JP2014056765A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズの形状および相対的な位置関係以外では何ら新たな装置を追加することなく、しかも光源サイズが大きい場合であっても、ビームの平行性を高くすることができる電子線照射装置を提供する。
【解決手段】電子線照射装置10は、電子線を発生させる電子銃20と、発生した電子線を集めて試料50に当てる照射レンズ系とを有する。照射レンズ系は、複数のレンズ(1つ以上のコンデンサレンズ30、および対物レンズ40)からなり、これら複数のレンズのうち最終段のレンズ(対物レンズ40)の1つ前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズ34)は、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が最終段のレンズ(対物レンズ40)の前方焦点面と一致するように配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子線照射装置に関する。
電子顕微鏡において、電子線を試料に平行に照射する方法として、ケーラー照明が知られている。
従来、ビームの平行性を高くする最も有効な方法として考えられているのは、ケーラー照明である。この照明法の原理は、1893年発行の非特許文献1(非特許文献2はこれの英語訳である)に記載されている。もちろん、この当時、電子顕微鏡はまだ発明されておらず、この照明法は、光学顕微鏡に関して提案されたものである。
その後、電子顕微鏡の試料照射法は、1990年開催の電子顕微鏡国際会議で紹介され(非特許文献3)、この方法をさらに発展させて、ケーラー照明と結びつけて電子顕微鏡に応用した方法が、翌1991年にアメリカの電子顕微鏡学会(EMSA)で発表された(非特許文献4)。
図1は、ケーラー照明による電子軌道のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、特に、図示しない対物レンズの前方焦点面から試料までの電子軌道をシミュレーションした結果を示している。なお、図1と同じ内容の図面が、非特許文献1および非特許文献3にも掲載されている。
図1において、左側の矢印は、図示しない電子銃(光源)から図示しないコンデンサレンズによって作られた光源像(つまり、電子線のクロスオーバ像)1である。ケーラー照明では、この像1が対物レンズの前方焦点面(焦点距離f)に位置し、かつ、試料面3が対物レンズの後方焦点面(焦点距離f)に位置するように、照射レンズ系が構成される。
図1に示すように、像1の中心(つまり、光源の中心)から出たビーム(以下、「軸上ビーム」ともいう)は、いろいろな角度で出たにもかかわらず、対物レンズによって平行ビームとなり、試料面3を一様に照射する。図1から、像1(つまり、光源)からのビームの拡がり角度は、試料面3ではビームの拡がりの面積となっていることがわかる。すなわち、大きな角度で出たビームは、試料面3を広く照射することになる。
一方、像1の中心(つまり、光源の中心)から外れた位置から出たビーム(以下、「軸外ビーム」ともいう)については、像1の中心から出た軸上ビームと同じ角度を持つビーム(つまり、軸上ビームと平行なビーム)は、試料面3において軸上ビームと同じ位置に達するものの、その位置を斜めから(つまり、角度を持って)照射することがわかる。すなわち、像1(つまり、光源)が有限の大きさ(2dの直径)を持つ限り、完全な平行ビームは作られず、像1(光源)の大きさで決まる角度を持ったビームが試料面3を照射することになる(照射範囲の大きさ=2dの直径)。したがって、ケーラー照明によって完全な平行ビームを作ることはできない。なお、図1において、「2α」は、像1上の任意の1点から出るビームの拡がり角度であり(半角αは開き角)、「2α」は、その一定の拡がり角度(2α)で像1上の任意の1点から出たビームが試料面3を照射する角度範囲である(半角αは開き角)。
しかし、従来、ケーラー照明について書かれたほとんどの文献では、図1と同じ内容の図が描かれているにもかかわらず、ケーラー照明が平行ビームを得るための照明法として紹介されている。これは、従来は、ビームの平行性に対する要求がまだそれほど強くなく、また、電界放出型電子銃(field-emission electron gun:FEG)などを用いた場合は、光源サイズ(光源径)が小さく(つまり、いわゆる点光源に近く)、試料を照射するビームの拡がり角度が小さいため、ほとんど平行ビームであると考えられたためである。すなわち、要求される平行性の程度が10−3rad(1mrad)、または、せいぜい10−4rad(0.1mrad)までであれば、図1に示されるビームでも平行ビームと呼ぶことができた。
ところが、例えば、回折イメージング(Diffractive Imaging)のように、10−5オーダーという高い平行性が要求される照射レンズ系においては、もはや、ケーラー照明を、平行ビームを得るための方法として考えることはできない。
回折イメージングは、電子顕微鏡における高分解能化を実現する方法の1つであり、最近、大きな注目を浴びており、先端的な研究が世界的に展開されている。回折イメージングは、結像のためのレンズを必要とせず、回折パターンを基本とするにもかかわらず、周期性を持たない非結晶な物質に対しても回折限界分解能のイメージングを実現することができる電子顕微法である。電子顕微鏡における回折イメージングでは、電子線を平行かつ微小領域で試料に照射することが重要な課題である。
A. Kohler, "Ein neies Beleuchtungsverfahren fur mikrophotographische Zwecke", Zeitschrift fur wissenschaftl. Mikroskopie, vol. 10, pp. 433-440, 1893 "A new system of illumination for photomicrographic purposes," translated by P. Evennett, Proceedings RMS vol. 28/4, 1993 G. Benner, J. Bihr, and M. Prinz, "A new illumination system for an analytical transmission electron microscope using a condenser objective lens," Proceedings of the XIIth International Congress for Electron Microscopy, San Francisco Press, pp. 138-139, 1990 W. Probst, R. Bauer, G. Benner, and J.L. Lehman, "Koehler illumination advantage for imaging in TEM," EMSA, San Francisco Press, pp. 1010-1011, 1991 K. K. Christenson and J. A. Eades, "parallel illumination in the transmission electron microscope," Ultramicroscopy, 19, pp. 191-194, 1986 D. Eyidi, C. Hebert and P. Shattschneider, "Short note on parallel illumination in the TEM," Ultramicroscopy, 106, pp. 1144-1149, 2006
非特許文献1(およびその英語訳である非特許文献2)によれば、ケーラーの時代、光学顕微鏡において試料を照射する光源としてまだ電球が普及しておらず、炎によって明るさを取っていたため、試料が一様に照射されず、照明ムラがあった。この照明ムラをなくすために考案された照明法こそがケーラー照明であった。ケーラー照明は、光源上の1点から出たビームは試料全体を照明し、かつ、試料上の1点は光源上のすべての点から照明される方法として提案されている。ケーラーは、平行ビームについては全く触れておらず、ムラのない照明を実現する方法としてケーラー照明を提案している。
ここで、「光源上の1点から出たビームは試料全体を照明する」という説明は、軸上ビーム(つまり、光源の中心から出たビーム)は平行ビームとなると読み替えることができる。しかし、「試料上の1点は光源上のすべての点から照明される」という説明は、軸外ビーム(つまり、光源の中心以外の点から出たビーム)は、試料をその位置に応じていろいろな傾斜角度で照明すると読み替えることができる。
したがって、例えば、上記のように平行なビームが試料の観察領域全体を照射することが要求される回折イメージングでは、ケーラー照明ではない別の照明法が求められることになる。
一方、電子顕微鏡の分野において、これまでに、平行性の高い照明が必要とされた分野は、電子回折とローレンツ電子顕微鏡である。
電子回折については、試料に照射する平行ビームの生成について考察した文献が二三あるものの(非特許文献5、非特許文献6)、これらの論文は、ケーラー照明については触れておらず、磁場による回転によって平行性が乱されることに言及しているのみである。
また、ローレンツ電子顕微鏡は、平行ビームを必要としているものの、それについて考察した論文は見当たらない。ローレンツ電子顕微鏡は、デフォーカスによって磁壁の像を作るものであり、ビームの平行性が高くなるほど磁壁像のシャープさが向上する。
そこで、ローレンツ電子顕微鏡においてビームの平行性を高くするために用いられている方法は、最終段のコンデンサレンズ(例えば、2段構成の場合は2段目の第2コンデンサレンズ。以下、2段構成の場合を例にとって説明する)の励磁を弱めるという方法である。これは、第2コンデンサレンズが作る光源の像を拡大することに相当する。そして、これは、ケーラー照明が最終段のコンデンサレンズによってビームを拡大することと同じである。しかし、ローレンツ電子顕微鏡は、試料の磁区構造を観察するものである。そのため、ローレンツ電子顕微鏡では、試料に磁場がかかることを避けるために、対物レンズをオフで使用するか、あるいは、対物レンズを用いても結像レンズ系だけを有し、試料とその前方には、磁場のない、つまり、照射レンズのない対物レンズを用いる。このため、試料は第2コンデンサレンズから遠く離れた位置にあり、1段目の第1コンデンサレンズで縮小したビームを第2コンデンサレンズで拡大して投影することによって、できるだけ平行に近いビームを得るようにしている。
この方法は、特にケーラー照明を使用するものではないが、ケーラー照明の条件を含んだ第2コンデンサレンズ弱励磁の条件を使用している。この方法は、非特許文献3および非特許文献4において電子顕微鏡に対するケーラー照明が紹介される以前から広く用いられている。もちろん、光学顕微鏡に対するケーラーの提案は、ローレンツ電子顕微鏡が始まる遥か前である。すなわち、ローレンツ電子顕微鏡は、試料に照射するビームをコントロールする第2コンデンサレンズの励磁条件だけを単独に規定する方法である、と言うことができる。第2コンデンサレンズの前段の第1コンデンサレンズに対する条件は、何も規定されていない。
ケーラー照明を、2段構成のコンデンサレンズ(CL1、CL2)と対物レンズ(OL)とを組み合わせた3段照射レンズ系(CL1+CL2+OL)で考えたとき、ケーラー照明は、第2コンデンサレンズの励磁条件を、第2コンデンサレンズの像面が対物レンズの前方焦点面と一致するように合わせ込むことによって実現される。例えば、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)などで使用されるスポットモードでは、第2コンデンサレンズの像が第2コンデンサレンズのすぐ後ろにあり、ビーム径が縮小される。そして、そこから発散したビームが対物レンズの照射系に入り、さらに縮小されたビームが試料に当たることになる。これに対し、ケーラー照明では、第2コンデンサレンズの励磁は、スポットモードの場合に比べて弱められ、第2コンデンサレンズの像は、対物レンズの前方焦点面と一致させるため、対物レンズに近づく。このため、ケーラー照明では、第2コンデンサレンズは、拡大モードで使用されることが多い。これは、通常、対物レンズは高性能のものが使用されるため、その焦点距離が短く、したがって、対物レンズの前方焦点面は第2コンデンサレンズから遠く離れた対物レンズのすぐ前に位置しているためである。また、第2コンデンサレンズと対物レンズの間には、偏向系や非点補正、ビームスキャン系などのコイルが何段も配置され、これらを収納するために大きな空間を必要としていることも、もう1つの理由となっている。こうして、第2コンデンサレンズの像面位置が対物レンズの前方焦点面と一致した場合にビームが平行化されると考えられてきた。以上が、一般的にTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)やSEMなどの照射レンズ系の構成が、ケーラー照明の条件を満たしたときに、軸上ビームは平行化されるが、軸外ビームは角度を持った照射条件になる、という照明になった理由である。
このことを定量的に述べると次のようになる。例えば、図1において、像1の中心(X=0)および像1の両端(X=±0.5μm)からそれぞれ5mradの角度で出射したビームが対物レンズに入って、ケーラー照明の条件を満たすような励磁条件で出てきた場合、軸上ビーム(X=0)については、光軸5に対する傾斜角度が3.66002×10−6radという値になり、10−6オーダーの平行性を持つビームが実現される。これに対し、軸外ビーム(X=±0.5μm)については、光軸5に対する傾斜角度が、それぞれ、−4.17931×10−4rad、4.24727×10−4radという値になり、像1の両端から出射したときの角度(5×10−3rad)に比べて1桁高い平行性を実現しているものの、軸上ビームに比べて2桁低い平行性である。もちろん、この値は、上記のように、光源が有限の大きさを持っていることに起因するため、光源サイズが1桁小さく±50nmであれば、10−5オーダーの平行性が実現されることになる。
例えば、電界放射型電子銃(FEG)などの電子銃では、光源サイズが10nm程度であるため、本来ならケーラー照明だけで10−5オーダーの平行性が十分実現されるはずである。しかし、実際の実験では、10−5オーダーの平行性が実現されたという証拠は出ていない。これは、電子を加速した際の加速レンズやその後の照射レンズ系などの収差やベルシェ効果などによって、実際の光源サイズが大きくなっているためであると考えられる。したがって、収差補正装置を導入することによって、これらの収差を低減し、10nm程度の光源サイズを維持できる可能性もある。しかし、収差補正装置の導入は、コストとスペースをさらに必要とする。また、そもそも光源サイズが大きい電子銃を用いる場合には、収差補正装置の導入自体あまり意味がない。
そこで、光源サイズが大きい場合であっても、既存の照射レンズ系の工夫のみによって、ビームの平行性を高くすることができる技術が求められている。
本発明者は、上記の諸点に鑑み、照射レンズ系のうち、特にコンデンサレンズ系の使い方を改善することによって、光源サイズ、つまり、光源のビーム径が大きい場合であっても、軸上ビームに劣らない平行性を軸外ビームにもたらすことができる照射条件を考案した。
本発明の目的は、レンズの形状および相対的な位置関係以外では何ら新たな装置を追加することなく、しかも光源サイズが大きい場合であっても、ビームの平行性を高くすることができる電子線照射装置を提供することである。
本発明の電子線照射装置は、電子線を発生させる電子線源と、発生した電子線を集めて試料に当てる照射レンズ系と、を有し、前記照射レンズ系は、複数のレンズからなり、前記複数のレンズのうち最終段のレンズの1つ前段のレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記最終段のレンズの前方焦点面と一致するように配置されている。
前記照射レンズ系が、発生した電子線を集める1つ以上のコンデンサレンズと、前記コンデンサレンズによって集められた電子線を試料に当てる対物レンズと、を有する場合、前記1つ以上のコンデンサレンズのうち最終段のコンデンサレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記対物レンズの前方焦点面と一致するように配置されている。
前記照射レンズ系が、複数のコンデンサレンズを有し、対物レンズを用いずに前記複数のコンデンサレンズを用いて試料に電子線を照射する場合、前記複数のコンデンサレンズのうち最終段のコンデンサレンズの1つ前段のコンデンサレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記最終段のコンデンサレンズの前方焦点面と一致するように配置されている。
好ましくは、前記1つ前段のレンズは、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの像面との距離が短くなるように励磁条件が調整されている。具体的には、例えば、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの像面との距離をd、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの主平面との距離をd、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記最終段のレンズの主平面との距離をdとしたとき、さらに、次の関係を満たす。
≦d+(d−d)/2
本発明によれば、照射レンズ系の使い方を改善することによって、レンズの形状および相対的な位置関係以外では何ら新たな装置を追加することなく、しかも光源サイズが大きい場合であっても、ビームの平行性を高くすることができる。
ケーラー照明による電子軌道のシミュレーション結果を示す図 本発明の一実施の形態に係る電子線照射装置を構成する照射レンズ系の一例を示す概略図 図2の照射レンズ系を構成する電子レンズの構造を示す概略図 最終段のコンデンサレンズの倍率をある値に設定したときの電子軌道のシミュレーション結果を示す図 最終段のコンデンサレンズの倍率を他の値に設定したときの電子軌道のシミュレーション結果を示す図 最終段のコンデンサレンズの倍率をさらに他の値に設定したときの電子軌道のシミュレーション結果を示す図 最終段のコンデンサレンズの倍率をさらに他の値に設定したときの電子軌道のシミュレーション結果を示す図 最終段のコンデンサレンズの倍率を変えたときの軸上ビームと軸外ビームの軌道を示す図 対物レンズの焦点位置と、軸外ビームの試料上へのビーム照射角度との関係を示すグラフ 対物レンズの焦点位置と、コンデンサレンズの倍率との関係を示すグラフ 対物レンズの焦点位置と、試料上のビーム半径との関係を示すグラフ 対物レンズと最終段のコンデンサレンズの距離を変更した場合を説明するための図 最終段のコンデンサレンズのポールピースと対物レンズのポールピースとの距離を短くした構成を示す図 像回転をなくすためにダブルギャップレンズを用いた場合を説明するための図 本実施の形態に係る電子線照射装置の第1の適用例として、回折イメージング装置の光学系の一例を示す概略図 図15の回折イメージング装置の光線図 本実施の形態に係る電子線照射装置の第2の適用例として、ローレンツ電子顕微鏡の光学系の一例を示す概略図 図17のローレンツ電子顕微鏡の光線図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、本発明は、広く、電子顕微鏡の照射レンズ系に用いられる電子線照射装置に関し、特に、例えば、電子回折イメージングに好適な電子線照射装置に関し、さらに具体的には、像質を良くする平行ビームを得るための電子レンズの位置や形状、駆動電流などに関する。また、照射レンズ系には、対物レンズを用いる場合と、対物レンズを用いない場合とがあるが、後述するように、本発明は、コンデンサレンズと対物レンズを用いて試料にビームを照射する場合のみならず、対物レンズを用いずにコンデンサレンズのみを用いて試料にビームを照射する場合にも適用可能である。
図2は、本発明の一実施の形態に係る電子線照射装置を構成する照射レンズ系の一例を示す概略図である。図2の例は、コンデンサレンズと対物レンズを用いて試料にビームを照射する場合である。なお、ここでは、説明を簡単にするため、2段構成のコンデンサレンズ(CL1+CL2)と対物レンズ(OL)とを組み合わせた3段照射レンズ系(CL1+CL2+OL)を例にとって説明する。
図2に示す電子線照射装置10は、照射レンズ系12として、電子線を発生させる電子銃(電子線源)20と、発生した電子線を集めるコンデンサレンズ30と、コンデンサレンズ30によって集められた電子線を試料に当てる対物レンズ(OL)40とを有する。コンデンサレンズ30は、2段構成であり、1段目の第1コンデンサレンズ(CL1)32と、2段目の第2コンデンサレンズ(CL2)34とを有する。電子銃20内には、図示しない陰極から放出された電子線が絞られた最小断面の部分であるクロスオーバ22が形成される。電子銃20から出た電子線は、第1コンデンサレンズ(CL1)32、第2コンデンサレンズ(CL2)34、および対物レンズ(OL)40を順に通過して試料50を照射する。
この照射レンズ系12では、試料50に照射するビームの平行性を高くするため、コンデンサレンズ(CL1+CL2)30のうち最終段(つまり、ここでは2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34は、倍率(=b/a)が1倍以下に設定され、かつ、その像面が対物レンズ(OL)40の前方焦点面(焦点距離f)と一致するように配置されている。また、好ましくは、この条件に加えて、電子銃20内のクロスオーバ位置と最終段(2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34の像面との距離が短くなるように、最終段(2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34の励磁条件が調整されている。具体的には、電子線照射装置10は、電子銃20内のクロスオーバ22の位置Pと最終段(2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34の像面の位置Pとの距離をdim、電子銃20内のクロスオーバ22の位置Pと最終段(2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34の主平面の位置Pとの距離をdCL2、電子銃20内のクロスオーバ22の位置Pと対物レンズ(OL)40の主平面の位置Pとの距離をdOLとしたとき、さらに、次の関係、
im≦dCLn+(dOL−dCLn)/2
を満たすように構成されている。なお、図2中、「P」は、1段目のコンデンサレンズ(CL1)32の像面の位置、「P」は、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40の中間点である。なお、本発明の原理については、後で詳述する。
各コンデンサレンズ(CL1、CL2)32、34および対物レンズ(OL)40は、それぞれ、例えば、磁場により電子線を集束させる電子レンズ(磁界型電子レンズ)である。
図3は、図2の照射レンズ系を構成する電子レンズの構造を示す概略図である。ここでは、簡単化のため、図2の照射レンズ系12を構成する最終段(2段目)の第2コンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40を示している。なお、図示しないが、第1コンデンサレンズ(CL1)32の構造も、第2コンデンサレンズ(CL2)34および対物レンズ(OL)40の構造と同じである。また、以下の説明では、コンデンサレンズか対物レンズかを問わず、電子レンズの構成部材のうち同一の部材には同一の符号を付す。
電子レンズは、図3に示すように、磁場を発生するコイル60と、透磁率の高い材料(例えば、鉄など)で出来た金属の枠(ヨーク)62とを有する。電子レンズは、電子線が通る光軸70を中心として回転対称な形状をしている。磁極片64はポールピースとも呼ばれ、ヨーク62に比べて高品質の材料が使用される場合もあり、高い精度で加工されている。なお、ここでは、ポールピースの位置を、ポールピースの上極と下極の間の中心位置として定義する。
電子レンズでは、電子が螺旋状に動くため、像が回転する。また、電子レンズでは、コイル60に流す電流(励磁電流)を変えることにより、焦点距離を変えることができる。
図2の構成において、特に、対物レンズ(OL)40は、試料50に磁場がかからない磁場フリー型の電子レンズであることが好ましい。例えば、対物レンズ(OL)40は、走査型電子顕微鏡(SEM)用の対物レンズと類似の形状を有し、SEM用のごく普通の対物レンズを用いることができる。
ここで、本発明の原理を説明する。ここでは、より一般的な構成として、2段照射レンズ系を考える。この2段照射レンズ系において、例えば、前段のレンズは、最終段のコンデンサレンズCLnであり、後段のレンズは、対物レンズOLである。図2の照射レンズ系12に当てはめると、前段のレンズは、第2コンデンサレンズ(CL2)34に相当し、後段のレンズは、対物レンズ(OL)40に相当する(図3参照)。
なお、対物レンズを用いずにコンデンサレンズのみを用いて試料にビームを照射する場合には、2段のコンデンサレンズが、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの役割を果たす。例えば、この場合、後述する図17の照射レンズ系204に当てはめると、前段のレンズは、第1コンデンサレンズ(CL1)32に相当し、後段のレンズは、第2コンデンサレンズ(CL2)34に相当する。
このような2段照射レンズ系において、平行度が高いビームは、上記のように、前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズCLn)の倍率を1倍以下に設定することによって、前段のレンズのクロスオーバ(焦点に形成される回折図形)を像と距離的に接近させ、かつ、後段のレンズ(対物レンズOL)の励磁条件を、前段のレンズの像面が後段のレンズの前方焦点面と一致するように設定したときに得られる。
この条件は、ケーラー照明の条件を含んでいる。ケーラー照明の条件は、軸上ビームの平行化に必要な条件であり、これを満たさない条件の下でビームを平行化する条件は存在しない。ここで問題とする条件は、軸外ビームを平行化する条件である。軸外ビームを平行化する条件は、軸上ビームを平行化する条件を含んだ上で、さらに追加の条件を必要としている。
電子顕微鏡は、通常、その装置構成の都合から、対物レンズOLの1つ前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズCLn)が拡大系で使用されている。このため、ケーラー照明では、軸外ビームは平行化されない。最終段のコンデンサレンズCLnの倍率を縮小モードにすれば、最終段のコンデンサレンズCLnのビームのクロスオーバが像面のごく近傍に位置し、軸上軌道の像面のみならず、軸外軌道のクロスオーバ面も、対物レンズOLの前方焦点面のごく近傍に置くことができる。これが本発明の原理である。
例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)やSEM(走査型電子顕微鏡)などの照射レンズ系では、対物レンズOLの前方に位置する最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLとの距離が大きく取られている。これは、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの間に偏向系や非点補正系、スキャン系、古い時代のTEMではさらに試料挿入系などが入れられていたため、広い空間を必要としたためである。また、対物レンズOLとしては、高性能、つまり、短い焦点距離のレンズが使用されるのが一般的であるため、対物レンズOLの前方焦点面は、対物レンズOLの近くにあるのが普通である。したがって、電子顕微鏡では、通常、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの前方焦点面の距離とはどうしても長くなり、したがって、最終段のコンデンサレンズCLnは、拡大系として使用されるのが一般的である。すなわち、最終段のコンデンサレンズCLnは、拡大系が電子光学的に望ましいという積極的な理由で拡大系になっているのではなく、特に強い要求がなかったために、作りやすい装置が選択されただけであると考えられる。
SEMなどでは、細く絞ったビームで試料を走査するため、照射レンズ系は縮小系で使用される。したがって、最終段のコンデンサレンズCLnも当然縮小系で使用されていると考えられがちである。しかし、鏡筒内のレンズなどの位置関係を調べるとわかるように、SEMなどでは、最終段のコンデンサレンズCLnを縮小系で使用することはできない構造になっている。ビームの縮小は、初段のコンデンサレンズCL1などと対物レンズOLとによって主に行われる。最終段のコンデンサレンズCLnが実際には縮小系として使用されていなかったことが、電子顕微鏡ではケーラー照明が平行ビームの生成系になり得なかった理由である。
図4〜図7は、前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズCLn)の倍率を変えたときの電子軌道のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、上記の2段照射系において、後段のレンズ(対物レンズOL)の後方で平行ビームが実現されている。なお、各図において、前段のレンズ(CLn)と後段のレンズ(OL)のそれぞれのレンズについて、プラスマイナスの磁極が向き合ったギャップの領域で電子軌道がクロスした図になっているが、これは、レンズとして磁界型電子レンズを使用しているため、レンズ内で電子ビームが回転運動をしていることに起因する。また、各図に示すように、これらの場合、軸上ビームと軸外ビームがそれぞれ分離した軌道を描いている。
ここで、図4〜図7のシミュレーション条件は、次の通りである。ここでは、図3に示す2段照射系に対してシミュレーションを行った。計算領域72は、x軸方向(光軸70の方向)に関して−15mmから110mmまでの125mm、y軸方向(光軸70に垂直な方向)に関して0mmから70mmまでの70mmの範囲である。これを図4〜図7に示すスケール(方眼紙)に対応させると、スケールの横方向(x軸方向)の一目盛り分の寸法は10mmであり、縦方向(y軸方向)の一目盛り分の寸法は5μmである。加速電圧は、30kVに設定した。また、図4から図7の順に、前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズCLn)の励磁条件を強くしている。各レンズの励磁条件は、アンペアターン(AT)によって設定される。後段のレンズ(OL)の励磁条件(アンペアターン)は、ケーラー照明の条件に合わせる。すなわち、本シミュレーションでは、前段のレンズ(最終段のコンデンサレンズCLn)の励磁条件を変更した場合、ケーラー照明の条件を維持するように、後段のレンズ(OL)の励磁条件を再調整した。
図4は、前段のレンズ(CLn)について、励磁条件を弱くして拡大率を上げ、倍率を約2.5倍にした場合を示している。
次に、前段のレンズ(CLn)を縮小モードで使用した場合を見ていく。図5〜図7がこれに当たる。
まず、図5は、倍率が約0.75倍の場合である。この場合、一見後段のレンズ(OL)によって平行ビームが形成されているように見える。ただし、前段のレンズ(CLn)による縮小のため、ビームの角度が大きくなっており、このため、後段のレンズ(OL)に入るビームが大きくなっている。
図6は、さらに前段のレンズ(CLn)の縮小率を大きくして、倍率を0.5倍よりも小さくした場合である。前段のレンズ(CLn)の縮小率が大きいことは、クロスオーバ位置と前段のレンズ(CLn)の像面との距離が小さくなるため、軸外ビームもケーラー照明の条件を満たしていることを意味する。
実際、図5の場合と図6の場合について、試料上でのビーム角度を比べてみると、図5の場合には、ビームの傾斜角度は10−4radから10−5rad程度であるが、図6の場合には、10−5radから10−6rad程度の一様性を確保している。軸上ビームの平行性は、後段のレンズ(OL)のアンペアターンを細かく変えることによって少しずつ変化し、多数回の繰り返し計算を行えば、最適条件を見つけることができ、高い平行度を実現することができる。これに反し、いくら細かい調整を行っても、軸外ビームの平行性はあまり変化しない。すなわち、前段のレンズ(CLn)のクロスオーバがもともと前方焦点面から離れていれば、いくら像面だけを前方焦点面に厳密に合わせても平行ビームを得ることはできないが、縮小率を大きくして両者を接近させておけば、平行性の高いビームが実現しやすい。なお、例えば、図6において、前段のレンズ(CLn)のアンペアターンは1200であり、後段のレンズ(OL)のアンペアターンは400である。
図7は、さらに前段のレンズ(CLn)の縮小率を大きくした場合である。この場合には、図6の場合に対して後段のレンズ(OL)を前段のレンズ(CLn)に近づけた結果、ビーム照射領域の大きさが約1/4に減少した。なお、この場合、前段のレンズ(CLn)のアンペアターンは、例えば、1016であり、後段のレンズ(OL)のアンペアターンは、ケーラー照明の条件に合うように設定されている。
図8は、最終段のコンデンサレンズ(CLn)の倍率を変えたときの軸上ビームと軸外ビームの軌道を示す図である。
図8の照射レンズ系は、図2に示す3段照射レンズ系(CL1+CL2+OL)に対応している。図8は、この3段照射レンズ系(CL1+CL2+OL)において最終段(2段目)のコンデンサレンズ(CL2)34の像面の位置を3通りに変えた場合の、軸上ビームと軸外ビームの軌道を示している。軸上ビームは実線、軸外ビームは破線でそれぞれ示されている。図8に示すように、軸上ビームは、いずれの場合も、対物レンズ(OL)40がケーラー照明の条件を満たしているため、平行ビームになっている。一方、軸外ビームについては、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の励磁条件(つまり、倍率)の違いによって、軸外ビームが平行ビームになる場合と平行ビームにならない場合とが起こり、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の励磁条件に対して連続変化する。
上記のように、図8(A)〜図8(C)に示す3つの場合の軌道は、3段照射レンズ系(CL1+CL2+OL)における軸上ビームと軸外ビームの軌道を、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の焦点位置(つまり、倍率)を変えて描いたものである。図4〜図7のシミュレーションでは、収差や磁場による像回転なども含む実際の軌道について見てきたため、なぜ、あるいは、どのように、軸外ビームの平行化が行われるのかの理由をつかむことが難しかった。ここでは、原理的な図を示すことによって、数値的な表示も用いて、どのような条件によって平行ビームが実現されるかを示す。
図8(A)〜図8(C)にそれぞれ示す軌道を見ると、軸上ビームはすべて平行ビームになっている。すなわち、ケーラー照明の条件が成り立っている。
軸上ビームが平行になるためには、対物レンズ(OL)40に対してケーラー照明の条件を満たす必要があるため、軸外ビームも平行にするための条件は、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34について、さらに別の条件が付加されたものになる。図8(A)〜図8(C)にそれぞれ示す軌道を見たとき、図8(A)に示す軌道は、平行な軸外ビームを有しているが、図8(B)および図8(C)にそれぞれ示す軌道は、もはや、平行性を有していない。また、軸外ビームの傾斜角度は、図8(C)の場合が図8(B)の場合よりも大きくなっている。上記のように、図8(A)〜図8(C)は、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の焦点位置がそれぞれ異なる。特に、図8(A)と、図8(B)および図8(C)との違いは、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の焦点面(つまり、像面)が、図8(A)では、自分の近くに存在するのに対し、図8(B)および図8(C)では、むしろ対物レンズ(OL)40に近づいていることにある。
図9は、対物レンズの焦点位置と、軸外ビームの試料上へのビーム照射角度との関係を示すグラフである。
具体的には、図9は、対物レンズ(OL)の焦点位置(mm)(図2のP参照)と、半径1μmの軸外ビームの試料上へのビーム照射角度(mrad)との関係を示している。なお、図10および図11に示すように、本シミュレーションでは、ケースaからケースhまでの8つのケースについてシミュレーション計算を行ったが、ここでは、ケースa、g、hを除く5つのケースについてのみ示している。例えば、ケースbは図7、ケースdは図6、ケースfは図5にそれぞれ対応している。
例えば、ケースfの場合、1点を除いて10−5radの平行度を実現している。ここに示した場合は、レンズの収差などを考慮していない理想的な場合であるため、かなり良い値となっている。実際のビームでは、ケースb、ケースd、ケースfの場合を順に図7、図6、図5にそれぞれ示したが、見た目に平行ビームとして見えるのは、ケースa、ケースb、ケースcの場合であった。特に、ケースaの場合は、10−6rad以下の平行度と思われる。見た目にも平行なビームが得られるのは、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の収束位置(つまり、像面)が、対物レンズ(OL)40の焦点位置Z=100mmよりも左側に来た場合である。すなわち、対物レンズ(OL)40の焦点が、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40の中間点(図2のP参照)よりもビーム縮小側に位置する場合に、軸外ビームも平行になる。
図8を用いてこれを説明すると、破線で示す軸外ビームの軌道が実線で示す軸上ビームの軌道とほとんど重なるような条件の場合に、軸外ビームは平行化される。これは、図8を見れば明らかなように、きわめて自明のことである。軸上ビームと軸外ビームが同じ軌道になれば、軸上ビームは元々平行ビームの条件に設定されているため、軸外ビームも平行化されることになる。
換言すれば、縮小レンズ系を使用した場合、クロスオーバ面が像面(実際にビームが結像する面)に近づく。したがって、クロスオーバ面と像面が接近すればするほど、軸上ビームと軸外ビームの両軌道は同じ軌道に近づく。軸上ビームはケーラー照明の条件を満たしているため、軸外ビームの軌道を、最終段のコンデンサレンズCLnの励磁条件を調整することによって軸上ビームの軌道に近づけてやれば、軸外ビームも平行化される。
図10は、対物レンズの焦点位置と、コンデンサレンズの倍率との関係を示すグラフである。
具体的には、図10のグラフにおいて、左側の縦軸は、2段のコンデンサレンズ(CL1+CL2)30の合成倍率を示し、右側の縦軸は、2段目の第2コンデンサレンズ(CL2)34の単独倍率を示している。倍率は、いずれも、第2コンデンサレンズ(CL2)34の像面位置(つまり、対物レンズ(OL)40の焦点位置)に対して直線関係を示している。例えば、第1コンデンサレンズ(CL1)32の単独倍率M(CL1)を0.2倍とした場合において、合成倍率M(CL1+CL2)が0.2倍のとき、第2コンデンサレンズ(CL2)34の単独倍率M(CL2)は1倍となる。図10に示すように、第2コンデンサレンズ(CL2)34の単独倍率M(CL2)が1倍の場合は、ケースa、ケースb、ケースcの場合である。
この方式の欠点は、試料上のビームサイズが大きくなるため、ビームを絞りによってカットして微小領域のビームにした場合には、照明が暗くなることである。この様子を示したのが、次の図11である。
図11は、対物レンズの焦点位置と、試料上のビーム半径との関係を示すグラフである。
具体的には、図11は、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34の像面位置、つまり、対物レンズ(OL)40の焦点位置に対する、軸上ビーム(実線)と半径1μmの軸外ビーム(破線)の試料上の半径を示している。軸外ビームの平行化が実現される場合(ケースa、ケースb、ケースc参照)には、特にビームサイズの増大が著しいことがわかる。
このようなビームサイズの増大を抑える工夫の一つとして、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの距離を短くする方法が考えられる。これは、ビームの平行性を確保しながらビームの照射領域を狭くする方法として捉えることができる。
一般的に、顕微鏡は、倍率が大きくなるほど、観察領域の面積は狭くなる。しかし、検出器の面積は同じであるため、検出器に当たる光の量をある程度以上にするには、倍率が高くなるほど強いビームを用いなければならない。ビームの平行照射では、ビームを絞ることができないため、従来は、暗いビームで我慢せざるを得なかった。しかし、ビームの拡がりを排除する工夫として、例えば、上記のように、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの距離を短くすることによって、平行照射でも明るいビームを確保することができる。
具体的には、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの距離は、普通の電子顕微鏡では、両レンズの間に偏向系や非点補正系、スキャン系などが置かれるため、通常、レンズの積み重ねによる距離だけではない大きな距離が取られている。照射領域を小さくして輝度の減少を防ぐためには、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの距離をできるだけ近づける工夫が必要である。
例えば、そのための第1の工夫は、偏向系や非点補正、スキャン系などを最終段のコンデンサレンズCLnの後方ではなく、その1つ前段のコンデンサレンズCLn−1の後方に移動させて、図12に示すように、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40の距離を物理的に短くすることである(d>d>d)。この場合、両レンズ34、40の距離を短くするほど対物レンズ(OL)40の焦点距離が短くなるよう、対物レンズ(OL)40の励磁条件を調整する必要がある。すなわち、この場合、対物レンズ(OL)40は、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40の距離が短くなるように、励磁条件(駆動条件)が設定される。
また、第2の工夫は、電子レンズに対して、最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOLの間でそれぞれのポールピースの位置が近づくような構造を施すことである。具体的には、図13に示すように、最終段のコンデンサレンズ(CL2)34aのポールピース64aと対物レンズ(OL)40aのポールピース64bが、それぞれ、互いの距離が短くなる位置、つまり、互いに向き合う位置に設けられている(比較のため図3参照)。
なお、例示した2つの方法は、両方併用してもよいし、いずれか一方だけ使用してもよい。また、上記のように、この2つのレンズ(最終段のコンデンサレンズCLnと対物レンズOL)の間の距離を短くしても、軸外ビームの平行性に対して、特に悪影響はない。
上記のように、磁界型の電子レンズでは、電子が螺旋状に動くため、像が回転する。この場合、像の回転によって角度が付くため、せっかく平行ビームを作っても、像の回転によって生じた角度分だけ再び傾くことになる。したがって、これを防ぐための工夫が必要である。
像回転防止のための第1の工夫は、すべての電子レンズに対して、磁場による像回転角の合計がゼロになるよう全アンペアターンの合計を調整することである。
また、第2の工夫は、各電子レンズをダブルギャップレンズによって構成することである。すなわち、各電子レンズについて、像の回転が打ち消されるように励磁の方向が逆の2つのレンズを組み合わせることである。
図14は、後者の工夫、つまり、像回転をなくすためにダブルギャップレンズを用いた場合を説明するための図である。
像の回転をなくすためには、各コンデンサレンズ(CL1、CL2)および対物レンズ(OL)にダブルギャップレンズを用いればよい。図14(A)には、それぞれダブルギャップレンズを用いた最終段のコンデンサレンズ(CL2)34bおよび対物レンズ(OL)40bを示している。ダブルギャップレンズは、図14(A)に示すように、第1コイル80と第2コイル82がペアになったコイルである。これらのコイル80、82に逆向きの電流を流すことにより、第1ギャップ84と第2ギャップ86にそれぞれ発生する漏洩磁場は互いに逆の極性を持っており、光軸70に沿って漏洩磁場の中を通過する電子線に働く像回転効果は相殺し合うことになる。図14(A)の構成に対応する電子軌道のシミュレーション結果は、図14(B)に示す通りである。なお、図14(B)のシミュレーションでは、第1コイル80および第2コイル82にそれぞれ対応するポールピース間のギャップを6mmとして計算した。
なお、本実施の形態では、各コンデンサレンズ(CL1、CL2)32、34および対物レンズ(OL)40を、それぞれ、電子レンズ(磁界型電子レンズ)で構成した場合を例にとって説明したが、これに限定されない。磁界型電子レンズに代えて、静電界により電子線を集束させる電子レンズ(静電型電子レンズ)を用いることも可能である。
以下、具体的な装置への適用例について説明する。なお、以下に説明する適用例は、単なる一例であって、これに限定されないことはもちろんである。
図15は、本実施の形態に係る電子線照射装置の第1の適用例として、回折イメージング装置の光学系の一例を示す概略図である。この適用例は、コンデンサレンズと対物レンズを用いて試料にビームを照射する場合である。なお、図15において、図2に示す電子線照射装置10と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15に示す回折イメージング装置100は、光学系102として、電子銃20、2段構成のコンデンサレンズ30(第1コンデンサレンズ(CL1)32と第2コンデンサレンズ(CL2)34)、対物レンズ40、および試料50に加えて、第2コンデンサレンズ(CL2)34)と対物レンズ40の間に、順に第1偏向器110、非点補正器120、および第2偏向器130を有する。第1偏向器110と第2偏向器130は、2段偏向系を構成しており、1段目の第1偏向器110で電子ビームを偏向し、2段目の第2偏向器130で偏向したビームを振り戻す。非点補正器120は、対物レンズ(OL)40の非点収差を補正するための装置である。上記のように、対物レンズ40を通過した電子線は、平行ビームとなって、試料50に平行に照射される。試料50からの回折パターンは、検出器140によって検出される。
図16は、図15の回折イメージング装置の光線図である。
図16に示すように、電子銃20で発生した電子線は、図2に示す照射レンズ系12、つまり、第1コンデンサレンズ(CL1)32、第2コンデンサレンズ(CL2)34、および対物レンズ(OL)40によって平行な電子ビームとなり、試料50に照射される。
図17は、本実施の形態に係る電子線照射装置の第2の適用例として、ローレンツ電子顕微鏡の光学系の一例を示す概略図である。この適用例は、対物レンズを用いずにコンデンサレンズのみを用いて試料にビームを照射する場合である。なお、図2に示す電子線照射装置10および図15に示す回折イメージング装置100と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15に示す回折イメージング装置100では、試料50への平行照射を実現するために、第2コンデンサレンズ(CL2)34と対物レンズ(OL)40とで平行ビームを作るが、図17に示すローレンツ電子顕微鏡200では、試料50への平行照射を実現するために、第1コンデンサレンズ(CL1)32と第2コンデンサレンズ(CL2)34とで平行ビームを作るように構成されている。
ローレンツ電子顕微鏡200は、光学系202として、電子銃20から順に、2段構成のコンデンサレンズ30(第1コンデンサレンズ(CL1)32と第2コンデンサレンズ(CL2)34)、第1偏向器110、非点補正器120、第2偏向器130、試料50、および対物レンズ40を有し、さらに、対物レンズ40と検出器140の間に、順に第1中間レンズ(IL1)210、第2中間レンズ(IL2)220、および投影レンズ(PL)230を有する。ここでは、対物レンズを用いないという意味において、2段構成のコンデンサレンズ30(第1コンデンサレンズ(CL1)32と第2コンデンサレンズ(CL2)34)のみによって、照射レンズ系204が構成されている。中間レンズ(IL1、IL2)210、220は、対物レンズと投影レンズの間にあるレンズであって、ここでは2段で構成されている。投影レンズ(PL)230は、結像レンズ系の最終レンズであって、中間レンズで拡大された像をさらに拡大して、検出器140上に結像する。この場合、第2コンデンサレンズ(CL2)34を通過した電子線は、平行ビームとなって、試料50に平行に照射される。
図18は、図17のローレンツ電子顕微鏡の光線図である。
図18に示すように、電子銃20で発生した電子線は、第1コンデンサレンズ(CL1)32と第2コンデンサレンズ(CL2)34によって平行な電子ビームとなり、試料50に照射される。
このように、本実施の形態によれば、照射レンズ系を構成する複数のレンズ(例えば、2段構成のコンデンサレンズ30と対物レンズ40の組み合わせ、または、2段構成のコンデンサレンズ30のみ)のうち、最終段のレンズ(上記の例で、対物レンズ40または第2コンデンサレンズ34)の1つ前段のレンズ(上記の例で、第2コンデンサレンズ34または第1コンデンサレンズ32)について、倍率を1倍以下に設定し、かつ、その像面が最終段のレンズの前方焦点面と一致するように配置するため、レンズの形状および相対的な位置関係以外では何ら新たな装置を追加することなく、しかも光源サイズが大きい場合であっても、ビームの平行性を高くすることができる。
本発明に係る電子線照射装置は、レンズの形状および相対的な位置関係以外では何ら新たな装置を追加することなく、しかも光源サイズが大きい場合であっても、ビームの平行性を高くすることができる電子線照射装置として有用である。
10 電子線照射装置
12、204 照射レンズ系
20 電子銃
22 クロスオーバ
30 コンデンサレンズ
32 第1コンデンサレンズ(CL1)
34、34a、34b 第2コンデンサレンズ(CL2)
40、40a、40b 対物レンズ(OL)
50 試料
60 コイル
62 ヨーク
64、64a、64b ポールピース
70 光軸
80 第1コイル
82 第2コイル
84 第1ギャップ
86 第2ギャップ
100 回折イメージング装置
102、202 光学系
110 第1偏向器
120 非点補正器
130 第2偏向器
140 検出器
200 ローレンツ電子顕微鏡
210 第1中間レンズ(IL1)
220 第2中間レンズ(IL2)
230 投影レンズ(PL)

Claims (14)

  1. 電子線を発生させる電子線源と、
    発生した電子線を集めて試料に当てる照射レンズ系と、を有し、
    前記照射レンズ系は、複数のレンズからなり、
    前記複数のレンズのうち最終段のレンズの1つ前段のレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記最終段のレンズの前方焦点面と一致するように配置されている、
    電子線照射装置。
  2. 前記照射レンズ系は、
    発生した電子線を集める1つ以上のコンデンサレンズと、
    前記コンデンサレンズによって集められた電子線を試料に当てる対物レンズと、を有し、
    前記1つ以上のコンデンサレンズのうち最終段のコンデンサレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記対物レンズの前方焦点面と一致するように配置されている、
    請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 前記照射レンズ系は、
    複数のコンデンサレンズを有し、対物レンズを用いずに前記複数のコンデンサレンズを用いて試料に電子線を照射し、
    前記複数のコンデンサレンズのうち最終段のコンデンサレンズの1つ前段のコンデンサレンズは、倍率が1倍以下に設定され、かつ、その像面が前記最終段のコンデンサレンズの前方焦点面と一致するように配置されている、
    請求項1記載の電子線照射装置。
  4. 前記1つ前段のレンズは、
    前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの像面との距離が短くなるように励磁条件が調整されている、
    請求項1記載の電子線照射装置。
  5. 前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの像面との距離をd、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記1つ前段のレンズの主平面との距離をd、前記電子線源のクロスオーバ位置と前記最終段のレンズの主平面との距離をdとしたとき、さらに、次の関係を満たす、
    ≦d+(d−d)/2
    請求項1記載の電子線照射装置。
  6. 前記対物レンズは、試料に磁場がかからない磁場フリー型の電子レンズである、
    請求項2記載の電子線照射装置。
  7. 前記対物レンズは、走査型電子顕微鏡用の対物レンズと類似の形状を有する、
    請求項6記載の電子線照射装置。
  8. 前記複数のレンズは、それぞれ、静電型電子レンズである、
    請求項1記載の電子線照射装置。
  9. 前記複数のレンズは、それぞれ、磁界型電子レンズであり、全レンズは、磁場による像回転角の合計がゼロになるよう全アンペアターンの合計が調整され、または、各レンズは、ダブルギャップレンズによって構成されている、
    請求項1記載の電子線照射装置。
  10. 前記対物レンズは、前記対物レンズと前記最終段のコンデンサレンズの距離が短くなるように駆動条件が設定されている、
    請求項2記載の電子線照射装置。
  11. 前記最終段のコンデンサレンズおよび前記対物レンズは、それぞれ、磁界型電子レンズであり、
    前記最終段のコンデンサレンズのポールピースおよび前記対物レンズのポールピースは、それぞれ、互いの距離が短くなる位置に設けられている、
    請求項2記載の電子線照射装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の電子線照射装置を有する電子顕微鏡。
  13. 前記最終段のコンデンサレンズとこれの1つ前段のコンデンサレンズとの間に、電子線を偏向走査する偏向器および非点収差を補正する非点補正器の少なくともいずれか一方が配置されている、
    請求項12記載の電子顕微鏡。
  14. 請求項3記載の電子線照射装置を有するローレンツ電子顕微鏡。
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