JPH0755307A - 屋内人工スキー場における造雪方法 - Google Patents

屋内人工スキー場における造雪方法

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JPH0755307A
JPH0755307A JP21705293A JP21705293A JPH0755307A JP H0755307 A JPH0755307 A JP H0755307A JP 21705293 A JP21705293 A JP 21705293A JP 21705293 A JP21705293 A JP 21705293A JP H0755307 A JPH0755307 A JP H0755307A
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JP
Japan
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building
spray nozzle
water
water droplets
snow
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JP21705293A
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English (en)
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Susumu Kishi
進 岸
Katsutoshi Harima
勝利 播磨
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25CPRODUCING, WORKING OR HANDLING ICE
    • F25C2303/00Special arrangements or features for producing ice or snow for winter sports or similar recreational purposes, e.g. for sporting installations; Special arrangements or features for producing artificial snow
    • F25C2303/048Snow making by using means for spraying water
    • F25C2303/0481Snow making by using means for spraying water with the use of compressed air

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプレーノズルが凍結により閉塞することが
なく、天然雪と同一の雪質を効率的に造雪することがで
きる。 【構成】 冷気吹出し口5および冷気排出口7を有する
建屋1の天井3に、ヒーターを取り付けた前方衝突型2
流体スプレーノズル8を設置し、スプレーノズル8に水
と圧縮空気とを供給して水滴を噴射し、この水滴を冷気
吹出し口5からの冷気により冷却して人工雪を造雪す
る、屋内人工スキー場における造雪方法において、スプ
レーノズルを、水滴の吹出し方向に関して、15〜40
m、水滴の吹出し方向と直交する方向に関して、5〜4
0m離し、スプレーノズルの床面上の高さを2m以上に
し、室温を、−6℃〜−2℃の範囲内の温度に維持し、
そして、スプレーノズル8に供給する水と圧縮空気との
量を調整して、水滴の粒径を5μm〜200μmの範囲
内に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、屋内人工スキー場における造
雪方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、ウインタースポーツを楽しむため
に大都市近郊に室内人工スキー場が建設され、注目を集
めている。室内人工スキー場においては、建屋内で人工
的に造雪し、この人工雪を床面上に所定の厚さに堆積さ
せることが必要である。従来から知られている造雪方法
として、次のものが知られている。
【0003】(A)水を吸収させた高吸水性樹脂(吸水
性ポリマー)を床に散布して所定の厚みに堆積させ、こ
の高吸水性樹脂を床に敷設したブライン配管によって凍
結させ、ゲレンデ表面をミリングマシンによって細かく
砕いて造雪する方法。
【0004】(B)氷塊を製造し、次いで、この氷塊を
細かく砕いて床上に散布し堆積させることにより造雪す
る方法。
【0005】(C)屋外のスキー場で雪不足のときに行
われる方法であって、水を圧縮空気とともにに1つのノ
ズル口から噴射する2流体ノズルからなるガンタイプの
造雪機、または多数の水噴射ノズルをファンの出口周辺
に設けたファンタイプの造雪機により、水を噴射し自然
の冷気を利用して造雪する方法。
【0006】(D)2流体ノズルを使用し、水を圧縮空
気とともに室内に噴出して水のミストを発生させ、この
ように発生させた水のミストを天井に設けられた冷却さ
れた格子に付着させ、格子に付着した雪状の氷をスクレ
ーパーにより床面上にかき落とし、堆積させることによ
り造雪する方法。
【0007】しかしながら、上述した造雪方法には、次
のような問題がある。上記(A)の方法は、 (1)水を吸収させた吸水性ポリマーをブライン配管で
凍結させる方法であるので、凍結方法としてはスケート
リンクと同じ方法であって、製造された人工雪はアイス
バーン状になりがちである。 (2)ミリングマシンで細かく砕いても結晶粒径を天然
雪と同等の大きさにすることや、雪の湿り具合を調節す
ることができない。従って、この方法では天然雪のよう
なしまり雪や粉雪を製造することができない。 (3)吸水性ポリマーの性質上、滑走性が悪く、また融
解するとベトベトしたゲル状の物質となるため衣服等に
付着すると乾燥しにくく、しかも、スキーの金属部分や
スキー場設備の金属部分が腐食しやすく、その防止対策
も不明となっている。 (4)人工雪が汚れてきたり経年劣化した場合、人工雪
を廃棄焼却しなければならず、屋内人工スキー場の周辺
地域の環境に害を及ぼす。
【0008】上記(B)の方法は、細かく砕いた氷塊を
床上に散布するために、製造された人工雪はざらめ状に
なりがちであり、粉雪、しまり雪、アイスバーン等に雪
質のコントロールを行うことが困難である。しかも、製
氷、砕氷、輸送、散布の工程を必要とするために、設備
費およびランニングコストが多額になる。
【0009】上記(C)の方法は、屋外スキー場の造雪
には適当であっても、この方法で室内の造雪を行うと、
スプレーされる水滴の径が200μm〜400μmと大
きいので、熱交換率が悪く水滴の飛距離が小さい屋内に
おいては雪になりにくい。さらに、屋外向けに設計され
ているために、単位空間当たりの水と圧縮空気の量が非
常に多く、冷熱量(水を氷に変えるために必要な熱量)
が多く必要となり、冷凍機のランニングコストが多額と
なる。
【0010】上記(D)の方法は、天井に付着させた雪
状の氷をかき落とす方法であるので、水および圧縮空気
の噴射によって発生したミストを天井に付着させるため
には、そのミストが空中で完全に凍結した状態ではな
く、ある程度、湿っていることを必要とする。従って、
湿ったミストは、天井で凍結して氷となって付着し且つ
大きな氷粒に成長するので、粉雪を製造することはでき
ず、従って、粉雪、しまり雪およびアイスバーン等の雪
質のコントロールをすることも不可能である。また、雪
状の氷をかき落とすための装置が必要となるので、設備
費とランニングコストが多額となる。
【0011】そこで、本願発明者等は、上述した問題を
解決するために、特開平2−93267号公報に開示さ
れる、屋内人工スキー場における造雪方法を開発した。
この方法は、天井および/または側壁の上部に冷気吹き
出口を有し、そして前記側壁の下部に冷気排出口を有す
る屋内人工スキー場用建屋の、前記天井および/または
前記側壁に2流体スプレーノズルを所定間隔をあけて複
数個、配置し、前記スプレーノズルの各々に水と圧縮空
気とを供給して、前記スプレーノズルから、前記建屋内
に向けて水滴を噴射し、このようにして噴射された前記
水滴を、前記建屋内において前記冷気吹き出口から噴出
する冷気により冷却して人工雪を造雪し、このようにし
て造雪した人工雪を前記建屋の床面上に堆積させる、屋
内人工スキー場における造雪方法であって、前記建屋内
の温度を、前記冷気噴出口から噴出する冷気によって、
0℃以下の温度に維持し、そして、前記スプレーノズル
に供給する水と圧縮空気との量を調整して、前記スプレ
ーノズルから噴射される水滴の粒度を5μm〜200μ
mの範囲内に制御することに特徴を有するものである。
以下、この造雪方法を、従来技術という。
【0012】従来技術によれば、スプレーノズル供給す
る水と圧縮空気との量を適宜調整することによって、建
屋内においてその外観および性質が天然雪とほとんど変
わらない人工雪を、雪質のコントロールが可能に、且
つ、効率よく大量に低コストで製造することができると
いった効果がもたらされる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術は、スプレーノズルから噴出した圧縮空気が
断熱膨張によって冷却されて、ノズル出口部分が局部的
に冷却される。従って、ノズルが凍結した水によって閉
塞する恐れがあるといった問題を有していた。なお、従
来技術においては、スプレーノズルから噴出した水滴が
互いに干渉しない適性なノズル間隔、および、スプレー
ノズルから噴出した水滴を、これが落下するまでに完全
に凍結させることができるノズル高さについては明確に
されていなかった。
【0014】従って、この発明の目的は、スプレーノズ
ルの出口部分が断熱膨張により凍結した水によって閉塞
する恐れがなく、目標粒径を超える大粒径の水滴が造ら
れず、しかも、スプレーノズルから噴出した水滴が互い
に干渉せず、更に、スプレーノズルから噴出した水滴
を、これが落下するまでに完全に凍結させることができ
る、屋内人工スキー場における造雪方法を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、天井および
/または側壁の上部に冷気吹出し口を有し、そして前記
側壁の下部に冷気排出口を有する屋内人工スキー場用建
屋の、前記天井および/または前記側壁に2流体スプレ
ーノズルを所定間隔をあけて複数個、配置し、前記スプ
レーノズルの各々に水と圧縮空気とを供給して、前記ス
プレーノズルから、前記建屋内に向けて水滴を噴射し、
このようにして噴射された前記水滴を、前記建屋内にお
いて前記冷気吹出し口から噴出する冷気により冷却して
人工雪を造雪し、このようにして造雪した人工雪を前記
建屋の床面上に堆積させる、屋内人工スキー場における
造雪方法において、前記スプレーノズルとして、凍結防
止用ヒーターを取り付けた前方衝突型2流体スプレーノ
ズルを使用し、前記スプレーノズルは、水滴の吹出し方
向に関して、15m〜40m、水滴の吹出し方向と直交
する方向に関して、5m〜40mの間隔をあけ、前記ス
プレーノズルは、前記建屋の床面上から2m以上の高さ
に設置し、前記建屋内の温度を、前記冷気吹出し口から
噴出する冷気によって、−6℃〜−2℃の範囲内の温度
に維持し、そして、前記スプレーノズルに供給する水と
圧縮空気との量を調整して、前記スプレーノズルから噴
射される水滴の粒径を5μm〜200μmの範囲内に制
御することに特徴を有するものである。
【0016】
【作用】スプレーノズルとしてヒーターを内蔵したもの
を使用すれば、スプレーノズルの出口部分が断熱膨張に
より凍結した水によって閉塞する恐れがなくなり、スプ
レーノズルとして前方衝突型2流体スプレーノズルを使
用すれば、目標粒径を超えるの大粒径の水滴が造られ
ず、しかも、水滴の吹出し方向およびこれと直交する方
向に関して、所定間隔をあけてスプレーノズルを設置す
れば、水滴が互いに干渉せず、更に、スプレーノズルを
建屋の床面上から所定高さ以上の高さに設置すれば、水
滴を完全に凍結させることができる。
【0017】次に、この発明の、屋内人工スキー場にお
ける造雪方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明
する。
【0018】図1は、この発明の、屋内人工スキー場に
おける造雪方法の一実施態様を示す屋内人工スキー場の
概略垂直断面図であり、図2は、同じく概略水平断面図
である。
【0019】図1および図2に示すように、屋内人工ス
キー用建屋1は、断熱壁によって構成された側壁2、天
井3および床4とから成っている。天井3には、建屋1
の床4に向けて冷気を噴出するための複数個の冷気吹出
し口5が設けられており、各冷気吹出し口5は、冷気導
管6を介して互いに連結されている。側壁2の下部に
は、建屋1内に噴出された冷気を吸引し、建屋1外に排
出するための複数個の冷気排出口7が設けられている。
冷気吹出し口5は、側壁2の上部にも設けても良い。天
井3には、ヒーターを内蔵した複数個の前方衝突型2流
体スプレーノズル8が所定間隔をあけて設置されてい
る。スプレーノズル8およびその間隔については後述す
る。9は、スプレーノズル8に水を供給するための水導
管、10は、スプレーノズル8に圧縮空気を供給するた
めの空気導管である。冷気導管6は、建屋1外に設けら
れた図示しない冷気供給源に接続されている。水導管8
は、建屋1外に設けられた図示しない水供給源に接続さ
れ、空気導管10は、建屋1外に設けられた図示しない
圧縮空気供給源に接続されている。そして、11は、建
屋1内で造雪され、床4上に堆積した人工雪である。
【0020】各スプレーノズル8から建屋1内に向け、
水を圧縮空気とともにに噴射する。スプレーノズル8か
ら噴出した水滴は、建屋1内において、冷気吹出し口5
から噴出する冷気により冷却されて人工雪11となり建
屋1の床4上に堆積する。スプレーノズル8は、水と圧
縮空気とを混合した後、ノズル口から噴出し、ノズル前
方で衝突させる構造のものである。衝突させる理由は後
に説明する。この際、噴出した圧縮空気がノズルの出口
において断熱膨張する。スプレーノズル8にヒーターを
内臓させたのは、この断熱膨張によって圧縮空気が冷却
されるとともに、ノズル出口部分が局所的に冷却される
ため、ノズル出口付近で水が凍結しノズルが閉塞するの
を防ぐためである。
【0021】スプレーノズル8から建屋1内に噴出され
る水滴は、その粒径が5μm〜200μmの範囲内に存
在し、且つ、均一な粒径にすること、即ち、5μm〜2
00μmの範囲内において目標粒径を設定した場合、こ
の目標粒径を超える大粒径の水滴が造られないようにす
ることが重要である。スプレーノズル8から噴出される
水滴の粒径を5μm〜200μmの範囲内に維持する
と、従来の屋外造雪機から噴射される、200μm超〜
400μmの範囲内の粒径を有する水滴に比べて、その
表面積/体積比が大になる。また、その自重も小さくな
る結果、建屋1内における水滴の滞空時間が長くなる。
従って、建屋1内に噴射された水滴は、冷気吹出し口5
から噴出する冷気に長時間さらされるので、冷気との熱
交換率が向上し、水滴は効率的に冷却される。これは、
水滴の飛距離が限られた建屋1内では非常に有効であ
る。
【0022】次に、均一な粒径にすることの重要性につ
いて述べる。造雪を特に困難にする原因は、目標粒径を
超える大粒径の水滴が造られることにある。例えば、水
滴の目標粒径を10μmに設定した場合、50μm〜1
00μmの水滴とでは表面積/体積比で5〜10倍の違
いがある。また、50μm〜100μmの水滴の方がス
プレーノズルからの落下所用時間が短い。従って、大粒
径の水滴は、小粒径の水滴に比べて冷気との熱交換が充
分に行われない。このために、造雪条件(建屋の室温、
水滴の水温、圧縮空気温度、水と圧縮空気との噴出比)
が10μmの水滴が凍結する条件である場合には、50
μm〜100μmの水滴は、未凍結のままで床4上に落
下する。
【0023】一般の2流体ノズルでは、図3に示すよう
に、水滴の目標粒径を10μmとしても10μmを超え
る粒径の水滴を含有している。50μm〜100μmの
水滴の個数は、全体の1%程度であるが、体積は、50
μm〜100μmの水滴の125〜1000倍あるた
め、雪になっている小粒径の水滴を融解し結果的に雪を
造れない。従って、雪を造るためには目標粒径を超える
大粒径の水滴を造らないスプレーノズルが必要となる。
【0024】この要求を満足するスプレーノズルは、特
開昭62−289257号公報に開示されている前方衝
突型2流体スプレーノズルであり、その部分切欠き正面
図を図5に示す。前方衝突型とは、図5に示すように、
水と圧縮空気とをノズル内で混合した後、ノズル前方で
水と圧縮空気の混合流体をある角度を持って衝突させる
型を言う。この前方衝突型2流体スプレーノズルを使用
すると、前方衝突型ではない2流体スプレーノズルに比
べて、第4図に示すように、目標粒径より大きい粒径の
水滴を発生させず、粒子径をより均一化できる。このノ
ズルは本来、その用途が加湿、冷却、鎮塵、消毒液噴
霧、燃料油噴霧であったものを、発明者が造雪に初めて
利用したものである。そして、水と圧縮空気との噴出比
を調整することにより、噴出した水滴の粒径を変えるこ
とができる。更に、衝突させた効用により、1μm以下
の非常に微小な核を多数発生し、これが氷晶核となって
水滴に作用し、水滴が凍結する現象を促進する。
【0025】水滴の粒径が200μm超であり、且つ、
粒径分布が広いと、上述した効果を効果的に得ることが
できない。一方、水滴の粒径が全て5μm未満である
と、滞空時間が極端に大きくなって、建屋1内の空気の
流れに乗ってその水滴のほとんどが冷気排出口7に吸い
込まれてしまい、床4上に堆積しない。なお、水滴の目
標粒径を5μm〜200μmの粒径範囲内において変化
させるには、スプレーノズル8から噴出される水と圧縮
空気との比を調整すれば良い。
【0026】上述のように、水滴を微小化することによ
る効果は、閉鎖された建屋内においてのみ得られるので
あり、屋外において上述の微小水滴を噴射した場合に
は、噴射された水滴の大部分が風等によって飛散し、目
的の場所に大量に効率よく造雪することができない。
【0027】更に、この発明においては、図2に示すよ
うに、建屋1の天井3に所定間隔をあけて複数個のスプ
レーノズル8が設置され、これらのスプレーノズル8か
ら建屋1内に同時に水滴が噴射される。水滴を噴射する
とき、スプレーノズル8のスプレー範囲が互いに干渉し
ないように、上述した間隔をあけてスプレーノズルを設
置する必要がある。
【0028】その第1の理由は、水滴の前進速度は、ノ
ズル出口から離れた所では空気抵抗を受けて急激に小さ
くなり、スプレー範囲が重なると、水滴どうしが衝突で
はなく付着する現象が起こる。その結果、水滴の粒径が
大きくなって、上述した理由によって雪になりにくいか
らである。第2の理由は、小容量のスプレーノズル8を
分散させて配置し、水滴を建屋1内の空間に均一に散布
することによって、大容量の1つのスプレーノズルを配
置する場合よりも効率的に冷気との熱交換を行うことが
出来、同じ造雪量を得るために必要な単位空間当たりの
冷熱量を減少させることができるからである。
【0029】本願発明者等は、屋内実験を繰り返した結
果、スプレーノズル8の噴出方向の間隔を15m〜40
mの範囲内に限定し、そして、噴出方向に直交する方向
の間隔を5m〜40mの範囲内に限定することによっ
て、スプレーノズル8のスプレー範囲が互いに重ならな
いという知見を得た。また、水滴の粒径を変化させた場
合の水滴の飛跡と凍結時間とに関して、単一水滴の熱お
よび物質移動のシミュレーションを実施した。この結果
を図6に示す。図6から明らかなように、水滴の粒径2
00μmの場合、水滴の噴出点から凍結完了までの高低
差が2m必要である。従って、スプレーノズル8は、建
屋1の床4面上から2m以上の高さに設置する必要があ
る。
【0030】上述のようにして造られる人工雪の雪質
は、造雪条件、即ち、スプレーノズル8から噴射される
水滴の粒径、水滴の温度、圧縮空気の温度、水と圧縮空
気との噴出比、および、建屋1の室内の温度を調整する
ことにより、雪質を湿雪(アイスバーン)、中乾雪(し
まり雪)、乾雪(粉雪)と、任意に変化させることがで
きる。
【0031】
【実施例】
実施例1 (1)長さ20m、幅6m、高さ3mの寸法を有する閉
鎖された室を構築し、室の側壁の高さ2mの位置に、ヒ
ーターを内蔵した前方衝突型2流体スプレーノズルを1
個設置し、このスプレーノズルから水を圧縮空気ととも
に室内噴出した。造雪条件は、水滴粒径70μm、圧縮
空気温度20℃とし、室温と水滴の温度とを変化させ
た。その結果を図7に示す。雪質に関して、アイスバー
ンを雪密度0.280g/cm3 以上、しまり雪を雪密
度0.280g/cm3 未満、0.220g/cm3
上、粉雪を雪密度0.220g/cm3 以下と定義する
と、図7から明らかなように、粒径70μm、室温−6
℃〜−4℃、水温が5℃未満の場合には、しまり雪、水
温が5℃以上の場合にはアイスバーン、室温が−4℃〜
−2℃には、水温にかかわらずアイスバーンとなった。
【0032】実施例2 (2)長さ20m、幅6m、高さ3mの寸法を有する閉
鎖された室を構築し、室の側壁の高さ2mの位置に、ヒ
ーターを内蔵した前方衝突型2流体スプレーノズルを1
個設置し、このスプレーノズルから水を圧縮空気ととも
に室内噴出した。造雪条件は、水滴の温度を10℃、圧
縮空気の温度を20℃とし、室温(Tr)および水滴の
粒径(D)を変えて造雪した。その結果、次のように雪
質を変化させることができた。
【0033】(a) −6℃≦Tr≦−4℃の場合 60μm≦D≦200μm :アイスバーン 30μm≦D≦80μm :しまり雪 10μm≦D≦40μm :粉雪
【0034】(a) −4℃≦Tr≦−2℃の場合 40μm≦D≦200μm :アイスバーン 20μm≦D≦60μm :しまり雪 5μm≦D≦30μm :粉雪
【0035】実施例3 (3)長さ490m、幅70m〜100m、高さ10m
〜20mの寸法を有する閉鎖された室の天井に15m〜
30m間隔で高さ10m〜20mの位置に計100個
の、ヒーターを内蔵した前方衝突型2流体スプレーノズ
ルを設置し、この各スプレーノズルから、下記条件にし
たがって水を圧縮空気とともに室内に噴射した。
【0036】 (a) スプレーノズルに供給する水の温度:10℃ スプレーノズルに供給する圧縮空気の温度:20℃ 噴射される水滴の粒径(D):60μm 室内温度(Tr):−5℃ 造雪時間:3時間
【0037】この結果、雪厚3.0cm、雪密度0.2
57g/cm3 の天然雪とほぼ同一のしまり雪を、均一
に且つ効率的に造雪することができた。 (b) スプレーノズルに供給する水の温度:5℃ スプレーノズルに供給する圧縮空気の温度:20℃ 噴射される水滴の粒径(D):40μm 室内温度(Tr):−5℃ 造雪時間:3時間
【0038】この結果、雪厚3.7cm、雪密度0.2
20g/cm3 の天然雪とほぼ同一の粉雪を、均一に且
つ効率的に造雪することができた。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
次のような工業上有用な効果がもたらされる。 (1)スプレーノズルにヒーターを設けることによって
スプレーノズルの出口部分が断熱膨張により凍結した水
によって閉塞する恐れがない。 (2)目標粒径を超える大粒径の水滴が造られず、しか
も、スプレーノズルから噴出した水滴が互いに干渉せ
ず、更に、スプレーノズルから噴出した水滴を、これが
落下するまでに完全に凍結させることができることか
ら、天然雪のような六方晶の結晶形状を有さず、全て球
形であることを除いては、天然雪と同一の雪質を効率的
に造雪することがに製造することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の、屋内人工スキー場における造雪方
法の一実施態様を示す屋内人工スキー場の概略垂直断面
図である。
【図2】この発明の、屋内人工スキー場における造雪方
法の一実施態様を示す屋内人工スキー場の概略水平断面
図である。
【図3】前方衝突型ではない2流体スプレーノズルの場
合の水滴粒子の数と粒子径との関係を示すグラフであ
る。
【図4】前方衝突型2流体スプレーノズルの場合の水滴
粒子の数と粒子径との関係を示すグラフである。
【図5】前方衝突型2流体スプレーノズルの部分切欠き
正面図である。
【図6】粒径別の水滴の凍結位置を示すグラフである。
【図7】室温および水温を変化させた場合の雪質の変化
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:建屋、 2:側壁、 3:天井、 4:床、 5:冷気吹出し口、 6:冷気導管、 7:冷気排出口、 8:スプレーノズル、 9:水導管、 10:空気導管、 11:人工雪。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井および/または側壁の上部に冷気吹
    出し口を有し、前記側壁の下部に冷気排出口を有する屋
    内人工スキー場用建屋の、前記天井および/または前記
    側壁に2流体スプレーノズルを所定間隔をあけて複数
    個、配置し、前記スプレーノズルの各々に水と圧縮空気
    とを供給して、前記スプレーノズルから、前記建屋内に
    向けて水滴を噴射し、このようにして噴射された前記水
    滴を、前記建屋内において前記冷気吹出し口から噴出す
    る冷気により冷却して人工雪を造雪し、このようにして
    造雪した人工雪を前記建屋の床面上に堆積させる、屋内
    人工スキー場における造雪方法において、 前記スプレーノズルに凍結防止用ヒーターを取り付け、
    前記建屋内の温度を、前記冷気吹出し口から噴出する冷
    気によって、−6℃〜−2℃の範囲内の温度に維持し、
    そして、前記スプレーノズルに供給する水と圧縮空気と
    の量を調整して、前記スプレーノズルから噴射される水
    滴の粒度を5μm〜200μmの範囲内に制御すること
    を特徴とする、屋内人工スキー場における造雪方法。
  2. 【請求項2】 天井および/または側壁の上部に冷気吹
    出し口を有し、前記側壁の下部に冷気排出口を有する屋
    内人工スキー場用建屋の、前記天井および/または前記
    側壁に2流体スプレーノズルを所定間隔をあけて複数
    個、配置し、前記スプレーノズルの各々に水と圧縮空気
    とを供給して、前記スプレーノズルから、前記建屋内に
    向けて水滴を噴射し、このようにして噴射された前記水
    滴を、前記建屋内において前記冷気吹出し口から噴出す
    る冷気により冷却して人工雪を造雪し、このようにして
    造雪した人工雪を前記建屋の床面上に堆積させる、屋内
    人工スキー場における造雪方法において、 前記スプレーノズルとして、前方衝突型2流体スプレー
    ノズルを使用し、前記建屋内の温度を、前記冷気吹出し
    口から噴出する冷気によって、−6℃〜−2℃の範囲内
    の温度に維持し、そして、前記スプレーノズルに供給す
    る水と圧縮空気との量を調整して、前記スプレーノズル
    から噴射される水滴の粒径を5μm〜200μmの範囲
    内に制御することを特徴とする、屋内人工スキー場にお
    ける造雪方法。
  3. 【請求項3】 天井および/または側壁の上部に冷気吹
    出し口を有し、前記側壁の下部に冷気排出口を有する屋
    内人工スキー場用建屋の、前記天井および/または前記
    側壁に2流体スプレーノズルを所定間隔をあけて複数
    個、配置し、前記スプレーノズルの各々に水と圧縮空気
    とを供給して、前記スプレーノズルから、前記建屋内に
    向けて水滴を噴射し、このようにして噴射された前記水
    滴を、前記建屋内において前記冷気吹出し口から噴出す
    る冷気により冷却して人工雪を造雪し、このようにして
    造雪した人工雪を前記建屋の床面上に堆積させる、屋内
    人工スキー場における造雪方法において、 前記スプレーノズルは、水滴の吹出し方向に関して、1
    5m〜40m、水滴の吹出し方向と直交する方向に関し
    て、5m〜40mの間隔をあけ、前記スプレーノズル
    は、前記建屋の床面上から2m以上の高さに設置し、前
    記建屋内の温度を、前記冷気吹出し口から噴出する冷気
    によって、−6℃〜−2℃の範囲内の温度に維持し、そ
    して、前記スプレーノズルに供給する水と圧縮空気との
    量を調整して、前記スプレーノズルから噴射される水滴
    の粒度を5μm〜200μmの範囲内に制御することを
    特徴とする、屋内人工スキー場における造雪方法。
  4. 【請求項4】 天井および/または側壁の上部に冷気吹
    出し口を有し、前記側壁の下部に冷気排出口を有する屋
    内人工スキー場用建屋の、前記天井および/または前記
    側壁に2流体スプレーノズルを所定間隔をあけて複数
    個、配置し、前記スプレーノズルの各々に水と圧縮空気
    とを供給して、前記スプレーノズルから、前記建屋内に
    向けて水滴を噴射し、このようにして噴射された前記水
    滴を、前記建屋内において前記冷気吹出し口から噴出す
    る冷気により冷却して人工雪を造雪し、このようにして
    造雪した人工雪を前記建屋の床面上に堆積させる、屋内
    人工スキー場における造雪方法において、 前記スプレーノズルとして、凍結防止用ヒーターを取り
    付けた前方衝突型2流体スプレーノズルを使用し、前記
    スプレーノズルは、水滴の吹出し方向に関して、15m
    〜40m、水滴の吹出し方向と直交する方向に関して、
    5m〜40mの間隔をあけ、前記スプレーノズルは、前
    記建屋の床面上から2m以上の高さに設置し、前記建屋
    内の温度を、前記冷気吹出し口から噴出する冷気によっ
    て、−6℃〜−2℃の範囲内の温度に維持し、そして、
    前記スプレーノズルに供給する水と圧縮空気との量を調
    整して、前記スプレーノズルから噴射される水滴の粒径
    を5μm〜200μmの範囲内に制御することを特徴と
    する、屋内人工スキー場における造雪方法。
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