JP2014055661A - クランクシャフト - Google Patents
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Abstract
【課題】クランクジャーナルの偏摩耗を抑制しつつ、燃費を改善することができるクランクシャフトを提供する。
【解決手段】本発明のクランクシャフトは、対向する一対のクランクアームに挟まれたクランクジャーナル113を有している。そして、その外周面に、各クランクアームのクランクピン側に位置する第1の受圧部15と、前記各クランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2の受圧部17と、前記各受圧部15、17の間に位置して同外周面の周方向に延びる凹部19とを形成した。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のクランクシャフトは、対向する一対のクランクアームに挟まれたクランクジャーナル113を有している。そして、その外周面に、各クランクアームのクランクピン側に位置する第1の受圧部15と、前記各クランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2の受圧部17と、前記各受圧部15、17の間に位置して同外周面の周方向に延びる凹部19とを形成した。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関のクランクシャフトに関する。
内燃機関のクランクシャフトは、そのクランクジャーナルが軸受けによってシリンダブロックに回転可能に支持される。このクランクジャーナルと軸受けとの間には、クランクジャーナルの回転抵抗を減少させるために潤滑油が供給される。
特許文献1では、軸受けにおいて鉛直方向上方側の内径を、鉛直方向下方側の内径よりも小さくしている。そして、燃焼による圧力によってクランクシャフトが鉛直方向下方に僅かに撓んだ場合でも、クランクジャーナルと軸受けとの鉛直方向上方側の間隙が過度に大きくならないようにしている。これにより、上記間隙にポンプを通じて供給される潤滑油の量、換言すればポンプの駆動量が必要以上に増大することを抑制している。
ところで、クランクジャーナルの回転抵抗は、軸受けとの間隙が狭くなるほど大きくなる。そのため、上記特許文献1のように、軸受けの内径を小さくしてクランクジャーナルとの間隙を狭くすると、クランクジャーナルの回転抵抗が増大する。その結果、内燃機関の燃費が悪化するおそれがある。
また、クランクジャーナルの軸径を小さくすることによってクランクジャーナルと軸受けとの間隙を広くすれば、クランクジャーナルの回転抵抗を減少させることができる。しかし、こうした場合には、クランクジャーナルの特定の部位と軸受けとの接触圧が大きくなり、同クランクジャーナルの外周面に偏摩耗が生じるおそれがある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランクジャーナルの偏摩耗を抑制しつつ、燃費を改善することができるクランクシャフトを提供することにある。
上記課題を解決するためのクランクシャフトは、対向する一対のクランクアームに挟まれたクランクジャーナルの外周面に、各クランクアームのクランクピン側に位置する第1の受圧部と、各クランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2の受圧部と、各受圧部の間に位置して同外周面の周方向に延びる凹部とを有している。
クランクジャーナルには、燃焼による圧力や、クランクシャフトの回転に起因した慣性力が作用する。こうした荷重の大部分は、クランクジャーナルが軸受けに接触する場合に、クランクジャーナルの外周面におけるクランクピン側に位置する部分やカウンタウェイト側に位置する部分に作用する。したがって、上記構成のように、クランクジャーナルの外周面に、クランクピン側に位置する第1の受圧部と、カウンタウェイト側に位置する第2の受圧部とを設けることにより、クランクジャーナルにおいて大きな荷重が作用する部分の受圧面積を確保することができ、クランクジャーナルの偏摩耗を抑制することができるようになる。また、クランクジャーナルの外周面において各受圧部の間に限定して形成された凹部により、クランクジャーナルと軸受けとの間隙を広くすることができ、クランクジャーナルの回転抵抗を減少させることができるようになる。
したがって、上記構成によれば、クランクジャーナルの偏摩耗を抑制しつつ、燃費を改善することができる。
(第一実施形態)
以下、クランクシャフトを具体化した第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、本実施形態は、直列4気筒の内燃機関に適用されるクランクシャフトを例として示している。
以下、クランクシャフトを具体化した第一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、本実施形態は、直列4気筒の内燃機関に適用されるクランクシャフトを例として示している。
図1に示すように、クランクシャフトには、その回転軸となる複数のクランクジャーナル11が設けられている。これらクランクジャーナル11は軸受けにより回転可能に支持される。各クランクジャーナル11の間には一対のクランクアーム13がそれぞれ設けられている。隣接するクランクアーム13の一端は、クランクピン12によって連結されている。一方、各クランクアーム13の他端には、カウンタウェイト14がそれぞれ設けられている。各クランクピン12は、コネクティングロッドを介してピストンと連結される。なお、同図中では、上方を鉛直方向上方、下方を鉛直方向下方、左右方向をクランクジャーナル11の軸方向としている。
次に、図2〜図4を参照して、クランクジャーナル11の断面構造について説明する。なお、図2は、図1の2−2線における断面構造、すなわち、図1中の左から3番目に位置する第3クランクジャーナル113の断面構造を示している。また、図4は、図1の4−4線における断面構造、すなわち、図1中の左から2番目に位置する第2クランクジャーナル112の断面構造を示している。
図2及び図3に示すように、第3クランクジャーナル113は、その断面が円形に形成されている。第3クランクジャーナル113は、その回転位相が等しい一対のクランクアーム13、すなわち第4クランクアーム134及び第5クランクアーム135によって挟まれている。第3クランクジャーナル113の外周面には、同クランクジャーナル113を挟んで対向する第4クランクアーム134及び第5クランクアーム135のクランクピン12側(図中の下側)の位置に、第1の受圧部15が形成されている。第1の受圧部15は、図2中における最下部に位置するクランクピン側頂部16を中心として外周方向に所定の長さL1を有している。なお、所定の長さL1は、第1の受圧部15に作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。また、第1の受圧部15は、その全体が軸受けに摺接可能となっている。
また、第3クランクジャーナル113の外周面には、第4クランクアーム134及び第5クランクアーム135のカウンタウェイト14側(図中の上側)の位置に、第2の受圧部17が形成されている。第2の受圧部17は、図2中における最上部に位置するカウンタウェイト側頂部18を中心として周方向に延び、その長さL2は第1の受圧部15における周方向の長さL1よりも短い(L1>L2)。なお、所定の長さL2は、第2の受圧部17に対して作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。また、第2の受圧部17は、その全体が軸受けに摺接可能となっている。
第3クランクジャーナル113の外周面において、第1の受圧部15と第2の受圧部17との間には、周方向に延びる凹部19がそれぞれ形成されている。これら凹部19は第3クランクジャーナル113の軸方向において両端部を除いた部分に形成されている。すなわち、クランクジャーナル113の軸方向の両端部には、第1の受圧部15と第2の受圧部17とを接続し、軸受けに摺接可能な一対の第3の受圧部20が設けられている。
次に、第2クランクジャーナル112の断面構造について説明する。
図1に示すように、第2クランクジャーナル112は、その回転位相が互いに180°異なる第2クランクアーム132と第3クランクアーム133とによって挟まれている。
図1に示すように、第2クランクジャーナル112は、その回転位相が互いに180°異なる第2クランクアーム132と第3クランクアーム133とによって挟まれている。
そして、図4に示すように、第2クランクジャーナル112の外周面において、第2クランクアーム132のクランクピン12側、すなわち第3クランクアーム133のカウンタウェイト14側(図中の上側)に位置する部分には、上側受圧部21が形成されている。また、第2クランクジャーナル112の外周面において、第2クランクアーム132のカウンタウェイト14側、すなわち第3クランクアーム133のクランクピン12側(図中の下側)に位置する部分には、下側受圧部22が形成されている。したがって、第2クランクアーム132を基準とすれば、上側受圧部21がクランクピン12側に位置する第1の受圧部に相当し、下側受圧部22がカウンタウェイト14側に位置する第2の受圧部に相当する。一方、第3クランクアーム133を基準とすれば、上側受圧部21がカウンタウェイト14側に位置する第2の受圧部に相当し、下側受圧部22がクランクピン12側に位置する第1の受圧部に相当する。なお、上側受圧部21は、図4中における最上部に位置する上側頂部23を中心として周方向に延びるように設けられており、下側受圧部22は、図4中における最下部に位置する下側頂部24を中心として周方向に延びるように設けられている。
ここで、第2クランクジャーナル112の外周面におけるクランクピン12側に位置する部分には、燃焼による圧力やクランクピン12の回転による慣性力に起因した荷重が作用する。こうした荷重は、同外周面におけるカウンタウェイト14側に位置する部分に作用するカウンタウェイト14の回転に起因した慣性力よりも大きい。そのため、クランクジャーナル11を挟んで対向する一方のクランクアーム13のクランクピン12側の方向と、他方のクランクアーム13のカウンタウェイト14側の方向とが一致する場合、すなわち、クランクジャーナル11の外周面において第1の受圧部が形成される部分と第2の受圧部が形成される部分とが重なる場合には、これらの荷重のうちより大きな荷重に対応できるように、その受圧部の周方向の長さを上記L2よりも長いL1にして受圧面積を大きくするのが望ましい。
このため、第2クランクジャーナル112では、第1の受圧部と第2の受圧部とが重なる上側受圧部21及び下側受圧部22の周方向における長さをそれぞれ上記第1の受圧部15と同じ長さL1にしている。なお、これら上側受圧部21及び下側受圧部22は、その全体が軸受けに摺接可能となっている。
一方、第2クランクジャーナル112の外周面において、上側受圧部21及び下側受圧部22の間には、周方向に延びる凹部19がそれぞれ形成されている。なお、これら凹部19は、上記第3クランクジャーナル113に設けられた凹部19と同様に第2クランクジャーナル112の軸方向において両端部を除いた部分に形成されている。すなわち、第2クランクジャーナル112の軸方向の両端部には、上側受圧部21と下側受圧部22とを接続し、軸受けに摺接する一対の第3の受圧部20が形成されている。
また、図1に示すように、第4クランクジャーナル114の外周面には、第2クランクジャーナル112と同様に上側受圧部21、下側受圧部22、及び凹部19が設けられている。
次に、本実施形態のクランクシャフトの作用について、説明する。
本実施形態では、第2〜第4クランクジャーナル112〜114の外周面において、燃焼による圧力や、クランクシャフトの回転に起因した慣性力が作用する部分に、第1の受圧部15、21(22)と第2の受圧部17、22(21)とを形成している。そのため、こうした荷重が作用してクランクジャーナル11が軸受けに接触したとしても、その受圧面積を確保することができる。
本実施形態では、第2〜第4クランクジャーナル112〜114の外周面において、燃焼による圧力や、クランクシャフトの回転に起因した慣性力が作用する部分に、第1の受圧部15、21(22)と第2の受圧部17、22(21)とを形成している。そのため、こうした荷重が作用してクランクジャーナル11が軸受けに接触したとしても、その受圧面積を確保することができる。
また、第3クランクジャーナル113の外周面において第1の受圧部15の周方向の長さL1を、第2の受圧部17の周方向の長さL2よりも長くしている。そのため、燃焼による圧力やクランクピン12の回転による慣性力に起因して第2の受圧部17よりも大きな荷重が作用する第1の受圧部15について、その荷重に対応できるように受圧面積が設定されることとなる。
また、第2及び第4クランクジャーナル112、114では、上側受圧部21及び下側受圧部22の周方向の長さをそれぞれL1としている。そのため、クランクジャーナル11の外周面において第1の受圧部が形成される部分と第2の受圧部が形成される部分とが重なる領域において、同領域に作用する荷重のうちより大きな荷重に対応できるように受圧面積が設定されることとなる。したがって、第2及び第4クランクジャーナル112、114と軸受けとの接触圧が小さくなり、偏摩耗が抑制される。
一方、第1の受圧部15、21(22)及び第2の受圧部17、22(21)の間に周方向に延びる凹部19をそれぞれ形成している。そのため、第2〜第4クランクジャーナル112〜114と軸受けと間の間隙が広くなり、その回転抵抗が減少する。また、凹部19が形成されている部分の軸方向の両端部に一対の第3の受圧部20を形成しているため、クランクシャフトの軸受け内での傾きが制限され、振動が抑制される。
以上説明した第一実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第2〜第4クランクジャーナル112〜114の外周面において大きな荷重が作用する部分の受圧面積を確保することができ、その偏摩耗を抑制することができるようになる。また、各受圧部15、17、21、22の間に形成された凹部19により、第2〜第4クランクジャーナル112〜114と軸受けとの間隙を広くすることができ、その回転抵抗を減少させることができるようになる。したがって、クランクジャーナル11の偏摩耗を抑制しつつ、燃費を改善することができる。
(第二実施形態)
次に、クランクシャフトを具体化した第二実施形態について、図5を参照して説明する。本実施形態は、直列6気筒の内燃機関に適用されるクランクシャフトを例として示している。なお、本実施形態では、クランクジャーナル11の構造が上記第一実施形態のものと異なっており、第一実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
(1)本実施形態では、第2〜第4クランクジャーナル112〜114の外周面において大きな荷重が作用する部分の受圧面積を確保することができ、その偏摩耗を抑制することができるようになる。また、各受圧部15、17、21、22の間に形成された凹部19により、第2〜第4クランクジャーナル112〜114と軸受けとの間隙を広くすることができ、その回転抵抗を減少させることができるようになる。したがって、クランクジャーナル11の偏摩耗を抑制しつつ、燃費を改善することができる。
(第二実施形態)
次に、クランクシャフトを具体化した第二実施形態について、図5を参照して説明する。本実施形態は、直列6気筒の内燃機関に適用されるクランクシャフトを例として示している。なお、本実施形態では、クランクジャーナル11の構造が上記第一実施形態のものと異なっており、第一実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
このクランクシャフトでは、隣り合うクランクアーム13の回転位相が、120°異なった状態で配設されている。
図5に示すように、クランクジャーナル11の外周面には、同クランクジャーナル11を挟んで対向する一対のクランクアーム13のうち、一方のクランクアーム13のクランクピン12側(図中の上側)の位置に第1のピン側受圧部25が形成されている。第1のピン側受圧部25は、図5中における最上部に位置する第1のクランクピン側頂部26を中心として外周方向に所定の長さL3を有している。なお、所定の長さL3は、第1のピン側受圧部25に作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。また、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側(図中の下側)の位置には、第1のウェイト側受圧部27が形成されている。第1のウェイト側受圧部27は、図5中における最下部に位置する第1のカウンタウェイト側頂部28を中心として周方向に延び、その長さL4は第1のピン側受圧部25における周方向の長さL3よりも短い(L3>L4)。なお、所定の長さL4は、第1のウェイト側受圧部27に作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。
図5に示すように、クランクジャーナル11の外周面には、同クランクジャーナル11を挟んで対向する一対のクランクアーム13のうち、一方のクランクアーム13のクランクピン12側(図中の上側)の位置に第1のピン側受圧部25が形成されている。第1のピン側受圧部25は、図5中における最上部に位置する第1のクランクピン側頂部26を中心として外周方向に所定の長さL3を有している。なお、所定の長さL3は、第1のピン側受圧部25に作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。また、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側(図中の下側)の位置には、第1のウェイト側受圧部27が形成されている。第1のウェイト側受圧部27は、図5中における最下部に位置する第1のカウンタウェイト側頂部28を中心として周方向に延び、その長さL4は第1のピン側受圧部25における周方向の長さL3よりも短い(L3>L4)。なお、所定の長さL4は、第1のウェイト側受圧部27に作用する荷重に対して十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。
一方、同クランクジャーナル11の外周面において、他方のクランクアーム13のクランクピン12側(図中の左下側)の位置に、第2のピン側受圧部29が形成されている。第2のピン側受圧部29は、図5中における左下部に位置する第2のクランクピン側頂部30を中心として周方向に延び、その長さは、第1のピン側受圧部25の周方向における長さL3と同じである。なお、所定の長さL3は、第2のピン側受圧部29に作用する荷重に対しても十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。また、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側(図中の右上側)の位置に第2のウェイト側受圧部31が形成されている。第2のウェイト側受圧部31は、図5中における右上部に位置する第2のカウンタウェイト側頂部32を中心として周方向に延び、その長さは、第1のウェイト側受圧部27の周方向における長さL4と同じである。なお、所定の長さL4は、第2のウェイト側受圧部31に作用する荷重に対しても十分な受圧面積が確保できる長さに設定されている。
なお、これら第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31は、その全体が軸受けに摺接可能となっている。
他方のクランクアーム13は、一方のクランクアーム13と回転位相が120°異なっている。そのため、第2のピン側受圧部29は、第1のピン側受圧部25に対して反時計回りに120°位相がずれた位置に設けられている。また、第2のウェイト側受圧部31は、第1のウェイト側受圧部27に対して反時計回りに120°位相がずれた位置に設けられている。
他方のクランクアーム13は、一方のクランクアーム13と回転位相が120°異なっている。そのため、第2のピン側受圧部29は、第1のピン側受圧部25に対して反時計回りに120°位相がずれた位置に設けられている。また、第2のウェイト側受圧部31は、第1のウェイト側受圧部27に対して反時計回りに120°位相がずれた位置に設けられている。
クランクジャーナル11の外周面において、これら第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31の間には、周方向に延びる凹部19がそれぞれ形成されている。なお、これら凹部19は、クランクジャーナル11の軸方向において両端部を除いた部分に形成されている。すなわち、クランクジャーナル11の軸方向の両端部には、第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31と同様に軸受けに摺接する一対の第3の受圧部20が形成されている。
なお、第1のピン側受圧部25及び第2のピン側受圧部29が第1の受圧部に相当し、第1のウェイト側受圧部27及び第2のウェイト側受圧部31が第2の受圧部に相当する。
次に、本実施形態のクランクシャフトの作用について、説明する。
直列6気筒の内燃機関では、隣り合うクランクアーム13の回転位相が、例えば120°異なった状態で配設されている。そのため、クランクジャーナル11には、その外周面において、一方のクランクアーム13のクランクピン12側に位置する部分、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分、他方のクランクアーム13のクランクピン12側に位置する部分、及び同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分の4箇所に燃焼による圧力等に起因した荷重の大部分が作用することとなる。
直列6気筒の内燃機関では、隣り合うクランクアーム13の回転位相が、例えば120°異なった状態で配設されている。そのため、クランクジャーナル11には、その外周面において、一方のクランクアーム13のクランクピン12側に位置する部分、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分、他方のクランクアーム13のクランクピン12側に位置する部分、及び同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分の4箇所に燃焼による圧力等に起因した荷重の大部分が作用することとなる。
本実施形態では、クランクジャーナル11の外周面において、相対的に大きな荷重が作用する上記部分にそれぞれ第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31を形成している。そのため、こうした荷重が作用してクランクジャーナル11が軸受けに接触したとしても、その受圧面積を確保することができる。
また、クランクジャーナル11の外周面において、第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31の間に、周方向に延びる凹部19をそれぞれ形成している。そのため、クランクジャーナル11と軸受けと間隙が広くなり、クランクジャーナル11の回転抵抗が減少する。なお、凹部19が形成されている部分の軸方向の両端部に一対の第3の受圧部20を形成しているため、クランクシャフトの軸受け内での傾きが制限され、振動が抑制される。
以上説明した第二実施形態によれば、上記(1)の効果と同様の効果が得られるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを変更した以下の形態にて実施することもできる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第一実施形態では、第1の受圧部15の周方向の長さをL1とし、第2の受圧部17の周方向の長さをL1よりも短いL2とした。もっとも、第1の受圧部15及び第2の受圧部17に作用する荷重に対して十分な受圧面積を確保することができるのであれば、第2の受圧部17の周方向の長さL2をL1と同じ(L2=L1)にしてもよいし、L1よりも長く(L2>L1)してもよい。
・上記第一実施形態では、上側受圧部21と下側受圧部22の周方向における長さをそれぞれ第1の受圧部15と同じL1としていたが、クランクピン12側に位置する部分に作用する荷重がカウンタウェイト側に作用する荷重と同じである場合や、それよりも小さい場合等には、その周方向における長さをL2にする等、L1以下の長さにしてもよい。また、それらの周方向の長さをL1よりも長くするようにしてもよい。
・上記第一実施形態では、第2〜第4クランクジャーナル112〜114の全てに第1の受圧部15、21(22)、第2の受圧部17、22(21)、凹部19、及び第3の受圧部20を形成していたが、これに代えて、これらクランクジャーナル112〜114のうち1つ以上のクランクジャーナルにこうした受圧部及び凹部を形成するようにしてもよい。
・上記第二実施形態では、クランクジャーナル11を挟んで対向する一対のクランクアーム13の回転位相が120°異なる場合について説明したが、例えば回転位相が90°異なる場合等、それ以外の角度でクランクアーム13が配設される場合であっても、本クランクシャフトを適用することができる。こうした場合であっても、クランクジャーナル11の外周面において、一方のクランクアーム13におけるクランクピン12側に位置する部分、同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分、他方のクランクアーム13のクランクピン12側に位置する部分、及び同クランクアーム13のカウンタウェイト14側に位置する部分の4箇所にそれぞれ受圧部を形成するとともに、それら受圧部の間に凹部19を形成するようにすればよい。
・上記第二実施形態では、第1及び第2のピン側受圧部25、29の周方向の長さをそれぞれL3としたが、第1のピン側受圧部25の周方向の長さが第2のピン側受圧部29の周方向の長さと異なるようにしてもよい。また、第1及び第2のウェイト側受圧部27、31の周方向の長さをそれぞれL4としたが、第1のウェイト側受圧部27の周方向の長さが第2のウェイト側受圧部31の周方向の長さと異なるようにしてもよい。
・上記第二実施形態では、第1及び第2のピン側受圧部25、29の周方向の長さをL3とし、第1及び第2のウェイト側受圧部27、31の周方向の長さをL3よりも短いL4とした。もっとも、第1及び第2のピン側受圧部25、29、及び第1及び第2のウェイト側受圧部27、31に作用する荷重に対して十分な受圧面積を確保することができるのであれば、第1及び第2のウェイト側受圧部27、31の周方向の長さL4をL3と同じ(L4=L3)にしてもよいし、L3よりも長く(L4>L3)してもよい。
・上記各実施形態では、クランクジャーナル11の軸方向の両端に一対の第3の受圧部20を設けるようにしたが、クランクシャフトが軸受け内で傾くおそれがないのであれば、こうした部分を省略してもよいし、軸方向の一端にのみ設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、クランクジャーナル11の外周面の第1の受圧部及び第2の受圧部以外の部分において、その全周に亘って凹部19を設けるようにしたが、これらの凹部19を第1の受圧部と第2の受圧部との間の一部にのみ設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、直列4気筒や直列6気筒の内燃機関に具体化した例を示したが、例えば直列8気筒やV型6気筒等、他の内燃機関にも適用することができる。
次に、上記各実施形態から想起される技術的思想について、その効果とともに以下に追記する。
次に、上記各実施形態から想起される技術的思想について、その効果とともに以下に追記する。
(イ)前記外周面において前記凹部が形成される部分には、前記クランクジャーナルの軸方向における両端部に形成されて前記各受圧部を接続する一対の第3の受圧部を含む請求項1に記載のクランクシャフト。
上記構成によれば、クランクシャフトの軸受け内での傾きが制限され、振動を抑制することができる。
(ロ)前記第1の受圧部の前記外周面の周方向における長さが前記第2の受圧部よりも長い請求項1又は請求項2に記載のクランクシャフト。
(ロ)前記第1の受圧部の前記外周面の周方向における長さが前記第2の受圧部よりも長い請求項1又は請求項2に記載のクランクシャフト。
クランクジャーナルの外周面におけるクランクピン側に作用する荷重は、燃焼による圧力やクランクピンの回転による慣性力に起因したものであるため、カウンタウェイト側に位置する部分に作用するカウンタウェイトの回転に起因した慣性力よりも大きい。
その点、上記構成によれば、クランクジャーナルの外周面において、より大きな荷重が作用する部分の受圧面積を大きくすることができるため、軸受けとの接触圧を減少させてクランクジャーナルの偏摩耗をより好適に抑制することができる。
(ハ)前記各クランクアームは回転位相の異なる第1のクランクアーム及び第2のクランクアームからなり、
前記第1の受圧部は、前記第1のクランクアームのクランクピン側に位置する第1のピン側受圧部と、前記第2のクランクアームのクランクピン側に位置する第2のピン側受圧部とからなり、
前記第2の受圧部は、前記第1のクランクアームのカウンタウェイト側に位置する第1のウェイト側受圧部と、前記第2のクランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2のウェイト側受圧部とからなり、
前記凹部は、前記第1及び第2のピン側受圧部、及び前記第1及び第2のウェイト側受圧部の間に1つ以上形成されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のクランクシャフト。
前記第1の受圧部は、前記第1のクランクアームのクランクピン側に位置する第1のピン側受圧部と、前記第2のクランクアームのクランクピン側に位置する第2のピン側受圧部とからなり、
前記第2の受圧部は、前記第1のクランクアームのカウンタウェイト側に位置する第1のウェイト側受圧部と、前記第2のクランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2のウェイト側受圧部とからなり、
前記凹部は、前記第1及び第2のピン側受圧部、及び前記第1及び第2のウェイト側受圧部の間に1つ以上形成されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のクランクシャフト。
クランクジャーナルを挟んで対向する一対のクランクアームの回転位相が異なる場合には、こうした構成とすることで、クランクシャフトの偏摩耗を抑制できるとともに、燃費を改善することができる。
11…クランクジャーナル、112…第2クランクジャーナル、113…第3クランクジャーナル、114…第4クランクジャーナル、12…クランクピン、13…クランクアーム、132…第2クランクアーム、133…第3クランクアーム、134…第4クランクアーム、135…第5クランクアーム、14…カウンタウェイト、15…第1の受圧部、16…クランクピン側頂部、17…第2の受圧部、18…カウンタウェイト側頂部、19…凹部、20…第3の受圧部、21…上側受圧部(第1又は第2の受圧部)、22…下側受圧部(第2又は第1の受圧部)、23…上側頂部、24…下側頂部、25…第1のピン側受圧部(第1の受圧部)、26…第1のクランクピン側頂部、27…第1のウェイト側受圧部(第2の受圧部)、28…第1のカウンタウェイト側頂部、29…第2のピン側受圧部(第1の受圧部)、30…第2のクランクピン側頂部、31…第2のウェイト側受圧部(第2の受圧部)、32…第2のカウンタウェイト側頂部。
Claims (1)
- 対向する一対のクランクアームに挟まれたクランクジャーナルの外周面に、前記各クランクアームのクランクピン側に位置する第1の受圧部と、前記各クランクアームのカウンタウェイト側に位置する第2の受圧部と、前記各受圧部の間に位置して同外周面の周方向に延びる凹部とを有してなるクランクシャフト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012202454A JP2014055661A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | クランクシャフト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012202454A JP2014055661A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | クランクシャフト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014055661A true JP2014055661A (ja) | 2014-03-27 |
Family
ID=50613151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012202454A Pending JP2014055661A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | クランクシャフト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014055661A (ja) |
-
2012
- 2012-09-14 JP JP2012202454A patent/JP2014055661A/ja active Pending
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