで演算した設定時間毎のハウス内気温を出力する。
このように、S11からS13yは、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス内気温を生成する。
なお、図10(b)は、設定時間毎ハウス内気温の演算に用いる入力データを示す説明図である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S17)では、最高気温と最低気温を用いて設定時間毎ハウス外気温を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13y)では、この設定時間毎ハウス外気温を用いてハウス内気温を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
また、本実施例によれば、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合では、夜間ハウス内気温には、加温動作又は冷房動作における設定最低温度を用い、加温動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも低い場合には、設定最低温度に代えて外気温を用いることで、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
また、本実施例によれば、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、日中ハウス内気温には、冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合には、設定最高温度に代えてハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度を用い、外気温が設定最高温度よりも高い場合には、設定最高温度に代えて外気温を用いることで、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
本発明によるハウス内環境データ生成方法によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。
1 気象データベース
2 地点情報
3 天気判定部
3x 天気判定部
4 暦演算部
5 日積算日射量演算部
5x 日積算日射量演算部
6 日射量日変化概形演算部
7 単位時間毎日射量演算部
7y 単位時間毎気温演算部
8 設定時間毎光合成有効放射照度演算部
8y 設定時間毎気温演算部
9 光合成有効放射照度変換部
9y 気温変換部
10 パラメータ生成部
11 時間帯判定部
t 時刻
本発明は、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法に関する。
我が国の農業生産において、その収穫量を事前かつ精緻に予測することは、農業経営の安定化、流通の安定化に欠かせない技術となりつつある。また昨今のスマート農業(IoT化、AI活用)などにおいても、その有用性から大きな注目を集めている。
従来から収穫量を予測する方策が多数提案されている(例えば特許文献1)。農作物の生育を簡易に予測するには「有効積算温度」を使うことが一般的である。引用文献1に記載のキャベツなど葉茎菜類においては実用に耐えうる精度が期待できるとされる。
しかしながら、トマト等の果菜類においは、播種から開花時期、開花から収穫時期などの予測が有効積算温度だけでは十分な精度を出せないことが分かっている(非特許文献1)。
さらに、農業用ハウスを使用した通年連作栽培においては、播種から開花時期までには十分な予測精度が出せるが、果房間における開花タイミングや収穫開始タイミングなどに大きなズレが出ることが、弊社圃場での実証実験において明らかになった。そのため、「ハウス内の有効日射量」を環境パラメータとして測定ないしは予測することが、一つの課題となっている。
アメダスは1974年11月1日に運用を開始して、現在、降水量を観測する観測所は全国に約1,300か所(約17km間隔)あり、このうち、約50か所では日射量を観測しており、測定されたデータは広く一般ユーザが入手することができる。
しかしながら、全国約50箇所で観測している「日射量」については、気象庁のデータを実圃場データとしてそのまま活用するには、地点粒度が粗く、その他の観測地では日射量ではなく日照時間表記である、など諸処の課題が残る。
また、空撮画像データを使用することにより一般データを補正、圃場データとして収量予測に活用する手段が提案されている(特許文献2)。
なお、非特許文献2には、特定月日の特定時刻における太陽高度を求める計算式が記載されている。
特許第5853780号公報 特開2015−49号公報
小林尚司、島地 英夫、池田英男、「養液栽培によるトマトの一段どり栽培に関する研究(第2報)」、農業施設、農業施設学会、平成10年3月25日、第28巻、4号、p.203―208 J. W. Spencer, "Fourier series representation of the position of the Sun", Search 2, 162・172 (1971)
農業用ハウスは、自然環境を活用せずに完全密閉型で行われる植物工場等と比べて、自然エネルギーを使用する分エネルギー効率が高いメリットがある。
しかしその反面で、天気によりハウス内環境が時系列で大きく変化し、ハウス設置地域(緯度・経度)によってもハウス内環境が大きく左右されることから、結果として、外的要因により生産量が予測しにくいという課題が指摘されてきた。
ハウス内環境に特に大きな影響を与えるのは、こちらも有効日射量である。例えば、有効日射量変動による室内温度の上昇・低下は時事刻々と発生し、ハウス内環境パラメータの予測を困難にしている。
以上のような課題に対し、農業用ハウス内にセンサを配置し、データを直接取得する手段が提案されている。
しかし、センサ等でのデータ取得には、温度・照度センサ等をハウスの数だけ設置するコストが大きく、ハウス建設後、作付け期間に相当する期間(半年〜1年)のデータ蓄積が最低限必要であり、特に新規就農時にはデータが揃わず、農業参入前のフィージビリティスタディに使えないという課題が残る。また、照度値は照度センサのハウス内取付位置によって大きくばらつくため、1個のセンサではハウス内の平均的な日照値を見積もりづらいという課題もある。
特許文献2による手法は、畑・水田・露地栽培には有効な手段であるが、農業用ハウス内部の環境を空撮画像によって伺い知ることはできず、ハウス栽培には活用できない。
なお、日照時間の時別値を日射量時別値に直接変換することはきわめて難しい。
本発明は、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができるハウス内環境データ生成方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明のハウス内環境データ生成方法は、農業用ハウスの場所を特定する地点情報2と、前記農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、前記農業用ハウスの棟方向、前記農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、前記農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータと、日別及び地域別に提供されている気象データとを用いることで、制御手段が、前記農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法であって、前記制御手段が、前記気象データの中から前記地点情報2で特定される前記場所に最も近い地域気象データを用いて、前記農業用ハウスの前記場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、前記ハウス外環境データ生成ステップで生成された前記ハウス外環境データと前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有し、前記ハウス内環境データをハウス内光合成有効放射照度とすると、前記気象データとして、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用い、前記ハウス外環境データ生成ステップでは、前記天気概況を用いて、日射不足を判定する天気判定ステップと、前記地点情報を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における可照時間を演算する暦演算ステップと、前記天気判定ステップで判定した前記日射不足、及び前記暦演算ステップで算出した前記可照時間を用いて、前記特定月日における日積算日射量を演算する日積算日射量演算ステップと、前記暦演算ステップで演算した前記特定月日の前記可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する日射量日変化概形演算ステップと、前記日積算日射量演算ステップで演算した前記日積算日射量、及び前記日射量日変化概形演算ステップで演算した前記日射量変化を用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の日射量を演算する単位時間毎日射量演算ステップと、前記単位時間毎日射量演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記日射量を放射照度に変換して設定時間毎の前記放射照度を演算する設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップとを有し、前記設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とし、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内光合成有効放射照度を生成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、雨、雪、又はみぞれの文字が含まれているかを判定し、前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定しないことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記天気判定ステップでは、前記天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定することを特徴とする。
請求項5記載の本発明のハウス内環境データ生成方法は農業用ハウスの場所を特定する地点情報2と、前記農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、前記農業用ハウスの棟方向、前記農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、前記農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータと、日別及び地域別に提供されている気象データとを用いることで、制御手段が、前記農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法であって、前記制御手段が、前記気象データの中から前記地点情報2で特定される前記場所に最も近い地域気象データを用いて、前記農業用ハウスの前記場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、前記ハウス外環境データ生成ステップで生成された前記ハウス外環境データと前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有し、前記ハウス内環境データをハウス内気温とすると、前記気象データとして、最高気温と最低気温とを用い、前記ハウス外環境データ生成ステップでは、前記地点情報2を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における日の出時刻、南中時刻、及び日の入時刻を演算する暦演算ステップ(S5,S6y)と、ハウス外気温を計算する時刻が、前記日の出時刻から前記南中時刻、前記南中時刻から前記日の入時刻、又は前記日の入時刻から翌日の出時刻のいずれの時間帯に属するかを判定する時間帯判定ステップ(S15)と、判定された前記時間帯別に、取得した前記最高気温と前記最低気温とを用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の気温を演算する単位時間毎気温演算ステップ(S16)と、前記単位時間毎気温演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記気温を設定時間毎の前記気温を演算する設定時間毎気温演算ステップ(S17)と、を有し、前記設定時間毎気温演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記気温を、設定時間毎ハウス外気温とし、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記設定時間毎ハウス外気温と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内気温を生成することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、前記農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合には、前記夜間ハウス内気温には、前記加温動作又は前記冷房動作における設定最低温度を用い、前記加温動作の時間帯における前記外気温が前記設定最低温度よりも高い場合、及び前記冷房動作の時間帯における前記ハウス外気温が前記設定最低温度よりも低い場合には、前記設定最低温度に代えて前記外気温を用いることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項5に記載のハウス内環境データ生成方法において、前記ハウス内環境データ生成ステップでは、前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、前記農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、前記日中ハウス内気温には、前記冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が前記設定最高温度に満たない場合には、前記設定最高温度に代えて前記ハウス内光合成有効放射照度によって決まる前記温度を用い、前記外気温が前記設定最高温度よりも高い場合には、前記設定最高温度に代えて前記外気温を用いることを特徴とする。
本発明によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。
本発明の一実施例におけるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図 本発明の他の実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図 本発明の更に他の実施例におけるハウス内環境データ生成方法の1日の日射量変化の概形ltr(t)と、ある時刻に一瞬だけ日射を受けたときの温度変化の概形Tresp(t)を示す概念図 本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図 同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図 同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図
本発明の第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法は、制御手段が、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有し、ハウス内環境データをハウス内光合成有効放射照度とすると、気象データとして、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用い、ハウス外環境データ生成ステップでは、天気概況を用いて、日射不足を判定する天気判定ステップと、地点情報を用いることで農業用ハウスの場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における可照時間を演算する暦演算ステップと、天気判定ステップで判定した日射不足、及び暦演算ステップで算出した可照時間を用いて、特定月日における日積算日射量を演算する日積算日射量演算ステップと、暦演算ステップで演算した特定月日の可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する日射量日変化概形演算ステップと、日積算日射量演算ステップで演算した日積算日射量、及び日射量日変化概形演算ステップで演算した日射量変化を用いて、特定月日における単位時間毎の日射量を演算する単位時間毎日射量演算ステップと、単位時間毎日射量演算ステップで演算した単位時間毎の日射量を放射照度に変換して設定時間毎の放射照度を演算する設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップとを有し、設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎の放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とし、ハウス内環境データ生成ステップでは、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とハウスパラメータとを用いてハウス内光合成有効放射照度を生成するものである。本実施の形態によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。また、ハウス外環境データ生成ステップでは、日照時間と日中の天気概況とを用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップでは、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、雨、雪、又はみぞれの文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足と判定するものである。本実施の形態によれば、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの文字が含まれていれば日射不足と判定しないものである。本実施の形態によれば、ハウス内光合成有効放射照度の精度を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、天気判定ステップでは、天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足と判定するものである。本実施の形態によれば、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
本発明の第5の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法は、制御手段が、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップとを有し、ハウス内環境データをハウス内気温とすると、気象データとして、最高気温と最低気温とを用い、ハウス外環境データ生成ステップでは、地点情報を用いることで場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における日の出時刻、南中時刻、及び日の入時刻を演算する暦演算ステップと、ハウス外気温を算出する時刻が、日の出時刻から南中時刻、南中時刻から日の入時刻、又は日の入時刻から翌日の出時刻のいずれの時間帯に属するかを判定する時間帯判定ステップと、判定された時間帯別に、取得した最高気温と最低気温とを用いて、特定月日における単位時間毎の気温を演算する単位時間毎気温演算ステップと、単位時間毎気温演算ステップで演算した単位時間毎の気温を設定時間毎の気温を演算する設定時間毎気温演算ステップと、を有し、設定時間毎気温演算ステップで演算した設定時間毎の気温を、設定時間毎ハウス外気温とし、ハウス内環境データ生成ステップでは、設定時間毎ハウス外気温とハウスパラメータとを用いてハウス内気温を生成するものである。本実施の形態によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。また、ハウス外環境データ生成ステップでは、最高気温と最低気温を用いて設定時間毎ハウス外気温を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップでは、この設定時間毎ハウス外気温を用いてハウス内気温を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合では、夜間ハウス内気温には、加温動作又は冷房動作における設定最低温度を用い、加温動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房動作の時間帯におけるハウス外気温が設定最低温度よりも低い場合には、設定最低温度に代えて外気温を用いるものである。本実施の形態によれば、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第5の実施の形態によるハウス内環境データ生成方法において、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、日中ハウス内気温には、冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合には、設定最高温度に代えてハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度を用い、外気温が設定最高温度よりも高い場合には、設定最高温度に代えて外気温を用いるものである。本実施の形態によれば、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の一実施例について説明する。
図1は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図2は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図3は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。
ユーザが農業用ハウスの場所を特定する地点情報2(図2参照)を入力することで(S1)、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「日中の天気概況」を日別に気象データベース1から取得する(S2)。
S1で入力する地点情報2は、「地点名(都道府県・市区町村)」又は「緯度」「経度」である。「地点名(都道府県・市区町村)」から「緯度」及び「経度」を特定できる。地点情報2は、少なくとも緯度が特定できればよい。
S2で取得した日別の天気概況を用いて日射不足を判定する(S3)。
S3における天気判定ステップは、図2に示す天気判定部3において行う。
S3における天気判定ステップでは、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用いて、日射不足を判定する。
例えば、日中の天気概況に「雨」「雪」又は「みぞれ」の文字が含まれているかを判定し、「雨」「雪」又は「みぞれ」の文字が含まれている場合には日射不足と判定して「降水フラグ」を立てる。ただし、天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの文字が含まれていれば日射不足と判定しない。なお、「曇時々雨一時雪」の場合は「日射不足」と判定する。このように、日射量に影響を与える天気概況を考慮することで高精度なハウス内環境データを生成できる。
また、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「日照時間(日積算値)」を気象データベース1から取得する(S4)。
S5では、ユーザが入力した地点情報から特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算する。
特定月日の時刻tにおける太陽高度h(t)[°]は以下の式から計算できる。
sinh(t)=cosΦcosδcos[15(t−12)]−sinΦsinδ
δ[°]=(180/π)(0.006918−0.399912cosΘ+0.070257sinΘ−0.006758cos2Θ+0.000907sin2Θ−0.002697cos3Θ+0.00148sin3Θ)(非特許文献2)
Θ[°]=360(d−1)/365
ただし、d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]、Φ:緯度[°]
太陽南中高度はh(12)[°]であるから
sinh(12)=cosΦcosδ−sinΦsinδ
日の出・日の入時刻ではおおよそh(t)=0[°]であるから、日長L[h]=(日の入時刻−日の出時刻)は以下の式で求めることができる。
L=(2/15)acos(−tanΦtanδ)
上記式によって、太陽高度から特定月日における可照時間を演算できる(S6)。
実際は、日の出は太陽が完全に地平線から出る時刻、日の入りは太陽が完全に地平線に隠れる時刻であるからh(t)=0[°]ではない。また、他にも日の出・日の入りに影響する要因が存在する。
そこで、実測値に合うよう上記式を修正して用いる。
L=(2/15)acos(tanβ−tanΦtanδ)
tanβ=K+Ksin(Φ+α)
パラメータ
、K:係数、α:位相パラメータ
S5及びS6が暦演算ステップであり、暦演算ステップでは、地点情報を用いることで農業用ハウスの場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、太陽高度から特定月日における可照時間を演算する。S5及びS6における暦演算ステップは、図2に示す暦演算部4において行う。
S4で取得した日照時間、天気判定ステップ(S3)で判定した日射不足、及び暦演算ステップ(S5及びS6)で算出した可照時間を用いて、特定月日における日積算日射量を演算する(S7)。S7における暦演算ステップは、図2に示す日積算日射量演算部5において行う。
S4で取得する日照時間について、気象データベース1でのデータ取得間隔が1日未満の場合、毎日0時0分1秒から24時0分0秒の値を積算して日毎の日照時間データDs[h]を得る。
例えば、10分毎の日照時間データX(t)の場合、毎日0時10分から24時0分の値を平均して日毎の日照時間データD[h]を得る。
=(1/60)Σ[X(t)](和は0時10分〜24時0分について取る)
従って、10分毎の日照時間データX(t)は、例えば、X(9時10分):8分、X(9時20分):10分、X(9時30分):10分、X(9時40分):10分、X(9時50分):2分、X(10時0分):0分・・・・・となり、これらのデータを0時10分〜24時0分まで積算すると、日毎の日照時間は
Σ[X(t)][分]となって、60で割ると単位が[時間]になる。
S7における日積算日射量演算ステップでは、日積算日射量l[J/m]を以下の式から計算する。
=D(C+Csinh+Csinh)+QR(C+CL)
入力値
:日照時間[h]
L:日長[h]=(日の入時刻−日の出時刻)
h:太陽の南中高度[°]
パラメータ
〜C:係数
Q:短日照時間補正係数(日照時間が閾値Dth未満:Q(<1)、Dth以上:1)
R:降水補正係数(日射不足である:R(<1)、日射不足でない:1)
パラメータC〜C、Q、R、Dthは例えば以下の方法によって決定する。
全天日射量を計測している気象庁アメダスについて、1年間の日射量推移を最小二乗解析し、パラメータを決定する。緯度を考慮し、以下の5つのアメダスについて解析する。なお、例えば10年ごとにパラメータを見直すことも重要である。
札幌(北緯43.06度)、盛岡(北緯39.70度)、大阪(北緯34.68度)、鹿児島(北緯31.56度)、石垣島(北緯24.34度)
S8では、暦演算ステップ(S5、S6)で演算した特定月日の可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する。S8における日射量日変化概形演算ステップは、図2に示す日射量日変化概形演算部6において行う。
S8における日射量日変化概形演算ステップでは、単位時間(例えば10分)毎の日射量変化の概形lmdl(t)[J/m]を以下の式から計算する。
mdl(t)=lP1/sinh(t)sinh(t){1+0.033cos[360(d−2)/365]}
入力
d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]
h(t):時刻tにおける太陽の南中高度[°]
定数
:太陽定数(4.9176MJ/m
P:大気透過率(0.7)
なお、本実施例についてはPを定数として扱う。
S9では、日積算日射量演算ステップ(S7)で演算した日積算日射量、及び日射量日変化概形演算ステップ(S8)で演算した日射量変化を用いて、特定月日における単位時間毎の日射量を演算する。S9における単位時間毎日射量演算ステップは、図2に示す単位時間毎日射量演算部7において行う。
S9における単位時間毎日射量演算ステップでは、単位時間(例えば10分)毎の日射量変化の概形lmdl(t)[J/m]を1日分積算した値を日照時間から推定した日積算日射量l[J/m]と一致させ、10分毎の日射量lm(t)[J/m]を得る。
m(t)={l/Σ[lmdl(t)]}lmdl(t)(和は0:10〜24:00について取る)
S10では、単位時間毎日射量演算ステップ(S9)で演算した単位時間毎の日射量を放射照度に変換して設定時間(例えば60分)毎の光合成有効放射照度を演算する。S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップは、図2に示す設定時間毎光合成有効放射照度演算部8において行う。
S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップでは、10分毎の日射量lm(t)[J/m]を放射照度[W/m]に変換し、毎時10分〜60分の値を平均して設定時間(例えば60分)毎の放射照度E(t)[W/m]を得る。
(t)=(1/6)Σ[lm(t)/600](和は10分〜60分について取る)
そして、設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップ(S10)で演算した設定時間毎の放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とする。
なお、時間毎の光合成有効放射照度(日射の可視光成分の放射照度)Eeff(t)[W/m]は全放射照度の50%とすることが好ましい。
eff(t)=(1/2)E(t)
このように、S1からS10は、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算する。
なお、図3(a)は、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図である。
次に、ハウスの構造及び遮光カーテン使用状況に基づき、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度から設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度を生成する。
S11では、農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、農業用ハウスの棟方向、農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、及び農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータを入力する。
S11におけるハウスパラメータの入力では、例えば、ユーザが「緯度」「ハウスタイプ」「棟方向」「単棟・連棟の別」「遮光カーテンの有無」をリストから選択し、「遮光カーテンの透過率」「遮光カーテンを展開する光合成有効放射照度の閾値」「側面からの日照の寄与率」「地表面反射補正係数」「フィルム汚れ係数」を入力することで行う。
S12では、S10における設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度と、S11で入力されたハウスパラメータとを用いてハウス内光合成有効放射照度を演算する。S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップは、図2に示す光合成有効放射照度変換部9において行う。
S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップでは、「緯度」「月」「ハウスタイプ」「棟方向」「単棟・連棟の別」によって区分された、屋根及び側面から入射する日照の割合(Froof、Fside)をユーザーの入力情報及び日付に従って選択する。
ハウス外光合成有効放射照度Eout(t)に上記の割合Froof、Fsideを掛けて屋根及び側面からの日射量を算出し、屋根からの日照に対してカーテンの透過率(TR)、側面からの日照に対して寄与率(T)をそれぞれ掛け、日射量を補正する。
補正した日射量の総和に対して「地表面反射補正係数(Crefl)」「フィルム汚れ係数(Cdirt)」を掛け、ハウス内光合成有効放射照度Ein(t)を算出する。
最終的な計算式は以下のようになる。
in(t)=Eout(t)(1+Crefl)(1−Cdirt)(FroofR+Fside
S13では、S12における設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度演算ステップで演算した設定時間毎のハウス内光合成有効放射照度を出力する。
このように、S11からS13は、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度を生成する。
なお、図3(b)及び図3(c)は、設定時間毎ハウス内光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S10)では、日照時間と日中の天気概況とを用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13)では、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の他の実施例について説明する。
図4は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図5は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図6は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。なお、図1及び図2と同一構成又は同一処理については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例は、実測日照時間データがない場合に「天気概況」を用いて時間毎のハウス外光合成有効放射照度を生成する方法である。
S2xで取得した日別の天気概況を用いて日射不足を判定する(S3x)。
S3xにおける天気判定ステップは、図5に示す天気判定部3xにおいて行う。
S3xにおける天気判定ステップでは、天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、文字が含まれていれば日射不足を判定する。
日射量に影響を与える天気概況を考慮して日射不足に対して補正係数を与えることで高精度なハウス内環境データを生成できる。例えば、日中の天気概況の文字列に「晴」「多云(多雲)」「陰」「陣雨・雷陣雨・陣雪・雷陣雪」「小雨・小雪」「中雨・中雪」が含まれているかを判定し、それぞれに対応する補正係数を与える。
「大雨・大雪」「暴雨・暴雪」「雷雨」「雨夾雪」に対しては「中雨・中雪」と同じ補正係数を与える。
「霧」「霾」及び黄砂を示す「浮塵(視程10km以上)」「揚沙(同1km以上10km未満)」「沙塵暴(同1km未満)」に対しては「陰」と同じ補正係数を与える。
2種類以上の天気が含まれる場合は、補正係数を重み付けなしで平均する。
このように、補正係数を変えることで、天気概況によって段階的に日射不足の度合いを判定する。
S7xにおける日積算日射量演算ステップは、図5に示す天気判定部5xにおいて行う。
S7xにおける日積算日射量演算ステップでは、日積算日射量l[J/m]を以下の式から計算する。
=E(S)(C+Csinh+Csinh)+E(R)(C+CL)
入力
L:日長[h]=(日の入時刻−日の出時刻)
h:太陽の南中高度[°]
パラメータ
〜C:係数
S:直達日射量補正係数(晴:1、多云:s(<1)、他の天気:0)
R:天空散乱日射量補正係数(晴以外の各天気に該当:r〜r(<1)、晴:1)
E(S)、E(R):補正係数の平均値
パラメータC〜C、s、r〜rは例えば以下の方法によって決定する。
無錫市の農業用ハウスにおいて実測された1年間の日射量推移を最小二乗解析し、パラメータを決定する。
図6(a)は設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度に用いる入力データを示す説明図、図6(b)は直達日射量補正係数(S)と天空散乱日射量補正係数(R)とを示す説明図である。なお、例えば10年ごとにパラメータを見直すことも重要である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S10)では、日中の天気概況を用いて設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13)では、この設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度を用いてハウス内光合成有効放射照度を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
以下に、本発明のハウス内環境データ生成方法の更に他の実施例について説明する。
本実施例は、外部から時間毎の気温データを取得できない場合に、「気象庁アメダスの最高・最低気温」を用いて時間毎のハウス外気温を生成するものである。
本実施例は図7に示す仮定に基づくものである。
図7は、1日の日射量変化の概形ltr(t)と、ある時刻に一瞬だけ日射を受けたときの温度変化の概形Tresp(t)を示す概念図である。
図7(a)は、1日の日射量変化の概形ltr(t)を示しており、1日の気温は、その日の日射量による温度上昇と地球外への放熱による温度下降によって決まると仮定している。
図7(b)は、日射を受けてからの経過時間に伴う温度変化の概形Tresp(t)を示している。なお、降温の時定数τは管理者が定めるパラメータとする。
このような仮定によれば、
1日の気温変化T(t)は以下の重畳積分によって求まる。
T(t)=∫Tresp(t′)ltr(t−t′)dt′
図8は本実施例によるハウス内環境データ生成方法を示すフロー図、図9は同ハウス内環境データ生成方法を機能実現手段で表したブロック図、図10は同ハウス内環境データ生成方法に用いるデータ量を示す説明図である。なお、図1及び図2と同一構成又は同一処理については同一符号を付して説明を省略する。
ユーザが農業用ハウスの場所を特定する地点情報2(図8参照)を入力することで(S1)、ユーザが入力した地点に最も近い気象庁アメダスの「最高気温」及び「最低気温」を日別に気象データベース1から取得する(S2y)。
S1で入力する地点情報2は、「地点名(都道府県・市区町村)」又は「緯度」「経度」である。「地点名(都道府県・市区町村)」から「緯度」及び「経度」を特定できる。地点情報2は、少なくとも緯度が特定できればよい。
S6yでは、特定月日における日の出時刻、南中時刻、日の入時刻を演算する。
上述の通り、日長L[h]=(日の入時刻−日の出時刻)は以下の式で求めることができる。
L=(2/15)acos(tanβ−tanΦtanδ)
tanβ=K+Ksin(Φ+α)
パラメータ
、K:係数、α:位相パラメータ
半日長(h)L1/2=L/2
日の出時刻(h)tsr=12−L1/2−(1/15)(ε+λ−λ
南中時刻(h)t=12−(1/15)(ε+λ−λ
日の入時刻(h)tss=12+L1/2−(1/15)(ε+λ−λ
ε:近時差[°]、λ:経度[°]、λ:標準時子午線の経度[°]
近時差は以下の式から計算できる。
ε[°]=(180/π)(0.000075+0.001868cosΘ−0.032077sinΘ−0.014615cos2Θ−0.04089sin2Θ)(非特許文献2)
Θ[°]=360(d−1)/365
ただし、d:1月1日からの日数[日、1月1日を1とする]
このようにして、特定月日における、日の出時刻・南中時刻・日の入時刻を演算することができる。
S14では、ハウス外気温を演算するために、入力量から得られる以下のパラメータを生成する。S14におけるパラメータの生成は、図9に示すパラメータ生成部10において行う。
最高気温Tmax
最低気温Tmin
翌日との最低気温差(℃)Tmin*=Tmin(当該日翌日)−Tmin(当該日)
補正最高気温(℃)Tmax*=2(Tmax−Tmin)−(7/4)Tmin*
S15では、ハウス外気温を計算しようとしている時刻が(ア)日の出〜南中、(イ)南中〜日の入、(ウ)日の入〜翌日の出のどの時間帯に属するかを、日の出時刻、南中時刻、日の入時刻と比較して判定する。S15における時間帯判定ステップでは、図9に示す時間帯判定部11において行う。
(ア)日の出〜南中
T(t)=Tmin+Tmin*(t−t+L1/2/2L1/2 +Tmax*τ{t−t−τ+L1/2+τexp[−(t−t+L1/2)/τ]}/L1/2
(イ)南中〜日の入
T(t)=Tmin−Tmin*{(t−t−L1/2−2L1/2 }/2L1/2 +Tmax*τ{−t+t+τ+L1/2−τ[2−exp(−L1/2/τ)]exp[−(t−t)/τ]}/L1/2
(ウ)日の入〜翌日の出
T(t)=Tmin+Tmin*+Tmax{exp(L1/2/τ)+exp(−L1/2/τ)−2}exp[−(t−t)/τ]/L1/2
S16では、重畳積分の結果を用いて、単位時間(例えば10分)毎の気温T(t)[℃]を演算する。S16における単位時間毎気温演算ステップは、図9に示す単位時間毎気温演算部7yにおいて行う。
S17では、単位時間毎気温演算ステップ(S16)で演算した単位時間毎の気温を設定時間(例えば60分)毎の気温を演算する。S17における設定時間毎気温演算ステップは、図9に示す設定時間毎気温演算部8yにおいて行う。
S17における設定時間毎気温演算ステップでは、10分毎の気温T(t′)[℃]について、毎時10分〜60分の値を平均して設定時間(例えば60分)毎の気温T(t)[℃]を得る。
(t)=(1/6)ΣT(t′)(和は10分〜60分について取る)
そして、設定時間毎気温演算ステップ(S17)で演算した設定時間毎の気温を、設定時間毎ハウス外気温とする。
このように、S1からS17は、気象データの中から地点情報で特定される場所に最も近い地域気象データを用いて、農業用ハウスの場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス外気温を演算する。
なお、図10(a)は、設定時間毎ハウス外気温の演算に用いる入力データを示す説明図である。
次に、ハウスの構造及び保温設備使用状況に基づき、設定時間毎ハウス外気温から設定時間毎ハウス内気温を生成する。
S11では、農業用ハウスの構造、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータを入力する。
S11におけるハウスパラメータの入力では、例えば、ユーザが「夏期・冬期開始日」「夏期・冬期の設定最高温度・最低温度」を入力し、「加温設備の有無」「冷房設備の有無・使用時間帯」「窓開閉の有無」「保温カーテンの有無」をリストから選択し、加温・冷房設備、保温カーテンを使用する場合は、使用期間を入力することで行う。
S12yでは、S17における設定時間毎気温演算ステップで演算した設定時間毎ハウス外気温と、S11で入力されたハウスパラメータとを用いてハウス内気温を演算する。S12yにおける設定時間毎ハウス内気温演算ステップは、図9に示す気温変換部9yにおいて行う。
気温変換部9yで行うハウス内気温への変換では、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分することが好ましく、更には、日中ハウス内気温は、日の出から午前まで(昇温中)及び夕方から日の入まで(降温中)の昇降気温帯と、昇温又は降温変化の少ない南中気温帯とに区分することが好ましい。
夜間ハウス内気温には、加温動作や冷房動作がない場合では外気温をハウス内気温とし、加温動作や冷房動作がある場合では、設定最低温度をハウス内気温とする。なお、加温時で外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房時で外気温が設定最低温度よりも低い場合は外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に昇降気温帯における日中ハウス内気温には、窓が閉鎖している場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度をハウス内気温とすることが好ましい。なお、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度については後述する。
また、日中ハウス内気温、特に昇降気温帯における日中ハウス内気温には、窓開放により冷却する場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に到達する時間まではハウス内気温とするが、外気温が設定最高温度よりも高い場合は外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に南中気温帯における日中ハウス内気温には、冷房動作がない場合では、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度をハウス内気温とし、窓開放により冷却する場合では設定最高温度をハウス内気温とする。ただし、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合は窓を閉鎖する。すなわち、ハウス内気温はハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度とする。また、外気温が設定最高温度よりも高い場合では外気温をハウス内気温とする。
日中ハウス内気温、特に南中気温帯における日中ハウス内気温には、冷房装置により冷却する場合では、設定最高温度をハウス内気温とする。
なお、保温カーテンの使用期間中、以下A〜Cの条件をすべて満たすならばハウス内気温を1.5℃だけ高くする。
A.冷房装置によりハウス内を設定最高温度に維持している状態でないこと。
B.加温・冷房によりハウス内を設定最低温度に維持している状態でないこと。
C.窓が開放されていないこと。
本実施例における気温変換部9yでは、最高温度及び最低温度から演算された外気温を用いた場合を示しているが、ハウス内気温を時間毎に「外気温」「ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度」「設定最高温度」「設定最低温度」から選択することが好ましい。
ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度Tsrは以下の式により算出する。
sr=Tout+a[(1−bCrefl)/(1+Crefl)]Ein
out:外気温(℃)、Ein:ハウス内光合成有効放射照度(W/m)、
refl:地表面反射補正係数、a:変換係数(℃・m/W)、b:昇降温抑制係数
ただし、加温動作中あるいは冷房装置による冷房動作中は、Toutをそれぞれ設定最低温度、設定最高温度で置き換える。
S13yでは、S12yにおける設定時間毎ハウス内気温演算ステップで演算した設定時間毎のハウス内気温を出力する。
このように、S11からS13yは、ハウス外環境データ生成ステップで生成されたハウス外環境データとハウスパラメータとを用いてハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップであり、設定時間毎ハウス内気温を生成する。
なお、図10(b)は、設定時間毎ハウス内気温の演算に用いる入力データを示す説明図である。
本実施例によれば、ハウス外環境データ生成ステップ(S1〜S17)では、最高気温と最低気温を用いて設定時間毎ハウス外気温を演算でき、ハウス内環境データ生成ステップ(S11〜S13y)では、この設定時間毎ハウス外気温を用いてハウス内気温を生成できるため、高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成できる。
また、本実施例によれば、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合では、夜間ハウス内気温には、加温動作又は冷房動作における設定最低温度を用い、加温動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも高い場合、及び冷房動作の時間帯における外気温が設定最低温度よりも低い場合には、設定最低温度に代えて外気温を用いることで、農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
また、本実施例によれば、ハウス内環境データ生成ステップでは、ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、日の出から日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、日中ハウス内気温には、冷却動作における設定最高温度を用い、ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が設定最高温度に満たない場合には、設定最高温度に代えてハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度を用い、外気温が設定最高温度よりも高い場合には、設定最高温度に代えて外気温を用いることで、農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合であっても、ハウス内気温の精度を高めることができる。
本発明によるハウス内環境データ生成方法によれば、日別及び地域別に提供されている気象データを用いて、容易に高精度な農業用ハウスのハウス内環境データを生成することができ、生成したハウス内環境データを用いることで、容易に高精度な農作物育成予測を実現することができる。
1 気象データベース
2 地点情報
3 天気判定部
3x 天気判定部
4 暦演算部
5 日積算日射量演算部
5x 日積算日射量演算部
6 日射量日変化概形演算部
7 単位時間毎日射量演算部
7y 単位時間毎気温演算部
8 設定時間毎光合成有効放射照度演算部
8y 設定時間毎気温演算部
9 光合成有効放射照度変換部
9y 気温変換部
10 パラメータ生成部
11 時間帯判定部
t 時刻

Claims (8)

  1. 農業用ハウスの場所を特定する地点情報と、
    前記農業用ハウスの構造を区別するハウスタイプ、前記農業用ハウスの棟方向、前記農業用ハウスが単棟か連棟かの区別、前記農業用ハウスに用いる遮光カーテンの枚数、保温設備の使用期間、加温設備の使用期間、及び冷房設備の使用期間のいずれかを少なくとも含むハウスパラメータと、
    日別及び地域別に提供されている気象データと
    を用いることで、
    制御手段が、前記農業用ハウスのハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成方法であって、
    前記制御手段が、
    前記気象データの中から前記地点情報で特定される前記場所に最も近い地域気象データを用いて、前記農業用ハウスの前記場所におけるハウス外環境データを生成するハウス外環境データ生成ステップと、
    前記ハウス外環境データ生成ステップで生成された前記ハウス外環境データと前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内環境データを生成するハウス内環境データ生成ステップと
    を有する
    ことを特徴とするハウス内環境データ生成方法。
  2. 前記ハウス内環境データをハウス内光合成有効放射照度とすると、
    前記気象データとして、晴れ又は雨などの日中の天気概況を用い、
    前記ハウス外環境データ生成ステップでは、
    前記天気概況を用いて、日射不足を判定する天気判定ステップと、
    前記地点情報を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における可照時間を演算する暦演算ステップと、
    前記天気判定ステップで判定した前記日射不足、及び前記暦演算ステップで算出した前記可照時間を用いて、前記特定月日における日積算日射量を演算する日積算日射量演算ステップと、
    前記暦演算ステップで演算した前記特定月日の前記可照時間における単位時間毎の日射量変化を演算する日射量日変化概形演算ステップと、
    前記日積算日射量演算ステップで演算した前記日積算日射量、及び前記日射量日変化概形演算ステップで演算した前記日射量変化を用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の日射量を演算する単位時間毎日射量演算ステップと、
    前記単位時間毎日射量演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記日射量を放射照度に変換して設定時間毎の前記放射照度を演算する設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップと
    を有し、
    前記設定時間毎光合成有効放射照度演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記放射照度を、設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度とし、
    前記ハウス内環境データ生成ステップでは、
    前記設定時間毎ハウス外光合成有効放射照度と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内光合成有効放射照度を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハウス内環境データ生成方法。
  3. 前記天気判定ステップでは、
    前記天気概況に、雨、雪、又はみぞれの文字が含まれているかを判定し、
    前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハウス内環境データ生成方法。
  4. 前記天気判定ステップでは、
    前記天気概況に、一時雨、一時雪、又は一時みぞれの前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定しない
    ことを特徴とする請求項3に記載のハウス内環境データ生成方法。
  5. 前記天気判定ステップでは、
    前記天気概況に、大雨、大雪、暴雨、暴雪、雷雨、雨夾雪、中雨、又は中雪の文字が含まれているかを判定し、
    前記晴れ以外の前記文字が含まれていれば前記日射不足と判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハウス内環境データ生成方法。
  6. 前記ハウス内環境データをハウス内気温とすると、
    前記気象データとして、最高気温と最低気温とを用い、
    前記ハウス外環境データ生成ステップでは、
    前記地点情報を用いることで前記場所での特定月日の時刻tにおける太陽高度を演算して、前記太陽高度から前記特定月日における日の出時刻、南中時刻、及び日の入時刻を演算する暦演算ステップと、
    ハウス外気温を計算する時刻が、前記日の出時刻から前記南中時刻、前記南中時刻から前記日の入時刻、又は前記日の入時刻から翌日の出時刻のいずれの時間帯に属するかを判定する時間帯判定ステップと、
    判定された前記時間帯別に、取得した前記最高気温と前記最低気温とを用いて、前記特定月日における前記単位時間毎の気温を演算する単位時間毎気温演算ステップと、
    前記単位時間毎気温演算ステップで演算した前記単位時間毎の前記気温を設定時間毎の前記気温を演算する設定時間毎気温演算ステップと、
    を有し、
    前記設定時間毎気温演算ステップで演算した前記設定時間毎の前記気温を、設定時間毎ハウス外気温とし、
    前記ハウス内環境データ生成ステップでは、
    前記設定時間毎ハウス外気温と前記ハウスパラメータとを用いて前記ハウス内気温を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハウス内環境データ生成方法。
  7. 前記ハウス内環境データ生成ステップでは、
    前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、
    前記農業用ハウスが加温動作又は冷房動作を行う場合には、
    前記夜間ハウス内気温には、
    前記加温動作又は前記冷房動作における設定最低温度を用い、
    前記加温動作の時間帯における前記外気温が前記設定最低温度よりも高い場合、及び前記冷房動作の時間帯における前記ハウス外気温が前記設定最低温度よりも低い場合には、前記設定最低温度に代えて前記外気温を用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載のハウス内環境データ生成方法。
  8. 前記ハウス内環境データ生成ステップでは、
    前記ハウス内気温を、日の入りから日の出までの夜間ハウス内気温と、前記日の出から前記日の入りまでの日中ハウス内気温とに区分し、
    前記農業用ハウスが窓開放により冷却動作を行う場合には、
    前記日中ハウス内気温には、
    前記冷却動作における設定最高温度を用い、
    ハウス内光合成有効放射照度によって決まる温度が前記設定最高温度に満たない場合には、前記設定最高温度に代えて前記ハウス内光合成有効放射照度によって決まる前記温度を用い、
    前記外気温が前記設定最高温度よりも高い場合には、前記設定最高温度に代えて前記外気温を用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載のハウス内環境データ生成方法。

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