JP2014052244A - 原子炉の撤去工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工期を短くすることのできる原子炉の撤去工法の提供。
【解決手段】原子炉建屋3内の原子炉格納容器2が、原子炉建屋3内の地下に設けられたトーラス室9内のサプレッションチェンバ5とベント管6を介して連通する原子炉の撤去工法であって、原子炉建屋3には、トーラス室9の傍らに付設されると共に原子炉建屋3外の地上に連通するアペンテージ10が設けられており、サプレッションチェンバ5を解体した後、ベント管6とトーラス室9とを連通させると共にトーラス室9とアペンテージ10とを連通させて、原子炉格納容器2内の原子炉圧力容器1の解体時の搬出用通路20として用いる、という手法を採用する。
【選択図】図4

Description

本発明は、原子炉の撤去工法に関するものである。
原子力発電所等の原子炉設備では、運転の使命を終了すると廃止措置がとられる。このため、原子炉の廃止措置に伴う原子炉圧力容器の安全かつ合理的な解体撤去工法の確立が急務とされている。原子炉圧力容器を解体撤去するには、原子炉圧力容器を細分化して逐次撤去、処分する工法が現実的であると考えられている。特許文献1には、沸騰水(Boiling Water Reactor)型原子力発電所設備の原子炉建屋から原子炉圧力容器を撤去するための工法が開示されている。
特許文献1にあるように、この廃止措置は系統除染、安全貯蔵、解体撤去の順で行われる。安全貯蔵では、設備の放射線レベルが所定の値に減衰するまで(約5年〜10年)貯蔵され、この後、配管や機器類を解体するとともに、重量物である原子炉圧力容器を解体しこれを細分化して原子炉建屋から撤去する解体撤去作業が行われる。解体物の撤去作業においては、原子炉建屋内で解体物を放射線遮蔽容器に収納し、これを例えば、タービン建屋、又は放射線管理建屋等の保管設備に移送して一時保管する。この後、放射線遮蔽容器を、船舶により所定の場所に運搬して地中に埋設処理する。
特許文献1においては、原子炉建屋内で解体された解体物を、原子炉建屋から保管施設に効率よく移送するべく、原子力発電所設備に建設された原子炉建屋とタービン建屋とを直結するトンネル(メインスチームトンネル)を、原子炉建屋に格納された原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として利用し、当該トンネルを介して解体物をタービン建屋に移送して保管する原子炉撤去工法が開示されている。
特許第4898567号公報
しかしながら、上記従来技術では、タービン建屋に解体物を保管するスペースを確保するために、タービン建屋を先行して解体しなければならないため、タービン建屋を先行解体する数年の間は、原子炉建屋内から解体物を搬出する動線(メインスチームトンネル)を確保することができない。そうすると、タービン建屋の解体作業を待って、原子炉建屋内の解体作業を行う必要があり、結果、工期が長くなってしまうという問題がある。したがって、工期を短くすることのできる原子炉の撤去工法の提供が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、工期を短くすることのできる原子炉の撤去工法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、原子炉建屋内の原子炉格納容器が、前記原子炉建屋内の地下に設けられたトーラス室内のサプレッションチェンバとベント管を介して連通する原子炉の撤去工法であって、前記原子炉建屋には、前記トーラス室の傍らに付設されると共に前記原子炉建屋外の地上に連通する付設室が設けられており、前記サプレッションチェンバを解体した後、前記ベント管と前記トーラス室とを連通させると共に前記トーラス室と前記付設室とを連通させて、前記原子炉格納容器内の原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として用いる、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、原子炉建屋内のサプレッションチェンバを解体し、ベント管、トーラス室、付設室を連通させ、原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として利用する。このように、既設の構造物を利用して、原子炉建屋とタービン建屋とが直結しない別の動線を確保することにより、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋内の解体作業を行うことができる。このため、例えばタービン建屋と原子炉建屋の並行解体作業が可能になり、工期を短くすることができる。
また、本発明においては、前記搬出用通路を介して搬出される解体物の少なくとも一部を前記トーラス室に一定期間保管する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、トーラス室の大きな空間を利用して解体物を保管することにより、例えば解体物の最終処分地が決定するまでの間においても、原子炉建屋内の解体作業を行える。また、トーラス室は、放射線遮蔽構造体である原子炉建屋の一部であり、解体物の保管に適している。
また、本発明においては、前記付設室は、非常用炉心冷却系の一部を構成するコアスプレーポンプを収容するためのコアスプレーポンプ室である、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、非常用炉心冷却系の一部を構成するコアスプレーポンプを収容するための既設のコアスプレーポンプ室を搬出用通路の一部として利用する。コアスプレーポンプ室は、コアスプレーポンプを収容するための所定の大きさを有し、動線として利用するのに好適である。
また、本発明においては、前記解体物を搬送する搬送車両のためのガレージを前記付設室と連通するように地上に設け、前記ガレージ内の浮遊物をフィルターで集塵する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、付設室に連通するように地上にガレージを設け、当該ガレージに搬送車両を出し入れして解体物を所定の場所に搬送する。ここで、ガレージ内をフィルタリングして浮遊物を集塵することにより、ベント管、トーラス室、付設室を介して原子炉建屋内から流出する放射性物質を捕捉することができる。
また、本発明においては、前記トーラス室には、前記ベント管から前記解体物を荷受けする荷受けエリアと、前記解体物を放射線遮蔽容器に収納する作業エリアと、前記放射線遮蔽容器を一定期間保管する保管エリアと、前記放射線遮蔽容器を前記付設室に搬出する搬出エリアとが順に設けられている、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、トーラス室の環形状を利用して、解体物の荷受け、解体物の収納、収納物の保管、収納物の搬出を、当該環形状に沿って一連化(ライン化)することで、解体作業の効率化を図ることができる。
また、本発明においては、前記作業エリアにおける浮遊物をフィルターで集塵する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、解体物を放射性遮蔽容器に収納する際の除染解体作業によって発生する放射性物質を捕捉することにより、他のエリアへの影響を小さくすることができる。
本発明によれば、工期を短くすることのできる原子炉の撤去工法を提供することができる。
本発明の実施形態における原子炉の概略構成を示す断面図である。 図1における矢視A−A図である。 本発明の実施形態における原子炉の撤去工法を示すフロー図である。 本発明の実施形態における原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路を説明するための図である。 本発明の実施形態における搬出用通路を利用した解体物の搬出を説明するための図である。 図5における矢視B図である。 図5における矢視C図である。 本発明の実施形態における搬送用通路を形成するトーラス室のエリアレイアウトを示す図である。 本発明の実施形態における原子炉の撤去工法による効果を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態における原子炉の概略構成を示す断面図である。図2は、図1における矢視A−A図である。
本実施形態の原子炉は、沸騰水型原子力発電設備にかかるものであり、周囲には不図示のタービン建屋が設けられている。
この原子炉は、図1に示すように、原子炉圧力容器(RPV)1と、この原子炉圧力容器1を囲繞して設けられた鋼製の原子炉格納容器(PCV)2とを備える。原子炉格納容器2は、原子炉圧力容器1を一次格納するものであり、冷却材喪失時等に圧力障壁および放射性物質の放散に対する障壁を形成する。原子炉格納容器2は、その基部が原子炉建屋基礎で支持される鋼製自立型格納容器である。
原子炉格納容器2は、放射能遮蔽体としてのコンクリート製の原子炉建屋(R/B)3内に設けられている。原子炉格納容器2の周囲は、原子炉建屋3の一部をなす生体遮蔽壁3aにて厚く覆われており、この生体遮蔽壁3aにより放射能汚染領域とクリーン領域とが隔離されている。原子炉格納容器2は、ドライウェル(D/W)4と、サプレッションチェンバ(S/C)5と、ベント管6とからなる圧力抑制系を備える。
サプレッションチェンバ5は、原子炉格納容器2の周囲に円環状に配設された鋼管からなる。サプレッションチェンバ5は、複数(例えば9個)のベント管6を介して原子炉格納容器2のドライウェル4に連通している。
ベント管6は、内径が約2m前後の大口径の鋼管からなる。ベント管6は、ドライウェル4の空間とサプレッションチェンバ5の水中とを接続するものである。
ベント管6は、ベントヘッダ7と、ダウンカマ8とを有する。ベントヘッダ7は、サプレッションチェンバ5内で円環状に設けられ、複数のベント管6に接続されている。ダウンカマ8は、ベントヘッダ7より分岐してサプレッションチェンバ5の水中に開口するように設けられている。このダウンカマ8は、隣り合うベント管6の間において複数設けられている。
原子炉建屋3内の地下には、原子炉格納容器2の下部周囲に位置して、その内部にサプレッションチェンバ5が配設されるトーラス室9が円環状に設けられている。トーラス室9は、例えば高さ8m×横幅8m程度の空間断面積を有し、原子炉格納容器2の周囲に直径30m〜40mのトーラス形状の空間を形成している。トーラス室9は、放射能遮蔽体としてのコンクリート製の原子炉建屋3の一部をなす地下構造物として形成される。
原子炉建屋3には、トーラス室9の傍らに付設されると共に原子炉建屋3外の地上に連通するアペンテージ(付設室)10が設けられている。アペンテージ10は、トーラス室9の外側に突出するようにして付設された地下構造物である。このアペンテージ10は、非常用炉心冷却系(ECCS)の一部を構成するコアスプレーポンプ11を収容するためのコアスプレーポンプ室である。
図2に示すように、アペンテージ10内には、コアスプレーポンプ11の他に、同じく非常用炉心冷却系を構成する熱交換器12、ドレインタンク13、ドレインポンプ14等が収容されている。このアペンテージ10には、地下上部フロアー10aと、地下下部フロアー10bとがあり、梯子15で行き来できるようになっている。地下下部フロアー10bには、複数のコアスプレーポンプ11が配置されている。
地下上部フロアー10aの側部には、トーラス室9に連通できる連通口16が形成されている。また、地下上部フロアー10aの天部には、原子炉建屋3外の地上に連通できるハッチ17a,17bが設けられている。ハッチ17aは、熱交換器12を移送できる大きさ、例えば2m×2m程度の大きさで開口できるようになっている。ハッチ17bは、ポンプ類を移送できる大きさ、例えば1m×1m程度の大きさで開口できるようになっている。ハッチ17bは、2つ設けられ、一方には梯子18が設けられている。
続いて、上記構成の原子炉の撤去工法について説明する。
図3は、本発明の実施形態における原子炉の撤去工法を示すフロー図である。
原子炉の撤去工法の主要工程は、概略、燃料の取り出し、原子炉圧力容器1の解体、原子炉格納容器2内の解体、原子炉建屋3の解体、タービン建屋の解体、からなる。以下の説明では、原子炉圧力容器1の解体にかかる原子炉の撤去工法(以下、本手法)について、図3を参照しつつ詳述する。
本手法では、先ず、炉内除染、系統除染、サプレッションチェンバ5内の水処理を行った後、図3に示すように、サプレッションチェンバ5を先行解体する(ステップS1)。その後、ベント管6とトーラス室9とを連通させると共にトーラス室9とアペンテージ10とを連通させて、原子炉圧力容器1の解体時の搬出用通路としての動線を確保する(ステップS2)。
図4は、本発明の実施形態における原子炉圧力容器1の解体時の搬出用通路20を説明するための図である。
図4に示すように、サプレッションチェンバ5を先行解体すると、ベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を連通させることができる。これにより、原子炉格納容器2内から原子炉建屋3外の地上に繋がる解体物の搬出用通路20を確保することができる。
搬出用通路20は、既設の構造物であるベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を利用して形成される。なお、搬出用通路20における空間断面積の確保のために、ベントヘッダ7及びダウンカマ8は、サプレッションチェンバ5の解体と共に切除等して撤去することが好ましい。また、必要であれば、トーラス室9とアペンテージ10との連通口16を拡大させてもよい。アペンテージ10は、コアスプレーポンプ室であり、搬出口である大型のハッチ17aが設けられ、動線として利用するのに好適である。
このように、本手法では、原子炉建屋3内のサプレッションチェンバ5を解体し、ベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を連通させ、原子炉圧力容器1の解体時の搬出用通路20として利用する。このように、既設の構造物を利用して、原子炉建屋3とタービン建屋とが直結しない別の動線を確保することにより、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋3内の解体作業を行うことができる。このため、タービン建屋側と並行して解体作業を行うことが可能となる。
図3に示すように、本手法では、ステップS2の次に、原子炉圧力容器1を解体し(ステップS3)、その解体物を廃材処理する(ステップS4)。
図5は、本発明の実施形態における搬出用通路20を利用した解体物d1の搬出を説明するための図である。図6は、図5における矢視B図である。図7は、図5における矢視C図である。
原子炉圧力容器1を解体すると、解体時に生じる放射性浮遊物が搬出用通路20を介して原子炉建屋3内から地上に漏出するようになるため、本手法では解体の前に、図5〜図7に示すように、ハッチ17a,17bを囲うようにガレージ21を仮設する。本実施形態のアペンテージ10は、2つ設けられている(図6参照)ため、それぞれにガレージ21を仮設する。
ガレージ21は、図5に示すように、解体物を外部に搬送する搬送車両Tのためのものであり、アペンテージ10と連通するように地上に設ける。ガレージ21には、シャッター22が設けられており、搬送車両Tが荷受けする際にはシャッター22が閉められる。また、ガレージ21には、図7に示すように、内部の空気を局所排気するフィルター装置23が設けられており、ガレージ21内の浮遊物をヘパフィルター等でフィルタリングし集塵する。これにより、原子炉建屋3内から流出する放射性浮遊物を捕捉する。
原子炉格納容器2内で細分化された原子炉圧力容器1の解体物d1の搬出は、図5に示すように、搬出用通路20の適所に揚重機24を設けることにより行う。具体的には、原子炉格納容器2とトーラス室9との間においてベント管6を通すように架設したレール25に揚重機24を設置して、解体物d1をトーラス室9に搬出する。また、トーラス室9とアペンテージ10との間において連通口16を通すように架設したレール26に揚重機24を設置して、トーラス室9で解体物d1を詰めた放射線遮蔽容器d2をアペンテージ10に搬出する。そして、ガレージ21に架設したレール27に揚重機24を設置して、放射線遮蔽容器d2を地上に引き上げて搬送車両Tの荷台に載置することにより搬出を行う。
図8は、本発明の実施形態における搬送用通路20を形成するトーラス室9のエリアレイアウトを示す図である。
本手法では、トーラス室9の環形状を利用して、解体物の荷受け、解体物の収納、収納物の保管、収納物の搬出を、当該環形状に沿って一連化(ライン化)することで、解体作業の効率化を図っている。具体的には、荷受けエリアa1、作業エリアa2、保管エリアa3、搬出エリアa4を、トーラス室9の円環形状に沿って順にレイアウトする。
荷受けエリアa1では、ベント管6を介して搬出される解体物d1を荷受けする。作業エリアa2では、搬出された解体物d1を除染解体し、放射線遮蔽容器d2(キャスク)に収納する。作業エリアa2では、除染解体時に放射性浮遊物が発生するため、遮蔽カーテン28を設けて他のエリアに影響を与えないようにする。また、作業エリアa2の空気を局所排気するフィルター装置29を設け、放射性浮遊物をヘパフィルター等でフィルタリングし集塵することで、他のエリアへの影響をより小さくすることができる。
保管エリアa3では、解体物d1を詰めた放射線遮蔽容器d2を仮置きし、一定期間保管する。例えば、最終処分地(埋立地)が決定されていない場合は、放射線遮蔽容器d2を最終処分地が決定するまでトーラス室9に保管する(ステップS5、S6)。トーラス室9は、放射線遮蔽構造体である原子炉建屋3の一部であり、放射性物質の保管に適している。このようなトーラス室9の利用によれば、原子炉建屋3の外部に別途保管設備を設ける必要がなくなるため、原子炉建屋3の外部に保管設備を設けるスペースが確保できない場合に特に有効である。
また、トーラス室9は十分な空間容積を有しているため、放射線遮蔽容器d2を原子炉建屋3から搬出できない間においても、原子炉建屋3内の解体作業を継続することができる。最終処分地が決定したら、アペンテージ10を経由しての搬出・搬送を行う(ステップS7)。搬出エリアa4では、揚重機24によって放射線遮蔽容器d2をトーラス室9からアペンテージ10に搬出する。そして、その後、放射線遮蔽容器d2をアペンテージ10経由で地上に荷揚げし、搬送車両Tに載置して最終処分地に搬送することとなる。
以上により、本手法にかかる解体撤去が終了する。
図9は、本発明の実施形態における原子炉の撤去工法による効果を説明するための図である。図9(a)は、本手法(ベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を利用した動線確保)を採用した場合の概略工程を示し、図9(b)は、従来手法(メインスチームトンネルを利用した動線確保)を採用した場合の概略工程を示している。図9における横軸は、期間を示す。
図9(b)に示すように、従来手法では、メインスチームトンネルを動線として利用するため、タービン建屋を先行解体しなければならない。また、作業スペースの関係で廃材処理をタービン建屋側で行う必要があるため、動線が確保できるまでは、原子炉建屋側の解体作業をすることができない。さらに、解体物をタービン建屋で保管することから、原子炉建屋側の解体作業の完了を待ってタービン建屋の最終解体を行わなければならず、工期が長くなる。
一方、図9(a)に示すように、本手法では、サプレッションチェンバ5を先行解体し、既設の構造物(ベント管6、トーラス室9、アペンテージ10)を利用して、原子炉建屋3とタービン建屋とが直結しない別の独立した動線を確保することにより、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋3内の解体作業を行うことができる。また、トーラス室9の大きな空間を利用できるため、最終処分地が決定するまでの間においても、廃材処理を行うことができ、また、廃材処理した解体物d1を原子炉建屋3内に保管することができる。このため、メインスチームトンネルの開通工事前に、原子炉建屋3の解体作業に着手可能となる。また、タービン建屋と原子炉建屋3の並行解体作業が可能となるため、一方の解体作業を他方が待つことがなく、結果、工期を短くすることができる。
したがって、上述の本実施形態によれば、原子炉建屋3内の原子炉格納容器2が、原子炉建屋3内の地下に設けられたトーラス室9内のサプレッションチェンバ5とベント管6を介して連通する原子炉の撤去工法であって、原子炉建屋3には、トーラス室9の傍らに付設されると共に原子炉建屋3外の地上に連通するアペンテージ10が設けられており、サプレッションチェンバ5を解体した後、ベント管6とトーラス室9とを連通させると共にトーラス室9とアペンテージ10とを連通させて、原子炉格納容器2内の原子炉圧力容器1の解体時の搬出用通路20として用いる、という手法を採用することによって、全体の工期の短縮を図ることができる原子炉の撤去工法が得られる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
上記実施形態では、図8に示すように、アペンテージ10が2つ設けられているため、例えば、レール26が設けられる一方側のアペンテージ10を放射線遮蔽容器d2の搬出用として用い、レール30が設けられる他方側のアペンテージ10を、解体機材を搬入する搬入用として用いてもよい。
上記実施形態では、複数のベント管6のうちの一箇所から解体物d1をトーラス室9に搬出すると説明したが、本発明はこの手法に限定されるものではなく、複数のベント管6のうちの二箇所以上から解体物d1をトーラス室9に搬出してもよい。
1…原子炉圧力容器、2…原子炉格納容器、3…原子炉建屋、5…サプレッションチェンバ、6…ベント管、9…トーラス室、10…アペンテージ(付設室)、20…搬出用通路、21…ガレージ、a1…荷受けエリア、a2…作業エリア、a3…保管エリア、a4…搬出エリア、d1…解体物、d2…放射線遮蔽容器

Claims (6)

  1. 原子炉建屋内の原子炉格納容器が、前記原子炉建屋内の地下に設けられたトーラス室内のサプレッションチェンバとベント管を介して連通する原子炉の撤去工法であって、
    前記原子炉建屋には、前記トーラス室の傍らに付設されると共に前記原子炉建屋外の地上に連通する付設室が設けられており、
    前記サプレッションチェンバを解体した後、前記ベント管と前記トーラス室とを連通させると共に前記トーラス室と前記付設室とを連通させて、前記原子炉格納容器内の原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として用いる、ことを特徴とする原子炉の撤去工法。
  2. 前記搬出用通路を介して搬出される解体物の少なくとも一部を前記トーラス室に一定期間保管する、ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉の撤去工法。
  3. 前記付設室は、非常用炉心冷却系の一部を構成するコアスプレーポンプを収容するためのコアスプレーポンプ室である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉の撤去工法。
  4. 前記解体物を搬送する搬送車両のためのガレージを前記付設室と連通するように地上に設け、前記ガレージ内の浮遊物をフィルターで集塵する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の原子炉の撤去工法。
  5. 前記トーラス室には、その環形状に沿って、前記ベント管から前記解体物を荷受けする荷受けエリアと、前記解体物を放射線遮蔽容器に収納する作業エリアと、前記放射線遮蔽容器を一定期間保管する保管エリアと、前記放射線遮蔽容器を前記付設室に搬出する搬出エリアとが順に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の原子炉の撤去工法。
  6. 前記作業エリアにおける浮遊物をフィルターで集塵する、ことを特徴とする請求項5に記載の原子炉の撤去工法。
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