JP2014055266A - 架橋されたポリ乳酸樹脂、樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本構成を有しない場合に比べ、成形体にしたとき、難燃性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂組成物は、クロロホルム中で測定されたゲル分率が30%以上である架橋されたポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、スチレン系樹脂(C)と、カルボジイミド化合物(D)と、リン系難燃剤(F)と、フッ素樹脂(G)と、を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋されたポリ乳酸樹脂、樹脂組成物及びその成形体に関する。
従来、電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性に優れることから用いられてきた。
一方、近年では、環境問題の観点から、上述の高分子材料に代えて、植物由来の材料であり、CO排出量が少なく、枯渇資源である石油の使用量が少なく、環境負荷が少ない生分解性樹脂、例えばポリ乳酸系樹脂材料を用いる検討がなされている。
例えば、特許文献1には、架橋ポリ乳酸系樹脂(A)100質量部と、ベンズオキサジノン化合物(B)0.1質量から3.0質量部とを含有してなる樹脂組成物が開示されている。また、架橋ポリ乳酸系樹脂(A)に架橋構造を導入する方法として、架橋剤として過酸化物の使用によるラジカル架橋が好ましく、架橋効率をあげるために、過酸化物とともに架橋助剤を使用することが望ましく、架橋助剤として、(メタ)アクリル酸エステル化合物が望ましいことが開示されている。
特許文献2には、ポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、スチレン系熱可塑性エラストマー(C)と、モノカルボジイミド化合物(D)と、多価カルボジイミド化合物(E)とを含有し、(A)と(B)の質量比率(A/B)が25/75〜90/10である樹脂組成物が開示されている。
特開2008−266470号公報 国際公開第2009/041054号パンフレット
本発明の課題は、本構成を有しない場合に比べ、成形体にしたとき、難燃性に優れた樹脂組成物、及び、その成形体、ならびに、その樹脂組成物に用いる架橋されたポリ乳酸樹脂を提供することにある。
本発明のポリ乳酸樹脂、樹脂組成物及びその成形体は、以下の特徴を有する。
(1)クロロホルム中で測定されたゲル分率が30%以上である、架橋剤と架橋助剤とで架橋されたポリ乳酸樹脂である。
(2)前記ゲル分率が30%以上80%以下である、上記(1)に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂である。
(3)前記架橋助剤がトリアジン環を持つ多官能性モノマーである、上記(1)または(2)に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂である。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、スチレン系樹脂(C)と、カルボジイミド化合物(D)と、リン系難燃剤(F)と、フッ素樹脂(G)と、を含有する、樹脂組成物である。
(5)上記(4)に記載の樹脂組成物を含む成形体である。
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、架橋されたポリ乳酸系樹脂を含有する樹脂組成物を成形体にしたときに、難燃性に優れる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、架橋されたポリ乳酸系樹脂を含有する樹脂組成物を成形体にしたときに、より引張り破断伸度に優れる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、架橋されたポリ乳酸系樹脂を含有する樹脂組成物を成形体にしたときに、より難燃性に優れる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、成形体にしたときに、より難燃性に優れる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、得られた樹脂組成物を成形体にしたときに、難燃性に優れた樹脂成形体が得られる。
以下、本発明におけるポリ乳酸樹脂、樹脂組成物及びその成形体の実施の形態を説明する。なお、本実施形態は本発明を実施するための一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[架橋されたポリ乳酸樹脂(A)]
ポリ乳酸樹脂は、植物由来であり、環境負荷の低減、具体的にはCOの排出量削減、石油使用量の削減効果がある。ポリ乳酸樹脂としては、乳酸の縮合体であれば、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸樹脂(以下「PLLA」ともいう)であっても、ポリ−D−乳酸樹脂(以下「PDLA」ともいう)であっても、それらが共重合やブレンドにより交じり合ったものでもよく、さらに、ポリ−L−乳酸樹脂とポリ−D−乳酸樹脂とを混合したものであり、これらのらせん構造がうまく噛み合った耐熱性の高い、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸樹脂(以下「SC−PLA」ともいう)であってもよい。また、ポリ乳酸樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製の「テラマックTE4000」、「テラマックTE2000」、「テラマックTE7000」、三井化学(株)製の「レイシアH100」、ネイチャーワークス社製の「Ingeo3001D」等が挙げられる。また、ポリ乳酸樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において、ポリ乳酸樹脂は樹脂組成物の主成分として含まれてもよい。ここで「主成分」とは、樹脂組成物全量に対して50質量%を超えることを意味する。
また、ポリ乳酸樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、例えば、8,000以上、200,000以下であり、15,000以上、120,000以下が好ましい。ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が8,000未満の場合、樹脂組成物の燃焼速度が速くなり、成形体にしたときに低温での機械的強度が低下する傾向があり、一方、ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が200,000を越える場合には、柔軟性が低下し、樹脂組成物のドリップ自消性が低下し、いずれの場合も成形体にしたときに難燃性が低下する傾向にある。なお、「ドリップ自消性」とは、樹脂組成物が熱によりたれて消失することを意味する。
樹脂組成物中におけるポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、樹脂組成物を液体窒素雰囲気下で冷却してその表面から測定用試料を削り取り、測定用試料を重水素化クロロホルムに0.1質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミッションクロマトグラフにて、分離されたポリ乳酸について測定した重量平均分子量を意味する。また、測定には、ゲルパーミッションクロマトグラフとして、東ソー社製「HLC−8220GPC」が用いられる。
本実施の形態における「架橋されたポリ乳酸樹脂(A)」は、上記ポリ乳酸樹脂に、架橋構造を導入したものであり、架橋構造は、少なくとも、以下に示す架橋剤と架橋助剤を用いることで得られる。
架橋剤としては、過酸化物が好ましく、過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられ、例えば、2,5−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名:「パーヘキサ(登録商標)25B」(日本油脂株式会社製、「パーヘキサ」は商標名である))が好適である。過酸化物の配合量は、上記ポリ乳酸系樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。上記範囲内で架橋剤を配合することで、ゲル分率30%以上の架橋されたポリ乳酸樹脂(A)が得られる。
架橋助剤としては、トリアジン環を持つ多官能性モノマーが用いられることが好ましく、トリアジン環を持つ多官能性モノマーとしては、例えば、トリアジン環を有するシアヌレート化合物が挙げられ、ジアリルモノグリシジルシソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
上述のトリアジン環を持つ多官能性モノマーからなる架橋助剤の配合量は、上記ポリ乳酸系樹脂100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2質量部以上1.5質量部以下である。上記範囲内で架橋助剤を配合することで、ゲル分率30%以上の架橋されたポリ乳酸樹脂(A)が得られる。
上述のポリ乳酸系樹脂に、過酸化物等の架橋剤、トリアジン環を持つ多官能性モノマー等の架橋助剤を配合する手段としては、一般的な押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で2軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(ポリ乳酸系樹脂の融点+5℃)から(ポリ乳酸系樹脂の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は20秒から30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となり、また高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きることがある。配合に際しては、固体状であればドライブレンドや粉体フィーダーを用いて供給する方法が好ましく、液体状の場合は、加圧ポンプを用いて、押出機のバレルに直接注入する方法が好ましい。
トリアジン環を持つ多官能性モノマー等の架橋助剤と過酸化物等の架橋剤を併用する場合の好ましい方法として、トリアジン環を持つ多官能性モノマー等および/または過酸化物等を媒体に溶解又は分散して混練機に注入する方法が挙げられ、操業性を格段に改良することができる。すなわち、ポリ乳酸樹脂成分と過酸化物等とを溶融混練中に、トリアジン環を持つ多官能性モノマー等の溶解液または分散液が注入されたり、前記ポリ乳酸樹脂を溶融混練中に、トリアジン環を持つ多官能性モノマー等と過酸化物等の溶解液又は分散液が注入されたりして溶融混練される。
トリアジン環を持つ多官能性モノマー等の架橋助剤および/または過酸化物等の架橋剤を溶解または分散させる媒体としては一般的なものが用いられ、特に限定されないが、例えば、難燃剤であるビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)からなるホスフェート難燃剤(大八化学工業(株)製「CR−741」)が用いられる。また、ポリ乳酸樹脂との相溶性に優れた可塑剤であってもよく、このような可塑剤としては、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などから選ばれた1種以上の可塑剤などが挙げられる。具体的な化合物としては、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルジグリコールサクシネート、グリセリンジアセトモノカプリレート、グリセリンジアセトモノラウレートなどが挙げられる。
上記ホスフェート難燃剤の使用量または可塑剤の使用量としては、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し30質量部以下、好ましくは、0.1質量部以上20質量部以下である。架橋剤の反応性が低い場合、可塑剤を使用しなくてもよいが、反応性が高い場合には0.1質量部以上用いることが好ましい。なお、この媒体は、樹脂との混合時に揮発することがあるため、たとえ製造時に使用しても、得られた樹脂組成物中にはこの媒体が含まれていない場合がある。
本実施の形態における「架橋されたポリ乳酸樹脂(A)」のゲル分率は、30%以上、好ましくは、30%以上80%以下であり、より好ましくは、35%以上70%以下である。この範囲のゲル分率にすることで、架橋されたポリ乳酸樹脂(A)を含む熱可塑性樹脂を成形体としたときに、得られた成形体の耐熱性、難燃性がより向上する。なお、ゲル分率の評価については、後述する。
[樹脂組成物]
本実施の形態における樹脂組成物は、架橋されたポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、スチレン系樹脂(C)と、カルボジイミド化合物(D)と、リン系難燃剤(E)と、フッ素樹脂(F)と、を含有する樹脂組成物である。
また、本実施の形態の樹脂組成物は、架橋されたポリ乳酸樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とスチレン系樹脂(C)との質量比率が、10/95/5から40/55/35であることが望ましい。上記質量比率の範囲内にすることで、環境に配慮され、且つ、耐熱性と難燃性に優れた樹脂組成物が得られる。
以下に、成分(B)成分から(F)成分について、詳細に説明する。なお、成分(A)は上述とおりであり、ここでの説明は省略する。
<ポリカーボネート樹脂(B)>
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるポリカーボネート(PC)樹脂は、1つまたは複数のモノマーの重縮合で得られ、少なくとも一つのカーボネート基を有するポリマーであればよく、特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート、ビスフェノールS型ポリカーボネート、ビフェニル型ポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、帝人化成社製の「L−1250Y」、出光興産社製の「A2200」、住友ダウ社製の「カリバー」(重量平均分子量:26000)等が挙げられる。また、ポリカーボネートは、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートの分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリカーボネートの重量平均分子量は、5,000以上30,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上25,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネートの重量平均分子量が5,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、ポリカーボネートの重量平均分子量が30,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
上記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー装置(島津製作所製Prominence GPC型)を用い、測定カラムにはShim−pack GPC−80Mを使用して測定されるものであり、本明細書に記載のものは該方法によって測定された数値である。
ポリカーボネートのガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、100℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、120℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネートのガラス転移温度が100℃未満の場合、耐熱性が不足する場合があり、ポリカーボネートのガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が不足する場合がある。
また、上記ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂の少なくとも1種と、スチレン系樹脂の少なくとも1種と、を組み合わせたアロイ樹脂として用いてもよい。
<スチレン系樹脂(C)>
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるスチレン系樹脂として、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
<カルボジイミド化合物(D)>
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるカルボジイミド化合物は、カルボジイミド基を1以上有する化合物であり、主としてポリ乳酸の加水分解を抑制し得る機能を有する。カルボジイミド化合物としては、低分子化合物でも高分子化合物でもよいが、高分子化合物が好ましい。このカルボジイミド化合物の質量平均分子量Mwは、500から60,000が好ましく、1,000から40,000が更に好ましい。また、カルボジイミド化合物の数平均分子量は、例えば500以上で、好ましくは1000以上更には1300以上が好ましく、2000以上が更に好ましい。数平均分子量が500未満であると、樹脂組成物の製造時において装置への供給が困難になる場合がある。また、カルボジイミド化合物の数平均分子量Mnの上限は例えば質量平均分子量Mwと同程度である。さらに、カルボジイミド化合物の多分散度Mw/Mnは、1.0から6.0が好ましい。また、カルボジイミド化合物のカルボジイミド基の含有量は、2から2,000個/分子が好ましく、2から500個/分子が更に好ましい。カルボジイミド化合物としては、分子量が500以下の低分子化合物では、「スタバクゾール1−LF」(ラインケミー社製)等が挙げられ、高分子化合物では市販の「カルボジライトLA−1」(日清紡製)が好ましい。なお、カルボジイミド基が1分子中に3個以上含むものをポリカルボジイミド化合物ともいう。
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるカルボジイミド化合物(D)の添加量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは、0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上5質量部以下で含有することが、本発明の目的を達成するために有効であり、5質量部以上では効果の改善はほとんどみられない。
<リン系難燃剤(E)>
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるリン系難燃剤(E)は、例えば、リン酸エステル系難燃剤や赤リン系難燃剤が挙げられ、リン酸エステル系難燃剤としては、トリ(ブチル化フェニル)ホスフェート(BuTPP)およびトリ(イソプロピル化フェニル)ホスフェート(PrTPP)とともに、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)などの芳香族有機リン酸エステル等が含まれ、無機リン系難燃剤としては赤リン等が挙げられる。さらに、リン系難燃剤の市販品としては、ブーテンハイム製の「TERRAJU C80」、クラリアント製の「EXOLIT AP422」、「EXOLIT OP930」等が挙げられる。
また、上記「リン酸エステル系難燃剤」としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「PX−200」、「PX−201」、「PX−202」、「CR−733S」、「CR−741」が挙げられ、ここで、「PX−200」は、縮合型リン酸エステル系難燃剤である。
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるリン系難燃剤(E)の添加量は、樹脂組成物全量に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、また、樹脂組成物全量に対して5質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。リン系難燃剤(F)が、樹脂組成物全量に対して5質量%以上30質量%以下であると、成型品の耐熱性、機械的強度を損なう不具合が抑制される。
<フッ素樹脂(F)>
本実施の形態の樹脂組成物に用いられるフッ素樹脂(F)は、物質分子中にフッ素を含有する樹脂であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体が好ましく、更にはポリテトラフルオロエチレンが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体も好ましく用いられる。ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂の重量平均分子量は10万から1000万の範囲のものが好ましく、とくに10万から100万の範囲のものがより好ましく、本発明の押出成形性と難燃性にとくに効果がある。ポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製の“テフロン(登録商標)”6−J、“テフロン(登録商標)”6C−J、“テフロン(登録商標)”62−J、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製の“フルオン”CD1やCD076などが市販されている。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の市販品としては、三菱レイヨン(株)から、“メタブレン(登録商標)”Aシリーズとして市販され、“メタブレン(登録商標)”A−3000、“メタブレン(登録商標)”A−3800などが市販されている。また、ポリテトラフルオロエチレンの“テフロン(登録商標)”6−Jなどは凝集し易いため、他の樹脂組成物と共にヘンシェルミキサーなどで機械的に強く混合すると凝集により塊が生じる場合があり、混合条件によってはハンドリング性や分散性に課題がある。一方、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は前記のハンドリング性や分散性に優れ、とくに好ましく用いられる。前記のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体とは、限定されるものではないが、特開2000−226523号公報で開示されているポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体などが挙げられ、前記の有機系重合体としては芳香族ビニル系単量体、アクリル酸エステル系単量体、及びシアン化ビニル系単量体を10質量%以上含有する有機系重合体などであり、それらの混合物でもよく、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は0.1質量%から90質量%であることが好ましい。
本実施の形態における樹脂組成物の全量に対するフッ素樹脂(F)の添加量は、好ましくは0.01質量部以上、10質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上、5質量部以下である。この範囲とすることで、成形性への影響を抑えながら難燃性をより向上させることができる。
<その他成分>
本実施の形態における樹脂組成物は、その他、補強材、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、その他の充填剤等を含有してもよい。
補強材としては、例えば、ガラスマイクロビーズ、炭素繊維、チョーク、石英、アスベスト、長石、雲母、タルク、ウォラストナイト、カオリン等が挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、炭素、二酸化珪素の他、アルミナ、シリカ、マグネシア、フェライト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、フラーレン等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を混合して使用してもかまわない。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ポリアミド、ポリ−β−アラニン共重合体、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン、シアノグアニジン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体等の塩基性窒素含有化合物等の窒素含有化合物;有機カルボン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等)、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等)、金属炭酸塩等のアルカリまたはアルカリ土類金属含有化合物;ゼオライト;ハイドロタルサイト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリチレート系、シュウ酸アニリド系等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、耐衝撃性が損なわれない範囲で、その他難燃剤を含有してもよい。その他難燃剤としては、シリコーン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機水酸化物系難燃剤等が挙げられる。その他難燃剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他難燃剤としては、合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。シリコーン系難燃剤の市販品としては、東レダウシリコーン製の「DC4−7081」等が挙げられる。窒素系難燃剤の市販品としては、三和ケミカル製の「アピノン901」、下関三井化学製の「ピロリンサンメラミン」、ADEKA製の「FP2100」等が挙げられる。無機水酸化物系難燃剤の市販品としては、堺化学工業製「MGZ300」、日本軽金属製「B103ST」等が挙げられる。
また、充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土などのクレイ、タルク、マイカ、モンモリナイト等が挙げられる。また、その他充填剤としては、メラミン含有粒子、ホスフェート粒子、酸化チタン等も挙げられる。その他充填剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、ポリ乳酸に予めクレイが添加された、例えば、ユニチカ(株)社製の「テラマックTE7000」を適用してもよい。
[成形体]
本実施の形態における成形体は、上述した本実施の形態における樹脂組成物を成形することにより得られる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形などの成形方法により成形して、本実施形態に係る成形体が得られる。本実施形態においては、成形体における成分の分散性の理由から、本実施形態の樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
前記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行う。この際、シリンダ温度としては、ポリ乳酸の分解抑制などの観点から、160℃以上、240℃以下とすることが好ましく、170℃以上、210℃以下とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性の観点から、30℃以上、120℃以下とすることが好ましく、30℃以上、60℃以下とすることがより好ましい。
<電子・電気機器の部品>
前述の本実施の形態における成形体は、例えば、機械的強度(耐衝撃性)、耐湿熱性及び難燃性などに優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので高い耐衝撃強度及び面衝撃強度が要求されるが、本実施形態の樹脂成形体によれば、このような要求特性が十分満足される。
以下実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[架橋されたポリ乳酸樹脂のゲル分率の評価]
後述のように調製された架橋されたポリ乳酸樹脂の各シートを、予め定められた量で、200メッシュのステンレス金網に包み、クロロホルム液の中で48時間煮沸したのちに、クロロホルムに溶解したゾル分を除いて残ったゲル分を得る。50℃で24時間、乾燥してゲル中のクロロホルムを除去し、ゲル分の乾燥重量を測定して、以下の式でゲル分率を計算する。
ゲル分率(%)=(ゲル分乾燥重量)/(初期乾燥重量)×100
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1:
2軸押出機(日本製鋼所社製:「TEX‐30α」)を使用して、トップフィーダから、商品名「Ingeo3001D」(ネイチャーワークス社製、重量平均分子量:150,000)のポリ乳酸樹脂100質量部を供給し、加工温度を190℃として、溶融混練押出しを行った。その際、混練機途中から、ポンプを用いて、架橋助剤としてのトリアジン環を有し、アリル基とエポキシ基を両方持つ多官能性モノマーの1種であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)を0.2質量部と、架橋剤としての過酸化物である商品名「パーヘキサ25B」(日本油脂社製)1.0質量部とを、難燃剤であるビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)からなるホスフェート難燃剤(大八化学工業株式会社製:「CR−741」)5.0質量部に溶解した溶液を注入した。そして、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−1)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−1)のゲル分率は、35%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−2:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の添加量を、0.8質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−2)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−2)のゲル分率は、78%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−3:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の添加量を、1.5質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−3)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−3)のゲル分率は、97%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−4:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の代わりに、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製:「タイク トリアリルイソシアヌレート」、「タイク」は登録商標である)を用いて、トリアリルイソシアヌレートの添加量を0.2質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−4)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−4)のゲル分率は、30%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−5:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の代わりに、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製:「タイク トリアリルイソシアヌレート」、「タイク」は登録商標である)を用いて、トリアリルイソシアヌレートの添加量を0.8質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−5)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−5)のゲル分率は、52%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−6:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の代わりに、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日立化成工業株式会社製:「FA−220M」)を用いて、ポリエチレングリコールジメタクリレートの添加量を0.2質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−6)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−6)のゲル分率は、2%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−7:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の代わりに、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日立化成工業株式会社製:「FA−220M」)を用いて、ポリエチレングリコールジメタクリレートの添加量を0.8質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−7)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−7)のゲル分率は、5%であった。
架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−8:
架橋助剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成工業株式会社製:「DA−MGIC」)の代わりに、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製:「タイク トリアリルイソシアヌレート」、「タイク」は登録商標である)を用いて、トリアリルイソシアヌレートの添加量を0.15質量部に変更した以外は、上記「架橋されたポリ乳酸樹脂の調製例A−1」に準じて調製し、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−8)を得た。得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−8)のゲル分率は、25%であった。
実施例1:
表2に示す組成(すべて「質量部」にて表示)で、得られた架橋されたポリ乳酸樹脂(A−1)と、ポリカーボネート樹脂(B)として商品名「カリバー」(住友ダウ社製、重量平均分子量:26000)と、スチレン系樹脂(C)であるABS樹脂(商品名「AT−08」、日本エイアンドエル社製、重量平均分子量:83,500)と、カルボジイミド化合物(D)として商品名「カルボジライトLA−1」(日清紡ケミカル株式会社製)と、リン酸系難燃剤(E)として商品名「PX−200」(大八化学工業株式会社製)と、フッ素樹脂(F)として(商品名「テフロン30J」、三井デュポンフルオロケミカル社製)を混合したのち、2軸押出機(日本製鋼所社製:「TEX‐30α」)のホッパーに供給し、シリンダ温度およびダイス温度210℃、スクリュー回転数250rpm、ベント吸引度100MPa、並びに吐出量10kg/hで溶融混練しペレットを得た。
得られたペレットは80℃で4時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、射出成形機によりシリンダ温度220℃で射出成型した。金型温度は110℃にて50秒間冷却後、60℃まで急冷するヒートアンドクール成型にて実施し、所定の評価用試験片を得た。
実施例2から実施例9,比較例1から比較例3:
表2に示す組成で、架橋されたポリ乳酸樹脂(A−1)からプレポリマー(A−8)からなる群から1種の架橋されたポリ乳酸樹脂を選択し、さらに、ポリカーボネート樹脂(B)、スチレン系樹脂(C)、カルボジイミド化合物(D)、リン酸系難燃剤(E)およびフッ素樹脂(F)の、成分(A)から成分(F)を、表2に示す割合で配合した以外は、上記実施例1に準じて、評価用試験片を得た。
比較例4:
表2に示す組成(すべて「質量部」にて表示)で、未架橋のポリ乳酸樹脂(商品名「Ingeo3001D」(ネイチャーワークス社製、重量平均分子量:150,000))と、ポリカーボネート樹脂(B)、スチレン系樹脂(C)、カルボジイミド化合物(D)、リン酸系難燃剤(E)およびフッ素樹脂(F)の、成分(A)から成分(F)を、表2に示す割合で配合した以外は、上記実施例1に準じて、評価用試験片を得た。
<測定・評価>
得られた試験片を用いて、下記各測定・評価を行った。表2に結果を示す。
(熱変形温度)
ASTM D648の試験法規格に決められた荷重(1.8MPa)を与えた状態で、試験片の温度をあげていき、たわみの大きさが規定の値になる温度(荷重たわみ温度:DTUL)を測定した。
(引張強度および引張破断伸度)
成形体の引張強度および引張破断伸度を、JIS K−7113に準じて測定した。尚、成形体として、射出成形により得られたJIS1号試験片(厚さ4mm)を用いた。
(耐衝撃性の試験方法)
ISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したものを用い、JIS K7111に準拠して、デジタル衝撃試験機(東洋精機製、DG−5)により、持ち上げ角度150度、使用ハンマー2.0J、測定数n=10の条件で、MD方向にシャルピー耐衝撃強度(単位:kJ/m)を測定した。シャルピー耐衝撃強度は、数値が大きい程、耐衝撃性に優れていることを示す。
(難燃性に関する燃焼試験)
UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ1.6mm)を用い、UL−94に規定の方法に準拠して、UL−Vテストを実施し、「試験片の燃え難さの度合いを測定した。ここで、UL−94規格の難燃性の度合いは、難燃性の低い順から高い順に、V−2,V−1,V−0,5VB,5VAになっている。
<V−2,V−1,V−0の試験方法>
上記3種類とも共通に、垂直に保持した試験片の下端に、10秒間ガスバーナーの炎を接炎させる。燃焼が30秒以内に止まったならば、さらに10秒間接炎させる。なお、判定基準は、燃焼性UL−94規格に準じる。
<5VBの試験方法>
垂直に保持した試験片の下端(あるいは水平に保持した試験片の下綿中央)に5秒間ガスバーナーの炎を接炎させた後に5秒間離す操作を5回繰り返す。なお、判定基準は、燃焼性UL94規格に準じる。
Figure 2014055266
Figure 2014055266
本発明の活用例として、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの樹脂成形体への適用がある。

Claims (5)

  1. クロロホルム中で測定されたゲル分率が30%以上である、架橋剤と架橋助剤とで架橋されたポリ乳酸樹脂。
  2. 前記ゲル分率が30%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂。
  3. 前記架橋助剤がトリアジン環を持つ多官能性モノマーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の架橋されたポリ乳酸樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、スチレン系樹脂(C)と、カルボジイミド化合物(D)と、リン系難燃剤(F)と、フッ素樹脂(G)と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物を含む成形体。
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