JP2014055755A - サイクロン方式を利用した積雪方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気搬送により粉雪を目標面に供給して、目標面上に積雪させる方法において、粉雪を搬送空気に乗せて目標面まで到達させつつ、目標面に積もる粉雪を乱さない程度に、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離することを特徴とする積雪方法。
【選択図】図1
Description
特許文献1および特許文献2は、ともにスキー場のゲレンデに人工雪を効率よく、散布あるいは搬送する点を開示する点で共通である。
一方、特許文献2によれば、空気搬送された氷雪に対してサイクロン方式により、搬送空気と氷雪とを分離し、分離された氷雪を氷雪排出口より排出している。
すなわち、たとえば、タイヤの雪上試験に利用するのに、インナードラムの内周面に積雪させるような場合には、積雪面が凹凸なく一様に平坦である必要がある反面、インナードラムの内周面に効率的に積雪して試験を行うことが要求される。
以上のように、従来において、氷雪、特に搬送空気による影響を受けやすい粉雪を搬送空気を利用して目標面まで搬送する一方で、搬送空気により目標面の積雪面を乱さないようにするという技術的課題について、業界内において認識されていなかった。
空気搬送により粉雪を目標面に供給して、目標面上に積雪させる方法において、
粉雪を搬送空気に乗せて目標面まで到達させつつ、目標面に積もる粉雪を乱さない程度に、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離する、構成としている。
さらにまた、粉雪は、乾き雪であり、粒径が0.2ミリないし0.3ミリであり、サイクロンの流出開口を目標面から1メートル以内に配置するのがよい。
加えて、目標面は、井桁状、格子状、あるいはメッシュ状であり、目標面の内部まで粉雪を到達させるのがよい。
さらにまた、タイヤの雪上評価試験において、水平方向を中心に回転可能なインナードラムの内周面を目標面として、積雪させる段階を有するのがよい。
加えて、前記積雪段階において、インナードラムを水平方向を中心に回転させながら、インナードラムの内部に配置された搬送管の流出開口から粉雪を流出させるのがよい。
さらに、前記粉雪の粒子の大きさ、およびサイクロンにおける粉雪の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離するのがよい。
以下では、本発明に係る積雪ユニットをタイヤの雪上試験に適用する場合を例として、詳細に説明する。
積雪ユニットにより積雪する雪は、人工雪、自然雪のどちらもでよく、また、雪質としては、乾き雪、湿り雪、シャーベット雪等含水率の低いものから高いものまで、任意に選択すればよい。
特に、人工雪の場合には、たとえば、製氷した氷片を砕氷して、所定粒径の氷粒として、それを積雪させてもよい。
一方、積雪する目標面は、水平方向を中心に回転可能なインサイドドラムの内周面であり、内周面に積雪した雪を利用して、積雪面に試験タイヤを当てて、インサイドドラムを水平方向を中心に回転させることにより、タイヤの雪上試験を行うようにしている。
より詳細には、積雪ユニット10は、水平方向に回転可能なインサイドドラム12の内部スペースに配置され、インサイドドラム12の内周面14に圧雪層Lを形成し、形成した圧雪層Lの上面27にタイヤTを押し当てた状態で、インサイドドラム12を水平方向を中心に回転させることにより、タイヤTの雪上試験を行うようにしている。
インサイドドラム12の内部に構成される密閉空間が、密閉スペース20を構成し、積雪ユニット10は、密閉スペース20内に配置される。
図2に示すように、積雪ユニット10は、先端部にサイクロン部66を付設した搬送管17と、搬送管17の噴出開口33に対向して付設した拡散用斜板75と、搬送管17の噴出開口33近傍に配置された水噴射ノズル43とから、概略構成されている。
雪粒が、乾き雪であり、粒径がたとえば、0.2ミリないし0.3ミリ(粒径分布において、重量割合での最頻度粒径)である場合、サイクロン部66の流出開口を積雪予定面11から1メートル以内に配置する。
雪粒の粒子の大きさ、およびサイクロン部66における雪粒の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と雪粒とを一部分離する。
傾斜面74は、所定角度α傾斜する向きとする際、噴出開口71の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさを有する。これにより、噴出開口71から噴出する雪粒のすべてが、傾斜面74に衝突して確実に拡散するにしている。
特に、含水率が0%の乾き雪、約1〜20%の湿り雪、約21〜95%のシャーベット雪、約96%以上の雪水と分類した場合、乾き雪の場合には、図3(A)に示すように、湾曲面部76のない平面部80だけの傾斜面74でよく、一方、湿り雪あるいはシャーベット雪の場合には、図3(B)に示すように、湾曲面部76と平面部80とを有する傾斜面74が好ましく、いずれにせよ、図3(C)に示すように、噴出開口33から噴出する雪粒のすべてが傾斜面74に衝突して確実に拡散し、圧雪形成面11上に到達するまでに、さらに拡散して、圧雪形成面11上での積雪エリアを拡げることが可能である。
図3(D)(図3(C)の線A−Aに沿う断面図)に示すように、拡散領域の厚みDは、雪粒の初期噴出速度と、雪粒と搬送空気との混合比とにより大きく影響を受けるところ、特に、雪粒の初期噴出速度を所定速度以上に確保したうえで、混合比を調整することで所望の拡散効果を得ることが可能である。この場合、噴出開口33と積雪予定面11との間隔が近く、積雪予定面11に対する搬送空気の影響が強く、積雪予定面11上の積雪が乱される可能性がある場合には、サイクロン部66により、調整弁67の開度を上げることにより、氷雪排出開口72から流出する搬送空気を低減すればよい。
拡散用傾斜板75は、棒状部材80を介して搬送管17により支持される。棒状部材80は、上端が、搬送管17に連結され、搬送管17の中心軸線上を延び、下端78が傾斜円板75の中心部に連結し、それにより、傾斜円板75は、搬送管17により支持される。これにより、雪粒が噴出開口33から噴出する際、棒状部材80により阻害されないようにしている。
なお、傾斜円板75は、搬送管17と同心状に配置され、拡散用傾斜板75の中心を通る鉛直方向を中心に回転可能とされ、それにより、雪粒の噴雪流の目標積雪面に対する拡散領域82が連続的に変更されるようにしてもよい。
水スプレー43は、傾斜面74により拡散する雪粒に対して、目標積雪面に積雪する前に、水を雪粒の噴雪流に向かって拡散状に噴射し、それにより、目標積雪面の上方に、噴雪流と噴水流との混合空間が形成されるようにしている。
まず、積雪に利用する雪を準備する。より詳細には、たとえば、製氷し、製氷した氷を破砕して所定粒径の微小氷とする。
次いで、積雪予定面を取り囲む密閉スペースを所定温度かつ所定湿度に管理する。雪粒径が、0.2ミリないし0.3ミリの場合、所定温度は、−3℃ないし0℃であり、所定湿度は、80%以上である。
この場合、搬送管17の先端部のサイクロン部66により、搬送空気と雪粒とを一部分離し、それにより、搬送空気により積雪予定面に積雪中の雪を乱すことがないようにしている。
具体的には、サイクロン方式により、空気搬送される雪粒に対して遠心力により旋回流を生じさせることで、搬送空気と雪粒とを一部分離し、雪粒が搬送空気に乗って積雪予定面11まで達する一方、積雪予定面11に積もる雪粒を乱さないようにすることで、搬送空気により積雪予定面11上の積雪が巻き上がることなく、積雪予定面11に効率的に積雪させることが可能である。
具体的には、図2に示すように、搬送管17内において搬送空気により噴出開口33に向かって雪粒を下向きに圧送する場合、傾斜面74を噴出開口33に対して対向するように配置する際、傾斜面74を雪粒の噴出方向に対して所定角度α傾斜する向きとしたうえで、傾斜面74において、噴出開口33の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさとすることにより、搬送管17内を搬送空気により圧送される雪粒が噴出開口33より噴出する際、雪粒の噴雪流が確実に傾斜面74に衝突することにより、傾斜面74の雪粒の噴出方向に対する傾斜角度αに応じて、雪粒は噴出開口33より下方レベルの目標積雪面に到達するまでに拡散することから、雪を目標積雪面上に効率的かつ一様に積雪させることが可能である。
具体的には、拡散した雪粒が積雪予定面11に積雪する前に、水スプレー43より水を雪粒に向かって拡散状に噴射することにより、雪粒の噴雪流を一様に含水することが可能であり、しかも搬送空気の圧送度に応じて水噴射の水圧を上げる必要もないので、所望の含水率の雪を生成することが可能であり、一様に含水した所望の含水率の雪を効率良く積雪することが可能である。
この場合、含水段階および積層段階は、所定温度および所定湿度に管理された圧送空気を用いて、搬送管17により微小氷を空気圧送しつつ、密閉スペース20内で、搬送管17の噴出口33において、噴出口33から流出する微小氷に対して水を噴霧させる。
さらに、積雪層に対して、たとえば上方から内周面に向かって圧雪することにより、インサイドドラム12の回転により積雪層が内周面から剥離しないように処置をした後に、目標厚みに向かって形成中の圧雪層の表面に対してタイヤTを押し当てながら、タイヤTおよび/またはインサイドドラム12を回転することにより、圧雪層の形成とオンラインでタイヤTの雪上試験に利用する。なお、試験タイヤT はホイールリムをつけて所要の空気圧を充填したタイヤTを用い、ホイールリムの軸孔に支持軸を挿入している。
たとえば、本実施形態において、搬送管17により積雪予定面11に向かって雪を鉛直真下に噴出させる場合として説明したが、それに限定されることなく、斜め下方でもよい。
たとえば、本実施形態において、拡散用傾斜板75の形状は、円形として説明したが、それに限定されることなく、搬送管17の噴出開口33の形状に応じて定めればよく、噴出開口22の雪粒の噴出方向への傾斜面への投影領域が、傾斜面内に包含されるような大きさを有する限り、非円形でもよい。
S 雪粒
10 積雪ユニット
11 積雪予定面
12 インサイドドラム
14 内周面
17 搬送管
20 密閉スペース
28 ドラム保持部
30 ドラム回転駆動部
32 ドラム本体
34 試験タイヤ保持部
36 タイヤ回転駆動部
38 背面壁
66 サイクロン部
67 調整弁
68 固気分離空間
69 空気抜出管
71 抽出口
73 給気口
74 傾斜面
75 傾斜円板
76 湾曲面部
80 平面部
80 棒状部材
82 拡散領域
Claims (8)
- 空気搬送により粉雪を目標面に供給して、目標面上に積雪させる方法において、
粉雪を搬送空気に乗せて目標面まで到達させつつ、目標面に積もる粉雪を乱さない程度に、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離することを特徴とする積雪方法。 - 搬送管内で空気搬送により粉雪を搬送し、搬送管の下流側に連通して接続されたサイクロンの流出開口を目標面から所定距離に配置して、粉雪を流出口から搬送空気の噴流により、目標面まで到達させる、請求項1に記載の積雪方法。
- 粉雪は、乾き雪であり、粒径が0.2ミリないし0.3ミリであり、サイクロンの流出開口を目標面から1メートル以内に配置する、請求項1または請求項2に記載の積雪方法。
- 目標面は、井桁状、格子状、あるいはメッシュ状であり、目標面の内部まで粉雪を到達させる、請求項3に記載の積雪方法。
- 目標面上の積雪をタイヤの雪上評価試験に利用する、請求項1または請求項2に記載の積雪方法。
- タイヤの雪上評価試験において、水平方向を中心に回転可能なインナードラムの内周面を目標面として、積雪させる段階を有する、請求項5に記載の積雪方法。
- 前記積雪段階において、インナードラムを水平方向を中心に回転させながら、インナードラムの内部に配置された搬送管の流出開口から粉雪を流出させる、請求項6に記載の積雪方法。
- 前記粉雪の粒子の大きさ、およびサイクロンにおける粉雪の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離する、請求項1に記載の積雪方法。
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