JP2014053368A - 耐加水分解性導電フィルムおよびそれを用いたバックシート - Google Patents

耐加水分解性導電フィルムおよびそれを用いたバックシート Download PDF

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Abstract

【課題】耐加水分解性フィルムと配線との密着性を高め、大気バリア性、耐候性、導電性に優れる耐加水分解性導電フィルム、及び、その導電フィルムを用いる太陽電池向けの優れたバックシートを提供する。
【解決手段】耐加水分解性フィルム1の表面にコロナ放電処理もしくはプラズマ処理を行い、その処理表面にビニル系樹脂5を設け、第一層に乾式成膜によりニッケル合金層2の形成、続いて第二層に乾式成膜により銅金属層3の形成、さらに第三層に湿式メッキにより銅被覆層4を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は大気バリア性と耐候性、導電性に優れたフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)はバリア性に優れ、また透明性が高いので飲料用容器や食料用保護フィルムとして広く用いられている。また、安価であることも使われる理由である。
近年、そのPETを屋外で使う動きが出てきているが、通常のPETはバリア性、水により反応し生成物ができるため屋外での使用には向かなかった。その理由は、PETに含まれる芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルが一般的に分子鎖中のエステル結合が水と反応して分子量が低下して力学、機械的な特性が低下するためである。近年、それらの特性を改善して屋外でも使用できる耐加水分解性PETが開発された(例えば、特許文献1)。
このフィルムの応用として代表的な物は、太陽電池向けのバックシートなどの屋外層部材がある。太陽電池用バックシートとして耐加水分解性フィルムを用いた製品は広く検討されている。
特許文献2には耐候性、耐加水分解性を有する基材フィルム上に、透明プライマー層、無機化合物からなる蒸着層、オーバコート層と、耐熱性を有するフィルムを積層してなる太陽電池用バックシートが記載されている。
特許文献3には基材フィルムの表面にバリア層を設けた積層ユニット同士を接着剤でバリア層同士が対向するように貼り合わせた太陽電池用バックシートが記載されている。
特許文献4には基材に白色乳化剤を含有するPETフィルムと第一の水性ラテックス層と第一の無機蒸着層とを順番に連続してなる第一の積層ユニットと末端カルボキシル基量が5当量/tonから40当量/tonの加水分解性PETフィルムと第二の水性ラテックス層と第二の無機蒸着層とを順番に連続してなる第二の積層ユニットを接着剤を介して第一の無機蒸着層側と第二の無機蒸着層側が対向するように配置された太陽電池用バックシートが記載されている。
近年、太陽電池セルを複数並設して直列に接続するときに、太陽電池セルのP型電極とN型電極を共に裏面に設けることで、受光部側に電極を設ける必要がないバックコンタクト型太陽電池が開発されている(特許文献5)。
これにより、受光効率も向上するとともに外観も良好となる。ここで、太陽電池セル同士を繋ぐ配線は、例えば耐加水分解性フィルムに銅箔を貼り付けたものを配線加工した配線シートが用いられている。
特開平11−140287号公報 特開2008−227203号公報 特開2008−130647号公報 特開2011−171417号公報 特開2005−011869号公報
しかし、上記配線シートでは耐加水分解性フィルムと銅箔を貼り合わせているため、微細なエッチングができない、接着剤残りが発生するなどの問題を有していた。
この課題を解決するには、耐加水分解性フィルムに直接配線を設けることが考えられ、これにより接着剤による銅箔の貼り合わせをしなくなるため、上記問題は発生しない。しかし、耐加水分解性フィルムに直接配線を設けるには、耐加水分解性フィルムと配線の密着性に問題があった。
本発明者は上記課題を解決するため、耐加水分解性フィルムに密着性の優れた配線を形成する方法について鋭意研究を行った。
その結果、耐加水分解性フィルムの表面にコロナ放電処理もしくはプラズマ処理による密着性を高める表面処理を行い、ついで、ビニル系樹脂をコートし、より密着性を高めて、スパッタ法、蒸着法などによるニッケル合金層を形成し、次にスパッタ法、蒸着法などで銅金属層を形成し、その後、湿式メッキにより銅被覆層を形成することにより、耐加水分解性フィルムに密着性の優れた銅配線が得られることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
本発明の第1の発明は、耐加水分解性フィルムの表面に、コロナ放電処理もしくはプラズマ処理を行った後、その処理表面にビニル系樹脂を設け、第一層に乾式成膜によりニッケル合金層の形成、続いて第二層に乾式成膜により銅金属層の形成、さらに第三層に湿式メッキにより銅被覆層を形成することを特徴とする耐加水分解性導電フィルムである。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、第一層に設けるニッケル合金層の膜厚が、10〜40nmであることを特徴とする耐加水分解性導電フィルムである。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明において、第一層に設けるニッケル合金層は、クロムとの合金で、クロム含有量は5〜30wt%であることを特徴とする耐加水分解性導電フィルムである。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明において、第二層に設ける銅金属層の膜厚が80〜200nmであることを特徴とする耐加水分解性導電フィルムである。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明において、第三層に設ける銅被覆層の膜厚が2〜20μmであることを特徴とする耐加水分解性導電フィルムである。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明に記載の耐加水分解性導電フィルムをエッチング処理して回路パターンを形成することを特徴とする太陽電池用バックシートである。
耐水性に優れ、大気遮断性に優れかつ導電性を併せ持つ耐加水分解性導電フィルムが提供できる。これは太陽電池のバックシートなどに用いることが可能である。
本発明の耐加水分解性導電フィルムの構造の一例を示す実施例1に係る耐加水分解性導電フィルムの断面図である。 本発明に係る耐加水分解性導電フィルムの製造に用いたRoll to Rollの巻き取り式スパッタリング装置の一例を示す構成図である。 実施例における「耐加水分解性導電フィルムの構造(断面)」を示す模式断面図で、(a)は実施例1、(b)は比較例1、(c)は比較例2、(d)は比較例3に対応している。
<1.耐加水分解性導電フィルム>
本発明により得られる耐加水分解性導電フィルムは、耐加水分解性フィルム表面を表面処理して、ビニル系樹脂による密着性改善層を設けた絶縁性のフィルム基材に、乾式成膜によりニッケル合金層、次いで銅金属層を順に形成し、その銅金属層上に湿式めっき法による厚い銅被覆層を形成することを特徴とする。
このようにして得られる本発明の耐加水分解性導電フィルムの構造を図1に示す。
図1に示すとおり、本発明の耐加水分解性導電フィルム10は、耐加水分解性フィルム1の表面処理された表面1a上に、密着性改善層5を設け、その上にニッケル合金層2、銅金属層3、銅被覆層4が順に形成された構造を採っている。なお、用途によっては、表面1a上に、易接着層(図示せず)を設け、その上に密着改善層5を設けても良い。
ここで乾式めっき法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法が挙げられるが、スパッタリング法は膜組成や膜厚の制御が行いやすいため好ましい。
以下に本発明の耐加水分解性導電フィルムの各構成要素について詳しく説明する。
[1−1.フィルム基材]
(1)耐加水分解性フィルム
本発明で用いる耐加水分解性フィルムは、水分に強く、大気透過性が低く、耐候性に優れていれば、特に限定されない。例えば、耐加水分解性PETフィルムなどを用いることができる。
さらに、耐加水分解性フィルムの表面に導電層を形成する場合、直接スパッタリング等により金属層を形成しても、十分な密着性は得られない。そこで、最初に耐加水分解性フィルムの表面にコロナ放電処理もしくはプラズマ処理などの表面処理を行い、耐加水分解性フィルム表面に酸素を含有する官能基を導入し、耐加水分解性フィルム表面の密着性の向上を図る。
この耐加水分解性フィルムの厚みは、50μmから300μmが好ましく、100μmから200μmがより好ましく、耐加水分解性フィルムが薄すぎると機械的強度が不足し、バリア性にも欠け、厚すぎると柔軟性に欠け、フィルムコストの増大を招く結果となる。
(2)密着性改善層
さらに、耐加水分解性フィルムの表面処理後、耐加水分解性フィルムとニッケル合金層の間に密着性改善層を設ける。
この密着性改善層にはビニル系樹脂を用いる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラールなどである。さらに、表面処理を施された耐加水分解性フィルムの表面とビニル系樹脂表面との密着力を補強する易接着層を、ビニル系樹脂と耐加水分解性フィルムの間に設けて、密着性改善層の一部としても良い。易接着層としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などを用いると良い。
この密着性改善層を表面処理後の耐加水分解性フィルム表面に設けることにより、表面処理のみの場合に比べて、より高い密着性が得られ、その密着性はより強固なものとすることを可能とする。
ここで、密着性改善層の厚みは、1μmから10μmであることが好ましい。密着性改善層が薄過ぎると接着力が不足し、厚すぎるとコストアップになる。
[1−2.ニッケル合金層]
耐加水分解性フィルムの表面処理後、その処理表面にビニル系樹脂からなる密着性改善層を設け、第一層として乾式成膜によりニッケル合金層を成膜する。
このニッケル合金層は、密着性改善層のビニル系樹脂と強固な密着を形成すると共に、導電層を構成するための銅金属層とは、金属として親和性を有することから高い結合性が得られ、その結果、耐加水分解性フィルムと導電層を構成する銅層(銅金属層/銅被覆層、特に銅金属層)との間に高い密着性を提供するものである。
その成膜方法は特に限定されないが、スパッタリング法や蒸着法が用いられる。
ここで、ニッケル合金のニッケル以外の成分としては、Cr、Ti、Mo、Cu、Feなどが挙げられるが、合金成分としては、酸素との密着力が強く、ニッケル合金表面に緻密な酸化膜が形成されることで樹脂表面の酸素と結びつき強い密着力を得られやすいため、Crを用いることが好ましい。また、Crの比率は5〜30wt%が好ましく、20wt%であるとより好ましい。
Crが5wt%未満だとニッケル−クロム合金表面の酸化膜が疎になり、樹脂表面の酸素と結合する力が弱まり、密着力が低下する可能性もある。また30wt%より多くなると、膜応力が高くなりクラックなどが入ることがあり、また、回路形成時のエッチングが難しいため、好ましくない。
また、ニッケル合金層の厚みは、10nm以上、40nm以下であることが好ましい。
その厚みが、10nm未満では十分な密着性が得られない場合があり、40nmより厚くなると、成膜に時間がかかり、製造コストに影響する。また、ニッケル合金層が厚過ぎると回路形成の際にニッケル合金層エッチング速度が銅層に比べて低いために、銅層のサイドエッチングが起こったり、エッチング残渣によって絶縁信頼性が損なわれることや、エッチング工程の時間が長くなることによる生産性の低下などの問題が生ずる場合があるため好ましくない。
[1−3.銅金属層]
続いて第二層として銅金属層を乾式成膜する。
この銅金属層は、次工程での銅被覆層を形成し易くする機能を有する。このとき、ニッケル合金層の成膜後、真空を破らずに、連続して銅を成膜することが好ましい。そうすることにより、ニッケル合金層の表面が酸化したり汚れたりすることを防ぐことができる。
この銅金属層の厚さは80nm以上、200nm以下であることが好ましい。80nm未満では、この後に行われる湿式メッキの際に硫酸銅溶液で銅金属層が溶け出す場合があり、好ましくない。200nmより厚くなると、成膜に時間がかかり、製造コストに影響する。
[1−4.銅被覆層]
本発明の耐加水分解性導電フィルムでは、銅金属層を形成した後、その上に湿式めっき法によって導電層となる銅被覆層を形成する。
湿式めっき法には無電解めっき法と電解めっき法があるが、本発明の銅被膜層を形成する方法としては、特にどちらかに限定されるものではない。また、両方の方法を組み合わせて使用しても良い。しかし、銅被覆層の被膜層厚みを制御しやすいことから、電解めっき法を用いることが好ましい。
電解めっき法においては、その銅被覆層の被膜層厚みは、電流値によって制御され、2〜20μm程度の被膜層厚みにすることが好ましい。2μm未満ではエッチングによる配線が作りにくく、20μm以上ではめっき時間が長くなり生産性が低くなるため好ましくない。なお、信号線として使う用途では、8μm程度が望ましい。
<2.耐加水分解性導電フィルムの製造方法>
次に耐加水分解性導電フィルムの製造方法を説明する。
本発明においては、耐加水分解性フィルム表面をコロナ放電処理などの表面処理を行い表面を活性化させ、その活性した表面にビニル系樹脂を塗布することにより密着性改善層を設け、その表面にニッケル合金層の形成、その上に銅金属層の形成、さらにその上に銅被覆層の形成を行うものである。また、使用環境や使用形状などによって、さらに密着性を必要とする場合には、易接着層をビニル系樹脂の塗布前に、表面処理された耐加水分解性フィルム表面に設けると良い。
耐加水分解性フィルムとビニル系樹脂からなるフィルム基材は、通常水分を含んでおり、スパッタリング法により金属酸化物からなる下地金属層の第1層を形成する前に、大気乾燥あるいは真空乾燥を行い、絶縁体フィルム中に存在する水分を取り去っておく必要がある。これが不十分であると下地金属層との密着性が悪くなってしまう。
また耐加水分解性フィルム表面に、コロナ放電処理等を行い、その表面を活性化させる。その表面処理条件は用いるフィルムの種類によって適宜最適化して用いる。また、スパッタリングで成膜する前にArガス中で放電を起こし、フィルムをプラズマ中にさらすことも可能である。
耐加水分解性フィルムにビニル系樹脂を塗布する方法は、公知の任意の方法が適用できる。
具体的には、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、バーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法、ダイコート法などを単独または組み合わせて適用することができる。
図2は、本発明の耐加水分解性導電フィルムの製造に用いることができるRoll to Rollの巻き取り式スパッタリング装置の一例である。
真空チャンバー11内には、耐加水分解性フィルムFを巻き出す巻出軸12、キャンロール13、成膜後の絶縁体フィルムFを巻き取る巻き取り軸14、フィルムを搬送するフィードロール15a、15b、及びスパッタリングカソード16a、16bが備えられている。
このスパッタリングカソード16a、16bはDCマグネトロンスパッタリングカソード等を用いることができ、成膜する膜の種類により適宜選択する。さらに隔壁17a〜17cは成膜室A、Bを形成し、各スパッタリングカソード16a、16bにおけるスパッタリング雰囲気を、個々に異なる雰囲気とすることができる。各成膜室は別個の排気系とガス導入系を備える。キャンロール13の内部には冷媒が循環し、スパッタリング成膜の際の絶縁体フィルムを冷却する。
本発明に係る耐加水分解性導電フィルムを製造するには、スパッタリング装置のスパッタリングカソード16aにNi合金ターゲットを、スパッタリングカソード16bに銅ターゲットを装着する。
先ず、スパッタリング法によりニッケル合金層を形成する場合、ニッケル合金ターゲットをスパッタリングカソード16aに装着して、真空度を1×10−4Paレベルにして、アルゴンガス雰囲気、0.3Paでニッケル合金層を形成する。
また、スパッタリング法により銅金属層を形成する場合、銅ターゲットをスパッタリングカソード16bに装着し、銅金属層を形成する。ここで銅金属層の厚みは、ニッケル合金層に比べ厚いため、効率よく銅金属層を形成するには銅ターゲットをスパッタリングカソード16a、16bの2箇所に設置しても良い。
銅金属層を形成した後、銅金属層の上に湿式めっき法で銅被覆層を形成する。
湿式めっき法としては、無電解めっき法と電解めっき法があるが、どちらを用いてもかまわない。また、両方を用いてもかまわない。ただ、銅被覆層の厚みを制御しやすいことから、電解めっき法を用いることが好ましい。
<3.太陽電池用バックシート>
本発明に係る耐加水分解性導電フィルムは、エッチングにより所望の回路パターンを形成することが可能である。
回路パターンを形成するには金属層をエッチング処理するが、通常は化学エッチング処理が行われる。この化学エッチング処理は、化学エッチング液により不要となる金属膜の侵食と、化学エッチング液の除去のための水洗とにより構成され、化学エッチング処理では、化学エッチング液や水をシャワーなどで噴射したり、化学エッチング液などに浸漬して行うことが一般的である。
銅層のエッチングに対応した化学エッチング液には、例えば、塩化第二鉄(FeCl・2HO)水溶液や、塩酸酸性の塩化第二銅(CuCl・2HO)水溶液があり、これらを使用した化学エッチング処理を行い、導体配線を形成する。
このようにして配線加工された耐加水分解性導電フィルムは、太陽電池パネルのバックシートなどに用いることが可能である。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例の結果は、表1に纏めて示す。なお、実施例、各比較例における「耐加水分解性導電フィルムの構造(断面)」を図3(a)〜(d)に示す。
フィルム基材として、耐加水分解性フィルムに、フィルム厚125μmの耐加水分解性ポリエステルフィルム(透明タイプ)を用いた。
このフィルムにコロナ放電処理(40kHz、10KW)を30秒行い、表面を活性化させ、この活性化した表面に、0.1μm厚の易接着層(アクリル樹脂)を設け、その表面にビニル系樹脂のエチレン酢酸ビニル樹脂を厚み10μmになるように塗布、乾燥して、耐加水分解性導電フィルム作製用のフィルムを作製した。
次に、スパッタリング装置にフィルムをセットし、真空度を2×10−4Pa以下になるまで真空引きした。その後、アルゴンガスを導入して真空チャンバー内を0.3Paにし、Ni−80wt%Cr層を厚み20nm、マグネトロンスパッタリング装置で成膜した。さらに連続して銅金属層を100nmの厚みに成膜した。
この成膜終了後、フィルムを電気メッキ浴に入れて銅被覆層を8μm成膜して実施例1に係る耐加水分解性導電フィルムを作製した。
[フィルム特性評価]
作製した耐加水分解性導電フィルムの外観は、「曇り」、「剥離」もなく良好(「○」)であった。
次に、この耐加水分解性導電フィルムの密着力を碁盤の目試験(JIS−K5400に準拠)で評価した結果、膜の剥離はなく、その良品割合は、「100/100」と100%であった。
さらに引き剥がし強さ試験(JIS−C6471に準拠)を、リード幅1mm、引き剥がしの角度を90°の条件で行った。なお、リードはサブトラクティブ法で形成した。
その結果、引き剥がし強さは、250N/mであった。
(比較例1)
耐加水分解性フィルムに表面活性化のための表面処理を施さずに用いた以外は、実施例1と同様に耐加水分解性導電フィルムを作製して、実施例1と同じくフィルム特性を評価した。
このフィルムの密着力を碁盤の目試験で評価した結果、膜の剥離が見られ、その割合は50/100であった。この結果より、実施例に比べて密着性に劣ることが判明した。
(比較例2)
フィルム基材に、密着性改善層を設けずに用いた以外は、実施例1と同様に耐加水分解性導電フィルムを作製して、実施例1と同じフィルム特性を評価した。
このフィルムの密着力は、実施例1のフィルムと同等であったが、引き剥がし強さが大きく劣っていた。
(比較例3)
耐加水分解性フィルムに表面活性化のための表面処理を施さず、且つ密着性改善層を設けずに用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3に係る耐加水分解性導電フィルムを作製して、実施例1と同じくフィルム特性を評価した。
このフィルムの密着力を碁盤の目試験で評価した結果、膜の剥離が見られ、その割合は30/100であった。この結果より、実施例に比べて密着性に劣ることが判明した。
Figure 2014053368
1 耐加水分解性フィルム
1a 表面改善層
2 ニッケル合金層
3 銅金属層
4 銅被覆層
5 密着性改善層
6 易接着層
10 耐加水分解性導電フィルム
11 真空チャンバー
12 巻出軸
13 キャンロール
14 巻き取り軸
15a、15b フィードロール
16a、16b スパッタリングカソード
17a、17b、17c 隔壁
A、B 成膜室

Claims (6)

  1. 耐加水分解性フィルムの表面に、コロナ放電処理もしくはプラズマ処理を行った後、前記処理表面にビニル系樹脂を設け、第一層に乾式成膜によりニッケル合金層の形成、続いて第二層に乾式成膜により銅金属層の形成、さらに第三層に湿式メッキにより銅被覆層を形成することを特徴とする耐加水分解性導電フィルム。
  2. 第一層に設けるニッケル合金層の膜厚が、10〜40nmであることを特徴とする請求項1に記載の耐加水分解性導電フィルム。
  3. 第一層に設けるニッケル合金層は、クロムとの合金で、クロム含有量は5〜30wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐加水分解性導電フィルム。
  4. 第二層に設ける銅金属層の膜厚が80〜200nmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の耐加水分解性導電フィルム。
  5. 第三層に設ける銅被覆層の膜厚が2〜20μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の耐加水分解性導電フィルム。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の耐加水分解性導電フィルムをエッチング処理して回路パターンを形成することを特徴とする太陽電池用バックシート。
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CN108461565A (zh) * 2017-05-19 2018-08-28 浙江帝恒实业有限公司 一种耐候性太阳能电池背板及其制备方法

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