「粘着性テープ材が剥離性台紙に貼り付けられた形態のテープ品」では、使用に際して粘着性テープ材を正確に台紙から剥ぎ取る操作が必要である。具体的には、粘着性テープ材の縁を爪などで引っ掛けて台紙から剥ぎ取る操作が必要であり、必ずしもスムーズな操作となっていない。また、そのような剥取り操作ゆえ、テープ材の縁部分が損なわれる虞がある。更には、剥取りおよび瞼皮膚への貼り付けに際しては指が粘着部に触れ、所望の粘着性が損なわれてしまう虞もある。
一方、「粘着性テープ材が剥離部材で包囲された形態のテープ部品」では、使用に際して指が粘着性部分に触れる可能性が回避されているものの、実際に瞼皮膚に取り付けられる粘着性テープ材の形態が、使用者または使用時ごと変わってしまう可能性がある。具体的には、特許第3277180号公報に開示されているテープ品の場合、両端部を左右に引っ張って粘着性テープ材を引き伸ばして使用する。それゆえ、粘着性テープ材が十分に引き伸ばされずに使用されてしまう可能性や、あるいは、必要以上に引き伸ばして粘着性テープ材が切れてしまう可能性が考えられ得る。更にいえば、特許第3277180号公報のテープ品は、あくまでも「延伸後の伸縮力」を利用して二重まぶたを形成するものである。それゆえ、当該公報でいう“伸縮力(張力)”が働くように粘着性テープ材を常に引っ張った状態で瞼に貼り付ける必要があり、使用時の操作性は必ずしも良いとはいえない(つまり、引き伸ばした後に手元がゆるんでテープの収縮力が働かない状態でまぶたへと取り付けられる可能性がある)。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものである。つまり、本発明の主たる目的は、使用時の操作(具体的には「実際に瞼皮膚へと供される形態を得るための操作」)が比較的簡易であって、かつ、使用者・使用時に依らずに一定の使用形態を得ることができる二重まぶた形成品を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明では、二重まぶた形成品であって、
非延伸性ストリップ材、
非延伸性ストリップ材の少なくとも片面に設けられた接着剤層、および
接着剤層上に設けられた保護層および把持部層
を有して成り、
二重まぶた形成品の両端側に把持部層が位置付けられる一方、その両端側よりも内側に保護層が位置付けられ、また
保護層と把持部層とは非面一となっていることを特徴とする、二重まぶた形成品が提供される。
本発明に係る二重まぶた形成品の特徴の1つは、「両端側に設けられている把持部層」と「内側に設けられている保護層」との厚み差によって段差部が形成されていることである。つまり、二重まぶた形成品では、かかる“段差部”に起因して保護層と把持部層とが非面一となっている。
本発明における「非延伸性」は、二重まぶた形成品の使用時にてストリップ材を延ばして(伸ばして)使用されることのないものであることを意図している。よって、本明細書で用いる「非延伸性」とは、使用時に使用者によって不可避的に加えられる力程度では実質的に伸びることのない特性のことを意味している。換言すれば、仮に材料固有の性質として延伸可能・伸ばすことが可能な材料(例えばプラスチックなど)から成るストリップ材であったとしても、本発明ではストリップ材は使用時に延ばされない(伸ばされない)。「非延伸性のストリップ材」が本発明における“非延伸”であるか否かを判断する1つの尺度として、“伸び率確認試験”が挙げられる。具体的には、以下に示す“伸び率確認試験”におけるストリップ材の伸び率が6.0%以下になるものが本発明における“非延伸”に相当する。
伸び率確認試験
・ストリップ材寸法(長さ[L0]×幅×厚さ):40mm以上×0.4mm×30μm
・試験荷重:100g重
・試験条件:室温下(23℃)にてストリップ材の一端に100gの重りをつり下げて10秒間保持した後に伸び率(%)を測定(40mmの標線を付し、100gの重りを釣り下げて10秒間保持した後の標線間の距離を測定)
伸び率(%)=(L1−L0)/L0×100
L0:荷重をかける前のストリップ材の長さ
L1:荷重をかける後のストリップ材の長さ(上記“試験条件”に付した後の長さ)
このような“非延伸性”のストリップ材が用いられている本発明の二重まぶた形成品は使用時に引き伸ばして使用されることが意図されていない。
また、本明細書で用いる「把持部層」における“把持部”とは、使用に際して指などによって把持される部分を実質的に意味している。
更に、本明細書で用いる「保護層」とは、接着剤層を外界雰囲気から遮断しておくための層(特に「未使用時にて接着剤層を保護しておくための層」)を実質的に意味している。換言すれば、本発明における「保護層」は、使用に際して二重まぶた形成品から最終的に取り外される部材のことを意味している。
本発明の二重まぶた形成品では、接着剤層上に保護層と把持部層とが相互に密接して配置されていることが好ましい。特に接着剤層上にて保護層と把持部層とが相互にオーバーラップしないように相互に隣接して配置されていることが好ましい。尚、把持部層については、その把持部層の一部のみが接着剤層上に設けられている態様であってもよい。つまり、本発明における「接着剤層上に設けられた把持部層」といった状態は、把持部層の少なくとも一部が接着剤層上に設けられた態様を意味している。
ここで、本発明の二重まぶた形成品では、“非面一”に起因して保護層の端面が少なくとも部分的に露出していることが好ましい。ここでいう「端面」とは、保護層端部に位置する保護層外面(保護層の長手方向に沿った法線を有する保護層外面)のことを実質的に意味している。
ある1つの好適な態様では、接着剤層が非延伸性ストリップ材の少なくとも両面に設けられており、その両面に設けられた接着剤層の各々に対して保護層および把持部層が設けられている。つまり、非延伸性ストリップ材の両面側にてそれぞれ接着剤層、保護層および把持部層が設けられている。ある1つの好適な態様では、保護層の端面における「露出面」は4つ存在している。即ち、未使用時にて二重まぶた形成品の露出している保護層端面は4つ存在し得る。かかる4つの露出面のうち2つは、非延伸性のストリップ材を介して相互に対向する位置に設けられていることが好ましい。つまり、“対を成す2つの露出面”は非延伸性のストリップ材を挟むように相互に対向する位置に設けられていることが好ましい。
別のある好適な態様では、保護層の端面における「露出面」は指当て部分として用いられる。即ち、二重まぶた形成品において“露出している保護層端面”は保護層取外しのための指当て部分(即ち「指当て面」)となることが好ましい。これは、使用者は指を「露出面」に当接させて二重まぶた形成品から保護層を取り外せることを間接的に意味している。
保護層の端面における「露出面」の寸法は、上記“指当て部”として好適なものとなっている。例えば、二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った“露出面高さ寸法h”は、二重まぶた形成品の厚さ寸法Hの15%〜55%(例えば、19%〜40%、35%〜55%もしくは35%〜50%)となっていることが好ましい。また、かかる露出面の寸法につき、二重まぶた形成品の幅方向に沿った“露出面幅寸法w”は、露出面高さ寸法hの80%〜250%(例えば、100%〜230%、90%〜170%もしくは110%〜160%)であることが好ましい。尚、本明細書で用いる「二重まぶた形成品の厚さ寸法H」とは、保護層が設けられている部分における二重まぶた形成品の厚さのことを意味している(即ち、把持部層が設けられている両端部分ではない内側部分(例えば、中央部分)における二重まぶた形成品厚さのことを意味している)。
ある1つの好適な態様では、二重まぶた形成品の長手寸法が、55mm〜85mmとなっている。特に、保護層の長手寸法は、形成される二重まぶたの長さに相当することが好ましい。例えば、保護層の長手寸法が40mm〜70mm、好ましくは45mm〜70mm(例えば45mm〜65mmもしくは35mm〜55mm)となっていてよい。つまり、本発明の二重まぶた形成品では、引き伸ばしたりせず、当初の細長形状のまま瞼皮膚に使用される。
別のある1つの好適な態様では、二重まぶた形成品の短手寸法が0.6mm以下(例えば0.55mm以下もしくは0.50mm以下、1つ例示すると0.4mm)となっている。つまり、本発明に係る二重まぶた形成品は、従前に存在する粘着性テープ材よりも極めて細いものとなっている。
本発明では、上述の二重まぶた形成品を製造するための方法も提供される。かかる本発明の二重まぶた形成品の製造方法は、
(i)非延伸性シートの少なくとも片面に接着剤層が設けられた粘着シート部材を用意する工程、
(ii)粘着シート部材の接着剤層上に帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bを設けて積層体(「二重まぶた形成品のための前駆部材」)を形成する工程、ならびに
(iii)帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bの短手方向に沿って積層体を裁断する工程
を含んで成り、
工程(ii)では、「帯状シート部材Bよりも厚さ寸法の大きい帯状シート部材A」が「帯状シート部材Aよりも厚さ寸法の小さい帯状シート部材B」によって両側から挟みこまれるように、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを整列して配置し、
工程(iii)の裁断によって、二重まぶた形成品の両端部側に位置する把持部層を帯状シート部材Bから形成する一方、把持部層よりも内側に位置する保護層を帯状シート部材Aから形成する。
かかる本発明の製造方法の特徴の1つは、粘着シート部材上に設ける非粘着性の部材として、厚さの異なる2種類のシート部材を用いることである。具体的には、工程(ii)において「相対的に厚さ寸法の大きい帯状シート部材A」の両側に「相対的に厚さの小さい帯状シート部材B」を配置する。これにより「両端側に位置付けられる把持部層」と「その内側に設けられている保護層」との厚み差に起因した“非面一”を形成する。換言すれば、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとの厚み寸法差によって保護層の端面が部分的に露出した露出面を形成するといえる。
本明細書で用いる「帯状シート部材」とは、一方向に長く延在したシート部材を実質的に意味している。このような“帯状”部材としては、長手寸法が短手寸法よりも少なくとも1.5倍(即ち、1.5倍以上)となっている長尺シート部材を例示することができる。
本発明の製造方法では、生産性を上げるためより多くの帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bを使用してもよい。具体的には、工程(ii)では帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを交互に整列するように配置し、かつ、工程(iii)の裁断(帯状シート部材AおよびBの短手方向に沿った裁断)に先立っては、帯状シート部材Bをその長手方向に沿って二分割するような裁断を行ってもよい。
本発明の製造方法の工程(ii)では、粘着シート部材上に帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを相互に密接するように配置することが好ましい。特に、粘着シート部材上において帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとが相互にオーバーラップしないように相互に密接して配置することが好ましい。
ある1つの好適な態様において、工程(i)では非延伸性シートの両面に接着剤層が設けられた粘着シート部材を用意し、また、工程(ii)では、その非延伸性シートの両面に設けられた接着剤層の各々に帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bを設けて積層体を形成する。かかる場合、工程(ii)において、二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った露出面(保護層の端面における「露出面」)の高さ寸法hが、製造される二重まぶた形成品の厚さ寸法Hの15%〜55%となるように、帯状シート部材Bよりも相対的に厚さの大きい帯状部材Aを用いることが好ましい。つまり、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとの厚み寸法差によって保護層の端面が“露出面”を形成するところ、本発明の製造方法では、二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った露出面の高さ寸法hが二重まぶた形成品の厚さ寸法Hの15%〜55%となるような厚み寸法差を備えた帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを用いることが好ましい。
別のある1つの好適な態様では、「二重まぶた形成品によって形成される二重まぶたの長さ」に相当する短手寸法を備えた帯状シート部材Aを用いる。特に、短手寸法が40mm〜70mm、好ましくは45mm〜70mm(例えば45mm〜65mm)となった帯状シート部材Aを用いてよい。
更に別のある1つの好適な態様では、工程(iii)において、0.6mm以下(例えば0.55mm以下もしくは0.50mm以下、1つ例示すると0.4mm)の間隔で裁断(帯状シート部材AおよびBの短手方向に沿った裁断)を行う。これにより、従前のテープ品よりも極めて細い二重まぶた形成品を製造することができる。
工程(iii)の裁断を行うための刃に対してエアー供給を行ってもよく、特に刃先に対してエアーを吹きつけながら裁断を行ってよい。例えば、工程(iii)の裁断を行うための刃(可動刃)と積層体とが相互に接する箇所(裁断時に接する箇所)にエアーを供給しながら裁断を行ってよい。更には、可動刃を振動させながら裁断を行ってもよい。
本発明に係る二重まぶた形成品では、使用時の操作が比較的簡易であって、かつ、使用者・使用時に依存せず一定の使用形態を得ることができる。具体的には、瞼皮膚への貼付けに先立って行われる“保護層の取外し(剥離除去)”が比較的容易になっていると共に、“最終的に瞼皮膚へと供される形態”が使用時の取外し操作に依らず一定となっている。
前者について詳述すると、本発明の二重まぶた形成品では、使用に際して行う剥離操作を、保護層端面の「露出面」を利用して行うことができる。より具体的には、図6〜図8に示すように、把持部層を一方の指(一方の手の指)で把持した状態で、他方の指(他方の手の指)を露出面に当てて二重まぶた形成品の長手方向へとスライド移動させると、保護層を容易に取り外すことができる。つまり、図示するように、一方の指で把持部層を摘んでおいて、露出面に当接するように保護層(特に「非延伸性のストリップ部材の両面に設けられた一対の保護層」)を他方の指先で同様に摘むようにスライド移動させると、一対の保護層を二重まぶた形成品から削ぎ取ることができる。
後者についていえば、本発明の二重まぶた形成品は、非延伸性のストリップ材を用いており、保護層の剥離操作や瞼皮膚への取付けに際して引き伸ばして使用されない。それゆえ、実際に瞼皮膚に供される“二重まぶた形成品の形態”が実質的に常に一定となる。このように使用時の形態が一定になると、使用者の違いや、同じ使用者でも使用時ごとの違いによる影響が減じられる。つまり、本発明の二重まぶた形成品では、使用者や使用時などに依存しない安定した二重瞼形成を行うことができ、結果として、所望の二重瞼形成をより安定的に実施することができる。この点、本発明の二重まぶた形成品は、引き伸ばして使用されず、それゆえに比較的長い形態(特に、実際に形成される二重瞼の長さ以上の長手寸法を有する“非常に細長い形態”)を有するものの、その取扱いは容易なものとなっている。具体的には、非常に細長い形態であるがゆえ、その使用操作が難しいことが想定されるものの、本発明の二重まぶた形成品では、長尺形態の保護層の取外し操作を上記の如く簡単に行うことが可能となっており、取扱い性(使用時の操作性)は実質的に損なわれていない。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照番号で示している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さなど)は実際の寸法関係を正確に反映するものではない。更に、本明細書で間接的に触れている“方向”については、非延伸性ストリップ材上に接着剤層や保護層・把持部層が積層される方向を“上方向”としている。
[本発明の二重まぶた形成品]
(二重まぶた形成品の構成)
本発明の二重まぶた形成品100の外観図および断面図を図1および図2に示す。また、二重まぶた形成品100の展開図を図3に示す。図示するように、本発明の二重まぶた形成品100は、全体的に細長い形態を有している。つまり、二重まぶた形成品100の形態は全体として長尺形態となっている(図2では、長手方向長さを一部省略して示している点に留意されたい)。
本発明の二重まぶた形成品100は積層構造を有している。具体的には、図1の断面図および図3の展開図に示すように、二重まぶた形成品100は、非延伸性ストリップ材10、接着剤層20、保護層30および把持部層40を有して成る。より具体的には、非延伸性ストリップ材10の少なくとも片面(即ち、非延伸性ストリップ材の主面Aおよび/または主面B)に接着剤層20が設けられており、その接着剤層20上に保護層30および把持部層40が設けられている。特に、保護層30および把持部層40については、二重まぶた形成品の両端側に把持部層40が位置付けられている一方、その両端側よりも内側に保護層30が位置付けられている。保護層30と把持部層40とは、それぞれの端面が相互に密接する(即ち“接する”)ように横並びで配置されていることが好ましい。図示する態様から分かるように、保護層30と把持部層40とは相互に重なり合うことはないものの(即ち、オーバーラップしていないものの)相互に隣り合うように配置されていることが好ましい。換言すれば「相対的に外側(端部側)に位置付けられた把持部層40」と「相対的に内側(中央側)に位置付けられた保護層30」とが相互に厚み方向にて重なり合うことがないように相互に隣接して配置されている。
特に図2に明確に示されるように、本発明の二重まぶた形成品100では保護層30と把持部層40とが“非面一”となっている。つまり、図示されるように「両端側に位置付けられている把持部層40」と「その把持部層よりも内側に設けられている保護層30」との厚み差によって段差部が形成されている。ここで、本発明にいう「非面一」とは、“保護層30の表面”と“把持部層40の表面”とが同一平面上にないことを実質的に意味している。つまり、本発明においては「保護層30の主面(特に外側主面)を構成する表面30A」と「把持部層40の主面(特に外側主面)を構成する表面40A」とが同一平面上に位置付けられていない(図2参照)。
このような保護層30と把持部層40との厚み差による“非面一”に起因して、本発明の二重まぶた形成品100では、保護層30の端面が露出している。つまり、“保護層の長手方向に沿った法線を有する保護層外面”が露出している。図示されるように保護層30と把持部層40とが相互に密接して配置されている場合を例にとると、保護層30の端面が部分的に露出している。つまり、保護層30と把持部層40とが相互に密接して配置されているものの、保護層30と把持部層40との厚み差に起因して、保護層30の端面が全て隠れた状態となっていない。
本発明において「露出している」とは、保護層30の主面30Aと把持部層40の主面40Aとのレベル差(特に保護層30および把持部層40の厚み差による“非面一”)に起因して、保護層30の端面が把持部層40の主面40Aよりも上側に位置する部分を有していることを実質的に意味している(例えば図2参照)。図1〜図3に示されるように、ある好適な態様では保護層30の端面の一部が“保護層30と把持部層40との接合部分”から延在するように露出している。このような“非面一”に起因した保護層端面の「露出面」(即ち、「部分的な露出面」)は、本発明に係る二重まぶた形成品100の特徴の1つである。
本発明の二重まぶた形成品100は、全体として極細の形態を有している。具体的には、二重まぶた形成品100の長手方向長さ(図3に示す“L”)は、好ましくは約55mm〜約85mm、より好ましくは約55mm〜約80mm、更に好ましくは約65mm〜約80mmであり、二重まぶた形成品100の短手方向長さ(図3に示す“W”)は、好ましくは約0.1mm〜約0.6mm、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mm、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mm(例えば約0.35mm〜約0.45mm)である。
二重まぶた形成品100の非延伸性ストリップ材10は、非延伸性の材質から成る細長い部材である。「非延伸性」とは、使用(例えば保護層の剥離操作や剥離除去後の瞼皮膚への装着操作など)に際して使用者によって不可避的に加えられる力程度では実質的に延びない特性のことを意味している。例えば、特許第3277180号公報に開示されているテープ品で使用時に加えられ得る力程度では延びない特性のことを意味している。より具体的には、ストリップ材10の“非延伸性”は、以下の“伸び率確認試験”における伸び率が6.0%以下になるものを指している。このような観点に鑑みると、本発明にいう「非延伸性」は「非伸長性」または「延伸防止性もしくは伸長防止性(延伸もしくは伸長が抑制された特性)」とも称すこともできる。
伸び率確認試験
・ストリップ試験材の寸法(長さ[L0]×幅×厚さ):40mm×0.4mm×30μm
・試験荷重:100g重
・試験条件:室温下(23℃)にてストリップ試験材の一端に100gの重りをつり下げて10秒間保持した後に伸び率(%)を測定(40mmの標線を付し、100gの重りを釣り下げて10秒間保持した前後の標線間の距離を測定)
伸び率(%)=(L1−L0)/L0×100
L0:荷重をかける前のストリップ試験材の長さ
L1:荷重をかける後のストリップ試験材の長さ(“試験条件”に付した後の長さ)
ちなみに、本明細書で用いる「ストリップ材」とは、細長い形状部材(長尺部材)のことを意味している。特に本発明では短手寸法aに対する長手寸法bが少なくとも50倍(即ち、50倍以上)、好ましくは少なくとも50倍(即ち、80倍以上)、更に好ましくは少なくとも100倍(即ち、100倍以上)となるような非常に細長い形状部材のことを意味している(図3参照)。
非延伸性ストリップ材10の材質は、上記説明にあるような「非延伸性」な材質であれば、いずれの材質であってもよい。例えば、非延伸性ストリップ材10の材質は、プラスチック材、ガラス材、金属材およびセラミック材などから成る群から選択される少なくとも1種以上を含んで成るものであってよい。但し、使用時(特に瞼装着時)に必要以上に目立つことを回避する点に鑑みれば、非延伸性ストリップ材10の材質としては透明な材質または白色系の材質であることが好ましい。あくまでも例示にすぎないが、非延伸性ストリップ材10のためのプラスチック材としてはポリプロピレン材、ポリエステル材、ナイロン材、アセテート材、セロハン材を用いてよい。そのような材質は本発明でいう“非延伸”なものであればいずれの種類であってもよい。付言しておくと、非延伸性ストリップ材10としてプラスチック材が用いられる場合、あくまでも上記“伸び率確認試験”での伸び率が6.0%以下となる条件を満たすプラスチック材を用いる。
非延伸性ストリップ材10は、薄層形態(非常に薄い形態)を有していることが好ましい。それゆえ、非延伸性ストリップ材10の厚さは、好ましくは約5μm〜約150μm、より好ましくは約20μm〜約80μm、更に好ましくは約20μm〜約50μmである。
また、非延伸性ストリップ材10は、“ストリップ”ゆえ、上記の如く非常に細長い形状を有している。この点、非延伸性ストリップ材10の長手寸法Lストリップ長手(図3参照)は、好ましくは約55mm〜約85mm、より好ましくは約60mm〜約85mm、更に好ましくは約60mm〜約80mmである。一方、非延伸性ストリップ材10の短手寸法Lストリップ短手(図3参照)は、好ましくは約0.1mm〜約0.6mm、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mm、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mm(例えば約0.5mmもしくは約0.4mm)である。
二重まぶた形成品100の接着剤層20は、非延伸性ストリップ材10上に設けられている。使用に際しては保護層30が取り除かれ、その取り除かれた部分の接着剤層20が瞼皮膚に対して直接的に貼り付けられることになる。
接着剤層20は、非延伸性ストリップ材の少なくとも片面に設けられているものである。ここでいう「少なくとも片面に設けられている」とは、接着剤層20が非延伸性ストリップ材の2つの主面(即ち、図3の“主面A”および“主面B”)の少なくとも一方に設けられている態様を意味していると共に、ストリップ材10の側面部分および/または端面部分にも接着剤が設けられてもよいことを実質的に意味している。特に後者についていえば、本発明の二重まぶた形成品100は、接着剤層20が部分的に積層構造体からはみ出した形態となっていてもよい。同様にして、本発明で用いる「少なくとも両面に設けられている」とは、接着剤層20が非延伸性ストリップ材の2つの主面AおよびBに設けられているだけでなく、ストリップ材10の側面部分および/または端面部分にも接着剤が設けられてもよいことを実質的に意味している。
接着剤層20は、瞼皮膚に対して粘着性を有するものであれば、いずれの接着剤から構成されていてもよい。但し、非延伸性ストリップ材の材質と同様、装着時に必要以上に目立つことを回避する点に鑑みれば、透明な材質または白色系の接着剤が好ましい。1つの例示にすぎないが、接着剤層20は感圧性接着剤から成ることが好ましい。かかる感圧性接着剤層20の材質は、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤から成る群から選択される少なくとも1種以上の感圧性接着剤を含んで成るものであってよい。
接着剤層20も、非延伸性ストリップ材10と同様、薄層形態(非常に薄い形態)を有していることが好ましい。それゆえ、接着剤層20の厚さは、好ましくは約2.5μm〜約75μm、より好ましくは約10μm〜約40μm、更に好ましくは約15μm〜約35μmである。
接着剤層20は、非延伸性ストリップ材10上の対向する2つの主面に設けられている。それゆえ、非延伸性ストリップ材10と同様、接着剤層20の長手寸法L接着剤長手(図3参照)は、好ましくは約55mm〜約85mm、より好ましくは約60mm〜約85mm、更に好ましくは約60mm〜約80mmであり、接着剤層20の短手寸法L接着剤短手(図3参照)は、非延伸性ストリップ材の短手寸法と同様、好ましくは約0.1mm〜約0.6mm、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mm、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mm(例えば約0.5mmもしくは約0.4mm)である。
二重まぶた形成品100の把持部層40は、接着剤層20上に設けられている。把持部層40は、二重まぶた形成品を瞼皮膚に取り付ける際に指などによって把持される部分である。上述したように、把持部層40は、保護層30と密接するように二重まぶた形成品の両端側に設けられていることが好ましい。より具体的には、把持部層40の一方の端面(内側に位置する端面)が保護層30の一方の端面に接するような形態で把持部層40が端部側に設けられていることが好ましい。
把持部層40は、図1〜図3に示すように、その下の接着剤層20から特にはみ出すことのない形態を有していてよく、それゆえ、把持部層40の輪郭と接着剤層20および/または非延伸性ストリップ材10の輪郭とが共通するような形態で把持部層40が設けられていてよい。つまり、非延伸性ストリップ材10および接着剤層20と一体的に細長い二重まぶた形成品の端部を構成するように把持部層40が設けられていてよい。尚、非延伸性ストリップ材10の上側主面と下側主面に設けられた接着剤層20の各々の両端部に把持部層40が設けられる場合、二重まぶた形成品100では合計で4つの把持部層40が設けられることになる。
把持部層40の材質は、使用者に対して非接着性を供するものであれば、いずれのものであってよい(但し、接着剤層に対しては把持部層の材質は接着性を有し得る)。例えば、把持部層40の材質は、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、上質紙、グラシン紙、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)から成る群から選択される少なくとも1種以上の材質を含んで成るものであってよい(更にいえば、メラミン樹脂、フェノール樹脂および/またはウレタン樹脂などを含んで成るものであってよい)。あくまでも1つの例示にすぎないが、把持部層40はルミラー(登録商標)、PVCシートあるいはPETシートから成るものであってもよい。
把持部層40も、非延伸性ストリップ材10や接着剤層20などと同様、薄層形態を有していることが好ましい。特に本発明における把持部層40は、同じく接着剤層20上に設けられる保護層30よりも厚さが薄くなっている。つまり、把持部層40の厚さと保護層30の厚さとを比べると、把持部層40の厚さの方が小さくなっている。例えば、把持部層40の厚さは、好ましくは約10μm〜約300μm、より好ましくは約30μm〜約250μm、更に好ましくは約50μm〜約250μmである。
把持部層40は、接着剤層20の一部に設けられているものであるので、接着剤層20の長手方向よりも短い寸法を有している。例えば、把持部層40の長手寸法L把持部層長手(図3参照)は、好ましくは約6.0mm〜約12.5mm、より好ましくは約7.0mm〜約11mm、更に好ましくは約7.5mm〜約10.5mmとなっている。尚、把持部層40の短手寸法L把持部層短手(図3参照)は、非延伸性ストリップ材および接着剤層の短手寸法と同様、好ましくは約0.1mm〜約0.6mm、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mm、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mm(例えば約0.5mmもしくは約0.4mm)である。
二重まぶた形成品100の保護層30も、把持部層40と同様に接着剤層20上に設けられている。保護層30は、未使用時にて接着剤層を保護しておくための層である。つまり、保護層30は、未使用時には接着剤層を外部雰囲気から遮断するように二重まぶた形成品に設けられているが、使用時においては(即ち、二重まぶた形成品を瞼皮膚に取り付ける際に)剥離されて取り除かれる。上述したように、保護層30は、把持部層40の内側に位置するようにその把持部層40に密着した形態となっていることが好ましい。より具体的には、2つの把持部層40に挟まれるようにその把持部層40に密着する形態となるように保護層30が設けられていることが好ましい。つまり、保護層30の2つの端面が2つの把持部層40のそれぞれの端面(内側に位置する端面)と接するような形態で保護層30が設けられていることが好ましい。
保護層30は、図1〜図3に示すように、その下の接着剤層20から特にはみ出さずに設けられていることが好ましい。それゆえ、保護層30の輪郭と接着剤層20および/または非延伸性ストリップ材10の輪郭とが共通するような形態で保護層30が設けられていることが好ましい。つまり、非延伸性ストリップ材10および接着剤層20と一体的に細長い二重まぶた形成品の胴部分を構成するように保護層30が設けられていることが好ましい。尚、非延伸性ストリップ材10の上側主面と下側主面に設けられている接着剤層20の各々に保護層30が設けられる場合、合計で2つの保護層30(即ち、一対の保護層)が設けられることになる。
保護層30の材質は、未使用時にて接着剤層を保護し、使用時にてその接着剤層から剥離できるものであれば、いずれのものであってよい(特に、保護層30は、未使用時にて二重まぶた形成品の胴部を構成すべく接着剤層に対してある程度の接着性を有しているものの、使用時ではその接着剤層から取り外されるので、ある程度の離型性をも有し得る)。それゆえ、保護層は、剥離紙、剥離シートまたは剥離フィルムの形態であってよい。そのような保護層30の材質は、例えば、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、上質紙、グラシン紙、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂およびフッ素樹脂から成る群から選択される少なくとも1種以上の材質を含んで成るものであってよい(更にいえば、メラミン樹脂、フェノール樹脂および/またはウレタン樹脂などを含んで成るものであってよい)。
保護層30も、非延伸性ストリップ材10や接着剤層20などと共に積層構造を構成している。この点、本発明における保護層30は、同じく接着剤層20上に設けられる把持部層40よりも大きな厚みを有している。つまり、把持部層40の厚さと保護層30の厚さとを比べると、保護層30の厚さの方が大きくなっている。例えば、保護層30の厚さは、好ましくは約50μm〜約1500μm、より好ましくは約200μm〜約800μm、更に好ましくは約250μm〜約550μmである。
保護層30は、接着剤層20の一部に設けられるものであるので、接着剤層20の長手方向よりも短い寸法を有している。しかしながら、その保護層30の下に位置する接着剤層部分20A(図3参照)は、実際の二重まぶた形成に寄与するものであるので、それに適した長さ(特に長手方向寸法)を有している。特に本発明では接着剤層部分20Aは引き伸ばさずにそのまま瞼皮膚に貼り付けられ、それによって、二重まぶたが形成される。それゆえ、保護層30の長手寸法は、形成される二重まぶたの長さに相当する長さを有し得る。例示すると、実際に形成したい二重まぶたの長さが約Pmmであると、保護層30の長手寸法は、0.85Pmm〜1.30Pmm、例えば0.90Pmm〜1.15Pmmであってよい。具体的な数値で例示すると、例えば、保護層30の長手寸法L保護層長手(図3参照)は、好ましくは約40mm〜約70mm、より好ましくは約45mm〜約70mm、更に好ましくは約45mm〜約65mmとなっている。尚、保護層30の短手寸法L保護層短手(図3参照)は、非延伸性ストリップ材および接着剤層の短手寸法と同様、好ましくは約0.1mm〜約0.6mm、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mm、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mm(例えば約0.5mmもしくは約0.4mm)である。
(二重まぶた形成品の“露出面”)
本発明の二重まぶた形成品は、保護層30と把持部層40とが“非面一”となっていることに起因して、保護層の端面が少なくとも部分的に露出している(図4および図5参照)。つまり、把持部層40が保護層30の端面に隣接して存在するものの、保護層30の厚みが大きいので、保護層の端面が把持部層40に隠れることなく見える形態となっている。換言すれば、本発明の二重まぶた形成品では、保護層30が把持部層40に重なり合うことなく全体として積層方向に出っ張るような形態となっている。
保護層の端面の「露出面」は使用時にて指当て部分として用いられる。即ち、“露出している保護層端面”は保護層剥離のための指当て部分となる。使用者は指を「露出面」に当接させて二重まぶた形成品から保護層を取り外すことができる。
具体的には、図6〜図8に示すように、把持部層を一方の指(一方の手の指)で把持した状態で、他方の指(他方の手の指)を“露出面”に当てて二重まぶた形成品の長手方向へとスライド移動させると、保護層が容易に取り外される。つまり、図示するように、 “露出面”に当たるように指先で一対の保護層を摘み、その指でもって“露出面”を支点にして保護層に対し「長手方向に沿った力」を加えると、二重まぶた形成品から保護層を裂くように簡単に取り外すことができる。
図2および図4に示すように、「露出面」は好ましくは4つ存在している。即ち、未使用時において二重まぶた形成品の“露出している保護層端面”は好ましくは4つ存在している。かかる4つの露出面のうち2つは、非延伸性のストリップ材を中心にして相互に対向する位置に設けられていることが好ましい(図4参照)。つまり、“対を成す2つの露出面”は非延伸性のストリップ材を挟むように相互に対向する位置に設けられていることが好ましい。これによって、その「対を成す2つの露出面」を摘むように指先を露出面にあてがうことができ、その結果、「長手方向に沿った力」を保護層に効果的に加えやすくなる。つまり、そのように摘んだまま指先を長手方向へとスライド移動させるだけで、保護層をより簡易に取り外すことができる。尚、「対を成す2つの露出面の組合せ」は、二重まぶた形成品の両サイドに設けられているので、保護層の取外しは、いずれの側からも行うことができる。
保護層の端面における「露出面」の寸法について例示すると、例えば二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った“露出面高さ寸法h”(図4)は、好ましくは40μ〜1350μm、より好ましくは100μm〜700μm、更に好ましくは150μm〜450μmであり、二重まぶた形成品の幅方向に沿った“露出面幅寸法w”は、好ましくは100μ〜600μm、より好ましくは200μm〜550μm、更に好ましくは300μm〜550μmである。
保護層の端面における「露出面」は、“指当て部”として用いられる。従って、露出面の寸法は“指当て部”として特に好適なものとなっていることが好ましい。かかる“指当て部”の点を特に重視すれば、二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った“露出面高さ寸法h”(図4)は、二重まぶた形成品の厚さ寸法Hの15%〜55%(例えば、19%〜40%、35%〜55%もしくは35%〜50%)となっていることが好ましい。また、同様に“指当て部”の点を特に重視すれば、二重まぶた形成品の幅方向に沿った“露出面幅寸法w” (図4)は、露出面高さ寸法hの80%〜300%(例えば、80〜250%、100%〜230%、90%〜170%もしくは110%〜160%)であることが好ましい。このような「露出面」の寸法であると、指先を“露出面”により当て易くなり、その結果、「長手方向に沿った力」を保護層により効果的に加えやすくなる。尚、“露出面高さ寸法h”と、“露出面幅寸法w”との関係は種々のものが考えられる。具体的には、図9(a)に示すように“露出面高さ寸法h”と“露出面幅寸法w”とが実質的に同じであってもよいものの、図9(b)および(e)に示すように“露出面高さ寸法h”が“露出面幅寸法w”よりも小さいものであってもよいし、あるいは、図9(c)および(d)に示すように、“露出面高さ寸法h”が“露出面幅寸法w”よりも大きいものであってもよい。図9(c)および(d)の場合、“露出面幅寸法w”に対する“露出面高さ寸法h”の比は必要以上に大きくないことが好ましい。なぜなら、かかる比が必要以上に大きいと、摘むように指先を露出面にあてがう際に二重まぶた形成品が不本意に軸中心に回転運動してしまう可能性があるからである。その観点からいえば、例えば“露出面幅寸法w”に対する“露出面高さ寸法h”の比(h/w)は、好ましくは1.8以下(即ち1.0(1.0を含まず)〜1.8)、より好ましくは1.7以下(即ち1.0(1.0を含まず)〜1.7)、更に好ましくは1.6以下(即ち1.0(1.0を含まず)〜1.6)、例えば1.4以下(即ち1.0(1.0を含まず)〜1.4)となっている。
[本発明の製造方法]
次に、本発明の製造方法について説明する。かかる製造方法は、上述した二重まぶた形成品を製造するための方法である。まず、工程(i)として、非延伸性シートの少なくとも片面に接着剤層が設けられた粘着シート部材を用意する。例えば、非延伸性シートの少なくとも片面に接着剤を塗布することによって「非延伸性シートの両面に接着剤層が設けられた粘着シート部材」を形成する。あるいは、市販されている「粘着シート部材」をそのまま用いてもよい。つまり、非延伸性シートの片面または両面に予め接着剤層が設けられた粘着シート部材(好ましくは接着剤層が剥離シートで覆われている部材)を利用してもよい。
非延伸性シートは、最終的には裁断されることによって“非延伸性ストリップ材”を構成するものである。従って、用いられる非延伸性シートは、“非延伸性ストリップ材”に関して上述したのと同じ材質および厚さを有していることが好ましい。同様にして、非延伸性シートに設けられる接着剤層は、最終的には二重まぶた形成品の接着剤層20を構成するものであるので、接着剤層20に関して上述したのと同じ材質および厚さを有していることが好ましい。
工程(i)に引き続いて工程(ii)を実施する。即ち、粘着シート部材上に非粘着性の帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bを設けて積層体を形成する。この工程では、「帯状シート部材Bよりも厚さ寸法の大きい帯状シート部材A」が「帯状シート部材Aよりも厚さ寸法の小さい帯状シート部材B」によって両側から挟みこまれるように、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとをそれらの長手方向が整列するように配置する。帯状シート部材Aは、最終的には二重まぶた形成品の保護層30を構成するものであるので、保護層30に関して上述したのと同じ材質および厚さを有していることが好ましい。一方、帯状シート部材Bは、最終的には二重まぶた形成品の把持部層40を構成するものであるので、把持部層40に関して上述したのと同じ材質および厚さを有していることが好ましい。
次いで、工程(iii)として、帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bの短手方向に沿って積層体を裁断する。これにより、把持部層が帯状シート部材Bから形成され、保護層が帯状シート部材Aから形成され、所望の二重まぶた形成品を得ることができる。
このような本発明の製造方法は、図10(a)〜(i)、図11(a)〜(e)および図12に示されるプロセス態様でもって実施することができる。つまり、生産性を上げるべく、より多くの帯状シート部材Aおよび帯状シート部材Bを使用したプロセス態様でもって、複数の二重まぶた形成品を一括して製造できる。図示する態様から分かるように、かかるプロセス態様は、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを交互に並置した後、“帯状シート部材の短手方向の裁断”に先立って、帯状シート部材Bをその長手方向に沿って二分割するプロセスに相当し得る。
まず、図10(a)に示すように、「非延伸性シート10’の両面に接着剤層20’が設けられていると共に、その一方の片面側の接着剤層20’が剥離シート55で覆われている粘着シート部材50」を用意する。
次いで、ロール状に巻かれた粘着シート部材50を引き出し、それによって露出させた接着剤層20’に対して(図10(b)参照)、帯状シート部材Aの前駆シート30’’を貼り付ける。かかる前駆シート30’’は、図10(c)および(d)に示すように、後刻にて帯状シート部材A(30’)が得られるようにシート部材30’’’に対して予め切り込み部35’’を入れたシートであることが好ましい。図10(e)は、このような前駆シート30’’が粘着シート部材50の一方の主面に設けられた形態を示している。
引き続いて、粘着シート部材50の他方の主面における剥離シート55を取り外し(図10(f)参照)、それにより露出させた接着剤層20’に帯状シート部材Aの前駆シート30’’を同様に貼り付ける(図10(g)参照)。
次いで、図10(h)〜(i)および図11(a)〜(c)に示すように、両面の前駆シート30’’から余剰部分38’’を切り込み部35’’に沿って除去し、接着剤層20’の上に複数の帯状シート部材A(30’)を離隔状態で設ける。帯状シート部材B(40’)は、各々の帯状シート部材A(30’)を挟むようにその両側に設ける。好ましくは、図10(i)および図11(c)に示すように、帯状シート部材A(30’)と帯状シート部材B(40’)とは、それらの側面が相互に接するように並置する。
粘着シート部材の両主面に帯状シート部材A(30’)と帯状シート部材B(40’)とを設けた後は、図11(d)に示すように、帯状シート部材Bがその長手方向に沿って二分割されるように、積層体100’’を裁断する。かかる裁断によって、図11(e)に示すような長尺形態のサブ積層体100’が得られる。
最終的には、図12に示すように、帯状シート部材A(30’)および帯状シート部材B(40’)の短手方向に沿ってサブ積層体100’を裁断すると、所望の二重まぶた形成品100を複数得ることができる。
かかる本発明の製造方法の特徴の1つは、粘着シート部材上に設ける部材として、厚さの異なる2種類のシート部材を用いることである。つまり、本発明の製造方法では、「相対的に厚さ寸法の大きい帯状シート部材A」の両側に「相対的に厚さの小さい帯状シート部材B」を配置しており、それによって、二重まぶた形成品において“非面一”を得ている。つまり、帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとの厚み寸法差によって保護層の端面が部分的に露出した露出面を形成する。
特に、“非面一”に起因して形成される「保護層端面の露出面」は“指当て部”として用いられ得るので、それに適した厚み差の帯状シート部材AおよびBを用いることが好ましい。具体的には、二重まぶた形成品の厚さ方向に沿った露出面の高さ寸法が二重まぶた形成品の厚さ寸法の15%〜55%となるような厚み寸法差を備えた帯状シート部材Aと帯状シート部材Bとを用いることが好ましい。
ここで、本発明の製造方法では、帯状シート部材Aの短手寸法が「二重まぶた形成品における保護層の長手寸法」に相当する。つまり、帯状シート部材Aの短手寸法は「二重まぶた形成品によって形成される二重まぶたの長さ」に相当する。それゆえ、帯状シート部材Aとしては、その短手寸法が好ましくは約40mm〜約70mm、より好ましくは約45mm〜約70mm、更に好ましくは約45mm〜約65mmとなったものを用いることが好ましい。
本発明の製造方法においては、従前のテープ品よりも極めて細い二重まぶた形成品を製造することができる。具体的には、最終的に実施される「帯状シート部材AおよびBの短手方向に沿った裁断(図12参照)」を非常に細かい間隔で行うことができる。より具体的には、帯状シート部材AおよびBの短手方向に沿った裁断を、好ましくは約0.1mm〜約0.6mmの間隔、より好ましくは約0.2mm〜約0.55mmの間隔、更に好ましくは約0.3mm〜約0.55mmの間隔、例えば約0.5mmもしくは約0.4mmの間隔で行うことができる(かかる裁断間隔は図12で“間隔a”として表している)。
ここで、非常に細かい裁断を行うために、図13に示すように、ガス圧を加えることが好ましい。具体的には、刃先にエアーを吹きつけながら裁断を行うことが好ましく、より好ましくは図示するように、裁断を行うための刃(可動刃70)と積層体とが接する箇所74にエアーを供給しながら裁断を行う。これにより、接着剤層の巻き込みを減じて非常に細かい裁断を行うことができる。つまり、細かい裁断であっても「接着剤層に起因して裁断したものが刃に引っ付いて所望の裁断が妨げられる」といった不都合を回避することができる。また、非常に細かい裁断を行うために、図14に示すように刃を振動させながら裁断を行ってもよい。つまり、振動させた刃でもって裁断を行うと、接着剤層の巻き込みを減じて非常に細かい裁断を行うことができる。これらの手段は単独で用いてよいものの、必要に応じて適宜組み合わせてもよい(図15参照)。
[二重まぶた形成品の使用態様]
本発明の二重まぶた形成品の使用態様について説明しておく。まず、図6(a)および(b)に示すように、把持部層を一方の手の指で把持した状態で、“露出面”に当てて他方の手の指で保護層(一対の保護層)を摘み、そのまま“他方の手の指”を二重まぶた形成品の長手方向へとスライド移動させる。これより、“露出面”を介して保護層に対して「長手方向に沿った力」を好適に加えることができ、結果的に、二重まぶた形成品から一対の保護層を簡単に取り外すことができる(図7(a)参照)。保護層が取り外されると、その下層に設けられていた接着剤層が部分的に露出する。引き続いて、図7(b)に示すように、両端部の把持部層を指で摘み、露出した接着剤層部分を瞼皮膚上に二重まぶた形成品を貼り付ける(図8参照)。これにより、貼り付けられた“本発明品”によって瞼に皺が形成され、結果的に二重まぶたが得られることになる。
本発明の二重まぶた形成品は、保護層の取外しや瞼皮膚への取付けに際して引き伸ばして使用されないものであり、それゆえ、実際に瞼皮膚に供される“二重まぶた形成品の形態”が実質的に常に一定となる。これについて図16および図17を用いて説明する(尚、この図16および図17は、あくまでも1つの使用例を示したものにすぎないことに留意されたい)。図16(a)に示すように、二重まぶた形成品を瞼皮膚上に貼り付けた後、図16(b)に示すように把持部分をハサミで切断して切り落とす。次いで、指先などで、貼り付けた二重まぶた形成品を外側から押さえ付ける(図16(c)および(d)参照)、これにより、図17に示すように所望の二重瞼が最終的に形成される。「貼り付けた二重まぶた形成品を外側から押さえ付ける」に際しては、図18(a)に示すように目尻側から目頭側へと一方向に沿って押圧してもよいし、あるいは、図18(b)に示すように目頭側から目尻側へと一方向に沿って押圧してもよい。更には、図18(c)に示すように、中央から目頭側および眼尻側へとそれぞれ押圧してもよい。尚、必要に応じて、図19に示すようなプッシャー部材70を用いてよく、また、瞼の開閉動作なども併せて行ってよい。プッシャー部材70を用いる場合には、二重瞼を形成したい瞼皮膚に跡(凹部)を予め形成しておき、その“跡”に位置付けられるように二重まぶた形成品を貼り付けることが好ましい。尚、あくまでも1つの参考例にすぎないが、プッシャー部材70を使用して二重まぶたを形成する態様を図20に示しておく。図20に示される態様から分かるように、本発明の二重まぶた形成品(特に“露出した接着剤層部分”)は、細い形態を有しており、それゆえに、外力や瞼の開閉動作などによって容易に皮膚に食い込むことができ、きれいな二重まぶたを形成できる。
ここで、本発明の二重まぶた形成品では、「貼り付けた二重まぶた形成品を外側から押さえ込む操作」などを特に付加的に行わなくても、貼り付けた時に二重まぶたを形成することも可能である。これは、上述と同様、本発明の二重まぶた形成品は非常に細く、皮膚への食い込みが容易となっているからであり、貼り付け操作によって二重まぶたが好適に形成され得る。
上記の如く本発明の二重まぶた形成品は引き伸ばして使用されず、実際に皮膚に供される“二重まぶた形成品の形態”が実質的に常に一定となるので、使用者の違いや、同じ使用者でも使用時ごとの違いの影響が減じられている。つまり、本発明の二重まぶた形成品では、使用者や使用時などに依存しない安定した二重瞼形成を行うことができ、結果として、所望の二重瞼をより安定的に形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の態様が考えられることを当業者は容易に理解されよう。例えば以下の態様が考えられる。
上述においては、特に「非延伸性ストリップ材の両面に接着剤層が設けられ、その両面に設けられた接着剤層の各々に対して保護層および把持部層が設けられている態様」を中心に説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、図21に示すように、「非延伸性ストリップ材10の片面にのみ接着剤層20が設けられ、その片面に設けられた接着剤層に対してのみ保護層30および把持部層40が設けられている態様」であってもよい。かかる態様であっても、保護層30と把持部層40との“非面一”に起因して段差部が形成されているので、保護層の剥離操作を好適に行うことができ、好適な二重瞼形成に資する。
また、上述においては、“対を成す2つの露出面”がストリップ材を挟むように対向している態様について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、図22に示すように、“対を成す2つの露出面”が、対向する位置から互いにずれて設けられていてもよい。つまり、保護層取り外し操作の観点などから(例えば指先がより自然に露出面にあてがうことができるように)、二重まぶた形成品の端面からの露出面の設置位置は適宜調整してもよい。
更に、二重まぶた形成品が略直線形態を有している態様について説明してきたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば図23に示すように、予め湾曲した形態の二重まぶた形成品であってもよい。つまり、二重まぶた形成品が瞼皮膚上の輪郭に合わせて予め湾曲した形態を有していてもよい。
更には、上述においては、接着剤層上に保護層と把持部層とが相互に密接して配置された態様を中心に説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、図24に示すように、保護層30と把持部層40との“非面一”に起因して段差部が形成されるものであれば、保護層30と把持部層40とは互いに離隔していてもよい。かかる態様であっても、保護層端面の「露出面」は形成されるので、それを“指当て部”として同様に用いることができる。
また、把持部層は、その一部のみが接着剤層上に設けられている態様であってもよい。つまり、図25に示すように、二重まぶた形成品は非延伸性ストリップ材および接着剤層の端部領域が部分的に切り取られた形態を有するものであってよい。かかる態様は、図25から分かるように、把持部層の一部のみが非延伸性ストリップ材上に位置している態様に相当する。このような態様では、粘着剤層が相対的に短くなるので、二重まぶた形成品の側部から露出する粘着剤層面が少なくなり、二重まぶた形成品同士の不都合な引っ付きを効果的に低減することができる。かかる態様の二重まぶた形成品を得るには、上述の本発明の製造方法の工程(ii)にて、帯状シート部材Bの一部のみが粘着シート部材の接着剤層上に設けられるように積層体を形成すればよい。また、かかる態様における「二重まぶた形成品の長手寸法」は、保護層と把持部層(2つ分)との双方の長手方向寸法を足し合わせた寸法に相当し得る。
本発明に従って「二重まぶた形成品」を作製し、その効果を確認した。
(二重まぶた形成品の作成)
以下の条件で二重まぶた形成品を作製した(図26の左側参照)。
ケースA
● 二重まぶた形成品
・二重まぶた形成品の全長(長手方向長さ):約70mm
・二重まぶた形成品の幅寸法:約0.5mm
● 非延伸性ストリップ材
・材質:ポリプロピレン(硬くてコシあるPP)
・長手方向長さ寸法:約70mm
・短手方向長さ寸法:約0.5mm
・厚さ寸法:約40μm
● 接着剤層(非延伸性ストリップ材の両面)
・材質:アクリル系粘着剤
・長手方向長さ寸法:約70mm
・短手方向長さ寸法:約0.5mm
・厚さ寸法:約20μm
● 保護層(上側および下側の2つ)
・材質:シリコン樹脂
・長手方向長さ寸法:約50mm
・短手方向長さ寸法:約0.5mm
・厚さ寸法(上側および下側の各々):約400μm
● 把持部層(上側および下側の各両端部の4つ)
・材質:ポリエステル
・長手方向長さ寸法:約10mm
・短手方向長さ寸法:約0.5mm
・厚さ寸法(上側および下側の各両端部):約75μm
● 非面一に起因した“露出面”
・個数:4つ(対向する一対の組合せが2組)
・露出面高さ寸法:約325μm
・露出面幅寸法:約500μm
ケースB
● 二重まぶた形成品
・二重まぶた形成品の全長(長手方向長さ):約76mm
・二重まぶた形成品の幅寸法:約0.4mm
● 非延伸性ストリップ材
・材質:ポリプロピレン(硬くてコシあるPP)
・長手方向長さ寸法:約76mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約30μm
● 接着剤層(非延伸性ストリップ材の両面)
・材質:アクリル系粘着剤
・長手方向長さ寸法:約76mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約20μm
● 保護層(上側および下側の2つ)
・材質:シリコン樹脂
・長手方向長さ寸法:約60mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各々):約400μm
● 把持部層(上側および下側の各両端部の4つ)
・材質:ポリ塩化ビニル(PVCフィルム)
・長手方向長さ寸法:約8mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各両端部):約200μm
● 非面一に起因した“露出面”
・個数:4つ(対向する一対の組合せが2組)
・露出面高さ寸法:約200μm
・露出面幅寸法:約400μm
ケースC
● 二重まぶた形成品
・二重まぶた形成品の全長(長手方向長さ):約76mm
・二重まぶた形成品の幅寸法:約0.4mm
● 非延伸性ストリップ材
・材質:ポリプロピレン(硬くてコシあるPP)
・長手方向長さ寸法:約76mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約30μm
● 接着剤層(非延伸性ストリップ材の両面)
・材質:アクリル系粘着剤
・長手方向長さ寸法:約76mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約30μm
● 保護層(上側および下側の2つ)
・材質:シリコン樹脂
・長手方向長さ寸法:約60mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各々):約400μm
● 把持部層(上側および下側の各両端部の4つ)
・材質:ポリ塩化ビニル(PVCフィルム)
・長手方向長さ寸法:約8mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各両端部):約200μm
● 非面一に起因した“露出面”
・個数:4つ(対向する一対の組合せが2組)
・露出面高さ寸法:約200μm
・露出面幅寸法:約400μm
ケースD
● 二重まぶた形成品
・二重まぶた形成品の全長(長手方向長さ):約76mm
・二重まぶた形成品の幅寸法:約0.4mm
● 非延伸性ストリップ材
・材質:ポリプロピレン(2軸延伸PP)
・長手方向長さ寸法:約68mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約30μm
● 接着剤層(非延伸性ストリップ材の両面)
・材質:アクリル系粘着剤
・長手方向長さ寸法:約68mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法:約30μm
● 保護層(上側および下側の2つ)
・材質:シリコン樹脂
・長手方向長さ寸法:約60mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各々):約400μm
● 把持部層(上側および下側の各両端部の4つ/保護層と密接した状態で設けられているものの、把持部層の半分のみが接着剤層上に設けられている)
・材質:ポリエステル
・長手方向長さ寸法:約8mm
・短手方向長さ寸法:約0.4mm
・厚さ寸法(上側および下側の各両端部):約75μm
● 非面一に起因した“露出面”
・個数:4つ(対向する一対の組合せが2組)
・露出面高さ寸法:約325μm
・露出面幅寸法:約400μm
(二重まぶた形成品の使用)
上記条件で作製された二重まぶた形成品(ケースA〜D)を実際に使用した。具体的には、図6(a)および(b)に示すように、把持部層を一方の手の指で把持した状態で、他方の手の指で“露出面”に当たるように保護層(一対の保護層)を摘み、そのまま“他方の手の指”を二重まぶた形成品の長手方向に沿ってスライド移動させると、保護層を削ぎ取るように容易に取り外すことができた(図26の右側参照)。
保護層を取り外した二重まぶた形成品を、図8に示すように引き伸ばすことなく瞼皮膚に貼り付けた。貼り付けられた二重まぶた形成品はいわゆる“極細”であるので、結果的に皮膚に好適に食い込み、所望の二重まぶたを形成することができた(図27および図28参照)。